バトルオブフラワーズ⑨〜大幹部との知恵比べ~
●グリモアベース・ブリーディングルーム
「皆が予想以上の仕事をしてくれておるおかげで、早くもシステム・フラワーズの道が開けたのー」
そう満足そうに頷くのはグリモア猟兵のメイスン・ドットハック(ウィザード級ハッカー(引き籠り)・f03092)。そう、猟兵達の大進撃のおかげで怪人達が陣取るザ・ステージを突破して、システム・フラワーズへの道を開いたのだ。この奥にいるオブビリオン・フォーミュラの「ドン・フリーダム」を倒すことこそ、この戦争の主目的なのだ。
「じゃけど、その前に3人の怪人幹部が立ち塞がる。今回はマニアック怪人エイプモンキーというやつじゃのー」
エイプモンキーが陣取るのは、システム・フラワーズの入口で、内部は咲き乱れる花々の空間になっている。さらに花々が集まって足場になる仕組みになっており、その道はすべてエイプモンキーに繋がっていて、彼を倒さない限り先に進むことはできない。そしてエイプモンキーは倒しても骸の海から蘇り、別の場所に出現する。ただし短期間に多く倒すことができれば復活できなくなるので、先に進めるかは、猟兵達の手腕にかかっているというわけだ。
「ただこのエイプモンキーの能力は厄介でのー。自らの想像力が及ぶ限りのあらゆるものを創造できる能力じゃけー、皆も苦戦すると思うのー」
エイプモンキーの能力「自らの想像力が及ぶ限りのあらゆるものを創造できる能力」は猟兵のユーベルコードを無効化して、一方的に攻撃するような戦闘を行ってくる。さらにそれを活かすだけのマニアックな知識も保有しており、かなりの難敵と言えるだろう。特に単純な攻撃を仕掛けようとすれば、たちまち無効化されて、痛烈な攻撃をお見舞いされるのは請け合いである。
「じゃけど、その能力にも弱点はある。こちらもそれに対応するだけの策やマニアック理論で対抗することじゃのー。そうすればエイプモンキーの能力も恐れることはないけーのー」
もちろんそれ相応の対策は必要にはなるが、エイプモンキーの能力にさらに対抗する対策を用意し盛り込むことができれば、エイプモンキーのユーベルコードを突破して彼にダメージを与えることも可能になるだろう。それこそエイプモンキー攻略の近道と言えるかもしれない。
「とはいえ、楽な道ではないけー、しっかりと考えて戦ってほしいのー。相手は敵の大幹部じゃけー、気を抜くことはないようにのー」
説明を終えるとメイスンはシステム・フラワーズへの転移を開始する。バトルオブフラワーズはまず最初の山場を迎えることになる。
ライラ.hack
なんというチート猿野郎なんでしょう!
こんばんわ、皆様。ライラ.hackです。
このたびはシステム・フラワーズに侵入した怪人幹部の一人「エイプモンキー」を撃破するのが目的です。
エイプモンキーがいるのは、咲き乱れる花々の空間で、花々が集まって足場になっています。
またエイプモンキーは倒されても別地点で復活する仕組みです。
その能力は「自らの想像力が及ぶ限りのあらゆるものを創造できる能力」でそれを活かすマニアックな知識が持ち味です。
さらにこのシナリオは以下の特殊ルールがあります。
●特殊ルール
エイプモンキーは、猟兵が使用するユーベルコードの設定を元に、そのユーベルコードを無効化する武器や戦術を創造し、回避不能の先制攻撃を行ってきます。
(ユーベルコードで無効化したり相殺した後、強力な通常攻撃を繰り出す形です)
この攻撃は、ユーベルコードをただ使用するだけでは防ぐことは出来ません。
この先制攻撃に対抗する為には、プレイングで『エイプモンキーが自分のユーベルコードに対抗して創造した武器や戦術を、マニアックな理論やアイデアで回避して、攻撃を命中させる』工夫が必要となります。
対抗するためのプレイングは、マニアックな理論であればあるほど、効果が高くなります。
以上です。特殊ルールと幹部というボスとの戦いから、判定はかなり厳しめになるかと思います。御容赦下さい。
ですが皆様の熱くエイプモンキーの想像力を超えるプレイングがあれば、決して倒せない相手ではありません。
それでは皆様の素晴らしいプレイングをお待ちしております。
第1章 ボス戦
『マニアック怪人『エイプモンキー』』
|
POW : マニアックウェポン
対象のユーベルコードの弱点を指摘し、実際に実証してみせると、【敵に有効なマニアックな装置】が出現してそれを180秒封じる。
SPD : マニアックジェット
【敵のユーベルコードを回避する装置を作り】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ : マニアックマシン
対象のユーベルコードに対し【敵の死角から反撃するマシン】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
イラスト:柿坂八鹿
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴
|
種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
リュセフィーヌ・オールセン
心情
「エイプモンキー…、なかなか厄介な敵ですね…ですが、倒してみせます!」
占いの知識を使いエイプモンキーの先制攻撃を避けます。
「あなたは西洋占星術を知っていますか?」
「ホロスコープにも色々な種類がありますよ。ハーモニクスとかサビアンとか…」
エイプモンキーの先制攻撃をかわせたら、ライオンライドを使って攻撃します。
「なぜライオンかって? なぜならライオンは百獣の王! つまりライオン最強です!!」
エイプモンキーを無事に倒せたら、こう言います。
「エイプモンキー…その知識を良い方向に使えば良かったのに…」
●当たるも八卦、外すも八卦
システム・フラワーズ。その内部は花びらが舞う幻想的な世界であった。そこは花びらが地面となる不思議な空間であったが、その花びらの道も決して自由ではない。ある程度の進路は作ってくれるが、必ずあの怪人が待ち受けているからである。
「ウッキキー!ここは通さないウキー!」
そうこのキマイラフューチャー世界のオブビリオン・フォーミュラ「ドン・フリーダム」配下の三大幹部の一人、マニアック怪人エイプモンキーだ。猿のキマイラであることが予想される頭部に、近未来の技術の粋を尽くしたマシンスーツに身を包み猟兵達を待ち受けている。そしてそれに挑む猟兵が一人。
「エイプモンキー…、なかなか厄介な敵ですね…ですが、倒してみせます!」
彼女の名前はリュセフィーヌ・オールセン(オラトリオのビーストマスター・f10236)。以前は森の番人をしていた、オラトリオの猟兵である。森の外を知りたいと故郷を出てきた森ガールであるが、今は決戦に挑む猟兵の一人である。さらに目の前のエイプモンキーは幹部の一人。実力は間違いなく自分より格上。そのことを肌に感じて身を引き締める。
「来るがいいウキー!……ウキッ?」
だがリュセフィーヌは花びらの地面に座り込み、懐からタロットを取りだす。さらに手元には水晶まで用意してある。それはまさに占い師の様相だった。
「あなたは西洋占星術を知っていますか?」
「マニアック怪人を舐めるなウキー!ホロスコープとかもあるウキー!」
目の前のリュセフィーヌはエイプモンキーの前で占星術の談義を語りだし、さらにタロットによる占いを始め出す。ユーベルコードかと思ったがその兆候はない。あまりの出来事にエイプモンキーも何事かと疑いだして、様子を見出す。
「ホロスコープにも色々な種類がありますよ。ハーモニクスとかサビアンとか…」
