⏰バトルオブフラワーズ⑤〜RTA、最速で城を駆け抜けろ
「ん、皆集まってくれてありがとう……。キマイラフューチャーが割れたって話は聞いてるよね」
ぱかっと割れれば話に疎い猟兵でも気づくだろう。あれには驚いたと多くの猟兵達が頷く。うさも驚いた。
「あれはテレビニウム達が受信した「システム・フラワーズ」からの救援要請によるメンテナンスの為だけど……システムを襲ってるのがオブリビオン・フォーミュラ「ドン・フリーダム」。あの銀河皇帝と同じオブリビオン・フォーミュラだよ」
あのボッチと名高い銀河皇帝と同じ。それだけで彼と戦闘を行った猟兵達は驚異的な強さを思いだし身震いする。
その手がシステム・フラワーズに伸び、このままシステムを掌握されてしまえばキマイラフューチャーを維持している「コンコン」が止まってしまいこの世界が滅んでしまう。
「オブリビオン・フォーミュラ「ドン・フリーダム」の所に行くまでにはメンテナンスルートを通って行く必要があるんだけど……その途中にある六つのステージを攻略しないとその先に進めないんだ。皆にはその一つ……ゲームを舞台にした所に向かってもらうよ」
一部のゲーム好きな猟兵と、ライトノベル好きな猟兵達が活気だつ。一体どんな世界なのだろうと興味津々に雪花の話に耳を立てながら先を促すようなギラついた視線を送るが、雪花は特に気にすることなく続きを話す。
「皆に今回挑んでもらうのは……サムライエンパイアっぽいお城と言えば分るかな。そのお城を攻略してもらうよ。それも最速で。戦争だから時間も掛けられないからね……こういうのをリアルタイムアタック……っていうのかな。それをやってもらう」
今もどこかで最速を競う世界がある。今回はそれと同じような事をゲームの中に入ってやるのだ。
城の中は雑魚兵士や将軍、果てにはつり天井やギロチン、落とし穴や落とされた階段などがある。猟兵達は手持ちの技能と身体能力を駆使して難関を突破するのが今回のゲームの趣旨のようだ。
「そこの最上階にいるボスを倒せばクリアだけど……僕達にとってはこれからが本番。クリアするとザ・ステージを守っているオブリビオンーー邪悪な仮面が大量に空からやってくるからそれを倒せば本当のクリア」
猟兵達にかかればゲームの敵なんて簡単に蹴散らせるだろう。準備運動代わりになるなと一部の猟兵達は笑顔を浮かべる。戦争中に笑顔なんて不謹慎かもしれないが、笑顔があるという事はそれだけ余裕があることだ。
「それじゃ……皆。最速を目指して……お願いね」
雪花はうさ耳をピコピコ動かしながら、猟兵達に頭を下げザ・ステージまで転送するのだった。
暁月
はい。暁月です。戦争依頼二つ目ですね。
今回は皆さんにはRTAをやってもらいます。罠を掻い潜り、雑魚を蹴散らして最上階に向かう。シンプルです。
今回プレイングを描いてもらうにあたってですが、皆さまにはこれならばあるだろうという罠や敵などを記入してもらいます。そしてそれをどういう風に攻略するかがクリアのカギとなります。あの隻腕の忍者や子鬼殺しっぽい無茶な事をやってくれても構いません。
クリア条件は「天守閣にいるボスの撃破』、敗北条件は「全滅」となっております。余程な事が無ければクリアは容易でしょう。
ゲーム上のボスである将軍はワンパンで終わると思ってください。猟兵の火力なら当たり前です。オブリビオン以下なので。
将軍を倒せばオブリビオンが空からやってきますので、天守閣の上に登って戦闘となります。
それではみなさん、頑張ってください。私も頑張る…!
