バトルオブフラワーズ⑧〜君色で世界に彩りを
●漆黒の世界
にんまりと、笑みを浮かべるのは小悪魔の様。
高所から見渡す限り、仮初の街は……黒、黒、真っ黒で。
――もう悪戯しか出来ないなんて言わせない、俺様も戦争に便乗してやるぜ!
そんな心意気で参加して、奮闘の結果に大満足と言いたげな様子。周囲の手下達とケラケラと。
「こんだけ塗れば、負けるワケがねぇよなー!ちょっと俺様、本気出し過ぎちまったなー?」
……言ってはいけない、きっといけないのだ。言いたくなる気持ちも解らないでもないが。
パスト・フォーサイスは高らかに、勝利を確信した笑みを浮かべていた。
●世界を塗り替えろ!
「ゲームだったら、そこそこスコア出るんだけどな……リアル版は体力保たねぇわ」
というワケで、任せた!……いやいや、まずは説明して下さい!?
集った猟兵達へと向けて、力強くサムズアップをしたのは十朱・幸也(鏡映し・f13277)だ。
バトルゲーマーという意味ではなく、普通にゲーム廃人な彼は半分残念そうな様子を見せつつ……今回予知した内容について、説明を開始しようと。
「キマイラフューチャー世界が見事に真っ二つになった、っていうのは知ってるか?」
……其れはもう、北半球と南半球で分かれたそうな。
概要は理解していると判断したのか、十朱は改めて本題へと移る。
「敵の本陣に突撃する為には、周囲の『ザ・ステージ』を奪還しなきゃならねぇ」
此の場に集った猟兵達に六つある『ザ・ステージ』の内の一つに向かってもらいたいとの事。
今回向かうのは『ザ・ペイントステージ』、敵は『パスト・フォーサイス』というオブリビオンだ。
人海戦術を駆使して、猟兵達が向かう頃には真っ黒なインクで塗り潰されてしまっている。しかも、特殊な成分なのか……完全に固まっていて、普通に洗い流す事は不可能。
此の状態ではオブリビオンに直接ダメージを与える事は出来ず、防戦一方となってしまう。
「対策がねぇワケじゃねぇ。このインクは、お前達のユーベルコードで塗り替えられるらしいぜ」
彩る色は猟兵達自身の表れ、余程特殊な色ではない限りは望んだ色が出るだろうが……特に希望がなければ、其の人自身を映し出すだろう。
猟兵達がエリアの半分程塗り潰せば、通常の戦闘と同様にユーベルコードを使用出来るだろう。
但し、其れは一度きり。勿論、オブリビオンが其れを放置する筈もない。
塗り潰されれば、塗り潰し返してくる筈だ。
……塗り潰しに集中して、広範囲を彩るか。妨害に集中するか。
或いはどちらも行う、という方法も有りかも知れない。やり方は任せる、だそうだ。
「エリアの三分の二、其処まで塗り潰せれば無制限にユーベルコードで攻撃出来る筈」
逆に言えば、エリアの塗り潰しが行われなければ攻撃は出来ない。
其の点は注意してくれよ、と念入りに重ねて告げてから……十朱は猟兵達を送り出すのだった。
ろここ。
●御挨拶
皆様、お世話になっております。
もしくは初めまして、新人マスターの『ろここ。』です。
戦争中ではありますが、皆様のイメージカラーを知りたいなと思いまして!
十七本目のシナリオは今回も戦争シナリオとなります!早いもので三本目!
戦争シナリオの都合上、一章のみクリアでシナリオは完結となりますので御注意下さい。
……今回の舞台は黒に染め上げられてしまった街並み。
皆様の力、皆様の色で世界を彩って頂ければ嬉しく思います。
●補足
本シナリオでは特殊ルールにより、序盤はオブリビオンへの攻撃を行えません。
敵に攻撃を通す為には、街並みを黒から猟兵達各々の色で塗り潰す必要があります。
ユーベルコードを使う事で塗り潰す事が出来る為、どの様に工夫して塗るかも書いて頂ければ、より効果的に塗り潰す事が出来るでしょう。
また、インクの色は皆様が望むものとなりますが、特に希望がなければマスターの判断で皆様の色を選ばせて頂きたく思います。イメージカラーなど、こだわりのある方は是非指定頂けると助かります。
お相手がいる際にはお名前とIDを、グループ参加の場合はグループ名をプレイングの先頭に記載をお願い致します。何卒……!
それでは、皆様のプレイングを幸也共々、お待ちしております。
第1章 ボス戦
『パスト・フォーサイス』
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POW : 来い!俺様の手下どもっ!!質より量で押し潰せ!!
【相手している猟兵の10倍の数の雑魚キャラ】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
SPD : おりゃおりゃおりゃおりゃおりゃおりゃおりゃ!!!
【武器を使った怒涛の連続攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ : 俺様は逃げるから、後は任せたぞ!俺様ちゃん人形!
