バトルオブフラワーズ⑧〜色とりどりに染め上げて
●黒に染め上げられた街並み
このステージは、一見するとキマイラフューチャーの街並みのようだ。しかし、何もかもが黒に染め上げられているのである。そこにたたずむ獣耳の少女が一人。名を安西九郎・来伝・ペディアという。一見するとキマイラではあるが、れっきとしたオブリビオンである。
「ここは僕が守るからね。黒く塗られている限り、僕は痛くもかゆくもないの! さあ、猟兵たち、おいでなさいな!」
と、自信満々に語る来伝。手に持つ『亜行参紗行伍』という書物に書かれた様々な技を猟兵たちに見せつけようと待ち構えているのだ。
そう、ここはヌリツブシバトルの場。この戦場では、壁も床も来伝が言っているように黒く塗りつぶされている。この状態では来伝に対するダメージが通らず、一方的に攻撃を受けてしまうのだ。ただ、ユーベルコードや武器で床や壁を攻撃するとその周囲を好きな色に塗りつぶすことができるのだ。それが一定以上の範囲になると一度だけ本来のユーベルコードで攻撃できるのである。オブリビオンを攻撃せず、より広範囲を一気に塗りつぶすスーパー塗りつぶし攻撃を仕掛けることもできるだろう。さらに三分の二以上猟兵たちが染め上げると本来のユーベルコードの攻撃ができるようになって、一気にけりをつけられるという仕組みである。
「さあ、天仁須の爆炎投法をお見舞いしようか、それとも春空琉の斬撃走法をお見舞いしようかな?」
来伝は猟兵たちに一泡吹かせることを考えながら、戦いの時を待っている。
●グリモアベースにて
次の戦場を見定めたマリア・テミルカーノヴァ(電子の海を彷徨う光・f00043)は、説明資料を広げてグリモアベースで待っていた。
「今度の戦いはヌリツブシバトル、ですか……」
戦場は先の通り、塗りつぶさなければ我々の攻撃は通らないというやっかいなものになっている。しかも、その戦場を守るオブリビオン、安西九郎・来伝・ペディアは明の武将天仁須の爆炎投法や宋の侠客春空琉の斬撃走法といったどこかで聞いたことのある技を使ってくる。天仁須の爆炎投法のほうはテニスラケットで球状の爆弾を撃ってくるし、春空琉の斬撃走法では高速移動しながら衝撃波を放って攻撃してくるやっかいな技だ。さらに、ユーベルコードを『亜行参紗行伍』なる書物に書き加えると、そのユーベルコードを一度だけ借用できるのだ。なんともやっかいな敵である。
だが、この本に書いてあるのは『亜行参紗行伍』という名前、つまりア行の三番目とサ行の五番目の文字が表すとおり、全てが「ウソ」なのである。もちろん、明代に天仁須なる武将はいないし、宋代に春空琉なる侠客もいない。
「こんなデタラメ、許しておくわけにはいきません。何卒、彼女にいたいお仕置きをしてあげてください。そして、皆さんが無事に帰ってくることをお祈りしておきますね」
マリアは思いの丈を語ると、十字を描いて猟兵たちの無事を祈りつつ送り出すのであった。
ヨーシャ
こんにちは、ヨーシャです。
いつもいつも皆様にお読みいただけて嬉しく感じております。
さて、今回はヌリツブシバトルでの一戦をお届けします。戦場の詳細はオープニングに書いたとおりで、デタラメな起源の怪しい技を使ってくる少女、安西九郎・来伝・ペディアが今回の相手になります。作戦は三分の二以上の塗りつぶしを優先するか、ちまちまダメージを与えていくかどちらを選んでも構いません。あと、来伝ちゃんへのつっこみも適時入れていくのがよいのかもしれません。
ということで、皆様の熱いプレイングをお待ちしております。
第1章 ボス戦
『安西九郎・来伝・ペディア』
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POW : これぞ明代の武将、天仁須(てにす)の爆炎投法よ!
【テニスラケット】から【球状の爆弾】を放ち、【着弾時の爆発】により対象の動きを一時的に封じる。
SPD : これぞ宋の侠客、春空琉(はる・くうる)の斬撃走法
自身に【謎の魔力】をまとい、高速移動と【移動の際の衝撃派】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ : あれは○○闘法!知っている(つもりな)のか来伝!
