バトルオブフラワーズ⑨〜目には目を、薀蓄には薀蓄を
●グリモアベース
「『システム・フラワーズ』への道が開いた!!」
緊急招集を受けてやってきた猟兵たちを前にグリモア猟兵館野・敬輔が告げると、猟兵らの間に歓声があがる。これは皆が創意工夫で乗り切ってくれた結果だ。
「この機を逃すわけにはいかない。今のうちに一気に攻め込むぞ!!」
力強く宣言する敬輔に、猟兵らはそれぞれの想いで首を縦に振った。
「さて、第1関門はマニアック怪人『エイプモンキー』なんだが……どうにも嫌な予感がする。」
敬輔いわく、エイプモンキーは『想像した全てを創造する』能力を持ち、それらをマニアックな知識で操ることで、相対する敵に応じた無類の力を発揮する怪人だとか。
「皆のユーベルコードを無効化するような武器や戦術をその場で創造し、攻撃してくる……正直厄介だ。」
単純にユーベルコードを使用するだけでは防ぐことはできない。一方的に無効化された挙句、成す術なく叩きのめされるだけ。
「だが、相手が対策をしてくるなら、こちらもそれを見越して対策すればいい。つまり……」
相手の戦術を予測し、マニアックな理論やアイデアで回避し、命中させることができれば、大ダメージも期待できる、と敬輔は語る。目には目を、歯には歯を、薀蓄には薀蓄を、カウンターにはカウンターで対抗する戦いになりそうだ。
「これまで以上に創意工夫が求められる戦いだ。だが、ここを突破しないとさらに奥に行くことはできない。厳しいと思うが……頼めるだろうか。」
頭を下げる敬輔に皆はそれぞれ頷き、彼が開いた転移ゲートをくぐった。
●『システム・フラワーズ』
猟兵たちが転移した先に広がるのは、咲き乱れる花々の空間。これが『システム・フラワーズ』の内部なのか。
一見すると目立つ足場は無いが、咲き乱れる花々が自然と猟兵らの足元に集まり足場となるため、移動や戦闘に支障はなさそうだ。
全ての足場が集まっている1点を目指し移動すると、立ちはだかるのは、マニアック怪人『エイプモンキー』。
「ウッキー! 猟兵たち、とうとうここまで来たッキー!!」
今の所、エイプモンキーの後ろにさらに奥に続くような足場は無い。先に進む道を切り開くためには、ここで撃破するしかなさそうだ。
北瀬沙希
北瀬沙希(きたせ・さき)と申します。
初の有力敵シナリオ、よろしくお願い致します。
皆の手で招き寄せた『システム・フラワーズ』奪還への、第1歩。
立ちはだかるのは『想像した全てを創造する』力を持つ怪人。
●「戦争シナリオ」について
このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「バトルオブフラワーズ」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
また、このシナリオに成功すると、⑨の戦力を1減らすことができます。
●特殊ルール「先制攻撃」
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エイプモンキーは、猟兵が使用するユーベルコードの設定を元に、そのユーベルコードを無効化する武器や戦術を創造し、回避不能の先制攻撃を行ってきます。
(ユーベルコードで無効化したり相殺した後、強力な通常攻撃を繰り出す形ですね)
この攻撃は、ユーベルコードをただ使用するだけでは防ぐことは出来ません。
この先制攻撃に対抗する為には、プレイングで『エイプモンキーが自分のユーベルコードに対抗して創造した武器や戦術を、マニアックな理論やアイデアで回避して、攻撃を命中させる』工夫が必要となります。
対抗するためのプレイングは、マニアックな理論であればあるほど、効果が高くなります。
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有力敵と対峙するシナリオのため、判定は厳しく行います。
