バトルオブフラワーズ④〜いちごハンター
「キマイラフューチャーでの戦いは、順調に進行している様子。何よりでございます」
さて、ヴェルタール・バトラー(ウォーマシンの鎧装騎兵・f05099)が今回攻略を依頼したのは、『ザ・フードステージ』であった。
キマイラフューチャー中枢を守る、6つの『ザ・ステージ』。
その全てをオブリビオンから奪還しなければ、中枢にして目的地である『システム・フラワーズ』にたどり着くことはできないのだ。
「ここで行われるのは、『シュウカクフードバトル』でございます」
ヴェルタールの示したこのステージでは、多数の3人組オブリビオンが、いちご農園でいちご狩りに勤しんでいる。
このオブリビオンを倒さねばならないのだが。
「厄介なことに、『食材を収穫中は攻撃が無効になる』という特殊能力があるのでございます」
ずるい。
しかも、一定量以上いちごを収穫されてしまうと、猟兵達は敗北となってしまう。
だが、弱点のない無敵など、あってたまるものか。
「オブリビオンは、収穫したいちごを、積み上げようとします。それこそ山のごとく。そこで皆さんは、再度敵が収穫に向かった隙などを見計らって、そのいちごで料理を作ってください」
料理によってオブリビオンの食欲を刺激し、収穫作業を中断させるのだ。
そして、料理を食べて攻撃無効の効果がなくなったオブリビオンを、ここぞとばかり撃破するのである。
「せっせと料理を作って食べさせる猟兵と、隙をついて攻撃を加える猟兵、という風に役割を分担しても構いません。もちろん、自分で料理と攻撃を一手に担っていただいても構いません」
とにかく、相手の無敵をなんとかするのだ。
「ドーンと料理をごちそうして、バーンと実力に訴える。二段構えの作戦で、バシーンと決めてやってくださいませ」
七尾マサムネ
今回のシナリオは、1フラグメントで完結する戦争シナリオとなっております。
いちごクッキングにおいては、味、というよりは、オブリビオンが喰いつくような美味しそうな見た目と匂いが、大切になるでしょう。
それでは、レッツクッキング!!
第1章 集団戦
『つよくてクールなアニマルズ』
|
POW : モグラさんドリル怪人・ウェポン
【モグラさんドリル兵器】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD : カエルさん殺法怪人・ジェノサイド
【カエルさん殺法攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ : ネコちゃん拳法怪人・リフレクション
対象のユーベルコードに対し【ネコちゃん拳法】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
イラスト:まめのきなこ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴
|
種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
暗奇・ミサト
…ぬいぐるみが、いちご狩りしてる…カワイイなぁ。
収穫量だけで競ってるなら、見た目とか大きさ気にしないで狩ってるのかな。
じゃあ、作るのはイチゴジャムにしよう…多少形の悪いのも煮込めば、気にならないしね。
たっぷりのお砂糖といちご、レモン汁少々を煮込んでいくよ。
熱々の出来立てジャム。…出来立てって、この世界じゃひょっとして珍しかったりする?
パンやクッキー、パンケーキも沢山用意して、ジャムもあるだけ使いたい放題で設置。
うーん、やっぱりカワイイ…でも、悪い子たちだから、やっつけないと。
UCで鋏やカッターナイフを複製して、突き刺したりバラバラにしたり。
…真っ赤なジャムが飛び散って、ちょっとホラーかも?
黒瀬・ナナ
向こうの方に苺がたくさんあったわよ、等と言ってアニマルズが収穫に出掛けた隙に『怪力』でごっそり苺を抱えて、風神様の御御足の力で逃げる!
無事に苺を手に入れたらお料理の時間ね。先日お友達と行った苺のスイーツビュッフェの品を参考にしつつ。
苺とお砂糖を煮詰めていちごシロップを作り、甘い香りで誘き寄せ。収穫でお疲れなら、まずはシロップを冷たい炭酸水で割った苺サイダーで喉を潤してもらって。続いて大粒苺をたっぷりあしらった王冠のようなタルトでお持て成し。和菓子がお好きなら苺大福もあるし。パンケーキタワーにたっぷりの苺ジャム添えも魅力的よ。
料理で夢中にさせた後は全力で殴る!
