バトルオブフラワーズ⑨〜キング・オブ・モンキー
●猿知恵を上回れ!
「ん……皆の活躍でシステム・フラワーズ内部に侵入することが出来た。グリモア猟兵として……お礼をいわせてもらうよ。ありがとう」
戦争の疲れもあるだろうに、集まってくれた猟兵達に月原・雪花(月兎・f06136)はウサ耳をぴこぴこさせつつ頭を下げる。その表情はどこか嬉しそうで猟兵達も釣られて笑みが零れる。笑顔が出るのはまだ余裕がある証拠だ。
だが、雪花は直ぐに表情を引き締める。ザ・ステージはいわば前哨戦。本番はここからなのだ。
「システム・フラワーズの中は、その名が表す通り一面花が咲き乱れている道になっているよ。綺麗だけど……今はその景色を楽しむ余裕は無さそう、だね」
雪花が月の形をしたグリモアを展開させると、システム・フラワーズの中の光景が映し出される。確かに平和な時に楽しみたい所だが、今は戦争だ。この綺麗な景色を守るためにも何としてでも勝たなくてはいけない。負ければこの世界の滅亡だ。
「花が足場になってその道を歩き続けると、システム・フラワーズを守る怪人幹部の一人……一匹? マニアック怪人『エイプモンキー』がいるよ。ここを守っているだけあって……相当な強いよ。……銀河皇帝に付き添っていた白騎士と黒騎士を覚えてるかな? 最低でもあのレベル、またはそれ以上の強さ」
白騎士と黒騎士。あの強さに覚えがある猟兵達は身震いする。それは恐れからか、それとも武者震いからかは分からないが、それだけの強者という事だけははっきりとわかる。
「エイプモンキーは『自らの想像力が及ぶ限りのあらゆるものを創造できる能力』で、皆のユーベルコードに最適解なユーベルコードを生み出して先制攻撃してくるよ。だから皆には……それを上回る工夫や対策をして攻撃を避けて。威力も尋常じゃなく、マトモに受ければ一撃で戦闘不能になるから……本当に気を付けて」
想像力との戦い。猿知恵を越えねばこの先に進めない。猟兵達は苦戦と激戦は免れないだろうと思案するが、それで怯むような猟兵達ではない。
雪花に先に進むと強い瞳で決意を伝え、猟兵達をシステム・フラワーズの中へと運ぶのだった。
暁月
エイプモンキーは、猟兵が使用するユーベルコードの設定を元に、そのユーベルコードを無効化する武器や戦術を創造し、回避不能の先制攻撃を行ってきます。
(ユーベルコードで無効化したり相殺した後、強力な通常攻撃を繰り出す形です)
この攻撃は、ユーベルコードをただ使用するだけでは防ぐことは出来ません。
この先制攻撃に対抗する為には、プレイングで『エイプモンキーが自分のユーベルコードに対抗して創造した武器や戦術を、マニアックな理論やアイデアで回避して、攻撃を命中させる』工夫が必要となります。
対抗するためのプレイングは、マニアックな理論であればあるほど、効果が高くなります。
はい、暁月です。今回はエテモン……じゃなかった。『エイプモンキー』との激戦となります。今回のシナリオに参加していただくにあたって重要ルールが上記です。対策なしだと問答無用で大失敗となりますのでご了承ください。こっちも大失敗とか胃が痛いんや……!
