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バトルオブフラワーズ⑧〜おめでた色を取り戻せ!

#キマイラフューチャー #戦争 #バトルオブフラワーズ

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●♰漆黒の慶事♰
 色鮮やか、時にギラギラと華やかな色彩に溢れるキマイラヒューチャー。
「黒く、黒く真っ黒く!」
「もっと、もっと、ブラックに!」
「全て黒くー!」
 ビルが黒く塗りつぶされる。
「はっはっは!全て黒く塗りつぶす!」
「これ即ち、我らめでたき品々が目立つ!」
 無数の怪人。
 頭がモチ、スシ、ケーキの彼らは肩を組みその光景――同士達によって黒く塗りつぶされる街並みをうっとりと見ていた。
「モチ殿の白が映えますな!」
「スシさんのシャリの白も綺麗にきまってらぁ!」
「ケーキさんの生クリーム。黒とのコントラスト最高だね♪」
「「「さあ、塗りつぶしだあ!!!」」」

●グリモアベース
「これより皆に行ってもらいたいのはキマイラヒューチャーの中核システム『システム・フラワーズ』を守る『ザ・ステージ』の1つ、キマイラフューチャーの街並みを模して作られた戦場。そしてザ・ステージにいる怪人達の排除を頼む」
 氷長・霰(角型宝石人形、なわけないのじゃ角娘じゃ・f13150)はそう切り出すとキマイラヒューチャーのポップな街並みの写真をすっと取り出す。
「今から皆を転送する戦場は無人。そして、その中で」
 どこからか取り出した筆を写真の上に走らせる。黒く塗られる写真。
「この墨よりも黒い、『闇のような黒色』で怪人達が『クロヌリスレイヤー』を行っておる」
 クロヌリスレイヤー。
 転送先の街並み全てが黒色で塗りつぶされればその時点で怪人達がザ・ステージでの勝利者になる。
「ザ・ステージ奪還のため、皆にはこの3種の怪人達が塗りつぶしを行っている所を止めてもらいたいのじゃ」
 霰が取り出したのは手描きで描かれた怪人達。
 頭がモチ。頭がスシ。頭がケーキ。
 実にめでたく、お祝い事の席にありそうな物だ。
「こいつらが!手足生やして!動いているんじゃ!黒塗りしてるんじゃ!」
 あらゆる手段で攻撃してくるモチ怪人、超高速の攻撃をするスシ怪人、そしてケーキを投げユーベルコードを相殺するケーキ怪人。
「皆と遭遇すれば当然こやつらとの戦闘になるじゃろう。しかし、騒動の内に密かに、或いは最期の力を振り絞って黒塗りを行う可能性が高い」
 怪人達は多人数での行動、時には少数で。
「『クロヌリスレイヤー』の勝利条件達成のため怪人達は動くであろう。様々な状況を想定する必要があるかもしれぬのう」
 塗りつぶされていない場所の探索、戦闘、そして密かに動く怪人との読みあい。
「この見た目とは裏腹に、奴らは戦略的に動く。しかし!皆の力があればザ・ステージの奪還、そしてへシステム・フラワーズの道は拓ける!わらわは信じているのじゃ!」
 霰はがんばるのじゃー!と大きく手を振り転送ゲートの向こう、黒く塗られつつあるザ・ステージへ向かう猟兵達を見送った。


硅孔雀
 ここまで読んでいただきましてありがとうございます。
 硅孔雀です。

 このシナリオは『バトルオブフラワーズ』の戦争シナリオです。
 1フラグメントで完結し、「バトルオブフラワーズ」の戦況に影響を及ぼす特殊なシナリオとなります。

●特殊ルール:クロヌリスレイヤー
 このシナリオフレームでは、『クロヌリスレイヤー』という特殊戦闘ルールが適用されます。
 多数の集団敵が街並みを『闇のような黒色』で全て塗りつぶした時点で強制敗北、シナリオは失敗になります。
 転送されたキマイラヒューチャーを模した戦場では怪人達があらゆる手段で塗りつぶしを行っています。
 勝利条件を達成しに活動する怪人を退治してください!
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第1章 集団戦 『お祝い事トリオ』

