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バトルオブフラワーズ⑨~猿を花から落とせ

#キマイラフューチャー #戦争 #バトルオブフラワーズ #エイプモンキー

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●マニアック決戦開始
「キマイラフューチャーの戦争はいい盛り上がりだよ。ありがとう」
 集まった猟兵たちを前に、水島・可奈(少女自由に夢幻を掴め・f01117)は頭を下げた。
「いよいよシステム・フラワーズ内部への道が開いた」
 それは猟兵たちがステージでオブリビオン・フォーミュラを倒そう、そのためにここを乗り越えようと頑張った結果であり、その報告は猟兵たちにとって良いものであった。
「システム・フラワーズ内部にいる猿――怪人幹部のひとり、マニアック怪人『エイプモンキー』。こいつの討滅が今回の依頼。システム・フラワーズの内部は咲き乱れる花々の空間の中、花々が集まって足場になっている仕組みみたい。まさに『システム・フラワーズ』なわけだ。エイプモンキーが存在する限りは、全ての花の足場がエイプモンキーに繋がる上、その先に進む道は出現しない。だから一気に倒す必要がある」
 エイプモンキー、また安直なネーミングではある、が、幹部級オブリビオンとして出た以上、油断は禁物だ。万が一ここで取り逃がすと、『ザ・ステージ』の状況次第ではしばらく手を出せない可能性もある。
「ただこいつ――予知によると、『自らの想像力が及ぶ限りのあらゆるものを創造できる能力』を持つ強敵らしい。こいつを使って猟兵みんなのユーベルコードを無効化する武器や戦術を創造し、一方的に攻撃するような戦闘を行ってくるみたい。おまけに銀河帝国の時みたいな先制攻撃ときた」
 じゃあどう対策すれば、と猟兵たちがざわめく中、可奈は続ける。
「――なんか、マニアックな理論とかアイデアとかがあればあるいは――かもね。とにかく、対策は十分に取ってほしい。――銀河帝国の時を思い出してほしい。たまにいるんだよ、こういう先制攻撃してくる奴。あと、この依頼は『超高難度依頼』と認定されている。気をつけてほしい」
 そこまで言うと、可奈は頭を下げた。
「キマイラフューチャーはやっぱ楽しい――だからこそ、ここで消えるわけにはいかないんだ。みんな、お願いね」


結衣謙太郎
 結衣です。マニアック怪人との決戦です。ちょっと戦い方が特殊なので以下も参照。

 エイプモンキーは、猟兵が使用するユーベルコードの設定を元に、そのユーベルコードを無効化する武器や戦術を創造し、回避不能の先制攻撃を行ってきます。
(ユーベルコードで無効化したり相殺した後、強力な通常攻撃を繰り出す形です)
 この攻撃は、ユーベルコードをただ使用するだけでは防ぐことは出来ません。
 この先制攻撃に対抗する為には、プレイングで『エイプモンキーが自分のユーベルコードに対抗して創造した武器や戦術を、マニアックな理論やアイデアで回避して、攻撃を命中させる』工夫が必要となります。
 対抗するためのプレイングは、マニアックな理論であればあるほど、効果が高くなります。

 決戦依頼は失敗の可能性もいつもより高いということは気をつけてください。皆様の心のこもったプレイングをお待ちしております。
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第1章 ボス戦 『マニアック怪人『エイプモンキー』』

POW   :    マニアックウェポン
対象のユーベルコードの弱点を指摘し、実際に実証してみせると、【敵に有効なマニアックな装置】が出現してそれを180秒封じる。
SPD   :    マニアックジェット
【敵のユーベルコードを回避する装置を作り】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ   :    マニアックマシン
対象のユーベルコードに対し【敵の死角から反撃するマシン】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。

イラスト:柿坂八鹿

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

大神・零児
敵行動予測
【自身からレベルm半径を覆う自分の意識】意識範囲拡大を封じる
【それを用いた対象全員の意識に触れる感覚】自身の意識を隠すかダミーを掴ませる
【その感覚により敵意を可視化し回避する意識】敵意を隠す

