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バトルオブフラワーズ⑨〜the maniac inte

#キマイラフューチャー #戦争 #バトルオブフラワーズ #エイプモンキー

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●グリモアベース(ティー・ブレイク)
「ザ・ステージの占領が完了したんじゃな。皆、有難うなー」
 海神・鎮(ヤドリガミ・f01026)は深く頭を下げ、猟兵達に労い用の菓子と茶を配る。焼き菓子、煎餅、餅、饅頭と甘味が多く並べられていた。これくらいの時間はあるだろうと、資料と一緒に猟兵に配り終えた後、システム・フラワーズの内部について説明する。資料を軽く覗けば、情報は全て纏めらている様だ。
「ここからシステム・フラワーズの内部に突入することになる。最初のエリアは花畑じゃな。この花々が足場になる……んじゃが」
 同時にこの花の足場は1人の怪人幹部の元にしか繋がっていないと説明した。
「この怪人がエイプ・モンキー、予知で見とる猟兵も居るかな。まあ姿はアレじゃけど、強敵じゃから、気を付けて。倒さんと先には進めんしな」
 戦争中のオブリビオンは、その特性を最大限に活かしてくる。強敵な上に再生出来なくなるまで、何度も相手取る必要があるだろう。
「最後に、特殊能力とユーベルコードじゃな」
 エイプ・モンキーのユーベルコードは想像した全てを創造する能力。力で応じれば弱点を見抜き、100秒間封印する装置を作り、
 素早さで対応しようとすればそれを回避する装置を作り、
 知識や魔法で挑めば死角から反撃する装置を作る。何れも後の先を意識した構成となっており、回避不能なほど精密で、必ず先手を取れるほど、疾い。
「何度も言うけど、強敵じゃけーな。でも対策方法もちゃんとあるけー」
 それは、エイプモンキーが創造する装置は、自身の想像力を凌駕しないということ。つまりエイプ・モンキーの持つ知識や作られた装置の戦略を上回れば、攻撃が成功する可能性があるということだ。
「必要なのは知識力じゃな。厳しい戦いになると思うけど……頑張って。力添えがもうちょっと出来りゃあなあ……儂に出来るのは此処までじゃけー……すまんが、頼む」
 そう言ってもう一度深く頭を下げ、戦闘準備を終えるのを待ってから、鎮は猟兵達をシステム・フラワーズの内部へ送り込んだ。

●開戦(Open Combat)
 システム・フラワーズの内部はグリモア猟兵の言った通り、色とりどりの花々に満ちていた。甘い香りが猟兵の鼻孔をくすぐったかもしれない。足を踏み出すと、足元に幾つかの花の群れが寄ってきて、花の足場になり、柔らかな感触のそれを蹴って進むと、余韻の様に暫く、花弁がそこに残り、小さな花冠を作る。
 突入した猟兵が、花を蹴り、先を見据えると、鋼の鎧を纏った、大きなサルの様な怪人が、サングラスをギラつかせて猟兵を捉えた。
「こっから先は通さないウッキー! ミーのユーベルコードは『想像した全てを創造する能力』! ミーのマニアック知識と極めて相性のいいこの最強能力で、あらゆるユーベルコードの弱点を見つけ、お前達を倒してみせるウッキー! さあ、どんなユーベルコードを使ウッキ?」
 最後に、怪人は耳障りな笑い声を上げ、猟兵を挑発する。思考を鈍らせろと囁く様に。自身の弱点はそこにあるが、まさか突いてくる事は無いだろうと考えながらも、エイプモンキーは万が一の為に、布石を試す。



