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バトルオブフラワーズ⑨~花山の対象猿~

#キマイラフューチャー #戦争 #バトルオブフラワーズ #エイプモンキー

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 そこは、華やかなる花の世界だった。
 システム・フラワーズ、そのメンテナンスルームへ続く道程。
「ウキキッ」
 そこに、一匹の猿がいる。
 踏み出す足は花々に支えられ、何者をも阻む壁として、そこにあった。


「さて」
 アンク・オーウェン(人間の戦場傭兵・f00928)はグリモアを片手に遊ばせ、集めた猟兵の前にいる。
 ……戦争だな。
 胸中で呟きながら、さて、と改めた一息を入れる。
「説明を始めよう」
 極めて真面目な、戦いの話だ。
「みんなの尽力で、システム・フラワーズへの道が拓けた。勢いのままに乗り込み、敵の首魁を討ち取りたい所だが、しかし問題がある」
 それは、
「エイプモンキーという、強力なオブリビオンが立ちはだかるということだ。これまでとは違い、コイツには厄介な能力がある」
 力業では乗り越えられないモノだ、と、アンクは続ける。
 正直、予知しておきながら、そんな能力ありなのか? と、そう思うが。
「想像する全てを創造する能力。声にしてみるとややこしい。要は、思い付いた物を現実に産み出せると言うことだ」
 それは武器であったり、自然現象であったり、その他想像の付かない創造を可能にする能力だ。
「それに加え、エイプモンキーには頭があるーーああいや、物理的な話じゃなくてね、知識、知性というモノの事だ。それは君達の使うユーベルコードや武器、動き、行動に関わる色々な挙動を見切り、弱点とも言える対抗策を即座に産み出して相殺してしまうだろう」
 デタラメである。
「だが、自分の動きを一番知っているのは自分自身。逆に言えば、エイプモンキーの対抗策を予測して、織り込み済みの動きをすればーー」
 敵の想像の上を越えていけば、一撃は届く。
「勝利の道筋は、君達が創造すればいい」
 さて。
 と、説明の時間を終えて、遊ばせていたグリモアを握り、
「道を繋ぐよ。エイプモンキーを見つけて、叩きのめしてやれ」
 眼鏡を直しながら、猟兵を送り出した。


ぴょんぴょん跳び鯉丸
 エイプモンキーは、猟兵が使用するユーベルコードの設定を元に、そのユーベルコードを無効化する武器や戦術を創造し、回避不能の先制攻撃を行ってきます。
(ユーベルコードで無効化したり相殺した後、強力な通常攻撃を繰り出す形です)
 この攻撃は、ユーベルコードをただ使用するだけでは防ぐことは出来ません。
 この先制攻撃に対抗する為には、プレイングで『エイプモンキーが自分のユーベルコードに対抗して創造した武器や戦術を、マニアックな理論やアイデアで回避して、攻撃を命中させる』工夫が必要となります。
 対抗するためのプレイングは、マニアックな理論であればあるほど、効果が高くなります。

 という戦争シナリオですどうもわたしです。
 判定の基準なんかは前の戦争と同じで、ただまあ分かりやすいかなとも思います。
 ので、素敵なプレイングを待ってますね。
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第1章 ボス戦 『マニアック怪人『エイプモンキー』』

POW   :    マニアックウェポン
対象のユーベルコードの弱点を指摘し、実際に実証してみせると、【敵に有効なマニアックな装置】が出現してそれを180秒封じる。
SPD   :    マニアックジェット
【敵のユーベルコードを回避する装置を作り】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ   :    マニアックマシン
対象のユーベルコードに対し【敵の死角から反撃するマシン】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。

イラスト:柿坂八鹿

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

大神・零児
敵行動予測
【自身からレベルm半径を覆う自分の意識】意識範囲拡大を封じる
【それを用いた対象全員の意識に触れる感覚】自身の意識を隠すかダミーを掴ませる
【その感覚により敵意を可視化し回避する意識】敵意を隠す

だが、敵意以外の意識すら創造物や所持していたありとあらゆる物に乗り移るし、無機物にも存在を保つための意識はある
システム・フラワーズの花も

UC全開
俺の意識拡大を封じるなら俺の意識に触れなければならない
ならば封じようとしている意識に俺の意識を這わし、敵の意識がつながっている創造物やエイプモンキーが乗り込んでいるメカ、又はシステム・フラワーズの花の意識にも俺の意識を這わせ、それらの意識の波を読みとり攻撃