その結果、失敗や大失敗でお返しすることも少なくなく、シナリオ失敗の可能性もあります。
当シナリオは原則1人ずつお返し致します。そのため合わせ・連携プレイングの要望にはお応えしかねることがございます。
また、当シナリオはプレイングの全採用を保証致しません。不採用や却下でお返しすることもございますので、その旨ご了承願います。
それでは、皆様のプレイングをお待ちしております。
第1章 ボス戦
『マニアック怪人『エイプモンキー』』
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POW : マニアックウェポン
対象のユーベルコードの弱点を指摘し、実際に実証してみせると、【敵に有効なマニアックな装置】が出現してそれを180秒封じる。
SPD : マニアックジェット
【敵のユーベルコードを回避する装置を作り】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ : マニアックマシン
対象のユーベルコードに対し【敵の死角から反撃するマシン】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
イラスト:柿坂八鹿
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
村崎・ゆかり
皆のお陰でここまで来れた。ここからは真剣勝負。私も混ぜてもらいましょ。
七星七縛符で猿のUCを封ずる作戦で行くわ。
「七星」とは言うまでもなく、天に輝く北斗七星のこと。紫微宮たる北極星の周囲を常に巡り、いかなる季節にも消えることはない。
故に、七星七縛符を打ち消すなど不可能。
大人しくお縄に付きなさい。
このUCが訊いている間なら、こっちはUC使い放題ね。七星七縛符に見せかけてべつの術式符を。
不動明王火界咒。「全力魔法」火の「属性攻撃」「高速詠唱」「2回攻撃」で叩き込む。
不浄を焼き尽くす炎で燃え尽きなさい。
猿が反撃に出てくるようなら、ダメージ軽減のために巫覡載霊の舞で神霊体になって白兵戦を挑みましょう。
●符術と創造物
「ウッキッキ! まずはお前ウキ?」
村崎・ゆかり(《紫蘭(パープリッシュ・オーキッド)》・f01658)は、ここまでの道を切り開いた猟兵らに感謝しつつ、エイプモンキーと対峙する。
(ここからは真剣勝負。私も混ぜてもらいましょ。)
ゆかりは白いトランプを数枚、指に挟んだ。
「ウッキッキ。ユーはそのトランプでミーの創造物を封じるつもりウッキー?」
ゆかりはひとつうなずき、語り出す。
「『七星』とは言うまでもなく、天に輝く北斗七星のこと。紫微宮たる北極星の周囲を常に巡り、いかなる季節にも消えることはない。故に、七星七縛符を打ち消すなど不可能。大人しくお縄に付きなさい。」
ゆかりは【七星七縛符】の白いトランプをエイプモンキーの周囲に展開するが、エイプモンキーが創造したのは、全方位に展開された火炎放射器。
「そのトランプが貼りつく前に焼き尽くせばいいウッキー!!」
火炎放射器は的確にエイプモンキーを囲んだ符を狙い、光と紛うごとき超高温の炎で一気に符を焼き尽くす。符術を破られ、呆然とするゆかりを前に、エイプモンキーは大はしゃぎ。
「知識を披露して理論武装したつもりッキ? それだけでは何の対策にもなっていないウッキー!」
知識を披露しても、それを活用し、先制攻撃をかいくぐる術を用意していなければ、それは実質「何も対策していない」のと同じだ。
「そもそも七星が北斗七星であると断言できないウッキー! 『しちせい』じゃなく『ななつぼし』と読めば他にも色々あるウッキー!!」