自身が戦闘で瀕死になると【逃げる時間稼ぎ用の巨大パスト君ぬいぐるみ】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。
👑11
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シエン・イロハ
ニナ(f04392)と
SPD選択
要は陣地取りか…誤認させりゃ楽そうだな
広範囲に黒に塗り潰されていて敵がいない場所へ
目的の場所につくまでは『忍び足』『聞き耳』等で敵を避けて
敵のインクをまったく同じ場所を塗り替える様に上書き
その後【レプリカクラフト】で敵のインクと同じ色の偽物で上書きし偽装
詳しく調べりゃ見つかるだろうが…んな隙与えなきゃいいんだろ
あとは他の奴らに任せて、直接妨害に集中するか
あ?普段目立つからこそ見つからなければ勝手に思いこむもんなんだっての
あんな目立つ奴が気付かれず行動出来るわけがないってな
戦闘は『見切り』『敵を盾にする』で回避と槍での応戦を
倒すっつーより『時間稼ぎ』メインで
ニナ・グラジオラス
シエン先輩(f04536)と
先輩が隠密行動をするなら、
私が『地形の利用』をしながら派手に立ち回って敵を『挑発』して陽動しよう
高台を制した方が場を制すると言うからな
【ウィザード・ミサイル】で塗れると言うのなら、こう言うのはどうだ?
見える範囲を『高速詠唱』の『範囲攻撃』・『援護射撃』で大雑把に赤に染めてやろう
色が塗れなくとも炎が、
『武器落とし』で敵の色塗りを邪魔する『時間稼ぎ』くらいはできるだろうからな
先輩も私と同じで赤くて目立つが、先輩どうやって隠れてたんだ?
細かな作業に飽きたらしい先輩が妨害作業に入ったら一度合流して、先輩も目立たせようか
人形相手は『2回攻撃』で矢を叩きこむ
●陣取り合戦 第一陣
何処かから聞こえる高笑いを、シエン・イロハ(迅疾の魔公子・f04536)が鼻で笑う。
……明らかに猟兵ではない者を視認、或いは足音を耳にした直後に見つからない様に別ルートへ方向転換。彼は其れを徹底しつつも、黒色のインクが塗られている部分を見れば塗り替えていく。
用いる技はレプリカクラフト、実物を模した偽物を作る技術。
ある程度塗り替えねば、ユーベルコードを発動してもインクと成るが……其れでも彼の使い方は、本来のユーベルコードと相違ないのかもしれない。
「(誤認させりゃ、楽そうだしな)」
今、塗られている部分と全く同じ色で、シエンは目の前の壁を塗り替えようと。
飛沫の部分など、些細な点までは難しいが……其の見た目は全く同じ様にも見えて。恐らく、敵の本体が良く確認しない限りは誤魔化せるだろう。
まあ、そんな隙を与えなければ良い話だ、と彼は考えているが。
再び、先程の高笑いが聞こえて来た方向へと彼は駆ける。足音を立てない様に。しかし、迅速に。元々インク塗りとやらよりは、戦闘の方が自分らしい。
「(……あとは他の奴らに任せて、直接妨害に集中するか)」
そろそろ、高所から奴が移動する頃合いだろう。
――シエンが考えた直後、何処かで炎の様な赤と橙の華が咲き乱れた。
「高台を制した方が、場を制すると言うからな」
……いつまでも、高所の何処かに居させる訳にもいかない。
小さな相棒――カガリの応援を受けて、ニナ・グラジオラス(花篝・f04392)の放つユーベルコードが周囲に彩りを与える。橙色、其の上に少し位置をずらしながら重なる赤色。大雑把に放ったとは言えど、其れは仮初の街を照らす灯火の様に。
先程から聞こえて来た高笑いが止んだ気がしたが、彼女は歩みを進めながら炎の道を作り出していく。赤色が目立つのならば、逆に派手に動いてやろう。敵の注意を惹き付けて、他の猟兵のサポートが出来れば上出来だ。
「カガリ、何処から敵が来るか分からないからな。私から離れるな」
力強く頷いて、周囲をキョロキョロ。敵が何処かから来たら、直ぐに知らせられる様に。
そんなカガリの様子に柔らかな笑みを浮かべては、ニナは直ぐに気を引き締める。カガリの頭を撫でてあげたいと思うが、今は其れどころではない。
――敵影の姿は無く、気配も無い。しかし、遠くから聞こえるのは戦闘音。
炎の様な花篝で街を彩りながら、彼女はある可能性に至る。
「……先輩、か?細かな作業に飽きたのだろうか」
二手に分かれる直前、彼が隠密行動に専念するとは聞いていたが……。
自分と同様に赤い上に、体格も良くてより目立ちそうなものだとは思っていた。
