バトルオブフラワーズ④〜LOVE PROTEIN
●養鶏場の宴
「チキンだぁー!」
「コケェーーーーーッ!(逃げる鶏)」
「白身だー!」
グッツグツグツ……(鶏卵を茹でる音)
「プロテインだぁー!」
怪人達は良質な蛋白質を提供してくれるチキンの収穫に喜ぶのであった。
●グリモアベース
「という訳なんだけど、分かんないよね?」
グリモア猟兵、雷陣・通(ライトニングキッド・f03680)も困った顔をしていた。
「とりあえず、今回の戦場から説明するよ」
取り出したのは当該戦場であるザ・ステージの概要を説明したもの。
「今回の戦場は養鶏場があって鶏肉が収穫可能なところだ、ここでタンパク質三人衆って名乗る怪人達がニワトリを収穫……いや、乱獲に走ってる」
少年の顔には困惑しか浮かんでない。
「コイツら、殴って倒したいけど……収穫中は無敵らしくて、攻撃が利かないんだ。で、ステージの特性としてなぜか調理器具と設備一式がそろってて、食材は怪人が山と積んでる……うん、料理で釣って食べてる間に倒せってことなんだ」
ステージの特性を説明しつつ、グリモア猟兵はゲートを開く。
「あと気を付けてほしいのは相手がタンパク質三人衆って、名乗ってるせいか分からないけれど、奴らタンパク質中心の料理を好むみたいなんだ、つまりフライドチキンはNGだし、ご飯も多いとダメみたい、なんていうかな――そうそう、ローカーボ、ローファットな料理で勝負をしてほしいん。それじゃゲートを開いたから行ってきて、そして美味しそうな料理が出来たら俺にも話してほしいな」
ゲートの奥からは何というか自然と汗の匂いが伝わってくる気がした。
みなさわ
普通に美味い料理は他に任せて、ローカーボ、ローファット、ラブプロテインで行きましょう。
みなさわです。
今回は以下のような特殊ルールがありますので、まずご確認を!
『このステージでは、食材を収穫中のオブリビオンは攻撃が無効になるという特殊能力があり、一定以上の収穫をされてしまうと、猟兵側の敗北になります』
『オブリビオンは、収穫された食材を山のように積み上げようとするので、猟兵は、その食材で料理を作成しましょう。
その料理が美味しそうならば、食欲を刺激されたオブリビオンが作業を中断して、料理を食べてしまい『攻撃無効の効果が無くなる』ので、攻撃して撃破する事が出来ます』
今回はさらに蛋白質に特化した料理を出してもらいます。
以下の情報を参照してください。
●食材
ニワトリです、良質な蛋白質を提供し、ささみと胸肉は脂肪が少なく。卵は完全栄養食です。
他の食材もコンコンすれば出てきますが大量のチキンを料理してあげないと勿体ないと思います。
●設備
大体の調理設備は整ってますが、長時間かかる料理はその前に収穫されてアウトの可能性があるので一晩漬けこむ等の行程が入るのは避けたほうがいいです。
●穀物
基本的には、パスタ<米<パンの順番で糖分と脂肪が増えますので選択に気を付けてください。
パスタは蛋白質含有量が多いので喜ばれます。
●油
オメガ3の油以外は避けたほうがいいです(ごま油、オリーブオイルなど)ラードはまず苦戦でしょう。
●その他
ここだけの話ですが、炭水化物を取らなすぎるとヒトは色々と不調を起こして、死ぬ。
なお、みなさわのマスターページにアドリブ度などの便利な記号がございます。よろしければご参考下さい。
では、皆様、良い蛋白質と料理を!
第1章 集団戦
『タンパク質三人衆』
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POW : ニワトリ怪人・ウェポン
【ニワトリ兵器】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD : サカナ怪人・ジェノサイド
【サカナ攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ : タコさんウィンナー怪人・リフレクション
対象のユーベルコードに対し【タコさんウィンナー】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
トリテレイア・ゼロナイン
前回参加した任務で破壊された胸部装甲と内部機構の修理も終わり、戦線復帰です
敗北から立ち上がり、キマイラFの安寧を取り戻すまで騎士として戦い抜きましょう
怪人達がなぜあそこまで蛋白質に固執するのか……。もしや筋トレの効果を高めたいからでは?