対象のユーベルコードを防御すると、それを【亜行参紗行伍のページに写し】、1度だけ借用できる。戦闘終了後解除される。
イラスト:笹本ユーリ
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠水貝・雁之助」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
宝海院・棗
基本的にスライムスリップで溶けた状態で、移動しつつ通ったところを塗るのを優先(可能なら虹や銀で)。スカイステッパー、スペシャルエボリューションスピンでのラバーボール化による転がりやバウンドも。
自分たちが3/4以上塗りつぶしている間は攻勢に
#敵の各UC対策とツッコミ#
・POW「そんな昔からテニスあった?」
スペシャルエボリューションスピンの超光速回転やラバーボール変身で可能なら跳ね返し、最悪回避
・SPD「パルクールの間違い?」
スライム状の体で足元を滑らせて転ばせる
・WIZ「どういうメカニズムで借用してるの?」
主な使用技能:残像、なぎ払い、空中戦、範囲攻撃、スライディング
マヒル・シルバームーン
あ、安西九郎・来伝・ペディア…?
まさか…
全然知らない人でしたわ
さて、ヌリツブシバトルですわね
攻撃は他の方にお任せして、わたくしは塗り潰しに専念します
UC『第二結界』を発動、銀色の雨を降らせてその名の通り黒を銀色に塗り替えますわ
まずは地盤固めにわたくしの周囲から、徐々に敵に近づくようにじゃんじゃか降らせていきます
さあ、「銀の雨よ、万象を染め上げよ(ペイント・イット・シルバーレイン)!」
塗り潰された結界に入って、敵の攻撃はオーラ防御で耐えます
ところで、このUCは『銀色の』雨を降らせるものですが…
コピーされたら敵も黒ではなく銀色で塗るようになっちゃいませんか?
シルバーレインっちゃいませんか?
漆黒に染め上げられたザ・ペイントステージ。そんな世界を銀色に染めようと二人の猟兵が手を組んだのだった。クリスタリアンの少女、宝海院・棗(もち・ぷに・とろり。・f02014)は自らの身体をスライム状にして通ったところを必死に銀色に塗っている。その一方でダンピールの少女、マヒル・シルバームーン(銀の月・f03414)は己のユーベルコード、第二結界を使って銀色の雨を降らせることで世界を染め上げようとしているのだ。
「銀の雨よ、万象を染め上げよ!」
勢いよくマヒルは呪文を詠唱する。それを見ていた来伝も負けてはいない。
「ふふっ、君もやるなぁ。じゃあ僕はその技をコピーさせてもらうよ……」
来伝の持っている『亜行参紗行伍』が怪しく光る。開かれたページには銀の雨を降らせるマヒルのユーベルコードが記されていた。そして、銀色の雨がマヒル向かって降り注ぐ。その攻撃をかわすことに成功したマヒルだが、彼女はこのユーベルコードを来伝も使うことで街並みが銀色に染まることを期待していた。だが、来伝によってコピーされた銀色の雨には街並みを銀色に染め上げる力など無かったのである。黒に戻らなかったのが不幸中の幸いであろうか。
それを見ていた棗が来伝に茶々を入れる。
「うわぁ……すごいね。どういうメカニズムで借用してるの?」
それでも塗りつぶすのを忘れない棗。そう、このヌリツブシバトルは塗りつぶすことさえできれば猟兵は大いに有利になる。まだ三分の二を染め上げるには至っていないが、息を合わせたかのように二人で協力して塗りを増やしていく作戦は着実に功を奏しているのだ。
「そうはいかないよ。塗りつぶされては、たまらないからね!」
そんな来伝は塗りつぶされまいと棗を狙って春空琉の斬撃走法を繰り出していこうとする。素早さを生かして先回りしようと斬撃走法を使いながら高速移動したその瞬間だった。棗はスライム状になった己の身体を使って着地しようとする来伝の足を滑らせたのだった。そのまま勢い余って壁に激突する来伝。
「さっきの技、パルクールの間違い?」
勝ち誇ったように来伝に突っ込む棗。
「だって、この本に載っているんだもん!」
八百科辞典らしくこの『亜行参紗行伍』には嘘しか書いていないのだが、それを元にここまで技として完成されているものを作り上げる来伝もさすがだ。棗はすごいと感心しつつも、なおも塗りつぶしを続けるのであった。
成功
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月代・十六夜
【リトルバスターズ】で連携。
【超過駆動:肉体】で【ジャンプ】して相手の目の前に着地。
自分がいるのも関わらず放たれる味方の絨毯爆撃と相手の衝撃波を【視力】【聞き耳】【野生の勘】で【見切っ】て避けながら【韋駄天足】も混ぜながら相手の高速移動に追随、攻撃せずに【時間を稼ぐ】。
こちらを無視して遠距離攻撃やUC借用を狙いそうであれば、【虚張盗勢】で亜行参紗行伍を盗む【フェイント】で邪魔をする。
味方が本気を出せるようになったら、皆の問いに「自分の場所に撃ち込め!」と返し、まず飛んでくる雷を【見切っ】て【霞む幻刀】で吸収、雷が当たらなかったと油断した相手に光の抜刀を打ち込み、遅れて降ってくる砲撃から逃げる!
