バトルオブフラワーズ⑦〜君の歌と、ゆらめきの赤~
●放送に耐えうるか問題
「さぁ、皆様……! その美声を、このキマイラフューチャーのサウンドステージに響かせてください、ふふ……!」
グリモア猟兵である明智・珠稀(和吸血鬼、妖刀添え・f00992)がくるりと回転し、和傘を開く。別段意味はない。
「ご存じの通り、只今キマイラフューチャーの明暗を分けるドキワク大戦争中です。ここで皆様にお出かけいただきたいのが、このサウンドステージ……!」
明智が和傘を閉じ、指示棒代わりにホワイトボードを指す。
「普通の戦場と何が違うのか、と申しますと。歌を歌うと戦闘力が上がるのです……!」
こちらは、猟兵だけでなく敵も適用されてしまう。
「正直、歌わずに勝利を勝ち取るのは難しいでしょう……!」
明智が憂いを帯びた瞳を伏せる。きっと演技だ。
攻撃が効かないわけではない、が。それだけこのステージでは圧倒的に歌の力が強いことに加えて、敵は明らかに歌いながら戦闘を行うだろう。
それに加えて。
「この戦いが、テレビウムさんによってキマイラさん達に放送されるのです……!」
明智がキュキュキュとホワイトボードにテレビウムの顔を描く。
その顔は『へのへのもへじ』だった。
「例え、戦いに勝ててもキマイラさんが気に入りトキメく戦闘風景でなくてはなりません……!それがこの、『コウハクウタガッセン』」
例え敵をバッタバッタとなぎ倒しても、キマイラが「その歌、歌声素敵!」とならなければ戦闘に勝利出来ず、敗北となる。
基本的にキマイラは猟兵を応援してはいるが、キマイラが「ティン★」とくる感情は自動的に採集されるため不正は働けないのだ。
「しかし……皆様ならきっと、華麗に歌いながら敵を倒すことが出来ると思っております、ふふ!」
ちなみに歌うだけで攻撃が出来る訳ではない。しっかりと相手に攻撃を仕掛けダメージを与えるのが大事だヨ☆
「さて! 続きまして今回の敵の情報をお伝えいたします…!」
明智がホワイトボードをぐるりと回転させれば。
……赤ふんどしのおっさんの絵が現れた…。
しかも沢山。沢山の赤ふんどしのおっさん。
赤天狗のような表情、もりもりの筋肉、そしてたなびきまくる赤い褌……!
「と、いうわけで。赤ふんどしを愛してやまないムキムキマッチョのおじさまの集団がやってまいります。歌いながら攻撃してくる赤ふんどしおじさんを歌いながらけちょんけちょんにしてください」
私は下着ならばなんでも好きです、というグリモア猟兵は放っておいて。
「歌は真心、です。歌の上手い下手よりも、その心意気が観客の魂を揺さぶると思っております。私も皆様の歌を楽しみにしておりますね、ふふ!」
明智は、キマイラフューチャーへの転移を開始するのだった。
あけっちあ
はじめまして、もしくはお世話になっております。あけっちあです。
ぜひキマイラフューチャーにて熱唱しながら歌っていただければと思いますっ。
敵がアレなんでネタよりな雰囲気がハンパないのですが、シリアスきりりと歌っても良いのよ……!と心から思っております。
今回のシナリオは「歌いながら攻撃し、敵を倒す。尚且つ、歌で観客を楽しませる」となります。
色々もりもりですね!
歌うジャンルはなんでもOK!『こんなノリでこんな曲を~』というプレイングは勿論、歌詞を書いてくださるもOK!
但し、著作権に触れる歌詞はNGです。オリジナリティを魅せつけていただきたくっ。
どうぞゆるっと楽しくプレイングをかけていただければ幸いです!
何卒よろしくお願いいたしますっ。
第1章 集団戦
『ふんどし過激派怪人』
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POW : 至高の履物とは
【ふんどし】が命中した対象にルールを宣告し、破ったらダメージを与える。簡単に守れるルールほど威力が高い。
SPD : 赤褌とは強さの象徴なり
完全な脱力状態でユーベルコードを受けると、それを無効化して【赤褌】から排出する。失敗すると被害は2倍。
WIZ : ふんどしの魅力を知れ!