第1章 集団戦
『邪悪な仮面』
|
POW : 怪光線
レベル×5本の【闇】属性の【光線】を放つ。
SPD : 闇影の鎖
【自身の影】が命中した対象にルールを宣告し、破ったらダメージを与える。簡単に守れるルールほど威力が高い。
WIZ : 暗黒の力
予め【邪悪なオーラを纏う】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
イラスト:夜月蓮華
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴
|
種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
徳川・家光
はい!というわけで、今回はRTAに挑戦してみたいと思うわけなんですけれども、エンパイア風の城ということでね、これは江戸幕府将軍の僕としても(笑)、頑張りたいと思いますね。
まずは邪悪な仮面なんですが、これは暗黒の力を誘えば完全にパターン化可能なんですね。戦闘力は上がるが動きは単調になるんで、「大奥の叫び」でゲーム外から嫁達に指図してもらい、パターン化を完成させたいと思います!
チート?いえいえ、これ戦略ね。片付け終わったらさっさと先に進みますが、その際に宝箱のメガトンコインをゲットしとこうかな。重いけど大金に換金できるんですよね確か〜
●城を駆ける上様。
サムライエンパイアの江戸城を司る徳川・家光(江戸幕府将軍・f04430)にとって城は非常に馴染みがあるもので、どこに何があるのか、罠を仕掛けるならばここだろうと予測するのは簡単なことだった。
「殿中でござるぅぅぅぅ!!」
「将軍である僕にそれやったらダメだからね!?」
襖を開けて刀を振りかざしてくる雑魚侍に千子村正権現を抜き放ち一刀の名の下に切り捨て、仕掛けがある階段をひとっ飛びで飛び越え罠すら発動させる間もなく駆けていく。
進ませないようにと落としてある橋も、猟兵である家光の前では意味はなく、跳躍一つで跳び越えてついには天守閣である最上階までたどり着く。
そこで出会った将軍は如何にも悪そうな将軍で、ラスボスにふさわしく黒いオーラを纏い威風堂々な姿を見せていた。
とは言え、ゲーム上のラスボスだ。チート当然である猟兵の家光の敵ではない。
「よくぞここまで辿り着いた。やはり貴様はあの時に息の根をーー」
「いやいや、初対面だよね。でも将軍として君は邪魔だから、退いてもらうよ」
セリフすらぶった切り、強襲の一撃でラスボスである将軍、暗黒大将軍を切り倒す。
本来ならば、ここでエンディングとなる。普通にやるっと三時間、ゲームでやっても四十三分とかかるのに猟兵にかかると十分未満と凄まじい結果となった。
だが、ここからが家光にとっては本番だ。エンディングを思わせる朝明から、突如常闇を思わせる暗黒の空になったかと思えば、空から白い仮面が無数に降ってくる。
ーーオブリビオンである、邪悪な仮面だ。ゲームをクリアした者を排除し、ザ・ステージを守るべく現れた暗黒大将軍と違った本当の敵だ。
感じる覇気も作り物である暗黒大将軍と違い、肌にピリピリとくる。邪悪な仮面は家光にーー否、その手に持つ千子村正権現に寄せられるように殺到する。
これもまた、家光の予想通りだった。暗黒の力を持つ邪悪な仮面ならば似たような暗黒の力を持つこの刀を使えば引き寄せることができるだろうと。
暗黒の力を纏った邪悪な仮面は一斉に家光に襲いかかるも、磁石に引き寄せられる金属のように動きが単調となり、中々に当てることができずヒラリヒラリと家光はよけきり、同時に切り捨てていく。
「上様! 右から来ますわ!」
「上様!! 上から来ますわ気をつけて!!」
「わかったありがとう!」
無数に襲いかかる邪悪な仮面だが、家光は一人ではない。他の猟兵たちもいるが、彼には大奥にいる多くの女性が付いているのだ!
『大奥の叫び』により強化された家光の前には邪悪な仮面とはいえでも敵ではない。次々と切っては捨て切っては捨てと立ち回る家光。
その姿は正に江戸幕府将軍であり、江戸の多くの民草を守る守護者そのものであった。
大成功
🔵🔵🔵
月夜・玲
RTA!
そういうのもあるんだ!
じゃあ最速目指して頑張っちゃうよ!