デナイル・ヒステリカル
【リトルバスターズ】で連携
十六夜さんが囮として敵を引き付けている間、パーカーに備わった迷彩プログラムを発動して周囲の黒色に潜む。
そうして敵が十分に遠く離れた事を確認した後、迷彩を解除し、先ずはUC:ノイジーレイニーによる塗り潰しを開始。
空から降り注ぐ無数の槍と、激しい雷で、ステージの広域を黒色からイナヅマの迸る蒼い色へと塗り替えていきましょう。
「これで塗り返しは大丈夫、いつでも攻撃に移れます」
敵を打倒するため、通信機越しに仲間へと声をかけます。
「敵の位置を教えて下さい!」
指示された位置へとUC:轟く雷鳴を放射。
口頭での伝達では照準が甘く、味方へと当たるかもしれませんが、それも計算の内です。
北条・喜夏
【リトルバスターズ】で参戦や!
天仁須に春空琉て……なかなかなトンデモやな……
民に明るい書房の本にでも書いてありそうやなー。
さて、奴さんのお相手は十六夜はんに任せるとして、ウチは喚び出した戦車のみんなにペイント弾を装填!
ひとまずは塗りつぶしを優先するで。
あ、爆炎投法やコピーUCで反撃されそうならそん時は「チューすけ」で【盾受け】してな。
んでもって、ぼちぼち塗り終わったら反撃といくかー。
戦車んみんなに実弾を装填してと。
ほいよー、十六夜はん、準備出来たでー。そんでもって、奴さんの座標は?
――よーそろ、”千夜一夜の装甲旅団”ッ!【一斉発射】ぁ!
ん?
あれ?
この弾、十六夜はんに向こうてない?
短夜・いろは
【リトルバスターズ】で連携
うー、アートアート。
今、キャンバスを求めて全力疾走している私は戦争中のごく一般的猟兵。
強いて違うところをあげるとすれば、アート技能が276あるってことかなー。
そんなわけで帰り道にザ・ペイントステージのオブリビオンが暴れてるところにやって来たわ。
ふと耳を澄ませると戦場で一人の若い男が叫んでいた。
「自分の場所に撃ち込め!」
いいのか? 私は猟兵だってホイホイアートにしちまう人間なんだぜ。
グレネードランチャーの引き金を打ち放ち、全て終わったタイミングでカラーボールの雨が降り注ぐ!
テメーら猟兵ごと敵も味方も一面派手に【原色】に染めてやる!! 覚悟しとけ!!
漆黒に塗られた街は猟兵たちの活躍によって幾らか銀色に塗られてはいるが、まだまだ漆黒を残しているところも多い。その黒き街並みに「超過駆動:肉体」で本気モードになった月代・十六夜(韋駄天足・f10620)が来伝の前に見事なフォームで着地したのだ。
「あ、僕の邪魔をするのは許さないよ! 春空琉の斬撃走法をお見舞いしてあげる!」
来伝は天高く舞い上がると一気に十六夜向かって駆け込んで衝撃波を放つ。だが、十六夜もそれをひょいとかわすと一緒になって高速移動を始めた。十六夜はいったいどこへ向かおうとしているのだろうか?