だが、敵意以外の意識すら創造物や所持していたありとあらゆる物に乗り移るし無機物にも存在を保つための意識はある
システム・フラワーズの花も

UC全開
俺の意識拡大を封じるなら俺の意識に触れなければならない
ならば封じようとしている意識に俺の意識を這わし、敵の意識がつながっている創造物やエイプモンキーが乗り込んでいるメカ、又はシステム・フラワーズの花の意識にも俺の意識を這わせ、それらの意識の波を読み回避と攻撃



●戦いの幕開け
『キー! ウッキー! 猟兵、来るなら来いウッキー!』
 道を塞ぐように待ち構えるエイプモンキー。そこに一番槍を仕掛けたのが大神・零児(人狼の妖剣士・f01283)だ。
「第六感の、その先――セブンスセンスよ、目覚めろ」
 瞬間、零児は花を蹴り、駆け出しながら己の意識を広げていく――が。
『キー! わかっちゃったっキー!』
 想像。それは意識の拡大。広く、広く感覚を拡げ、世界のすべてを自分の感覚のもとにおさえようと言うもの。
 ならば。創造。エイプモンキーはロボの機体を変形させると、あちこちに何かをばらまく。――爆弾だ。
『この苦痛に抗えるっキー?』
 そう。爆弾をばらまくということは、拡大したその意識のあちこちに、不快な痛覚が襲いかかるということ。それはまるで、全身を痛みが襲うかのように――零児の顔をゆがませていく。
『キー! 予想通りっキー!』
 エイプモンキーが嬉々として爆弾をばら撒きながら零児に近づいていく。
(――ああ、そうだ。確かに今、爆弾に意識があちこち持ってかれている。――だが)
『もらったっキー!』
 エイプモンキーが強烈な一撃を零児に浴びせ――

 ――られなかった。
 零児は紙一重でよけた。
『――ばかな、なんでっキー!?』
「――敵意が見え見えだ」
 今や零児の意識は爆弾やエイプモンキーが乗り込んでいるメカ、果てはシステム・フラワーズの花にまで来ている。それはエイプモンキーの想像通りだ。
 ――だが。想像できなかったこと。それは。【その感覚により敵意を可視化し回避する】力があること。
『キー! こうなったら、敵意を見せないように、無差別に――』
「遅い」
 この隙にエイプモンキーに近づいていた零児。今なお続く爆弾への意識に苛まれつつも、エイプモンキーの、爆弾を再び生成する時に一瞬見えた敵意を覚え、確実に――
「――起きろ、【魂喰(たまぐらい)】」
 妖刀を引き抜くと、エイプモンキーのメカのコクピットに斬りかかる。その攻撃は果たして有効打となり、刺激が今まさに発射されようとしてた爆弾を爆発させる。それはメカの頭部分を破壊してエイプモンキーにひとつ、ダメージを与えた。

成功 🔵​🔵​🔴​

アリス・セカンドカラー
アリスインワンダーランドの弱点、それはボケ殺しだ。ネタにマジレスされたらどうにもならんし、後は非力な少女をインファイトで蹂躙する簡単なお仕事です……て、思うじゃん?
回避不能なら回避しなければいい。念動力による盗み攻撃で攻撃が保有する諸々のエネルギーを奪うことで威力を軽減し、念動力由来の怪力を発揮するサイキックヴァンパイアで武器受けしシールドバッシュで態勢を崩して早業のマシンガンジャブで反撃よ。
ユベコは魔術師タイプだけど、実は私パワーファイターなのよね、ごめんあそばせ☆
後は早業の盗み攻撃で攻撃の機会を奪い潰し或いは利用して拳で騙る殴り愛よ♡


いつからガチンコファイトができないと錯覚していた?