●罠
罠といえば…やっぱりつり天井?
部屋に入った途端にドーンと落ちてくるやつ
前後の扉とかもバタンって閉じてね
ベタだけど絶対にあるよねー
●行動
天井が落ちてきたら天井に向かって【高速演算】による衝撃波をお見舞い!
『2回攻撃』による連続攻撃で天井ごとぶっ壊してあげる!
ついでに壊した天井を駆け上ってショートカット!
さあさあ、最速攻略頑張ろう!
将軍?当然ワンパンでしょう!
●戦闘
続けて【高速演算】で戦闘
敵が見えたらもう射程範囲だからね、速攻で倒しちゃうよ
衝撃波による『なぎ払い』でまとめて一網打尽にしちゃおう
ここまできたんだから、負けないよ!!
●罠は壊して進むもの
月夜・玲(頂の探究者・f01605)は多くの猟兵と共に巨大な城の中を駆けていく。その速度は常人が出せるものではなく、途中で現れた雑魚侍が追いつけないほどに早い。
RTA、月夜は初めて聞いたが最速を目指すのであれば単純明快でむしろやる気が上がっていた。
月夜は先行して頑丈に閉じられた大きな扉を鍵を壊して強引に開けると、中は狭い室内に無数の雑魚侍が待機しており、一斉に刀を構える。
「キエェェェェイ!!」
「邪魔よ!!」
「アバー!!」
鎧袖一触とはこのことを言うのだろう。普通に戦えばこの狭い室内で戦闘するとなれば苦戦は免れないだろうが、チート当然である猟兵の前では敵ではない。だが、この部屋の本命は別にあった。
戦闘が始まったかと思えば終わったが、同時に大きく開いた頑丈な扉がガコンと大きな音がして閉じたのだ。しかも念を入れるように鉄格子まで降りてくる。
そして聞こえてくる天井からのカラクリの音。音に寄せられて天井を見ればチリを零しながら天井が落ちてくるではないか。この部屋は雑魚侍と戦わせている間に釣り天井で押しつぶすと言う悪質な罠だったのだ。あれに潰されてはたまったものではないだろう。
だが、これも月夜にとっては予想されていた展開だ。落ちてくる天井に向け高速演算による衝撃波を叩き込む。爆裂するような音が二回なり、落ちてくる筈だった天井は粉々に粉砕され、ぽっかりと大きな穴が開いた。
「いい道が開けたわ。ここを通りましょ」
通常のルート外を通るのもRTAの醍醐味だろう。瓦礫となった天井を利用して開いた天井を抜けて次の階へと駆けていく月夜。そしてついにはゲーム上のラスボスである暗黒大将軍が現れるが、耐久力が天井以上に硬いわけがなくワンパンで吹き飛ぶ。
そして流れるエンディングーーではなく、漆黒を思わせる空が広がりオブリビオンの気配を空から感じた月夜と猟兵たちは天守閣の外に飛びだし、屋根瓦の上に降り立つ。
空からは暗黒の力をまとった邪悪な仮面が無数に現れ、猟兵たちに襲いかかってくる。
見敵必殺。邪悪な仮面を視界に捉えた月夜は引き続き『高速演算』を発動させ、衝撃波で邪悪な仮面達を薙ぎ払っていく。
距離があるせいもあったのだろう、多くの仮面達が衝撃波の餌食になったが思った以上に巻き込めなかったことに月夜は舌打ちする。
先手を打った月夜に多くの仮面達が殺到しその影を伸ばす。嫌な予感がした月夜は飛び起き、影を避け続けるが天守閣の屋根瓦は移動できる範囲が限られ、落ちては戦線に復帰できない。
ついには一つの影が月夜を捉えーー宣告した。宣告は走らない事。
「そんなの守れないじゃない!?」
簡単に守れる宣告ほど威力が出る闇影の鎖だが、逆に言えば守れない宣告でも確実にダメージを与えることができるということだ。しかも守ろうと言えば守れるという厄介な所をつかれた月夜は続いて影を伸ばしてくる仮面から避けるようにその場を飛びのく。跳躍はOKなのだ。
ここが狙いどころだとわかったのか、一斉に邪悪な仮面達が月夜に殺到し、他の猟兵達も援護に回るがついには足を強く踏み出して駆け、その時に体全体に強烈な衝撃が走った。宣告によるダメージに苦悶で顔を歪ませる月夜。
「けっひっひっひっひっひ」
愉快そうに笑う邪悪な仮面だが、月夜の瞳には戦意が衰える気配もなく、逆に高ぶっていた。
「やってくれたわね……! この痛み倍で返してあげるわ!!」
痛みをバネにし、高速演算を練り込み再度衝撃波で無数の邪悪な仮面達を吹き飛ばす月夜。天守閣の屋根を舞台に、戦闘は更に激化を増すのだった。
苦戦
🔵🔴🔴
弥久・銀花
天守閣への速攻を極めればいいんですね、了解しました!