※他猟兵様達との連携やアドリブ歓迎。
暗奇・ミサト(黒いノートの報復代行者・f17402)がいちご農園にやって来ると、アニマルズの一組が、いちご狩りの真っ最中であった。
わちゃわちゃと動き回り、いちごタワーの完成を目指すオブリビオン、『つよくてクールなアニマルズ』。
(「……ぬいぐるみが、いちご狩りしてる……カワイイなぁ」)
ミサト、心の声。
3人一組で頑張っているアニマルズに声をかけたのは、黒瀬・ナナ(春陽鬼・f02709)だった。
「いちご集めご苦労さま。向こうの方に、大きな苺がたくさんあったわよ」
「えっ」
猟兵と戦うよりも、いちご狩りの方が優先事項なのか。さっさかさー、と収穫に向かうアニマルズ。
その背中が見えなくなったのを確かめて、ナナは、両腕に力をこめた。
「~~~~っ!」
いちごタワーに手を伸ばすと、怪力でごっそりいちごを抱え、風神様の御御足の力で駆け出した。
アニマルズにとって……というか、このステージにとっては、収穫量が重要らしい。見た目にはこだわっていない様子だ。
実際、ミサトが積み上げられたいちごを調べると、玉石混交、大きさも形もバラバラだ。
そこでミサトは、いちごタワーから拝借したいちごを鍋に入れ、そこにたっぷりの砂糖とレモン汁を加え、煮詰めていく。
ナナも、先日友人と行ったいちごのスイーツビュッフェのメニューを参考に、料理開始だ。
いちごと砂糖を煮詰めて作るのは、いちごシロップ。
「なんだモグ?」
「美味しそうな匂いケロ」
「甘々ニャー」
たくさんのいちごを収穫してタワーへと戻って来たアニマルズを、ミサトとナナが出迎えた。
「お疲れ様。これで一休みしてね」
ナナが差し出したのは、先ほど作ったいちごシロップを炭酸水で割ったいちごサイダーだ。
いちご狩りで疲れた体に、冷たいサイダーが染みわたる。
ナナのサイダーでのどを潤したアニマルズを、ミサトが案内する。
用意されたテーブルには、パンやクッキー、パンケーキ。ありったけのいちごで作られたジャムもたっぷり、塗り放題。
「ご自由にどうぞ?」
「! お言葉に甘えるケロ」
じゅるり。口元をぬぐうアニマルズ。猟兵であるミサト達にも素直に従うあたり、食欲には勝てないのか……。
ナナは、大きなタルトでおもてなし。厳選した大粒のいちごをたっぷりあしらったそれは、まるで王冠のよう。
更には、たっぷりのいちごジャムが添えられたパンケーキタワー。そして、和菓子がお好みの方のために、いちご大福も用意してある。
ナナの用意した魅惑のいちごスイーツに、アニマルズもすっかり夢中。我先に、とむさぼり食う。
「美味いケロ」
「美味いモグ」
「美味いモグ」
最後のは、もぐらさん怪人ではなく、ネコちゃん怪人だ。食べながら喋ったので語尾が『モグ』っただけ。
思い思いの食材にジャムを塗って食べていくアニマルズを、ミサトはしみじみと見つめていた。
(「うーん、やっぱりカワイイ……」)
しかし、ミサト達とて、ただスイーツを振舞いに来たわけではない。非情だが、オブリビオンを倒さなければ……。
「ぎゃー!」
カエルが踏み潰されたような悲鳴が木霊した。
ミサトのユーベルコードによって複製された多数の鋏が、カエルさん怪人を突き刺したのだ。
ナナも、おもむろに薙刀を手に取ると、アニマルズをばっさばっさと切り倒しにかかる。物理、ひたすらに物理!
いちごスイーツの乗ったテーブルがひっくり返るのもいとわず。それぞれの持ち味を発揮して、抵抗するアニマルズ。
だが、最終的にはミサトによってネコちゃん怪人はカッターナイフで一突きにされ、モグラさん怪人も鋏で、もにょもにょな事(自主規制)になって倒された。
ナナ達によるいちごフルコースが、アニマルズ最後の晩餐となったのである。
「ふう、これでとりあえずひと段落ね?」
一息つくナナ。
2人の奮闘でアニマルズが消えた後……周囲には真っ赤なものが飛び散っていた。
「こわっ」
ミサトの口から、素直な感想がこぼれた。
いちごジャムだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
アルバート・クィリスハール
イチゴかぁ。それならストロベリーパイとかどうだろう。
パイシートとカスタードクリーム、イチゴがあれば簡単に作れるし。
イチゴの使用量を増やしたかったら、ジャムにして挟んでもいいしね。
カスタードは出来合いのがあるから、適当に買って持ち込もう。
コードで調理器具を作って、切ったパイシートにカスタードとジャムを乗せて焼く。
その上にスライスしたイチゴを、円を描くように並べて重ねて、できあがり。
パイってとても良い香りがするから、気は惹けるんじゃないかな?
