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バトルオブフラワーズ⑨〜イマジネーションバトル

#キマイラフューチャー #戦争 #バトルオブフラワーズ #エイプモンキー

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●惑星中心核
 システム・フラワーズ。それはキマイラフューチャーの中核を担うシステム。その内部はシステム・フラワーズの名に相応しく色とりどりの花で埋め尽くされていた。
 だが、一面に広がる美しい花々でできた足場の上を一体のオブリビオンが駆け回っている。猿のような外見をしたそのオブリビオンこそキマイラフューチャーを脅かす怪人軍団の大幹部の一体、エイプモンキーだ。
「ミーのマニアック知識によるカウンターを受けるがいいッキー!」

●想像を越えろ
「皆様、お集まりいただきどうもありがとうございます。早速、依頼の内容をご説明させていただきます」
 エルフの執事、ヘルメス・トリスメギストスが、挨拶もそこそこに任務内容の説明を開始する。
「6つのバトルステージを攻略し、ついにシステム・フラワーズ内部への通路が開きました。これも皆様のご活躍の賜物です」
 あとはシステム・フラワーズ内部を攻略し、オブリビオン・フォーミュラの『ドン・フリーダム』を倒すだけである。
「ですが、オブリビオン・フォーミュラの前に、怪人たちの幹部が立ち塞がっています。これを倒さないことにはオブリビオン・フォーミュラの元には辿り着けません」
 まず猟兵たちの前に立ちはだかるのは、エイプモンキーという怪人だという。
「このエイプモンキーは猿のような見た目とは裏腹に高度な知能を持っているようです。予知によりますと『想像した全てを創造する能力』を持っているようなのです」
 敵はこの能力を使って猟兵たちのユーベルコードを無効化する装置を造りだしてくる。そしてユーベルコードを封じたところに強力な通常攻撃による先制攻撃を放ってくるという。
「この先制攻撃を防げなければ、一方的に攻撃を受けることになり敗北は免れません。なんとか敵の能力への対策を考えて有効打を与えてください」
 具体的には、エイプモンキーが想像し創造してくるものへの対抗策を考えて、さらにその上を行ったマニアックな戦い方をする必要がある。
 なお、複数のユーベルコードを使用すると、その分、敵も先制攻撃回数が増えるので、ユーベルコードの複数使用には気を付けた方がいいだろう。
「皆様でしたら、猿怪人ごときに負けない対抗策を思い付いてくださると信じておりますので、どうかお気をつけて行ってらっしゃいませ」
 ヘルメスは深々と一礼すると、転移ゲートを開いたのだった。


高天原御雷
 こんにちは、高天原御雷と申します。オープニングをご覧いただき、どうもありがとうございます。
 今回は敵の幹部、エイプモンキーとの戦いです。
 強敵相手なので判定は厳しくなります。特に、敵の能力への対抗策が書かれていなかったり、不十分だったりした場合、失敗や苦戦判定となります。そのためシナリオ失敗となる可能性もありますが、皆様、ぜひ工夫をこらしたプレイングで敵を粉砕してください。

 以下、シナリオの注意事項です。よくお読みの上、シナリオにご参加ください。
 みなさまのプレイングを楽しみにしております。

●注意事項
 エイプモンキーは、猟兵が使用するユーベルコードの設定を元に、そのユーベルコードを無効化する武器や戦術を創造し、回避不能の先制攻撃を行ってきます。
(ユーベルコードで無効化したり相殺した後、強力な通常攻撃を繰り出す形です)
 この攻撃は、ユーベルコードをただ使用するだけでは防ぐことは出来ません。
 この先制攻撃に対抗する為には、プレイングで『エイプモンキーが自分のユーベルコードに対抗して創造した武器や戦術を、マニアックな理論やアイデアで回避して、攻撃を命中させる』工夫が必要となります。
 対抗するためのプレイングは、マニアックな理論であればあるほど、効果が高くなります。
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第1章 ボス戦 『マニアック怪人『エイプモンキー』』

POW   :    マニアックウェポン
対象のユーベルコードの弱点を指摘し、実際に実証してみせると、【敵に有効なマニアックな装置】が出現してそれを180秒封じる。
SPD   :    マニアックジェット
【敵のユーベルコードを回避する装置を作り】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ   :    マニアックマシン
対象のユーベルコードに対し【敵の死角から反撃するマシン】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。

