バトルオブフラワーズ④〜ありがとう、牛……
●バトルオブフラワーズ
――キマイラフューチャーが、まっぷたつに割れました……!
テレビウムを通して伝えられた『システム・フラワーズ』からの救援依頼。
現在、「システム・フラワーズ」を占領しているのは、この世界のオブリビオン・フォーミュラ「ドン・フリーダム」だ。
この奪還の為、猟兵達は驚異の大戦争『バトルオブフラワーズ』へと身を投じることとなる。
グリモアベース。
金髪エルフのグリモア猟兵、セレイン・オランケット(エルフの聖者・f00242)が話を聞いてくれる猟兵を探していた。
「できる限り、手が必要な状況なの」
猟兵が話を聞く態勢に入ったことで、セレインは小さく頷いてから説明を始める。
まず、前提として、周囲を守る6つの『ザ・ステージ』を全てオブリビオンから取り戻さないと、目的地である『システム・フラワーズ』にたどり着くことはできない。
ザ・ステージにはそれぞれ「特殊な戦闘ルール」があり、たとえ敵を倒しても、敗北条件を満たすと謎の力で追い出され、強制敗北になってしまうのだという。
●シュウカクフードバトル
この場所は、野山を舞台としている。
「オブリビオン『冬の思い出トリオ』の集団が目につく野生の牛達を狩ろうとしているわ」
牡牛、牝牛、仔牛問わず、文字通り片っ端から、だ。
この場所で適応されるのは、『シュウカクフードバトル』という特殊ルールだ。
「食材を収穫中のオブリビオンは、『攻撃が無効になる』という特殊能力があるの」
オブリビオンに一定以上の収穫をされてしまうと、猟兵側の敗北となってしまう。
彼らは、食材として肉が使える状態まで捌く。
勝利の為には、『冬の思い出トリオ』の集団が山のように積み上げようとする牛肉を使い、料理を作ることが必須となる。
「牛肉を使った料理なら、何でもいいわ」
パッと思いつくのは、ステーキ、ローストビーフあたりだろうか。
他にも、コロッケ、ハンバーグ、牛丼などなど。
調味料を含め、牛肉以外の食材を用意することは自由だ。
出来上がった料理が美味しそうであれば、食欲を刺激されたオブリビオン達が作業を中断して、料理を食べてしまい『攻撃無効の効果が無くなる』。
「そのタイミングこそ、攻撃のチャンスね」
個人であれば、自分で料理して相手に食べさせ、同時に攻撃するといい。
また、チーム参加なら、調理班と戦闘班に分かれるのもいいだろう。
その後は、オブリビオン達も料理してしまうとよい。
また、料理が余るなら、次の戦場へと向かう前に、美味しくいただいてはどうだろうか。
戦いはまだ続く。少しばかり腹ごしらえしても問題ないだろう。
「以上ね。とびっきりの料理を振舞ってあげてね」
そう告げて、セレインは参加を決めた猟兵達を戦場へと転送していくのだった。
なちゅい
猟兵の皆様、こんにちは。なちゅいです。
当シナリオを目にしていただき、ありがとうございます。
キマイラフューチャーで戦争が開始されました。
できる限り、執筆本数を増やしてまいりますので、よろしくお願いいたします。
こちらのシナリオは、1章構成、『冬の思い出トリオ』との集団戦。
ただし、特殊ルール『シュウカクフードバトル』が適応される戦場です。
野生の牛が駆け巡る野山で、オブリビオン『冬の思い出トリオ』が狩りを行っております。
敵が一定数以上牛を狩ってしまう前に、敵の狩った牛肉を使って料理を作ってください。
出来上がった料理がいかに美味しそうか、プレイングに込めていただければと思います。
美味しそうな料理であれば、敵は狩りの手を止めて食事を始めます。
そうなることで初めて攻撃できるようになるので、片っ端から撃破してください!
