バトルオブフラワーズ⑨〜カウンターモンキー!
●グリモアベース
「相手にとっても、かなり早い行軍だったみたいね」
グリモアを通して予知を確認したアンノット・リアルハートは猟兵達の方に向き直る。
「システム・フラワーズへの道が開きました、この期を逃さず怪人軍団幹部の一人マニアック怪人エイプモンキーを攻撃します!」
システム・フラワーズの内部はその名の通り花々の咲き乱れる不思議な空間になっており、通路の類はないが一歩踏み出せば花々が集まって足場になる仕組みとなっている。現在この花の足場は最終的にエイプモンキーに繋がるようになっており、戦闘は避けられないようになっている。倒さない限りは先に進めないが、逆に言えば相手を取り逃す心配はないということだ。
「肝心のエイプモンキーの能力だけど、カウンターと不意打ちに徹底した戦法を取るみたい。第一関門としてピッタリないやらしい奴ね」
エイプモンキーの使用するユーベルコードは三つ。
マニアックウェポン、対象のユーベルコードの弱点を実証することで召喚するマニアックな装置を使用して相手のユーベルコードを封印するユーベルコード。自分の技の弱点を知り対策の対策を十全に練らなければ突破は難しい。
マニアックジェット、ユーベルコードを回避するための装置を作るユーベルコード。ジェットと名が付いているが場合によっては迎撃機能が搭載される可能性もある、単なる回避行動として見るのは危険だろう。
マニアックマシン、攻撃に対し相手の死角から反撃する装置を放つユーベルコード。ここでいう死角とはその時その瞬間のリアルタイムで発生するものだ、制限される足場の存在も合わさり厄介な性能をしているのは間違いない。
そしてこれら三つのユーベルコードはエイプモンキーのマニアックな知識とクリエイティブな想像力を十全に駆使して使用される。生半可な小細工は通用せず、必ず猟兵達より先に行動する。勝つために必要なのは自らのユーベルコードの弱点を知り、それを利用されてなお相手を上回る策と準備だ。
「つまりは、反撃の反撃を考えないとエイプモンキーにダメージを与えることはできないの。それが出来ないと何もできずに負ける可能性だってある」
カウンター主軸の戦法ゆえにエイプモンキーに決まった動きは存在しない、相手の裏をかくには自分の弱点を知るしかない、つまりこの戦いはある意味で自分との闘いとも言えるだろう。
「ただし命あっても物種。多少の無茶は目を瞑るけど、絶対に死なないように……それじゃあ、行ってらっしゃい」
マウス富士山
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エイプモンキーは、猟兵が使用するユーベルコードの設定を元に、そのユーベルコードを無効化する武器や戦術を創造し、回避不能の先制攻撃を行ってきます。
(ユーベルコードで無効化したり相殺した後、強力な通常攻撃を繰り出す形です)
この攻撃は、ユーベルコードをただ使用するだけでは防ぐことは出来ません。
この先制攻撃に対抗する為には、プレイングで『エイプモンキーが自分のユーベルコードに対抗して創造した武器や戦術を、マニアックな理論やアイデアで回避して、攻撃を命中させる』工夫が必要となります。
対抗するためのプレイングは、マニアックな理論であればあるほど、効果が高くなります。
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このシナリオは、「戦争シナリオ」です。1フラグメントで完結する特殊なシナリオとなります。
オープニングを見ていただきありがとうございます。今回マスターを努めさせていただきます、マウス富士山と申します。
いよいよ幹部戦!オープニングとマスターコメントにある通り、今回の戦いでは反撃の反撃が重要になります。エイプモンキーは猟兵が使用するユーベルコードと同じ能力のユーベルコードを使用するので、必ずプレイングにはユーベルコードへの対抗手段と反撃方法を描写してください。
また複数の猟兵で連携を行う場合は全員に対して先制攻撃を行います、その点を注意して連携を取るようにしてください。
皆様のプレイングを心からお待ちしております。
第1章 ボス戦
『マニアック怪人『エイプモンキー』』
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POW : マニアックウェポン
対象のユーベルコードの弱点を指摘し、実際に実証してみせると、【敵に有効なマニアックな装置】が出現してそれを180秒封じる。
SPD : マニアックジェット
【敵のユーベルコードを回避する装置を作り】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ : マニアックマシン
対象のユーベルコードに対し【敵の死角から反撃するマシン】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
イラスト:柿坂八鹿
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
レイ・アイオライト
想像を創造する力なんて、トンデモUCじゃない。
…まあ、それでもやらなくちゃいけないのが猟兵よね。キマイラフューチャーの人々を助けないと。
装置……例えばそれは武器だったり、装置だったりするってことね。それなら簡単よ、その装置をぶっ壊せばいいだけ。
『浸蕀のソードブレイカー』を装置、または武器へと投げ放つわ。弾いてもなんででも当たった瞬間、影の侵食によって無数の影の棘が露出する。
装置を破壊した後はその伸びた大棘で『暗殺』『だまし討ち』『クイックドロウ』『恐怖を与える』わ。
アンタの想像力、『恐怖で自分が死ぬ瞬間』なんて想像しちゃったらどうなるんでしょうね?
