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バトルオブフラワーズ⑦〜激闘!歌合戦!

#キマイラフューチャー #戦争 #バトルオブフラワーズ

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「バトルオブフラワーズへの参戦に感謝します。リムは現在の戦況を報告します」
 グリモアベースに集った猟兵たちの前で、グリモア猟兵のリミティア・スカイクラッド(人間の精霊術士・f08099)は淡々とした口調で語りだした。
「キマイラフューチャーは現在も真っ二つに割れたままです。物理的に。この星が再び閉じる前に、中枢である『システム・フラワーズ』に到達し、オブリビオン・フォーミュラ『ドン・フリーダム』を撃破する必要があります」
 もしもドン・フリーダムが『システム・フラワーズ』を掌握すれば、それはこの世界の終わり――カタストロフの到来。平和だったキマイラフューチャーは災厄に呑み込まれることになるだろう。

「『システム・フラワーズ』に辿り着くためには、その周囲を守る6つの『ザ・ステージ』と呼ばれる領域を、全てオブリビオンから取り戻す必要があります」
 リミティアが今回依頼するのは、その『ザ・ステージ』の一つである『ザ・サウンドステージ』の攻略である。
「『ザ・ステージ』の内部ではそれぞれ特殊なルールが課されます。今回皆様が向かう戦場に存在するルールは『コウハクウタガッセン』というものです……あれ、何か聞き覚えが」
 UDCアース出身の彼女はふと首を傾げるが、気を取り直して説明を続ける。
「この戦場では猟兵もオブリビオンも歌を歌いながら戦う事で、戦闘力が上昇すると共に、ダメージを受けても倒れる事無く戦い続ける事が出来ます。逆に言えば、歌わずに戦った場合は、かなり不利になるでしょう」
 さらにこの戦場の戦闘はテレビウム・ロック事件で救出されたテレビウムの画面を通して、キマイラフューチャー中に中継されており、猟兵とオブリビオンのどちらの歌が素晴らしかったかが自動的に判定されるようになっている。
「もしもこの歌合戦に敗れれば、敗北した陣営に戦闘中に受けたダメージが一気に襲い掛かり、全員が戦闘不能になってしまいます」
 つまり戦いで優勢であっても、歌で観客を感動させられなければそのまま逆転敗北もあり得るということ。
「判定は自動的に行われるので、不正は不可能です。ですが評価を行うのはあくまでキマイラフューチャーの住人の心持ちなので、彼らにウケるような曲選択やパフォーマンスによっては、単純な歌唱技術以上の評価を得ることも可能でしょう」
 今回の対戦相手となるオブリビオンは『懐かしおもちゃ三人衆』。コマ回し怪人、けん玉怪人、トランプ怪人によって結成された怪人トリオで、レトロな歌謡曲や童謡、アニメソング等を歌って、キマイラ達をなんとなく懐かしい気持ちにさせる作戦で挑んでくるらしい。
「戦闘力、歌唱力、演出力、その他諸々。皆様の持ちうる総合力を駆使してオブリビオンとの歌合戦に勝利してください」
 そう言ってリミティアはグリモアを手のひらに浮かべると、戦場への道を開く。
「転送準備完了です。リムは武運を祈っています」



 こんにちは、戌です。
 バトルオブフラワーズ戦争シナリオ、今回は『ザ・サウンドステージ』にて、オブリビオンとの歌合戦での勝利が目標になります。

 オープニングにある通り、歌の判定は自動的に行われるため、キマイラ達は猟兵を応援していますが、オブリビオンの歌が良かったと思えば、オブリビオンの勝利になってしまいます。
 また、歌合戦に勝利しても敵に攻撃しておかないとダメージゼロなので、戦闘も行う必要があります。その点もご注意ください。

 それでは、皆様のプレイングをお待ちしております。
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第1章 集団戦 『懐かしおもちゃ三人衆』

POW   :    コマ回し怪人・ウェポン
【コマ回し兵器】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    けん玉怪人・ジェノサイド
【けん玉攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ   :    トランプ怪人・リフレクション
対象のユーベルコードに対し【トランプ】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。