エイプモンキーの火炎放射器の先端が全てゆかりに向けられ、一斉に炎が吐き出される。ゆかりは【巫覡載霊の舞】で火傷を軽減しつつ、他の猟兵に後を託し撤退するしかなかった。
失敗
🔴🔴🔴
カイジ・レッドソウル
アドリブ共闘歓迎
「何ガ来ヨウト本機ハ戦ウノミ」
本機の攻撃系UCは電撃主体
相手も対電対策をしてくると思われる
不意打ちも考え【オーラ防御】を展開
呪剣、黒剣、テイルブレードを展開
UCではなく近接戦闘に持ち込もうとします
「ゆーべるこーどダケガ戦闘手段では無イ」
3つの武器のうち【串刺し】出来次第【怪力】で深く【傷口をえぐる】
「捕獲、こーど・ゆぴてる発動」
体内に直接UC【天獄の雷】を打ち込みます
いかに電撃UC対策をしても直接体内に撃ち込みながら傷を抉れば耐えきれまい
「出力限界解除、限界出力ヲ受ケロ」
無感情のまま冷徹に相手が動かなくなるまで【串刺し】状態を維持し雷炎を流し続けます
●雷と絶縁体
「ウッキウッキ!」
1人退けてご機嫌なエイプモンキーの元にやってきたのは、3m近いウォーマシン、カイジ・レッドソウル(プロトタイプ・f03376)。
「さて、ミーは高圧電流でユーを感電させようとしてくるウッキー?」
「ソウダ。」
「それは既に対策済みウッキー!!」
呪剣、黒剣、テイルブレードを展開したカイジを見て、エイプモンキーはゴム状の分厚いシートを創造し、メカ全体を覆う。
「ゴムは絶縁体ウッキー。さらにゴムの柔軟性で剣の衝撃も吸収するウッキー。これでユーの攻撃は怖くないウッキー!!」
勝った、とばかりにはしゃぐエイプモンキーに、カイジは接近。
「何ガ来ヨウト本機ハ戦ウノミ」
「ウキッ?」
無謀な、とエイプモンキーが思ったも束の間、カイジはテイルブレードでゴムの鎧ごとメカの装甲を削り、装甲が薄くなった箇所に呪剣を突き立て、怪力を持って一気に捻じ込む。
「捕獲、こーど・ゆぴてる発動」
「ウキッ!?」
エイプモンキー本体に呪剣が触れると同時に【天獄の雷】を発動。カイジ自身の身体から発せられた高圧電流は呪剣を通してエイプモンキーに撃ち込まれる。
「出力限界解除、限界出力ヲ受ケロ」
「ちょ、直接撃ち込まれたら耐え切れないウッキーーーッ!!」
いかに耐電対策をしていても、貫通されては成す術がない。陶器の鎧にしておけばよかったとエイプモンキーが思っても後の祭り。もっとも、陶器の鎧にしていたら、それはそれでテイルブレードで叩き割られただろう。装甲を貫けるような武器をそろえ、耐電対策が施せる範囲を見切ったカイジの作戦勝ちだった。
カイジはエイプモンキーが動かなくなるまで、無感情のまま冷徹に雷炎を流し続ける。
呪剣を抜く頃には、エイプモンキーは一時的に気絶していた。
成功
🔵🔵🔴
チトセ・シロガネ
【WIZ】
確実に死角を狙われる……厄介なモンキーネ
あと口調が若干かぶってるのも気に食わないネ
まず準備として【地形の利用・念動力・早業】で周辺のオブジェを操作、すばやく展開、【輝光武装】でオブジェを【フォトンを纏った武器】にするヨ
マシンの反撃に対しては【戦闘知識・第六感・見切り】で自分自身の死角になりそうな位置を予測、【武器受け・オーラ防御】でオブジェを盾にして攻撃を防ぐヨ
戦いの勘と第六感を研ぎ澄ませれば、ボクの背を狙う悪いマシンだって丸見えヨ
そして破壊されたオブジェの破片はそのまま【カウンター】としてユーにお返しネ
ついでに【鎧無視攻撃・属性攻撃】もつけるヨ、光の刃をその身に受けるネ!
●無機物と有機物
「つ、次はユーの出番ウッキー?」
メカの隙間からプスプスと煙をあげつつ意識を取り戻したエイプモンキーは肩をすくめたチトセ・シロガネ(チトセ・ザ・スターライト・f01698)を見据える。
「口調が若干かぶってるのが気に食わないネ」
「かぶるのは仕方ないウッキー。さて、ユーは……」
エイプモンキーは少し考える。