●挨拶
 紫と申します。難易度は【難しい】です。判定は厳しめとなります。
 ご注意下さい。本当、ご注意下さい。

 エイプ・モンキーの攻略に必要な項目は鎮も言っている様に、下記となります。
 どちらかを必ず読んだ上、プレイングで対応して頂けますと、幸いです。

●マニアック怪人『エイプ・モンキー』のユーベル・コードについて
 エイプモンキーは、猟兵が使用するユーベルコードの設定を元に、そのユーベルコードを無効化する武器や戦術を創造し、回避不能の先制攻撃を行ってきます。
(ユーベルコードで無効化したり相殺した後、強力な通常攻撃を繰り出す形です)
 この攻撃は、ユーベルコードをただ使用するだけでは防ぐことは出来ません。
 この先制攻撃に対抗する為には、プレイングで『エイプモンキーが自分のユーベルコードに対抗して創造した武器や戦術を、マニアックな理論やアイデアで回避して、攻撃を命中させる』工夫が必要となります。
 対抗するためのプレイングは、マニアックな理論であればあるほど、効果が高くなります。

●リプレイ返却について
 戦争であること、自身の体力、モチベーションの状況から、今回は、【同行】記載がない場合、1件ずつ返却する手法を取ります。大体、猟兵が入れ替わりながら、エイプ・モンキーと戦う様な描写になります。勝手ではありますが、ご了承の上でご参加して頂ければ、と思っております。
 キャパオーバーは起こらないと思っていますが、オーバーになりそうな場合、臨機応変に対応致します。(これは、プレイングの不採用も含みます。)
 難易度が難易度ですので、ご了承頂けますよう、宜しくお願い致します。

●最後に
 以上を踏まえた上で、出来る限り一生懸命シナリオを運営したいと思っております。
 強敵との戦闘を楽しんで下さると幸いです。
 宜しくお願い致します。
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第1章 ボス戦 『マニアック怪人『エイプモンキー』』

POW   :    マニアックウェポン
対象のユーベルコードの弱点を指摘し、実際に実証してみせると、【敵に有効なマニアックな装置】が出現してそれを180秒封じる。
SPD   :    マニアックジェット
【敵のユーベルコードを回避する装置を作り】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ   :    マニアックマシン
対象のユーベルコードに対し【敵の死角から反撃するマシン】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。

イラスト:柿坂八鹿

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ステラ・アルゲン
さてと、お前が最初のボスといったところかな
私が何の技を使うかは分かっているだろう?
その弱点も知っているはずだ
この技は剣を投擲し、当たらなければ意味のない技
実証するならばお前は剣を私に投げて、外すことだろう
ならば、その剣に当たりに行こうか

投擲される剣に【ダッシュ】で近づく
体を剣を貫かれても構わん【激痛耐性】で凌ぐ
あとは技の通りなら、お前が剣の近くに再召喚され不意の一撃が来るか
ヤドリガミって千差万別でな、肉体の再召喚がすぐできたりできなかったりするらしい……私はできるほうだが
だから不意の一撃を食らう前に肉体を消す
【流星剣】の器物状態のまま魔力で【投擲】し【凶つ星】を仕掛けようか