イラスト:まめのきなこ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

アルカ・ルカルト
ふーむふむ、ここは自称音楽神でやってるわしの出番じゃの!
わしはポップでキャッチーなメロディーのいわゆる電波ソングで勝負するぞい!
キャッチーで耳に残るメロディは短時間でもガツンと印象に残り、自分の脳内でも繰り返してしまい自然と聴いた者の頭と心に深く刺さるのじゃ!
『懐かしおもちゃ三人衆』とやら達の懐かし系音楽もわしは好きじゃが、果たしてこの短時間に近未来的生活を送っているキマイラフューチャーの住人達の心を掴めるかの?

さぁて、わしの【歌唱】力をみせてやるのじゃー!
歌を歌いながら『音楽の力』でキラキラと飛翔して【空中戦】の【パフォーマンス】じゃ!
シエラ、シエロの双剣で舞うように戦うぞい!



「「「我ら、懐かしおもちゃ三人衆!!!!」」」
「時を経てもなお色あせない名曲の力!」
「現代っこのキマイラどもに分からせてやろう!」
「さあ猟兵よ、我らと勝負だ!」
 コマ回し怪人、けん玉怪人、トランプ怪人で構成された三人の怪人チームは、転移してきた猟兵たちに向けて自信たっぷりに名乗りを上げて襲い掛かってくる。
「ふーむふむ、ここは自称音楽神でやってるわしの出番じゃの!」
 それに負けないくらい自信たっぷりに前に出たのはアルカ・ルカルト(音楽系ショタジジイ・f16458)。
 自称という部分に一抹の怪しさを感じるが、彼の音楽を愛する心は本物である。

「いいだろう、相手にとって不足なし!」
 三人衆の一人、コマ回し怪人が頭部をギュルンと回転させながらアルカに挑む。
 彼が歌うのは、誰もが子供のころに一度は聞いたような、懐かしの民謡である。
 のどかな田舎の風景が思い浮かぶような歌詞に、郷愁をかき立てるメロディ。
 口もないくせに結構なイケボでそれを歌い上げながら、怪人はコマ回し用のヒモを鞭のようにしならせアルカを攻め立てる。

「おぬし達の懐かし系音楽もわしは好きじゃな。ノッてきたぞい!」
 怪人の歌を聴いてテンションの上がったアルカは、そこはかとなく神っぽいキラキラのオーラを放って空に舞い上がり、コマ回し兵器の攻撃を避ける。
 【音楽の力】をその身に纏った彼は、そのまま空中でのパフォーマンスを披露しながら歌い始める。
「さぁて、わしの歌唱力をみせてやるのじゃー!」
 どこからともなく流れ始めたポップでキャッチーなメロディに合わせてアルカが歌うのは、いわゆる「電波ソング」と呼ばれるジャンルだった。
 短時間でもガツンと印象に刻まれる、キャッチーで耳に残るメロディ。脳内でも自然と繰り返してしまう独特の歌詞やフレーズ。
 まさに洗脳電波とでも言うべき中毒性バツグンの曲に合わせて、アルカは神造剣シエラ、シエロの双剣を自在に操り、舞うようにコマ回し怪人を切り刻む。
「ぐぉぉぉぉっ、やるなっ!!」
 上空からの攻撃に防戦一方となるコマ回し怪人だが、このステージのルールにより、どれほど傷つこうとも彼が倒れることはない。今はまだ。

 やがて戦場の上空に浮かぶモニターに、両者のウタガッセンの結果が表示される。
 キマイラフューチャーの視聴者が評価した歌は――アルカの電波ソングだった。
「やったのじゃ!」
「ば、馬鹿なぁぁぁぁぁぁぁ!」
 やはり近未来的生活を送るこの世界の住人に、懐かしソングの良さは直ぐには伝わりづらかったらしい。
 短い間でも自然と聴いた者の頭と心に深く刺さる電波ソングを選んだ、アルカの判断力の勝利であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アマータ・プリムス
戦争も佳境に差し掛かりましたがまだまだ盛り上げ足りません
ちょうどいいですここでまた一曲お披露目しましょう