同じ頃、パーカーに備わった迷彩プログラムを発動してデナイル・ヒステリカル(架空存在の電脳魔術士・f03357)は黒き街並に潜んでいた。ちょうど十六夜からの通信が入る。どうやら、彼は来伝を誘導してうまく遠ざけることに成功したようだ。デナイルは迷彩を解除すると、「ノイジーレイニー」を使って塗り返しを始めた。空から降り注ぐ無数の槍と、激しい雷が漆黒の街をイナヅマの迸る蒼い色へ塗り替えていく。
「天仁須に春空琉て……なかなかなトンデモやな……民に明るい書房の本にでも書いてありそうやなー」
そしてここにもヌリツブシバトル作戦に加わっている猟兵が一人。武装召喚JKよしかちゃんこと北条・喜夏(武装召喚JKよしかちゃんとはウチのことやで・f13043)が召喚した戦車部隊にペイント弾を装備させている。その中でもとりわけ目立つのが百九十トンの重量を誇る超重戦車「チューすけ」だ。喜夏はひとまずは塗りつぶしを優先する旨の命令を戦車部隊に発令した。漆黒の街に轟く砲声の後、街はその色を取り戻していったのだった。
あと少しで三分の二以上塗り終わると言うときに、またしても新たなる猟兵が現れた。
「うー、アートアート。今、キャンバスを求めて全力疾走している私は戦争中のごく一般的猟兵。強いて違うところをあげるとすれば、アート技能が276あるってことかなー」
その声の主、短夜・いろは(やさぐれスプラトゥーン・f15837)は左手にグレネードランチャー、右手にスプレー缶と、街を塗りつぶす気満々である。塗りつぶされた面積が三分の二を超えるまでいろはは己のペイントブキを使ってストリートアートを書き込み、漆黒の街を原色に染め上げていく。
一方、来伝と十六夜の戦いは続いていた。来伝の「春空琉の斬撃走法」についていっている十六夜は少しばかり息が上がっている。ただ、彼には勝算があった。もうそろそろ他の猟兵たちが漆黒の街の三分の二を染め上げてくれる頃だと感じていたからだ。そんな中、デナイルからの通信が入った。
「これで塗り返しは大丈夫、いつでも攻撃に移れます!」
猟兵たちは漆黒の街の三分の二以上を塗り替えたのだ。続いてデナイルからの「敵の位置を教えて下さい!」という言葉に十六夜は通信機に「自分の場所に撃ち込め!」と思いっきり叫んだのだった。デナイルの、喜夏の、そしていろはの通信機に敵の居場所を教える十六夜の声が伝わっていく。皆、この時を待っていたのだ。
「ほいよー、十六夜はん、準備出来たでー。そんでもって、奴さんの座標は? ――よーそろ、『千夜一夜の装甲旅団』ッ! 一斉発射ぁ!」
このときのために、喜夏は戦車隊に実弾を装填していたのだ。十六夜の指示を受けて、戦車隊は正確無比な砲撃を開始する! 極彩色の街に、戦車の砲声が響き渡ったのだ。負けじとデナイルも轟く雷鳴を放射する。そしていろはもこのやりとりを聞いていたのか、通信機で十六夜に冗談を返す。
「いいのか? 私は猟兵だってホイホイアートにしちまう人間なんだぜ!」
アート技能276を生かした圧倒的インスピレーションで以て、いろはのグレネードランチャーから極彩色のカラーボールの雨が十六夜向かって発射される! 果たして、十六夜は来伝ごと現代アートになってしまうのだろうか?!
とどろき渡る砲声と雷鳴は、程なくして十六夜の耳に入ってきた。この音が入ってきたと言うことは、間違いなく自分を目標として攻撃がなされたと言うことである。十六夜は飛んできた雷を霞む幻刀で吸収したのだが、来伝には味方の攻撃が誤爆したようにしか見えなかったのだ。
「ははっ、味方に攻撃されてる!! これは、僕の勝利かな?!」
すっかり慢心しきった来伝に喜夏の呼び出した戦車隊の実弾といろはの発射したカラーボールの雨が命中する。そう、十六夜は全てを見切って来伝に全てが命中するように仕向けたのだ。さらに命中するタイミングに合わせて、十六夜の雷を纏った光の抜刀が切り裂いたのだった。
お見事、【リトルバスターズ】の四人の猟兵たち。彼らの活躍によって一つの黒く染め上げられた街並みを極彩色の街並みに変え、そこに立ち塞がるオブリビオンを駆逐することに成功したのだった。まだまだ先はあるが、四人の猟兵たちは一つの作戦を成し遂げたという達成感に浸るのであった。
成功
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