では、真の姿を見せた上でユーベルコードの可能性の風を使って全速力で城壁を飛び越え、お城の壁に手足の爪を立てて駆け上がります。
誰かがお城を壊してるかもしれませんけど、そんなの無視です!壊れる前に行ってきます!
邪魔な障害物は刀で斬り崩して手掛かりにしてしまいましょう。
うふふ、跳ねる星を手に入れた配管工の様になった私を止められる人なんて居ませんよ! やっふぅー!
天守閣に着いたら窓と壁を斬り裂いて中に突入します。
ボスは怪力】で壁に開けた穴から放り投げてしまいましょう。
オブリビオンは降りてくる前から廃材を投げて展開を巻いて行きますよ!
●別に城の中に入る必要すらなかった。
「天守閣への速攻を極めればいいんですね、了解しました!」
意気揚々と胸をたゆんと張り、速攻で真の姿を現し、更には金色の毛並みを靡かせるのは弥久・銀花(隻眼の人狼少女剣士・f00983)だ。
彼女は他の猟兵達と共にーー行動せずに一人大きく跳躍して城壁を飛び越え、屋根瓦を踏み台にして更に大きく飛び城の壁に飛びつく。
自慢の爪が壁に食い込み、自分が落ちないかと確認すると上を見上げる。目標は天守閣だ。
「誰かが城を壊してるかもしれませんけど、そんなの無視です! 壊れる前に行ってきます!!」
そう宣言してガシガシと爪を壁に突き立てて登って行く弥久。罠も外には無く、あっても鼠返しや落石ぐらいだが、爪を立てたまま刀を振るえば障害物も粉々に粉砕されて行く。敵もここで戦うと落ちるので配置することもできず、あっさりと天守閣にたどり着いた弥久は他の猟兵と共に暗黒大将軍をワンパンしてエンディングを迎える。
そして現れる敵の気配。ワンパンで沈んだ暗黒大将軍とは比べ物にならない程の殺気と悪意だ。その気配を追うように他の猟兵達と共に天守閣の屋根へと登るとそこには無数の邪悪な仮面が空から降って来ていた。
弥久は天守閣の手すりや屋根瓦を怪力でひっぺがすと、其の儘勢いよく邪悪な仮面に向けて投げつける。真の姿を更にユーベルコードにて強化した一撃だ。怪力も相まって見事直撃した邪悪な仮面達は瓦礫で粉砕され降り立つ前に数体が消滅していく。
屋根に降りてきた邪悪な仮面は自慢の刀を振るえば、真っ二つに割れてその姿を消滅させていく。
「うふふ、跳ねる星を手に入れた配管工の様になった私を止められる人はいませんよーー! やっふぅー!!」
無敵の様に調子に乗った弥久に向け、邪悪な仮面も闇色の光線を大量に放つが、弥久を捉えることは叶わず懐に飛び込まれて一閃。真っ二つになってチリも残さず黒い霧となって消滅して行く。
決して広くはない屋根を飛び交う様に、交差しては大きな衝撃波、斬撃の音を鳴らすオブリビオンと猟兵。数を減らし続ける邪悪な仮面であるが、次々と増援を繰り出しこのステージの支配圏を守ろうと躍起になっている。
猟兵達もまた、この世界を守る為にこの先を目指して進まなければならないのだ。互いに譲れない戦いは更なる激戦を繰り広げて行くのだった。
成功
🔵🔵🔴
ラムダ・ツァオ