そこから始めるリュセフィーヌの占い談義。さらにエイプモンキーのマニアック知識に対する知識比べの場にもなっていた。だが 一向に攻撃してこずに占いに興じるリュセフィーヌにエイプモンキーが先に痺れを切らす。
「でも占いなんてここでは何も役に立たないウキー!」
ジェットで高速移動をしてつかさず彼女の右斜め背後に回り込む。そして渾身の右ストレートをリュセフィーヌに叩き込もうとする。
「…凶兆は8時の方向より来る…今です!」
西洋占星術による結果を元に、占った時間タイミングを合わせてリュセフィーヌは身体を動かして回避する。そしてそこはエイプモンキーの死角となる場所。そして回避した隙を狙って蹴りを足に放って、エイプモンキーのバランスを崩し、距離を取る。
「な、何ィーー!う、占いでミーの攻撃を避けるとはウキー!」
見事に占った方向への回避は見事に成功。リュセフィーヌとしても占星術による回避は賭けの部分が少なからずあったが、これでエイプモンキーの心理的動揺を誘えた。そしてリュセフィーヌは黄金ライオンを呼び出す。そうライオンこそ、彼女のマニアック理論攻撃の要だ。
「なぜライオンかって? なぜならライオンは百獣の王!つまりライオン最強です!」
そしてリュセフィーヌは召喚した黄金ライオンに跨り、動揺するエイプモンキーに向かって突進する。そのまま轢き倒すもよし、牙で引き裂くもよし。百獣の王の狩りの始まりだ。
(エイプモンキー…その知識を良い方向に使えば良かったのに…)
しかし勝利を確信したリュセフィーヌに嫌な予感が走る。それは森に住まう者としての野生の勘だったかもしれない。そう、リュセフィーヌに思い違いがあったとすれば、エイプモンキーの対処方法だろう。先制攻撃を避けることに注視した結果、エイプモンキーの対ユーベルコード対策を怠ったことである。エイプモンキーはユーベルコードによる攻撃を待っていたと言わんばかりにいやらしい笑みを浮かべる。
「なら、ミーは対ライオン行動占い装置「百獣の裸の王」を使うキー!」
エイプモンキーの手にハンド印刷型装置が生み出される。そしてそこから印刷される紙にはリュセフィーヌの黄金ライオンがこれから行う10手先の行動が羅列に印字されていたのだ。それを見て瞬時に来るであろうライオンの突進を躱し、予測された切り返しポイントまで背中のジェットエンジンで移動。未来の回避位置に向けて強烈な拳を殴りつける。
さすがの占いによる回避方法もこれには対応できず、リュセフィーヌは被弾する。その一撃は思った以上に強烈で、意識を持っていかれそうになる。だが不吉の予兆を感じ取っていた分、リュセフィーヌの防御は間に合った。すかさず黄金ライオンの牙を振り下ろさせるが、紙に書かれていた行動故にエイプモンキーは難なく回避し、カウンターの拳撃がリュセフィーヌを襲う。この一撃を食らえば確実にやられる、そう悟ったリュセフィーヌは最後の力を振り絞り蹴りを繰り出す。レガリアスシューズによる圧縮空気を放出したキックはエイプモンキーの装甲を一部破壊する。だが反撃もそこまでで、エイプモンキーの攻撃により戦場から吹き飛ばされるリュセフィーヌ。
「攻撃をライオンに頼り切っていなければ危なかったウキ―! でもミーの能力は無敵ウキー!」
そういって飛んでいくリュセフィーヌを見て猿踊りを始めるエイプモンキー。だが必ず他の猟兵達が何とかしてくれる。そう願って彼女の意識は深く落ちていった。
苦戦
🔵🔴🔴
カイジ・レッドソウル
アドリブ共闘歓迎
「本機ノUC高電圧対策ハ万全カ」
呪剣、黒剣、テイルブレードを構え近接戦闘を仕掛けていきます
【コミュ力】エイプモンキーの電圧対策を聞き有頂天の所に
「電流対策ハ完璧カ」
3つの武器の内1つでも【串刺し】でき次第【怪力】で深く【傷口を抉る】
UC【天獄の雷】発動
「対電性ノ物ハ同時ニ耐熱性ニモ優レル・・・ソレハ度迄耐エレル?」
簡単な電子レンジの仕組み
マイクロ波で水分を温めるぞ!マイクロ波とは電磁波の中で最も短い電波の事!一般用は最大温度は300度ぐらい、兵器目的のウォーマシンは余裕で超えていっちゃうぞ!
「鎧ガれんじ、本機ハすいっち、お前ハ食材ダナ」
冷酷に串刺し状態のまま倒れる迄
電熱攻撃
●お猿様、レンジでチンしますか?
次にエイプモンキーが陣取る花舞い散るステージに現れたのはカイジ・レッドソウル(プロトタイプ・f03376)だ。真紅のウィンドウのフェイスカバーに黒のコートに身を纏いしサイボーグである。そのウィンドウは冷静に敵を捕らえており、その両手には呪剣、黒剣を持ち、さらに背後にはテイルブレードを構える。
「本機ノUC高電圧対策ハ万全カ」
「ウッキー?それはもちろん、ミーのアーマーの耐電圧性能は完璧ウッキー!どんな高電圧だろうと通すことはできないウッキー!つまりユーの電圧電流攻撃は効かないウッキー!」
そう挑発的な踊りをして、はしゃぎながら説明をするエイプモンキー。実際にエイプモンキーのアーマーの説明通りの性能を有しており、どんな電流であろうと耐えることができるだろう。だがそのことはカイジにも予測できたことでもあった。
「電流対策ハ完璧カ」
有頂天なエイプモンキーに対して、極めて冷静なカイジ。対峙する両者の反応は対照的で、動物的なエイプモンキーに対し、完璧な機械サイボーグなカイジの差ともいえるだろう。故にカイジが動揺することはない。その冷静さを保ったまま、エイプモンキーに近づき、攻撃を仕掛ける。その両手の剣はエイプモンキーの両腕によって防がれる。だが背後から迫ったテイルブレードががら空きの脇腹に迫る。そのパワーは強烈で、堅牢のエイプモンキーのアーマーを串刺しにして見事に貫通してみせた。だがその肉体にまでは届かない。
「天獄ノ雷、発動」
そう宣言するとカイジは自身の能力「天獄の雷(コード・ユピテル)」を発動させる。これは自身の体からでる高圧電流が命中した対象を燃やすもので、その雷炎はカイジの思うまま操れる。本来であればこれで敵を焼き尽くすはずだが、エイプモンキーのアーマーは電圧電流を通さない。そして、ここまで攻撃を食らったのはエイプモンキーのユーベルコード発動条件でもあるからだ。
「実証完了ウッキー!電圧電流霧散装置「避雷氏くん」を使うッキー!」
そう言うとエイプモンキーはカイジの背中に針のように尖った棒状の物を出現させる。これはカイジの天獄の雷対策装置で、発生した高圧電流をそこに強制的に向かわせて放出させる装置である。そしてこれは3分間、どんなことがあろうとも外れることはない。つまり、カイジのユーベルコードは時間内、完璧に封じられたということになる。必殺の攻撃を封じたことで、勝利を確信したエイプモンキーは剣を弾き飛ばして、腕を振り上げる。カイジを力任せに叩き潰す気だ。
「対電性ノ物ハ同時ニ耐熱性ニモ優レル・・・ソレハ度迄耐エレル?」
「何を言っているウッキー……ッキーー!?」
切札を破られて冷静なカイジに怪訝な表情を浮かべるエイプモンキーに、突如激痛が襲い掛かる。それはまさしく身体を焼かれる感覚。だがそれだけではない。何か身体の水分が沸騰して内側から激痛が走る感覚。そんな痛覚がエイプモンキーの身体全体に襲い掛かっているのだ。
「こ、これはマイクロ波!?まさか、電子レンジウッキー―!」
そうカイジがエイプモンキーに刺したテイルブレードが発しているのはマイクロ波。電磁波の一種で最も短い電波であり、水分を温める効果がある。分かりやすい例で言えば、電子レンジで使われている。一般用は最大温度は300度ぐらいではあるが、エイプモンキーのアーマーは耐熱性も高い。だが熱は抑えられるもののそれでも内部は熱せられるので火傷は免れない。さらに血液は沸騰させられるので血管から火傷していくのだ。これは今まで味わったことのない激痛となる。それに対し、ウォーマシンで兵器目的製造のカイジは遥かに高い耐熱性を誇る。例えマイクロ波の発信源であってもエイプモンキーより耐えうるのだ。