ごほん、という訳で必ず対策を練ってからご参加ください。それでも相当難易度が高いです。二割三割突破出来ればいいぐらいかもしれません。グループで参戦する場合は『グループ名』を記入の程をお願いします。
それではみなさん、激戦を頑張ってください。あ、倒しても躯の海に返って残機がある限り復活しますが、メタル化はしませんよ。
第1章 ボス戦
『マニアック怪人『エイプモンキー』』
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POW : マニアックウェポン
対象のユーベルコードの弱点を指摘し、実際に実証してみせると、【敵に有効なマニアックな装置】が出現してそれを180秒封じる。
SPD : マニアックジェット
【敵のユーベルコードを回避する装置を作り】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ : マニアックマシン
対象のユーベルコードに対し【敵の死角から反撃するマシン】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
イラスト:柿坂八鹿
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
セルマ・エンフィールド
最低でもあの黒騎士と同格、と。ですが、必要ならば撃つだけです。
【氷の狙撃手】の弱点は対象が"視認している対象"なこと。濃霧や雲などで姿を隠されては視認ができません。
ですが、事前に武器改造でスコープをミリ波のカメラに差し替えておきました。ミリ波は直進性が非常に高く、濃霧や雲程度では阻害されません。それでも直接見るよりは精度が落ちますし、射撃精度を高めるために聞き耳を立てて音で敵の位置を判断、高い視力で雲や濃霧の微細な動きを見逃さない、最悪第六感で撃つ、ということも考慮にいれておきましょう。
武器に頼る、というのはあまり好みのやり方ではありませんが……強敵相手ですし、仕方がないでしょう。
●狙撃を成功させよ
猟兵達はフラワーズ・システム内部へと侵入すると花の道を駆け抜け、一つの大きな花の舞台に辿り着く。ここでランチなどをしたらさぞ幻想的で快適だろうがその中心に無粋な存在――エイプモンキーが猟兵達を待ち構えていた。
「ウキッ! ウッキッキー! ザ・ステージを抜けてくるとは見事だウッキー! しかぁぁぁああし! ミーのスペシャルなユーベルコードはユーを常に凌駕する! ユー達はここでバットエンドウッキー!」
「そうですか。ですが、やることは変わりません。必要ならば撃つだけです」
そういって愛用のマスケット銃――フィンブルヴェトを構えるのはセルマ・エンフィールド(終わらぬ冬・f06556)だ。
マスケット銃を構えると同時に、エイプモンキーが愉快そうに両手を合わせると金属製のアーマーの隙間から周囲を埋め尽くす様に蒸気を噴出させ、視界を完全に埋め尽くす。
「ウッキッキー!! その技は『視認している対象』を攻撃するユーベルコード。ならばこのように周囲を覆い隠せば狙撃は出来ないッキー!!」
濃霧の如き蒸気の中から高らかに愉快そうな声を上げるエイプモンキー。確かにこのままでは狙撃することは出来ない。――そう、そのままだったならば。
(別にヒントをあげる必要性もありませんよね。スコープをミリ波のカメラならばレーダー越しに居場所がわかる事も、そして蒸気や粉塵で身を隠したとしてもその動きで居場所が判る事も……最悪は第六感ですね。武器に頼るのは出来るだけしたくありませんが、今回は仕方ないでしょう)
内心でそう呟くと、つぶさに蒸気の中を観察しレーダーでエイプモンキーを狙い続けるセルマ。そして僅かに吸い込まれるように漂った蒸気の動き、レーダーで解るこちらに向けて強襲をし掛ける動きを狙ってセルマは引き金を引く。
「――ッッキイイイイ!? な、なんで判ったッキ!?」
絶対零度の氷結する弾丸を受けたエイプモンキーはもんどりうって吹き飛び、数度バウンドして花畑に倒れ込む。右肩に受けたのだろう。その部分が凍りついており、大きくはないが少なくもないダメージを与えたのが見受けられる。
「……蒸気や粉塵で身を隠しても、それが動いたら意味がないのでは? それに貴方もこっちが見えてませんし……」