「苦しく狂った現実ならば♪ 楽しく狂った妄想に♪ 上書きしましょう♪ そうしましょう♪」
 触手と共に歌を歌いながらここの概念を改変していくアリス・セカンドカラー(不可思議な腐海の笛吹きの魔少女・f05202)。
「これでお花さんともお話しできるわね、ねえ、そこのお花さん、あいつを押さえるの手伝ってー♪」
 メルヘン世界とかだとよく花が喋る的なものあるでしょ? あれみたいなものをしようとしているのだ。

 ――だが。
『いや、その花は喋らないキーよ? 何をしても喋らないキー』
 ――ピシ。概念空間にヒビが入るような音が聞こえる。それはアリスのUCが、マジレス、ボケ殺しという弱点により壊される音――
『――ネタにしか生きられない存在は死ぬがいいっキー!』
 エイプモンキーは一気にジェット噴射でアリスを掴みにいき、床にたたきつけるとどっかの吸血鬼みたいな連続パンチを叩きつける。こいつ女子供に容赦ない。赤い飛沫がたまに出る。ホント容赦ない。
 ――だが。
(――ふっ)
 アリスは少しほほ笑んでいた。得意の念動力で攻撃のエネルギーを奪うことで威力を少しでも軽減し、念動力由来の怪力を発揮するサイキックヴァンパイア(あの触手っぽいやつ、実はアリス自身もガワ以外はこれ)で受ける。
『なぜ、なぜそんな笑っていられるっキー! 魔術師系が、この攻撃に耐えきれるはずが――』

「――いつからガチンコファイトができないと錯覚していた?」

 ――固定観念。観測者にしろ当事者にしろ、それは等しく起きうるもので、気をつけないといけないもの。
 アリス・セカンドカラーというと、どうしてもネタキャラや魔術師系キャラというイメージがある。確かにそうだろう。実際UCは魔術師系なのだから。
 ――だが、世の中、そうやって在り方、あるいは真の力を隠す存在もいるのだ――そう、彼女のように。
 アリスは勢いよくシールドバッシュでエイプモンキーの態勢を崩させると、すぐにマシンガンジャブで反撃する。さしずめあの帽子をかぶった吸血鬼を宿敵とする青年のように。
 そこからは完全に主導権はアリスのもの。吹き飛ばしたエイプモンキーをさらに追いかけて殴り、追いかけて殴り、というように相手の攻撃機会を潰しつつ立ち回る。
「ユベコは魔術師タイプだけど、実は私パワーファイターなのよね、ごめんあそばせ☆」
 エイプモンキーが体制を整えたところで、アリスがそうつぶやくとエイプモンキーもぐぬぬというような顔をした。

成功 🔵​🔵​🔴​

フロッシュ・フェローチェス
……何とも厄介な能力を使って来るクソ猿だな。封じる事は出来ないなら、それを利用させて貰う。

オマエがしっているかどうかは知らない、けれど――だからこそ弱点がはっきりしているこのユーベルコードを使わせて貰う。
喰らえ、睨砲『バーズ・アイ』を……っと、ああやっぱりそう来るよね?
右眼を封じ、間に合わなくても盾で相殺する。

だからオーバーリアクションで驚いてやるよ。……本命はお前の真下に居る、生きた鎖・咆蛟炉。
そいつが巻き付き食いつく一瞬の隙を狙って、『加速式』超出力の真なる早業――そして衝撃波をアタシの傍でブッパなっての、自爆式豪速蹴りだ。
激痛耐性はある、こらえ、こらえて―――お前の面を粉砕してやるよ!



「覚悟しろ」
 エイプモンキーが体勢を立て直すよりも前にフロッシュ・フェローチェス(疾咬の神速者・f04767)は飛び出していく。――視認できればいい、捉えた――
「【睨砲『バーズ・アイ』(ヒートスナイプ・バーズ・アイ)】!」
 フロッシュの緑の目が一瞬光ったかと思うと熱視線が――

「!? ……やはりそうくるよね」
 フロッシュは熱視線を放つ前に右眼をつぶりのけぞって急遽キャンセルして着地する。それはエイプモンキーが放った――閃光弾によるもの。
『キキキー! 飛び出す時点で視認攻撃なのはわかるっキー! なら目を潰しちゃえばいいウッキー!』
 ということでエイプモンキーは閃光弾を創造し、放ったのだ。エイプモンキーも効果範囲から逃れるためマシンの中に隠れているが、フロッシュの攻撃をキャンセルさせるには十分。そのまま追撃をかけに来る。
「――だけど、これで終わりじゃない」
 そう――これは油断させるためのオーバーアクション。本命は、すでに――
「――巻き付け、【咢鎖・咆蛟炉】」
 機械生命体の蛇のような鎖がエイプモンキーのマシンを下から締め上げる。エイプモンキーはこれには気づけない! 死角だ!
『ウッキー!? これは何キー!?』
 その一瞬の隙を――見逃すフロッシュではない。