食べてる怪人を後ろから矢で狙撃します。
攻撃してきたら飛んで避けて、空中から狙撃します。
残ったパイは他の人と食べるか、誰も居なければ持ち帰るよ。
ステラ・アルゲン
いちご料理を作ればいいと……了解いたしました
最近料理を覚えてきたので、ちょっと練習がてら頑張りたいと思います。
とりあえずいちご料理で何を作ろうか……
できれば甘い物がいいですね
パンを焼いていちごとホイップクリームを挟んで、いちごサンドにしましょう
見た目も白と赤で可愛いくて、美味しいそうに見えるでしょう?【誘惑】
それにこの甘い匂い……ふふ、実は【例のアレ】を入れているのです
だから通常より甘い匂いがすごいのですよ
もちろん味もすごく、すごーく甘いのですが、まぁ食べてもらうことが大事らしいのでいいでしょう
余ったら私が食べておきます、甘いものはすごく好きなのでこれくらいもいけますよ
(アドリブ・連携OK)
アルバート・クィリスハール(仮面の鷹・f14129)もまた、いちごタワーとにらめっこしながら、メニューを思案していた。
こちらには気づかず、いちごの収穫に没頭しているアニマルズを遠目に見ながら、アルバートが選んだのは、ストロベリーパイだった。
いちごは山ほどある。それこそ、使いきれないほど。
アルバートが用意したのは、パイシートとカスタードクリーム。ユーベルコードを駆使して調理器具を創造すると、パイシートを切り始める。
そこに、カスタードクリームと、拝借したいちごで作ったジャムを乗せ、先ほど作り出したオーブンで焼いていく。
先行した猟兵の活躍で、アニマルズの数は若干減っている。ステラ・アルゲン(流星の騎士・f04503)もこの機に乗じて、いちごをこっそり調達した。
ステラは、最近料理を覚えたばかり。練習にはおあつらえ向きだし、ちょうどいい『味見役』もいる。
パンを焼き、そこに取れたての新鮮いちごとホイップクリームを挟めば、いちごサンドの出来上がりだ。
「なんだかいい匂いがするモグ」
「香ばしいケロ」
「ニャー」
てこてこ。
アニマルズの一組が戻って来たのは、アルバートが仕上げをしている頃だった。
いちご収穫で空いたお腹に、パイのいい匂いは致命的だ。
「遠慮しなくていいんだよ? ご自由にどうぞ」
アルバートにすすめられるまま、ストロベリーパイをいただく3人。上には、スライスされたいちごが円を描くように綺麗に配され、見た目にも楽しい。
「お前ら、ずるいモグ」
「大丈夫、他にもありますから。頑張っているいちごハンターさん達に差し入れですよ」
匂いにつられて他にも集まって来たアニマルズへ、ステラが、いちごサンドの乗った皿を差し出した。
白と赤のコントラスト。シンプルに可愛らしさが演出され、オブリビオンを誘惑する。
見た目だけではなく、漂う甘い香りもまた。
ふらふら~と、アニマルズが、ステラの……いちごサンドの方に、惹かれていく。
「この香り、何が入っているんだニャー?」
「ふふ、実は【例のアレ】を入れているのです」
「【例のアレ】ケロ?」
「はい、【例のアレ】です。だから甘い匂いがすごいのですよ」
なるほど? とアニマルズは納得した風を装った。
しかし、そんな事はどうでもよろしい。彼らは、今、無性にいちごサンドが食べたいのだから。
「食べていいモグ?」
「もちろんです」
ステラからいちごサンドを振舞われたアニマルズは、すぐさまかぶりついた。
「!!」
かかっ!
3人の背後に稲妻が走った……ように見えた。
「あ、甘いニャー!」
その甘さたるや、そんじょそこらの甘さが土下座するレベルだった。すごーく甘い。
「サンド、美味いモグ」
「パイも美味しいケロ」
「焼きたて、最高ニャー」
むしゃむしゃ。何の疑問も抱くことなく、アルバートのパイや、ステラのいちごサンドをむさぼるアニマルズ。
彼らが甘さに夢中になっている今が、チャンス。ステラは、アルバートと目配せした。
お食事アニマルズの背後から、矢が襲った。
「ケロ」
ぱたり。カエルさん怪人の1人が倒れた。
アルバートの仕業だった。
「暗殺!?」
慌てて他のアニマルズは、戦闘態勢に移る。
ネコちゃん怪人とモグラさん怪人が、それぞれ拳法とドリルを仕掛けてくる。
が、アルバートは翼で大気を打って上昇、回避すると、そのまま空中から矢による狙撃を続けた。
ステラも抜剣して、並み居るアニマルズを討伐していく。ドリルを弾き、拳法には間合いの外から一気に斬りかかる。
外見が可愛ければ、戦闘力も可愛いものだった。
アルバートは、周囲のアニマルズが消滅していくのを確かめた後、残っていたパイに手を伸ばした。
甘いものが大好きだというステラにもパイを振舞い、綺麗に完食したのだった。
ごちそうさま。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
レイン・ドロップ
いちごは女の子の憧れの食材ですの!
