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バトルオブフラワーズ⑨〜マニアックな戦い

作者：夢幻

●エイプモンキー
　システム・フラワーズ内部、それは咲き乱れる花々の空間であった。骸の海より現れしエイプモンキーは、花々が集まった足場に再度出現する。
「ウッキッキ！　ザ・ステージがここまで早く攻略されるとは予想外ウッキー！　しかし、我らが大首領ドン・フリーダム様の元へは猟兵たちは行かせないウッキー！！」
　マニアックな装置を創造し、エイプモンキーは猟兵たちとの戦いに臨む。

●創造の猿
「皆、よくやってくれた。皆の働きのおかげでザ・ステージは攻略され、システム・フラワーズへの道が開かれた」
　百々は猟兵たちのこれまでの奮戦をねぎらう。しかし、ここからはさらなる強敵が待ち受けている。
「システム・フラワーズにて、最初に立ち塞がる敵はエイプモンキーなる怪人だ。貴殿らは、この怪人が骸の海から復活したところを見つけ出して撃破してほしい」
　エイプモンキーは倒してもまた骸の海から復活する。猟兵たちはシステムフラワーズ内部の咲き乱れる花々の空間に復活したエイプモンキーを見つけ出し、戦闘して撃破することとなる。幾度も倒せば、エイプモンキーもいずれ復活は不可能になるとのことだ。
「エイプモンキーは『想像した全てを創造する能力』を持つ強敵だ。我らのユーベルコードに対し、対応した武器や戦術を創造して先制攻撃をしてくるため、それに対するさらなる対策を用意しておらねば勝利は望めぬだろう」
　対策が無ければ勝利は無い。エイプモンキーの想像力を超えるようなマニアックな対策を行う想像力が鍵となるだろう。
「相当な強敵であるが、貴殿らならば必ず討ち果たせるはずだ。この世界を救うため、貴殿らの全力を尽くして欲しい」
　百々はそう言うと、システム・フラワーズへと猟兵たちを転移させていくのであった。

第1章 ボス戦 『マニアック怪人『エイプモンキー』』

POW   :    マニアックウェポン 対象のユーベルコードの弱点を指摘し、実際に実証してみせると、【敵に有効なマニアックな装置】が出現してそれを180秒封じる。 SPD   :    マニアックジェット 【敵のユーベルコードを回避する装置を作り】対象の攻撃を予想し、回避する。 WIZ   :    マニアックマシン 対象のユーベルコードに対し【敵の死角から反撃するマシン】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。 イラスト：柿坂八鹿 👑11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

イヴ・クロノサージュ（《機械天使》花と自然を愛する機械人形・f02113）は召喚した愛用の魔導巨兵に搭乗し、エイプモンキーへと対峙する。機体の光学迷彩とバリア機能を稼働させて立ち向かうイヴに、エイプモンキーは嘲笑うかのように、その創造の力を発動させる。

「キーッキッキ！　光学迷彩付きの兵器なんて、レーダーでバレバレだウッキー！」

　エイプモンキーが創造したのはゴーグル、そして何かの操縦桿。エイプモンキーはゴーグルに搭載したレーダーにて、イヴの居場所を見抜いてくる。

（「エイプモンキーによる先制は受けるしか無いわね･･････でも、その後は攻撃を予測できれば回避もできるはず･･････」）

　イヴはエイプモンキーの初撃を受けることを選択した。しかし、それが彼女の敗因であった。不意にイヴを強い衝撃が襲う。慌ててイヴが機体を確認すれば、機体は大きく抉られ、半壊という状況だ。付近を見れば、ドリル付きの飛行機械が浮かんでいる。エイプモンキーの創造したそれが、死角より彼女の機体を襲ったのだ。多少の防御機構があろうとも、それは全壊を半壊に抑えた程度、そもそも姿の隠蔽に主眼をおいた機体では、強大なオブリビオンのユーベルコードを受け止めるのは厳しかったのだ。

「くっ、せめて一撃は叩き込むわよ」

　エイプモンキーの操縦を受け、転回して再度突っ込んでくる飛行機械を見て、イヴは半壊した機体での回避を諦める。そしてイヴは、ブラスターアームによるビーム砲撃をエイプモンキーに向けて発射する。