 彼女には速さしかない。
 彼女は速ければそれでいい。
 彼女には、速さ以外何もいらない――

 コンマ、いや、フェムト1秒だろうか――次の瞬間にはすでにエイプモンキーのマシンの頭には彼女の足があり。
 それは止まって見えた。――否。止まっているのではない。この瞬間にも、攻撃は続いている。月が高速回転を続けて同じ面を見せているように。フロッシュは高速の蹴りと衝撃波をつづけてブチ当てていた。
 もはやそこに自分が衝撃波の反動を喰らうとかは考えてなかった。ただ、そのツラを粉砕する――それのみ。

 嗚呼、だが――予想外に固い。
 罅こそ入れられたが、そろそろ不味い。エイプモンキーの攻撃が来てしまう。
 最後の衝撃波蹴りを放つと、その勢いそのまま素早く離脱して後を任せるのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ユース・アルビトラートル
 出たなぁ、サルサル!

 さて、マニアックな対抗策、かは分からないけど。目指すは「カウンターの可能性の排除」。まあ、聞いてくれたほうが早いよ。

1.エイプモンキーのユーベルコード使用及び他者加害を禁ずる。
2.これらの効果は、一般的な語法で解釈する。
3.すべての効果は、重ねて効力をもつ。
4.効果の撤回、追記および訂正は、本ユーベルコード行使者の自由意志による。

 1番は「喋れなくさせればよい」という可能性を真っ先に排除するため。口さえ動けばこちらのものさ。2は飛躍した解釈を認めないため。3は確認。最低でもそこまでやれば、安全に「当たるまで」攻撃できるわけだね。そして4は、危ないし無視しておこう。原則。



「出たなぁ、サルサル!」
『だれがサルサルだウッキー!』
 いや口調が完全に猿だし! というツッコミをぐっとこらえて出てきたユース・アルビトラートル(Arbitrator・f03058)。
「今日はボクが裁きを与えに来たよ! キミはやりすぎた!」
『ふっ、裁けるもんなら裁くっキー!』
「じゃあ――【エイプモンキーのユーベルコード使用及び他者加害を禁ずる】」
『!? キー!』
 エイプモンキーはわかってしまった。これは言霊系のUCだ。ならば相手の口を塞げばいい。そう解釈し、口を塞ぐようなガムテープのようなものを作る。
 だが、創造の力もまたUCだ。違反行為に魔術の力がエイプモンキーのマシンを締め付け、ガムテープを投げさせない。
(くっ、どこか抜け穴は――)
「【これらの効果は、一般的な語法で解釈する。】」
(!?)
 エイプモンキーは抜け穴を探して脱却しようとしていたが、これで封じられた。
「【すべての効果は、重ねて効力をもつ。】――これで、安全にできる。だけどさらにもう1つ」
 ユースはゆっくりエイプモンキーに歩み寄ると4つ目の理を言う――
「――【効果の撤回、追記および訂正は、私の自由意志による】」
 もはや改竄すらできない。エイプモンキーの弱点は、創造したもので対抗すると言うことだ。ならば、ここまで拘束すればいい。破ったら魔術が相手の体を拘束する。

 ――だが、そこまでだ。
 ――魔術で体を拘束するまでなら。それを防げばいくらでもやれるということ。
『キキキ……ならマニアック装置発動キー! これは術による拘束を無効にするものっキー! これならUC使いまくって拘束されても安全っキー!』
 装置が発動し、拘束が無効化される。それにユースは焦りを覚えた。カウンターの可能性を排除しようとするところまではよかったが、ペナルティが甘かった。【ペナルティを無力化すれば、いくら破っても問題なく戦えるのだ】。
 焦ったユースをエイプモンキーのマシンがつかみ上げる。
『裁くのはこっちだっキー! お前らのような猟兵は全員有罪、処刑っキー!』
 そのまま地面に投げると思いっきりパンチを叩きこんだ。喉から熱く赤いものが出て、意識がもうろうとする。それでも意地とフェアリー特有の小さく軽い体でどうにか連続攻撃からは脱出するユースだった。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