●凶星(プライズ生産)
「さてと、お前が最初のボスと言った所かな。私が何の技を使うかは分かっているだろう? その弱点も、知っている筈だ」
 銀髪を舞う花々の冠に誘われながら、凛とした声音でステラ・アルゲン(流星の騎士・f04503)はエイプモンキーに語りかける。
「……ユーのユーベル・コードの弱点は初動ウッキ。これが当たらなければ意味ないウッキね。キキ」
 ステラのユーベル・コードを再現し、実証するという過程でエイプ・モンキーは適当に作った剣をステラに投げる、様に視線を誘導してから、明後日の方向に投げた。ステラは自身に投擲されると思い、あっけにとられながらも花を蹴る、が。
「だから、検証にこの先は必要ないウキね。ここで止めれば終わる技ウキ。先の派生は不意打ちしかないウキ。軌道も直線に限られるウキ? だったら、こういう装置が覿面ウッキ。念には念を入れて武器も肉体も囲むウッキ! 4点浮遊型無差別エネルギーバリア発生装置はどうウッキ? どんなエネルギーも超効率で変換吸収する機能も付いた優れ物ウッキ!
 実証を終え、流星剣とステラの身体、両方を捉えるように調高速で浮遊ドローンがステラを囲む。
「お前のエネルギーで、無駄に出来の良いプライズフィギュアとキーチェーンを作ってやるウッキ! ミーは制作主だから任意で取り出せるウッキ! キキキ!」
 何でそんな機能がついているんだ。これは恐らく技能に頼っても、投剣という初動自体が隙になっていると、指摘されており、それを凌ぐ戦術薀蓄やアイデアが足りなかったということだ。
 エイプ・モンキーはヤドリガミの知識もマニアック知識の一部として詰め込んでおり、要は幽霊、精霊の類と同じで、大本のエネルギー源を絶ってやれば良いと言う発想で、この装置を生み出した。
「……チッ!」
 舌打ちをしながらもステラは肉体を消し、再召喚する。エイプモンキーに炎熱付きの一刀を振り下ろす。それが、装甲に僅かな傷跡を残した。
「無駄無駄ウッキー! キキキ!」
「ぐ……っ!」
 装置の稼働用の大きな赤ボタンをこれみよがしにポチッとなとすると、肉体維持限度以上のエネルギーを容赦無く装置が吸い上げてき、ステラは流星剣の本体を残すのみとなる。
 次々に彼女を象ったフィギュアや流星剣のキーチェーン、流星剣型の枕がバリア内部を埋め尽くしていく。エイプ・モンキーの趣味も混じっているのか、様々な衣装タイプ、しかも甘ゴシ黒ゴシとか白ワンピースとか女性らしい者が多く散見される。ついでに髪型チェンジまであるさま。凝り性かつ、マニアックか。
 最も必要なのはエイプ・モンキーを凌ぐ、或いはエイプモンキーの盲点である知識ぶつけること、次に数段落ちて対抗戦術。それを纏めて考え、運用する事、の様だ。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

ステラ・リデル
【SPD】
《魔剣舞踏》で33本の光の剣を発現。
全周囲からの舞い踊る魔剣で敵を襲います。
>回避された後
見事ですね、ですが、私は必殺とも必中とも思っていません。
何せ私の主には一度も通じたことがありませんからね。
そして、貴方の回避行動、私は既に体験しています。
当然、それへの対策もあります。
《魔剣舞踏》の回避行動を過去の体験から予測して、その回避行動後の地点に魔法銃から強力な貫通弾(全力魔法×鎧無視攻撃)を撃ち出して攻撃します。