「そんな攻撃じゃミーは倒せないウッキー！」

　多少のダメージこそ与えられたようだが、そこまでだ。イヴは破壊された魔導巨兵より離脱し、戦場から撤退するのであった。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

　続いて現れたリコリス・ミトライユ（曙光に舞う薔薇・f02296）と蒼焔・赫煌（ブレイズオブヒロイック・f00749）の姿を見て、エイプモンキーは対応した装置を創造する。それは小型の宇宙船であった。

「キーッキッキ！　そっちの奴の攻撃は近距離で無いと使えないウッキー、距離を取りながらビームで攻撃すれば封殺だっキー！　そしてそっちの奴の攻撃は炎中心、それなら大気圏突入の熱すら耐えるこの装甲には効かないウッキー！」

　二人で挑む猟兵に対して、両方に対応する装置を創り出すとは、エイプモンキーの想像力は驚嘆に値する。しかし、それでも、この世界を守るため、猟兵は負けられないのだ。

（「あたしにも作戦はありますし･･････あっ！」）

　エイプモンキーの対策に対して、地面に穴を開け、砕いた石の散弾で攻撃する目論見だったリコリスは、自身の失敗に気づく。そう、この戦場は咲き乱れる花々が集まってできた足場、つまり地面も石も存在しないのだ。

「大丈夫です！　まずは敵の目を眩ませましょう！　それそれそれそれっ！」
「了解です。　たあっ！」

　エイプモンキーのビーム射撃に晒されつつも、二人は対処を始める。赫煌がキックと一緒に炎の放射をすれば、エイプモンキーの付近の花びらは燃え上がり、炎に包まれる。そしてリコリスが足下へ向けて打撃を放てば、大量の花びらが舞い上がり二人の姿を隠すのであった。

「だから炎は無駄だウッキー！　そして、いくら身を隠そうとも、近づかなければ問題ないウッキッキ！　･･････・ウキ？」

　離れて様子を見るエイプモンキーであったが、花びらが落ち着いたところで、その場に猟兵の姿は無かった。一体どこへ行ったのかと周囲を見渡すエイプモンキーの横合いから、炎を突き抜けて二人の姿が現れた。正義のためなら、炎に焦がされる程度がなんとしたことか。赫煌は勇気と気合いで炎の花園を突破、背負うリコリスをエイプモンキーの至近距離まで送り届けたのだ。

「打ち抜きますっ！　ふっとべぇっ！」
「ウキーーー！？」

　至近距離より放たれるリコリスの一撃は、小型宇宙船ごとエイプモンキーを痛打する。

　ビーム射撃に晒されたことと、炎の中を突破したことで二人の猟兵もダメージは甚大だ。しかし、彼女たちはエイプモンキーに確かなダメージを与えたのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

「くっ、あの装甲、羽、胸！　猿のくせに分かってるじゃない！」

　続いてエイプモンキーの元へと辿り着いたのはヘスティア・イクテュス（SkyFish団船長・f04572）だ。どうもエイプモンキーの姿は彼女の琴線に触れたようだが･･････目の前にいるのは強大なオブリビオンだ。ヘスティアは自らの気持ちを抑え、『妖精兵団フェアリーズ』を展開、200体にも迫るかという大量のフェアリーズを召喚する。しかし、当然のようにエイプモンキーは創造の力によって、ヘスティアの兵団に対策を行う。

「キーッキッキ！　いくら数が多くとも、防御力は弱いウッキー！　このサンダーボムで一網打尽ウッキー！！」

　エイプモンキーは創造したバナナ型の爆弾をヘスティアの頭上へと放り投げる。そのサンダーボムは空中で爆発、広範囲に雷撃の雨を降らせてくる。

「まずいわね。これじゃあフェアリーズ使い潰すまでもなく全滅よ！？」
「させないわよ！　聖槍よ。私の声に応えてっ！　皆を守る力を……！　《聖槍聖域》プリズム・セイントランス！！」

　間一髪、雷撃の雨は飛び込んできたイヴが聖槍から展開したバリアフィールドにて防がれた。フェアリーズの対策として作られたサンダーボムは、攻撃範囲こそ広いものの、威力はかなり低い。真の姿を現わしたイヴの聖域を持ってすれば、完全に無効化ができるのだ。