戦場で死亡あるいは気絶中の対象を【同志】に変えて操る。戦闘力は落ちる。24時間後解除される。
イラスト:くずもちルー
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ジェラルド・マドック
ここは猟兵になってすぐ音楽の技術を学びに飛び込んだ第二の故郷
その世界の危機なら協力するよ
サウンドウェポンをギターにして弾き歌いでUC発動
どんなルールか分からないけど従いつつ歌を続けたいね
屈辱系なら多少の恥より歌が大事だし
歌中止系なら演奏は止めずに視聴してくれてる皆に歌ってもらおう
俺の歌だけが歌じゃないさ
本当の故郷ではないけど
ここには夢が溢れている
いろんな物や者に満ちて
多くの過去を捨てた空っぽな俺でも
抱えきれない宝物を得た場所
過去の俺が多くのものを得たように
これからも多くの者がたくさん何かを得るんだろう
過去は糧にして
今と未来を生きる者達に乾杯を
俺達の故郷はこれからもずっと皆の支えになるんだから
●音の波と世界への愛
キマイラフューチャーのピンチと聞き。
ジェラルド・マドック(しがない演奏家・f01674)はその灰色の瞳を細め、敵を見据えた。
演奏家に憧れ、父と衝突し。16歳で家を出てから今も戻る事はしていない。
猟兵になってからも音楽の技術を磨く事に余念無く、このキマイラフューチャーでジェラルドは更に音楽の知識と技術を得ることが出来た。ジェラルドにとって第二の故郷ともいえる世界。
(だから、この世界の危機なら協力するよ)
ジェラルドの瞳に強い意志の炎が灯る。
敵の姿を見つけるなり、ジェラルドは自身のサウンドウェポンをギターへと展開させた。
繊細なデザインの耳飾り型拡声器であるシンフォニックデバイスも準備は出来ている。
(どんなルールか分からないけど、従いつつ歌を続けたいね)
ジェラルドが息を吸い込む。
そして大きく弦をつま弾けば、軽やかなメロディがサウンドステージを包み込んだ。
タトゥーの入った左手で弦を押さえ、前イントロを奏で始めれば、敵達がジェラルドの存在に気付いた。
ちなみに敵達は『ソイヤッ! ソイヤッ!』と歌と叫びとポージングをパフォーマンスしながらじりじり近寄っているが、ちょっと今はそういう空気勘弁していただきたい。
(……とりあえず、俺の視界には入れないようにしよう)
ジェラルドは己のギターに集中しながら、ユーベルコードである『音の波(ブレイド・オブ・サウンドウェーブ)』を発動させた。
そして、ジェラルドはその麗しい唇を開き、美しい声を歌へと紡ぐ。
――本当の故郷ではないけど ここには夢が溢れている
キマイラフューチャーで過ごした日々を思い返し、一節一節に想いを込めて弾き語るジェラルド。
――いろんな物や者に満ちて 多くの過去を捨てた空っぽな俺でも 抱えきれない宝物を得た場所
視聴者であるキマイラ達はジェラルドの言葉にしんみりと心を震わせていた。
自分が住む世界のピンチのために駆けつけてくれた猟兵。
それだけでも感謝しかないのに、この世界のために言葉を、歌を、美しいメロディで癒し励ましてくれているジェラルドの存在に胸が熱くなっていた。
――過去の俺が多くのものを得たように これからも多くの者がたくさん何かを得るんだろう
そして未来への、希望。
ジェラルドもまた、この世界でもっともっと宝物を得ることが出来るであろう。
キマイラ達はそう願って止まない、と思いながら自然と手拍子が生まれる。
――過去は糧にして 今と未来を生きる者達に乾杯を
しなやかな指先で弦を弾きながら、ジェラルドは真摯な表情で声を上げる。
一朝一夕ではない確かな音楽技術と、歌うために気を使われた声帯から流れる美しい音階。
そしてそこに加わる、キマイラフューチャー世界への感謝と愛。
――俺達の故郷はこれからも ずっと皆の支えになるんだから
熱い想いと声、そして激しくエンディングを弾き鳴らすギターの音色。
そしてその歌声と音楽は……ユーベルコード『音の波』の力によって柔らかな音の刃となり、敵達へと真っ直ぐに向かっていった。
敵達の赤はその美しい刃で切り刻まれていく。しかしこのメロディとジェラルドの歌声に、息絶えていく敵達はどこか安らかな表情にも見えて。
テレビウムの画面越しにキマイラ達の拍手を感じ、ジェラルドは満足そうな表情を見せながら。
「さぁ、まだまだ行くよ」
笑みを零し、更に激しくギターをかき鳴らすのだった。
成功
🔵🔵🔴
アネモス・アルビレオ
美声と美少年。美がつくものなら僕の出番だ!