「周囲の無機物を変換してフォトンを纏った武器にするウッキー。今回はこの周囲のオブジェ……花びらにフォトンを纏わせて武器とするつもりウッキー?」
「対策は考えているネ?」
「対策はいらないウッキー。」
「どういうことかネ?」
「ここにフォトンに変換できるだけの無機物はあるウッキー?」
「!?」
チトセは己の策の弱点を指摘され、言葉を失った。
『システム・フラワーズ』の中に咲き乱れる花びらは、有機物。しかし【輝光武装】で変換できるのは、あくまでも無機物のみだ。
さらに無機物を「変換」してフォトンにする以上、変換するための無機物が必要となるのだが、仮に他の無機物をフォトンに変換して花びらに纏わせようとしても、半径33mの円内にある大量の花びらすべてにフォトンを纏わせたいのであれば、それに応じた量の無機物が必要となるだろう。だが、生憎ここには無機物はほぼない。強いて言えばエイプモンキーのメカが無機物と言えるかもしれないが、変換する前に対処を取られるだろう。この作戦を取るなら、別途フォトンに変換するための無機物で構成された物品を持ち込んでおくべきだったのかもしれない。
「武器がないのなら退場するウッキー!!」
エイプモンキーは創造した大量の土で地面と己のメカを覆い、チトセのユーベルコードを念入りに封じてから殴りかかる。チトセも拳の軌道を見切ったり第六感で回避したりするが、やがて死角からマシンに攻撃されて足が止まったところを殴りかかられ、吹き飛ばされた。
苦戦
🔵🔴🔴
大神・零児
敵行動予測
【自身からレベルm半径を覆う自分の意識】意識範囲拡大を封じる
【それを用いた対象全員の意識に触れる感覚】自身の意識を隠すかダミーを掴ませる
【その感覚により敵意を可視化し回避する意識】敵意を隠す
だが、敵意以外の意識すら創造物や所持していたありとあらゆる物に乗り移るし無機物にも存在を保つための意識はある
システム・フラワーズの花も
UC全開
俺の意識拡大を封じるなら俺の意識に触れなければならない
ならば封じようとしている意識に俺の意識を這わし、敵の意識がつながっている創造物やエイプモンキーが乗り込んでいるメカ、又はシステム・フラワーズの花の意識にも俺の意識を這わせ、それらの意識の波を読み回避と攻撃
●意識を這わす
「ウッキッキ! さあ今度はお前かウッキー!」
人狼姿の大神・零児(人狼の妖剣士・f01283)を見てエイプモンキーがはしゃぐが、零児はそれを無視してすらりと刀を抜いた。
「ここを通してもらおう。」
「そう簡単には通さないウッキー。ユーの【無双の意識】対策はすでに考えてあるウッキー。」
己の意識を這わせて相手の意識に触れることで行動を予測し回避するのなら、元を断つように這わせる意識を刈り取ればいい。エイプモンキーは意識を断ち切るべく銃型のスタンガン、テーザーガンを創造し、零児に電線付の電極を撃ち込み、引き金を引く。
「意識を断ち切れば拡大もできないウッキッキ。」
「……っ!!」
強烈な電気ショックに零児の意識が飛びかけるが、かろうじて耐えて【無双の意識】で意識を這わせる。それは『システム・フラワーズ』の花びらのひとつひとつに、エイプモンキーが乗り込んでいるメカに、何よりエイプモンキーの意識がつながっているテーザーガンにも及んでいた。
「そろそろ倒れるウッキー!!」
エイプモンキーが何度目かのテーザーガンの引き金を引く直前、それまで黙って電気ショックを食らうだけだった零児が、突然テーザーガンの電極を引き抜いてエイプモンキーに投げつけた。
「ウキッ!?」
無機物に存在を保つための意識があるかどうかはわからないが、エイプモンキーの意志で生み出された創造物ならエイプモンキーの意識があるだろう。零児はそれを予想した上でエイプモンキーのメカとテーザーガンの電極から意識の波を読み取ってエイプモンキーの動きを予測し、タイミングを合わせて電極を引き抜いたのだ。電気ショックによるダメージは装甲で弾かれるが、不意討ちには十分すぎる一撃だった。