最速のプレイングが届いてから、そちらが失効する前(3日以内)にリプレイを執筆いたしますが、戦争シナリオなので、10名程度の参加が確認できましたら、執筆を開始することもあります。
シナリオの運営状況はマイページ、またはツイッターでお知らせいたします。
それでは、行ってらっしゃいませ。
第1章 集団戦
『冬の思い出トリオ』
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POW : かまくら怪人・ウェポン
【かまくら兵器】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD : みかん怪人・ジェノサイド
【みかん攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ : 鍋怪人・リフレクション
対象のユーベルコードに対し【鍋】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
イラスト:まめのきなこ
👑11
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ノイ・グランガイオス
※大阪弁です
このステージは牛肉勝負かぁ。
まずは手早くできる料理で敵の収穫を食い止めなな!
なんぼ料理が美味しー出来ても何時間も煮込んどったら
敵の収穫終わってまうやん?
ちゅーことで、一口サイズのサイコロ状に切り分けた牛肉で
屋台でおなじみステーキ串や!
これやったら焼き具合がレアでも形になるし、手軽で旨いからな!
タレは定番の焼き肉のタレ、黒胡椒とワインのステーキソース、
おろしポン酢の3種! これはキクでぇ……!
串焼きコンロで焼きつつうちわであおいで匂いも拡散したる。
さあ、釣れてや……
怪人が食いついたら、喰うのに夢中になってるところか
満足した隙をついて、速射できるグランアイで
1体ずつ狙い撃ちやな。キラッ
架空・春沙
彼らを野放しにしては牛が絶滅しかねません!
止めなければなりませんね!
…そういう話じゃない?
大丈夫です、言ってみただけです
何をすればいいのか、分かっていますよ
牛肉を使って料理をすればいいんですよね
では私は牛丼を作りますね
玉ねぎを切って、水と一緒に鍋に入れて火にかけて、沸騰したら醤油と酒と砂糖と牛肉を入れて煮て
これを炊き立てのご飯に乗せれば完成です!
…よね?
ネギや大根おろしにポン酢、タマゴやチーズも用意してあります
とりあえずそれそれ乗せた状態で用意しておきますね
好きなものを食べなさい
隙を見て緋鎌一閃で斬り捨てます
水貝・雁之助
肉かあ
となると、焼き肉系のおにぎりかなあ?
使うのは薄切りの牛肉
先ずは下準備でタマネギを軽く炒める
その後、牛肉を牛脂をしいたフライパンで軽く焼く
この時、美味しい肉汁がジュワッと出て来るから、これに少しの砂糖、塩、醤油で味を整えた後、片栗粉と牛骨でとった出汁少しでとろみをつけたタレを同時進行で作成
炒めたタマネギ、牛肉をそのタレと絡めて、更に炒める
此れだけでも美味しいけど、其れを熱々の炊きたてご飯をパリッパリの海苔を敷いた大きめの茶碗についで、其処の真ん中に投入
おにぎりにして完成なんだなー
大きめだし、食べる時間はかかりそうだよね
攻撃はUCで
地形を活かした一撃を食らわす
華上・ユーディ
【冥土猟兵団】参上
▼アドリブ&連携大歓迎
WiZ選択
*******
今回は冬の鍋料理対決!
お肉…色々と出来そうだね。
私は【調理班】でサポート
しますよ~。
盛り付け&お肉運搬。
味付け
【世界知識】を屈指して
存在している世界のお肉の 満貫全席御上がりよ。
敵がお肉に惹き付けられ食事をはじめたら、隙を見て【戦闘班】のサポートに入ります。(忙しい(涙)
戦闘では、格闘でトリオに
「お腹いっぱいですか?お会計頂きますよ」ご退場を願います。
味方が疲弊してきたら
【 高速詠唱】ですかさず
ヒーリング ウェーブ回復支援を致しまする☆ミ
有馬・ナオ
【冥土猟兵団】で参加
⬛powで勝負でしゅ!
【戦闘班】参加
牛肉…美味しいそうでし…
さくらさん待つでしゅよ。
私も敵さんが食事するまでお預け受けているのでし。
はぅ!さくらさん(宿主)焼き肉食べてる。皿をよこすでしゅ。
⬛戦闘⬛
敵が食事を始めたら、UC【ヘビースナイパー】で歩く砲台になり能力を上げます。
イヴしゃんと一緒にアームドフォードの【一斉発射】で攻撃開始をするでしゅ。
アドリブ+連携大歓迎でしゅ。
お腹すいたでしゅ…
鑢・大牙
◎SPD選択
【冥土猟兵団】で参加。
調理班に加わるで。
知らん間に戦争やな…
勝負料理かいな?