●ソード・ダンス(ゲーム制作)
「……」
 ステラ・リデルは頭の中で今から行う戦術と、予測行動を整理しながら。青のオドを変換し、33もの光剣を作り出し、展開。それを見たエイプ・モンキーは歯茎をむき出しにして唇を釣り上げる。
「そのユーベル・コードの弱点は、使用している間、他の行動を起こしにくいことウッキー。それから、視界の届かない範囲には当然届かないウキ! ミーは姿を消し、高速で動きながらも音を立てなければ良いウッキー! 」
 作られた装置はそれらを実現する超光学迷彩マントとサイレントアイアンブーツ。これにはエリアの花を見えなくする効果も含まれているようだ。姿が消える寸前、青の光剣33がエイプモンキーを囲み、捉えるが、ステラはそれ以上追うことが出来なかった。音が消え、風音のみがステラの耳を撫でていく。
「見事ですね、ですが、私は必殺とも、必中とも思っていません。何せ」
 先は唇を噛む。主には一度も通じたことがないのだ。そうあってほしいと思いながらも、自身の刃をいつかは届かせてみせると、強く思う。
「対策はしていますよ」
 試行回数、行動パターン、僅かな空気の揺らぎ、光剣の消滅から、エイプ・モンキーの居るであろう方向へ、貫通の魔力を込め、シジリウムが呼応し、青の燐光が漏れ始めた。輝く銃口を向ける。
「惜しいウキ! 可愛い顔して猟兵は本当おっかないウキね! オブリビオンの性質を逆手に取るとは!」
 貫通弾の発射をわずかに身体をずらして避けながら、同時にステラの腹部を、黒鉄色の拳が貫いた。
「まだ……っ」
 睨みつけ、ステラはくず折れた。戦術は申し分ない。実際、エイプ・モンキーの毛並みは逆だっていた。最後の一押しとして、正確ではなくとも、主と何度、もしくは、何年立ち会ったか、どの様な教えを説かれたか、等あれば、通ったであろう。それは広義の意味で捉えれば、エイプ・モンキーの知りえない立派なマニアック知識だ。
「……なんとなくリア充の匂いがするウキ。ミーに危機感を抱かせ、自慢の装甲に傷を付けた罪として、なにか悪戯をしてやりたいウキ」
 暫く考えて、一つ思い付いた物を想像した。程なく出来上がったのは一本のソフトウェアパッケージ。タイトルは青髪少女育成計画。どうやら育成ゲームの様だ。エイプ・モンキーは早速テストプレイをし始めた。無駄に精緻に作り込まれたシステムとグラフィック。衣装変更システムはお約束の様に搭載されている。清楚な衣装や子供っぽい衣装が好みのようで、衣装の露出は非常に控え目だった。その内、エンディングテーマと共にスタッフロールが流れていく。
「我ながら良い出来ウキ! でもこれ、同人でも売っちゃいけないウキ……残念ウキィ」
 怪人らしからぬ商売倫理観で、それをのんびり眺めていた。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

宇冠・龍
由(f01211)と参加

私の死角から反撃される
つまりそれは、死角を消せば反撃されないということ

【談天雕竜】で百頭の馬霊を召喚

馬の視野は広く350°、真後ろ以外全て見える目を持ちます
百頭それぞれの馬霊が互いの死角を補完しあい、群れを成して進軍
中央付近の馬に騎乗、私は上空を警戒して、上からの攻撃も指揮して封殺
攻撃してくるようであれば、互いに死角を補完しあいながら10頭毎で反撃

(そうすれば、残る死角は真下、つまりは私の足元。花畑地下からの攻撃)
それこそが私たち“親子”の目的
百頭の馬の大群の召喚目的、それは私が囮となり、花々の地下で進軍する娘を悟らせないこと
私の真下を取ろうとすれば、娘の餌食となります