竹城・落葉
 【POWで判定】
 まずはここまで来れたようだな。さて、まずは奴を倒すとしよう。気を引き締めていくぞ。
 我は『極術一閃』を発動する。防げるものなら防いでみろ!
●「切れろ」という言葉で斬る
●殺意を込めた視線で斬る
●敵意を込めて指さす事で斬る
●殺意という負のオーラを醸し出し、居心地の悪い雰囲気を作り出して斬る
 さて、こうした言語及び非言語による攻撃に対しては、我の脳に影響を与えて思考を妨害して防ごうとするだろう。ならば、『極術一閃』で自身の脳の神経を切断して妨害を無効化し、脳の特定部位に損傷を与える事で病人の如く、攻撃行動を全自動ロボットのように繰り出るぞ。相手が防御するなら力業で押し通す!



 言葉で攻めようとした存在はユースだけではない。
「まずはここまで来れたようだな。さて、まずは奴を倒すとしよう。気を引き締めていくぞ」
 竹城・落葉(一般的な剣客……の筈だった・f00809)。テレビウム・ロックの時も言霊を用いて活躍しようとした存在である。
『キキキ、来るなら来いっキー!』
「――【斬れろ】」
 殺意をこめてエイプモンキーを見、指さしながらそう言った言葉。テレビウム・ロックの時もこのような言霊による攻撃を使っていた。
『! ……それが鍵っキーね!』
 しかしエイプモンキーはその時よりはるかに強い。すぐにこれが落葉の【認識】による言霊と判断し、創造するは電磁波装置。斬傷をものともせずそれを落葉に放つ。
「っ、脳を焼く気か――」
 落葉はすぐに本能的によけてしまう。だが、相手もこのように強い存在というのは落葉も重々承知だ。
 ――では、落葉がとった対策。それは。

【斬れろ――我が脳よ】

『――なっ!? 自分の脳をやるっキー……!? こいつ……相当クレイジーっキー!』
 そう、ターゲットにしたのは【自分の脳神経】。まさにエイプモンキーが電磁波で破壊しようとしていたものを、その前に自分から破壊したのだ。
 ぐったりとする落葉。ただの自爆か、それとも――
(――いや、違うはずっキー。何か理由があるはずっキー……それは――何っキー?)
 想像が追いつかない。わざと自爆してまで――

「――」
 その時、ゆらりと落葉が動き出した。刀を持ち、思いっきりエイプモンキーに斬りかかる。それを防ぐエイプモンキーだが、全く落葉の表情も行動も見えない。これじゃまるで――
『――ゾンビみたいっキー……!? まさか!? これが最初から狙いっキー!?』
 そう、相手が脳破壊で阻止しようとするなら。【最初から脳を損傷させればいい】。落葉は今や病人の如く、攻撃行動を全自動ロボット、あるいはゾンビのように繰り出している。単純、かつ単調なように見えるが、それは予測がしにくいものであり――
(――してやられたっキーね)
 エイプモンキーも次々に盾を創造して防ぐしかなく防戦一方。辛うじて盾で防ぐと同時に素早く足で蹴り飛ばし遠ざけるが精一杯だった。問題の先送りとはわかっていても――

成功 🔵​🔵​🔴​

ロバート・ブレイズ
「想像を創造する。面倒な相手だ」
自身を普遍的無意識の領域。即ち、空間と同化させる
対象の魂を取り込みながら鉄塊剣で殴り潰す
おそらく『不可視』の存在を『可視』に戻す装置を作り、回避するだろう
故に『普遍的無意識の領域』が空間以外でも在る事を思考し

『時空』と同化する事で過去現在未来、何処からでも攻撃可能と見做す。人類総てが『無意識』に思う事柄とは過去現在未来、何処においても同じで在る。故にロバート・ブレイズは『全にして一、一にして全』だ
「貴様の存在を冒涜・否定の領域に導いて魅せよう。人類の最も旧く最も強烈は感情は恐怖で在り、此の無意識を無くす術は皆無だと思考せよ」