得意分野やな。
まかせてや!?
(腕捲りでニヤリと笑う)
さて、料理はテーマが必要やな。【食べれば食べるほど病みつきになる】これやな。
牛肉の運搬と皿だしはユーディちゃんに任せるで。米も炊いといてな。
肉には米が大切や!?
先ずは、アシストマスターⅡで
【料理】を強化。
前菜は、牛肉と豆腐の味噌汁。
汁物は 食欲を刺激する。
次はこってり焼き肉そしてあっさりなら牛さし。皆が大好きおかんカレー🍛すき焼きもあるで!和風中心になったけどワイワイと皆で食べれるものを作り引き付けるで。
アドリブ&連携歓迎や
イヴ・ハルゼンヌ
【冥土猟兵団】参加
アドリブ&連携OK
⬛SPD重視
キマイラフューチャー戦争
次は肉か……戦争よりかは何かの食い倒れ企画になっていないか?
食べれるならいいけど(苦笑)
オレは戦闘班で参加。
敵が食事に誘われるように。最初は出されている料理をうまそうに食べるぜ(役得だな)
⬛戦闘
敵が食事にありついて。
攻撃が可能になったら…
こっそりと攻撃体勢に。
「お客さん、きっちりとお代は頂くぜ」とニコニコ顔で、包囲
仲間と一緒に【先制攻撃】開始。
拳銃の【スナイパー】体制で
UC【千里眼射ち】で
一気に撃破を開始するぞ。
ベアータ・ベルトット
怪人相手ってのが癪だけど…まぁ良いわ
アンタ達にぴったりのチーズオンハンバーグを作ってあげる
挽き肉と刻み玉ねぎ、パン粉、卵、塩コショウを混ぜて小ぶりなタネを作り…
しっかり空気を抜いてから丸めて焼き上げるわ
この時、真っ白なチーズソースを表面に万遍なく絡めて
バジルの葉と真っ赤なピンクペッパーを乗せ、耳と目の代わりに
別にチーズ掛けハンバーグを二つ並べて、ニンジンとペッパーで飾り付けする
雪を被った木に見立てたカリフラワーと、雪の結晶型に切ったニンジンを飾りに添えれば…
…完成!雪兎&雪達磨プレートよ
敵は冬の風物詩を模した怪人みたいだしね
ご飯出来たわよ!アンタ達
後は食べてる敵に喰らい付いて斃す
餌食と為れ!
●牛肉もオブリビオンも調理しよう
キマイラフューチャーズで繰り広げられる戦争『バトルオブフラワーズ』。
猟兵達は『システム・フラワーズ』内部に突入する為、『ザ・ステージ』の奪還へと当たっていく。
今回、猟兵達は、のどかに見える野山の様な場所を訪れる。
すでに、オブリビオン『冬の思い出トリオ』はこの場所にいる牛達を追い回し、狩りを行っていた。
「一狩りいこうぜー」
「ひゃっはー」
「くらえくらえー」
敵は狩った牛をすぐさま牛肉として捌き、どんどん積み上げている。
「このステージは牛肉勝負かぁ」
スペースシップ製のウォーマシン、ノイ・グランガイオス(ごっつウォーましん・f08595)が状況を確認する。
この牛達が減ってしまう前に、オブリビオン達が作った牛肉を使って料理を作り、美味しく提供している間に敵を倒すというのがこの場の特殊ルール『シュウカクフードバトル』だ。
「彼らを野放しにしては牛が絶滅しかねません! 止めなければなりませんね!」
ピンクがかった銀髪の人狼、架空・春沙(緋の断罪・f03663)は真面目に叫ぶが、この場の面々が小さく手を横に振ったのを見て、彼女は一つ咳払い。
「……そういう話じゃない? 大丈夫です、言ってみただけです」
何をすればいいのかは、春沙もわかっている。
「まずは手早くできる料理で、敵の収穫を食い止めなな!」
そこで、いくら美味しい料理ができても、何時間も煮込んでいたら、敵の収穫は終わってしまうとノイが指摘する。
「肉かあ。……となると、焼き肉系のおにぎりかなあ?」
放浪の画家、水貝・雁之助(おにぎり大将放浪記・f06042)は手軽さもあり、自身の大好きなおにぎりを作ろうと考える。
そして、続いてやってきたのは、4人組のチーム【冥土猟兵団】。