「鎧ガれんじ、本機ハすいっち、お前ハ食材ダナ」
引き続き突き刺したテイルブレードからマイクロ波を送り続けるカイジ。そのたびにエイプモンキーのアーマーの内部温度は上がり続け皮膚を焦がし、さらに内部の血液などが沸騰し血管を焼いていく。
「あっちちちちウッキーーー!み、ミーから離れろウッキー―ー!」
耐えられなくなったエイプモンキーは振り上げた拳を横に薙ぎ払い、カイジを吹き飛ばす。まさしくダメージというよりは相手を遠くに飛ばすことを念頭に置いた一撃。それはカイジも予想がついていたことであったので防御するが、テイルブレードは外れエイプモンキーから離れてしまう。
「ダガ上々ノ戦果ダ。後ハ他ニ任セヨウ」
エイプモンキーからは肉が焼ける臭いが漂い、肩で息をしている。それなりのダメージを与えたことに満足しつつ、同じ手が通用する相手ではないことをしかと理解しているカイジはその場を離脱する。まだまだ猟兵達の波状攻撃は終わらない。
成功
🔵🔵🔴
葛乃葉・やすな
厄介な相手じゃが、やれるだけやってみるかのう。
UC【フォックスファイア】を使用し39個の狐火を作り出し敵へ向けて飛ばす。
相手は放水でもして消化するかのう。
反撃の動作に入ったら狐火の操作をやめて妖狐扇で火が消えない程の風を起こし【吹き飛ばし】を行う。
不規則に動く狐火を相殺するのは骨が折れるじゃろうな。
と言ってもいずれは相殺されるはず。
でもそれで良い。
こちらの本命は猿が狐火に気を取られている間に【2回攻撃】【早業】【全力魔法】で【目立たない】ように再度フォックスファイアを使用し、全ての狐火を合体させた攻撃じゃ。
初撃のUCに対してのカウンターなら二発目は上手いこといってくれる筈じゃがどうなるかのう。
●御狐様の火に惑うか、猿よ
「ウッキッキー、ひどい目にあったウッキー……ん?」
ようやくアーマー内の温度も冷却装置で冷やし、落ち着きを取り戻したエイプモンキー。そんな猿に近づくは、狐の少女――と呼ぶには年齢重ねすぎている妖狐、葛乃葉・やすな(子供好きの妖狐・f14023)だ。
「……エイプモンキー。厄介な相手じゃが、やれるだけやってみるかのう」
年齢に会わず幼い外見にあった所作を見せるやずな。だが彼女自身が相手の嫌がることや、だまし討ちなどの攻撃が得意というだけあって、エイプモンキーを如何に翻弄するか、それに集中していた。
「狐火よ、目の前の猿を惑わせたまえー!」
妖狐の少女がはしゃぐように手をぶんぶん振ると39個の狐火が発生する。彼女の能力「フォックスファイア」によるもので、個別に精密な操作が可能となる。だがエイプモンキーは口を釣り上げて笑う。
「ウッキッキー!そんな小さい炎じゃ相手にならないし、ミ―のアーマーは耐火性は十分ウッキー!さらに、対狐火消化水圧カッター『油揚げブレイダー』を使うッキー!」
エイプモンキーがやすなの狐火に対抗する為にマニアック兵器を生み出す。それは上空に浮遊しているようで、いくつもの放水砲がある。そこから水を水圧カッターのように飛ばし狐火を正確に消化、というか消し飛ばす。さらに火を貫いて花びらすら切り裂く。
「ウッキー!これでどんなに細かい火だろうが、消し飛ばしさらに攻撃もできるマニアック兵器ウッキー!お前の火なんて問題じゃないウッキー!」
やすなは複雑に狐火を操ってエイプモンキーを翻弄しようとしていたが、その装置の精密な放水圧カッターは高速に空気を切り裂き、狐火を消化しつつ消し飛ばす。直線状にあった火はすぐに消し飛ばされる故に、やすなの予想以上に消火は進んでいた。そしてエイプモンキーはジェットを飛ばして、捜査しているやすなの傍まで来て拳を構える。
だがやすなもそれを予期していないわけではない。すぐさまに狐火の操作を止めて妖狐扇で風を起こして吹き飛ばそうとする。その風は全力でなければならない、火はすでにかなりの数を消し飛ばされ、消す心配よりエイプモンキーの打撃に危険を感じたからだ。
「結構な突風だウッキー!でもミーのアーマーはその程度じゃ吹き飛ばされないウッキー!」
超重量のアーマーを纏うエイプモンキーを吹き飛ばすにはまだ足りなかったようで、突風を切り裂いてやすなに打撃を食らわせる。妖狐扇を構えて防御したものの、相応の衝撃がやすなを襲う。骨が軋む音と、口からは吐血が見える。だが意識は失っていないようで、突風による妨害が致命傷を避けさせたようだ。
「中々にしぶといウッキー!でもお前の狐火はもうすぐ全部消火ウッキー!」
そう宣言する通り、正確無比な放水によって狐火はまもなく全部吹き飛ばされようとしていた。だがやすなは笑っていた。勝利を確信したエイプモンキーは今、確実に油断している。それはつまり自分の仕込みが認識されていないという証拠だから。
「何を笑っているウッキー!」
「いや何、面白いくらい策に嵌ってくれるとおかしくてのう」
そしてエイプモンキーは、突如背後に出現した狐火に驚く。今まで影も形もなかったのに、と思う。だがやすなはすでに布石を打っていた。実は最初のフォックスファイアの後にもう一度、狐火を発動するように術式を用意。狐火がすべて消火された瞬間、やすなの近くで再発動するように仕込んでいたのだ。そしてこの狐火のもう一つの習性、合体することによって火が大きくなることより、目の前の狐火は大炎となっていた。
マニアック兵器「油揚げブレイダー」はすぐさまに反応し、狐火を消そうと放水圧カッターを飛ばす。だが小さい狐火を消すために放射口を小さくしたことが仇になった。一気に消し飛ばすことができずに、大きくなった炎を消火できなかったのだ。さらに水圧が大きいために合体して放水することもできない。つまり放水圧カッターは大きな炎に対しては欠陥的になっていたのだ。
「くっ、マニアック兵器を改造ウッキー。今は間に合わないけど、このアーマーに火は……!」
すぐさま油揚げブレイダ―の欠陥を修正し、狐火を消そうとするエイプモンキー。あえて狐火を食らうものの、アーマーの耐火性は完璧だ。この程度の火など恐れるに足りない。しかしそれはアーマーが無傷であった時に限る。すでにリュセフィーヌに傷を付けられ、カイジに貫通されているアーマーはそこから炎が入り込める。それをやすなも知っており、狐火を正確に操って炎をアーマー内部にねじ込んでいく。
「こ、この狐火……隙間から!ウッキーーーーーあっちちちちちちウッキーーー!」
体の内部に入り込んだ狐火がエイプモンキーを焼き尽くす。またしても焼かれる痛みに襲われるエイプモンキーを見て、作戦の成功を確信するやすな。だが自身もダメージを受けており、改造したマニアック兵器が消火するのも時間の問題である。現在火傷に苦悶している間にやすなは戦場を静かに離脱していった。その引き際も完璧とも言えるタイミングであった。
成功
🔵🔵🔴
神舵・イカリ
リカイ(f16444) との共闘
「こんなところで出くわすとは…。気まずい…!」
10年程ぶりに再会したリカィに驚く
【CHANGE】のカードで変身
戦法は、UCで底上げした身体能力で戦う
想像されうる弱点は、【受け継がれる意思と記憶】を奪うか消して、能力を発揮できなくさせることだが
攻撃は【オーラ防御】で耐える、攻撃を受けた時はオーバーにやられた振り
「俺の記憶のバックアップ、持ってるだろ! リカィ!」
かつての経験から、リカィの手を借りて力を取り戻す
込められた記憶や想いまで対策することはできないはず。培った全てを黄金に変え、猿怪人に叩き込む!