宇冠・由
お母様(f00173)と参加

ここは足元全てが花畑の階層
つまり地中も花

私は小さなヒーローマスク。今回は地中で隠密行動
お母様の騎馬隊がエイプモンキーを撃破できればよしですが、相手は強敵、私は意表を突くための伏兵

馬の足音を頼りに、その真下、花の階層地中を少しずつ燃やしながら進みます。馬の足場が崩れないように、燃え広がらないよう慎重に

マニアックマシンと鉢合わせたら、マシンだけを焼却

お母様の馬隊がエイプモンキーを取り囲んだなら、私はエイプモンキーの真下で待機。一気に地獄の炎を展開、真上の花々毎業火で焼き尽くします

もし移動中に気付かれても進みます。炎の弱点は水、ですがここはそれを吸収する花で溢れてますもの



●談天雕竜(ハコベラ・ハコベ)
「さて、次は私でしょうか。早速ですが、使わせて頂きましょう」
 宇冠・龍(過去に生きる未亡人・f00173)は、銀の大きな三つ編みを軽く指に巻きつけて、さっと解く。握られた黒い竜玉が強い光を放ち、馬の霊体がずらりと召喚された。その数百。龍はその内、中央に位置する一頭に跨った。
「そのユーベルコードの弱点は、ユーが動けないことウキね。同時にその馬達以上の機動力は望めない筈ウキ。加えてユーは指示で手一杯ウキ。死角から撃ち落とすウキ」
「ふふ、果たして。そう上手く行くでしょうか? マニアックを自称される割には、生物学の勉強が不足しているご様子。この子達の視野が広いことを、貴方はご存知無い様ですね」 
「ウ……キ?」
 馬の視野は350度。ほぼ真後ろ以外を見渡せる程だ。その広い視野を実現する仕組みはまず、その瞳の大きさに有る。眼球の大きさは大凡4.5cm、これは人間の約2倍だ。次に、草食動物の特徴として、瞳が側面にある。これは、肉食動物から逃げる為に、進化した姿だ。確かな知識によって、この空間は今、彼女等に味方する。
「さあ、捌いて見せて下さいませ」
 必然、エイプ/モンキーが作った装置は馬の後方を狙う形になるが、それを補うように龍は迷いなく、指示を下す。馬列は乱れること無く、四方から遅い来るそれらを銜えた不実体刃が両断し、鉄塊と変えていく。死角を取ろうとする浮遊装置、優に10を超えるそれらを、死角を補う10の馬の群れが悉く両断し、興奮したように嘶きを上げる。行軍は止まること無く、陣は徐々に円形へ姿を変えながら、浮遊装置を馬群が両断し、蹂躙し、行軍する。エイプ・モンキーを囲んだ所で、龍が風槍を捻り突く。先程穿たれた装甲を精密に狙い、風力の爆発の後、今度こそ、確かな穴が開いた。砕けるのを確認もせず、すぐに何らかの装置を作り、エイプ・モンキーが姿を消す。
(後は頼みますよ、由)
 姿が見えないということは十中八九、潜り込んだのだろう。思い通りに事は運んだと、地下を掘り進める娘に馬蹄で取り囲んだと、予め決めていた合図を送る。未だに龍の死角は召喚された馬が守っている。
 小さなヒーロー・マスク、宇冠・由(宙に浮く焔盾・f01211)は、その存在を悟らせず、龍の陽動に合わせ、隠密行動を働く。足場を崩さないように花を燃やしながら、少しずつ、少しずつ掘り進む。馬の足音を頼りに、その場所へ向かう。程なく、合図が送られてくる。合図は取り囲んだ。ならば本体毎下に居る筈だ。
「ウキ? ユーは……! まさか伏兵。しま……っ!」
「策士、策に溺れると言った感じですわね。ハコベラ・ハコベ」
 遊ぶような呪言の後、彼女を形成する地獄の炎がエイプ・モンキーと作られた装置を取り囲む。轟々と燃やす。酸素を燃料に、花を燃料に枯らし、灰にし灰塵とし、地形を形成する花を、陥没せぬよう、エイプ・モンキーの装甲へ、執拗に纏わり付く。
「なんの……! ミーのアーマーは耐火性能もピカイチ……ねっ!」
 それでも黒鉄は伊達では無いようで、装甲を何枚か溶かす事には成功するも、本体までは届きそうにない。熱に炙られた身体を無視し、由に手をのばすが、既に由は地上へと上昇を始めていた、母の元へ戻る。
「ホーリー・シット!」
 燃えたまま、致し方無しとエイプ・モンキーも浮上する。先は霊馬の包囲網。このまま浮上は出来ないと、一時撤退を選択した。戦場は移り変わる。
「上手く行った様ですね」
「どうしましょうか?」
「深追いは禁物です。手負いの獣は、恐ろしいですからね」
「はい。お母様」
 敵との戦闘状況は一段落したと、一度馬群を引かせた。エイプ・モンキーとの戦闘は中盤に差し掛かる。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

マルコ・トリガー
フーン、装置って今ここで作ってるの?
だとしたら、すごいね、キミ

最初は牽制の意味で【2回攻撃】射撃をして、それから【竜飛鳳舞】を使って跳んで近付こう。【零距離射撃】のためには近づく必要があるからね

ボクのUCが回避されたら、
跳んで立体的な攻撃が出来なくなるのかな
ならキミの攻撃は【2回攻撃】で牽制しつつ【おびき寄せ】てからの【フェイント】で平面的に回避するしか無いかな