「知らん間に戦争やな……」
戦場に降り立った流れ者の青年、鑢・大牙(強化人間のヴィジランテ・f16618)は、目まぐるしく変化していたキマイラフューチャーの状況を粛々と受け止めていた様子。
「今回は冬の鍋料理対決! お肉……色々と出来そうだね」
白衣を纏うキマイラの女性、華上・ユーディ(冥土・f02310)は気合十分。
チームで調理班、戦闘班と役割分担を決めており、ユーディは今回【調理班】として仲間のサポートを行う。
「次は肉か……、戦争よりかは何かの食い倒れ企画になっていないか?」
そんな疑問を抱くポニーテールと巨乳を躍らせるエルフ、イヴ・ハルゼンヌ(エルフの突撃スナイパー・f06540)は、【戦闘班】として参加。
食べられるのであればいいけどと、イヴは苦笑して見せる。
「牛肉……美味しいそうでし……。さくらさん待つでしゅよ」
リボンの髪飾りとして擬態するヒーローマスクの有馬・ナオ(Dragonaidant・f10768)は、宿主である少女さくらと一緒に積まれたお肉の山を見てお腹を鳴らしてしまう。
そんなナオはチームの【戦闘班】として、敵を片っ端から撃ち抜く予定だ。
「勝負料理かいな? 得意分野やな。まかせてや!?」
状況を把握した大牙は【調理班】となるようで、腕まくりしてニヤリと笑っていた。
「怪人相手ってのが癪だけど……、まぁ良いわ」
最後に駆け付けたのは、右目に眼帯を装着したサイボーグの少女、ベアータ・ベルトット(餓獣機関BB10・f05212)だ。
敵にぴったりの一品を作ると、彼女は狩りで暴れるオブリビオン達へと小さく呼びかけ、調理を始めるのだった。
●次々作られる牛肉料理!
この場にやってきた猟兵達が調理を始める間も、オブリビオン達は楽しそうに狩りに興じている。
野山を駆け巡るのは、かまくら怪人・ウェポン、みかん怪人・ジェノサイド、鍋怪人・リフレクションの『冬の思い出トリオ』だ。
「かまくら兵器をくらえー!」
「みかん攻撃でとどめだー!」
「とりあえず、鍋で殴っとくかなー」
そいつらは、ただただ目の前の牛を狩っていく。
あまりに数が減ってしまえば、この場のルールによって猟兵側の敗北となってしまう。
その前に、オブリビオン達が狩りの手を止めるほどの料理を作りたいところ。
まずは、ノイが牛肉を一口サイズのサイコロ状に切り分けて。
「ちゅーことで、屋台でおなじみステーキ串や!」
ほとんど手がかからぬ一品ではあるが、焼き具合がレアでも形になり、手軽で旨いとノイは太鼓判を押す。
「タレは定番の焼き肉のタレ、黒胡椒とワインのステーキソース、おろしポン酢の3種! これはキクでぇ……!」
思わずよだれが出そうになりつつ、ノイはそれらを食べられるようにと準備を進める。
ベアータも、比較的手間がかからぬチーズオンハンバーグを作っていく。
まずは牛肉を細かく切り、まな板の上で包丁を使って叩き、挽き肉にする。
それに刻みタマネギとパン粉、卵、塩コショウを混ぜて小ぶりなタネを作っていく。
「しっかり空気を抜いて……」
ベアータはそれを丸め、フライパンで焼き上げるのだが、この時、真っ白なチーズソースを表面に万遍なく絡めていく。
バジルの葉と真っ赤なピンクペッパーを乗せ、耳と目の代わりにする。
別に、チーズ掛けハンバーグを2つ並べ、ニンジン、ペッパーで飾り付け。
雪を被った木に見立てたカリフラワーと、雪の結晶型に切ったニンジンを飾りに添えれば……。
「……完成! 雪兎&雪達磨プレートよ」
相手のオブリビオンは冬の風物詩を模した怪人ということで、こだわって盛り付けたベアータ渾身の一皿だ。
お米を各自で炊くよりはと、ユーディが他メンバーの分まで米を炊く。
「肉には米が大切や!?」
そう語るのは、【冥土猟兵団】の調理班、大牙だ。