 大神・零児(人狼の妖剣士・f01283)は、エイプモンキーとの対面を果たした。
 向こうがこちらを認識するのと同様にこちらも向こうを見据え、近づく足が花の足場を踏んでいく。
「行く……!」
 花を蹴り、加速を付けて、ユーベルコードを発動させた。
 ……広く、もっと、広く。
 前も後ろも左右上下、その総てへと、意識を伸ばす。
 意識とは感覚、視覚触覚などの五感の延長だ。
 そうして得るのは、自分以外の思考。場に満ちる空気を、別の視点で視る。
「ウッキッキ、器用な奴だウッキー!」
 そんな動作を観て、エイプモンキーは零児のやろうとしていることを看破した。
「つまりはミーの動きの阻害! その程度、分からないミーじゃないウッキッキ!」
 想像する。零児の技の起点は、間違いなく意識の拡充だ。
 ならば、そこを砕けば、能力としては万全にならない。だから、
「こうするウキ!」
 創造した。ありとあらゆる意識に繋がったのならば、それを砕かれる苦悶にも触れると言うことで、
「ーー!」
 作り出したハンマーを複数個、零児が読み取る範囲のモノを砕きに砕いて砕き尽くす。
「そういうやり方もあるか……だが」
 範囲に入ったハンマーには、濃いモンキーの意識が籠っている。
 破壊の悲鳴に耳を塞ぎ、ただ真っ直ぐに花道を駆けて、ただ行く。
「お」
 妖刀の鍔を指で弾き、柄を握って踏み込みと同時に引き抜く。
「おおおおお!」
 神速の一撃を、打ち出した。
「うっ……キッキッキッ、ミーに想像出来ない事は無いウキよ……!」
 だが、届かない。創造される盾が刃を押し止め、反撃のハンマーが、
「うぎぁ!?」
 振り下ろされるより早く、零児の鞘が顎へぶちこまれる。
「その意識は、想像内だーー!」
 一手速く、読みきったのだ。ハンマーが自分に落ちるのは避けられないが、それに見合う一撃は入れられる、と。
 故に彼は、その後に自分を叩き落とす鉄槌を、甘んじて受けた。

成功 🔵​🔵​🔴​

ステラ・アルゲン
【ヤド箱】で朔殿と参加

やっとここまで来れました
ですがまだまだ先は遠いようです
あの敵を倒してもっと前に進まなくてはいけませんね
見た目は猿ですが油断しないようにしませんと

朔殿が相手のUCを封じるまでこちらもUCは扱いません
もし敵が邪魔してくるようなら前に出て朔殿を守るように【流星剣】の【武器受け】で【かばう】
敵のUCが封じられたら【追憶の星】で真の姿を限定的に開放し【白銀の鎧】を身にまとう

もしそれでも私の技を封じるように実証するならしてみろ
私の記憶を覗けるならな?

時間は限られているから一気に終わらせる
【ダッシュ】で詰め寄り【鎧砕き】の力強い勢いで【2回攻撃】の斬撃を狙う!


雛月・朔
【ヤド箱】でステラさんと
UC:桐箪笥の数え唄・四段目 POW
武器:念動力

心情
先制攻撃はたしかに強力ですが全てのUCと噛み合っているとは限りません。調子に乗っている猿はさっさと倒します

対策
というわけでこちらも同種のUCを使用し、相手のUCを誘います。あのUCは性質上、相手のUCを見てからでないと実行できないUCですから先に使っても無意味です
エイプモンキーに一言、『先制攻撃が出来るといっても弱点看破もその実証も、実際に相手のUCを見ないと何もできないじゃないですか。それは先に使った方が負けるUCです』
あとはPOWのUCを封じた180秒の間に味方に攻撃タイプのPOWを放ってもらいい、私も念動力で援護