『漢の演歌』
演歌に出てくる 男といえば
酒に女に博打と義理人情
酒と僕を合わせて ネタにしたいけど
著作権と 同じように 権利は一杯
意外な単語 あの名前
実は色々 事情がいっぱい
だから僕は 正統派の歌で勝負~(コブシ)
何にも縛られず 全て自由に
全てを楽しく 歌えや
かわいく 皆楽しく
それが 僕の漢道~~(コブシ)
間奏の間にユーベルコードを使用。
召喚の言葉は
「さあ、今日は美漢年のバックダンサー付きで!」
ついでに 思った 僕の感想
ふんどしさんの 顔の鼻
ぼやかすと かなり危険~~(コブシ)
召喚した美少年VSフンドシ大戦開幕だ!
皆、僕の歌でエンカを楽しんでいってね♪
仁科・恭介
※アドリブ等歓迎
UC対象:観客
A&Wで流行っている歌をチョイス
猟兵の悲しい性をラップ調で歌いながら【残像】を残して殴る
「今なら背景も…呼応してくれるはず!」
〇歌詞
ゴブリン、オークにワイバーン
コボルド、グリフォン、ガーゴイル
いろんな怪物いるけれど
私は今日も依頼だよ
どっからが依頼なんだっけ
飛ばされて退治して
また飛ばされて退治して
沢山の村人に感謝され
言われた言葉はまたきてね
夢なら覚めない?
これは依頼?
ダークセイヴァーほんとcry!
寒いセンスだ笑えない
別の世界に行く勇気もない
村人達がほっとけない
やりすぎくらいが丁度いいじゃない
風が吹いても前へ前へ
ドラゴンが来ても前へ前へ
空を見上げたらなんだか飛べそうで
●浪漫と演歌とリズムとリリック
キマイラフューチャーの世界にシャランラ☆と一人の天使が降臨した。
空から舞い降りたその天使が、そのつま先をそのステージへ落とせば、ゆるっとふわっとしたツインテールの髪がふぅわりと揺れ。
同じく、その天使が履いたスカートもふぅわりと揺れている。
愛らしく大きな瞳はキラキラと輝きを保ちながら、好奇心いっぱいの表情でそのステージの光景を見回した後。
しなやかな指先でビシッ!! と敵の赤ふんどしメンズを指差し、その愛らしい唇を開いた。
「美声と美少年……。美がつくものなら僕の、出番だ!」
……どう見ても、ゆめかわいい魔法天使少女に見えるアネモス・アルビレオ(神は云った。「美少年あれ」・f17321)、ここに降臨せり……!
手に持つステッキ、『🌟しゃいにーらぶじ🌟』を器用にくるくる回しながら、ステージにある無機物達をユーベルコード『ビショーネン・クリエーション』でアネモス同じく夢可愛い美少年に変えていく。
ちなみに今、ここにある無機物なのですが。
(……私の干し肉が変身した……!)
アネモス同じく、このキマイラフューチャーの世界に転送されていた仁科・恭介(観察する人・f14065)。
その恭介が携帯していた自家製食料である干し肉が、アネモスのユーベルコードによって美少年化していた。それも沢山。
恭介さんがもう既に他の干し肉を食し、ユーベルコード『共鳴(ハウリング・レスポンス)』の効果は得ているのでご安心いただきたい。
また戦闘が終われば干し肉美少年ズは只の干し肉に戻るのでご安心願いたい。
さて、そんな恭介と言えば。
(アックス&ウィザーズの世界で流行っている曲を、ここで披露しよう)
色白の肌に、鮮やかに光る茶色の瞳。その眼差しはキリリと力が籠っている。
片手にマイクを持ち、だぼっとしたパーカー、その上にスタジャンを羽織り。
腰から更にずり下ろしたパンツ。そして頭にはバンダナを巻き、その上には更に斜めに被ったキャップ。ちなみに前面には『A&W』と文字が入っている。
……ラッパーである。
「今なら背景も……呼応してくれるはず!」
ズビシッ! とチェキラでHEY YO!なポージングを決める恭介の姿。
それを温かく見守るアネモス&元は干し肉な美少年ズ。
そこに更に赤鼻のふんどしおじさん達がソイヤッ! ソイヤッ! と迫り来てるのだからカオスしか感じないよね!
そんな中、魔法少女系美少年アネモスとチェケラッパー恭介が視線を合わせアイコンタクトを取れば。
「さぁ、大戦の開幕!」
アネモスの愛らしくキュルルン☆とした声と共に、戦いの火ぶたは切られたのであった……!!
恭介が、マイクを口に近づける。
―― ゴブリン、オークにワイバーン コボルド、グリフォン、ガーゴイル
テンポ良く、前に差し出した腕を上下に上げ下げしながら、恭介はリリックをビートに乗せ刻みこむ。
―― いろんな怪物いるけれど 私は今日も依頼だよ
どっからが依頼なんだっけ 飛ばされて退治して
また飛ばされて退治して
恭介の言葉に乗せられた感情……それは、悲哀。
アックス&ウィザーズで流行ってる曲とのことだが作詞者にぜひお会いしたいものである。
―― 沢山の村人に感謝され 言われた言葉はまたきてね
夢なら覚めない? これは依頼?