光線なら直線でくるはずよね。刃の影に刃を隠すつもりで舞わせつつ、第二の刃で確実に手傷を追わせるわ。けど仮面ということは衝撃に弱いのかしら。懐に飛び込めそうならナイフの柄で一撃加えてみるのもいいかも。但し油断大敵。身のこなしに自信はあるけど相手の攻撃の機会は見極めたいわね。他の猟兵がいるなら積極的に声をかけて連携を取りたいわ。
●数を生かそう。
ラムダ・ツァオ(影・f00001)は他の猟兵達の後をついて行くことにした。そっちの方が安全であり、罠の対処も協力した方がいいとの考えからだ。釣り天井があれば共に攻撃し、雑魚侍がたむろしていれば自慢のナイフで仕留めて行く。
刀は懐に飛び込まれると弱く、ナイフの方が非常に有利なのだ。それ以前に刀よりもラムダのナイフーー黒刃と白刃の方が鋭く切れ味がいい。刀を三等分に切り分けられた雑魚侍が目を見開いて驚き、その隙に喉を切り裂いて撃破して行くこともあった。
そしてたどり着くラスボスである暗黒大将軍。ワンパンで沈んで攻撃する暇もなかったラムダだが、本命はこの先にある。
朝明から真っ暗な空が広がり、そこから現れる明確な敵の気配。天守閣の屋根へと登ると大量の邪悪な仮面が猟兵達を仕留めるべく現れたのだ。
ラムダは両手に持つ黒刃と白刃に力を込め、ユーベルコードを詠唱する。
「『刻め』」
短く、それでいて力がこもった詠唱。それに引き寄せられる様に周囲の空間が歪み、そこからラムダが両手に持っていた黒刃と白刃が現れた。その数は31。刀すらも切り刻む刃が邪悪な仮面を切り裂くべく顕現したのだ。
迎え撃つべく放り投げられた瓦礫と衝撃波を開戦の合図に、降り注ぐ光線と影。ラムダの元には黒い影が伸ばされ、それを寸前の所で避ける。
「思った以上に速い!」
光線も影も真っ直ぐに伸ばされると予想していたが、その分速度もあったのだ。
ラムダの元には多くの影が伸ばされ、中々に懐に飛び込む機会がない。反撃にと周囲に展開した刃を念力で操り、邪悪な仮面を切り裂くもそれを補充するように次々と新しい仮面が現れ、ラムダを追い詰める。近づいてきた仮面をナイフの柄で砕くが、刃で切るのと変わらなかったので刃を振るうことに集中する。
他の猟兵達もラムダと連携して次々と倒して行くが、邪悪な仮面が補充される方が速く倒すのが追いつかない。
ついには邪悪な仮面の影がラムダを捉え、宣告する。ーー「飛ぶことを禁ずる」。守るには容易く、しかし破りかねない宣告だ。
ラムダは走ることに集中し、攻撃の隙間を掻い潜って刃を振るう。邪悪な仮面は引いて攻撃を避けるも、その影に隠れたもう一つの刃によって切り裂かれた。
だが、隠れていたのは仮面も同じだ。やられた仮面の後ろにもう一枚、邪悪な仮面が潜んでおり、黒い影を再び伸ばすとそれを避けるべくラムダは一歩後ろに跳びのき、身体に激痛が走る。宣告によるダメージに苦悶に顔を引きつらせ、転がりながら落ちかけるも、他の猟兵が寸前で手を掴み引き上げる。
「ごめん、ありがとう」
ザ・ステージのゲームの世界で繰り広げられる激戦は一進一退となり、混迷を深めて行くのだった。
苦戦
🔵🔴🔴
鍋島・小百合子
SPD重視
城を駆け抜けてよいのならば・・・土足でも構わぬのじゃな?