「ふう、ふう、猟兵はやっぱり厄介ウッキー……!」
 額を拭う仕草でエイプモンキーは息を吐く。
 少し驚かされたが、大丈夫だ、なにも問題はない。
 ……ミーのマニアックイマジネーションは絶好調だヨ!
 言い聞かせ、ふと気づく。
「うき?」
 気配が増えている。
 顔を向ければ、そこには二つの影だ。
「やっとここまで来れたかと思えば、まだまだ先は長いようです朔殿」
「そのようですねステラさん。ですが、問題なく、調子に乗った猿を倒して進むとしましょう」
 ステラ・アルゲン(流星の騎士・f04503)と雛月・朔(たんすのおばけ・f01179)だ。
「油断はせぬように」
「ええ」
 短く交わし、前へと行くのは朔だ。
 ふわふわと、地に足を付けないお化け然とした姿でエイプモンキーへ近づく。
「……なるほど、ミーの力、理解していると、そういう訳であるウキ」
 狙いを察した。
 朔から漏れでるユーベルコードの気配が、自身の使うソレと酷似しているからだ。
「ええ、理解しています」
 つまりは、証明の証明。
「そのユーベルコード、つまりは、相手の技を見てから出なければ効力の無いもの。看破も、実証も、先制出来ても無意味。同種でのぶつかりあいの場合、先に使った方が負ける。それこそが弱点です」
 言葉に、エイプモンキーの体がグラリと崩れた。
 膝から折れ、前傾になって、
「ーーいや、ダメだ朔殿!」
 瞬間にその体は朔の目の前に移動していた。
 そうして、振りかぶる拳の一撃が落ちるのを、ステラが割り込み受ける。
「ぐ、ぅ……!」
「それも読んでるウキ」
 二人の目論みは、エイプモンキーのユーベルコードを封じた上での相対だ。
 しかしもしも、それが途中で崩れたら?
「気付いているか猟兵。その証明、いたちごっこの様な理論。それは、自分で自分の技を相殺していると同義だウッキー」
 何故なら。
「自分で言ったこと。先に使った方が負けで、お前が使ったのだから」
 前提から崩れている。そうして攻撃に重点を置くポジションが守りに入ったのなら、畳み込んで攻撃に移させないのは、戦術としてごく自然な思考だった。
「しまっ」
 ステラは蹴り飛ばされ、朔は自分に向かってくる巨大な拳を念動力で抑えながら、しかしその数瞬後。
「っーー!」
 弾かれるように宙を舞った。

苦戦 🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

百鬼・甚九郎
うむ。POWじゃよ。

儂が使うのは羅刹旋風じゃな。
まあぶんぶん振り回してから当てると攻撃力が上がるっちゅー技じゃ。
そう、つまり振り回せなくなれば効果が無いんじゃな。
当然止めに来るであろう。

だがその攻撃は『トンネル効果』が偶然起こる事により儂を透過する。
どういう理論かっちゅーとな、まあ量子力学的なドドドドマニアック理論なんじゃが、要は机を叩き続けてれば透過する可能性が零では無いってーなもんなんじゃな。

零では無いなら今起きる可能性とてあろう?
どうじゃこのマニアック理論。通るならそのままぶん回した大連珠でぶん殴るぞよ。


朝倉・くしな
羅刹旋風を発動しこれみよがしに大連珠を振り回します
「武器を振り回しておく」事で戦闘能力を高めるが
弱点は「見切られやすくなる」

元から見切るのが得意なおさるさん相手ならそれ程弱点でもないじゃないですか
なので見切られてもいーかなーな攻撃でいこうかと思います
(執拗にぶんぶん振り回して)

さてそろそろいいでしょうか

私の狙いは二つ
・最初の一振りしか適用していない羅刹旋風で見切ったと思っている相手にちょっとだけ強化した一撃を与える事
・見切りやすくなった攻撃は敵だけでなく味方にも見切りやすくなっているはず。私の動きを利用してもらえそうな人は、いないでしょうかね。

