バトルオブフラワーズ④〜びよんど・ざ・おにおん
●びよんど・ざ・おにおん
システム・フラワーズへのメンテナンスルートが開いた事で、キマイラフューチャーがパカッとなって数日。猟兵達は日々、怪人達と様々なバトルを繰り広げている。
「皆さん、次はこちらをお願いします!」
ルル・ミール(賢者の卵・f06050)がバッ! と取り出したのは玉葱――の、食品サンプルだった。
ザ・フードステージと呼ばれる場所、その一角に広がる畑で怪人の集団が玉葱をせっせほいほいと収穫している。
他のステージと同様、フードステージにも『シュウカクフードバトル』という特殊ルールがあり、『食材を収穫中のオブリビオンへの攻撃は無効』という効果をもたらしている。しかも、一定以上収穫されると猟兵側の敗北が決まるというものだ。
しかし、怪人達が汗水流して収穫した山のような玉葱を、切ったり炒めたりチンしたり蒸したりなどして料理したら?
出来上がった玉葱料理が、美味しそうだったら?
たまねぎ、と呟いたルルが、ふふー、と笑う。絶品玉葱料理を想像したらしい。
「調理中のいい匂いや出来上がっていくところは、お腹の虫がグーグー大合唱間違いなしですからね。怪人も思わず手を止めて、フラフラ~って吸い寄せられちゃうハズです……!」
そして怪人が玉葱料理を食べた瞬間、『攻撃無効の効果は無くなる』。
自分で料理して食べさせてから、攻撃するか。
料理班と攻撃班に分かれて攻撃するか。
どんな玉葱料理を作るかという点も含め、決めていくといいだろう。
ルルは本物そっくりな玉葱をバッグにしまうと、ふすっ、と鼻息ひとつ。
「それでは皆さん、怪人達のお腹をグーグーさせてきてください!」
玉葱が持つ無限の可能性をお見舞いし、キマイラフューチャーの未来を守るのだ!
東間
東間(あずま)です。
キマイラフューチャーの為、今度は玉葱クッキング。
プレイング受付は冒頭場面追加後。
1人(1組)ずつリプレイをお届けしていく予定です。
●シナリオについて
怪人達が収穫している大量の玉葱を使って、玉葱畑の横でお料理。
ガスコンロ、フライパン、包丁、電子レンジなど、必要な器具・食器は揃っていますのでご安心を。使い慣れた道具の持参は可です。
玉葱以外の材料は「持参した」「コンコンしたら出た」「何かそこにあった」という体で。
料理(食事)場面メインで執筆しますので、怪人との戦いについては一言で大丈夫です。
例:POWのUC(ユーベルコード)で戦る、など。
●玉葱を収穫している怪人集団
ニワトリ怪人、サカナ怪人、タコさんウィンナー怪人で構成。
タンパク質豊富な集団です。
●お願い
同行者がいる方は迷子防止の為にお相手の名前(ニックネーム可)とIDを。
団体参加(4名まで)の場合はグループ名の明記をお願い致します。
失効日がバラバラですと、納品に間に合わず一度流さざるをえない可能性がある為、プレイング送信日は統一していただけると助かります。
以上です。
皆様のご参加、お待ちしております。
第1章 集団戦
『タンパク質三人衆』
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POW : ニワトリ怪人・ウェポン
【ニワトリ兵器】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD : サカナ怪人・ジェノサイド
【サカナ攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ : タコさんウィンナー怪人・リフレクション
対象のユーベルコードに対し【タコさんウィンナー】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
イラスト:まめのきなこ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●せっせほいほい
爽やかな空気。土の匂い。籠いっぱいの玉葱。
タコさんウィンナー怪人は、ふうっ、と額の汗を拭った。その顔には可愛らしい笑顔が浮かんでいる。
「キョウダイ、あっちもこっちも玉葱で凄いね!」
「うむ。何せここは玉葱畑、収穫期を迎えた玉葱さん達が、我々のお手々によって収穫される時を今か今かと待っ……コケッ、重そうだなキョウダイ! それは俺が運ぼう!」
立派な大胸筋をムキョッとさせたニワトリ怪人の前には、玉葱がきっちりと詰められた籠が3つ。かなり重い筈だが、ニワトリ怪人は計4つの籠を肩に乗せ、フンフンと低音鼻歌を紡ぎながら運んでいく。
「さすがキョウダイ、さすが筋肉……おーい、そっちはどうー?」
タコさんウィンナー怪人の声にサカナ怪人が、ん、と回遊魚の頭――多分、ブリ――の顔を上げ、三叉槍を掲げる。
「凄い、凄いぜキョウダイ。どの玉葱も凄いから収穫の手が止まらねえ。ウオ、これはなかなかの玉葱……これも……これも!」
溢れる喜び。ビチビチ揺れる回遊魚頭の尻尾。
そんな光景があっちこっちで繰り広げられている。
何せ、土を掘れば玉葱がごろごろと顔を出すし、自分達は何かすっごい無敵状態になれるのだ。
このまま怪人達が収穫をエンジョイし続ければ、玉葱の山がぽこぽこ増えていくだろう。
幸い、必要なものは揃っている。あとは怪人達の胃袋を掴むだけ。
頑張れ猟兵! お料理だ猟兵!