どんな手を使っていたのか気になるが……其れは合流してから聞けばいい話。ニナは傍らのカガリと頷き、戦闘音が聞こえる場所へと向かうのだった。
「あーっ、もう!とっとと、俺様に倒されろ!」
「誰が倒されるか、阿呆」
錨の様な形状の武器をいなす形で、シエンは回避。
空振りとなった攻撃を続ける敵へ……攻撃しても倒せないならば、と彼は次の攻撃に備える。ニナが遅れて合流したのは、そんな時だった様だ。
「先輩、此処に居たのか。……どうやって隠れてたんだ?」
「あ?普段目立つからこそ、見つからなければ勝手に思い込むもんなんだっての」
「そういうもの……なんだろうな、そうか」
ニナが、シエンの言葉に納得をした様に見えるのは、実際に自分が思い込んだからだろう。
あんなにも目立つ先輩が気付かれず行動出来る訳がないのでは、と。
歯切れが悪いのは、自身の思考を読まれた様な気がして……少しだけ、悔しさも感じたからか。親友ならば褒めていただろうし、兄ならば言葉の暴力を揮っていたかもしれないけれど。
「おい、お前ら!俺様を無視するんじゃねぇー!」
おっと、どうやら連続攻撃とやらも終わってしまったらしい。
カガリを竜槍へと変えて、ニナも敵の動きに注視する。他の猟兵達も街を塗り替えているならば、攻撃も通る様になるだろう。それまでは、出来る限り――。
「悪いが、私達と遊んでもらおうか」
「クソガキの相手は面倒くせぇけどな、来いよ」
煽る様に告げて、二人は笑う。
コケにされていると感じたからか、パスト・フォーサイスは手にした武器を構えて二人へと向かうのだった。
――現在の戦況。
災厄側陣地は約九割、猟兵側陣地は約一割。
とある猟兵の妨害行動により、災厄側大将は行動制限中。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
榎・うさみっち
キマフューの街並みはわちゃわちゃカラフルでこそ!
全部真っ黒じゃ気持ちまで暗くなっちゃうぜ!
【かくせいのうさみっちスピリッツ】でうさみっちゆたんぽ増殖!
人海戦術で3分の2以上の塗りつぶしを目指していくぜ!
でもただ塗りつぶしていくだけじゃ味気ないから
ゴッドペインターな腕前を活かしてナウでヤングな絵も描いちゃう!
うさぎさんやクマさんなど子供向けの可愛いイラストから
神絵師の本気を見せつけんとばかりに
美少女アニメのキャラ達まで【早業】で描きあげる
痛車ならぬ痛壁や痛床の完成!(満足気に撮影)
攻撃のチャンスが来たら数の暴力でタコ殴りじゃー!
俺はうさみっち達に指示を出しつつ
うさみっちばずーかで遠距離から攻撃!
五百雀・斗真
うわわ…見事なほどに真っ黒けだ…
黒は大好きな色だけど、流石にこれはやり過ぎだね
…何とかこの黒を塗りつぶして、状況を変えないと
いつも使ってるかりそめスプレーを構えて
何色で地面を描くか考える…
そしてふと思い浮かんだのが
仔竜達の遊び場として使ってるユーベルコードの憩いの森の色
この色を自分なりに思い描きながら【グラフィティスプラッシュ】を発動
周囲の壁や建物には森の木々の葉を思わせる色で噴きつけ
地面には若草が芽吹いたような色で塗り潰していく
主に広範囲の塗り潰しを行うけれど
妨害されそうになったら、自分が塗り潰した所に飛び退いてから
スプレーでマヒ込みの範囲攻撃で反撃してみるね
※アドリブ歓迎
●陣取り合戦 第二陣:幻想空間
――ゴッドペインターと書いて、神絵師と読む。
という訳で今回の『かくせいのうさみっちスピリッツ』は、見た目も神絵師スタイル!ベレー帽に色取り取りなお洒落スモックを身に纏う、総勢三十七名のうさみっちゆたんぽが出現した。
「キマフューの街並みはわちゃわちゃカラフルでこそ!」
愛用のうさぎデザインのペンを手に、榎・うさみっち(うさみっちゆたんぽは世界を救う・f01902)がぶーんと飛びながら告げる。
「全部真っ黒じゃ、気持ちまで暗くなっちゃうぜ!かかれー!」
まるで開戦の合図の様な口振りの言葉に、うさみっちゆたんぽ達は散開。
目には目を、歯には歯を。人海戦術には此方も人海戦術を!
しかし、ただ塗り潰すだけでは味気ない。
あるうさみっちゆたんぽは、ナウでヤングでスタイリッシュなイラストを描き。
あるうさみっちゆたんぽは、子供向けの動物さんなどの愛らしいイラストを。
あるうさみっちゆた……あ、此の方はゆたんぽじゃない!神絵師だッ!
素早い動きで描くは、とある美少女アニメのイラスト。
しかも、キャラクターだけでは無い!鮮やかで眩しい程のエフェクト、躍動感のあるポーズ、魅力的な表情、全てが繊細に描かれているではないか!