「あ」
確かにエイプモンキーは狙撃を防ぐために蒸気による幕を張ったが、それはエイプモンキーからもセルマの姿が見えないという欠点を生んだ。それが思い浮かばなかったエイプモンキーは肩に大きなダメージを受けてしまったのだ。
「ウッキー!! このくらいにしておいてやるッキー! 次はやられないウッキー!!」
再度蒸気を噴出して周囲を蒸気で埋め尽くすエイプモンキー。ミリ波カメラで確認するが、すでにその場から離れているのが見受けられた。
「逃げられましたか……しかし、次はこうはいかないでしょうね」
極度の緊張と集中で気づいていなかったが、額から汗がぽたりと落ち、マスケット銃を持つ手は汗で濡れていた。
今回は旨く行ったが、一手間違えればやられていたのはこちらだ。あとは他の猟兵に任せ、去りゆくエイプモンキーの背中をセルマは見ているのだった。
成功
🔵🔵🔴
アマータ・プリムス
絵里香様(f03667)と連携
イーリスを装備して戦場へ
恐らく敵は逆位相の波で音を消すマシンを用意し当機の【歌唱】と【楽器演奏】を邪魔してくるでしょう
しかしそんなことは関係ありません
絵里香様がマシンを破壊してくださると信じています
背中合わせになり絵里香様の死角を当機が潰し絵里香様がマシンを破壊してくださるまで【時間稼ぎ】
絵里香様がマシンを破壊してくださったら当機のUCで絵里香様対策の雷を吸収するマシンを破壊
「貴方の対策は所詮一人に対しての物。背中を預ける相棒がいれば恐るるに足りません」
最後は最大声量の【衝撃波】による【範囲攻撃】で敵を吹き飛ばします
「独りだったこと。それが敗因です」
神宮寺・絵里香
アマータ(f03768)と連携。
・薙刀に雷属性を纏い戦闘に入る。
そうすることで雷使いであることを印象づける。
・死角からの攻撃についてはアマータと背中合わせになることで死角を
潰しながら、第六感と戦闘知識で攻撃を見切り、武器受けして受け流しつつ、オーラ防御で防ぎきる。
・敵のUCで生み出される避雷針のような雷無効化機械はアマータに任せて オレはアマータの邪魔をする音を打ち消す機械を水属性を付与した短槍の槍投げで破壊する。
「その避雷針はオレの斬撃を食らっても倒れないような加工をしてあるんだろうが、こっちはの機械はどうかな?」
・避雷針がなくなった後は全力魔法のUCを叩きこむ。
●鳴り響く絶望へのセレナーデ
神宮寺・絵里香(雨冠乃巫女・f03667)とアマータ・プリムス(人形遣いの人形・f03768)の二人は他の猟兵達と共に逃げ去ったエイプモンキーを追い、花の道を掛け続ける。そしてほどなくして、再び巨大な花畑に辿り着くと先ほどと同じく中心に猟兵達を出迎えるように仁王立ちしているエイプモンキーがいた。
「先ほどは油断してしまったウッキー! しかああぁぁし! ミーは反省するモンキー! 今度は万全に万全な対策を取るウッキー!!」
アマータがギター型マイクであるイーリス・カントゥスを取り出し、神宮寺が叢雲を構えればニヤリとしたエイプモンキーはそれらに対応したユーベルコードにて自らの手にマイクを持ち、周囲にスピーカーを模したマシンを生み出し、自らを守る様に周囲に展開する。
「ウッキッキー! 歌声、音波、つまり音を相殺するには同じ音をぶつければ消失するウッキー!! しかあぁああも! 手に持っていればミーを倒さない限りは音波は消えない! ウッキッキ!! モンキーセレナァァァァァァアアデ!!」
ウキャァアアアと叫び声をマイク越しに慣らし、アマータの音波をかき消すエイプモンキー。
「くっ! まさかこんな手で止めてくるとは……!」
「止めるには、奴の声自体を止めねばならんという事か……!」
当初の予定では死角を狙ってくるマシンを二人で死角を埋めるように立ち回りながら、音波を打ち消す装置を神宮司が破壊する予定だったが、音を打ち消すならばそれ以上の音を立てても音波は消えるのだ。想定以上の音波を聴覚に叩き込まれ、思わず顔を歪ませる二人。
「近づけば勝機が……!」
「そぉぉぉんなものはああ! 無いウッキーー!! ラァァァアアア!!」