勝利を掴み、システム・フラワーズへの道を切り開け――!
クリストフ・ポー
玄冬(f03332)と
料理か!
僕は貴族だからね…普段は余りしないのだけど
美食家を名乗る以上、これは見過せないよ!
下拵えや手間のかかるものは玄冬に任せて
僕はぴちぴちの玉葱に衣を纏わせ
カラっ!っと綿油で揚げてオニオンリングを作ろう♪
油を切って、さぁ、召し上がれ!
サクサク衣に感じる油の旨味と塩気
熱で引き出された玉葱の甘いジュースがじゅわっと広がるのは
ジャンクだけど、魔性
やめられないとまらないの美味しさだよね!
実はより魔性度マシマシのラードで揚げる準備もしてあるんだけれど
動物性のコクが加わることで味わいの印象もガラッと変わるんだよ
どうだい、食べてみたいかい?
食事が終わったら
POWのUCでぶっ飛ばすね☆
黒門・玄冬
クリストフ…母さん(f02167)と
【料理】【掃除】【情報収集】のスキルを使い
料理の下拵えや準備を買ってでる
僕自身が作るものは何がいいか…
今日は風が少し冷たいので
オニオングラタンスープにしますね
チキンブイヨンをベースにしたスープの様子を見つつ
スライスした玉葱をバターで丁寧に炒め
旨味をじっくり凝縮させます
触感を楽しむ為のスライスも加え
仕上げは蕩けるナチュラルチーズを乗せてスープと一緒に
オーブンできつね色の焼きめをつけ
芳ばしい香りを引き出します
仄かに乾燥パセリの緑を添え色彩を整え、完成です
美味しい玉葱があってこその食べるスープです
器の陶器も熱くなっているので…気をつけて
一段落ついたら、灰燼拳で戦う
時折吹く風は、やや冷たい。怪人達は「丁度いいぜ」と言いたげな笑顔で汗を拭っているが、怪人達が収穫した玉葱ピラミッドから幾つか拝借した黒門・玄冬(冬鴉・f03332)は、頬を撫でる風に思案顔。レシピは浮かぶが、この体感温度からして温かいメニューがいいだろうか。
「戻りました、母さん」
「ああ、おかえり玄冬」
クリストフ・ポー(美食家・f02167)は玉葱を1つ受け取ると林檎のような目を細め、玉葱持つ手をくるり、くるり。下拵えといったものは玄冬がやってくれるというから、そこは任せるとして。美食家を名乗る以上『これ』は見過ごせない。
貴族だが、普段は余りしない料理というものをしようじゃないか――!