「想像を創造する。面倒な相手だ」
 分析しながら次に現れたロバート・ブレイズ(Floating Horror・f00135)。あれ、邪神以外に興味示すんだ……
「貴様、私の予知に邪神が多い事象と私が参戦する依頼は別と思考せよ。私は銀河皇帝と戦ったこともある」
 あ、そうですか、大変失礼いたしました……
「兎角。相手が面倒ならば私もまた相手するは道理。ならば私はこれで相手をしよう。我こそが冒涜の王。我が肉体こそ精神世界〓削除済〓で在る。貴様等を此処に招待しよう。我が国の民と見做すのだ。光栄に思うが好い」
 ロバートの姿が虚空に溶けていく、それを見たエイプモンキーは。
『空間に溶け込んで不可視になるつもりっキーね、それならこれっキー! このマニアック機械で不可視は全て可視になるっキー!』
 なんということでしょう。ついに「どうすればできんのそれ」な装置を作りやがりましたこいつ。でもそれができるのがユーベルコード。奇跡の力ユーベルコード。
 エイプモンキーはそれを発動する。するとロバートの姿がだんだん見えて――

『――? なぜ見えないっキー?』
 おかしい、何か間違えたのか? エイプモンキーは頭を掻く。と、そこに。
「否、貴様は総てを正しく捉え、総てを不正確に捉えている」
「総ては我、我は総てだ」
「我は無意識に潜むもの、神話的存在、集合的無意識の一つ」
「集合的無意識は空間だけではなく、【時空を超えても等しい】ことを思考すべき」

 唐突だが、何言っているの、という読者のためにも少しだけユング心理学について触れよう。
 ユング心理学では精神は意識と無意識にわかれ、無意識は個人的無意識と集合的無意識にさらに分かれる。個人的無意識は過去の経験などから形成され、コンプレックスなども主にここから生まれる。一方集合的無意識は普遍的無意識とも呼ばれ、それは存在が無意識下でつながっている、共通に考える無意識と考えられる。例えば古代の神話などがそれであり、ある存在の精神分析をするとどこかの神話に似たものが出るなどもあるのだ。ほんとは元型とかペルソナとかシャドウとかもう少し語りたいが割愛。

 ロバートが溶け込んだのはこの集合的無意識。それはまさしく、〓削除済〓として存在に根付いたもの。
「人類の最も旧く最も強烈な感情は【恐怖】で在り、此の無意識を無くす術は皆無だと思考せよ」
「否定せよ」
「冒涜せよ」
「否定せよ」
「冒涜せよ」
「否定せよ」
「冒涜せよ」
「否定せよ」
「冒涜せよ」
 四方八方、時空を超えてマシンの中から聞こえるそれにエイプモンキーは混乱。そして襲いかかるのは――鉄塊剣による魂を抉る攻撃、だが――いわゆる【攻撃の正体がつかめない】状態。エイプモンキーはただ、攻撃を受け続けるしかなかった。

成功 🔵​🔵​🔴​

アルテミス・カリスト
「これが怪人たちの幹部ですか!
この正義の騎士アルテミスがお相手しますっ!」

大剣を構えて【聖なる大剣】を発動します。

この技の弱点は、『騎士のお約束的なピンチに陥りやすくなる』こと。
恐らく、相手は触手とかスライムとかを生み出すマニアックな装置を創造するに違いありません。

『誘惑』してわざとそういう装置を作成させましょう。

「ですが、そのようなものは無意味です!
なぜなら、騎士とは強敵相手には本来以上の力を発揮するからです!」

普段はともかく、シリアスモードの私にそのような攻撃は通用しません!

敵の先制攻撃は『オーラ防御』と『武器受け』でいなし、『ダッシュ』で間合いを詰めて『怪力』で聖剣を突き立てます!