今までやった事ないからの♪
「りあるたいむあたっくとは何か知らぬが早駆けしてよいという事にしておこう!」
UC「鎧装馬騎乗」発動
召喚した鎧軍馬を一撫でして騎乗、罠と敵が阻む場内を駆け抜ける
罠は吊り天井や床下の落とし穴を予想しダッシュとジャンプで速度重視で突破
立ちはだかる敵は範囲攻撃込みにて馬の蹄で蹴散らしていく
敵からの攻撃は薙刀での武器受けで防御もしくは降馬してからの残像を用いた回避
得意の騎乗術で舞うが如く翻弄しながら突き進む
「室内乗馬とは無礼にも程があるじゃと?放っておけ!わらわがやりたいからやるのじゃ!」
●やりたい事をやってみよう。
「りあるたいむあたっくとは何か知らぬが早駆けしてよいという事にしておこう!」
普段やれない事をやれる事にワクワクと胸を踊らせているのは鍋島・小百合子(朱威の風舞・f04799)だ。城の中では礼儀正しく土足なんて以ての外だが人の城だし? 土足で踏み込んでも問題あるまいと言わんばかりにユーベルコードを唱え、馬を呼び出した。
「ヒヒーン!!」
「おー、よしよし。今回はのぅ、あの天辺まで運んでたもれ」
『鎧装馬騎乗』により呼び出した馬をひと撫でし、跨る鍋島。まさかと他の猟兵達が思ったが、そのまさかだった。
馬の手綱を操り、蹄を鳴らして駆けて行く馬。馬に乗って城を攻略しようという自由っぷりだ。義を重んじ、礼儀正しい武家の家に生まれた彼女だが、鬱憤ややりたいことがたまっていたのだろう。それを発散するいい機会だと言わんばかり馬を駆る。他の猟兵達もそれに続くが馬と同じ速度なので問題ない。
落とし穴も馬で飛び越え、釣り天井も落ちてくる前にーー他の猟兵がぶち壊したのでそこを通ってショートカット。雑魚侍が立ちふさがるが、馬に引かれてすぐに退場。飛び出し注意だ。
「貴様ぁぁ!! 馬で城に乗り込むとは無礼にも程があるぞ!!」
「ふん、放っておけ!わらわがやりたいからやるのじゃ! 行け!」
「ぐあああああ!!」
至極真っ当な事を言っていた多分えらいであろう強敵っぽい侍が蹄に一撃で潰される。そのまま階段も馬で乗り越え、ついには天守閣までたどり着く。馬で。
ラスボスである暗黒大将軍だが、言うまでもなくワンパンで沈み馬の出番すらなかった。
暗黒大将軍とはなんだったのだろうと言わんばかりの速攻ぶりだが、これはチート当然である猟兵達だからこその芸当だ。
それに猟兵達の本命はこれからくるオブリビオンだ。突如真っ暗となる空、そして感じる敵意と殺意。オブリビオンが空から降りてくる。それを迎え撃つべく天守閣の屋根へと昇る猟兵達と馬に乗った鍋島。
猟兵達の先制攻撃から始まった戦闘だが、一進一退を迎え、鍋島もまた愛用の薙刀ーー竜王御前を馬にまたがったまま振るい、三メートルを超える馬で次々と引いて砕いて行く。邪悪な仮面も影をのばすが、馬は速度が速くそれに跳躍力もある。ある程度の柵を飛び越えることもあるのだ。鍋島が呼び出した馬はそこらへんの馬とは段違いに強く、強さを共有した彼女の馬は一メートルぐらいは余裕で飛び越す力がある。
伸ばされた影を飛び越え、そのまま強靭な蹄で踏み砕き、迫る邪悪な仮面を竜王御前を回転させるように降るって次々とチリと化していく。
激戦が続く決戦だが、ついには増援も打ち止めとなり邪悪な仮面は数を減らすだけとなっていく。戦況は猟兵達に傾くが油断は大敵だ。
猟兵達は気を引きしめ、屋根から落ちないように気を使いながら武器を握る手に力を込めるのだった。
成功
🔵🔵🔴
茅原・紫九
はい、よーいスタート
お城を駆け抜けるRTA始めるよー。計測区間はゲーム開始からオブリビオンを撃破した瞬間
道中にあるスイッチを踏むと飛んでくる竹槍は実は正面安置!