あくまで今回のメインは牛肉料理だが、それを引き立てるためにも主食は必須。
牛肉料理を調理するメンバーが集中できるよう、美味しくふっくらとしたご飯を炊き上げる。
「牛肉を使って、料理をすればいいんですよね。では、私は牛丼を作りますね」
春沙は調理台で玉ねぎを手早く切り、水と一緒に鍋に入れて火にかける。
それが沸騰したら醤油、酒、砂糖と牛肉を入れて、アクをとりつつ十数分煮込む。
「これを炊き立てのご飯に乗せれば完成です! ……よね?」
その出来に自信なさげではあったが、春沙は形になった丼を一皿ずつお盆の上に置いていった。
同じく、そのご飯を使わせてもらう雁之助だが、彼は事前に考えていた通りに、焼肉系のおにぎりをと中の具材を作り始める。
下準備として、まずタマネギを軽く炒めた雁之助。
そして、牛脂を敷いたフライパンで薄切りにした牛肉を軽く焼いていく。
焼いていく間に、徐々に肉汁がジュワッと溢れ出てくるのを確認すれば、雁之助は砂糖、塩、醤油を少々加えて味を調える。
そして、片栗粉と牛骨で撮った出汁を少し入れ、とろみをつけたタレを合わせて作成していく。
このタレを炒めたタマネギ、牛肉に絡めて、タマネギが小麦色になるまでさらに炒める。
「此れだけでも美味しいけど……」
パリッパリの海苔に敷いた大きめの茶碗に熱々の炊き立てご飯をよそい、その真ん中に先ほどの具材を投入する。
後は、雁之助がそれを両手で軽く握って。
「おにぎりにして完成なんだなー」
それらを皿に並べると、思わず手に取りたくなるおにぎりの出来上がりだ。
【冥土猟兵団】では先に触れた通り、大牙が主として調理を行い、ユーディがご飯を炊きつつ牛肉の運搬や皿出しなどサポートに当たっていた。
料理には、テーマが必要と語る大牙はこう語る。
「【食べれば食べるほど病みつきになる】これやな」
彼はユーベルコード【アシストマスターⅡ】で自らの料理技術を高め、前菜から作り始める。
煮干しをベースに出汁をとり、食べやすくカットした牛肉を投入。
アクをとりつつ、ごぼう、味噌を加え、さらに豆腐を入れる。
好みで長ネギ、とうがらし、粉さんしょうを振って完成だ。
「汁物は 食欲を刺激する」
だが、これでも前菜でしかない。
さらに、大牙がメインとして用意したのはこってりとした脂ののった焼肉。
鉄板の上で肉汁を溢れさせ、ジュウジュウと焼けるその音、そして匂い。たまらず、すぐにでも箸が伸びてしまいそうだ。
そして、あっさり食したいなら牛刺し。柔らかい肉感を直に味わうことができる食べ方で、濃厚な味と歯ごたえをそのまま堪能できる。
余談だが、牛のレバ刺しは現状、某世界の日本の法律で提供はアウトとなっているので、注意したい。
この辺りは比較的単純に作れる品だけに、大牙も手早く量を増やしていく。
さらに、彼は品数を増やすべく、野菜を刻み、鍋で煮込む。
ユーディもその手伝いによって、存在している世界のお肉の満漢全席が仕上がるようにと盛り付けていく。
その準備が進むのを、ナオはお預けを受けつつ見ていたのだが、宿主のさくらがガマンできずに焼肉を食べ始めていて。
「お腹すいたでしゅ……皿をよこすでしゅ」
結局、ナオも美味しそうにその味に舌鼓を打っていた。
口の中に広がる香ばしい肉の味わい。一度口にすれば、食べる手を止めることは難しい。
「これは役得だな」
敢えて、敵が食事に誘われるようにと、イヴも出される料理を美味そうに食べていくのだった。
●豪華すぎる釣り餌に釣られて……
出来上がった者から順に、猟兵達は敵のつり出しに当たる。
ノイは串焼きコンロでブロック肉を焼きつつ、うちわで煽いで匂いを拡散。
「さあ、釣れてや……」
「ご飯出来たわよ! アンタ達」
程なくして、ベアータも声を上げてオブリビオン達へと料理ができたことを伝える。