――先程上げた内容は、ほんの一部に過ぎない。
街の一角は様々なジャンルのイラストで埋め尽くされたのだ。早業によって完成した痛車ならぬ痛壁や痛床を、榎は満足げな様子で撮影をしている。
うさみっちゆたんぽ達はイラストを描き続ける事で、猟兵側の陣地を広げているが……うっかり雑魚キャラと鉢合わせて。
「おっ、俺の個展にようこそだぜー!入場料を置いていきな!」
「――ッ!」
誰が払うか!などと言いたげな声を上げて、雑魚キャラ達が一斉に向かってくる。
猟兵達の数の十倍はいるらしいが……別行動をしているのか、数が少ない。其れでも十体以上は存在しているだろうが。
そして一時的にとはいえ、本来の力が戻った事に榎が気付くのも同時。
「入場料を払わねぇなら、退場しやがれー!」
ペンを収納、取り出したのはうさみっちばずーか。
マナーのなっていない客に御退場願おうと、様々なうさみっちゆたんぽシリーズが弾丸となって、雑魚キャラ達に襲い掛かる!
其の間、既に召喚されているうさみっちゆたんぽがタコ殴り……見た目が愛らしい分、数の暴力とは恐ろしいものだ。
●陣取り合戦 第二陣:団欒空間
「うわわ……見事なほどに真っ黒けだ……」
転移してから、少し歩き続けてみたものの……見渡す限り真っ黒。
好きな色ではあるけれど、流石に街並み全てはやり過ぎだろうと五百雀・斗真(人間のUDCエージェント・f15207)が溜息を吐く。手にしている物は普段から使用している、黄色が強そうな橙色のかりそめスプレー。歩きながら何を、何色で描くかを考えて……脳裏に過ぎるのは腕輪を着けた仔竜達の姿。
「……よし、決めた」
――スプレーアーティストの技を御覧あれ。
立ち止まり、周囲に敵の気配が無い事を確認してから、五百雀はスプレーを構える。
木漏れ日が降り注ぐあの場所、緑豊かな森の景色。
周囲の壁や建物を彩るは若葉色、重ねるのは深碧で。陽光に照らされた森をイメージしながら、彼は次にスプレーを地面に向けた。若草が芽吹いた様な色で塗り潰せば……黒一色に染められた街に、森の息吹が巡る様。
此のまま、仔竜達――ソルとルアを呼ぶのも良いかもしれない。喜んでくれるかな、なんて思うけれど。戦場である事を思い出して、五百雀は諦めた様で。
「(でも、今度またやってみようかな)」
そんな取り留めのない事を考えながら、少しずつ森の範囲を広げていると……黒から塗り替えられた事に気付いた何かが、五百雀を止めようと向かってくる。
其れはパスト・フォーサイスが呼び出した、所謂雑魚キャラ。敵意を持っている事を認識したのか、彼はバックステップで森の中へ。――瞬間、彼は確信する。
「(今なら、使える
……!)」
他の猟兵達もかなりの範囲を塗り替えられたのだろうか、力が戻る気がして。
一度だけかもしれないけれど、妨害されるよりは良い。描いた森が、力を与えてくれる。五百雀はかりそめスプレーの噴射口を向けて、雑魚キャラ達を森の色で塗り潰そうと。暫く大人しくさせる為、麻痺効果も追加した上で。
「――ッ!?」
本体であるパスト・フォーサイスならまだしも、雑魚キャラに防ぐ手段は無い。
森の一部と化した彼らに申し訳なさそうにしながらも、五百雀は再び歩き始める。黒の世界に、温かな森を広げる為に。
――現在の戦況。
災厄側陣地は約六割、猟兵側陣地は約四割。
雑魚キャラの数は七割まで減少。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
村井・樹
真っ黒なインクで、素晴らしい町並みが台無しですね……
ここは一つ、華を添えさせていただきましょう
唯我独尊を発動
ですが、敵にはそれを当てません。というより、まだ彼に攻撃できる状況でもありませんのでね?
私が狙うのは、彼の周り、そして頭上。
『目立たない』ように、こっそりと、偽メメ君から蜘蛛の糸の如く、鋼糸を張り巡らせましょう
『ロープワーク、罠使い』でパスト・フォーサイスの進路を妨害しつつ、敵の上をとって。上空からインクをばらまかせてもらいましょう
敵がこちらの妨害をする場合は、『盾受け、オーラ防御』で身を守ります
まだ、私のユーベルコードでは致命には至らないでしょうが、『時間稼ぎ』にはこれで充分でしょうか
月守・ユエ
アドリブや他の方との連携可
色
月灯のような
優しい黄色、白銀
わぁ!ユーベルコードで塗り潰せるの?おもしろそう!