(アドリブ等歓迎です)
●敵意の反撃
「ウーキッキ、ミーの守護する領域へようこそ。スムーズスキンの美しいガール」
余裕たっぷりの態度と軽口に対し、レイ・アイオライト(潜影の暗殺者・f12771)は緩やかに腕を脱力させる。硬直していない筋肉はしなやかなかつ瞬発的な動きを可能にし、不意打ちに最適な素早い軌道を描く。
「アンタ、凄い想像力を持ってるのよね?それじゃあ次に私が使う技も想像できてるの?」
「Exactly、そしてミーは既にそのカウンターもプレパレイションしてるッキー!」
レイの返した軽口に対し、エイプモンキーの顔のように見える胸の装甲が開き、子供程の大きさの何かが発射される。
「対猟兵用殺意喪失兵装スペースヒデヨシくんX!その爽やかなスマイルと甘いバナナスメルに相対した相手はデンジャラスな感情を溶かされたーちーまーち……!!」
ヒュンっと、エイプモンキーの解説が終わる前にレイが無言で投げ放った短剣が宇宙服を着たサルのぬいぐるみの額に突き刺さり、無数の棘により内側から引き裂かれる。破裂音と共にバナナの香りを周囲に振りまきながらボトボトと花の上に落ちる無残なぬいぐるみの姿を見てエイプモンキーは大きく目を見開き……。
「スペースヒデヨシくんエエェェェーックス!!?」
泣いた、馬鹿なのだろうか。声にも表情にも出さないがそう思いつつ、悲壮な表情で叫ぶエイプモンキーを短剣から伸びた棘で取り囲む。例え相手がこちらの攻撃に対応した装置を出したとしても、破壊してしまえば問題はない。
「ほら、さっさとどきなさい。あなたみたいな奴に割いてる時間は……」
そこまで口にしてレイは気づいた、何故自分は相手を見逃そうとしている?自分の鼻を擽る甘い香りと妙にリラックスした気持ちはなんだ?
その瞬間飛んできたエイプモンキーの拳に反応できたのは、これまで歩んできた戦いの経験ゆえだろう。咄嗟に引き抜いた刀身から渦を巻きながら疾風が放たれるが明らかに軽い、相手に『死』の概念を与える殺気が刀身に乗っていない。
「甘いスメルはデンジャラスな感情を溶かす、つまり敵意を力とするガールのスキルと相性抜群ッキー」
香料で対象を極端なリラックス状態に落とし、殺気を無くす兵器。それがスペースヒデヨシくんXの正体。
取り出した時点でエイプモンキーの策はほぼ完成している、破壊すればそれで終わりとはいかない。疾風を抉る巨大な拳を受けたレイは足場から跳ね飛ばされ、花吹雪の中に落下していった。
苦戦
🔵🔴🔴
大神・零児
敵行動予測
【自身からレベルm半径を覆う自分の意識】意識範囲拡大を封じる
【それを用いた対象全員の意識に触れる感覚】自身の意識を隠すかダミーを掴ませる
【その感覚により敵意を可視化し回避する意識】敵意を隠す
だが、敵意以外の意識すら創造物や所持していたありとあらゆる物に乗り移るし無機物にも存在を保つための意識はある
システム・フラワーズの花も
UC全開
俺の意識拡大を封じるなら俺の意識に触れなければならない
ならば封じようとしている意識に俺の意識を這わし、敵の意識がつながっている創造物やエイプモンキーが乗り込んでいるメカ、又はシステム・フラワーズの花の意識にも俺の意識を這わせ、それらの意識の波を読み回避と攻撃
数宮・多喜
【アドリブ改変大歓迎】
ロボだこれ!?いやサイボーグ?パワードスーツ!?
ともあれ操縦者が生身ならこれが効くはず……
【弱点特攻作成】ってテレパスをジャミングされてるのか!
仕方ねぇ、適当にクラフトしながらひとまず逃げ回る!
カブに乗って『騎乗』『操縦』『ダッシュ』で
辺り構わず逃げ回り、『コミュ力』で煽てまくるよ!
こんなガラクタばっかりクラフトしても打開策にならねぇ。
やっぱおっそろしい限りだぜ!
……とか喚いてる裏で、スマホとPSY・コントローラーで
ジャミングの周波数を『ハッキング』するように解析する。
逆位相の思念波ノイズをぶつけて相殺してやろうじゃないの!
一瞬でも凪いだら電磁砲でも何でも作ってぶち込む!
●意識の反撃
「ロボだこれ!?」
「銀河帝国で散々戦ったな」
そびえる黒鉄のボディを見て驚愕の表情を浮かべる数宮・多喜(激走サイキックライダー・f03004)と、冷静にその姿を受け止める大神・零児(人狼の妖剣士・f01283)。対照的な反応を見せる二人を前にエイプモンキーはウッキキと笑う。
「ガールのカブ、中々マニア心を擽るッキー、ボーイの刀剣も中々どうして……それを置いていくというなら心優しいミーはユー達を見逃すこともやぶさかでないッキー」
「そのガタイ乗れないだろ、代わりに……コイツをやるよ!」
投擲の構えをとった多喜の手に光が集まる、【弱点特攻作成】により作られた物質はずっしりと重く、黄色く、艶やかな表皮を持ち、甘い香りを漂わせる……バナナ!