キマイラFのデータバンクに●ハッキングを仕掛け、美味しい鶏の捌きかたと焼き鳥の焼き方を●世界知識として取得
設備は焼き鳥屋台を選び、焼き鳥メニューはレバー・ハツ・砂肝!味付けは塩とレモンです
含まれる酸素を供給する助けとなる鉄分と滋養強壮によい亜鉛は筋トレの助けとなるでしょう
上記を宣伝し、疲労回復に食べている怪人達を●怪力とUCで掴んだ屋台で●なぎ払います
●焼き鳥『騎士道』
「チキン! チキン!」
「プーロテイン! プーロテイン!」
「俺たちタンパクだけど淡白じゃねえ、それがタンパク質三人衆!」
歌いながらニワトリを捕まえている怪人たちの鼻腔をくすぐる香ばしい匂い。
「これは……」
「炭火だ、しかも肉が直火で焼かれている」
「つまり焼くときに油を使っていないのか!? ローファットじゃないか!」
彼らが匂いの先へ視線を見せると一台の焼き鳥屋台で串を打つトリテレイア・ゼロナイン(紛い物の機械騎士・f04141)の姿があった。
「いらっしゃいませ」
ねじり鉢巻きを頭に巻いたトリテレイアが串に刺すのは、レバーとハツ、そして砂肝。
「ほう、これは内臓肉、とてもローファットですね」
『騎士道』と書かれた暖簾をくぐった怪人の一人、ニワトリ怪人が肉を一目見て種類を見抜く。
何せ自分の身体だ、すぐわかる。
「お客様の希望に合うものを選びました」
大柄だが誠実な口調、そしてネットでハッキングした包丁の動きに、怪人たちは堅実な仕事をする職人気質な男という印象を受ける。
串に刺した内臓肉を炭で焼けば、遠赤外線を含んだ熱がウォーマシンを照らす中、精密な動きで串を回し、まんべんなく肉を焼く。
肉から落ちる脂が炭へと零れれば、香ばしい匂いが周辺を包み、怪人の胃が肉を求めて音を立てる。
頃合いを見て、串に塩をかければ火からおろし、最後にレモンを一絞り。
「お待たせしました」
オブリビオンの前に置かれた皿には串が三本。
彼らは喉を鳴らし、それを手に取った。
「これは……」
「食べやすい!」
「そしてなんという……美味さだ!」
肉を食べ、唸る怪人達。
「お客様は蛋白質を好むようでしたので、私なりに考えたのですが……筋トレの効率を高めたいと予想しました」
串をほおばるオブリビオンへ、説明を始めるトリテレイア。
「ですので鉄分と滋養強壮によい亜鉛が豊富な三種をそしてレモンの酸味が食欲を促進し、披露した身体でも食べられるように……そう思って串を打たせてもらいました」
立ち上がり、屋台を握る騎士(今は焼き鳥屋店主)。
「素晴らしい! そこまで見抜くなんて!」
怪人の一人、サカナ怪人が串を称賛すれば。影が彼らを包む。
「あのー……これはどういうことで?」
タコさんウィンナー怪人が問えば、屋台を片手で持ち上げたトリテレイアはそれを振り下ろすことで答えとした!
