バトルオブフラワーズ④〜くノ一の卵回収任務
「やぁ君たち、キマイラフューチャーでの戦いは順調そうで何よりだよ。」
ニャルラは集まった猟兵達を見渡しながら、咥えたパイプから煙を吸い込んで笑っていた。
「とはいえ、まだ中枢へはたどり着けていないし、油断はできる状態じゃないね。
次の戦いの舞台に案内しよう、これを見てくれ。」
ニャルラがゲートを開くと、少し開けた広場といった雰囲気の場所が見える。
よく見ると、鶏が駆けまわっている中を紫の忍者装束を来たくノ一が走り回っている。
「今回の戦いは、『シュウカクフードバトル』と言うそうだ。
相手のくノ一たちは今、鶏の卵を集めまわってるんだ。
彼女たちが全部の卵を回収し終えたら、君らの負けってわけ。
でも、だからといって彼女らを攻撃しても無駄さ、収穫中の相手を攻撃するのはルール違反で、攻撃はすべて無効化されるんだ。
ま、もちろん抜け穴もある。」
あそこを見てごらんよ、とニャルラに促されて視線を移すと、くノ一たちが集めた卵が山になっていた。
「要は、彼女らが収穫していない状態にすればいいのさ。
で、そこに大量の食材がある。
君らには、あの卵を使って彼女らの気をひいてもらう。
簡単に言えば、調理して食べさせるのさ。
ご飯を食べてる状態を、収穫中とは言えないからねぇ、そこをぶっ飛ばしてやるのさ。
騙し討ちさ、楽しそうだろ?」
にひひ……と、笑いながら猟兵達を見てパイプを吸っている。
「そうそう、調理器具は用意した。
せっかくだし、あそこにある卵を派手に使ってやれよ。
どんな料理をするかは君たちに任せる、自分が好きな食べ方でも構わないさ。」
じゃあ楽しんでくれたまえ! との言葉とともにゲートを開きなおすと、大量の卵が目についた。
ヨグ
ヨグです、キマイラフューチャー戦争シナリオの第5弾となります。
今回は卵料理です、自由に作ってみてください。
それではよろしくお願いします。
第1章 集団戦
『紫御殿』
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POW : 仮面合身の術でござる!
無機物と合体し、自身の身長の2倍のロボに変形する。特に【男子がカッコいいと思うもの】と合体した時に最大の効果を発揮する。
SPD : 仮面手裏剣の術でござる!
【懐】から【自動追尾する真っ白な仮面】を放ち、【相手の視界を塞ぐこと】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ : 仮面狼群の術でござる!
【仮面を被った狼の群れを召喚、爪や牙】が命中した対象を切断する。
イラスト:りょうま
👑11
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ヴィオレッタ・エーデルシュタイン
「要は卵をたくさん使って料理をすればいいのよね」
料理13の技能も役立つはず。
それならまずはオムレツを作るわ。
玉ねぎジャガイモパプリカを切ってバターで炒め、塩コショウの後で溶き卵と混ぜて焼くわね。
一人前で卵5個は使うわよ?
オムレツで(物理的に)口を封じている間にケーキも作りましょう…これも卵をいっぱい使うわ。
薄力粉、牛乳、卵をダマにならないようにして混ぜてからオーブンで焼きましょう。
上にはホイップクリームとマシュマロよ。
程よく卵が減ったら食べ終わる直前で攻撃。
「せっかく作ったんだからある程度は食べてほしいじゃない?」
ユーベルコード【マルチプルバレット】で食後の運動してもらいましょうか。
春霞・遙
砂糖と泡立て器とボウルを持ち込みます。
卵白と卵黄を分け卵白をボウルに入れて、ひたすら泡立てます。ツノが立つくらいに。筋肉痛になるとしても。
そうしたら砂糖を加えて混ぜて、鉄板の上に一口大に並べて、窯でじっくり水分を飛ばすように焼きます。
火加減さえうまくいけばメレンゲの完成!サックサクの甘いお菓子、女の子なら好きでしょう?
大抵の卵料理は黄身多めの方が美味しい気がするので、たくさん使う方におすそ分けします。余るようならご飯を炊いて卵黄乗っけて醤油をかけて……。
フィロメーラ・アステール
「卵の魅力といえば……コイツだー!」
(人によって色々あるとは思うけど!)
真ん丸な黄身を見ると、卵って感じがする!
この見た目を最大限に楽しむにはどうする!?
めんつゆという夜空に浮かべればいい!