「これが怪人たちの幹部ですか! この正義の騎士アルテミスがお相手しますっ!」
 意気込んで現れたアルテミス・カリスト(正義の騎士・f02293)……なのだが。
『キー! どう、どうすれば……っ、まずい、次が来たっキー!』
「……えーと、大チャンスでしょうか?」
 だね、ロバートの攻撃がすごくって。
「さあ! 触手でもスライムでも蛆虫でも何でも来なさい!」
 アルテミスは大剣を構え、相手を挑発する。
『キキー! じゃあ遠慮なくそうするっキー!』
 こいつ猿頭だからね、挑発乗っちゃうのよ。UCの弱点として想像できたからもあるけど。エイプモンキーが創造したのはもろに、触手とかスライムを創造して放つ装置。MADE IN アルダワ、ではない。MADE IN MONKEYだ。
『ぽちっとなー、キー!』
 スライムや触手が大量に意思を持ったようにアルテミスに襲いかかる。……普段のアルテミスならやられている。

 普段なら。

「ええ、確かにこのようなものは苦手です――それは認めます」
 少し顔を赤らめ、色々思い出しながら言うアルテミス、だが。
「ですが、今はそのようなものは無意味です! なぜなら、騎士とは強敵相手には本来以上の力を発揮するからです!」
 なんだ!? このアルテミスのキリッとした目つきは! 銀河皇帝の時を思い出す!
「はあぁぁぁぁっ!!」
 迫りくるスライムや触手を、彼女の纏ったオーラと剣が捌く。そして勢いよくエイプモンキーに接近し――
「覚悟!」
 エイプモンキーのマシンの頭の透明な防御フィルター――そこに、ついに剣を突き立てた!
 ――シリアスモードのアルテミスは、どこか違う。むしろ今までやられていたのは【お約束】だからなのか、それともあえてそういう振りをしているのか。女は怖いものである。
『キー!? 盾、盾――』
「っぁぁぁああ!」
 一度剣をひっこめると、一気に叩っ切る!

 ――ガシャーン!
 エイプモンキーのマシンの頭のコクピットの防御壁――それは、この攻撃でついに砕け散った! エイプモンキーの本体がついに見えたのである!
『キー!?』
 エイプモンキーは焦らざるを得なかった。正体不明の攻撃に苛まれているのに、ここからは直接攻撃が飛んで来る可能性もあるのだから――

成功 🔵​🔵​🔴​

蒼汁之人・ごにゃーぽさん
……弱点?御光臨頂くまでどんなのが来るのかわからないのだが。
もう、召喚を阻止するしか対処しようがないんじゃね?
だが、召喚を阻止されようとも祈りと呪詛までは止められぬ。我に幸運を、彼の者に不運を。
先制攻撃は体格差的に奴は踏み潰しにくるだろう、だが、呪詛でタンスの角に小指をぶつけるような不運をプレゼントだ☆例え御光臨が実現しなかったとしてもごずなり様の加護は我に有りだ。
さて、ごずなり様の御光臨を邪魔した罰だ、蒼汁属性攻撃の呪詛でいつまでも終わらぬ宇宙的狂気な味を魂に直接刻んであげよう。



「ごずなり様ごずなり様ごにゃーぽごにゃーぽ☆」
 さっきからなんか後ろで呪文みたいなのが唱えられていると思ったら蒼汁之人・ごにゃーぽさん(偏在する混沌の媒介・f10447)だ。
『キキー! 見つけたっキー!』
 エイプモンキーはごにゃーぽさんのもとにいくと思いっきり足でスタンピングして踏みつぶそうとする。
「我に幸運を、彼の者に不運を――ふぎゃ!?」
 あ、ごにゃーぽさん潰された……召喚も阻止され、これでシーンエンド――いや、待て? なんか出てない?
「ふ、ふふ……ごずなり様の召喚は止められてもボクの祈りと呪詛は止められない……例え御光臨が実現しなかったとしてもごずなり様の加護は我に有り、だ。」
 なんか足元からヌルリと出てきたごにゃーぽさん。肉体がフェアリー……フェアリー? だよね? なので小さいからこそできることだ。
「そして君にはタンスの角に小指をぶつけるような不運をプレゼントだ☆」
『キー、何を言っている! それこそ呪詛を無効化するこのマニアック機械で――』
 と言いかけた瞬間、足元がぐらつく。
『キ、キー!?』
 箪笥ではないが、ごにゃーぽさんの乗るハルキゲニア型ペットロボに小指をぶつけてバランスを崩し、そのまま横転からの仰向け倒れ。ついでに創造した呪詛無効機械も自分の小指にぶつけてバウンドして明後日の方向に飛んでいった。
『ああっ! キー!』
「だから言っただろ? ――さあて」
 ごにゃーぽさんはこれ以上ないほど邪悪な笑みでエイプモンキーに近づく。
「ごずなり様の御光臨を邪魔した罰だ、蒼汁属性攻撃の呪詛でいつまでも終わらぬ宇宙的狂気な味を魂に直接刻んであげよう」
『き、狂気キー!? それなら今も』
「問答無用だ☆」
 丸出しのエイプモンキーの口に呪詛入り蒼汁がイン! エイプモンキーの中がたちまち宇宙的狂気状態に!
『キキキー!?』
 中と外から狂気に苛まれたエイプモンキーだが、意識を手放すことは許されなかった。ある意味きつい……