ついでに、力を発動できないリカィにも攻撃して、UC発動を手助け
堕神・リカィ
イカリ (f03294)との共闘
「ついに見つけたわよ!」
ベルトを返してもらおうと思ったら、なんか変なサルがいるわね。ついでにぶっ飛ばそうかしら
UCで【虚数式】を纏おうとするが、この技はそもそもダメージを受けなければ意味がない
エイプモンキーはそれを見越して、回復系かダメージなしで動きを封じてこようとするはず
預かっていた【意志と記憶】のデータを、イカリに叩き返した後、アイツの攻撃で、わざと【ダメージ】を受ける
「完璧! さぁ、ここからはアタシのステージよ!」
ダメージというマイナスの数値でも、それは立派な供物。その当然の理だけは邪魔することを許さない
底上げした能力でラッシュを叩き込む!
●主人公と宿敵の宿命的合体コラボ!
エイプモンキーが消火活動に四苦八苦しているのを尻目に、二人の猟兵は険悪な雰囲気に包まれていた。それはこれから協力して戦おうとする雰囲気では全くない。
「ついに見つけたわよ!」
「こんなところで出くわすとは…。気まずい…!」
声高に叫んでいるのは堕神・リカィ(レベル0・f16444)。ゲームの神だった少女であり、今ではニート神と呼ばれるまで権能がなくなった神である。だがそれには理由と原因がある。とある少年が異世界渡航を行った際にその権能を奪われたの理由である。そしてその原因というか、元凶がリカィの目の前にいる少年、神舵・イカリ(転生したらVtuberになってた件・f03294)なのだ。10年前の渡航の際にトラブルで記憶を失っていたが、最近肉体も電子体になり、記憶も復活した。渡航の時にリカィに合い、意図せずに力を奪ってしまったらしく、その再会に驚きつつも戸惑っている感じがある。
「ベルトは返して貰うわよ!…と言っても変なサルがいるようね。まずはそっちを片づけてから話しましょう」
「あ、ああ。そうしてくれるとありがたいぜ」
ようやく会えた宿敵とはいえ、今争えば大変なことがなるのはリカィ自身も気づいていた。エイプモンキーは神すら畏怖させるほどの実力を兼ね備えている。故にイカリへの怒りは抑え込み、目の前の敵に視線を向ける。
「よし、――変身!」
懐から【CHANGE】のカードに取りだしベルトに装着すると、白いアーマーが身を包んでいく。そして能力「クアンティアーズ・ゴールデンウィンド」を発動させて黄金の粒子霊体を身に纏い、戦闘準備を完了する。リカィはそれを見て「アタシのベルトなのに…」と呟くが、能力「ヴァニトロム・オーバードライブ」を発動させて虚数式のオーラを身に纏う。その二人を見て、ようやく消火活動を終えたエイプモンキーが挑発的に笑う。
「ウッキーー!今度は二人組というわけウッキー!だけど、その黄金のオーラは受け継いだ意志と記憶がなければ使いものにならないし、そっちの女の方はダメージがなければ戦闘力はたいしたことないウッキー!」
瞬時に自分達の能力の特性を看破されたことに驚くイカリとリカィ。マニアック知識だけではなく、その知識を活用して物事の本質を見抜く眼力もエイプモンキーの本領だ。そしてその両腕に銀と黒のガンドレットが出現する。
「継承意志消滅ガンドレット『アンチダーク』と虚数変換術式ガンドレット『アンチゼロ』ウッキー!これで二人の特性をかき消してやるウッキー!」
そういってまず『アンチダーク』を装備した腕をイカリに向ける。すると黄金のオーラがどんどん弱くなっていく。これは継承されている意志や記憶を消し去る能力を持ったガンドレットで、まさしくイカリの能力に対して最悪の効果を発揮する。そして『アンチゼロ』の腕はリカィとは別の虚数術式を纏い始める。これはリカィの虚数式に接触すると絡み合って方式を変換し、その拳の攻撃のみ虚数式のオーラの法則を無効化するものなのだ。つまり『アンチゼロ』の腕の攻撃ではリカィは戦闘力も上げることができずにただダメージを食らうだけになる。
こうして二人の能力を弱体・無効化したエイプモンキーはジェットエンジンを飛ばして二人に近づき、殴り飛ばす。イカリはオーラで防御しながらだったが、強烈な攻撃に端まで吹き飛ばされる。リカィも同様で、今まで攻撃されれば向上していた力が全く得られずかなりのダメージを食らうことになる。今までにない痛みにリカィも膝を突く。
「おい……大丈夫かよ、リカィ?」
「うるさい、わね……でも、あれはかなりやばいわ……」
さすがにこれ以上のダメージは戦闘継続に関わると判断したリカィはある物を懐から取りだす。それは何かのデータのバックアップ装置のようだった。そしてイカリはそれに見覚えがあった。
「これは、俺の記憶のバックアップか、 リカィ?」
「……保存用だから、ね。適応に時間はかかるけど。あとアタシはダメージを与えないと使いものにならない。わかるわね?」
その言葉にイカリはすべてを察する。エイプモンキーの攻撃はリカィにダメージのみ残す。それを理解したイカリは歯を食いしばって、リカィに連撃を食らわせる。それは味方に攻撃するには手加減のきいていない、容赦ない攻撃であった。
「ウッキー!仲間割れウッキーか!」
エイプモンキーは小踊りしながらその様子を眺める。だがリカィもタダで攻撃を受けたわけではない。これはダメージを蓄積させるため。そして虚数式のオーラによって戦闘力を上げるための行動なのだ。漲る力を感じたリカィは笑みをこぼす。
「……あぁ、痛っいけど完璧よ! さぁ、ここからはアタシのステージよ!」
受けたダメージはマイナスであれど、それは立派な供物。その当然の理だけは邪魔することはできない。底上げされた戦闘力を確認したリカィはエイプモンキーに突撃し、その力のままラッシュを加える。対してエイプモンキーもこれを迎え撃ち、『アンチゼロ』の腕で攻撃、もう片方の腕でラッシュを防御していく。
「むう、凄まじい執念ウッキー!でも所詮はジリ貧ウッキー!」
リカィは生命力吸収も使いエイプモンキーの生命力を強奪しながらラッシュを加えている。だがエイプモンキーの攻撃は生命力吸収の回復分を大きく上回り、さらに『アンチゼロ』の効果で戦闘力の向上は望めない。このままいけば倒れるのはリカィだ。
「込められた記憶や想い、しっかりと受け継いだぜ。叩き込んでやるぜ、猿怪人!」
だがバックアップデータから記憶や想いをダウンロード完了したイカリが迸る黄金のオーラを纏い、猛然とエイプモンキーに迫る。エイプモンキーもイカリが至近距離に迫ってくるのを見て、再度『アンチダーク』の腕を掲げる。だがそれを阻止したのはリカィの拳の連撃だ。
「神を、舐めんじゃ……ないわよ!」
最後の力を振り絞り、『アンチダーク』を破壊するリカィ。初めからリカィはエイプモンキーを倒そうとしていたわけではない。イカリの攻撃成功確率を上げるために、あえて『アンチダーク』の腕にラッシュを加えていたのだ。そしてそれは功を奏す。
「俺のすべて、食らい…やがれ!」
黄金のオーラを拳にすべて込めて撃ち抜くイカリ。その一撃はエイプモンキーのフェイスガードを破壊し、エイプモンキーの顔面まで突き刺さる。そしてその勢いのまま吹き飛ばされるエイプモンキー。
「このミーのパーフェクトアーマーがウッキーーーー!」
断末魔と共に苦悶の表情を浮かべて花びらの地面に転がるエイプモンキー。確かな手ごたえを拳に感じたイカリは、すぐさま倒れているリカィを抱えて戦線離脱をしようとする。
「何、してるのよ……早く、攻撃を……」
「その状態で放っておくわけいかないだろ。離脱するぞ」
さすがに限界のリカィを連れて戦場を後にするイカリ。ダメージとフェイスガードを破壊されたショックでエイプモンキーが追撃してくることはなかった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
コトト・スターチス
世界の平和のために、がんばっていどみます!