「…………嘘だろお前!?」
「ウーッキキ!電脳対応超能力遮断装置ブレインエイプ、生物の脳が微弱に発しているとされる電磁波を増幅、調整することによって脳や意識に接触するアレやコレやをジャミングする便利グラス!」
サングラスをギラリと光らせるエイプモンキーの死角から零児が【無双の意識】を放つ。拡張された意識は空間を物理的に呑み込み、それに反応した対象のユーベルコードを封じる特殊な空間を形成する……のだが、可視化されるはずの敵意が見えぬままにロボットの拳が零児に放たれる。
「乱数型全自動戦闘プログラムモンキーローリング!乱数で組み上げた複数の戦闘パターンをランダムで組み合わせ適当に実行するこのプログラムによってこのメカスーツはミーの意志とは関係なく動くっキー!でもそのせいでミーにも止められない、助けて」
巨大な拳が零児を貫こうとした瞬間、カブに乗った多喜がすれ違い様に零児を抱え上げる。拳は宙を切り、大量の花弁を舞い上がらせながら足場を貫いた。
「あぁーもう!ガラクタしかクラフトできない!面倒なジャミングだねホント!」
バナナ、サルノコシカケ、長い木の棒、ミニサイズの自由の女神像、次々と作ってはエイプモンキーに投げ込むが厚い装甲には傷一つ付かない。裏ではジャミングに対するハッキングも試みているが解析が終わるまで逃げ切れるかどうか。
「……いや、逃げる必要はない。もう見えている」
その言葉と共に零児はカブから飛び降り、エイプモンキーの前に降り立つ。多喜が何か叫ぶ前に零児の身体を砕かんと放たれた拳は、鞘によって正面から受け止められた。
「確かにそのプログラムにお前の意識はなく、全てが乱数で決まるというのであればそこに意識はないのかもしれない。だがそのプログラムを作る時、お前は俺の意識を意識していたはずだ」
考え方の違いだ。エイプモンキー本人の意識ではなく、相手の意識が介在している道具に自らの意識を這わせる。それが自立していようとそこにはこちらを攻略しようというエイプモンキーの意識が残っている、それを踏み台に間接的にエイプモンキーの意識に接触する。
「直接的に触れたわけではないため完全に封じることはできない……が、ここまで弱体化出来れば十分だろう」
ハッとエイプモンキーが振り返ると、そこには多喜が巨大な砲身を構えて不敵な笑顔を浮かべていた。
「ハック完了、知らん金属だけど圧力による流動化は起こすみたいだね」
「……ミーのコレクションで手を打たないッキー?」
放たれた砲弾が装甲を貫き、本体を焼く。煙を上げながらエイプモンキーは膝を付いた。
成功
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レン・ランフォード
アドリブ等歓迎
街でみた顔ですね…どういう人かは知りませんが
最初のボスである以上ここで討ちます!
錬、お願い!「応!」
さて、俺が使うのは『光線式斬撃兵装・童子切』だ
動力源が変なモノ使ってるとはいえ、ビームである以上
それを発生させない・霧散させる装置とか作られそうだ
そんで遠距離攻撃なら「第六感」とかでまだ避けてる間に対策できそうだが
そんな時間を与えないため意表をついて装置構えて突撃してくるかもしれねぇ…
精密機械っぽいからしたく無かったが仕方ない…うん、柄で殴って迎撃するわ
あんだけの熱量の光の刃使っても大丈夫な柄だぞ!超硬いに決まってんだろ!?
気合で格闘(グラップル)戦だオラ死ねー!
●熱量の反撃
「装甲を抜いた、私達も続くよ!」
エイプモンキーが膝を付いたことを確認したレン・ランフォード(近接忍術師・f00762)は、相手が立ち上がる前に【光線式斬撃兵装・童子切】を構える。
「ワーオ、キュートなシノビガール!……眼鏡いらなくない?」
「それ言ったら戦争だぞ!」
バッテン印に穴を塞ぐエイプモンキーへ、蓮から錬へ人格を交代しながら童子切を抜刀する。実態を持たない光の刃は凪ぎ払うようにエイプモンキーの首へと向かい。
「対光学兵装用分散装置エーイプマジック!」
掛け声と共に噴出したスモークによって、揺らめきながら霧散する。光というのはとても散らばりやすい、そもそも生物が物体を目視できるのは物に当たった光が反射拡散しているからだ。
そのためどれだけ強力な光でも煙の中のように衝突するものが多い場所ではあっという間にバラバラになり威力を落としてしまう、しかしその弱点は錬も把握している。
尾を引きながら突進してくる煙の中のように塊に対して、錬は童子切の柄を構えて迎撃の体勢をとる。拳と柄がぶつかり合い、二人の身体が煙に包まれた瞬間、錬の身体に激痛が走った。
そも乱暴に纏めれば光学兵器とは熱で相手を攻撃する兵器だ、炎に手を翳すと暖かいように光と熱は密接な関係にある。では霧散した童子切の刀身、戦艦を切り裂く膨大な熱量はどこへ消えたのか。
答えは二人を包む煙の中。対光学兵装用分散装置エイプマジックの正体は光を分散し、熱量の一部を閉じ込める熱量保存装置。
肌が、目が、喉が、肺が、外気に触れる全てが高温の煙で焼かれる。確かに超高温の熱量を放つ童子切の柄は頑丈だが、それを扱う人間はそうもいかない。
拳を止めることはできたが、返された環境が悪すぎた。焼けた塊を足元に落とし、錬は花の足場に倒れ込んだ。
苦戦
🔵🔴🔴
エドゥアルト・ルーデル
想像、妄想、マニアック、拙者も好きよ
知識は使ってナンボだ、知恵比べといこうじゃないか
こちらは出せるのが【爆撃機部隊】だからな…当然ケツが死角でござるね
それに戦闘機のような【マシン】を出されちゃ敵わん、なのでこうやって戦術で補う
空中で円を描くように編隊を組む、するとどうだケツを取ろうとすれば別の機の前に出てしまう
鈍重な爆撃機と言えど目の前の敵機など撃ち落とすのは容易いでござるよ
【ワゴンホイール戦術】だ、性能が劣ろうとも罠にはめてしまえばいい、よく考えたもんですぞ
拙者を直接狙ってきたら?上を飛んでるのは爆撃機だぞ?