そんな訳で、レインもかわ美味しいスイーツを作るのですわー
精霊のけろちゃんと、ガジェットのまいまいさんにも手伝って貰って
隙を見ていちごを横取りして、いちごパフェを作りますの
見た目も可愛らしいですし、調理の手間もそこまでかからない……
更に生クリームとの相性もばつぐんの、最強いちごスイーツなのですわ!
おかわり沢山ありますの、といっぱいパフェを作って怪人さんをおびきよせるのですわ
食べている最中に奇襲をかけますの
けろちゃんが目潰しをかけた直後、まいまいさんにだまし討ちを仕掛けて貰いますわ
ぼこぼこ行きましてよ
「むふふふ。いちごの花言葉は、甘い乙女心……そして誘惑ですの!」
フィーネ・モーンガータ
オブリビオンさんもいちご大好きなんですね。
私も甘酸っぱくて美味しいいちご大好きです!
お料理は…よし!甘いチョコフォンデュをメインにアフタヌーンティー仕立てにいたします。
さあ、いちごのチョコフォンデュで甘い匂いを漂わせましょう。
取れたてのいちごにとろけたチョコをつけて沢山食べてくださいね。
ティーパーティの始まりです。
飲み物はいちごの香りがたっぷりのロシアンティーをどうぞ。
もちろんスコーンにはたっぷりのイチゴジャムとクリームを付けて
召し上がれ。
いちご仕立てのアフタヌーンティーを堪能してもらっているところを申し訳ありません。攻撃させてもらいます。
他の猟兵様との連携やアドリブは大歓迎です。
フィーレン・アート
料理で役に立てるなら、これ以上に適材適所はないんだよな?
スイーツの王道、苺と来たか。
多めに使う系でパイは既に出てるようだ。なら、苺には火を通さないタルトで行こうじゃねぇの
タルト生地にアーモンドクリームを流し込んで、オーブンで焼く。
そっから待ち時間にカスタードクリームを手早く作って冷まし
上に乗せる苺を大量にスライス(不格好な部分は別にボールに分ける)
タルトが焼き終わったら、大輪の花を作る様に
下から大きな輪を少しづつ、小さくしていくようにずらし重ねて頂上にミントを
不格好な苺は砂糖と合わせて鍋て軽く煮、裏ごししつつ冷まして…っと
大輪の花に輝きを添える様に上からかけて完成
騙し討ちっぽいが勝負ありだな?
フィーネ・モーンガータ(菫色の夢・f17230)は、いちごスイーツに惹かれてうっかり倒されてしまうアニマルズに思いをはせた。
「オブリビオンさんもいちご大好きなんですね」
猟兵殺すべし、なオブリビオンも、猟兵がいなければ、世界に害をなすくらいで特に問題は……ありますね、ええ。
赤いいちごは、女の子の憧れ食材。
そしてレイン・ドロップ(みずたま・f14853)は女の子……というか、レディ。
アニマルズがいない隙を見計らって、いちごタワーを見学、お土産とばかり、いちごを横取り。
一足先に仕込みを始めているのは、フィーレン・アート(料理人・f17796)だ。
『料理人』の二つ名を掲げた猟兵として、料理の腕で役に立てるのなら、これ以上の適材適所はない、とフィーレンは思う。
フィーレンは、用意したタルト生地にアーモンドクリームを流し込んで、これまた用意したオーブンで焼く。
もちろん、焼き上がりをただ待つわけではない。他の猟兵の料理を見て勉強、というのもあるが、今のうちにカスタードクリームを作って、冷ましておくのだ。
そして、タルトを飾るためのいちごをスライス。形の悪い部分は、ボールに取り分けておく。
ケットシークッキング。せっせと作業に勤しむ可愛らしさがありながら、本格派。
さてさて、精霊のけろちゃんと、ガジェットのまいまいさんの協力もあって、レインの素敵パフェが完成した。
調理の手間もそこまでかからず、見た目も可愛らしい。そしていちごと生クリームとの相性もばつぐん! まさに完璧スイーツ!