どこまで塗りつぶせるか挑戦だ♪
オルタナティブダブル→月影と人格交代
リザレクトオブリビオン→死霊蛇竜召喚
さぁ!派手に暴れるなら、ボクの出番!!
蛇竜さん、行っておいでー!!
蛇竜を操り黒い所を泳がせるように塗り潰させる
豪快にされど楽しそうに!
蛇竜が通ったところが白銀に染まればいいなぁ♪
回復が必要になったら
ユエに戻り、技を切替え
シンフォニックデバイス「Lunary」を構えて
月灯ノ抱擁を使用
オーラ防御を使いながら
優しい子守歌のような歌で仲間を回復する月灯りを顕現
音が広がり、色が広がり仲間を守る
●陣取り合戦 第三陣:蜘蛛の意図は誰ガ為
「俺様の邪魔をするとか、何なんだよ……!」
面倒な赤色コンビから漸く離れる事が出来たかと思えば、目の前に広がるのは黒以外の色。カラフルな世界が広がりつつあるのを理解して、パスト・フォーサイスは明確な苛立ちを見せている。
ムカつく、ムカつく!子供じみた駄々をこねて、雑魚キャラ達を呼び戻そうとした所で――何らかの気配に振り返る。
「おやおや、見つかってしまいましたか」
困った様に、しかし丁寧な所作を崩さずに微笑むのは村井・樹(Iのために・f07125)の姿。彼は隠れ潜んでいた訳でもなく、単に歩いていたら偶々遭遇しただけの様だ。……探す手間が省けたのは僥倖だろうか。
「(ここは一つ、華を添えさせていただきましょう)」
形状からは素晴らしい街並みであるが、真っ黒なインクで台無しで。
張本人の前で言うのは紳士的ではない為、村井は心の中に留める。錨の様な武器を構えた少年を静かに見据えて、発動。
……他の猟兵達の行動により、一度だけ通常通り使用出来るユーベルコード。
彼が選択する技は、唯我独尊。此の戦いも、すべては【樹】の名の下に。
直後、彼の傍らでゆらゆらと動く偽メメ君から、密かに『何か』が放たれた。
嗚呼、だが――。
「……っ!?ドコ狙ってるんだっつーの!」
「貴方の真上、ですよ」
丁寧に答える村井の言葉を、敵は笑い飛ばす。
内側で別の人格が苛立たしげな声を出した気がするが、今は鎮めて。強靭な鋼糸が敵に傷を与えずとも、頭上を位置取る事が出来れば問題ない。
元々……まだ攻撃が不可能である以上、今回は倒す為に動いている訳ではないのだ。だから、執行者たる『不良』の人格の手を汚すまでもない。
偽メメ君と共に鋼糸で出来た蜘蛛の巣、彼は其の上に立つ。再び偽メメ君から放たれた糸はまるで、粘液の代わりの様。紫と黒が中心となったインクが、バケツをひっくり返した様にパスト・フォーサイスへ降り注ぐ!
「チッ!テメェも邪魔するのかよ!」
「……ええ、勿論。私達はそうさせて頂きます」
此の戦いに意味があるのか、ないのか。其の判断はつかないけれど。
――少しでも、本来の村井・樹を取り戻す為ならば。
傍らの偽メメ君が揺れるのは攻撃準備の為か、それとも。
●陣取り合戦 第三陣:銀河空間
「わぁ!ユーベルコードで塗り潰せるの?」
面白そう、と楽しげに笑うのは月守・ユエ(月ノ歌葬曲・f05601)だ。
彼女の周囲にはまだ、塗り替えられていない真っ黒な世界。
どんな色で塗ろうかな、どんな風に描こうかな。自由に彩れる事にはしゃぐ声はまるで、唄う様に。……其の前に、ふと彼女は閃く。
折角だから、協力してもらおう!もう一人の自分を形に出来る、そんなユーベルコードがあるのだから!
「出ておいで、もう一人の僕――月影」
囁く様な優しい声に呼応して、月守の隣に月灯の様に優しい黄色が現れる。
……まるで、月から舞い降りるかの様に。光が消えた時、其の場に居たのは月守に似た別人。戦狂いの人格だ。月影はキョロキョロ、と辺りを見回していて。事情は彼女の中で何となく、理解している。
「ユエ、ヤッホー!派手に暴れるならボクの出番、だよね!」
実戦闘ではない事が残念だけれど、其れでも暴れられるならば大歓迎!