丸見えの地上物体なぞいい鴨だ!たんまりと爆弾を味あわせてやればよろしい!
●戦術の反撃
広がる花の地平線、遮蔽物なし、高低差なし、潜り込めるような縦穴なし。兵士としては死んでも立ちたくない戦場に、エドゥアルト・ルーデル(黒ヒゲ・f10354)は構えていた。
「想像、妄想、マニアック、拙者も好きよ。知識は使ってナンボだ、知恵比べといこうじゃないか」
飄々としたエドゥアルドの態度にエイプモンキーの眉がピクリと動く。軽い口調と反した油断ならない態度、(エイプモンキーから見て)レトロなミリタリー装備、そして豊かな髭。これらの要素から考えて、目の前の男は間違いなく同族。
そして自分と同じような人間は一番面倒な相手だと、お互いに認識していた。
「出撃だ!行ってこい!」
先に動くのはエドゥアルド。200近い小型の爆撃機が円を描くように編隊を組み、エイプモンキーへ向かって飛び立つ。それに対してエイプモンキーは、地面に向かって両腕を振り下ろした。
戦闘機が円を描くように並ぶのはワゴンホイールと呼ばれる航空戦の基本的な戦術。背後に友軍を付けることによって死角を無くし、円周に接近した敵を即座に撃退できるようにした陣形だ。
通常の戦闘機であれば機体の真下も死角となりやすいが、今回召喚されたのは爆撃機。地上を攻撃する兵器ゆえ当然そこもカバーされている。
で、あれば。エドゥアルドの爆撃部隊に死角はないのか?否、戦闘機は空飛ぶ乗り物ゆえに必ず見えない場所が存在する。
「汎用地中潜行戦車モンキーモール!その名の通り地の中を進むこの戦車は上空からの迎撃を受けずピンポイントで対象を攻撃するッキー!」
エドゥアルドの足元を穿ち、前面にドリルの付いたラジコン戦車が飛び出す。これが上空にいる爆撃機を狙うのであれば迎撃される可能性もあったが、地上に立っているエドゥアルドであれば浮上から攻撃までに必要な距離はゼロ。
ドリルがエドゥアルドの足を削り取り、花畑に赤が混じる。そうしてバランスを崩してエドゥアルドの表情は、勝利への確信に満ちていた。
「拙者を直接狙ったってことはよぉ……そちらに身を守る手段はないってことでござるな?」
ハッとエイプモンキーがその事実に気づいた瞬間、一斉に爆弾が投下される。地上には身を守る遮蔽物はない、熱と衝撃は直撃する。
「だがそれはそちらも同じッキー!ミーの知らないマニアックな防御方法を持ってるとでも!?」
エイプモンキーの視線がエドゥアルドに集中する、その驚愕の表情を見て彼はニカッと歯を見せて笑った。
「Luck☆」
爆風が二人をまとめて吹き飛ばす、髭は重症を負いましたがエイプモンキーに有効打を与えたので問題ありません。
立ち上る土煙の隣に、いい笑顔でサムズアップしているエドゥアルドの姿が見えたような気がした。
成功
🔵🔵🔴
天星・零
敵と対面する前に装備のenigmaの効果で夕夜を出し夕夜は敵に発見されないよう隠れる
星天の書-零-を広げ魔法使いに見せ近接が苦手なのを装い死角攻撃を誘う
実際は魔法は使えない
また、霊術で取り巻く霊達に自分の目となって死角から攻撃された時の【オーラ防御】の霊璧になって貰う為
指定UCを発動し戦って貰う
無効化されてもUCの巨躯と攻撃で敵の意識を自身達に向け夕夜を気づかせないように
零は万一に備え【第六感】
戦況把握の【情報収集】
敵を【追跡】しマーク
死角攻撃されたら霊達による自動防御
また、夕夜が敵の死角から一気に距離を詰めPunishment Blasterによる【零距離射撃】とØの近接攻撃
狙うは弱点部分
●召喚の反撃
「し、死ぬかと思ったッキー……」
「残念ながら、まだ『思った』と言うのは早いですよ」
【星天の書-零-】を開き、天星・零(多重人格の霊園の管理人・f02413)は爆煙の中から出てきたエイプモンキーと対峙する。