「性懲りもなくまた来たウッキーね！　その聖域を展開している間は動けない。超火力で貫いてやるウッキー！！」

　再び相まみえたイヴに対し、エイプモンキーが創造したのは戦車だ。ただし、砲塔の代わりに巨大なドリルのついたドリル戦車とでも言った物だ。大質量の戦車はドリルを唸らせ、イヴへと向けて突進してくる。

「またドリル兵器だなんて、凄く浪漫で素敵な武装だわ！　でも、アレは流石に防御しても受けきれなそうね」
「今度は私が助ける番ね、フェアリーズ！！」

　ヘスティアがフェアリーズへドリル戦車の足止めを指示すると、フェアリーズはドリル戦車へ向けて数体ずつ突っ込んでいく。下手に全軍突っ込ませても、ドリル戦車のダメージ覚悟で先ほどのサンダーボムを使われればフェアリーズは耐えきれない。この場は足止めが最善だろう。しかし、次の手が無ければ猟兵たちに勝ちはない。

「どうやら私が駆けつけたところ苦戦しているように思えるな。ヤツは相当強いな――？」

　そんな折、クー・フロスト（《甦生氷姫》武人たる者、常に鍛えよ・f08503）が戦場に到着した。戦況は苦戦と言っても差し支えない状況だが、それはつまり彼女のユーベルコードの発動条件を満たすと言うことだ。

「前世の私よ。力を貸せ、《オーバーソウル》―――なに？」

　クーはユーベルコードによって前世の自分の霊を召喚しようとするも、肝心の霊が現れない。慌ててエイプモンキーの方を見れば、怪人の背後には祭壇が出現していたではないか。

「ウッキッキ！　ミーの創造した除霊祭壇がある以上、この戦場に霊はこれないウッキー！」

　如何に前世のクーの霊が強大な力を持とうとも、召喚できねば意味が無い。

「くっ、便利な創造能力だな。召喚さえできればいかようにもできるのだが･･････」
「なら、あの祭壇を破壊すればいいのね」

　クーの力を解放するため、ヘスティアはティターニアを全開にしてエイプモンキーの元へと突撃する。

「兵隊も連れずに何ができるウッキー！」

　単独で迫るヘスティアに、祭壇の前に仁王立ちして立ちはだかるエイプモンキー。創造の力なくとも、その鋼の肉体は十分に驚異だ。ヘスティアの放つビームライフルも、ビームセイバーによる攻撃もその体で受け止め、豪腕を振り回してヘスティアを狙う。しかし、そんなエイプモンキーの背後でガシャンと音がする。エイプモンキーが振り返れば、除霊祭壇は3体のフェアリーズによって壊されていた。

「いつの間に！？　兵隊は連れていなかったはずウッキー！」
「服の中に隠していたのよ！　後は射撃の光に紛れ込ませれば、ね」

　地団駄を踏んで悔しがるエイプモンキー、そして祭壇が壊れたということは、クーの出番だ。

「《死神の力》が発動した以上、私たちの勝ちだ。貴様の能力は有用で多芸、だが、もう無意味だ。喰らいつけ、死神の鎌《ソウルイーター》」

　クーが死に神の鎌を一閃すれば、未だフェアリーズの妨害を受けつつもイヴへと迫っていたドリル戦車が両断された。

「まずは運命操作、そして、時間操作で終わりだ」

　クーは自分のみならず、仲間の時間すら操作する。エイプモンキーが動けないままに、まずはクーの鎌による斬撃がその身を襲う。そして、ヘスティアと残るフェアリーズの射撃が突き刺さる。最後のトドメはイヴだ。

「貫くわよ！　聖槍よ！！」

　イヴの投擲した聖槍は、エイプモンキーの胴体に大穴を開けて貫通した。

「運命操作とか時間操作なんてずるいウッキー！」

　ずるいと言うなら、エイプモンキーの創造能力こそずるいだろう。エイプモンキーは爆発し、骸の海へと還っていった。そう、猟兵たちの連携は、創造の力をも超えたのだ！

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

最終結果：成功 完成日:2019年05月09日