そうそう、最初や途中の牽制攻撃
あれ、【誘導弾】を混ぜておいたから
ついでに雷の精霊を乗せた【属性攻撃】弾だよ
装置に当たったら御の字
装置で跳弾させてキミに当たったらさらにラッキーだよね
跳弾の角度ぐらい狙えるよ
だってボク、銃のヤドリガミだもの



●竜飛鳳舞(エアガン制作)
 闘争先を猟兵は淀み無く追ってくる。戦場を移し、次に相対したのは、マルコ・トリガー(古い短銃のヤドリガミ・f04649)だ。
「フーン、装置って今ここで作ってるの? だとしたら、すごいね、キミ」
「ユー達ほどじゃないウキ! どうしたら、こんな大規模行軍が出来たウキ?」
「答える義理は、無いよね」 
 首を傾げたエイプ・モンキーを金の瞳が射抜く。一挺の拳銃を懐から抜き、構え、引鉄を二度引く。すべての動作がワンアクションで完了する瞬速の早業だった。吐き出された弾丸が、寸分違わず連なり、大きく穴の空いた黒鉄を千切らんと迫る。同時に頭の中にリズムを流し、1度、宙を蹴る。
「ユーのユーベル・コードの弱点は、回数制限ウキ。それから速度も今のが限度ウキ? ミーはそれを自動感知して速く動けば良いウキ! ついでにジャマー付きの煙もばら撒くウキ!」
 熱感知センサー付きのエアサーフボードを創造し、ロケットの様な速度でエイプ・モンキーは銃弾を置き去りにしてかっ飛んでいく。牽制のつもりで吐いた弾はジャマーによって妨害され、エイプ・モンキーには届かない。
「イィィヤァァァッハー!」
 振り切った所でサーフボードがマルコ目掛けて飛んでくるが、どうにかフェイントを交えて回避し、一瞬の交差時に雷精の弾丸を打ち込む、装置から落下したエイプ・モンキーに、距離零。
「避けれないよね」
 トリガーに指を掛け、再び穴の空いた装甲へ、無形の弾丸が吐き出された。硝煙が昇る。
「……ミーの耐久力を甘く見ないで欲しいウキ!」
 黒鉄の拳が、煙の先から繰り出される。これは避けれないのではなく、避けなかっただけだと、サングラスを光らせながら、マルコのみぞおちに当たる部分を、鋼の腕が突き上げた。
 戦術は申し分なかった。足りないのは知識と威力だ。或いは自身の銃は何口径で、この様な弾頭を扱える等、性能について少し触れるだけで、或いは、雷精は何者で、こんな性格の精霊であると触れられていれば、有効打を与えられただろう。
「段々追求が厄介になってきたウキ……さっきのが効いてるウキ?」
 ともあれ、目前の青髪の少年は厄介だとエイプ・モンキーは実感した。追い詰めた事も含めて、少しリフレッシュをしたいと考える。
「……古銃は珍しいジャンルウキ。エアガンにするウキ!」
 発想を元に本体からエネルギーを吸い上げ、変換する装置を作る。そうしてマルコの本体を始めとした、エイプ・モンキーのち式内の古銃エアガンが周囲を満たしていった。
「銃は科学の産物ウキ。見てて心が和むウキ。ウキー!」
 幾つかを試し打ち。エイプ・モンキーのその瞳は、少年の持つ、好奇心の輝きに似ていたかもしれない。猟兵との一進一退の攻防は続いていく。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

ヘスティア・イクテュス
なにあの黒鉄のボディ!悪魔のようなデビルウィング!そして胸のゴールデンモンキー!あの猿分かってるわね!いいセンスよ!


ブラストモードの弱点は撃つまでに時間がかかること
そして直線の攻撃であることね
先を読んですごい回避しやすいはず…


ということで薙ぎ払ってみるわ
こうミスティルテイン両腕に抱えて、
砲撃の反動に流されるままティターニアを適当に噴かして
わたし自身どこに撃ってるか分からない感じで無差別攻撃を

わたし自身がどこを狙ってるか分からないのに砲撃の軌跡読み切れるかしら!うっぷ…酔ったわ…
そして自身も反動であちこちぶつかったりで全身痛い!