「俺の意識拡大を封じるなら俺の意識に触れなければならない。」
零児は一気にエイプモンキーの懐に踏み込み、刀でメカごと斬り裂く。
「ウキキキキーーーーーッ!!」
確かな刀傷とエイプモンキーの絶叫は、エイプモンキーの想像力と創造力を零児のアイデアが上回った証だった。
成功
🔵🔵🔴
エルト・ドーントレス
POW選択
相手のUCの特性を理解してカウンターを打ってくる…か
なら自分でも想定してなかった使い方のあるこのUCで勝負といこうか
俺のUC守護擬精は異なる特性を持つ3体の擬似精霊を生成する
スルーアは空気や液体を操作できるけど、固体には通用しない
ニグルは原子運動を操作することで強制的に凍結させるけど、真反対の作用をされると相殺される
アウロラは電流を増幅するけど、元になる電流がなければ意味がない
だけど、実践の中でこの3体の特性を組み合わせる新たな戦い方あると知ったんだ
生成した氷を乱気流の中でぶつけ合わせ、生まれた静電気を増幅して雷とする
カウンター狙いでこっちのUCの発動を許したことが間違いだったって事
●擬似精霊のミックス
「ま、まだ通す気はないウッキー……」
エルト・ドーントレス(灰色猟兵・f14009)を目にしても、エイプモンキーは強がるばかり。
「コード実行。パラメータ設定。擬似精霊の生成開始……。」
構わずエルトは擬似精霊を3体生み出すが、エイプモンキーはニヤリと笑って光線銃を創造し、弱点を指摘する。
「その精霊の力でユー自身を強化することはわかっているウッキー。しかし精霊にはそれぞれ弱点があるウッキー。」
【流体を操作する風の擬似精霊】スルーアは、気体や液体は操作できるが固体は操作できない。
【原子運動を停止させる氷の擬似精霊】ニグルは、原子運動を操作することで強制的に凍結させるが真反対の作用をされると相殺される。
【電流を増幅する雷の擬似精霊】アウロラは、電流を増幅するが元になる電流がなければ意味がない。
「精霊をユーに憑かせなければいいウッキー。」
エイプモンキーはエルトに光線銃を撃ち、精霊の特性に反発するシールドを張って自己強化を阻害する。だが、エルトの思惑は全く異なるところにあることを見抜けなかった。
エルトはシールドに構わずニグルに命じて原子運動を操作し空気中の水分を強制凍結、目に見えぬほどの氷の粒を多数生成させる。それをスルーアが空気ごと掻き回して乱気流を発生させ、氷の粒を衝突させて静電気を生み出すと、その場に現れるのは……積乱雲、ないしは雷雲と呼ばれるもの。
「ウキッ!?」
エイプモンキーの周囲で急速に積乱雲が発達し、エイプモンキーを覆い隠す。
「カウンター狙いでこっちのユーベルコードの発動を許したことが間違いだったって事だ。」
エルトはアウロラに命じて積乱雲の中の静電気を増幅する。それは高威力の雷となり、積乱雲の中に閉じ込められる形となったエイプモンキーに何度も何度も落雷した。
「ウッキッキッキー!?」
激しい雷に撃たれ、エイプモンキーはただ逃げ惑うしかできなかった。
大成功
🔵🔵🔵
村崎・ゆかり
真の姿開放。三面六臂の阿修羅の姿。
先の恥を雪ぎに来たわ、エイプモンキー。
「先制攻撃」「高速詠唱」で戦場全体に撒いた不動明王火界咒の符を発火。
炎は「全力魔法」火の「属性攻撃」「呪詛」を乗せておく。
おそらく消火に回るでしょうけど、全てを一度に消せるほどあたしの炎はちゃちじゃない。
消火に気を取られたら、刃の一撃が入るわよ。矛や戟で打ち込みを加え、その先端にも呪符を刺してそこでも火界咒を発火。焼き尽くしてあげる。
私自身は「全力魔法」の「オーラ防御」と「火炎耐性」で炎の中を縦横に動き回る。
炎が燃えると酸素を消費する。そろそろ酸欠でしょ?