ぼくのUCの弱点は『ドローンで生配信しないと効果がない』ことです
ドローンは一瞬で何個も出せるので、直接こわすよりもネット接続や動作を妨害する電波を出すはずです
ふつうなら電波の無力化はむずかしいですが、ぼくが猟兵として身につけた様々な【世界知識】を使います
科学と魔術を組み合わせ、ドローンには対電磁放射性能をつけておき、さらに【ハッキング】で敵の電波の発信元へアクセスし、周波数を操作して無効化します!
その後は強化された防具と【見切り】でダメージを最小限に抑え、メイスによる【気絶攻撃】で関節部をガツンと叩きます!
「ぼくだって電子の精霊ですから、負けませんっ」
フロース・ウェスペルティリオ
身体の1/3を人型(身長60cm程の幼体)に、残り2/3を液状体にした上で転移をお願いするねぇ
おさるさんはウチとは初対面だし、ウチの本当の体積は知らないかと
液状体はお花や葉っぱの下を目立たないよう移動して、おさるさんを中心に薄く網のように広がるよ
幼体はおさるさんの周りを回りつつ、加速しながらダガーで攻撃出来たら良いんだけど、回避されるかな?
ダガーを受け止めるなら、幼体を液状にして顔へと体当たり
回避するなら、網を踏ませて、そこから鎧?に沿って登っていくよ
狙うはお顔
鼻と口、そして目を覆い塞ごうか
液状なので、小さな隙間からでも中に入り込む(鎧無視攻撃)よ
オブリビオンだって、息、するよねぇ?
アドリブ可
●電子の可能性を超えて
「ウッキー…、猟兵は侮れない奴ばかりウッキー……ウキッ?」
次第に追いつめられている現状を把握し内心少し焦りだすエイプモンキー。だが猟兵達の追撃は決して緩むことはない。次に現れたのは二人の少女の猟兵である。
「世界の平和のために、がんばっていどみます!」
「さて、お仕事といきましょうかねえ」
元気に周囲にいる黒猫型の生放送動画撮影&配信用ドローンにポージングするのはコトト・スターチス(バーチャルネット辻ヒーラー・f04869)。小麦色の肌に金髪蒼眼が特徴の萌えキャラ系幼女であるが、キマイラ世界のMMORPGの辻ヒーラーとして活躍して猟兵に目覚めたという経歴を持つバーチャルキャラクターである。そしてそのコトトよりさらに身長が低い少女の名前は、フロース・ウェスペルティリオ(蝙蝠花・f00244)。フードによって表情を伺うことはできないが、黒い液体のような髪が蠢き神秘的な美しさを兼ね備えるブラックタールの一人だ。その手にはダガーがあり、それを回転させながらエイプモンキーに視線を送っている。
コトトの能力は「ことなまっ☆(コトトノニコニコヒーリングナマホソウ)」。ドローンに撮影されたコトト自身が活躍や苦戦をする度、視聴者のお兄ちゃんたちの再生数やコメントによって武器や防具がパワーアップするものだ。対してフロースは高速に超高速にダガーを繰り出す「シーブズ・ギャンビット」である。
「ウッキッキー!随分と幼いちびっ子達だけど、ミーにはお見通しウッキー!ならば、コメント再生数受信妨害装置『無人君』とダガー自動絶対防御液体『太陽髄液』を使うッキ―!」
そう言うとコトトの上空に飛行型ドローン装置が現れ、エイプモンキーの傍に金色の液体スライムが現れる。『無人君』の装置が稼働すると、コトトの配信動画の再生数とコメントが一気に0になる。これは再生数とコメント機能に干渉するダイレクトジャミング装置で、これによりコトトのパワーアップを防ぐのが狙いだ。そして『太陽髄液』はダガーの攻撃のみ神速に防御する自動液体防御生物装置である。つまりこれで二人の能力を無効化しようということだ。
だがコトトはドローンを壊すことより、ネット接続や動作を妨害してくることは予想できていた。そこで今まで世界を旅をしてきた知識を総動員し、科学と魔術を融合した技術で敵の電波の発信元へアクセスし、周波数を操作して『無人君』のジャミング機構を逆無効化しようと試みる。その隙をエイプモンキーが逃がすわけがなく、ジェットで一気に近づきコトトを攻撃せんとする。それを妨害したのがフロースの接近だ。勢いではなく静かに近づき、エイプモンキーに対して高速のダガー攻撃を繰り出す。だが『太陽髄液』の自動防御が発動し、すべてのダガー攻撃を受け止めて防御する。
「無駄無駄無駄ァウッキー―!」
自動防御によってダガーを防いだエイプモンキーは薙ぎ払うようにフロースに向かって腕を振るう。だがそれはフロースに当たることはなかった。なぜならば地面から網状の液体がエイプモンキーに絡みついて動きを止めていたからだ。実は目の前のフロースは身体の1/3で形成した幼体で、残りの2/3は液状体にした上で花びらの地面の下を目立たないよう移動して、エイプモンキーを中心に薄く網のように張っていたのだ。まさしく液体生物であるブラックタールならではの戦法である。
「小癪な真似をウッキー―!」
網状の自分の液体がエイプモンキーを繋ぎとめている間に幼体のフロースがよじ登り、エイプモンキーの顔面に迫る。そしてイカリが破壊したフェイスガードの穴から顔面に侵入して顔を覆い尽くす。オブビリオンといっても生物。呼吸はしているだろうということから、鼻と口、そして目を覆い塞いでしまおうということだ。
「ウッキー!もう体内に入る系は対策済みウッキー―!」
二度も体内に炎を入れてしまったエイプモンキーは反省を活かしていた。すでにアーマー機能はアップデート済で、フロースが体内に憑りついた瞬間、内部に超強力な噴射がアーマー内部を駆け巡り、異物を外に追い出そうとする。フロースもこれには意外だったようで、あえなく外へと弾き飛ばされてしまう。だが眼球や喉に傷はつけておいたのである程度のダメージは与えることには成功したと言える。
そしてフロースの網を力づくで振りほどき、ハッキングしているコトトに迫るエイプモンキー。だがフロースの攻撃の時間によってコトトの逆ジャミングは成功していた。妨害電波を無効化された動画の再生数とコメント数はみるみるうちにカウントされ、コトトは武器と防具が強化されていくのが感じられる。そしてエイプモンキーの初撃を受けて、反撃に転じるだけだ。