ダークセイヴァーほんとcry!
寒いセンスだ笑えない
ちなみに、このリリックを音に乗せながらも恭介は迫りくる赤ふんどしおじさんを器用に倒している。
一見同じ場所に留まって、身体を上下に揺らしているように見える恭介だが。
―― 別の世界に行く勇気もない
村人達がほっとけない
やりすぎくらいが丁度いいじゃない
迫る赤ふんどしのふんどしが恭介へと向けられる。
その赤が恭介の身体を割いた…かと思いきや。
恭介のその姿は、残像。
ヒップホップしながらも、恭介は力強く赤ふんどしを殴り倒し、のしていく。
その呼吸に乱れは全くない。
―― 風が吹いても前へ前へ
ドラゴンが来ても前へ前へ
空を見上げたらなんだか飛べそうで
恭介が手を仰ぐ。
その視線の先には、まさに空を浮かび飛ぶ天使の姿。
恭介のリリックにグッ!と親指を立てウインクするアネモスの姿が映った。
「さぁ、僕の歌も楽しんでいってね♡」
アネモスが指でハートを形作れば、メロディが流れだす。
それはアネモスの愛らしさを二十分に活かしたアイドルソング……では、まったくなく。
荒波のSEが入り、浪曲風のイントロが始まれば。アネモスはグッとマイク代わりに魔法のステッキを強く握りしめた。
――演歌に出てくる 男といえば
酒に女に博打と義理人情
アネモスさんの口から出てこなさそうなワードわかりが並んでおりますが。
――酒と僕を合わせて ネタにしたいけど
著作権と 同じように 権利は一杯
これ、アネモスさんの自作詞や……!
つまりそう、即興のラップの精神も汲んでいるのだ。アネモスさん恐るべし……!
――意外な単語 あの名前
実は色々 事情がいっぱい
皆も気を付けようね☆
そんな想いを込めながら、アネモスはキマイラ達が観戦しているであろう、テレビウムのビューティ―の顔を覗き込み歌う。
――だから僕は 正統派の歌で勝負ぅぅ!!
こぶしだ、こぶしが効いている。
この天使どこでこぶしを覚えどこでこぶしを披露しているのだろうか。
そして、合いの手の如くソイヤッ!と迫る赤ふんどし隊をアネモスはマジカル☆なステッキで殴り倒している。修羅である。
――何にも縛られず 全て自由に
全てを楽しく 歌えや
愛と自由を演歌で表現する天使、ハレルヤ!の如く爽やかな表情で歌い上げている。
そして元・恭介の干し肉なクリエーションされし美少年ズはバックダンサーの如く雅やかに踊り、コーラスし。そして赤ふんどし達をボコスカ蹴り殴る。
――かわいく 皆楽しく
明らかに武闘派な光景が広がっておりますが、kawaii☆精神は健在です♡
――それが 僕の漢道~~
聴かせるこぶしを胸に秘め、天へ翳した指をしなやかに握りこぶしへと変えるアネモス。
モニター越しのキマイラ達の拍手が響き。
――ついでに 思った 僕の感想
ふんどしさんの 顔の鼻
ぼやかすと かなり危険~~
ダメ、心の目でアソコにモザイクかけちゃダメ!
個人的にはなんだってモザイクかけりゃ卑猥度が上がると思っております。
人間の妄想力って怖いですね!
恭介のアックス&ウィザードRAPに、アネモスのエンカ。
世界や曲調の違いはあれど、熱い想いは変わらない。
歌は世につれ、世は歌につれ。
赤ふんどし男の屍を築きながら、尚も2人は熱いリリックバトルを繰り広げるのだった。
……濃いわ。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
メリー・アールイー
アドリブ・共闘歓迎!
なんだいこの戦場は…むっさい男ばかりじゃないか
どれ、ひと花咲かせてやろうかね、と参戦
アイドル風の歌を歌うよ(ただし一昔前
どうだい、振り付けだって完璧だろっ(どことなく昭〇のかほり
…なにか文句あるのかい?おっさんウケはしそうだろ?