「おいで、僕のお友達。首狩りの女王が求めるのは汝の首と血なり……」
呪文と共にエイプモンキーと零の間に巨大な山羊の姿を持つ骨の女王が現れ、その結果エイプモンキーから零の姿が見えなくなる。姿が見えないのは零も同じだが、彼の戦闘スタイルは召喚士。友であり武器のディミオスは倒すべき相手の姿をしっかりと見据えている。
首刈り大鎌が振り上げられ、しかるべき相手に向かって三日月の軌道を描きながら振り下ろされる。当たれば重傷は免れない断頭の一撃を前にエイプモンキーはキキッと笑い声を上げた。
「万能大型獣捕獲網エイプストレンジ!頑丈な網はしなやかかつ防刃に優れ、内に潜った獲物を確実に外へ逃がさないッキー!」
エイプモンキーの高らかな叫びと共に頭上から降ってきた網にディミオスの身体が包まれる。大きさが違いと事前に張っていた霊の壁によって零は網に捕らわれなかったものの、身体の自由を奪われたディミオスが倒れ込みエイプモンキーに姿を晒してしまう。
「キーキッキ!フレンドは戦闘不能、ミーのビクトリーッキー!」
勝利を確信したエイプモンキーは拳を振り上げ、零に向かって一直線に突撃する。それに対して零は相手の姿を正面から見据えたまま一歩後ろに下がり、その瞬間エイプモンキーの足元が弾けた。バランスを崩し、思わず下を向いたエイプモンキーは深青の瞳に映る自分の姿を見る。
多重人格者はユーベルコードを使わなければ分裂できないという先入観、それを利用し零と夕夜はディミオスの召喚と同時に分かれた。結果は見ての通り、エイプモンキーはディミオスのみに注目した。
「残念だが、勝ったと思うのは早かったな」
エイプモンキーも利用した絶対の死角、花の足場の裏に潜んだ夕夜。砲撃のタイミング、場所は零が把握し指示を出す。心が繋がっている二人の間に言葉は必要ない。
突き出した虚空の刃がエイプモンキーの弱点、バツ印のテープで応急処置がされた箇所を貫いた。
成功
🔵🔵🔴
ウィリアム・バークリー
さてまずは最初の幹部戦ですね。討滅してみせましょう。
スチームエンジンとトリニティ・エンハンスで攻撃力向上してから交戦を始めます。
Active Ice Wall展開! その陰から「高速詠唱」「全力魔法」のIcicle Edgeを乱れ打ちします。
当然氷には炎で反撃してきますよね。
そこで「属性攻撃」の風で干渉して、エイプモンキー自身に類焼するように炎を逆流させてあげます。
一部のIcicle Edgeは外れたようにみせて、「念動力」で軌道変更をかけます。
とはいえ、この程度の小細工が通じるかどうか?
ただ普通の反撃なら、Active Ice Wallの盾に隠れて耐えきれるはずですが。
盾が減ったら再度作成。
●複数手の反撃
「攻撃は返される……なら!」
これまでの攻防を観察していたウィリアム・バークリー(ホーリーウィッシュ/氷の魔法騎士・f01788)は素早く術式を走らせる。一つは三属性の魔力で自身を強化する【トリニティ・エンハンス】、続けて【スチームエンジン】を起動し攻撃力の向上を図るが……。
「キキッ!亜空間死角転送装置キントウン一号&凍結式魔力分解装置フローズンモンキー!」
ウィリアムの背後に突如として転送されてきた雲のような物体とそこから放たれる氷の波動によって炎の魔力は消え、水の魔力は固まり砕ける。風の魔力は残ったものの蒸気エンジンも重要な機関が凍り付いたのか出力が上がらない。
「ッ!?Active Ice Wall展開!」
予想よりも早い反撃。続けざまに飛んでくる攻撃を防ぐためにウィリアムは素早く氷の障壁を展開するが、エイプモンキーは両足にバネのようなパーツを取り付け障壁を飛び越える大ジャンプを行う。
(反撃の手が多い、どうする!)