「キマイラフューチャーの安寧を取り戻すまで戦う、それが私の騎士としての使命です」
ねじり鉢巻きを投げ捨てたウォーマシンは屋台で吹き飛ばした怪人達に目もくれず、その場を後にした。
成功
🔵🔵🔴
聖護院・カプラ
◎
今回の戦争のオブリビオンは手順を守らなければその行いを改めさせる事が叶わぬようです。
ローファットな食事のデータは人並みにしかありませんが、挑戦しなければならないでしょう。
ここで選択すべきは――棒棒鶏です。
🐓胸肉を茹で上げてから粗熱を取った物を肉の繊維に沿って指で割き、
千切りにした胡瓜と輪切りにしたトマトを添えましょう。
カロリーの高い味噌だれではなく、キムチスープの素をかけることで
香辛料による食欲増進や、同じような味付けになりがちなローファット🐓料理の飽きからの脱却を狙った一品です。
いかがでしたでしょうか。食事の余興に『経法』などもお聞きください。
満足されたご様子ならそのまま浄滅致します。
●中華茶房『成仏』
「アミノさーん! アミノさーん!」
「タンパクの源ー!」
「ペプチド結合、我らの絆♪ 俺達タンパク質三人衆!」
歌いながらニワトリを絞めている怪人達は『ふと』その店に気付いた。
「いつの間に……あった?」
「というか、なんだあの……一見普通に見える店なのに視線が離れない『何か』は?」
「腹減った」
怪人達は三者三様の言葉とともにその店――茶房へ赴いた。
それは古きウォーマシンであった。
それは仏像のようであった。
それはなぜか🐓胸肉を茹でていた。
「これは……」
「知ってるのかウェポン!?」
「ああ、俺はニワトリ怪人だからな。間違いない鶏胸肉を茹でている」
「二人とも座ろうぜー」
すでに席に座って料理を待っているタコさんウィンナー怪人に促され、二人の怪人も席に着く。
その間にウォーマシンは茹で上げた鶏肉を氷水に入れて粗熱を取れば、鋼鉄の指が繊維に沿って走り、🐓肉を裂く。
次に包丁を右手に持てば、胡瓜を千切りし、トマトを輪切りにする。
「この副菜、調理法……棒棒鶏だ。本来は蒸す工程を茹でることで脂を排出し、ローファットを追及している」
「しかし、ウェポンよ。棒棒鶏といえばゴマダレ――オメガ3とは言え油があるぞ」
「そうだ、ジェノサイドよ。ゴマダレは油が含まれる、ここでその工程を――な、なにー? キムチスープの素だと!?」
驚く怪人達の前に出されたのはキムチスープの素をかけられた鶏肉。
「いただきまーす!」
それを何のためらいもなくタコさんウィンナー怪人が箸にとれば。
「これは……!」
頭のタコ足がめくれ上がる。
「本場、四川では辛みを効かせた味付けであると、データにありました」
ここでようやく口を開くのは聖護院・カプラ(旧式のウォーマシン・f00436)。その言葉に怪人達は引き付けられる。
「ですのでカロリーの高い味噌だれではなく、キムチスープの素をかけることで、香辛料による食欲増進や、同じような味付けになりがちなローファット🐓料理の飽きからの脱却を狙いました。そして――」
鋼鉄の腕が手を合わせれば。
「仏教も日本に伝わった時は中国から朝鮮半島を経たとデータにあります。四川料理をキムチという調味料を使うことで仏教伝来を形にしてみました――いかがでしょうか? よろしければ食事の余興に経法などもお聞きください」
カプラの言葉に怪人達が頷き、箸を進め、肉を頬張る。そして箸を置き、改めてウォーマシンへ向きなおれば、カプラは頷き。
「それでは『経法』を始めさせていただきます」
――ピカッ!
成功
🔵🔵🔴
エダ・サルファー
◎
私も肉体を武器にするので、身体を作ることは多少考えるけれど。
でもまあドワーフだからかね?適当でもどうとでもなるのよね。
その辺をストイックに出来る人ってすごいよねぇ。
というわけでローファットな食べ物として、簡単に美味しく出来る鶏ハムを作ろう。
まずは皮と脂肪を取り除いた鶏胸肉に砂糖と塩を揉み込んで、ラップに包んで形成。
ジッパー付きのポリ袋に入れて空気を抜き、お湯と一緒に炊飯器に入れて保温。
1時間もすれば完成って寸法よ!
後は切って、茹でたブロッコリーと一緒に皿に盛っとこう。
怪人が気に入ってくれたなら、一通り食べ終わるまで待ってから、全員聖拳突きで殴り倒すよ!