マイクを片手に叫びながら迫ってくるエイプモンキーに電撃を纏わせた叢雲の切っ先を向け、アマータが周囲から飛び交ってくるスピーカー型マシンを衝撃波で破壊しようとするが、衝撃波とは音波と同じく波なのだ。つまり音波によって衝撃波が軽減されマシンを破壊することが出来ずにアマータが突き飛ばされ、神宮司の電刃もまた自慢の業脚によって受け止められ、回し蹴りで二人纏めて蹴り飛ばされる。その威力は尋常ではなく、一撃で戦闘不能へと陥る物だった。
しかし、決定打ではないが、先ほどの刃が脚に確かな傷を与えていた――
苦戦
🔵🔵🔴🔴🔴🔴
ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード
【万喰熱線】の弱点はエネルギーが無い状態、つまり冷気は吸収できないって事だねえ。
だから、相手は冷蔵庫やエアコンみたいな冷やす装置を出して、あたしの周囲を冷やしてくると思う。
だけど、あたし自身は冷気や氷結には強いからね。
冷気で動けなくなったふりをして、とどめを刺そうとした所を見切って避けて、一気に走って装置に近付いて斧で叩き壊すよ。
実の所、冷えるって現象は単なる熱の移動。冷やされた分の熱エネルギーは装置の方に移動して存在している。
そして、熱を移動させる事自体にもエネルギーは必要で、装置にはそのためのエネルギーが追加で必ず存在する。
その両方を壊した装置から【万喰熱線】で吸収して、熱線を叩きこむよ。
●エネルギー保存の法則。良く聞くけど判らない人にはわからない。
「ウッキッキ。次はユーか? 猟兵って生物は本当に懲りないウッキーね。ミーのスペシャルなユーベルコードは無敵! パーフェクト! 決して破れないウッキー!」
「決して破れない物なんてないよ。アンタはこれから思い知ることになると思うよぉ」
間延びした声で、しかしエイプモンキーを前にしても自信満々に啖呵を切るのはペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード(蛮族キマイラ・f07620)。通称ペトだ。
「ウッキー!! 思い知るのはお前だウッキー!! お前のユーベルコードはエネルギーを取り込んで熱線を放つユーベルコード! ならばエネルギーが発生しない絶対零度を生み出すマシィィン! 『カチカチコチコチ凍るくん』で凍りつかせてやるウッキ―!!」
ペトの『万喰熱線』に対し、エイプモンキーは『カチカチコチコチ凍るくん』を作りだし、全方位から絶対零度の冷気を叩きこんでいく。
みるみる内に氷付くペト。最初は雪が積もり、その雪が凍りついて完全に氷結してしまう。
「はー、自信満々だから何が来るかと思ったが、何もないって拍子抜けだウッキー。もうこれを叩き壊して残骸を猟兵達に見せて心をへし折るウッキー」
やれやれといった様子で、エイプモンキーは自慢の鉄腕を天高く構え、振おうとしたその時、氷結状態だったペトがニヤリとほほ笑んだ。
鉄拳がペトを囲んでいる氷に触れたと同時に、氷が内側から破裂する様にはじけ飛びエイプモンキーは思わず目を手で覆った。
「ウッキー!? あれで凍りついてないッキー!?」
動揺しているエイプモンキーを無視し、ペトは自慢の蛮族の斧を振るい『カチカチコチコチ凍るくん』を叩き壊し、内部のエネルギーを取り込む。
「生憎と、あたし自身は冷気や氷結には強いからね。それと、熱を移動させる事自体にもエネルギーは必要で、装置にはそのためのエネルギーが追加で必ず存在する。アンタのエネルギーを逆に利用させてもらったよ!」
十二分にエネルギーを取り込んだペトはエイプモンキーに向けて斧を向け、極大の熱線を叩きこむ。
「ウッキャァァアーー!?!?」
エイプモンキーは全身を火だるまにさせ、何度も跳ねまわりながら必死にその場に転げまわるのだった。
成功
🔵🔵🔴
マリアンネ・アーベントロート
【SPD】
『催眠・万象の掌握』は世界自体に催眠をかける技。
そして世界が対象だから発射直後世界に命中して効力が発揮される。
だから世界を催眠にかけること自体を阻止はできないよね。
となれば敵が取る手段は物理法則の改変から逃れるか、物理法則を改変し直す形になるはずだよね。
前者は対象が世界な以上回避するには別の世界に逃げないといけない。
でもそれは相手の目的が防衛な以上悪手だよね。
だから相手は改変し直す形で回避してくるはず。
そして催眠で改変される物理法則は私が決められる。
重力操作、摩擦操作、空気圧操作……。
あらゆる物理法則を思考の速度で不規則に改変されて、果たしてその全てに対応できるかな?