完全に微動だにしなければ駆け抜けることが出来るんですね。
将軍はバックアタックが可能ですがここでオリチャー発動!
攻め重視で真っ向から殴ります。
こうすると相手からも近づいてきて移動時間短縮になるんですね。
……多少ロスしたがこの後ノーミスの可能性があるので続行します。
オブリビオンは魔法や絵具を飛ばしながら降りてくることを祈ります。
降りてくるかは乱数なので祈りましょう。
……遅延戦闘してるんじゃねーよ!ばーかばーか!
倒した時点でタイマーストップ。
●計測は動けるようになってから。
「はい、よーいスタート」
茅原・紫九(風に流され来たる紫煙・f04064)は掛け声と共に全力で駆けて行く。RTAとは速度こそが重要だ。ムービーは動けないので仕方ないが、動けるようになった時から全力を出す。それがRTAだ。
最速を目指すからには罠を避けて回り道など遅延にしかならない。竹槍が繰り出されるスイッチを踏み抜いた茅原はその場で立ち止まるとその場を避けるように竹槍が彼女の周囲に飛び出してくる。
「こういう竹槍というのは微動だにしなければ正面安置なんですよね」
そのまま竹槍を突き破って次へと進み、次々と繰り出される仕掛け階段や釣り天井、雑魚侍なども他の猟兵達と共に突き抜け、ついにはラスボスである暗黒大将軍もそのまま引き潰した。ラスボスとはなんだったのか。本来ならばこの時点でRTAは終わりだろう。だが、カウントはまだ続く。敵がまだ残っているからだ。
漆黒の空に感じる敵の気配。先んじて他の猟兵達と共に屋根へと駆け登れば空からは白い仮面、無数の邪悪な仮面が猟兵達目掛けて降ってきていた。
大筆を振るい、絵の具を飛ばして落ちてこい落ちてこいと念じる茅原。絵の具を受けた邪悪な仮面はヒビ割れ次々と消滅して行く。それにしても数が多い。乱数で増えてるのかと思うほどの物量だ。
無駄に時間を掛けられ、あまりにもイラついた茅原は悪態をつきながら大筆を邪悪な仮面に叩きつける。
「……遅延戦闘してるんじゃねーよ!! ばーかばーか!」
その言葉を理解したわけではないだろう。次々と邪悪な仮面は屋根に降り立ち猟兵達とぶつかり合い、戦闘が激化していく。茅原にも影が伸ばされるが、それを寸前で相手の一瞬を切り取り、超速で観察。その後に紙一重で避けて大筆を叩き込めば影を伸ばした邪悪な仮面はそのまま砕け散り消滅して行く。
「お、乱数が上手くいった!! このまま行けばタイム縮めれる!」
乱数が上手くいったのかほぼ全ての邪悪な仮面が降り立ち、猟兵達を傷つけながらも次々と砕かれ、遂には最後の一体となる。それを相手にしているのはーー江戸幕府将軍、徳川・家光だ。
「成敗!!」
「ひぎ、あぁぁぁああああ!!」
邪悪な仮面の苦悶の叫びを最後に、全ての邪悪な仮面が打ち砕かれた。この時点でタイムは終了。時間にすると十分未満だ。オブリビオンさえ早く倒せればもっと短くなっただろうが、こればかりは乱数だから仕方ない。
こうしてこのゲーム世界は最短でクリアされた。
しかし、最短は超えられるためにある。エンディングを迎える戦場を後にした猟兵達は次の戦場へと旅立って行く。更なる最短をーーRTAを目指して。
成功
🔵🔵🔴