イラスト:柿坂八鹿

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●立ちはだかる強敵
 猟兵たちが転移すると、そこは色とりどりの花が咲き乱れる一面の花畑。システム・フラワーズの内部であった。
 そして、その花園に猿のような姿をした怪人がいるのを見つける。そいつこそ怪人たちの幹部の一体、エイプモンキーである。
「ウキキッ! ミーのマニアック知識と想像したものを創造する力で、ここは通さないっキー!」
 エイプモンキーは、そのマニアックな知識を総動員して、猟兵たちのユーベルコードへの対抗策を想像してくる。そして、自らの『想像したものを自在に創造する』ユーベルコードでカウンターを仕掛けてくるのだ。
 だが、この怪人を倒さないとオブリビオン・フォーミュラ、『ドン・フリーダム』の元には辿り着けない。猟兵たちは、キマイラフューチャーを救うために強敵に立ち向かうのだった。
 
アリス・セカンドカラー
エナジードレイン、これへの対処は古今東西過剰摂取させての自滅狙いだと相場は決まっている。ましてや敵幹部と一介の猟兵だ、互いのエナジー総量の差からしてもやらない理由はないでしょう。ついでに、こちらが自主的に中止出来ない仕掛けも施される可能性も高いわね。
でも、この方法が有効なのはエナジーの変換・吸収効率が高い場合よ。つまり、変換・吸収効率を最低にしてしまえば過剰摂取は防げ、逆に余計なエナジーを追加消費してるあちらが自滅することでしょう。
ただ、バレないように暴走を抑えてるかのような演技も必要よね。吸収効率下げるついでに闇属性攻撃にリソース回して暴走演出も。抑えきれない暴走演出でお猿さんにぶっぱよ。



●嗜好的マニアック
「ふーん、あれがオブリビオンの幹部ね。たしかに見た目は猿よねー」
 エイプモンキーの前に歩み出たのは、ローティーンという年齢に似合わない妖艶な笑みを浮かべた少女、アリス・セカンドカラー(不可思議な腐海の笛吹きの魔少女・f05202)だ。
「ウッキッキ、ミーのマニアックなインテリジェンスを舐めていると痛い目に遭うッキよ?」
「さあ、それはやってみなければわからないんじゃないかしら?」
 アリスは、自らの周囲に漂わせている禍々しい触手状のオーラをエイプモンキーに向ける。
 だが、エイプモンキーはそれを見て牙を見せて笑った。
「ウキッ、マニアックなミーは、そういうのをよく知ってるッキよ。その触手のオーラでミーを縛り上げて動きを封じた上でエネルギーを吸い尽くそうという攻撃ッキね。そのうえで……」
 エイプモンキーは触手の動きを見た瞬間に、アリスのユーベルコード【エナジードレイン】の狙いを見抜いてきた。
「狙いがわかったところで、防げなければ意味がないわよっ!」
 アリスの触手状のオーラがエイプモンキーに襲いかかろうとしーー。
「ウッキッキ。狙いがわかればミーはそれに対抗する手段を想像し、創造することができるッキ。エネルギー吸収能力の弱点は、吸収できるエネルギー量に限界があることッキ。ならば、その限界以上にエネルギーを吸収させてやるまでッキ!」
「なっ!?」
 エイプモンキーのユーベルコード【マニアックマシン】によって創造されたマシンが死角から触手のようなケーブルを伸ばし、アリスの全身を絡め取った。
「これはミーが想像した常温核融合発電機ッキ。マシン内部では太陽に匹敵するエネルギーを発電してるッキ。キキキ、物理学にも精通するマニアックなミーだから想像できるマシンだッキ」
 マシンから伸ばされたケーブルはアリスの全身に無理やりエネルギーを流し込み吸収させようとしてくる。
「なっ、なにこれぇっ、私の中に熱いのが入ってきて暴れまわってるっ!?」
 流し込まれるエネルギーに耐えかねたのか、アリスが激しく身悶えし、背筋を伸ばして大きく痙攣する。
「キキキ、ミーのマニアック知識を思い知ったッキか? ならば、あの世に行ってもらうッキ」
 エイプモンキーは、吸収しきれないエネルギーを暗黒のオーラの形で暴走させるアリスに近付き豪腕を振り上げーー。
「なんてね。まあ、エネルギー飽和で自滅させようとするのがドレイン系能力への対処方法の鉄板よね」
「ウキッ!? エネルギーを暴走させてて動けないはずウキッ!」
 平然としたアリスの声に驚愕するエイプモンキー。
「残念でした。エネルギー飽和を狙ってくると思ったから、エネルギー吸収量を最小限に絞らせてもらったわ。それでも十分なエネルギーが吸えたけど♪」
「まさか、ミーの行動を想像してたッキ!?」
 アリスの身体から放たれた暗黒のオーラがエイプモンキーを捉え、激しく打ち据え、吹き飛ばすのだった。
「エネルギー吸収からの反射もよく有る手だから、そのマニアック知識とやらに追加しときなさいな♪」