成功 🔵​🔵​🔴​

ユース・アルビトラートル
……散々にやられた。少し悔しいな。ああ、「天秤もこんなに歪んで」。

 さて、彼はカウンターに長けている。であるならば攻撃自体も防御する術を思いつくだろう。それはまったく簡単だ。次に私を攻撃し永久にその危険を排除しようとするだろう。

 だが「攻撃の主体」は?これは「制御下にない」ことから「剣」なのだ。彼は「1度目のカウンターで」気づかねば不意の攻撃を食らうほかない。私がボロ雑巾になっても「ただ剣が動くのみ」。万一気づいても、「剣に対処する」という「直観的でない」事象への動揺を生む。それは隙だ。

【真の姿】目隠し着用。天秤は歪み手を離れる。剣は禍々しさを帯び、法服は血飛沫で染まる。白は黒に侵食されゆく。



 果たしてエイプモンキーは中は蒼汁で宇宙的狂気に、外は時空を超えた集合的無意識からの攻撃に晒され、メカは仰向けに倒れコクピットの防御壁は割れ本体が出ているという状態に。
 もうすぐにでも止めを刺せそうな中、この妖精は――
「……散々にやられた。少し悔しいな。ああ、【天秤もこんなに歪んで】――」
 さっき思いっきりやられた妖精裁判官ユース。しかし、その象徴たる天秤はこんなにも歪み――
「――もはや【秩序】はここにはなく――【混沌】が世界を覆い尽くし――」
 天秤がユースの手を離れ、砕け散ると、ユースの特徴的な白い法服と髪が、黒く染まっていき、赤い血が浮かんでいく――
「ボクの心も、正義示す剣も、また、【混沌】へ堕ちる――」
 その目には目隠しがいつのまにか現れ、剣は禍々しさを帯びる。
「ボクは――ボ■は――■■は――【私】は――【歪なる審問者】」
 【歪なる審問者】はその禍々しい剣を掲げると――
「――今、この世界には無限の罰が待ち侘びている。その矛先が無辜の民へ向こうとも」
 剣から呪詛が、無差別に襲いかかる。エイプモンキーだけじゃなく、猟兵も、離れた場所の花にもみんなまとめて、それも不規則――まるで暴走しているかのように、呪詛がばらまかれる――
『こ、こんなの、術者倒せば終わりっキー! 審問者だか何だか知らないが、つぶれろっキー!』
 エイプモンキーは残った力を振り絞り、足を動かして【歪なる審問者】を踏みつぶす――

 ――
「たとえ審問者がいなくなれど――」
 エイプモンキーは、嗚呼、気づいてしまった――
「――魔女裁判は、終わらない」
 ――エイプモンキーは攻撃の主体が【歪なる審問者】だと思っていた――だが、それは違う。この攻撃の主体は、制御下にない剣だ。
 エイプモンキーは気づいたのだ、呪詛が終わらないことを、剣が動いていることを――
『くっ、こっちだったウッキー! ならば、剣を破壊するためのマニアック機械を――』
 ――読み通り。そして、これは願ってもない隙だ――
「【歪なる審問者】として、貴様を――断罪する」
 死霊たちが一斉にエイプモンキーにまとわりつき、そして【歪なる審問者】の手を離れた剣が――エイプモンキーの首を一つ突くと横向きになり宙に浮き、嗚呼、それはまるで、処刑に使う――
『ひ――ひっ! これは、これは悪夢ウッキー――』
 ――ギロチンのように、剣が勝手に降り、そして――エイプモンキーの首を刎ねた。
 ――断罪はここに完了した。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年05月11日


挿絵イラスト