そんな様子で月影はニーッと悪戯っ子の様な笑みを浮かべて、リザレクト・オブリビオンを使用。死霊蛇竜を召喚して、まるで仲良しな友人の様へ向ける様に手を振りながら。
「蛇竜さん、行っておいでー!」
輝く白銀を纏い、建物の壁や地面を泳ぐ様に死霊蛇竜が動く。
とても大胆な動きは豪快の一言に尽きる、塗り替える勢いもまた同じ。
……まるで、地上に銀河を生み出す様で。月影の元へ戻る時、一直線に描いた軌跡を例えるならば天の川、だろうか。
「折角だし、ユエもやろうよ!楽しいよ、コレ!」
「それじゃあ、僕も……」
幸い、敵はまだ来ない……と言うより実は先程、雑魚キャラ達が来ていたのだが。
月影がはしゃぎながら操っていた死霊蛇竜が呑み込み、気付いた時には銀河の一部となってしまっていて。あまりにも豪快だったからか気付かなかった、らしい。
『Lunary』を構えて、子守唄を奏でる様に歌う。音色は、インクとなり広がって。
……本来は誰かの苦痛を癒やす為の技、今は此の街の痛みを癒やす為の灯りとなる為に。美しい天の川を照らす月が描かれると、ほっとした様に月守が息を吐いた。
――現在の戦況。
災厄側陣地は約五割、猟兵側陣地も約五割。猟兵側優勢。
別の猟兵の妨害により、災厄側大将は再度行動制限中。
雑魚キャラの数は六割まで減少。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
清川・シャル
エリア争奪戦。
いい感じに仕掛けましょうね、ふふ
色は勿論ピンクですとも。
ぐーちゃん零の弾丸を全部ペイント弾にしておきます
そぉいUCで発射ー!
範囲攻撃で攻めて、クイックドロウで弾薬補充です
と同時に、Amanecerを召喚して、
催眠術で敵さんに「自分が塗りつぶしてない部分も塗った満足感」を…与えられるといいなぁ。
何かあれば第六感が役立ちますね!
攻撃体勢が整えば、まあそーちゃんで殴っておきましょうか!
うわぁ目が痛い(エリアの色を眺めて
霧亡・ネリネ
まっくろ、まっくろ、まっくろくーろだな
開演前の舞台より、まっくろなのだ
こうも黒だと、きらきらライトを照らしたくなる。明るく、豪華に、きらきらと。舞台に立つ者のさが、という奴よな。フリューゲル、お前もそう思うだろう(糸を引いて)
フリューゲルの腕を広げ、くるくる踊って広範囲を一気に塗っていくのだ
両腕で〈なぎ払い〉、〈ダンス〉〈パフォーマンス〉の要領でバランスを崩さないようにするぞ。
既に塗ったところに無機物があれば《追求前奏》でフリューゲルの腕にするのだ。腕がいっぱいあれば、いっぱい塗れるだろうな
ラメと琥珀色。塗る度にきらきらが広がって、とても楽しいのだ
●陣取り合戦 第四陣:戦華空間
「そぉい!発射ー!」
清川・シャル(ピュアアイビー・f01440)のお通りだー!
『ぐーちゃん零』という可愛らしい名前だが、実際は十二連装式グレラン&三十弾アサルトという、何ともエグい兵器を片手で抱えていて。幼く、華奢な体躯からは想像も出来ない程の怪力。彼女もまた羅刹の一人。
……弾丸はペイント弾となっているが、爆竜戦華の威力はとても凄まじい。
猛ダッシュで街を駆け抜ける彼女によって、黒色は瞬く間にイケてるピンク色に塗り替えられる。弾薬が切れても、即座に補充して再び発射!撃って撃って、撃ちまくる!
「うわぁ、目が痛い」
不意に他の猟兵が塗り替えた区域を見て、清川は一度立ち止まる。
そして、振り替えってから自分が塗り替えた区域を見て……ぽつり。ピンク色だけではなく、様々な色で塗り替えられた街はとてもカラフルだ。カラフルだが……落ち着いて見ると、目がチカチカとする様な。そんな気分になるのも仕方がないだろう。
未だ真っ黒になっている方向へ向けて、彼女は再び走り出そうとして……二つの出来事に気付く。一つは、其の方向に雑魚キャラ達が集まっている事。
「――っ!」
雑魚キャラ達も数が減り始めた事に気付き、固まろうと考えたのか。
清川の目の前には残存戦力、其の半数程が居る。二つ目は彼らにとっては不幸な事実。他の猟兵達の行動により、街の三分の二以上を塗り替え完了。つまり……。
「ここからは、無双モードですね」
塗り替える前に敵に遭遇したら、Amanecerを召喚して催眠術を試みようと思ったがもう必要はない。ぐーちゃん零の出番は終わり、此処からはそーちゃんを使おうと清川が取り出した。
尚、そーちゃんという名前だが重量級の鬼の金棒である。彼女はチェーンソーモードにしたのか、棘が高速回転を開始。
嗚呼、何故俺達は集まってしまったのだろう。棘が唸る様な音を聞いて雑魚キャラ達が冷や汗を流すが、もう遅い。
「いい感じに仕掛けましょうね、ふふ」
年齢相応な笑顔を湛え、清川が集団の中心へ強引に押し入る。
数体薙ぎ払った気がするが、気にも留めず。ブォン!と振り回して、更に殴り飛ばす。逃した個体は金棒で叩き潰して、逃げようとするならば下半身を狙おうか。
少しした後……彼女は雑魚キャラ達の残骸の山を後にして、先へと進んだ。
●陣取り合戦 第四陣:舞台空間
「まっくろ、まっくろ、まっくろくーろだな」
歌う様に、踊る様に……霧亡・ネリネ(リンガリングミストレス・f00213)は街を進む。開演前の舞台より真っ黒で、真っ暗な場所ではないのに不思議な感じ。そんな場所で踊るのも最初は楽しいけれど……やはり、少しだけ物足りない。
「こうも黒だと、きらきらライトを照らしたくなる」
舞台にスポットライトを当てる様に。明るく、豪華に、きらきらと!