成功 🔵​🔵​🔴​

灯璃・ファルシュピーゲル
…花畑のお猿さんには物騒な恰好より、花の冠の方がお似合いですよ?

事前準備で漆黒の高速徹甲小銃弾と黒煙の煙幕手榴弾を準備

コード召喚する狼達に対抗して死角から複数の迎撃兵器で
相殺してくると予想し、敵が攻撃を放った瞬間に
煙幕弾を投擲し身を隠しつつ「暗視」装置のサーモグラフィを利用し
「見切り」で回避しつつ敵位置・行動を把握。

同時に黒い煙幕に紛れ込ませる様に狼達をコードで召喚し突撃させ、
更に対APS(アクティブ防護システム)戦術の応用で狼をデコイにして
相手の迎撃兵器を消費させ、間髪いれず煙幕や狼達に紛れさせるように
漆黒の徹甲弾で狙撃(「スナイパー・2回攻撃・だまし討ち・鎧無視攻撃」)する

※アドリブ歓迎



●ミリタリー系マニアック
「……花畑のお猿さんには物騒な恰好より、花の冠の方がお似合いですよ?」
 挑発の言葉を放ちながらエイプモンキーの前に出るのは、銃火器で武装した元軍人の猟兵、灯璃・ファルシュピーゲル(Jagd hund der bund・f02585)だ。
「ウキッ! どうやら命知らずらしいッキね! ミーのユーベルコードの力を受けるッキ!」
「ええ、それでは遠慮なく行かせていただきます」
 灯璃は準備していた手榴弾を投げて周囲に黒煙の煙幕を張る。
 それと同時に相手から向けられた敵意を感知して、ユーベルコード【Schwarzwald Wolfsschanze(シュヴァルツヴァルト・ヴォルフスシャンツェ)】が発動。漆黒の霧を呼び出しさらに視界を閉ざしていく。その霧の中から出ずるは狼をかたどった影の群れである。
 灯璃本人はサーモグラフィ付きの暗視スコープ『GPNVG-42 "Nachtaktivitaet.Ⅱ"』を素早く身に付け物陰に身を隠し、愛銃『Hk477K-SOPMOD3"Schutzhund"』を構えた。
「ウキキ、さてはこの煙幕で視界を奪ってユーベルコードで攻撃してくるつもりッキね! それなら、すべて迎撃するのみッキ!」
 エイプモンキーは【マニアックマシン】により灯璃の死角になる場所に多数のアクティブ防護システムを創造する。
「これはミリ波レーダーを使って接近する敵の位置を感知する迎撃システムッキ! これならば視界が効かなくても迎撃可能ッキ!」
 レーダーにより位置を探知したアクティブ防護システムから大量に発射された機関銃の弾丸がユーベルコードの狼たちに命中、消滅させていく。
「どうッキか? この防護システムを破れるものなら破ってみるがいいッキ! ミーの想像によって、例え超高速な弾丸でも精密に迎撃するようになってるッキ!」
 灯璃に直接攻撃を行おうと、絶対の守りを纏いつつ一歩踏み出したエイプモンキー。
 だが、その瞬間、エイプモンキーの身体を守る装甲に狼の影が突撃。その一部を破壊すると、その隙を逃さず漆黒の高速徹甲小銃弾が装甲の割れ目を貫いていった。
「な、何が起きたッキ!?」
 自慢のアクティブ防護システムを破られボディの装甲を貫通されたエイプモンキーが、傷を押さえながら驚愕の声をあげる。
 煙幕が徐々に晴れていき、そこから弾丸を撃った灯璃の姿が現れた。
「あなた、戦闘中に喋りすぎですよ。それではサーモグラフィを使うまでもなく位置が丸分かりです」
「な、なんでアクティブ防護システムを抜けて攻撃できたッキ!?」
 自慢のアクティブ防護システムを突破されたエイプモンキーが驚きの声をあげる。
「ああ、迎撃してくるのは分かっていましたので、対アクティブ防護システム戦術を使わせていただきました。一匹目の狼の後ろから二匹目の狼を突撃させて、アクティブ防護システムの目を誤魔化すという単純な戦法ですが上手くいったようですね。そこまで想像できるくらいにあなたがマニアックだったら危ないところでしたが」
「くっ、覚えていろッキー!」
 不利を悟り、灯璃から距離をとり逃げ出すエイプモンキーだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ユウナ・フリューアー
機械の猿とかマニアックだね、そうでもないか