(詳細お任せ、好きにやっちゃっておくれっ)
からくり人形Reと連携して
歌って踊って「フェイント」をかけながら敵に接近する
ふんどしにはなるべく触りたくないね
ピンチの時は針山クッションで「盾受け」だ
ほら、あんたらのお好きな赤色だよっ
【彩縫狩縫】の篝縫いを放とうか
あんたの大事なもんが燃えちまうかもね
あたふたしてる隙に
しつけ針でグサッと「串刺し」にしてやろう
榎・うさみっち
ナウなヤングにバカウケ間違い無しの俺の歌を聴けぇ!
♪最強・無敵・大勝利~ 俺様天下のうさみっち~
♪ジト目・うさみみ・ぷにほっぺ~ 俺様めんこいうさみっち~
(ボエーな感じで歌う。ぶっちゃけ音痴)
…なんかキマイラ達のリアクションが微妙な気がするな!
ええい、ならこれでどうだぁ!
✨みわくのうさみっちジェントルメン発動✨
アイドル風衣装で登場
女子ウケ抜群なやや中性的なボイスで歌い上げる
♪響けこのビート 熱く震える俺のソウルに
♪届けこの想い 儚く揺れるお前のハートに
放送中テレビウムに向かってウィンクを飛ばす等
観客アピールも欠かさない
華麗なバク転や側転も披露
巻き込むフリして怪人に蹴り攻撃
そこにいるお前が悪い
●アイドル!アイドル!
キマイラフューチャーのサウンド・ステージ。
煌びやかなライティングと派手な装飾に彩られたステージに、一人の少女が足を踏み入れた。
メリー・アールイー(リメイクドール・f00481)である。
艶やかな白糸のような髪を肩下で切り揃え、また前髪も眉下でぱっつん、と揃えられた彼女は日本人形のよう。
そして小柄なその身はカラフルな和洋折衷の着物ドレスを纏い。キマイラフューチャーの最新ファッション、と称されてもおかしくない程にこのステージへ馴染んでいた。
そんな愛らしい幼女の姿にトキメキを隠せない赤ふんどしおじさん達。敵であることを差し引いても犯罪臭しか感じられない。
そんな遠くでやんややんやしている赤ふんどし達を、メリーは新緑を感じさせる緑の瞳で見据えて
「なんだいこの戦場は……むっさい男ばかりじゃないか」
言い捨てるように言葉を紡ぐ。
その口調は幼女なロリキュン☆ではなく、年長者そのもの。
幼女の如き見た目を持つが、メリーは長年愛用された元布団のヤドリガミである。 そんじょそこらの赤ふんどしよりも、生きてる時間も経験もずっとメリーの方が上だろう。
そんなメリーの言葉に、大きく頷く小さき者がいた。
カラフルな装いのメリーの肩元に、愛らしいピンク髪のフェアリーがぶーんぶーんと上下に揺れている。
榎・うさみっち(うさみっちゆたんぽは世界を救う・f01902)様である。
ピンク系の洋風着物を着るメリー、そしてそのメリーが持つからくり人形「Re」、そしてメリーの肩付近で浮き飛んでいるうさみっち。
あれ?うさみっちさんってメリーさんのからくり人形でしたっけ?となりかねない愛くるしさとマッチ感を醸し出している。可愛いは正義。
「どれ、ひと花咲かせてやろうかね」
更なるメリーの言葉に、うさみっちもビビッ!と愛らしいお手てで赤ふんどしを指差して胸を反り張る。
「ナウなヤングにバカウケ間違い無しの俺の歌を聴けぇ!!!」
どこからか取り出したうさみっち専用マイクを片手に、シャウトするように叫ぶ彼の声を皮切りに今、音楽戦争が始まるのであった……!!
「よっしゃ、いくぜぇぇぇっっ!!!」
激しい勢いと共にうさみっちが赤ふんどし達へと向かい飛ぶ。
キマイラ達に映像をお届けするテレビウム、ビューティーの視界に入る様にポジション取りをしつつ、うさみっちは音楽に合わせ歌い叫んだ。
――最強・無敵・大勝利~ 俺様天下のうさみっち~
愛らしい表情で、ロリキュン♡ っと、ウィンク交じりに歌ううさみっち。
その歌声に……赤ふんどし達の動きがピタリと止まる。
(はは~ん、さてはうさみっち様の歌声に感動して聞き惚れてんなぁっ)
気を良くしたうさみっち、更に大きく声を張り上げた。
――ジト目・うさみみ・ぷにほっぺ~ 俺様めんこいうさみっち~
愛らしい振り付けと共に、羽ばたきくるりと舞いながら、決めっ☆とポージングするうさみっち。
さぁ、万雷の拍手がっっ!! とうさみっちがモニターを見る。
が。
キマイラの数人が、『ギブアップ』と書かれた札を手に床に伏していた。
そう。
哀しいことにうさみっちさんの歌声は、どっちかと言うと少し、いやかーなーり、いや破壊的に音痴だったのである。意外だ。
(……なんか思って反応と違う気がするな!)