やっぱこういう肉体作りは私には無理だわ。
●ハム工房『拳』
「この身体の血肉の為のー!」
「スクランブルだー!」
「作れ! 血液! 漲れ筋肉! 我らタンパク質三人衆!」
ニワトリの毛をむしる作業に邁進していた怪人達がふと周囲へ視線を巡らせると。
――なんかハムの店があった。
丁度、腹が空いていたので食事休憩としゃれこもうと彼らはハムの店へと入った。
「ごめんくださーい!」
「はーい!」
ニワトリ怪人の声に返事が返ってくるが姿は見えない。
「いないのかな?」
サカナ怪人が呟けば。
「いるわよ」
とドワーフさんがひょっこり出てきた。
「小さ……大きいんですね」
人間用の調理施設へ視線を逃したタコさんウィンナー怪人が空気を読んだ。
「身体を作ることは多少考えるけれど」
台に乗って高さを克服したエダ・サルファー(格闘聖職者・f05398)が鶏胸肉から皮と脂肪を取り除き。
「でもまあドワーフだからかね? 適当でもどうとでもなるのよね」
砂糖と塩を揉み込む。
「その辺をストイックに出来る人ってすごいよねぇ」
何か自分達の事を言われているようではにかむ怪人達。
その間にもエダの手は鶏肉をラップに包み、ジッパー付きのポリ袋に入れて空気を抜く。
「あと、どれくらいで出来ます?」
料理が気になるニワトリ怪人が尋ねると。
「そうね、一時間」
ドワーフは炊飯器の蓋を開き、調理済みの鶏肉が入った袋と入れ替える。
「すげえ! 料理番組みたいな流れだ!」
テレビで見たような『こちらに調理済み(以下略)プレイ』にサカナ怪人が声を上げる。
その間にもエダの包丁が走り、切り分けられた鶏肉に茹でたブロッコリーが添えられれば――。
「はい、鳥ハム」
怪人達の前に鳥ハムの乗った皿が置かれた。
「ほう、鳥ハムですか。私、ニワトリ怪人だけあって興味深い」
ニワトリ頭のオブリビオンがおもむろに鳥ハムを箸に取り、口へ運ぶ。
「……ハムだ!」
「マジか!?」
サカナ怪人も続けて箸を取れば。
「ウメー! ウメー!」
タコさんウィンナー怪人が夢中になって肉の旨味を味わっている。
「「「ごちそうさまでした!」」」
三人が口々に声を上げた時だった。
「お粗末様ァ!!」
エダが拳を握れば。
ゴッ!
ゴッ!
ゴッ!
鈍い音が鳴り、三体の怪人の骸が出来上がった。
「やっぱこういう肉体作りは私には無理だわ」
鳥ハムを一つ、摘まみながら格闘聖職者は呟いた。
「あ、美味しい」
成功
🔵🔵🔴
黒天・夜久
◎
「調べてみたら、鶏肉を使ったパスタというものもあるようなので、自分はそっち方向から攻めてみますか」
一品めは、茹でたササミをキャベツとネギと合わせて炒め、めんつゆで味付けしたパスタ。油を一切使っていないため、かなりヘルシー。
二品目は、ペースト状にした梅干しと蒸した鶏むね肉を和えたパスタ。梅干しを使っている分味覚によって好き嫌いが分かれそうだが、さっぱりとしていて食べやすい。こっちも味付けがめんつゆ。
……めんつゆって、便利ですね。
食いついたら、食べ終わるのを待って、ユーベルコードで彼ら自身にローストになってもらいます。
●和風スパゲッテリア『めんつゆ』
「なよなよしている? No!」
「ぷよぷよしている? No!」
「ムキムキしている? Yes!」
怪人達は首をかしげていた、山のように積んでいたはずの鶏肉が減っていることに。
「おかしい、あれだけあった鶏肉が何故?」
ニワトリ怪人が疑問を口にすれば。
「それよりウェポンよ? 腹は減らないか?」
サカナ怪人が空腹を訴える。
「そうだね、ご飯にしよう。人は飢えると死ぬ」
オブリオンであるはずのタコさんウィンナー怪人が呟けば、彼らの鼻腔(?)をくすぐる、出汁の匂い。
減ったチキンに対する疑問すらも消えてしまった。
いつの間にか出来ていた和風リストランテへ怪人達は足を運んだ。
白磁を思わせる乳白色の顔をした男が茹でたささみをフライパンに乗せて焼き上げる、焦げ目が着いたところでキャベツを投じ、しんなりするまで炒めればめんつゆをさっと回すように。
「ささみは油少ないのに、どうしてこびりつかないんだ?」
サカナ怪人が口を開けば。
「フッ素加工したフライパンはこびりつかないんだよ」
ニワトリ怪人が答えを返す。