携帯に炎属性魔法を付与しつつ【擬似的模倣召喚】で武器全て複製。まあメインは炎を纏った携帯だけど。それで相手を燃やす......そう考えたら多分相手は炎を無力化するために水でも作り出すよね?炎消されちゃうね

この携帯はユウリが宿ってんのさ、水かかったら眩しい光を出し、感電させて抵抗するんだよ。複製品も全てね。
後私は武器全部複製したんだよ。携帯以外は全て魔法で直ぐ隠して死角に誘導しといたけどね。バールと短剣2本を複製したら結構な数だよ。避けきれる?

あ、忘れてたけど複製品は残らないよう爆発するのさ。だって残ってたって邪魔だし。だからそっちに誘導させといたんだよ



●機械系マニアック
「機械の猿なんてマニアックだね」
 次にエイプモンキーの前に姿を見せるのはユウナ・フリューアー(霊集いし氷の竜・f07259)。氷竜の証である青い瞳をしたドラゴニアンにして、幽霊たちが住まう館の管理人の少女だ。
 そのユウナが持つ携帯が文句を言うかのように振動した。
「ユウリ、ごめんごめん、機械の悪口言ったわけじゃないんだよ」
「ウキッ? 誰と電話してるッキか?」
 携帯で誰かと話をしているように見えるユウナを見て、エイプモンキーは首をかしげる。
 想像力の豊かなエイプモンキーでも、まさかユウナが携帯に宿った幽霊ユウリと話しているなど想像もつかなかったのだ。
「それじゃ、いくよ」
 ユウナは【擬似的模倣召喚(コピーパニックサプライズ)】を発動し、持っている武器を複製していく。周囲に浮かぶ28個の携帯電話。それがふわふわと意思をもつように浮遊している。ーーえっと、ユウナさんが念力で操ってるんですよね? 携帯に宿った何かが動かしてるとかじゃないですよね?
 携帯がエイプモンキーを取り囲むような配置を取ると、ユウナの青い瞳が赤く染まっていく。彼女の炎竜としての性質が解放された証であった。その炎の力が携帯を燃え上がらせる。
「ウキキ、その炎でミーを攻撃するつもりっッキね! ならば、ミーはこれで対抗するッキ!」
 エイプモンキーは自分の周囲の地面にスプリンクラーを創造する。
「炎が水で消えるのは常識なので語るまでも無いッキよね? ここでミーが披露するマニアック知識は、その携帯ーー電子機器全般の弱点ッキ! 普通は『機械は水に濡れると壊れる』と思われてるッキが、正確には水に含まれる不純物が故障の原因なんだッキ!」
 そう、不純物を含まない純水は、むしろプリント基板の洗浄にも使われるくらいなのだ。濡れた機械を乾かしても直らない理由は、水を乾燥させても、含まれていた不純物が基板上に残りショートなどの原因になるからだ。
「このスプリンクラーから出る水は、不純物を大量に含んでいるッキ。炎を消すだけでなく、その携帯も壊してやるッキよ!」
 スプリンクラーから勢いよく放たれた水が宙に浮いた携帯にかかり、その炎を消していく。
 さらにエイプモンキーの身体にも水がかかり、炎への耐性を高めていった。
「ウキキ、もちろん、ミーのパーフェクトボディは完全防水ッキ! これで炎の攻撃なんか効かないッキよ!」
 だが、そのエイプモンキーのセリフにユウナが悪戯っぽい笑みを返す。
「思った通り、自分からずぶ濡れになってくれたね。実はこの携帯はユウリーー私の親友が宿ってんのさ」
 ユウナの言葉に答えるかのように、携帯から閃光が放たれたかと思うと、一斉に電流を放出する。
「ウキキキキッ!?」
 携帯から放たれた電流は水に濡れた地面を伝い、びしょ濡れのエイプモンキーに流れ込む。
「その全身金属のボディに電撃は効くよね? それと知ってた? 不純物を含む水のほうが電流を通しやすいってこと」
 エイプモンキーのカウンターを防いだユウナ。だが、ユウナの攻撃はこれで終わりではない。
 ユウナが複製したのは『持っている武器全て』。そう、携帯電話以外にも、ユウナはバールと二本の短剣『ミセリコルデ』『マインゴーシュ』を複製していたのだ。
 ユウナの意思(だと思いたい)に従って飛翔する84個もの武器。それがエイプモンキーに命中しーー爆発した。
「お疲れ、ユウリ」