……というわけで、月見うどんを作るぜー!
これならあたしでも作れる!
うどんに卵落とすだけだからな!
えっ、それは調理した部類に入るのかって?
料理は目で楽しむもの、とか言うだろ!
素材の美と、器の中に描かれた風流な世界を味わうんだ!
敵ニンジャっぽいし、こういうの好きそう!
あとダシの香りも!
ワビサビに浸っているところに攻撃だ! 諸行無常!
お月様の卵が、めんつゆの夜空に溶けていくように!
オブリビオンの天下も崩れ去るぞ!
アンディ・リーランス
卵料理の基本はゆで卵なのです~♪ (マテッ)
大きい寸胴鍋を用意して、割れない(割れても大丈夫)用にお酢とお塩を適量入れて、卵を次々に投入、茹で上がったらすくい網で取って、水で冷やしてから殻をむいてお皿に山盛りにしていく。
お皿に盛られた卵は、ノソリンと一緒に食べるのです~♪
味付けは基本お塩で、後は醤油など調味料もいろいろ用意していくのです~♪
『お食事会』の邪魔をしてくる人は、ノソリンの頭突きや尻尾、オリハリセンのツッコミで退場してもらうのです~♪
ゆで卵に飽きてきたら、細かく刻んでマヨネーズと混ぜてパンに挟んで卵サラダにしていただくのです~♪
(アドリブ、他の人との絡み大歓迎w)
「要は、卵をたくさん使って料理をすればいいのよね。」
トントントン……と手際よく、玉ねぎ・ジャガイモ・パプリカを刻んでいる、ヴィオレッタ・エーデルシュタイン(幸福証明・f03706)。
「というわけでオムレツでいくわ、1人に卵5個は使うわよ?」
バターを溶かしたフライパンに野菜を入れ、塩コショウで味を調える。
「いい匂いですねぇ、それだけでもいけそうです。」
卵を黄身と白身に分けていたところに、いい香りが流れてきてつい反応したのは春霞・遙(子供のお医者さん・f09880)。
「……まだよ、出来上がったら食べさせてあげる。」
チャチャチャ……と軽くかきまぜた卵液を流し込み、かき回しながらしばし火にかける。
程よく固まってきたところをトントン……とフライパンを叩きながら形を整えていく。
「よ、っと。」
「わー、いいですね!」
皿に移されるオムレツ、ホカホカと上がる香りが食欲をそそる一品だ。
「それほどでも。……そっちは?」
「えーとですね、ちょっと手間なんですが。」
ヴィオレッタが春霞の手元を見ると、卵白をひたすらに泡立てている。
砂糖を加え、さらに泡だて器でかき回し続けている。
「……大変そうね。」
「ええまぁ。あはは、その分美味しいものを作りますから!」
「頑張ってね。……あぁそうだ。」
テーブルに置かれた卵黄を指さし、
「こっちは使わないの?」
「ええ、私は卵白だけで作ります。」
「そう……じゃあ、使わせてもらうわ。」
小麦粉と牛乳と卵黄を混ぜ合わせていくヴィオレッタ。
その間に、春霞の卵白はツノが立つ程度に硬めに泡立っていた。
泡が消えないよう鉄板に広げ、熱したオーブンに入れる。
「なるほど……メレンゲの焼き菓子ね。」
「そういうことです!」
水分を飛ばすように焼き上げたメレンゲは、パキリと音を立てて割れていく。
サクリとかじると、ふわっとした甘さが口に広がった。
「ふふ、女の子なら好きなはずですからね!」
ケーキの生地を仕込みながら、ヴィオレッタも一口齧る。
「そうね、これなら気にいるわ。」
一方……。
「卵の魅力といえば……コイツだー!」
ピクシーのフィロメーラ・アステール(SSR妖精:流れ星フィロ・f07828)は、小さい身体で卵を抱えて皿に当てる。
パカっと割ると、白身が広がった中にぷっくりとした黄身がもりあがっていた。
「真ん丸な黄身を見ると、卵って感じがする!」
「うんうん、確かにそうなのです~♪」
卵について力説するフィロメーラに、笑顔でうなずきながら寸胴に水をいれるアンディ・リーランス(オラトリオのビーストマスター・f01854)。
酢と塩を入れつつ、
「卵料理の基本はゆで卵なのです~♪」
さらに卵を投入して火にかける。
「うむ! ゆで卵も美味しいな!」
「ふふふ~、フィロメーラさんもわかってるのです~♪」