それでは破壊を戒めます
派手に鎮めましょう



「行くぞ猿よ」
「おさるさんにはこれです」
「うむ、羅刹旋風じゃ」
「ええ、羅刹旋風です」
 ぶんぶんしゃかぶんぶんぶん。
 百鬼・甚九郎(茨鬼童子・f17079)と朝倉・くしな(鬼道羅刹僧・f06448)が、たまたま同じタイミングで現れ、たまたま同じユーベルコードを使用し、エイプモンキーに戦いを挑んだのは、本当に偶然だった。
 ……うわぁ。
 羅刹旋風。もちろんモンキーは知っている。武器を振り回し、その行為に費やした時間の分だけ戦闘力を強化するものだ。
「いえ見切るのが得意な相手なら、別に見切られるのは弱点でも無いかと思いまして」
「逆転の発想過ぎるウキ」
「いやわしは違うからな? ズバリトンネル効果狙いよ!」
「なんでそんな博打打ちをこの場面でやるのか理解出来ない……!」
 さっぱり理解が出来ない。なんだろうこの目の前の二人は。
 ぶんぶん回している大連珠二つで、このまま殴りかかってくるつもりなのだろう。
「ーー」
 え、これ、遠距離攻撃でぶちかませば終わりウッキー?
 冷や汗が、背筋を滑り落ちていく感覚を、エイプモンキーは感じた。
 いやまあトンネル効果とか言われてもすごいマニアック! と確かに納得仕掛けるが、いやそれ確率的に起こり得ると本当に思っていらっしゃるッキー? でもでもそこまでされたらマニアック理論で返さねばとも、こう、プライドが囁いて、
「いや迎撃して終わりだウッキー」
 創造する射撃武器、メカ身体に装着する連装ミサイルをぶちこむ。
「仮にトンネル効果があったって、何発もぶちこんだらそれでばっちしOK! ミーの考えに間違いはない!」

 甚九郎は、目の前のミサイルを見た。
 あ、これアカンやつであるな?
 冷静に考えて、例えば、トンネル効果でミサイルがすり抜けたとしよう。爆風が身体をもみくちゃにするその後が目に浮かぶ。
 却下だ。
 しかしこのまま待つと言うのも、どうだろうか。
「ーー破壊を戒めます」
 と、思案している内に、くしなが飛び込んでいくのを見る。
 その動きは決して自棄を起こしているわけでもなく、かといって勝算を得ている様にも見えない。だが、感じるものがあって、だから。
「行くであるな……!」
 二人は揃って前へ行った。

苦戦 🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

黒川・闇慈
「エイプなのかモンキーなのか……結局どちらなんでしょうねえ。クックック」

【行動】
wizで対抗です。
属性攻撃、高速詠唱、全力魔法の技能を活用し炎獄砲軍を使用します。
私のUCに対抗手段を作り出すようですが……火球による攻撃である以上、火球を撃ち落とすなり防御するなり、とにかく火球になんらかの作用を与えるものでしょう。
故に、まずは28個の火球を囮として相手を攻撃し、残り4個は私の背後に出現させ、私の体で隠しておきます。最初の火球を相手が対処し終わって近付いてきた所を、残りの火球で攻撃しましょうか。

「私は魔術師であって軍師や策謀家ではないのですがねえ。クックック」

【アドリブ歓迎】



 捨て身だ。
 二人の猟兵が、爆炎の中を疾走するのを正面に、彼はそう思っていた。
「クックッ」
 だが、有用だ、と。黒川・闇慈(魔術の探求者・f00672)は思う。
「いえ、私、軍師だとか策謀家ではないのですがねぇ」
 そういうのは専門の者がすればいい。ただ、だからと言って使える瞬間を放棄するのは、愚鈍だ。
「戦場を満たすは灼炎の王威なり」
 一人、炎に飲まれ、二人、衝撃に吹き飛び。
「一切全て灰に帰せ」
 その衝撃に隠す様に、闇慈は爆発する炎の塊を複数飛ばした。
「ウキャッ」
 エイプモンキーは、一瞬遅れてそれを認め、そして即座に対応を行う。
 ーーほぅ!
 それは泡だ。
 空気と、水。それを混ぜ合わせた幾つもの泡を創造して塊を包み込み、爆発の衝撃を殺して飲み込む。
「ウッキッキ! そんなんじゃミーには届かない! そしてこれで終わりッキー!」
 闇慈の攻撃は無為になった。後は本体を潰すのみ。
 そう思い、エイプモンキーは手を翳す。
 そうして起こるのは、闇慈の足元、認識の外から突き出る爆弾だ。
 ーー吹き飛ばす。
 逃れる様に前へ飛んだ身体を嘲笑うように打撃し、宙へ舞う闇慈はエイプモンキーの側へ落ちて行き、
「クッ」
「ウキャッ!?」
 身体に隠した四つの炎を、すれ違い様に叩き込んだ。
「私ぃ、魔術師、ですから」