街を彩るのは任務だと解っているけれど、舞台に立つ者の性というものなのだろうか。霧亡は手にした糸を引けば、巨躯の人物……否、人形が傍に立つ。
「フリューゲル、お前もそう思うだろう。きらきら、いっぱいにするぞ」
今日の舞台は黒の街、観客はいないが其れでも踊ろう。
ドレスで彩り、古い蓄音機のラッパ部分を模した頭を持つ――フリューゲルと呼ばれた人形と合わせて踊る。歌おう、踊ろう。旋律を紡いでこそ、私なのだから。
霧亡の双眸の様な琥珀に、輝く様なラメを重ねて。周囲が黒色だからか、より一層美しく見えて……飴の様にも見える、なんて彼女は思う。
「追い求める曲を――フリューゲル」
無機物を見付ければ、霧亡が別の曲を奏で始める。
追求前奏。フリューゲルの表現力を高める為に、無機物を新たな腕に変じる力。彼女は意思を示す事はないだろうが、腕が増えた事で塗り替える範囲が増えて……何処か、益々活き活きとしている様にも見える。
パステルカラーの黄色のフリルがひらり、人形のロングドレスの装飾は鮮やかに。
二人だけの舞台はクライマックスを迎えるのか、塗る範囲も一層広がって。
「フリューゲル、行くぞ!」
……繰り手が糸を操れば、巨躯の身だろうと空を跳ぶ。
其の瞬間はまるで、翼を得たかの様に。躍動感溢れる動きで舞いながら、目の前に広がる黒を琥珀に変えて。霧亡もまた、歌い終える。
此の時点で彼女は何か、自分の中で変化を感じて。今なら、普段通りにユーベルコードを使用出来る様な……そんな感覚。
上手くいった、そんな風にふふーん!と満足げな笑みを浮かべる。きっと、其れは風か何かの悪戯だろうけれど。フリューゲルの頭部が、頷く様に動いた気がした……かもしれない。
――現在の戦況。
猟兵側陣地が七割以上となった為、ユーベルコード制限解除。
雑魚キャラの数は三割以下まで減少。
災厄側大将撃破にて、本任務完了。
大成功
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石狩・和人
秋弦さん(f17908)と出撃
一応POW行動
ユーベルコードでインクを塗り替えられるのか…
それなら俺の抜刀術【瞬迅・猛狐炎陣閃】でパーソナルカラーの朱で塗り替えていこうかな?
インクを焼いて朱色に塗り替えるかやってみよう。
●戦闘
雑魚キャラがワラワラ沸くのか?
だとしても負ける訳にはいかない……!
行こう、秋弦さん!俺たちでこの世界を護るんだ!!
秋弦さんとの連携を意識しながら【早業、2回攻撃、炎の属性攻撃、なぎ払い】で攻め込むよ。回避は【見切り、野生の勘、第六感】でカバーしよう。
【フェイント、残像】で陽動を掛けつつ雑魚を各個撃破し、本体も攻撃するよ。
悪いけど、悪戯はそこまでにしてもらおうか!
白門・秋弦
和人(f06901)と共に
ハハァ、なるほど? 吾の業でこの暗色を塗り替えろと。
面白いね! この類の事件は予知はしたが実際に矢面に立つのは此度が初めてだ。
ならば、吾は和人に合わせて【フォックスファイア】で遊ばせてもらおうかな?