コトトの見切りは完璧であり、防御も的確であった。防具も強化されつつあるのだが、如何せん時間が足りなかったといえるのかもしれない。瞬時の再生数とコメント数を稼ぐには、まだコトトにやっていることは地味すぎたのだ。そしてエイプモンキーの破壊力はその防御力を上回っていた。コトトは攻撃を受けた瞬間、身体のいくつかがイカれる音を聞いたような気がした。
「…だけど!ぼくは、負けません!」
しかしそれは苦戦と振い立つコトトを撮影することに繋がる。それは再生数とコメントという形でコトトの武器をパワーアップする。カウンター気味に振り抜いて隙が出来たきき足の関節部分にメイスの全力攻撃を叩き込む。装甲を破壊しエイプモンキーの膝に強烈なダメージを与える。
「いっだーーーウッキーー!よくもウッキーー!」
膝をほぼ破壊されそうになるも拳をコトトに振り下ろそうとする。だがそれを防いだのは再びのフロースの液体ネットである。そして絡みついている隙に、コトトをフロースは腕を伸ばして回収する。コトトはすでに傷の痛みと全力攻撃の疲れによって意識を失っていた。そしてフロースのネットも破壊されれば、エイプモンキーを止めるものはいなくなる。
「引き際ですねぇ。残念ですが」
二人の負ったダメージは深い。だがそれ以上にエイプモンキーに様々な楔を打ち込むことに成功している。それを次の猟兵達は必ず活かしてくれるだろう。フロースはそう確信し、コトトを連れて戦場を後にした。
苦戦
🔵🔵🔴🔴🔴🔴
琶咲・真琴
【兎狐】
燭焔導手の炎で鈴音さんの陽炎作戦をサポート
兎だって化かしますよ
お猿さんの先制攻撃はfamilia pupaと藤煙流護を使い
第六感・早業・カウンター・迷彩・オーラ防御・グラップルなど使える技能を総動員で迎撃
ボクの古武術の貂毘流は臨機応変なのです
突然ですが、問題です
7人のうさぎメイド戦隊の中で仲間外れは誰でしょう?
1.網タイツブラック
2.コーンイエロー
3.肉球ピンク
4.キャベツパープル
うさぎメイド戦隊、出動っ!
必殺技のメイドフラッシュにうさぎキック
お掃除ハリケーン
でも、遅れて来る人参レッドの『敵の真下からスナイパー光線』が1番強力ですね
アドリブ・連携大歓迎
ちなみに正解は
キャベツパープルです
緋奈森・鈴音
【兎狐】
迷彩で隠れて攻撃は見切りで回避を狙うー。
真琴の攻撃前にアシスタントのおねーさん登場!
狐火を周囲に漂わせてー、クイズ番組(?)の照明にー。
狐火の熱による陽炎で距離感や位置感覚を狂わせてこちらの死角を誤認させて相手の攻撃を対処できるものにするのが狙いー。
迷彩、だまし討ちで本来の狙いに気付かれないようにするー!
加えて常に狐火の強さや位置を変化させ続けてー感覚の狂いを調整できないようにするわー。
「あら、狐に化かされちゃった?」
あっ、眉唾って知ってるー?
あれってキツネは相手の眉毛の本数を見て化かすから、数えられないようにするってのが元なんだよー?
……流されて眉毛に手が行ったら追撃チャンスよねー?
●クイズ番組「ウサギツネ」スタート!
エイプモンキーは内心焦っていた。自身のユーベルコードは無敵であり、絶対に負けるはずはないと思っていたのだ。だがしかし、現実はそれを突破して猟兵達はエイプモンキーにダメージを与えてくる。そのことに焦るのも当然と言えた。
「兎だって化かしますよ」
そんな思案の中で現れたのは、琶咲・真琴(今は幼き力の継承者・f08611)だ。膝下15cm(これは譲れない絶対正義)のフリフリなうさ耳メイド服を普段着として過ごすボクっ娘である。なお女性に見えるが、れっきとした男の子である。その脇にはサイキックエナジーを動力とした2体の少年少女の片翼の人形「familia pupa」が控えており、自身は藤色の闘気を纏っている。そして真琴は自身の能力「うさぎメイド戦隊、出動っ!(ワレラハセイギノウサギメイドセンタイダッ)」を発動し、7人のうさぎメイド戦隊を呼び出す。
「ウッキー!これが男の娘という奴ウッキー。が、その能力もお見通しウッキー!ならば、メンタル絶対一定安定装置『明鏡止水』を使うッキ―!」
喜び・怒り・楽しい・無関心・疑問・興味の感情を与えなければうさぎメイド戦隊は攻撃できない。それを察知したエイプモンキーは背中に装置を出現させる。その装置『明鏡止水』は通常状態の精神を一定に保つことができる。これでうさぎメイド戦隊は動くことができない。これで攻撃を封じ安心したエイプモンキーはジェットを飛ばして近距離攻撃を仕掛ける。だが真琴は最初から初手は食らうつもりで迎撃態勢を取っていた。自身の古武術の技術、オーラによる防御や感知、さらに自身の感覚を総動員してエイプモンキーの右ストレートを看過。流れるような動きでそれを回避することに成功する。
「ウッキー!?まるで流水のような動きウッキー!」
「ボクの古武術の貂毘流は臨機応変なのです」
だが初手を躱したところでユーベルコードを活用しなければ大ダメージは与えられない。そう、エイプモンキーは高をくくっていた。だがふいに周囲に小さい炎が出現し、エイプモンキーと真琴を囲みだす。先ほども同種の炎を見ていたのでエイプモンキーは瞬時に理解する。この炎はユーベルコード「フォックスファイア」の狐火だと。
「アシスタントのおねーさん登場!」
黒い長髪といたずらっぽい笑みを浮かべた女性、緋奈森・鈴音(妖狐の化身忍者・f03767)は元気よく宣言する。マイペースさを崩さず、そのスタイルの良さを隠すこともなく相手を挑発するように出現する。今まで迷彩によってエイプモンキーの視覚に入らないようにしていたのだ。だがエイプモンキーはさきほども狐火にはすでに対応済みだ。マニアック兵器を再度起動しようとするが、狐火の様子がおかしい。攻撃してくる所作がないのだ。さらに狐火とは違う炎が周囲に出現しだす。それは真琴の炎を発するグローブ「燭焔導手」によるものなのだが、さすがに装備のものまでは気づくことができない。