イーリスと共に戦場へ現れ
「さぁミュージックスタートです」
【楽器演奏】と共に【歌唱】を開始
今回奏でるのは戦争を盛り上げるためにロックにしましょう
UCも発動し攻撃も兼ねて一石二鳥
演出力が必要なのであれば間奏中に手先の器用さを活かして早弾きでもお見せして
「テクニックの差、というものをご覧に入れましょう」
優れた歌い手は歌って演奏するだけでなく魅せることも大事なのですよ
イーリスを弾きながら【ダンス】の要領でステップを踏みメイド服のスカートを翻しながら歌い続けます
「お粗末さまでした」
最後はカーテシー



「戦争も佳境に差し掛かりましたがまだまだ盛り上げ足りません」
 続いて愛用の蒸気機関式ギター型マイク「イーリス・カントゥス」と共に戦場に現れたのはアマータ・プリムス(人形遣いの人形・f03768)。
「ちょうどいいです、ここでまた一曲お披露目しましょう」
「随分と自信があるようだな。だがこちらも負けんぞ!」
 対する怪人チームからは三人衆が一人、けん玉怪人がギターを携えて前に出る。
 コウハクウタガッセン第二回戦、開幕である。

「さぁミュージックスタートです」
 イーリスの弦を爪弾くと共に歌い始めるアマータ。奏でる楽曲は戦争を熱く盛り上げるようなロックミュージック。
 歌声を増幅し音波の力で攻撃するユーベルコード【Fama crescit eundo】を発動すれば、歌うことで攻撃を兼ねることができる。まさに一石二鳥の戦法である。
「ほう、貴様も選曲はロックか!」
 押し寄せる音の波をあえてその身で受け止めながら、けん玉怪人が奏でるのもロック。それはかつて一世を風靡した有名ロックバンドが十八番としたナンバーだ。
 世代を超えて人々の心に訴えかけてくる詩とメロディ。その力を借りて怪人は頭部のけん玉による目にも留まらぬ超高速連続攻撃を繰り出してくる。

 選曲による差異が小さければ、両者の歌の評価は自然と奏者自身の技量に集中することになる。
「テクニックの差、というものをご覧に入れましょう」
 アマータはイーリスを弾きながらメロディに合わせて華麗なステップを踏み、メイド服のスカートを翻しながらけん玉怪人の攻撃を躱す。ステージ上を舞い踊りながらも、その唇から紡がれる歌声はまったくブレていない。
「ぐぅぅっ?! あ、当たらない……?!」
 怪人のユーベルコード【けん玉怪人・ジェノサイド】は一度発動すれば途中で中断できず、空振りを続けるしかない。それでもウタガッセンで遅れは取るまいと歌い続ける怪人だが、歌と演奏、そしてダンスを組み合わせたアマータのパフォーマンスには、圧倒的に「華」で劣っていた。
「優れた歌い手は歌って演奏するだけでなく魅せることも大事なのですよ」
 間奏中に手先の器用さを生かしたイーリスの早弾きを披露しながら、アマータは怪人に告げた。

 楽曲の力に頼るだけの怪人と、自らの技量と合わせて視聴者を魅了したアマータ。
 その勝敗はもはや明らかであり、上空のモニターは再び猟兵チームの勝利を示す。
「ぐ、う……美しい……」
「お粗末さまでした」
 がっくりと崩れ落ちたけん玉怪人を見届け、アマータは優雅にカーテシーを行うのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アリス・レヴェリー
大勢の前で【パフォーマンス】として【歌唱】することはまだあまり多くないから少し気恥ずかしいけれど、頑張るわ!
わたしの詩は世界に語りかけるものだから、キマイラフューチャーズのみんなが好みそうなノリノリな感じではないけれど、代わりに素敵なものを見せたげるわね。
詩うことで制御する【白昼奏でる真鍮の夢】によって舞う無数の真鍮の花弁。
自慢みたいだけれど、とっても綺麗でしょう?お気に入りなの!
そしてそのまま真鍮の花弁でオブリビオン達に攻撃を仕掛けるわ。
ダメージがなくても押し退けたりは出来そうだし、真鍮の花弁を舞わせてオブリビオン達が近付けないようにしながら、その中央で歌い続けましょう。
※アドリブ、連携歓迎