「それで、玄冬は何を作るんだい?」
「オニオングラタンスープにしようかと」
玉葱の皮を剥いて諸々の準備を終えたら、まずはチキンブイヨンをベースにしたスープを用意。スライスした玉葱をバターで炒めれば、バターの甘さと玉葱の香りが、ふわん、と生まれて風に乗り、辺りに漂っていく。
旨みをじっくり凝縮させようと丁寧に炒め続ける玄冬の視界、フンッフンッと玉葱を運んでいたニワトリ怪人が「コケッ……!?」と反応した気がするが、それをスルーして加えたスライスは、飲めば味だけでなく触感でも楽しませてくれるだろう。
そこへ更に乗せたのは蕩けるナチュラルチーズ。これがなければオニオングラタンスープは完成しない。
温めておいたオーブンがぶーんと音を響かせる間、クリストフは取れたてぴちぴち玉葱に衣を纏わせる。白い輪っかを綿油に入れれば、パチパチッと音が弾けて踊るよう。1つ2つと揚げたらちゃんと油を切って、皿の上へするりとお引っ越し。そして。
「さぁ、召し上がれ!」
「た、玉葱さんがオニオンリングに……!!」
コケケ、とムキムキボディと羽毛を震わすニワトリ怪人を釘付けにしているのは、狐色の衣が非常に美味しそうなオニオンリング。カラッとサクサク間違いなしの衣には油の旨味と塩気が、玉葱は熱によって存在感増した甘いジュースを秘めてる筈だ。
そんなジャンクだけど魔性なオニオンリングを1つ食べればもう、やめられないとまらないの美味しさループが待ってるだろう。
「実はより魔性度マシマシのラードで揚げる準備もしてあるんだけれど」
「なっ、何だと!?」
「動物性のコクが加わることで味わいの印象もガラッと変わるんだよ。どうだい、食べてみたいかい?」
「玉葱さんが、イメチェン……!?」
はわわコケコケと震えるそこに、チーン! と響いた音はお告げの如く。
とろとろ熱を帯びた狐色のドームに玄冬が降らす緑の祝福(乾燥パセリ)。クリストフは猫のように笑みを深め、オニオンリングをニワトリ怪人の目の前へ寄せた。答えはもうわかっているが、一応訊いてみる。
「どうだい、食べてみたいかい?」
「いたらきましゅ!!」
興奮のあまりちゃんと言えていない。
ニワトリ怪人のくちばしがオニオンリングをかぷっと行けば、サクサク衣から玉葱がトゥルーンとこんにちは。あちちあちちと言いながら嬉しそうに頬張る目の前に、今度は玄冬のオニオングラタンスープが横からイン。チーズと玉葱の香りがふわふわほかほか立ち上る。
「美味しい玉葱があってこその食べるスープです。器の陶器も熱くなっているので……気をつけて」
「うむ、心得た! ふーっ、ふーっ、ふーーーっ…………おぉ……筋肉に染みる……」
うっとりほっこり、コケコッコー。
それが、クリストフと玄冬2人の攻撃を受けたニワトリ怪人の最期となった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
駒鳥・了
爽やかに労働に勤しむオブリビオンて違和感すげー…
気を取り直してオレちゃんことアキも頑張るよ!
労働の後ってジャンクなもの食べたくなるよねってコトでシンプルに行こう!
スライス玉ねぎとウィンナーをたっぷりしっかり炒めて!
食パンの上にトマケチャを塗ったくったら具材を乗せてチーズもたっぷり!
そしてトースターでチンするだけ!
食パンは薄くてカリカリになるのもあるし、厚くてカリッふわっもあるよ!
ドレが好き?
そしてピザに掛ける調味料も重要だよね!
チリソース、バジルソース、柚子胡椒、マヨなどなど。
一口ごとにいろいろ試してみるのも贅沢じゃないかなー。
全部乗せもアリだよ!
その隙にしゅぱっと避けてスパっと片付けちゃお!
畑いっぱいの玉葱。それを収穫する怪人達。時折楽しそうな笑い声も聞こえ、爽やかに労働に勤しむオブリビオン達。その光景を一言で表すなら、
「違和感すげー……」
だったが、駒鳥・了(I, said the Rook・f17343)――アキは気を取り直して玉葱マウンテンから必要数を拝借。労働後はジャンクなものが食べたくなるだろう。ならばここは、シンプルに!
スライスした玉葱とウィンナーをフライパンに投入すれば、ジュワーッとパチパチッと大合唱。食パンの上にはトマトケチャップを塗りたくり、しっかりたっぷり炒めた具材も乗せて、更に更にチーズもたっぷり!
「そんでトースターでチンするだろー……って、」
「……ウオ」
玉葱をせっせと籠に入れているサカナ怪人の頭部のヒレが、ぴちっと動いた。見てませんけど感を放っているが、つやっと丸い目玉はこちらに熱い視線を注いでいる。
アキはもう1枚のトーストも同じようにしてトースターへ。数分経てば、ふわ、といい香り。
チーン!