「クイズ番組『ウサギツネ』、はっじまるよー!」
そういつもより元気にマイクアナウンスをし始めた真琴。そう、この狐火と炎は照明なのだ。演出もOK、MCも出現し、突然の番組が開幕する。
「ウッキー?こんな時に何を……」
「さて、解答者のエイプモンキーさん、突然ですが、問題です!この7人のうさぎメイド戦隊の中で仲間外れは誰でしょう?」
1.網タイツブラック
2.コーンイエロー
3.肉球ピンク
4.キャベツパープル
そんなボードがお手伝いの人形たちによって掲げられ、クイズが出題する。エイプモンキーに付き合う義理はなかったが、マニアック知識を持つ自身のプライドが無視を決め込むことはできなかった。
「ウッキー!ミーを舐めるなウッキー!その中に答えはないウッキー、正解は5の人参レッドウッキー!」
ドヤ顔で正解を確信するエイプモンキー。それを見て鈴音は愉快そうな笑みを浮かべ、鈴音は「正解は~」と言いながら溜めながら間を作る。
「ぶっぶーー!不正解です!正解は4.キャベツパープルでしたー!」
「ウッキーーーー!なんでウッキーーー!……ハッ!」
まさかの不正解に悔しがるエイプモンキー。だがそれこそ真琴がこのクイズ番組で狙ったものだった。これによって「怒り・疑問」の感情を出してしまったからだ。さすがの『明鏡止水』も本人が自発的に起こす感情まではコントロールできない。
「不正解なので、うさぎメイド戦隊、出動っ!」
うさぎメイド戦隊の攻撃条件を満たしたので、行動は開始される。必殺技のメイドフラッシュで目を眩ませ、うさぎキックがエイプモンキーに炸裂する。さらにお掃除ハリケーンによってもみくちゃにされ、その隙を不正解の人参レッドの敵の真下からスナイパー光線がエイプモンキーの股間を襲う。その無慈悲な攻撃にエイプモンキーは悶絶する。
「ウッキー!よくもウッキー!」
うさぎメイド戦隊の攻撃が終わると同時に反撃に出るエイプモンキー。だが当たるはずの攻撃は真琴と鈴音に当たらない。何かがおかしい。距離感が狂っているような感覚なのだ。
「これはまさかこの炎かウッキーー!」
「あら、狐に化かされちゃった?」
そうステージの照明と思っていたこの狐火は鈴音の仕込み、要するに結界だったのだ。狐火の熱による陽炎で距離感や位置感覚を狂わせてこちらの死角を誤認させて相手の攻撃を対処できるものにするのが狙いなのだ。加えて鈴音は常に狐火の強さや位置を変化させ続けて、感覚の狂いを調整できないようにしており、エイプモンキーは通常の感覚を維持できなくなっている。
「この狐火かウッキー!」
即座に放水圧カッターを起動させて狐火と炎を消し始めるが、狂った距離感を戻すには時間は多少かかる。最後のトドメと言わんばかりに鈴音は悪戯っぽい声で言う。
「あっ、眉唾って知ってるー?あれってキツネは相手の眉毛の本数を見て化かすから、数えられないようにするってのが元なんだよー?」
そのマニアック知識に反応してエイプモンキーは自身の眉毛は何本だったっけと思い始める。だがそもそも猿なので眉毛があるかどうか、疑問だったという結論に達する。だがその隙を鈴音が見逃すはずもなく、特大の忍者手裏剣を投擲してエイプモンキーを吹き飛ばす。
「ウッキー―!」
「よそ見してちゃダメよ♪」
こうして距離が離れた隙に、感覚の狂ったエイプモンキーを見届けて、真琴と鈴音は離脱する。二人の見事な連携により、エイプモンキーを完全翻弄することができたのだ。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
中村・裕美
「……うまくいくかは……分からない。……でもやってみなくちゃ……分からない」
ドラゴニックエンド発動のため、ドラゴンランスを敵に向かって【槍投げ】
このUCは槍が命中しなければ、真の威力は発揮されない。相手はこの槍を装置で回避するなり叩き落とすなりするかもしれない
勝ち誇るようであれば、「……あれで……終わりと思う?」と横槍を入れる
敵が最初の攻撃に対応している隙に【早業】【高速詠唱】で空間に【ハッキング】を仕掛け、電脳魔術の【罠使い】で空中や足元から槍衾を出現させ【串刺し】
念押しに最初のランスを一旦竜に戻して死角から襲わせる
「……備えあれば……憂い無し」
槍が当たれば、召喚ドラゴンが蹂躙してくれるか
アルマニア・シングリッド
まさか同じ術を扱うオブリビオンがいるとは
いいでしょう
潰してあげます
フェイントに我ハ古キ書ノ一遍ナリをエイプモンキーに投擲
同時に空想召喚をだまし討ちで使用
具現化するのは
上下左右360度全方位から
炎・水・氷・雷・土・樹・鋼・光・闇…
ありとあらゆる属性の攻撃魔術
私は物を隠すことも迷彩で誤魔化すことも得意です
不可視の魔法陣は貴方のアーマーのあらゆるところにに仕込みましたよ(罠使い
敵の攻撃は
盗み・盗み攻撃・カウンター・情報収集・ハッキングを使い
空想召喚で自分と敵の立ち位置を入れ替えたりしてお返ししましょう
想像を創造するということは
こういうことなのです
空想召喚師を舐めないでくださいな
アドリブ・連携大歓迎
御堂・絢瀬
UC……と言っても、私の場合は単なる銃弾だからな。それを戦場で鍛え上げた技能で扱っているに過ぎない。
つまり考えうる対策は防弾のボディアーマーを作成し万が一に備え、かつ銃弾よりも速く動く装置を作り回避をした後に協力な攻撃を叩き込むという具合だろう。
遠距離からのUCではない攻撃など弾幕で相殺できるし、直接殴りに来るなら真っ直ぐ私に向かってくるだろう。長年の戦場暮らしだ、点を捉えるなど造作もない。
ところでボディアーマーな……一度でも銃弾が命中するとその場所の周囲が激しく劣化するんだ。近い場所に続けて当たると繊維が裂けて貫通する。
……全く同じ場所に続けて撃ち込んだらどうなるだろうな?