アドリブ歓迎です
●作られた世界
花畑の中に少女――マリアンネ・アーベントロート(ゼーブスタスの催眠術師・f00623)はたたずむ。目の前にいるのはやや焦げかけたエイプモンキー。自慢の毛並? もややちりちりとなっており頭がアフロになりかけている。
やや愉快な格好になっているが、エイプモンキーから感じる戦意は全く衰える気配はなく、多くの猟兵達が傷をつけた形跡はあるがまだまだ満身創痍からは程遠い。しかし、確実にダメージは蓄積しているのだ。
「なら、私がここを引き継がないとねっ! 世界への催眠、防げるかしら!」
「ウッキッキ!! そこを何とかするのがミー!! 幹部を舐めるなウッキー!」
アフロ状態で言われても威厳も何もないが、マリアンネは32分の一秒という恐るべき速さで世界に催眠を及ぼす閃光を放つ。だが、エイプモンキーはそれよりも早い33分の一秒で一つのマシンを作り出した。
マリアンネは催眠が上手くいったと思い、改変しようと動くが世界は固定されており全く動く気配がない。
「ユーの催眠は『世界に催眠をかけ、物理法則を改変する光線』を放つもの! ならばその前に『ザ・ニューワールド君』による『催眠を無効化する世界』で防げばこの世界は全くなぁぁぁああんの影響もないウッキー!!」
「くっ! そんな手で来るなんて!」
『ザ・ニューワールド君』は『対催眠の固有結界』だ。世界に催眠を掛けられるのならば、あらかじめ世界に催眠に耐性を付けてしまえばその効果が出ない。
自慢の催眠を封じられたマリアンネは苦虫を噛んだ表情を浮かべながら、一度花畑から撤退するのだった。
失敗
🔴🔴🔴
弥久・銀花
アドリブ、他の人との絡み歓迎です
この……! 猿真似モンキーなんかに負けて堪る物ですか!(銀花は何となく猿が嫌い)
とは言っても、開けた場所で圧倒的に格上の相手
必殺技にも対応してくる技量の持ち主……、これはちょっと死ぬ気で当たってきますか
攻防一体の攻撃的なユーベルコードとして昨日ワイルドエールを編み出しましたが、これを防御技として使用します
相手の攻撃に合わせて、先ずは地面に向かってワイルドエールを使用して、垂直落下で攻撃を緊急回避
その後、相手の方を見上げて塹壕を掘りながら【ダッシュ】で突撃します。
効果が切れる前に突撃できれば体当たり、出来なかったら塹壕から飛び出て刀で【鎧無視攻撃50】で攻撃します
●犬猿
「この……! 猿真似モンキーなんかに負けて堪る物ですか!」
「こっちこそお前が何か気に入らないウッキー!!」
エイプモンキーと見事な犬猿の仲を表現しているのは、弥久・銀花(隻眼の人狼少女剣士・f00983)だ。
しかし、相手は物凄く気に入らない相手だが間違いなく強敵で弥久よりも各上の存在だ。死ぬ気で当たらなければ勝機は見いだせない。
「絶対に負けませんからね!!」
「ウッキィィィィ!! ユーが使おうとしているのは激しい咆哮をあげながら突撃するタイプの無差別攻撃ユーベルコード! ミーはそれに対し、『爆音バイク』で咆哮を打ち消しながらひき逃げしてやるウッキー!!」
そういうと、エイプモンキーは『爆音バイク』に跨り、周囲を揺らすほどの爆音を鳴らしながらフルスロットルで駆けていく。
体格差、速度、そして音でさえも上回れた弥久。エイプモンキーとぶつかるその瞬間、弥久は――。
「ウゥォォォオオオオオオオン!!」
地面に向けて激しい咆哮を解き放ち花畑に大きな穴が開けると同時にその中に入り込む。
「ウッキャァア!?」
これに驚愕したのはエイプモンキーだ。当たると思った瞬間に爆発が巻き起こり、花が舞い上がって一瞬弥久の姿を見失った。しかし、車は急に止まれない上に爆音バイクは止まらない。
一瞬見失ったその隙が、決定的な隙となる。
「アアァァアアア!! 吹き飛べぇええ!!」
「ウッキィィィ!? 地面を吹き飛ばしながら来るとかとんでもなさすぎるウッキー!!」
そう。弥久は塹壕を掘ったかと思えば、そのまま突撃しながら地面を攻撃し続け、ついには下からエイプモンキーを吹き飛ばしたのだ。雄たけびをかき消す為に作りだした爆音の所為で地面を吹き飛ばす音も、振動も聞こえなかったのだ。