POW   :    モチ怪人・ウェポン
【モチ兵器】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    スシ怪人・ジェノサイド
【スシ攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ   :    ケーキ怪人・リフレクション
対象のユーベルコードに対し【ケーキ】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。

イラスト:まめのきなこ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

クリスティーヌ・エスポワール
なるほど、ここは色塗りがルールなのね
いいわ、戦略の格の違いを見せてあげる!

「レギオン、整列! 怪人を組織力で潰すわよ!」
《エレクトロレギオン》を使用
現在使役可能な115機のうち、15機を1小隊に編成
合計7個小隊を分散させて索敵・迎撃させるわ
残り10機は私の直掩に回して、私自身もユニットとして動くわね
上空にDe108Eを無人で飛ばしてフィールドの【情報収集】
それを各小隊の視覚情報含めてデータリンクして共有、黒塗りしてる敵怪人と、塗り残しを特定
フィールド保護と怪人の各個撃破に努めるわ!
【空中戦】【早業】【2回攻撃】【先制攻撃】で一気に決める!
「ここなら袋小路、逃げられないわよ!」



【サプライズクロヌリを阻止せよ!】
 4割程が既に黒く塗られたザ・ステージ。
 クリスティーヌ・エスポワール(廃憶の白百合・f02149)が舞台に立つ。
 黒がクリスティーヌの肌の白さを引き立てているが、赤い瞳が見つめるのは塗料。
「なるほど、ここは色塗りがルールなのね」
 闇のような黒色、肌に少しでもつけたくはない。
「いいわ、戦略の格の違いを見せてあげる!」
 クリスティーヌのユーベルコード:エレクトロレギオンが発動する。現れたレギオンは全部で115機。
「レギオン、整列!怪人を組織力で潰すわよ!」
 その言葉と共に15機のレギオンがそれぞれ集まり、1小隊として編成されていく。
 残った10機がクリスティーヌの周りに集まると、優しい声色で話しかける。
「私自身もユニットとして動くわ。直掩として一緒に動いてね」
 10機がその言葉に従いクリスティーヌの周りを囲むと、7個のレギオン小隊にクリスティーヌは命令する。
「フィールド全体の情報収集を上空からするわ、フィールドのデータは随時送信するからあなた達は分散して索敵、迎撃を行って」
 各地区を移動を始めた小隊をクリスティーヌは『De108E デルタ・アイ』を上空に放つ。
「De108Eとレギオンのデータリンクは……よし。塗り残しが4ヵ所。クロヌリ中の怪人らしき物が動いている個所が1ヵ所ね」
 フィールド保護と怪人の各個撃破に必要なデータはあっという間にクリスティーヌの元に集まり、共有される。

「塗るのじゃ!黒く塗りつぶすのじゃ!」
 ケーキ怪人達がクロヌリを行っている箇所へとクリスティーヌと2小隊は素早く移動しその動きを観察する。
「……行動開始」
 クリスティーヌ自らが先制して飛び込み、小銃や高速振動剣等を仕込んだレギオンの攻撃でケーキ怪人達がなぎ倒される。
「な、なんじゃ!?」
「畳みかけるわよ!」
 レギオン2小隊がその言葉に反応し空中に巻き上げるかのように銃を放ち、目にもとまらぬ早業で切り裂く。
「撤退じゃー!他の者に伝えよ!」
 ケーキ怪人達がバラバラに逃げていくが、既にフィールドは把握している。
「予想通り、塗り残しの場所までそれぞれ移動し始めた」
 残り5小隊が既にそれぞれのポイントで待機している。ケーキ怪人の攻撃は事前にユーベルコードを『見て』いれば成功率は上がるが、伝聞では不十分だろう。