取り出されるピザトーストは、いつの間にかすぐそこに来ていたサカナ怪人の目の前へ。きょろ、と動いた魚の目にアキの笑顔が映る。
「こっちは薄くてカリカリ、こっちは暑くてカリッふわっ。ドレが好き?」
「……ど、どっちも美味そうでやばい……ウオ、玉葱のいい香りが……」
「あ。あとこれ! チリソース、バジルソース、柚子胡椒、マヨとかオレちゃん色々用意したんだよ!」
一口ごとに色々試してみる贅沢か。それとも、全部乗せるか。
アキが提案したピザトーストの味わい方に、サカナ怪人の喉がごくっと上下した。尾鰭は忙しそうにびちびちしている。どうぞどうぞ、という空気といい香り。収穫中は無敵状態とかそういうものは全部吹っ飛んでいた。
「一口ごとに試してそれから全部だ!」
「オッケー!」
あふぅ~い、と、はふはふ食べるサカナ怪人は隙だらけ。そんなサカナ怪人は、アキによってしゅぱっとスパッと『お片付け』されるのであった。
大成功
🔵🔵🔵
泉宮・瑠碧
玉葱は色々作れるが、時間に制限もあるし
…スープとマリネ、ステーキにしようか
まず玉葱を多めにスライス
スライスした一部は空気に晒して辛味抜き
水でも良いが
栄養と少し辛味も欲しい
その間に
鍋でバターを溶かし
ニンニクと残りのスライス玉葱を炒めよう
火を通せば甘くなるのも良いよな
飴色になれば水と西洋出汁や調味料を入れて煮込む
空気に晒した玉葱にはマリネ液を加え
サーモンと和えて置く
ステーキは輪切りをバターで焼き
最近知った醤油、砂糖とおろしニンニク少しで煮詰め…
香ばしい香りがするな
これで三品か
怪人達が食べる時に
バゲットのチーズトーストを添えてグラタンスープ風に
食べ終えた辺りでWIZのUCを使用
…食事中は可哀想だろう
これだけ玉葱があれば色々と作れるだろう。しかし時間は有限だ。特に、今のキマイラフューチャーは。
「……よし」
泉宮・瑠碧(月白・f04280)は頭の中にメニューを描いてすぐ取りかかった。
トントントン、と小気味よい音と共にスライスされた玉葱の小山が出来上がり。栄養と少しの辛みに活躍してもらう為に一部は空気に晒し、その間に鍋へバターを踊らせる。甘い香りにニンニクと残りのスライス玉葱を加えると、食欲そそる匂いがふわあ、と舞い上がった。
その匂いでタコさんウィンナー怪人がふらふら~、とバックステップで近付いては「んんん収穫、収穫しなきゃ」と立ち止まるが、瑠碧の料理は止まらない。
飴色になったそこへ水と西洋出汁、調味料を加え、ことこと煮込む間に残りのスライス玉葱はマリネ液を纏ってサーモンとゴールイン。
甘い香りに、じゅう、といい音立てるのは輪切り玉葱のステーキだ。最近知った醤油に、砂糖とおろしニンニク少しで煮詰めれば――うん、と瑠碧の表情が綻んだ。
「香ばしい香りがするな」
ぐぅ~~~~。
自分ではない。しかも三重奏だった。
瑠碧はそっと音のほうを振り返り――玉葱料理を凝視する怪人トリオに、こっちへどうぞと優しく手招く。
「ハッ!? ま、まあ? お邪魔してやるのも吝かではないからな? 腹が減っては収穫も出来んし?」
「キョウダイ、よだれよだれ」
「すごい、スープとマリネ、ステーキだ……」
しかも、スープはバゲットのチーズトーストを添えてグラタンスープ風になっているから、タコさんウィンナー怪人の円らな目はもうキラッキラだ。
頂きます、と手を合わせ食べ始めた時は大人しかったが、食べ進めていくうちにバクバクガツガツと食べっぷりは上昇。その様を瑠碧は何も言わず、見守り続けた。
ユーベルコードという最終メニューはあるけれど――食事中は、可哀想だろう。
大成功
🔵🔵🔵
火狸・さつま
コノf03130と
コノー!たまねぎ!貰ってきた!
ひょひょいっと籠ごとコノちゃんの元へ
たっぷりと頂戴してきた玉葱を
コノが使い易いよう皮剥いて
ヘタも取っとこか?
何でも積極的に手伝い
わっくわく出来上がり楽しみに
味見!とくい!するするー!
尻尾振りたくり食べる食べるアピール
美味し…!!
ぱぁあと目を輝かせ
完成、楽しみ…!
食べる気満々
だって、こんなにイイ匂い
コノの料理は特別美味し、から
食べないという選択肢は無い…!
いただきます!と共に
おくちいっぱい頬張って
美味し美味しと尻尾振りたくり
敵三人衆が夢中になるのも無理はない
ごちそうさますれば
作業に戻られる前にお片付け!