一方、フィーネもクッキング。フィーネ自身、甘酸っぱくて美味しいいちごが大好き。自然と料理にも心がこもる。
ほどなく、フィーネの用意したチョコフォンデュの甘い匂いが、いちご農園に広がる。
ふんわり……。
オーブンからこぼれる、フィーレンのタルトの香りも手伝って、離れたところまでいちご狩りに行っていたアニマルズが、ふらふらと集まって来た。
「チョコの匂いケロ」
「香ばしいのもあるモグ」
ニヤリ……。
まんまとつられたアニマルズに見えないよう、レインは小悪魔な笑みをこぼした。
しかしフィーネの目には、普通に可愛らしく映っていたのである……。
「さぁご賞味あれ、最強いちごスイーツなのですわ!」
どーん、とレインがいちごパフェを披露した。けろちゃんとまいまいさんも、心なしかドヤ顔。
「いちご祭りニャー!」
「おかわりも沢山ありますの~」
たくさん並んだパフェに興味津々、アニマルズがもりもり寄って来る。
ふと、レイン&けろちゃんとカエルさん怪人が、じっ、と見つめ合った。
「なんだか親近感わくケロ」
「そうですの」
さて、フィーネに促されたアニマルズは、テーブルに並べられたアフタヌーンティーセットを見て感激した。
振舞われる紅茶は、いちごの香りに満ちたロシアンティー。
さあ、アニマルズも席についた。ティーパーティの始まり、始まり。
まずは、チョコフォンデュを楽しむアニマルズ。
「いちごに、とろけたチョコをつけて沢山食べてくださいね。いちごはたくさんありますから」
「面白いケロ」
「もっと付けるモグ」
「あっ、チョコの二度づけは厳禁ニャー」
フィーネにすすめられたスコーンには、たっぷりのイチゴジャムとクリームを塗って。
「これも美味いケロ」
「こっちのパフェ食べたモグ?」
「いちごとクリームが絶妙ニャー」
怪人達の口の周りは、チョコやジャム、クリームまみれ。
他の2人がアニマルズをもてなしているうちに、フィーレンのタルトもほぼ完成。仕上げは、皆の前でご披露しよう。
大輪の花を作る様に、下から大きな輪を少しずつ、小さくなっていくようにずらし重ね、頂上にはミントを飾る。
その上から、いちごソースをかければ、大輪の花の輝きが、更に増す。ソースの材料は、砂糖と、先ほど取り分けておいた不格好ないちご達だ。
「もはや芸術ケロ」
「早く食べたいモグ」
「同じ猫として鼻が高いニャー」
フィーレンのいちごタルトに、アニマルズの目も輝く。
「タルト、絶品ニャー」
用意したタルトは、あっという間になくなり、アニマルズの胃袋を満たしていく。
すっかり、おもてなしに夢中になるアニマルズ。だが、既にレインたちの術中にはまっている。
フィーレンは、もうこの時点で勝負ありを確信していた。
そろそろか。せっかくアフタヌーンティーを堪能してもらっているところ、申し訳ないのだが。
フィーネが、すまなさそうに告げた。
「攻撃させてもらいます」
「ケロ?」
すっ。レインとけろちゃん、まいまいさんの顔に、黒い影が差した。
次の瞬間。けろちゃんの目潰しが炸裂した。
「目が!!??」
間髪入れず、テーブルの置物のように何食わぬ顔をしていたまいまいさんが、だまし討ちを仕掛けた。
「むふふふ。いちごの花言葉は、甘い乙女心……そして誘惑ですの!」
小悪魔パワー、全開。レインが悪い顔で含み笑い。
慌てて反撃しても、いちごスイーツをたんまり食してしまった。無敵効果は、もはやない。
レインたちの三位一体攻撃に、浮足立つアニマルズの集団を、フィーネが舞わせた鈴蘭の花びらがいっぺんに包み込む。可憐ではあるが、甘くはない。
「やられたケロ」
「無念モグ」
「もっと食べときゃよかったニャー」
最後は、フィーレンの創造した超次元竜巻に飲み込まれ、骸の海に還っていくアニマルズ。彼らの顔が、そこはかとなく満足げなのは、満腹だったからであろうか。
ともあれ。
『シュウカクフードバトル』、いちご農園ステージ、クリア!
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