●ウィングでゼロ、クロスでボーン(ローリング・バスター・ミスティルテイン)
「なにあの黒鉄のボディ!悪魔のようなデビルウィング! そして胸のゴールデンモンキー!あの猿分かってるわね! いいセンスよ!」
 空に聳えていそうであり、合体する時に竜巻が起きそうなフォルムをそう言って称えるのはヘスティア・イクテュス(SkyFish団船長・f04572)だ。
「ウキ! このセンスが分かるとは! ユー、抑えているウキね。猟兵にしておくのは勿体無いウキ! でも宿命が許さないウキね」
「ええ、とても残念だけれど」
 そう言ってヘスティアはティターニアを活性化させ、接続されているミストルティン2門を構え、長距離モードとして可変展開させた。
「大規模砲撃は浪漫ウキ。故にユーのユーベルコードの弱点は」
「チャージに時間がかかること、これは浪漫よね。分かって頂けるかしら」
 エイプ・モンキーは嬉しそうに唇を釣り上げた。
「次は直線軌道ね。理解を頂けた所で。私、軌道計算とかしないわ。避けてみなさい」
「ウキ?」
 何を言っているんだとエイプ・モンキーが首を傾げつつも超高速エアボードを作り、熱線を回避した。推進ユニットが傾く。酩酊したかのようにフラフラと、人為的なランダムと、プログラム的な乱数が入り乱れながら、ミスティルテインが薙ぎ払われる。
「半径何メートルはこの手の届く距離ウキぃぃぃ!!?」
「軌道計算も飛距離計算もしてないけど、回ることだけは止めないわ。うっぷ」
 本当の酩酊感を味わいないながら、23.5度傾いたラリアットもかくや。ローリングするという一点を除き、不規則な軌道で超巨大熱線が絶え間なく襲い来る。縦、横、斜め、縦は上下を含むため、合計6パターンが完全なランダム性を付随して、空間を駆け巡る。エイプ・モンキーも流石に長距離砲撃の射程からは中々離脱できないようだ。その内、サーフボードを掠め、容赦無く焼却する。実はランダムであることを除き、この行動自体がとあるロボット作品に採用されている新機動戦記なんたらかんたらという奴だ。UDCアース的にもっと最近だと0が2つ付く作品もそうだ。前者であれば、宇宙空間で仁王立ちしながら周囲のロボットが焼却、白髪するバンクは随所にある。これは十分マニアックな行動、発想であり、彼女の行動の内、欠けた精密さをこの空間はサポートする。ただし、彼女も彼女であちこちにがつごつぶつかっている上に、酩酊も酷そうだ。
「なんだか一周回って気持ちよくなってきたわ!」
「ゲロインは流行らないウキィィィ! 止めるウキィィィ!」
 喚きながらも自慢の黒鉄の腕が丸ごと焼却される。後に残されたのは焼き払われた花々と、酔いきったヘスティアのみだ。頭がガンガンと痛み、胃から何かがこみ上げる続ける気持ち悪さを、どうにか堪えた。エイプ・モンキーは、足早に戦場を移動する。

成功 🔵​🔵​🔴​

ペイン・フィン
さて……。
どこまで通じるかは分からないけど、やれるだけでもやっておこうかな。

相対し、即時コードを使用。
複製するのは、自分の本体である指潰し以外の全ての拷問具。
それを、全て同時にぶつけるのでは無く、タイミングをずらしての波状攻撃。
200を超える攻撃全て、避けきれるか……?