成功 🔵​🔵​🔴​

ペイン・フィン
……やれるだけ、やってみようか……。

まずは通常戦闘。
見切りを始めとした回避系技能で攻撃を躱しながら、拷問具で攻撃。
猫鞭、ナイフで武器落とし。
毒湯、スタンガンでマヒと気絶。
石抱き石、膝砕き、焼き鏝で鎧砕きと破壊工作。
狙うは、1点。
こちらのコードを回避する装置。

どれか1つでも成功すれば、御の字……。
それと同時に、スマホでハッキングを試みるよ。
相手の装置が機械式かは分からないけど……。一瞬でも、動きが封じられればいい。

隙を見て、装置が使えないタイミングでコードを使用。
体力を、技術を、思考を、そして、コードを。
これも、どれか1つでも封じられれば、次に繋げられる。

……さて、大きな賭だけど……、どうかな?


エダ・サルファー
私の「聖職者式ドロップキック」は、亜音速のドロップキックを繰り出すことで、前方の空気を圧縮して、その圧縮された空気の熱で対象を燃やすわけなんだけど。(空気は圧縮されると高熱になる)
一定以上の空気の無い空間を確保されると、当然熱が発生しない(むしろ空気が拡散して熱が下る)から対象は燃えないわけだ。
だから、エイプモンキーは私の攻撃に合わせて、真空の空間を作る装置とかそういうのを使ってくるんじゃないかと思うのよ。
ので、こっちは超高速の回転をかけたきりもみ式のドロップキックをかますことで、蹴った対象に摩擦で高熱を発生させて燃やすってのはどうだろうか?
空気が無くても内側から燃やすつもりでぶちかますよ!



 ペイン・フィン(“指潰し”のヤドリガミ・f04450)は攻めあぐねる。
「ちょこまかとした奴ウッキー! 猿より猿の様な!」
「それは、どうも」
 距離を詰めながらナイフを突き立て、直ぐに離れて鞭を打つ。
 ……ダメだ。
 狙うのは敵の武器を落とす事。だが生半可な攻撃ではそれは叶わない。
「やれるだけ、やってはみる、けど」
 装備の拷問器具、そのどれを活用しても、麻痺させ一時的に硬直させるにも量が足りないし、ガワを破壊するほどのダメージを与えられない。
 いや、仮に与えたとして、創造する能力で補強されては堂々巡りだ。
 ……どうする。
 真の狙いとして、ユーベルコードを回避する装置の破壊、もしくはそれに類する効果を与えるつもりだった。
 しかし、その装置は、"対象のユーベルコードに最も適した形"として、その場で作るものだ。
 つまり、今はそれがない。
 順番が違うのだ。
「……どうする……!」

「アーメン」
 エダ・サルファー(格闘聖職者・f05398)は、短く息を吐く。
 進む足に、散る花びらの香りが優しい。
「ふ」
 踏みしめる。
 グッと返ってくる感触は強く、戦場の足場として申し分ない。
 ……行けるね。
 コンディションはいい。後は、自分のユーベルコードを、敵がどう封じてくるのか、だ。
「どうだろ」
 圧縮した空気の熱、それと少しの信仰で燃えるドロップキックを放つのが持ち技だった。
 それを封じる術で、奴が好きそうなマニアックさと言えばーー。
「よし、やってみようかね……!」
 想像を想像して、エダは行く。花を踏み切り、加速して、ペインと戦うエイプモンキーへと向かう。
 身体を前に、歩幅を狭く、速く、もっと速くと駆けて、そうして跳んだ。
「ミー切ったウッキー!」
 ペインを弾き飛ばし、エイプモンキーはエダに向き直る。
「イマジネーション……!」
 想像し、創造して、打ち倒す。
 何度も繰り返したルーティンで、エダが行おうとするユーベルコードを阻害する装置を、
「賭け、だった」
 発動、させられない。
 ペインのスマホが、ほんの一瞬だけ、作り出した装置の起動プロセスを阻害したからだ。
「祈りを込めて……!」
「ちょま」
「ぶっとべ!」
 本来不要の、しかし対策として加えた切りもみ回転を付与した灼熱のドロップキックが、エイプモンキーの胴体に風穴を開けた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年05月08日


挿絵イラスト