「大勢の前でパフォーマンスとして歌うことはまだあまり多くないから少し気恥ずかしいけど、頑張るわ!」
 モニターの向こう側から注がれる視線にちょっと緊張を浮かべながらも、アリス・レヴェリー(真鍮の詩・f02153)は意気込みを口にしてステージに立つ。
「コマ回しもけん玉も情けない……この俺が真の懐かしソングの力を見せてやる!」
 既に二連敗中の怪人チームから出場するのは三人衆最後の一人、トランプ怪人。
 互いに一歩も退かぬ思いをぶつけ合いながら、第三回戦の幕は開いた。

「世界を奏で、想いを詩うわ」
 アリスが紡ぐのは世界に語りかける詩。空を翔ける風の音、大地を駆ける獣の足音、海を渡るさざ波の音――その美しさや壮大さを、優しい歌声に乗せて紡ぐ。
 それはキマイラフューチャーの住人に馴染みのある刺激的でノリの良い楽曲ではなかったが、聴く者の心に穏やかな感動を呼び起こしていく。
「なるほど悪くない……ならば俺はこの曲でいく!」
 対するトランプ怪人が歌うのは、今ならば「大御所」と呼ばれるような懐かしのアイドルグループが歌ったアイドルソング。
 アリスとは対照的に、観客を沸かせることを意識した歌。意外にもキレのいいダンスパフォーマンスも加えて、一気に視聴者の評価を稼ぐ算段だ。

 確実な「勝ち」を狙いにいったトランプ怪人。しかしアリスは自然体のままだ。
「わたしの詩はみんなが好みそうなノリノリな感じではないけれど、代わりに素敵なものを見せたげるわね」
 そう言って詩うのは【白昼奏でる真鍮の夢】。はらりと解けた彼女の武器が、無数の真鍮の花弁と化して戦場を舞う。
「な、なんだこれはっ?!」
 怪人は慌ててトランプを放ってそれを相殺しようとするが、無数の花弁の前には枚数が足りない。吹き荒れる真鍮の花吹雪に切り裂かれ、押し退けられていく。
「自慢みたいだけれど、とっても綺麗でしょう? お気に入りなの!」
 満面の笑顔を浮かべながら詩によって花弁を制御するアリスからは、得意げな様子と共に詩うことへの喜びが伝わってくる。
 舞い踊る真鍮の花弁の中央で、誰にも邪魔されることなくのびのびと歌い続けるアリス。その光景はどこか幻想的でさえあった。

 三度目となるウタガッセンの結果は――三度、猟兵チームに軍配が上がる。
『楽しそうな気持ちが伝わってきた』
『歌ってる子のイメージに凄く合ってたと思う』
 という視聴者から寄せられた評が、勝敗を決する要因だったらしい。
「やったわ!」
「「「ぐ、ぐぬぬぬぬ……!」」」
 嬉しそうに歓声を上げるアリスに対し、三連敗を喫した怪人チームは苦々しい表情を浮かべるのだった――顔、おもちゃだけど。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シュガー・ラビット
アドリブ大歓迎!
口調プレ


【目的】歌って踊って戦える魔法少女はお好きですか?

【行動】私は歌も戦いも魔法少女のパフォーマンスとして振る舞いながら戦うよ!

歌は主に子供キマイラが大好きな魔法少女ソングや若いキマイラに一定の支持がある人気アニソンメドレーを胸熱でお送りしちゃうのだ!

踊るように戦い、自慢の愛らしい歌声(シンフォニア)で観客キマイラも魅了…!
人気間違いなしなのではー!?