空中で身動きが取れなくなったエイプモンキーに向かって、今度は氷柱の槍【Icicle Edge】を放つがエイプモンキーの右腕に取り付けられた火炎放射器で焼き払われる。風の魔力で炎を押し返そうとするが不完全なトリニティ・エンハンスでは力が足りない。
(落ち着け、敵の反撃には何か条件が……)
一瞬の攻防、自分と相手の出した手を思い返したウィリアムは一瞬何かを掴みかけるが、答えに辿り着く前に花の足場から蹴り出される。急激な浮遊感と共に、複数の装備を身に着けたエイプモンキーの姿がウィリアムの視界から消えた。
苦戦
🔵🔴🔴
ヤクモ・カンナビ
わらわの電脳サイキックを用いれば、如何なる事象も思いの儘じゃ
電脳空間を通じた精神プログラムにて現実をハッキングし、各種のドローンを召喚し、わらわ自身の肉体さえ変容させ、オブリビオンどもを倒して参った
然し…わらわは電脳サイキックの専門家なれど、発生する現象の専門家では無い故、エイプモンキーどのから見れば外見ばかりの、穴だらけな技術として映るじゃろうて
否定は出来ん故、わらわが創造したものは、全て怪人どのの発明品に敗れそうじゃ
…が、生んだものに対処すれば勝てる、と思うたなら、其れはわらわの思う壺じゃ
時には、『オブリビオンの居らぬ世界』さえ『想像』する事も出来る――此れがわらわの宇宙と云うものじゃ
●想像の反撃
「さて、どうしたものかの……」
エイプモンキーを前に、ヤクモ・カンナビ(スペースノイドのサイキッカー・f00100)が悩ましい表情を見せる。
「わらわは電脳サイキックの専門家、されど発生する現象の専門家というわけではない……ハッキングを通し現実を変えようと、エイプモンキーどのから見れば穴だらけの技術かもしれん」
「キキッ、戦う前から敗北宣言かッキー?」
「まさか、単なる事実の列挙じゃ」
エイプモンキーの挑発を涼やかに返すヤクモだったが、実際自らの技術ではエイプモンキーの発明品を乗り越えられるつもりではない。
だが、相手はこちらのユーベルコードを見てから反撃の手を出してくる。それならばこちらは反撃の手を出させないようにするまでだ。
「釈迦に説法だとは思うが、此の世で最も強き力は……想像力じゃ」
舞のような動きと共に、ヤクモのユーベルコードが発動する。【わらわの宇宙】、ヤクモの想像力によって空想を具現かするユーベルコード。
その現実を侵食する力によって作られるのは『オブリビオンの居ない世界』。しかし、エイプモンキーもただそれを見ているだけではない。
「未来演算予測装置ラプサル起動!入力したデータを元に対象とその周辺環境の未来を算出、映像として出力するッキー!」
取り出されたのはカメラのような機械。しかし今更未来を見たことで何をしようというのかとヤクモの思考が割かれた瞬間、眩いフラッシュが焚かれた。
そも、オブリビオンとは何か。
ヴァンパイア、怪人、銀河帝国、名称は様々だがその全てに共通することがある。彼らは骸の海より這い出る者、忘れ去られた過去の化身。
すなわち、オブリビオンの居ない世界とは過去のない世界。過去が無ければその積み重ねである現在はなく、現在が無ければその先にある未来はない。
凍結し、停滞し、進むことも戻ることもできないある意味で完結した世界。しかし、果たしてその世界は生きていると言えるのだろうか。
ほんの一瞬でもその世界が構築された時、それを取り消すことはできるのだろうか。
「――っ!?」
エイプモンキーの装置によって出力された滅びの未来、それを目の当たりにしたヤクモは反射的にユーベルコードを解除した。
「キキッ、アタックチャーンス!」
その隙を付き、エイプモンキーの拳がヤクモを足場から弾き飛ばす。
先程見た物が真実なのか狂言なのかはわからない。だがオブリビオンが未だ謎に包まれた存在である以上、その存在に干渉することは大きなリスクが伴う……かもしれない。
苦戦
🔵🔴🔴
リサ・ムーンリッド
この敵はどう考え反応するのだろう
とても知りたい
●
『記憶』を制御し召喚内容を制御するか思考を無にして回避しそうだなぁ
完全と真実が在るイデア界からの提示とはいえ検索の元は相手の記憶だし
思考を乱せないかな?医術と封印を解くを駆使して真顔で屁をこき『おっと失礼』とか
これは生理現象だからエルフとか関係なく仕方がないんだ
●
見切りや逃げ足で逃げ回り咄嗟の一撃と投擲で薬入れから強酸や臭いヘドロの瓶を投げ心身へのダメージを試みたい
そして炭素荷電粒子銃の、密かに行っていた限界を目指した粒子の加速が臨界にきたら、ぶっ放そう
私が自分で設計して作った銃だ、必要な時間と限界は分かる
威力と引き換えに一発で壊れてしまうだろう
●記憶の反撃
「予想は付いてたけど、やっぱりそう来るかぁ」
目の前の状況に対し、リサ・ムーンリッド(知の探求者・エルフの錬金術師・f09977)は考え込むように口元へ手を添える。
「一時的記憶遮断装置エイプシャッター!これまた脳の電磁波を増幅して自らの記憶を一時的に削除、相手からの記憶干渉をシャットアウトする!……って、このメモに書いてあるッキー」
リサの【イデアの模倣】は簡単に言えば相手の記憶を再現するユーベルコード。そのため記憶に干渉することさえできればあらゆる事象が再現できるが、そうでない場合極端にできることが制限される。
「今は強く記憶してるものがないから再現が難しい……なら、乱してみようか」
記憶は失ったが本能である世界への憎しみをぶつけるように振り下ろされたエイプモンキーの拳を見切り、リサは腰のポーチから薬瓶を引抜き投擲する。
パリンと瓶が割れると同時に、周囲に腐敗臭や刺激臭が撒き散らされる。それは強酸やヘドロといった、酷い臭いを放ち生物に有害なものばかり。ほんの一瞬でもいい、記憶に残すか気をそらせればそれで。
しかしいくら薬瓶を抜いてもエイプモンキーの顔から余裕を持った笑みが剥がれない、あの機械の中には高性能な空気清浄機でも積んでいるのだろうか。
「キーッキキ!無駄無駄ぁ!よくわからんがその程度で乱されるほどミーのハートは弱くないらしいッキー!」