 クリスティーヌがレギオン小隊に情報を伝え、各個撃破しながら塗り残しから遠ざけ、残党を袋小路に追い詰める。
「ここなら袋小路、逃げられないわよ!」
「さ、サプライズケーキブラック添えが-!」
 良く分からない断末魔と共にレギオンの一斉攻撃で消えていくケーキ怪人達。
 クロヌリ用の塗料を綺麗によけ、少しずれた眼鏡をクリスティーヌはかけ直す。
 情報収集、敵の行動への予測・対応が功を奏しクロヌリは一滴も広がらなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

鳶沢・成美
うーん、まず妨害に傾注しましょうか

”全力魔法”の【氷雪竜巻】で”範囲攻撃”です
冷気によって”マヒ攻撃”や”気絶攻撃”になればなお良しですね

後は自分の色の塗料が入ったカラーボールを一緒に放り込んでしまいましょう
確実性には欠けますが、上手くすれば広い範囲にカラーボールをバラまけるかもしれません
「ま、ダメで元々です」

アドリブ・絡み・可 ””内技能


豊原・フィリス
【美女騎士団出陣】使用
騎士団員に大きな塗装用具を持たせ人海戦術で色を塗る
「騎士団のみんな準備はいい? 塗装用ローラーや刷毛は持った?
 予備の塗料は? じゃあ頑張りましょう」

『視力』を活かして塗られていない場所を探し『ダッシュ』で移動
塗る色を暗い灰色にすれば『迷彩』になるかもしれないわねぇ
「明度や彩度が1でも違えばそれは違う色だものね」

アドリブ・絡みok



【お色直し的ヌリツブシカウンター作戦】
「くっ、猟兵と呼ばれる奴らめ!ヌリツブシが進まないんじゃ!」
 モチ怪人が苛立ち、それを宥めるかのようにスシ怪人が『闇のような黒色』で満たされたバケツを手渡しする。
「モチ殿、落ち着くがよろしいですぞ!」
 モチ怪人、スシ怪人は互いの顔?を見合わせ、そして高らかに笑いあう。
「「こうなったら数で押切り、奴らも見つけられない細かい場所を塗りつぶしましょうぞ」」

 豊原・フィリス(セクシー系バーチャルキャラクター・f15722)が緑色の瞳で見ているのは黒く塗りつぶされた街並み。
「うーん、あんまりいい色じゃないわね。真っ黒だなんて、気分が参っちゃいそう」
 グリモア猟兵の説明を思い出し、豊原は黒く塗りつぶされた広場に立ち、虚空に向かって指をさす。
「さあ、クッコロ騎士団出陣よ!」
 その言葉と共に豊原のユーベルコード:美女騎士団出陣(クッコロキシダンシュツジン)が発動する。
 何もない広場に現れたのは、盾に1と刻印された美女騎士の1団。強気な視線を豊原に向ける。
「豊原様、参上しました!」「ご命令を!」
「あらあら、慌てなくても大丈夫よ」
 豊原が彼女達に苦笑しつつ取り出したのは大きな塗装用具の数々。
 喜びと勇ましい声を上げながらそれぞれを手に取り始める光景を満足げに眺めていた豊原の耳に男性の声が不意に聞こえた。
「怪人の妨害を……ってえ、び、美女軍団!?」
 その声に豊原が振り向くと、驚いた顔の男性。
「え、えっと」
「あら、あなたもザ・ステージに来た猟兵さんね」
「はい。鳶沢成美といいます。クロヌリスレイヤー……本当に、黒い」
 鳶沢・成美(人間の探索者・f03142)は周囲を見回し、何匹かの怪人達がバケツを手に動いていたことを豊原に報告する。
「僕は彼らの妨害に傾注しようと考えています」
 広範囲で自らのユーベルコードを使用し、一度に攻撃する。
「そして、うまくいけば黒いこのフィールドにこれを撒けるかもしれません」
 ごそごそと鳶沢が取り出したのは様々な塗料が入ったカラーボール。あら、と豊原の目が反応する。
「ま、ダメで元々です」
「こちらは人海戦術で行くわ。折角だし……少し貸してくれない?」
 カラーボールをいくつか指さし、豊島が問いかける。騎士団の持つローラーや刷毛が目に入る。
「成程……お互い頑張りましょう!」
 かくして、2人の猟兵と美女騎士団(くっころスタイル)のヌリツブシ作戦が始まった。