うさみっちの額に汗が滴る。
「それじゃあ、あたしも一曲行かせてもらうとするかね!」
うさみっちの代わりに進み出たのはメリー。
しかし、その格好は先程までの和装ドレスとは異なり、またその髪型も先程までの艶やかなおかっぱとは異なっており……
(……なんか昔の番組で見たアイドル……!?)
うさみっちが既視感を覚えた。多分こう、UDCアースでの懐かしアイドル特集だとかそんな番組で見た気がする。
メリーの髪型は顔周りが強めに外側にカールし、恋が南の風に乗って走り出しそうな雰囲気をビンビンに感じさせられる。ちなみに多分その髪型はウィッグであろう。
「さぁ、アイドル風の歌を歌うよ」
メリーが指をパチン☆と鳴らせば、やはり懐かしく耳に残りやすいメロディが流れ。
「聴いておくれ、『赤いシツケバリー』」
メリーが左右に揺れリズムを取り、歌声を披露する。
少女が男性に恋をし、彼のために不器用ながらも一生懸命に男性物の着物を縫う。
しかし緊張からかいつものように針が通らない。
そんな乙女心のいじらしさを歌った正統派アイドルソングである。多分。
――手元が狂って 自分の指刺し チクリと痛む
でも大丈夫 赤の着物は 血も気にならない☆
ちなみにメリーさんはそんなことにならないとだけ断っておきたい。
詳細お任せに甘えすぎたアイドルソングではあるが、メリーの懐かしアイドルチックな雰囲気、歌声に赤ふんどしズはいつの間にか、お揃いの赤いハッピを羽織り
「える おー ぶい いー めりーー ちゃーーん!!」
と声を揃えて叫んでいる。親衛隊というやつだ。
そんなメリー達の様子と、コンコンすれば色んなモノが出てくるキマイラフューチャーの世界に、うさみっちの頭にピコン! と電球が輝いた。気がする。
「それじゃ俺も、アイドルしてやるぜ!」
うさみっちはUC『みわくのうさみっちジェントルメン』を発動させた。
うさみっちの17.3cmの身長が(伸びている)、シャラララァン☆と光に包まれ輝けば……うさみっちの影がどんどん大きくなっていく。
そして光が止めば、現れたのは長身イケメンのうさみっち。
その180cmの体躯に良く似合う、気品と豪華さを兼ね備えた王子様チックなアイドル衣装に身を包んでいた。
「俺のライヴという名のデートへようこそ、だぜ☆」
サラサラでピンク色な前髪をファサッとかき上げ、テレビウムのモニターに顔を近づけ、中性的なイケヴォイスを発するうさみっち。ちなみにピンクのうさぎ耳も健在だ。
そんなうさみっちの麗しさにモニター越しのキマイラ女子がトキメキに失神した。
「おや、良い男になったじゃないかい」
懐古アイドル化しているメリーがうさみっちのその姿に笑みを向ける。
「メリーも可愛いぜ!」
うさみっちが指でバキュン☆とメリーを指差すと、メリーは「よく言うよ」とコロコロと笑い。
「新旧アイドル、って感じだな。それじゃ、行くぜ!」
うさみっちが親指を立て応じると、マイクを握った。
――響けこのビート 熱く震える俺のソウルに
熱の籠ったうさみっちの蒼い瞳が敵の赤を睨み付ける。
その眼差しを挑発と受け取り、メリーラヴなハッピを着ていた赤ふんどしの幾人かがうさみっちへとソイヤ!ソイヤ!とパフォーマンスしつつ近づいてきた。
――届けこの想い 儚く揺れるお前のハートに
そんな敵を気にせず、うさみっちは視線をモニターへと移す。
それだけでもキマイラ達、特に女子がキャアア☆と声援を上げるが、更にうさみっちは愛らしくウィンク☆
はぁぁぁああん!!と腰砕けるキマイラ女子と一部の性癖の男子が喜びの悲鳴を上げる。
そんなイケメンイケボのうさみっちにジェラシーを抱いたのか、赤ふんどしズが殴りかかってくる。
が、うさみっちの長身が一瞬視界から消えた。
かと思えば、その長い足がグルンッ!と旋回し、赤ふんどしの一人にムーンサルトなキックを喰らわす。
ごっふぅ! と吹き飛ばされる赤ふんどし。
更にうさみっちは歌声を響かせながらも側転、バク宙、冗談後ろ蹴り、と赤ふんどしズに攻撃を重ねていく。
「あ、いたの? ごめんね!」
アイドルチックにてへぺろっ☆と、うさみっちがウィンク&舌を出せば、モニター越しのキマイラがキャアキャアとトキメキに歓声を上げ。
そんなモニターにうさみっちはくるっと背を向け、ボソリと
「そこにいるお前が悪い」
大きなジャンプと共に踵落としを喰らわした。
一方メリーも、アイドルソングを歌い踊る。ちなみにからくり人形であるReもメリー同じく外巻きカールなアイドル風だ。
(中々やるじゃないかい)