最も、コードは囮。
変装、迷彩、フェイント、残像、目立たない、忍び足。
隠密行動系技能をフルで使用。
囮としたコードに紛れ、隠れながら接近。
コードの効果を受けていない自分の本体で、通常攻撃を行う。
鎧無視攻撃、串刺しなどの防御無視技能でダメージを底上げするよ。
ついでに、各種戦闘妨害技能も使用。
なるべく後続が、少しでも楽になるように……。



●地獄は此処にあり(テンゴクノモンハトジラレル)
 腕を失い、敗走するエイプ・モンキーに相対するのはペイン・フィン(“指潰し”のヤドリガミ・f04450)だ。
「……どこまで通じるかは、分からないけど」
やれることをやろうと、意を決するように閉じていた目を開く。このユーベルコードの弱点は全力で操作する故に、自身の挙動が鈍くなることだ。
「ユーのユーベルコードの弱点は……」
 合計4度の襲撃。その内2度は大きな痛撃だった、流石のエイプ・モンキーも、絶えず続く痛みにサングラスの下の表情を歪めた。思考を迅速に行える程の余裕が無い。
(ミーとしたことが……っ!)
 加えて、厄介なことに出会ったユーベルコードは物量攻撃。エイプ・モンキーは辛うじて先程と同様に、エアサーフボードを生成し、逃れようとする。襲って来た奇妙なナイフ39を振り切り、腹、背中を遅い来る大岩をどうにか掻い潜り、身体のあらゆる部分を焼却しようと迫りくる蒼炎の焼き鏝から逃げ切っていく。
「……不味いウキ。マニアック過ぎるウキィィィ! 何者ウキィィ!」
 普通の人であっても、多少の知識を身に着けていても基本、人は拷問器具の事など知らない。エイプ・モンキーも例外に漏れていなかった様だ。マニアック知識の盲点。出てくるのはアイアン・メイデン程度だろう。
 攻撃自体がマニアック……いや、この場合はプロフェッショナルさながらと言うべきか。優れた持ち手が動かしているような拷問器具の軌道は、無駄なく合理的にエイプ・モンキーを、ゆっくりと追い詰めていく。
 半分は彼彼女等の手で動いているのだろうか。隠密行動中の今も、彼にしか聞こえない声で、口数の多い者等が特に賑やかに語りかける。マニアックな存在達に、この場が、ペインと兄姉らに味方し、生成された膝砕きの内2つが挟み込み、キリキリと締め上げて、装置を破壊する。
「ウッキャアア!」
 着地地点の先のペインの気配の薄さから、数瞬遅れて気付き、残った拳を振り上げるが、捉えたのは残像だった。振り上げた拳が開かれた所で、鋼鉄が割れ、骨肉の潰れる嫌な音が響く。ばきん。連なる。ばきん。それが5度。
「ウギィィィ!!!?」
 本体である指潰しが、五指を粉々に砕き終わる。
「ステラや、仲間達が一矢報いた所も、ね」
 猫鞭がエイプ・モンキーを気紛れに拘束し、膝砕きが真面目に残った三肢の関節を固定する。キリキリと万力が締まり、スタンガンが耐えず電撃を浴びせ、毒湯が装甲の穴から肉体を誘拐する毒を流し込む。重点的に、流星剣の付けた傷から流し込んでいく。
「や、やめ、やめるウキ!」
 万力が締まり、棘が肉体に近づく度に。辛うじて融解に耐えている毒湯が、しゅうしゅうと煙を上げる度に。エイプ・モンキーが恐怖に戦いた表情で、涙を流して首を振る。残った足指10が、一本一本、丁寧に折られ、ばきん、ばきんと、リフレインを繰り返す。エイプ・モンキーの心がそうして、恐怖に染められた所で、膝砕きが、いよいよと、主要関節を物々しい音と共に砕く。毒湯が染み込んだ身体を溶かし、遂に耐えきれなくなったエイプ・モンキーが、白目を剥いた後、粒子と成って消滅した。
「……ん」
 仲間の敵は取れたと嫌悪と歓喜を振り払い、一つ頷いて、ペインは兄姉と自身の本体を仕舞った。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年05月12日


挿絵イラスト