「騎士団のみんな準備はいい?塗装用ローラーや刷毛は持った?予備の塗料は?」
「準備完了です!」
「鳶沢さんから貰ったボールの色も混ぜた?」
「勿論です!」
「じゃあ頑張りましょう」
 作戦開始、という声と共に『オペレーターヘッドセット』をそれらしく構えた豊原が駆けだす。
「そこの壁の上!塗り残しがあるわ!」
「はい!」
 びゅっという音と共に塗り残しが緑に染まる。怪人達も焦って行動し始めているのか、塗り残しは多々ある。
 騎士団員に命令し、用意した暗い灰色の塗料や先程鳶沢から分けて貰った色が混ざれば、元のキマイラヒューチャーのようなカラフルな色合いに。
「明度や彩度が1でも違えばそれは違う色だものね。それに、これだけ色が混ざっていれば」
「現れたか猟兵め……ってなんだこのおめでたきカラフルな色は!?」
 多種多様なネタを乗せたスシ怪人達は戸惑う。様々な色が混ざり合い迷彩のようになった一角では豊原を始めとした騎士団の姿は良く見えない。
「ふふ、案の定ねぇ」
 ええいかかれぇ!というスシ怪人達の攻撃を受けながら、騎士団たちと豊原は一斉に移動する。

(スシにモチ……上手く行けば、掃討できる)
 カラーボールを渡している間、自分のユーベルコードを説明し自分の行動を伝えた鳶沢はモチ怪人達が走ってくる音にはっと顔を上げる。
「襲来じゃ!皆の物!位置につけ!」
 確かに頭はモチ、おめでたいが体の一部が盛り上がり、今にもモチが飛び出しそうな怪人達。
 そして、後ろからは複数の足音。
「豊原さん……!それに」
 色とりどりのスシ怪人。
「お待たせ!塗りつぶしは終わったわ、後はこの怪人達を」
「はい、全力で。舞え、氷の竜よ。アイストルネード……なんちゃって」
 鳶沢のユーベルコード:氷雪竜巻(アイストルネード)が発動した。彼を中心に無数の細かい氷の粒が竜巻のように怪人達を襲う。
「な、こ、これは冷気!不味いカチカチに……ギャーー!!」
 モチ怪人の放ったモチ兵器、とろーりもちもちの弾はあっという間に撃った怪人毎カチカチに。
「か、体が動かなくなる……お、おのれー!」
 シャリが細か氷の粒でジャリジャリと。その痛みにばたりと倒れ込んでいくスシ怪人。
「くっ、か、かくなる上は色付きダークネス餅を……」
 モチ怪人がモチ兵器に包んだ『闇のような黒色』を塗り残しにぶつけようとする。
 しかし、竜巻の中先に塗り残しに命中したのは、鳶沢が元々手にしていたカラーボール。
「む、無念……」

 風と共にカラーボールは広範囲にぶつかり、黒を染め上げていく。
 人海戦術、そして上から色を重ねる。猟兵達の判断が怪人を上回っていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

数宮・多喜


もう一押しって所だね!
んじゃめでたい色……そうだね、紅白に塗り直そうじゃねぇか!
アンタらが白だから、アタシは赤でいいだろ!
カブの荷台に赤インク満載の容器を積んで、
スマホを使い『情報収集』。
奴らが集まってる場所を特定したら『騎乗』『ダッシュ』で急行し、
『操縦』テクを披露するように集団の眼前でクイックターン!
遠心力で周りにインクを豪快にぶちまける。
ついでに何人か跳ね飛ばせれば御の字だね。

とにかく機動力がアタシの信条。
ぶちまけたらその場はすぐに撤退さ。
途中でインクを補充しつつ、
他の場所でもどんどんインクを掛けて行こうじゃないのさ!