うさみっちの歌とダンスに心底楽しそうな表情を見せながら、メリーがReを操り赤ふんどしへと攻撃を仕掛ける。
(ふんどしにはなるべく触りたくないね)
フェイントをかけ、赤ふんどしズと距離を取り。赤ふんどしの攻撃にはくるみボタンを針山クッションとして展開し、予め決められていた振り付けの如く軽くいなしていく。
しかして、赤ふんどしズの数が如何せん多い。戦意というよりも、メリーという推しに触れたい触りたい、という熱意の方が大きくも見えるようだ。
(こうなったら……)
曲を歌いあげながら、メリーはその手にしつけ針を構えた。
そのしつけ針に括りつけられているのは、赤の糸。
「ほら、あんたらのお好きな赤色だよっ」
曲の間奏でメリーはそのしつけ針でユーベルコード『彩縫狩縫』を放った。
炎の属性を持つ赤い糸が熱と共に赤ふんどし達を篝縫いしていく。
「あんたの大事なもんが燃えちまうかもね」
ニヤリとした笑みを浮かべるメリーの姿に、赤ふんどし達はその動きを止められ歌い踊ることが出来ない。
そしてジワジワと赤ふんどしが赤い炎に包まれていく。
「それじゃあ、止めだよっ!」
メリーとReが互いにしつけ針を持ち、赤ふんどし達を貫いた。
断末魔の悲鳴と共に、赤ふんどし達が骸の海へと還って行くのをメリーは愛くるしいアイドルスマイルで見送るのだった。
新旧アイドル、メリー&うさみっち with Re。
モニター越しのキマイラから盛大な拍手とコールが鳴り止まなかったのは言うまでもなく。
残る赤ふんどしも、あと少し。
2人はアンコール!とばかりに歌とダンスを繰り広げるのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
雨霧・結
赤褌…、ええと……カッコイイんじゃない???
けど、私はローライズボクサー派なので、赤褌に浮気出来ないゴメンナサイ
歌…んー、じゃあ即興でドーナツの歌、歌います!
ノリは歌のお兄さんでごー!
ちょっとハスキーボイスな歌のお姉さんじゃないぞそこのキマイラキッズ!
バールのようなものをくるくる回しつつ赤褌ズの頭ドラムの如く叩いてこう
キメポーズで【属性攻撃】【範囲攻撃】で『薄紅六花』ばーん
赤い情熱の褌凍らせちゃうぞ!
~どーなつのうた~ 結
まるまるまるまるどーなっつーどうして穴が、開いてるの?
この穴から美味しい夢がみえるんだよ
(両手で丸をつくり、穴を覗くポーズ、ウィンクばちこん)
アドリブアレンジなんでも歓迎!
●さぁ、皆でご一緒に!!
キマイラフューチャーのサウンドステージに、一人の人狼が転送された。
黒のネイルで彩られた人差し指を口元に添え、深い思慮の表情を見せるその人。
鮮やかな赤い瞳を縁取る睫毛は長く、伏せられたその眼差しは切なくも麗しさを感じさせている。
「……赤褌……」
雨霧・結(雪の足音・f06365)はその整った唇を開き呟いた。
『ふんどし』と。美人さんが、『ふんどし』と。結の口元の美しき牙がチラリと見える。
そして、更なる思慮の後に結は呟いた。
「ええと……カッコイイんじゃない???」
眉尻を下げ、やや苦笑にも見える表情。だが、こんな中性的な容姿を持つ結にカッコイイと言われれば、両手を挙げてイェア!!と天に向かってガッツポーズを掲げる残り少ない赤ふんどし怪人達。
おいちょっと、あの方に赤褌献上しようぜ、位にソワソワし出す生き残り赤ふんどし怪人を結はそっと手で制した。
「けど、私はローライズボクサー派なので、赤褌に浮気出来ないゴメンナサイ」
赤ふんどし怪人達の動きが止まる。無論、赤ふんどしを拒絶されたからではない。
え、ローライズボクサー? あぁでも昔、美人の女優さんが履いたCMとかありましたよね、と赤ふんどし怪人達がなんとか自分の気持ちに折り合いを付けようとしている。
そんな赤ふんどし怪人のソワソワを知ってから知らずか、結は曲の準備に取り掛かった。
「んー、じゃあ即興でドーナツの歌、歌います!」
元気よく片手を上げ、笑みを見せる結。
「ノリは歌のお兄さんでゴー!」
そう言いながら、結は壁をコンコンし出て来たパーカーを羽織る。
歌のお兄さんチックな原色多め、子供から見てわかりやすく格好良く、それでいて一緒にその番組を見るお母さんにもトキメキを抱かせそうな爽やかスタイルへと変身する結の姿。
その姿がテレビウム越しにキマイラ達の元へ映像が届けられているのだが。
キマイラ達の反応は、逆に結にも届いており。
明らかに、ザワ……ザワ……ッとするキマイラ達。え、あれ? お兄さん? え?