その美味しそうな匂いは野山にも漂って。
「ん、なんだ?」
「滅茶苦茶、旨そうなニオイ」
「あー、たまらん!」
狩りをしていた『冬の思い出トリオ』達は狩りの手を止め、一斉に猟兵達の方へと駆けてくる。
早速、出来上がった肉料理を口にしていく敵へ、春沙も自らの牛丼を勧める。
傍には、ネギや大根おろしにポン酢、タマゴやチーズも用意しており、それぞれ乗せた状態で用意していた。
「好きなものを食べなさい」
ふらふらと集まっていく『冬の思い出トリオ』達はトリオごとに固まりつつ、群がるようにして牛丼を美味しくいただいていく。
「うめえ、うめえ」
「ああ、狩りで疲れた体にこの一杯」
「早い、安い、うまい!」
さらに、大牙が作ったお味噌汁や焼肉、牛刺しは丁度良いおかずになる。
それらをつまみ、絶賛していたオブリビオン達へとそっと忍び入る影。
そこには、ニコニコと笑顔を浮かべるイヴの姿があった。
「お客さん、きっちりとお代は頂くぜ」
すでに攻撃態勢に入っていたイヴは、ナオと一緒に敵を包囲していた。
10秒間の集中を済ませ、イヴは銀色の大口径型拳銃『シルバーレイヴン44』を構えて怪人どもを撃ち抜いていく。
お肉を食べていたナオもまたいつの間にか食事の手を止めていた。
「早く続きを食べるでしゅ」
【戦闘班】としての役目を果たすべく、ナオは『ブレイドキャノン』を一斉掃射させる。
【超パワースナイパーモード】となった彼女は歩く砲台となってその威力を高め、食事を続ける怪人どもを確実に仕留めていく。
「な、なんだ!?」
「ひ、ひきょうだぞー!」
「ぐわあああー!!」
料理へ夢中になっていたせいか、攻撃する暇すらなく倒れていく三バカトリオ達。
「お腹いっぱいですか? お会計頂きますよ」
料理の提供をしていたユーディも忙しそうに涙をちらつかせつつ、戦闘班のサポートにと殴り掛かっていく。
他メンバーも、自らの料理に近寄ってきたトリオから叩いていた。
「大きめだし、食べる時間はかかりそうだよね」
思いっきり、自作のおにぎりを頬張る敵へ、雁之助は相棒の柴犬モコをけしかける。
近距離でしか使えぬ雁之助のユーベルコードだが、できる限り助走をつけてモコは牙で噛みつき、怪人の体を噛み砕いてしまう。
ノイもまた、自らのステーキ串に食いついていた敵が満足していた隙をついて。
「キラッ☆」
目からハート状のエネルギー弾を発射し、1体ずつ狙い撃つ。
「おなかいっぱ、い……」
「もう、動けないのに……」
「ずるい……」
満腹になったオブリビオン達は反撃すらできず、崩れ落ちていった。
ベアータ、春沙は自分達が作った牛丼とハンバーグを美味しそうに食べる敵へと迫って。
「餌食と為れ!」
グールドライバーであるベアータは直接、怪人へと食らいつき、己の血肉としていく。
春沙は『断罪の緋鎌』を一閃させ、叫び声すら上げさせずにトリオどもを切り裂いてしまう。
「ま、まけるかー」
「ぐ、ぐふっ、お腹一杯で、体が……」
「だめだ、このままじゃ」
唯一、鍋怪人が己の鍋で猟兵達のユーベルコードを相殺して頑張っていたようだったが、満足に動けぬ敵はロクに反撃もできずに次々と倒れていく。
おかげで、ユーディもほとんど仲間を回復することなく、この場のオブリビオンを全て片づけることができたようだ。
「なんや、皆が大好きおかんカレー、すき焼きも用意しとったのになぁ」
まだまだ作る気満々だった大牙はそれらをオブリビオン達へと提供できず、逆に残念がる。
ただ、それらは一通り敵を倒したナオを始めとし、この場の猟兵達がかき込むようにして食らっていったのだった。
いただいた牛達に感謝を込めて。
――ごちそうさまでした!!
大成功
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