弥久の一撃で爆音バイクは大破し、爆発してエイプモンキーは煙をあげながら地面にずべんぐちゃと生々しく落ちるも、完全にアフロになりながらふらふらと立ち上がる。自慢の機械の身体はボロボロでひび割れ、頭はアフロとなったエイプモンキー。これは誰がどう見ても満身創痍だろう。
――あと一歩。猟兵達は決して油断せず、想像力を働かせてエイプモンキーへと挑むのだった。
成功
🔵🔵🔴
二天堂・たま
カウンターのカウンターを狙う…かな。
UC:アルダワ流錬金術での物質を海水に変える。「敵のボディを壊すため」と言ってな。
まぁその程度じゃ壊れないだろうし、海水を逆利用して電流攻撃が来るのは必至だ。
ちなみに塩水を電気分解すると塩素と水酸化ナトリウムが発生する。そして塩素と水酸化ナトリウムが反応し次亜塩素酸というアルカリ液になる。
ワタシのUCで敵の周囲の一部に酸液を作ると…?次亜塩素酸と酸が混ざり有毒な塩素ガスが発生する。致命的だな。
まぁワタシは自分周囲の水を精製水(絶縁体)に変えて、電流から身を守る。
水が電気を通すのではない。水に溶けているイオンが水を通すのだ。
●意外と知らない水の性質
猟兵とエイプモンキー。互いに譲らない想像力の戦いは佳境を迎え、一部の猟兵達は撤退に追い込まれ、残った猟兵も傷だらけだ。その中でエイプモンキーはアフロ状態で鎧もボロボロ。満身創痍だがここを死守するべく猟兵達に殺意を向ける。
「ウッキー!! 猟兵達よ。認めるウッキー。お前たちはユーを上回る知恵も力もある。所詮ミーは一人。数には勝ち目はないが、それでもミーはユー達に負けるわけにはいかないウッキー!!」
決してひるむことなく、堂々と猟兵達に立ち向かうエイプモンキーはオブリビオンでなければ英雄にふさわしい気概をしていた。怪人幹部として譲れないのだろう。
だが、猟兵達としてここは譲れない。もし譲ってしまえばこの先に待ち受けるのはこの世界の消滅なのだから。
二天堂・たま(ひよこなケットシー・f14723)は血に濡れた小さな身体を押して、エイプモンキーに鋭く視線を向ける。
「それでも勝たせてもらうのだ。最後の知恵勝負と行こうか!」
二天堂は花畑の底にある土を海水に変換し、大きな水の鞭として解き放つ。
対するエイプモンキーは両手を組み合わせてその海水を受け止め、全身から放電を放つ。
「ウッキー!! 無機物を海水に変えるならば、ミーは防水加工した鎧で防ぎ、電流で反撃するウッキー!!」
水は電気を良く通し、樹に落ちた雷が地面を辿り、水を伝って人を感電した事例もある。二天堂が作り出した海水を辿り、そのまま電流は二天堂を覆っていく。
しかし、全身に電流を受けていても二天堂は平然としていた。水を操る以上は二天堂もある程度は自身に水を被っているというのにだ。
「水が電気を通すのではない。水に含まれるイオンが電気を通すのだ。純粋な水は――電気を通さない絶縁体なのだ」
「ウッキー!? そうだったのか!」
どうやらこのエイプモンキーは知らなかったらしい。超純水と呼ばれる純粋な水はイオンを含め完全な水であり、電気を通さないのだ。そして電流を流し続けていたエイプモンキーに異変が起きる。
「ウッキ……!? 頭がずきずき…くらっと……!」
「ちなみに塩水を電気分解すると塩素と水酸化ナトリウムが発生する。そして塩素と水酸化ナトリウムが反応し次亜塩素酸というアルカリ液になる。それに――私の周りが超純粋であるという事は別の液体があると考慮すべきだったな」
「ウッキー……! 塩素酸……それにこの頭痛……という事は」
「周囲の一部に酸液を作ると…? 次亜塩素酸と酸が混ざり有毒な塩素ガスが発生する。致命的だな」
「ご家庭で……塩素系と酸性系洗剤……決して混ぜてはいけない……ウッキー」
高濃度の塩素ガスを吸いこん締まったエイプモンキーはそれまでの傷の所為もあり、膝を付き、そのまま崩れ落ちるように倒れ込み――消滅していく。
最後に謎の忠告を残してエイプモンキーを倒した猟兵達は、その忠告を胸に秘めつつ、次の戦場へと駆けていくのだった。
大成功
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