小声ながら口々に結の性別にショックを受けるキマイラ若人達。特に男子。そして特殊な性癖を持つ女子達。
「ちょっとハスキーボイスな歌のお姉さんじゃないぞ、そこのキマイラキッズ!」
もー、と頬をやや膨らませる結。
元々女性として育てられてきたが、立派に青年である。
中性的な美貌も相まって女性に思われることも少なくない。その誤解から口調の修正を試みたが、馴染み切った口調としなやかな仕草はもはや変えることは出来なかった。
ちなみに、そんな結の手にはバールのようなもの。なんというか、怒らせたら絶対アカン系の空気を感じさせられるためかモニター越しのキマイラ達のザワザワは一瞬で収まった。
だかしかし。
「え、まだ始まってないのに……ダメージ受けてないかしら?」
赤ふんどしズが結のジェンダーを正式通達され最後の希望を失ったかのように膝から崩れ落ちていた。結にとっては何がなんだかわからない。
「とりあえず、行くわよー!」
結がバールのようなものを指揮棒のように振り回しながら、明るい笑みと共に歌声を披露し始める。
――まるまるまるまるどーなっつー
あたかも、その場に子供達がいるかのように。
結お兄さんは両手で大きく丸を作り上げる。その明るさと笑みに、モニター越しのキマイラキッズも同じくポーズをマネし始めた。
ちなみにバールのようなものは腰に差しているので安心していただきたい。
――どうして穴が 開いてるの?
疑問を浮かべるように人差し指で己のこめかみあたりを指差し、首を左右に傾け疑問の表情を浮かべる結。
シンキングタイム!とばりに結はハミングをしながらバールのようなものをステッキのようにくるくると回しポーズを決める。
そしてその勢いのままに哀しみに打ちひしがれている赤ふんどしズの頭頂部をバールのようなものの先でズギャッ!とドラミングする。
上手い具合にモニターは笑顔の結さんのアップでやり過ごしているのでご安心いただきたい。そして良い子はマネしちゃダメ、絶対☆
ル~ルルルル~と結がハミングする。
長いシンキングタイムの中で、結のバールステッキが赤ふんどしズを葬る。
しかしまだまだしぶとい赤ふんどしズ。顔は笑顔のままに、結は痺れを切らし始める。多分甘い物を摂取したくなったんじゃないかな、と思われる。
そんな結がシャララン☆とウィンクと共に愛らしい決めポーズを行えば。
「赤い情熱の褌、凍らせちゃうぞ!」
結のユーベルコードである『薄紅六花』が発動し……結に攻撃しようとした赤ふんどし怪人ズを氷結させ、動きを封じた。
氷結したことで倒れ、モニターに映りかけた赤ふんどしズ。それを瞬時に結はバールスティックをフルスイングしモニター外へと打ち飛ばした。
……これで、全ての赤ふんどし怪人達の討伐が完了した。
後は、キマイラの判定だけだ。
結はまた、両手で円を描きながら愛らしく歌う。
――この穴から 美味しい夢がみえるんだよ
円にした手を目の前へ。
望遠鏡を覗くようにモニターを見て、その赤く美しく輝く瞳でウィンクすれば。
キマイラキッズは元より多くのキマイラ達から歓声と拍手が聴こえてきた。
「ありがとうございましたー」
柔らかな笑みを浮かべ、結は中継を担うテレビウムのモニターに向かって、いつまでも手を振るのだった。
かくして。
歌も戦闘も、そしてパフォーマンスも。
圧倒的な差で猟兵達の勝利となった。
敵の殲滅は元より、キマイラ達を励まし力付け、萌えだとかトキメキだとか色んな感情を与え希望を植え付けた猟兵達の功績は計り知れない。
多くのキマイラが盛大な拍手と声援を、いつまでも猟兵達に贈り続けるのだった。
大成功
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