エイプモンキーの横凪ぎの拳を飛び上がって回避し、リサはガラスのキャノピーの上に乗る。その瞬間だった。
エイプモンキーの直上、リサの身体から空気の抜けるような音がした。
「おっと失礼、生理現象だ」
「…………」
ガコンと、エイプモンキーの頭部を守るキャノピーが一瞬で開かれる。あらゆる知識を収集したマニアック怪人エイプモンキー、例え記憶へを失ったとしてもそのマニア魂は本能として刻まれている。
悲しいかな、彼は性に対してもマニアックであった。
「はい、今記憶したね?」
ニヤリとリサが笑うと同時に【イデアの模倣】によって再現された無数のリサがエイプモンキーの頭上に降り注ぐ。目の前に広がるマニアックな光景にエイプモンキーは歓喜の悲鳴を上げながら人の雨に押し潰された。
ちゃっかりその中心から離れていたリサ本人はクルリと自分の手の中で小さな銃を回すと、その銃口を模倣された自分の山に向ける。
「それじゃ、グッバーイ」
放たれた荷電粒子の光がエイプモンキーを照らす、その表情はどこか満足感に満ち溢れていた。
成功
🔵🔵🔴
ルエリラ・ルエラ
【アドリブ改変・連携歓迎】
私みたいな美少女がマニアックな趣味なんて持っているわけがないよね。
これは私は勝てないフラグ…
私は普通の美少女の私だから仕方ないよね…
というわけで、初手【芋煮ビット】を使って動きを封じようと中身ダバァするよ。
いっぱい芋煮を放ってお鍋からダバァ。手数で勝負。
まず確実に相殺されて相手には当たらないとは思うけど問題ないよ。
実は辺り一面芋煮まみれにする事が狙いなのだ。
私ぐらいの芋煮専門家になれば、どの芋煮とお芋が地面を滑りやすくできるか熟知してるからね。
そこを散らばった芋煮のお鍋に乗って滑り込んで思いっきりお鍋で殴りつけるよ。
美味しい芋煮はお鍋から。一級品のお鍋の一撃を食らえー
●芋煮の反撃
色んな意味で大惨事になっていた足場が花の交換で綺麗になったのを見て内心ちょっとホッとしつつ、ルエリラ・ルエラ(芋煮ハンター・f01185)はひょいと戦場に降り立つ。
「キキッ、また新しいガール。ユーはミーにどんなマニアックなものを見せてくれるのかな?」
「うん、私は普通の美少女だからそんなにマニアックな趣味は持ってないかな」
自称することはさておき、青い髪と青い瞳、フォーマルな黒の制服、背中には弓矢と正統派なエルフの少女と言った外見のルエリラ。当然エイプモンキーは背負った弓矢を警戒し……。
「そんなわけで、いけ!芋煮!」
「今のところトップクラスでマニアックな攻撃が気がするッキー!?」
空を飛び交う無数の芋煮に驚愕した。とは言えここで退いてはマニアック怪人の名折れ、エイプモンキーの目に炎が灯る。
「迎撃するッキー!分離式統合制御高速機動果物群ドラグーンバナナ!」
その叫びと共にエイプモンキーの背後から空飛ぶバナナが射出される。対峙する芋煮とバナナは互いに交錯し合うドッグファイトを展開するが、中身が液体であり感性の影響を受けやすい芋煮と比べ流線型で空気抵抗の影響を受けにくいバナナは機動力に勝る。
一機、また一機と。死角をとられた芋煮が撃墜されていき、気がつくと戦場は無念にも地面に散らばった芋煮で溢れていた。
「キキキッ!いくら調理しようと所詮地の底で育つ塊茎!天高く育つ果実には勝てないッキー!」
「それはどうかな?」
負け惜しみをと、ルエリラに近づこうとしたエイプモンキーにカンコーン!と衝撃が走る。当たり一面に散らばった芋煮、そこに含まれる里芋の粘性物質ムチンがエイプモンキーの足を滑らせまともに動くことができない。
芋煮と弓矢はそのためにと顔を上げたエイプモンキーの目に、鍋をスケートボードのようにして突っ込んでくるルエリラの姿が映る。
「弓使わないのかッキー!?」
「美味しい芋煮はお鍋から、一級品のお鍋の一撃を食らえー」
澄んだ金属音を上げながら、エイプモンキーの身体が大きく仰け反る。
なお良い子の皆は緊急時以外無闇に食べ物をばらまくのはやめよう、猟兵とのお約束だ。
成功
🔵🔵🔴
メイスン・ドットハック
【SPD】
すべてのユーベルコードに対応して回避するのー
こいつは厄介じゃけど、こっちも犠牲覚悟でいくかのー
ユーベルコード「星の海を制覇せし船」を選択
大型宇宙戦艦「暁」の攻撃(レーザーや広範囲破壊ミサイルなど)を回避する装置で予想・回避してくると予想
こちらも甲板の外でエイプモンキーを迎え撃つ
そしてエイプモンキーがこちらに攻撃する瞬間を狙って、戦艦内で電脳戦術核を発動
戦艦事爆破してエイプモンキーごと自爆に巻き込んで大ダメージを与えることを狙っていく
こちらも電脳防壁を張っておくが、重傷覚悟で
どうせ手痛い攻撃を喰らうなら、自分からというのも悪くないのー。相手に痛烈な一撃を食らわせるならなおさらじゃけー
●決死の反撃
「すべてのユーベルコードに対応して回避するのー……」
とは言え、穴がないわけではないことはこれまでの戦いでわかっている。ゆえにメイスン・ドットハック(ウィザード級ハッカー(引き籠り)・f03092)は所謂覚悟を決めることにした。
「戦争じゃ、楽したいたぁ言うてられん」
その一言と共に術式を走らせる。メイスンの周囲に無数のワイヤーフレームが展開し、それはやがて大型宇宙戦艦『暁』を構築する。そして暁はその姿を見せるや否や、搭載している全ての火器を解放した。
ビーム、レーザー、広域破壊ミサイル。本来個人に対して使用するべきでない無数の兵器は一瞬にしてエイプモンキーを爆発で包み込み。花弁の混ざった火柱を上げた。
その様子を甲板で観察していたメイスンの頬を熱風が撫でる、無論これで倒せているとは考えていない。敵は何かしらの方法でこちらの攻撃を回避しているはず……。
「超時空転送装置エイプロス!空間上の点と点を折り曲げてくっつけちゃうことでワープを可能にする便利マシーン!」
思考の直後、メイスンの眼前にエイプモンキーが出現する。待ち構えていたこともあり突き出された拳は防ぐことができたが、その内心は僅かに焦りが出ていた。
(転送ということは、爆発の範囲外に逃げられる可能性があろぅて……!)