「でも、あの感じだと味付け濃いよな?」
タコさんウィンナー怪人がふと呟けば、フライパンを握る黒天・夜久(ふらり漂う黒海月・f16951)が頷き、寸動鍋で茹でられたパスタをザルに上げる。
「パスタ!」
「デュラムセモリーナ!」
「蛋白質が多い!」
次々と怪人達が叫ぶ中、ゆで汁を少しフライパンに入れて乳化を促進させつつパスタをフライパンに投入、仕上げにネギを入れてさっとかき混ぜれば、和風パスタの完成である。
「どうぞ」
淡々とした表情で夜久がパスタの入った皿を置けば、ニワトリ怪人がフォークを取る。
「なるほど、和風にすることであっさり感を出しつつ、キャベツでボリュームを出し、過度にパスタを食べないようにするメニュー」
「めんつゆが使いやすいんだよな」
続くようにフォークでパスタを取ったサカナ怪人が呟いた。
「でもさ、炭水化物を取るともう一品って行きたくない?」
タコさんウィンナー怪人が仲間へ声をかければ、そこへもう一品。
「二品目だと!?」
驚くニワトリ怪人の前に置かれたのはペースト状にした梅干しと蒸した鶏むね肉を和えたパスタ。
「これは……さっぱりしてて口当たりが良い上に酸味が食欲を誘う。そしてめんつゆで味のバランスが整えられている」
先に梅と胸肉のパスタを口にしたサカナ怪人がその味に舌を巻く。
「これがめんつゆの力か……」
「ええ……めんつゆって、便利ですね」
同意の言葉を述べる、白磁の肌を持つ男。
そして食べ終わるころを見計らって彼の周りに現れる炎の矢、その数百と十五。
鳥と魚とタコさんウィンナーのローストが出来上がるのに時間は要らなかった。
大成功
🔵🔵🔵
アリウム・ウォーグレイヴ
◎
ロカボ料理。未知の領域ですね。
それでもやるしかありません。
私の『料理』の腕前で満足させて魅せましょう!
とは言いつつも、何を作ったらいいのやら……。
取りあえず鶏胸肉を蒸してお皿の上に乗せておきましょう。
それだけだとなんだか質素な、寂しすぎる料理?ですね。
仕方ありません。コンコンして海藻と梅肉、レモンや穀物酢をお取り寄せです。
蒸した鶏胸肉をほぐして細かくし、海藻と混ぜ合わせます。
ドレッシングは穀物酢と梅肉を混ぜたものを。飾りとして切ったレモンを添えておけばそれっぽくなったでしょうか?
味付けが私好みになってしまった気がしますが気にしません。
もし満足していただけたのなら、冷凍出荷で退場願いましょう。
●ロカボ食堂『蒸し肉』
「いや、待てよ!」
「どうした、友よ?」
「あ、俺達しかいねえ?」
気が付いたら怪人達は彼ら三人だけになっていた。
これからどうしようかと考えた時、食堂が見えた。
作戦会議の前にまずは腹ごしらえだ、ということで彼らは食堂へと足を運んだ。
アリウム・ウォーグレイヴ(蒼氷の魔法騎士・f01429)は苦戦していた。
ロカボ料理という未知の領域に。
だが彼は安易に料理サイトを検索などはしなかった。安易な希望を否定し、正しく絶望し、それでも前へ進む彼にとって頼れるものは自らの技量。
アリウムが蒸した鶏胸肉を皿に置いたとき、怪人達三人の視線が刺さった。
「これだけだとなんだか質素な、寂しすぎる料理?」
頷くオブリビオン。
「ですね」
頷く魔法騎士、命を奪うことには諦観と諦念を持つが、料理に関してはそうではないらしい。
こんこんと冷蔵庫をノックすれば出てくるのは海藻と梅肉、レモンや穀物酢。
蒸した肉を手をほぐせば、海藻と混ぜ合わせる。
梅肉と穀物酢でドレッシングを作れば、飾りとしてレモンを載せる。
「味付けが私好みになってしまった気がしますがどうでしょう?」
怪人達の前に皿を置く。
ニワトリ怪人が、サカナ怪人が、タコさんウィンナー怪人が、箸をとり、それぞれ口に運ぶ。
「美味い、ともすれば味気のない胸肉と海藻が」
「梅肉を穀物酢という酸味を受けとめ」
「ベストにマッチしている」
口々に感想を述べる、怪人達。
彼らの表情を見て、アリウムはそっと胸を撫でおろし、彼らが食べ終わることを見計らって極低温魔力の波涛を流し込んだ。
「冷凍出荷で退場願いましょう」
凍り付いた怪人達を見下ろし、魔法騎士はエプロンを脱いだ。
――こうして怪人は倒された。
ちなみに余った鶏肉の部位と材料は猟兵がおいしくいただきました。
成功
🔵🔵🔴