成功 🔵​🔵​🔴​

遠呂智・景明
到着と同時に猿に接近、速攻をかける、フリをする。
使うUC、風の如くは大蛇切で敵を切り裂く技だが。

その弱点は近づかなきゃ行けないこと、なんてまにあっくな猿が言わねぇよな。
寒さだ。日本刀は高炭素鋼で出来てる。
こいつは厄介なことに低温、まいなす30°Cくらいになると折れやすくなっちまう。
そこを突かれりゃ俺も刀は振るえねぇ。

まあ、奥の手はあるんだが。
腰から精霊銃を抜き猿に突きつける。

放つ属性弾は、水。【2回攻撃】による連撃。
この低気温、身体を冷やすのは得策じゃねぇと思うが?
俺?まー、俺も危ねぇが精霊に命じ本体だけでも逃がすさ。
この俺と心中するか、その装置を壊すか選べや。
壊したらぶった斬るだけだがなぁ。



●日本刀マニアック
 花畑に一陣の風が吹いたかと思うと花びらが舞い上がった。その風は一直線にエイプモンキーに向かう。
 否。風ではない。【風林火陰山雷 風の如く(フウリンカインザンライ・カゼノゴトク)】を発動させ、抜き身の刀を持ってエイプモンキーに迫る遠呂智・景明(いつか明けの景色を望むために・f00220)だ。
 ヤドリガミである景明が持つのは、自身の本体『大蛇切 景明』である。
「ウキッ! そのユーベルコードは、『孫子』軍争篇にある『故に其の疾きこと風の如く』を体現したものッキね! だが、それなら近付かせなければーー」
 と言いかけたエイプモンキーは、牙を見せて笑う。
「なんて単純なことを、マニアックなミーが言うとでも思ったッキか? その攻撃の本当の弱点は、その刀だッキ!」
 エイプモンキーは、景明の武器にして本体である刀に目をつけた。
 景明のユーベルコードは敵に接近して刀で斬りつける技。その武器が失われれば攻撃することはできなくなる。
「知ってるッキか? 日本刀に使われる玉鋼ーー高炭素鋼は、不純物を含まないがために、低温に弱いんだッキ! そのため、現在の鉄鋼業では、わざとニッケルなどの不純物を含ませることで耐寒性を向上させているんだッキ!」
 エイプモンキーは想像し創造する。日本刀の耐寒性を上回る極寒の世界を作るマシンを。
「これこそマックスウェルの悪魔式冷凍機! エントロピー増大の法則を無視して極寒の世界を作るマシンだッキ!」
 エイプモンキーが創り出したマシンは、極低温の冷気を吐き出し、エイプモンキーと景明の周囲を極寒の世界に変えていく。水分を瞬間凍結されドライフラワーとなった足元の花がエイプモンキーによって踏み砕かれた。
「あぁ、そうやって寒さで攻めてくるのはわかってたぜ。これじゃさすがに刀は振るえねぇ」
 景明は大蛇切を鞘に収めると、腰から『連撃式精霊銃』を抜いて構えた。7種類の属性弾を撃ち分けられる精霊銃に込められているのは水属性の銃弾。
「銃だッキ!? お前は剣士じゃないんだッキ!?」
「残念だったな、俺は精霊術士でもあるんでな。自分で生み出した冷気で凍りつけや!」
 景明が精霊銃から水の弾丸を撃ち出すと、エイプモンキーのメタルボディに命中し、全身を濡らしていく。
「そんなっ、ミーの身体が凍りついていくッキ!? マ、マシン緊急停止ッキ!」
「遅ぇな!」
 身体が凍りつき身動きが取れなくなったエイプモンキーに向かって、景明は大蛇切を抜き打ちーーメタルボディに大きな傷を付けたのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