●三人寄れば文殊のUC
「……うまくいくかは……分からない。……でもやってみなくちゃ……分からない」
すでにかなりの手傷を負わせたエイプモンキーの前に3人の猟兵達が3方向から姿を現す。少し声がたどたどしい少女の名前は中村・裕美(捻じくれクラッカー・f01705)。色々と被害妄想めいたネガティブ思考をこじらせて、自分の敵になりそうなものを排斥しようとする別人格とかが生まれてしまったダウナー系少女である。現状はオブビリオンを敵と認識しており、エイプモンキーを倒そうと必死に頭を使おうとしている。
「まさか同じ術を扱うオブリビオンがいるとは。いいでしょう、潰してあげます」
凛とした黒髪と黒い瞳を輝かせて宣言する女性の名前はアルマニア・シングリッド(世界を跨ぐ爆走天然ロリっ子な空想召喚師・f03794)。少女っぽい外見をしているが、とある古びたルーズリーフの手帳から生まれたヤドリガミの女性である。彼女の能力は「空想召喚(サモン・イマジネーション)」と呼ばれ、エイプモンキーと似たような能力で対抗意識を生み出しているのかもしれない。
「ユーベルコード……と言っても、私の場合は単なる銃弾だからな。それを戦場で鍛え上げた技能で扱っているに過ぎない」
そういってメガネをくいっと持ち上げる女性は御堂・絢瀬(ディレッタント・f15634)。裕福な家庭に生まれながらも、世界各国の紛争地域を股にかけて飛び回り、戦場を駆け抜けてきた傭兵でもある。さらに逆境を愉しむタイプであり、今回のエイプモンキーもそれに類似するので内心は燃えていた。
だがそんな猟兵達の包囲網に対してもエイプモンキーは焦ることはない。自身の能力を幾たび破られても揺らぐことのない自信が、マニアック怪人としての、そして怪人幹部としての強さなのかもしれない。
「ウッキー―!束になろうと無駄ウッキー!投擲絶対無効化装置『ノットスローイング』、魔法陣霧散装置『アンチマジック』、技能上昇無効ドローン『スキルハント』を使うッキー」
そういって3つの装置を出現させるエイプモンキー。『ノットスローイング』は裕美のドラゴニック・エンド対策で槍投げをしてくることを読み、投擲による攻撃を逸らすバリアを展開する装置を装備。さらに『アンチマジック』で自身の周囲の魔法陣を強制的に消す装置を使ってアルマニアの空想召喚を無効化。そして絢瀬に対しては『スキルハント』のドローンが展開し、自身の能力「ラピッドシューター」で底上げされる技能の前提を崩す結界を展開する。特に絢瀬は得られるはずの効果が得られず、近くのドローンを破壊しようと銃弾を撃つが、高速で回避される。絢瀬の攻撃は高速で回避するようにプログラミングされているようだ。
「無駄ウッキー!これで全員の能力は封殺ウッキー!ミーの拳で沈めてあげるウッキー!」
勝ち誇るエイプモンキーに対し、裕美は変わることなく当初の予定通りドラゴンランスを投擲する。だがエイプモンキーの『ノットスローイング』の結界が発動し、捻じ曲がるように投擲の軌道はエイプモンキーの身体の外周に逸れて、明後日の方向へ飛んでいく。そしてまずは裕美をターゲットにして攻撃を加えんとする。
「……あれで……終わりと思う?」
ダウナー気味に声を発する裕美に動揺はない。そしてエイプモンキーにこうやって近寄られることも計算の内だ。そう、自身の電脳高速処理と神速のタイピング技術で空間にハッキングし、電脳魔術を展開。エイプモンキーを地面から貫く槍衾のトラップを創造していたのだ。それは裕美に襲い掛からんとしたタイミングによって発動し、エイプモンキーを貫く。電脳の槍はエイプモンキーの装甲をも貫くが、それもエイプモンキーは覚悟していた。エイプモンキーは激痛に耐え、裕美に拳を叩き込まんと全力で腕を振り抜く。
「ぐっ……!」
エイプモンキーの予想外の攻撃を防御しながら裕美は吹き飛ばされる。だが幸運なことにその吹き飛ばされた近くに投擲したドラゴンランスがあった。殴られたダメージが響くものの、再び投擲を試みる裕美。そして目でみるのは、銃を構えている絢瀬。
「無駄ウッキー!投擲は当たらないと……」
「投擲でなければいいんだろう?長年の戦場暮らしだ、点を捉えるなど造作もない」
裕美のアイコンタクトにしっかり応えたのは絢瀬の状況判断能力の良さを証明するものだ。裕美が投擲したドラゴンランスに銃弾を当てて軌道を変動させる。そしてその瞬間から、その跳弾したドラゴンランスは投擲の属性を失ったことになる。それは『ノットスローイング』の結界の法則をすり抜け、エイプモンキーの身体に突き刺さる。
「ぐわっ、そんな芸当がウッキー!」
「……備えあれば……憂い無し。……ドラゴン、行って」
ドラゴニック・エンドが発動し、召喚されたドラゴンがエイプモンキーに飛翔し襲い掛かる。そしてそれを見た絢瀬はこれに便乗とばかり、ドラゴンに近づき騎乗。エイプモンキーにドラゴンと共に一気に近づく。そしてドラゴンの咢はエイプモンキーの肩を砕く。
「痛いウッキー!だけど、ユーの能力はドローンで……ってミーの『スキルハント』のドローンはどうしたウッキー!?」
ドラゴンに騎乗し銃を構えている絢瀬の近くになぜか『スキルハント』のドローンがいなくなっていた。エイプモンキーが絢瀬がいた方向に目をやると、電撃を放出し撃墜されたドローンが地面にあった。だが銃弾で破壊されたわけではない。
「空想召喚を霧散するのは、あなたの周りだけでしょう?」
そういってアルマニアはエイプモンキーの疑問に答える。そう、咄嗟にエイプモンキーの『アンチマジック』の危険性を察知したしたアルマニアは、装置から離れている絢瀬のドローンをターゲットにしたのだ。不可視の魔法陣を飛ばして取り付け、空想召喚した高出力の電撃でドローンを墜とした、というわけだ。
「ところでボディアーマーな……一度でも銃弾が命中するとその場所の周囲が激しく劣化するんだ。近い場所に続けて当たると繊維が裂けて貫通する。……全く同じ場所に続けて撃ち込んだらどうなるだろうな?」
『スキルハント』によるユーベルコード封印を解いた絢瀬は「ラビットシューター」の能力で射撃に関する能力上昇を身体に感じていた。そしてマニアックな知識をエイプモンキーに投げかける。
「ウッキー?ミーのアーマーは銃弾なんて何発食らっても平気ウッキー!」
「そうかい?それにしては穴だらけな気もするけどね」
そう言われてエイプモンキーはハッとなってしまった。すでにアーマーにいくつもの穴が開いており、さらに頭部にも損傷がある。それを承知で絢瀬はボディアーマーの例を出してきたのだ。
「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる……なら、下手で無ければ言わずもがなさ」
そういって引き金を引く絢瀬。エイプモンキーの身体全面に銃弾を瞬時にばら撒くように放出される弾雨は均等に降り注ぐ。アーマーの穴や裂傷が空いている部分に入り込み、エイプモンキーの身体を突き抜ける。頭部も損傷したエイプモンキーの身体がぐらつく。
「さて、仕込みは完了。トドメは任せたよ、アルマニアくん」
絢瀬は銃弾のすべてを吐きだした後、エイプモンキーから飛び跳ねるように離脱する。そして最後の一撃を放つのは、アルマニア。不可視の魔法陣を放ち、エイプモンキーに定着させる。そんな馬鹿な、という顔でエイプモンキーは自身の『アンチマジック』を見る。だがそこには銃弾を特に入念に受けて破壊された装置があっただけであった。これが狙いだったのか、と悔しがろうとするが、それすらもアルマニアは許さない。
「想像を創造するということは、こういうことなのです。消し飛べ、エイプモンキー!」
その咆哮と共に召喚されたのは、ありとあらゆる属性の攻撃魔術。炎・水・氷・雷・土・樹・鋼・光・闇……それが上下左右360度全方位からエイプモンキーに襲い掛かる。火炎が焼き尽くし、水流を打ち付け、氷の刃が貫き、電撃が身体中を走り、岩石が身体を打撃し、樹木が身体を締め上げ、金属の刃が身体を切り裂く。そして最後の光と闇の光線がエイプモンキーを貫いたところで、盛大に吐血をし、エイプモンキーから力が抜けていく。
「……ドン、申し訳、ない、ウッキー……」
アルマニアの空想召喚をすべて受けきったエイプモンキーの身体が崩れ去っていく。ついに怪人幹部の一人と呼ばれた強敵は猟兵達に屈したのだ。すでに他の戦場で多くのエイプモンキーが倒され、復活不可能となったエイプモンキーはもうこれでお終いなのだ。それを悟ったのか、最後に出た言葉は自分のボス「ドン・フリーダム」への謝罪の言葉であった。
こうして数多くの猟兵達の活躍によりマニアック怪人エイプモンキーは打倒された。これによりシステム・フラワーズへの道は開くこととなる。だがまだ先に残りの幹部と元凶であるオブビリオン・フォーミュラもいる。油断はできない、と気を引き締める3人なのであった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