攻撃を回避してこちらに接近してくるには最適の一手。だがこちらも相手を船の甲板上に誘い込むことは成功している。
「当たるも八卦当たらぬも八卦……」
メイスンが小さく呟いた言葉にエイプモンキー首を傾げた瞬間、メイスンは起爆スイッチを押した。
空に一際大きく輝く炎の輝き、そこから弾き出されるように影が飛び出す。
メイスン・ドットハック。障壁によってかろうじて致命傷は免れたものの、あちこちに罅割れのような傷が見られる。霞む視線の中で彼女が見たのは爆発から出てきたもう一つの影。
エイプモンキー。奴もまた爆発に巻き込まれたのかあちこちが歪んで変形し、キャノピーは完全に割れてしまっている。
その姿を見たメイスンは口の端を吊り上げ、そのまま花の海へ落ちていった。
成功
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戎崎・蒼
成程、面倒なUCを使ってくる敵だ。…兎も角僕も策を講じないとね。
【POW】
僕のUCはCravattaという銃を使用する技だ。
弱点としては
1:装填時間が最短でも15秒程かかる事。
2:距離が長ければ長いほど標準が下がり落ち易く、銃弾が曲がる事。
…この2つが上げられる。その為相手は距離を射程より長く置き、銃口初速がマッハ3以上(1500m/sなど)の銃を使用する可能性が高い。
これの対策としては、敵が当てにくいように1/2ミルドット(スコープ)で確認しつつ常に動き見切る事。近距離ならわざと暴発させて怯ませる。そして時間と距離を稼いでUCで撃ち抜こうか。
光を視認してからじゃ遅い。
行動は引き金を引く前に。
●反撃の弾丸
「最後は、僕か……」
純白のパーカッションライフルを握り締め、戎崎・蒼(暗愚の戦場兵器・f04968)はスコープ越しに相手を見る。
先程までの攻撃の数々によってエイプモンキーは既に致命的なダメージを追っている、しかしそれゆえに秘める闘志は最も高まっている。
「マニアアァック!ウェポオォォーン!!」
高らかな叫びと共に、エイプモンキーの手に巨大なライフルが握られる。人の一人よりも大きく、弾倉を持たないボルトアクションライフル。
互いの距離は遠い、スコープを使わなければその表情は見えず声は届かない。二人の射手の決闘は、音もなく開始された。
相手が装備を取り出すよりも早く、蒼はエイプモンキーに向かって一直線に駆け出す。理想的距離は30m。
一方エイプモンキーは手にしたライフルのバイポットを使わず、立ったまま銃を構える。安全な時間は15秒。
【Cravatta】の銃口に火薬が詰められる、青く輝く透明な火薬。向こうとの距離は遠く蛇行していれば狙いは付けられない。
エイプモンキーの視界の中で蒼の姿が不規則に左右に揺れる、だが焦る必要はない。射程はこちらが上、ギリギリまで引き付ける。
撃鉄をコック・ポジションまで引き起こし、タッチホールに雷管を入れる。
スコープのドットを確認し、蒼との距離を計測する。
理想距離はまだ遠い。
安全時間は残り数秒。
スコープ越しに二人の視線が交差した瞬間、二つの引き金が同時に引かれた。
ヒューと、口笛が響き渡る。
「前装式は弾と火薬が別々なことを利用して、わざと暴発を起こす……マニアックなことをするッキー」
銃口に詰め込まれた火薬は激しい光と音を放つ。それによってエイプモンキーは怯んでしまったが、弾丸が出たわけではない。
目の前の蒼を見る。スコープは砕け、弾の衝撃で額から血を流し……たった今装填を終えた銃をエイプモンキーに向ける。
理想距離到達、安全時間終了。
雷の落ちたような音を合図に、反撃のマニアとの戦いは幕を閉じることとなった。
成功
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