さあ、我慢比べよエイプモンキー。どちらが立っていられるか試しましょ。
●散火と消火で根競べ
「ま、また来たウッキー……」
無数の落雷で弱らされたエイプモンキーの前に、再び村崎・ゆかりが現れる。しかしその姿は真の姿……三面六臂の阿修羅の姿だ。
「先の恥を雪ぎに来たわ、エイプモンキー。」
「何度来ても変わらないウッキー。」
真の姿を開放しているとはいえ、1度退けた相手だからこそエイプモンキーは尊大な態度を取る。もちろんゆかりの策も見抜いている。
「今度のユーはそのトランプで炎を撒くつもりウッキー。」
ゆかりは構わず周囲に呪符(トランプ)をばら撒き、素早く【不動明王火界咒】を唱えて発火させる。対してエイプモンキーが創造したのは、圧縮空気で水の塊を霧状にして消火銃から発射する消火システム。
「炎を撒くなら、片っ端から消火すればいいウッキー!」
エイプモンキーが消火銃を構えて発射すると、霧状の水が降り注いだ区域は瞬く間に鎮火していく。だが、ゆかりの六臂―6本の腕からばら撒かれたトランプは次々と炎に変化し、花びらに燃え移って戦場全体を炎で包んでいく。
「全てを一度に消せるほどあたしの炎はちゃちじゃない。」
エイプモンキーが消火作業に気を取られている間に、ゆかりはオーラで炎から身を護りつつエイプモンキーに接近、先端に呪符を刺した矛や戟で装甲の薄い関節部に呪符を撃ち込み、【不動明王火界咒】で発火させる。
「ウギッ!?」
いくら創造したメカとは言え、人型をしている以上関節部の装甲は薄くなりがち。さらに激しく燃え広がる炎によって、瞬く間に酸素が消費されていく。
「さあ、我慢比べよエイプモンキー。どちらが立っていられるか試しましょ。」
「ウキキキキッ?!」
エイプモンキーがすべての炎を消火する頃には、メカの関節部は炎で焦げ、エイプモンキーも酸欠で青息吐息の状態。ゆかりも肩で大きく息をしていたが、密閉空間にいるエイプモンキーのほうが炎と酸欠によるダメージは大きい。
――あと、少し。
成功
🔵🔵🔴
白石・明日香
こういうの考えるの苦手なんだよな・・・
この技は斬撃武器で一刀両断するシンプルなもの。
故に対策も単純。「切れない状態にすればいい」
残像で攪乱しながら接近そこからの不意打ちが狙いと思わせる
予め鞘を用意して置いて切りかかる直前に、可能なら相手のカウンター直前に納刀してブッたたく!その際腕ごと封じられないようにマント越しに武器を手にする(これも直前にやる)鞘だけ封じられているのなら占めたものそのまま抜刀して切り捨てる。それでもだめなら?武器が一つじゃないので。
同様の対策したうえで隠していたもう一刀でたたき切る!相手がどんな強固な鎧をまとっていようが関係ない!それでも駄目なら武器事にやけ面踏みつける!
●斬るか、斬らせないか
(「こういうの考えるの苦手なんだよな……」)
酸欠状態からゆっくりと回復しつつあるエイプモンキーを前に、白石・明日香(十字卿の末裔・f00254)は全てを食らうクルースニクをすらりと抜きつつ思案する。
「ユ、ユーの技は……その刀で斬った対象を切断するウッキー。」
だがそれ故に対策は単純。
「斬れない状態にすればいいウッキー。つまりその刀を振るえないようにすればいいウッキー!!」
エイプモンキーが創造したのは、エイプモンキーの意のままに動く投げ縄。これで明日香の動きを封じるつもりだ。シンプルな構造の創造物だが、マントの上から胴体ごと腕を封じれば刀は振るえなくなる。それが剣技頼みの明日香にとっていかに致命的かは想像に難くない。
元の技がシンプル故に、対策もまたシンプルとなるのは必然。
だが、裏返せばシンプルな対策は……さらにその裏を掻き易い。
明日香は残像で攪乱しつつ接近。投げ縄を投擲される直前にあろうことかクルースニクを鞘に納める。
「ウキ?」
エイプモンキーは気にせず投げ縄を投げるが、マント越しに腕を封じるより早く明日香が抜刀し投げ縄を斬り捨て、そのままの勢いでエイプモンキーのメカの胴体を深く斬り裂いた。
「ウギギギギーッ!!」
明日香は最初から腕ごと封じられる可能性を予測していた。それ故にマント越しに武器を手にして動きを気取られぬようにし、不意を討つことができた。
「これで終わりだぜ!!」
さらに隠し持っていたルーンソードを抜き、エイプモンキーのにやけ面に叩き込むように突き立てる。頭を護っていた透明のキャノピーがその一撃で割れ、エイプモンキーの眉間にルーンソードが突き刺さった。
「無念ウッキー……だがいずれ骸の海から蘇るウッキー!!」
エイプモンキーはメカごと爆発四散し、消滅した。
かくして、猟兵たちはエイプモンキーを討ち取り、『システム・フラワーズ』奪還のための確かな1歩を刻んだ。
成功
🔵🔵🔴