【おめでた色を取り戻せ!】
 闇のような黒色で塗られていった街並みが様々な色で塗られていく。
 ザ・ステージに降り立った数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)が辺りを見回す。
「もう一押しって所だね!」
 数宮がステージに持ち込んだのはインクの入ったバケツと『宇宙カブJD-1725』。慎重にバケツの中身がカブにかからないよう、持ち手にかけながらスマートフォンを取り出す。
 多くの猟兵達の手によってステージの規模、街の情報はすぐに分かった。
 器用な手付きで相棒に跨り、バケツを持ちながら宇宙カブのエンジンをかける。
「さてと、いっちょ走り回ってやるかね!」
 その言葉と共に宇宙カブ自身がポップなカラー、そして吐き出す煙もどこか虹色めいたカラフルなものとなる。数宮のユーベルコード:ゴッドスピードライドによって宇宙カブはまさに風のごとく、怪人の集会場へと動き始めていた。

「このままでは敗北は必須ですぞ!」
「大丈夫♪落ち着いて、所詮は1人を相手に!」
「我等おめでたお祝い事トリオの数で勝つ!」
 カラフルに塗り直された箇所に集まっている怪人、その内のスシ怪人が音に気が付く。
「あれ、この音は一体」
 その瞬間。真っ白なイカとシャリが真っ赤になった。
「!?」
「て、敵か!?」
 キュッ、っと何かが高速回転した。正確には、怪人達を巻き込んで、吹き飛ばすように回転する。
「ギャー!!!ケ、ケーキが」
「どうだい、おめでたい色になっているだろう?」
 宇宙カブに乗ったまま、数宮は怪人にニヤリと笑いかけた。彼女がぶちまけたのは赤インク。これじゃあ我々のおめでたい物をかえって目立たせる作戦が!」
 憤慨するスシ怪人、数宮は冷静に荷台に積んでおいた容器からバケツに赤インクを注ぐ。その余裕ぶりにスシ怪人達が一斉にシャリの上のネタを飛ばす。
「くらえ!光……ギャー!!!」
 数宮は瞬時に宇宙カブを操作し、遠心力でスシ怪人達を弾き飛ばしながら真っ赤に染める。
「さあて、あたしと速さで勝負する奴はいるかね?」
 速さ、早さ、賞味期限と消費期限。スシ怪人とケーキ怪人は何かを察したように真っ白な部分を真っ青にする。
 宇宙カブから虹色の煙がもくりと吐き出された。
「さあて、こっちはたっぷりインクを補充しているんだ。ついでに何人、いや匹跳ね飛ばせるか楽しみだねえ!」
 その日、おめでたき怪人達は、赤く染まった。
「くっ……紅白でめでてえなんて、お、思わないんだからな!」
 なんともツンデレな言葉を残しおめでたい怪人達はまた一匹、また一匹と倒れていった。

「クロヌリスレイヤーの勝者はあたし、いやあたし達って所だね」
 宇宙カブのブレーキを止める数宮。
 周りは赤く、といっても血ではなく明るい朱の混じった赤。倒れている怪人達と合わせると丁度紅白になる。

『クロヌリスレイヤー、クロヌリ箇所10%未満。これ以上のステージ維持は不可』
『システム・フラワーズへの援護開始』
 その瞬間、僅かに残っていた闇のような黒色が光となってステージから消え去った。
 バトルオブフラワーズ、花の海での死闘も佳境に入っている。
 ステージから溢れた光は猟兵達の力となっているのかもしれない。
 ポップでキュート、時にサイバティック。
 キマイラヒューチャーの明るい世界の未来への後押しとなるような光景が、猟兵達の活躍により戻っていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年05月26日


挿絵イラスト