茹で上がるのを待っているアンディの横で、フィロメーラも寸胴でお湯を沸かしていた。
「そっちは何を作るのです~?」
「ふっふっふ、よくぞ聞いた!」
ドン!と、勢いよくフィロメーラがテーブルに置いたのは、うどんだった。
「真ん丸な黄身を一番魅力的に見せる物、それは……月見うどんだ!」
「おお~!」
沸いた湯でうどんを茹で、熱いめんつゆにいれ……、
「こうだ!」
とろん、と先ほど皿に割った卵を落とす。
卵の周りが少し白く変わる中、真ん丸の黄身がどんぶりの真ん中に浮いていた。
「はっはっは! 素材の美と、器の中に描かれた風流な世界を味わうんだ!」
「いいね~、美味しそう~♪」
アンディは話を聞きながら茹で上がった卵を水に入れて冷やしていく。
まだ少し熱の残る中、つるりと殻を剥いていく。
「ゆで卵~ゆで卵~、後は塩だけでごちそうなのです~♪」
「うむ! それもいいな!」
皿に山盛りになっていく、殻を剥かれたゆで卵。
日の光に輝くそれを見ながら、二人はすっかり笑顔になっていた。
……確かに、料理としては手はかかっていない。
しかし、間違いなく二人にとっては最高の料理であった。
「ふぅ、なかなか疲れるでござる。」
「確かに、卵も探さねばならぬのが辛いでござる。」
仮面のくノ一、紫御殿たちが卵を抱えて戻ってくると、何やらいい匂いがしてきた。
「なんでござるか?」
「あれでござる!」
香りに誘われて視線を向ければ、バターたっぷりのオムレツに、めんつゆの香り漂う月見うどんが載るテーブルが見える。
テーブルの一角で、ゆで卵にかじりつく謎の生物ノソリンもいる。
「……どうする、でござる?」
「食べてもすぐに戻ればいいでござるよ!」
いっただきまーす、でござる!
その声と共にパクパク、ズルズルと食べ始めるくノ一たち。
「おいしい~でござる!」
少し疲れた体に、適度な味付けの月見うどんが染みる。
いい塩梅で味付けられたオムレツも、気が付けばぺろりと平らげられていた。
「……これも、もらっていいでござるか?」
ノソリンにお伺いを立てながらゆで卵をかじり、メレンゲの焼き菓子を食べていると、
「さぁ、ケーキはいかが?」
「おお、いただくでござるよ!」
しっとりと焼きあがった生地に、ホイップとマシュマロの乗ったケーキがテーブルに乗せられる。
「美味しい……でござる?」
「そう、それは良かった。」
大体食べ終わった……と周りを見ると、猟兵達に囲まれていた。
「あ、あはは……でござる……。」
「こ、これは、まずいでござ」
「スーパー! 流れ星!! キーーーック!!!」
「ぐふあ!」
フィロメーラの高速跳び蹴りに始まり、
「ノソリン~、いくのです~!」
「なぁ~ん!」
「ひああ! た、助け!」
アンディのノソリンに突き上げられ、
「あ、あはは……。」
地に伏せたくノ一が視線を上げると、銃を構えたヴィオレッタと燃えるハシバミの枝を構えた春霞。
「好きなだけ、食べていきなさい。」
「ただし、帰れませんけどね!」
「ひあああああ! 助けてでござるぅ!」
当然、助けを求める声に応えるものはなく……。
くノ一たちが倒されるのに、それほど時間はかからなかった。
「さって、終わりましたね!」
「ええ、おつかれさま。」
春霞の労いの声にヴィオレッタが応えていると、周囲から声が聞こえてきた。
『紫御殿の離脱により、シュウカクフードバトルの敗北を確認。……応援求む。繰り返す、紫御殿の……』
「よっしゃー! やったぜ!」
「終わった~、よかった~♪」
猟兵達の勝利を告げる声に、ガッツポーズで跳び上がるフィロメーラをにっこり見つめるアンディ。
「さて、と……これ、どうする?」
「せっかくだ! 食べていこう!」
「ふふふ、そうですね!」
「みんなの料理美味しそうなの~♪」
こうして、一つの戦いが終わった。
現在、中枢への道が繋がり、侵攻作戦が始まっている。
しかし、まずは腹ごしらえ……美味しい卵に感謝しつつ、グリモアベースに帰るまでゆっくりと、自分たちで作った卵料理を口に運ぶのだった。
大成功
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