胡堂・充
なるほど、相手の弱点を突くユーベルコード……一言で表せますが、しかし奥が深く強力だ。

弱点を突かれるのならば……出ろッ! 【無軌道鮫井戸軍勢】!
弱点? 勿論知っていますよ。この子達、どうやっても僕の命令を聞かないんです。
しかし、一定の指針はあります。注目すべきは『鮫好き』という点!
恐らく、敵は鮫に擬態する装置等この子達を制御下に置くつもりでしょう。
なので、その装置を【ハッキング】します。機能はそのまま、擬態するモノをすり替えます。
鮫のデータを鯱に変換。成功すれば、敵は鯱に擬態します。
鮫にとって鯱は天敵、これであの子達が一致団結してくれれば良いのだけれども……

(アドリブ歓迎)



●生物学的マニアック
「なるほど、相手の弱点を突くユーベルコード……。一言で表せますが、しかし奥が深く強力だ」
 エイプモンキーのユーベルコードを考察し、その手強さを分析する胡堂・充(電脳ドクター・f10681)。その観察眼は電脳魔術師としての才能か、それとも医師として培われた努力の賜物か。
「ウッキッキ、今度はお前が相手ッキか?」
「ええ、惑星の治療をするなんて、医師としてなかなかできる経験ではないですからね。キマイラフューチャーを蝕む病原菌にはご退場願いましょう。出ろッ! 【無軌道鮫井戸軍勢(プロトコル・エミリィ)】!」
 充は125体に及ぶ小型戦闘用メイドの軍団を召喚する。2等身にデフォルメされたエルフ耳のメイドたちは、メイド服のスカートの中から様々な武器を取り出して構える。
「戦闘用メイド軍団ッキか。だが、ミーのマニアックな観察眼は誤魔化せないッキ! このメイドたちのAIには致命的なバグがあるッキ!」
 メイドたちの挙動から、エイプモンキーは、ひと目でその弱点を見破ってきた。
 まあ、充の命令も聞かずに花畑で追いかけっこをしたり、鮫の着ぐるみを着て遊んだりとシリアスな空気をぶち壊しているメイドたちを見れば、エイプモンキーじゃなくても分かることだった。
「ならば、そのバグを攻撃させてもらうッキ!」
 エイプモンキーは、メイド軍団に対抗するマシンを創造した。その外見が、鮫の着ぐるみを着た格好に変わる。
「これこそ、AR(拡張現実)を利用した立体ホログラフィだッキ! 鮫好きなAIなら、この格好をしたミーには攻撃できないはずだシャーク!」
 エイプモンキー改め、エイプシャーク? シャークモンキー? の言葉の通り、メイドたちの約半数は充の命令下から離れ、ふらふらとエイプシャークの元に引き寄せられていき、その身体に登って遊んだりしていた。
「僕のプロトコル・エミリィたちが言うことを聞かなくなるなんて……いえ、いつものことですけどね。この子達、どうやっても僕の命令を聞かないんですよ」
 いつも通りの展開ゆえに、充はシャークモンキーと戯れるメイドたちを達観した目で見つめる。メイド軍団が自分の言うことを聞かないのは、充にとっては想定の範囲内ーーというか確定事項であった。
「馬鹿なシャーク!? 自分の軍団が言うことを聞かないのに、全く動揺してないサメ!?」
 冷静な充の態度を見て、逆にシャークサメの方が困惑し、語尾がおかしくなっていた。
「予想通り敵が鮫の姿を取ってくれたなら、それを利用するまでです!」
 充は小型端末を取り出し、エイプモンキーが創り出したマシンにハッキングを仕掛ける。
 書き換えるのは、エイプモンキーに投影されている立体ホログラフィのポリゴンモデルだ。充の指が小型端末の上を高速で滑り、プログラムを書き換えていきーーエイプモンキーに投影されていた立体モデルが鮫からシャチに変わった。
 それを見たメイド軍団が一斉にエイプモンキーから距離を取る。
「ミーに一体何をしたッキ!?」
「ええ、この子たちが好きな鮫……その天敵であるシャチの姿になっていただきました。シャチはクジラ目ハクジラ亜目マイルカ科シャチ属の動物。体調10メートル、体重10トンになる個体もいて、鮫だけでなくクジラも捕食することがある獰猛な生き物です」
 大好きな鮫の天敵であるシャチを前にして、メイド軍団は親の仇を見るような目でエイプモンキーを睨みつける。
 そして、その手に持った武器を構え、隊列を組んでエイプモンキーを包囲し始めた。
「どうやら、この子達はお前を敵と認識したようですね。こうなったら僕にも止められません。……まあ、こうならなくても僕には止められないんですけど」
「ちょ、ちょっと待つッキー!」
 メイド軍団にボコボコにされるシャチ……否、エイプモンキーの姿がそこにあったのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