範囲攻撃【燐火】
最後の晩餐、最高だったでしょ?
コノハ・ライゼ
たぬちゃんf03797と
挑戦するしかナイでしょ
めろっめろにしてあげるから覚悟なさいな
作るのは玉葱フルコース
下拵えの香りもホントたまらないよねぇ
たぬちゃ、味見する?
戦闘はヨロシクね
先ずは玉葱とトマトのスライスサラダ、コンソメジュレソース
揚げた玉葱と大蒜散らし食感も楽しく
次はオススメ
玉葱ポタージュと玉葱ロールパン
濃厚スープに仄甘で小麦薫るパンとの組合せが最高デショ?
前菜は玉葱の鴨肉巻き
メインはエビチリ、柔らか鶏肉団子とどちらも玉葱たっぷりで
最後はとっておきのデザート、焼玉葱!
半身を牛乳で柔らかく、上にチーズをたっぷり乗せてオーブンへ
仕上げに蜂蜜掛けナッツとクコの実散らせば完成
あまぁい幸せ、ドウゾ
火狸・さつま(タヌキツネ・f03797)が、籠ごと『貰ってきた』玉葱を掴んでは皮を剥き、掴んでは皮を剥く。それを慣れた手付きで調理していくコノハ・ライゼ(空々・f03130)の目は、レンズの下で不敵にニヤリ。
(「こんなステージ、挑戦するしかナイでしょ」)
怪人達をめろっめろにすべく取りかかるのは玉葱フルコース。下拵え段階でも玉葱はふんだんに香り、他の食材と合わせる、揚げる、焼く、といった調理過程で胃と心を更に刺激する。
「ホントたまらないよねぇ。たぬちゃ、味見する?」
「味見! とくい! するするー!」
さつまの尻尾が、『食べる』の吹き出しが見えそうなくらい左右にブンブンブン。コンソメジュレソースで彩られた玉葱とトマトのスライスサラダを「頂きます」した瞬間、その両目がぱぁあ! と星が零れそうなくらい輝いた。
「美味し……!!」
サラダでこんなに美味しくて、作り途中のものもこんなにイイ匂い。コノの料理は特別美味しいと知っているから、さつまは完成が楽しみで仕方がないし、食べる気も満々。そもそも食べないという選択肢がハナから存在しない。
楽しみ、楽しみ、と尻尾振るさつまと、玉葱フルコースを作っていくコノハ。2人と調理されていく玉葱が醸し出す空気、香りは、遮るもののない畑でふわふわほかほか広がっていく。――だから。
「こ、これ全部手作り……?」
ついつい収穫の手を止めて吸い寄せられた怪人トリオが、出来上がった玉葱フルコースの前にいるのも当然なわけで。
「そ。召し上がれ」
「いただきます!」
「い、いただこう……」
さつまの声は元気に、ニワトリ怪人の声はおずおずと。
前菜である玉葱の鴨肉巻きは玉葱と鴨肉が互いを引き立てあい、ニンニク散らした揚げ玉葱は、味や香りだけでなく食感も楽しい。幸せそうに口いっぱい頬張るさつまの尻尾は、美味し美味しとリズムを刻んで――尾鰭びちびちさせるサカナ怪人の青い頬も、ぽわわと幸せピンク色。
「……むっ!? このロールパンからも玉葱さんの香りがするぞ!」
「キョキョキョキョウダイ、玉葱ポタージュもすごい……!」
「濃厚スープに仄甘で小麦薫るパンとの組合せが最高デショ?」
こくこくこくこく!!
全く同じ動きと速度でイエスと答えた怪人トリオは、玉葱をたっぷり使ったメイン料理、エビチリと柔らか鶏肉団子も美味し美味しと大絶賛。
最後のとっておきはデザート。半身を牛乳で柔らかくした玉葱は、たっぷり乗せていたチーズをオーブンでとろとろ狐色の王冠へ。仕上げは、蜂蜜掛けナッツとクコの実をぱらぱらり。
「あまぁい幸せ、ドウゾ」
「焼きたまねぎだ!」
「うわーーー!!」
「火傷しないように気を付けてよねぇ」
コノハは幸せいっぱいの顔で頬張るさつまをチラリ。もごもごしっかり噛んで味わっていたさつまは、コノハの『お願い』をちゃあんと覚えている。
任せてと言う代わりにしっかり頷いた、その数分後。
愛らしい仔狐姿の狐火が、怪人達の『最後の晩餐』を最高のまま終わらせた。
大成功
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