色彩は黄金。かつて神として祀られた吾の力を見せてあげよう。
●戦闘
おやおや。これは随分可愛らしい悪鬼なことで。
あぁ、確かこの世界の危機だったか。
そうだね和人。一緒に護ろう。
狐火を手繰り、戦場の撹乱を主としよう。
破魔の力を込め破壊力を増し、炎の残像を残しながら和人が有利になるように焔で工作するよ。
さぁて博打だ。
この焔を業火にするかしないか、賽子で決めようじゃないか。
●陣取り合戦 終戦
「……ハハァ、なるほど?」
「秋弦さん?」
真っ黒な闇の街を、朱色と黄金に染め抜いて。
まるで神社仏閣に居る様な、鳥居をくぐる様な心境になりながら白門・秋弦(賭博師・f17908)は呟く。神として祀られた力、狐火を遊ばせている内に己の力が戻った事に気付いたのだ。
納得した様な呟きに反応した石狩・和人(急尾の猛狐・f06901)も、また同じく。
他の猟兵達も奮闘してくれたのだろう、今ならばユーベルコードを制限なく使える筈。それならばと、早く本体を探そうとした所で……白門の掌の上、賽子がころり。
「和人、吾と此処で待つとしよう」
「秋弦さん、いいのか?」
「賽子の導き、だからね。吾は勝つよ、絶対に」
オブリビオンを探すべきか、此の場に留まり待つべきか。
あらゆる選択をギャンブルで決める白門らしい。本当は早く探した方がいいかと思うけれど、彼がそう言うのならば。石狩はせめて霊刀オオトリを納刀、敵が仕掛けて来たら即座に抜刀術で斬り伏せられる様に。
……邂逅までに然程時間は掛からない。彼らの正面、右側の通路から『何か』が焦った様子で飛び出して。
「ゲッ、ココにもいるのかよ!?」
「ほうら、ね?それにしても……おやおや、これは随分可愛らしい悪鬼なことで」
此の類の事件を予知した事はあれども、実際に矢面に立つのは初めてで。
鬼が出るか蛇が出るか、そんな風に白門は考えていたが……実際は小さな、愛らしい子供の姿。勿論、悪鬼である以上は油断しないけれど。
嗚呼、可愛らしいと言われて御不満な様子。パスト・フォーサイスは目標を定めたのか、錨の様な武器を手にしたまま二人を睨み付ける。
「テメェ!今、俺様をバカにしやがったな!許せねぇ……!」
「来るか……行こう、秋弦さん!俺たちでこの世界を護るんだ!」
「……あぁ、確かこの世界の危機だったか」
応戦の構えを取る様子から、石狩の決意の強さを感じ取れる。
霊刀の柄を握り締め、敵と向かい合う。護る為の刃として、本懐を遂げる為に。
……対して、白門は悠々と。片手で二つの賽子を持ったまま、笑みを浮かべては一緒に護ろうと。彼の決意に同意を示す。
生きるも死ぬも一か八か、戦と言う名の博打の始まりだ。
狐火を手繰る最中、閉じている目が僅かに開いた気がした。
「この焔を業火にするかしないか、賽子で決めようじゃないか」
「どいつもこいつも、俺様の邪魔しやがって……!」
……とは言え、此れまでに何人かの猟兵達に妨害され続けて。
また、二人に遭遇するまでに猟兵達に追われて、疲弊している事も事実。
一旦立て直さなければ、そう思ったのか。パスト・フォーサイスが呼び出したのは、巨大なぬいぐるみだった。其の姿は敵と瓜二つ。
「――俺様は逃げるから、後は任せたぞ!俺様ちゃん人形!」
「逃がす訳にはいかない……っ!?」
更に巨大化した錨が、石狩に向けて勢い良く振り下ろされる。
動きが大振りだったからか……技能もあり、回避は容易。だが、此のぬいぐるみを相手にしていると、本体に逃げられてしまう。
雑魚キャラ達が既に、かなりの数を減らしていた事は幸いだが。
「さて、和人。どうしたい?」
「秋弦さん?それは勿論、この場で倒したいけれど……」
「成程、其れが己の選択か」
再び白門が賽子を転がして、出た目は――ピンゾロの丁。
……どうやら業火をお望みらしい。赤く、熱い、狐の猛火を。
「吾が巨躯の動きを封じよう、和人は其の隙に」
「秋弦さん、でも……」
「一緒に、世界を護るんだろう?」
護るという選択もまた、賽子によるものなのか。其れは本人のみが知る話。
白門の言葉に、石狩も覚悟を決めたのだろう。力強く頷き、巨躯の人形を無視して――彼は本体を目指して、街を駆け抜ける。
勿論、見逃さないと人形が動くが……ふわり、ふわり。揺れる十の狐火が其れを阻む。邪魔だと掻き消そうとするが、遊ぶ様に動く其れらは中々掴めず。人形が気付いた時には、既に合体を済ませていて。
……破魔の力を込めた、狐の業火は爆ぜる。焼き尽くす。
「何やってんだ、俺様ちゃん人形……っ、ゲッ!?」
「悪いけど、悪戯はそこまでにしてもらおうか!」
――間合いを詰めて、一息に。
瞬迅たる抜刀は猛る炎を纏って、横薙ぎに振るわれた。
其の速度は早業と呼ぶに相応しく。故に、パスト・フォーサイスが気付いたとしても斬り伏せる事が出来たのだ。
あんなに塗り潰せたんだから、勝てると思ったのに。悔しそうな表情を浮かべて、敵は人形諸共、此の場から消失したのだった。
――合戦終了。
見事、あな見事!猟兵側、大勝利!
大成功
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