アドニス・カイネウス
あのおサルさん、相手の弱点を突いてくるなんて、アタシ怖いわ☆

敵に対抗するには想像を超えるしかない
【狂宴の漢女達】で漢女たちを召喚したアドニス君はこのまま立ち向かえば回避されるのがオチと考えます。ならばと彼も屈強な漢女も口々に自らの弱点である「イイ男」に弱い事を敢えて漏らします

今日は何だかイイ救済日和だよね☆
みんなの筋トレをするには、ホレーニングが一番かな?かな?
男は度胸、女は愛嬌、漢女は最強!
とりあえず、おサルさん攻めのマニアックな寝技(意味深)の数々を試してみよっか?

「「さぁさぁ、おサルさんもワタシたちのババナをお食べ」」

イイ男は漢女たちの弱点には違いないが、実は餌を与えるようなものでした。



●マニアックな最期
「くっ、ミーとしたことが、かなり深手を負ってしまったッキ。ここはひとまず撤退して体勢を立て直すッキ!」
 猟兵たちの猛攻を受けたエイプモンキーが、傷だらけの身体を引きずって花畑の奥に逃げようとしていた。
 だが、そこに可愛らしい笑顔を浮かべたアドニス・カイネウス(バーチャルキャラクターの愛の聖(性)者・f16017)が立ちふさがる。小悪魔的な笑みを浮かべるアドニスだが、彼は男の娘だ。
「あのおサルさん、相手の弱点を突いてくるなんて、アタシ怖いわ☆ このままだと、アタシのユーベルコードも回避されちゃう♪」
 そう言いながらも、アドニスはユーベルコード【狂宴の漢女達(キョウエンノオトメタチ)】を発動する。
「みんな!出番だよ~♪」
「「はぁ~~~ぃ❤️❤️」」(野太い)
 アドニスの呼びかけによって現れたのは、20人の屈強な屈強な漢女(オトメ)たち。
「くっ、ミーの前に立ちはだかるなら、そのユーベルコードを打ち破ってやるッキ!」
 エイプモンキーはアドニスのユーベルコードの弱点を探るために漢女たちの会話に耳を傾ける。
「「いや〜ん、アタシ、イイ男に迫られたら、尽くしてあげちゃいそう❤️」」
 漢女たちは口々に自分たちがイイ男に弱いと口にする。だがそれは、アドニスによって仕組まれた罠だった。
「ウッキッキ、イイ男に弱いとは、ミーの勝ちだッキね! なにせ、世界一イイ男であるミーがここにいるッキから」
 罠とは気付かず、漢女たちのいう『弱点』を攻めようとするエイプモンキーは、自慢のハンサム顔(?)で漢女たちを籠絡すべく声をかけていく。
「ヘイ、カノジョ、ミーとマニアックトークでもしないッキか?」
「「あら〜ん、イイ男〜❤️」」
「今日は何だかイイ救済日和だよね☆ みんなの筋トレをするには、ホレーニングが一番かな? かな?」
 アドニスも漢女たちに混ざってエイプモンキーにしなだれかかる。
「男は度胸、女は愛嬌、漢女は最強! とりあえず、おサルさん攻めのマニアックな寝技(意味深)の数々を試してみよっか?」
「ちょ、ちょっと待つッキ! 寝技って何だッキ?!」
 ここにきて、ようやく罠に嵌められたことに気付いたエイプモンキーであるが、もう遅い。周囲を屈強な漢女たちに囲まれて逃げ出すことができなかった。
「「さぁさぁ、おサルさんもワタシたちのババナをお食べ」」
「ウホーッキ!!」
 花畑にエイプモンキーの悲鳴が響き、そのまま躯の海に消えたのだった。

苦戦 🔵​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年05月11日


挿絵イラスト