決め手は私の【にくきゅうパンチ】でノックアウトだよ!いぇい!!

よーし、頑張っちゃうぞっ☆



「くっ、もう後がない……だがまだ一発逆転のチャンスはある!」
「そうだトランプ怪人! 意地を見せろ!」
「懐かしおもちゃ三人衆と、懐かしソングの底力を見せてやれ!」
 いよいよ追い詰められた怪人チーム、その最後の希望を託されて再び舞台に立つのはトランプ怪人。
 対する猟兵チーム最後の一人は、ファンシーで愛らしい衣装を身に纏ったうさみみ魔法少女、シュガー・ラビット(白くて小さなふわふわ・f02321)である。
「よーし、頑張っちゃうぞっ☆」
 ぷにぷにの肉球のついた手をぎゅっと握って、魔法少女は舞台に上がる。

 "歌って踊って戦える魔法少女はお好きですか?"
 それが今回のシュガーのテーマ。歌うのは主に子供キマイラが大好きな魔法少女ソングや、若いキマイラに一定の支持がある人気アニソンのメドレーだ。
「胸熱でお送りしちゃうのだ!」
 カメラも意識してパチンとウィンクしながら、ノリノリのリズムに合わせて歌い踊り、さっとステッキを一振りすると、星型の魔力の欠片が怪人目掛けて降り注ぐ。
「アニソンにはアニソン! 切り札解禁だ!」
 星型の魔力をトランプの投擲で相殺しながら、怪人が歌うのは懐かしのアニソン集。近年になって再評価されたり、リメイク作がヒットしたアニメの楽曲が中心だ。
 シンプルでド直球な内容の歌詞と、印象に残る力強いメロディで、やや年齢層の高いアニメファンのキマイラから熱烈な支持を獲得する。

 楽曲の人気はほぼ互角。であれば物を言うのは歌い手のパフォーマンス。
「食らえぇい!」
 熱血アニソンの力を借りて放たれたトランプ攻撃を、シュガーは軽快な身のこなしでひらりと躱す。
「ふふーん、当たらないよ!」
 得意げな表情を浮かべる彼女は、魔法少女らしい可憐で余裕のある振る舞いを決して崩さない。踊るような戦い方で怪人を翻弄しながら、自慢の愛らしい歌声で観客キマイラも魅了していく。
(これは人気間違いなしなのではー!?)
 心の中で自画自賛するシュガー。その自信に違わず、今のステージは彼女の独壇場だった。

 そして運命を決する四度目の結果発表の時が来る。
 ドゥルルルルルルルル……と、妙に間を持たせるドラムロールの後、モニターに表示されたのは――猟兵たちのシンボル。
「「「そ、そんな馬鹿な、我らが負けるだと……?!」」」
 愕然とするコマ回し怪人、けん玉怪人、トランプ怪人。現実を受け止められない三人衆の前に、ステッキを置いたシュガーがにっこにこの笑顔で迫る。
「わたしたちの勝ちだねっ!」
「「「お、おのれぇぇぇぇぇぇっ!!」」」
 破れかぶれで一斉に襲い掛かってくる怪人たちに、シュガーは決め手の【にくきゅうパンチ】を放つ。
 もふっとぷにぷにな肉球がぺたんと怪人たちの頭部にヒットした直後、溢れんばかりのもふもふぱわーと同時に、これまでの戦闘で蓄積されたダメージが一気に襲い掛かった。
「「「ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ?!?!」」」
 断末魔と共にステージの外まで吹っ飛んで行き、キラリとお星様になる懐かしおもちゃ三人衆。
 それを背景にして、シュガーは会心の笑顔で勝利のポーズを決めた。
「いぇい!!」

 ――かくして猟兵と怪人の歌合戦は、猟兵たちの完全勝利で幕を閉じる。
 その熱唱を称えるキマイラフューチャー中からの声援と拍手が、ザ・サウンドステージに降り注ぐのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年05月12日


挿絵イラスト