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バトルオブフラワーズ④~芋編~

#キマイラフューチャー #戦争 #バトルオブフラワーズ

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 芋。それは無限の可能性を秘めた根菜である。
「ポテチってチョー美味しくない? ミコ大好き~。ご飯の代わりに食べちゃったりする~」
 なぜポテチの話を遊馬・美湖(パワフルギャル・f12819)が始めたのか。今回キマイラフューチャーで勃発した戦争において、ザ・ステージと呼ばれる場所で芋ばかりが取れる畑にオブリビオンが集まっているからだ。
 キマイラフューチャーの中核システム・フラワーズへ進むには、その周囲を守っているザ・ステージからオブリビオンを排除しなければならないため、この芋畑に集まっているオブリビオンも排除する必要があるのだ。
 この芋畑ではジャガイモ。サツマイモ。長芋。山芋。里芋。コンニャクイモ(毒あり)。キャッサバ(毒あり)。菊芋。アピオス(アメリカホド)など、このようなあらゆる芋がオブリビオンの手によって収穫され始めている。
 収穫された芋たちは地面へと積み上げられはじめ、これ以上積み上げられないという状況になってしまうと、猟兵たちはこの場所からはじき出されてしまうのだ。
「芋料理って色々あるよね。肉じゃがとかー、筑前煮もそうでしょー、あと芋餅とかーどれも作るの超メンドーだけど。そんな感じで今回はいろんな料理を作って、オブリビオンをおびき寄せる必要があるんだよ」
 なぜおびき寄せる必要があるのか。なぜならオブリビオンは収穫中、無敵になる特殊能力をもっているからだ。
 猟兵たちは収穫した食材を片っ端から使い、山積みにならないようにしつつ、料理でオブリビオンをおびき寄せて無敵時間を終わらせてから戦う必要があるのだ。
「あ、このオブリビオンだけど。無敵時間ないとめっちゃ雑魚いから、とりま適当に叩けば勝てちゃうよ」
 おびき寄せるための料理作成と、敵を叩くのは個人で両方行ってもよいし、複数人でやってもかまわないだろう。
「料理器具とかは現地になぜかオブリビオンが用意してるし、調味料もあるよ。ほかに必要な食材は自分たちで用意してってね☆」
 なぜ調理器具が用意されているのか。それはオブリビオンたちが芋を収穫後、自分たちで調理して食べようと用意していたものだ。それを利用されるなど考えないあたりがキマイラフューチャーのオブリビオンというべきか。
 それじゃあよろしく、と美湖はグリモアを付けた右手で空間を殴りつけ、転送ゲートを開いて送り出すのであった。


鬼騎
 戦争シナリオです。また4番の集団戦だしちゃいました。ここ楽しい……。
 敵は食卓の友同盟です。これを考えてどのような料理にするか決めてもよいですし、関係なく作りたいものを作っても良いと思います。
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第1章 集団戦 『食卓の友同盟』

POW   :    マヨネーズ怪人・ウェポン
【マヨネーズ兵器】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    コショウ怪人・ジェノサイド
【コショウ攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ   :    しょうゆ怪人・リフレクション
対象のユーベルコードに対し【しょうゆ】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。

イラスト:まめのきなこ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

神薙・焔
春とはいえまだ寒さが残る時期、そして芋…ならば答えは衣サクサク、中はホクホクのコロッケ! 普段は食べる専門だけど、幼いころ母を手伝った、この記憶は本物よね、たぶん。

しかし、潰すという工程が入る分、大量に作るには一手…それを解消するのがこの新ガジェット、ポテトマッシャーくん1号、皮剥きもこなす優れもの。

タマネギの微塵切りに塩、胡椒、そして合い挽き肉を用意、ご家庭の隠し味もいろいろ、あたしン家は顆粒コンソメと牛乳だったわね…記憶が本当ならだけど。

手早く丸め、手を冷やしておくと温度差でカラッと上がる、濃い目のソースをちょっとつけて、さあ完成よ!

コレでおびき寄せたら…ガジェット変形、戦闘モード!



 春とはいえまだ肌寒さが残るこの季節に、キマイラフューチャーのザ・ステージと呼ばれる一角ではオブリビオンによって芋畑の収穫が進んでいた。
「この季節ならやっぱりアレ。外はサクサク中はホクホク。コロッケ!」
 神薙・焔(ガトリングガンスリンガー・f01122)は畑で収穫を行なっているオブリビオンを尻目に、収穫され済みのジャガイモを選別。使うのはコロッケをホクホクさせるために男爵芋だ。
 泥を落とした後まずは皮むきを行う。とはいえ皮をむくのは焔本人ではない。ガジェットショータイムで召喚したポテトマッシャーくん1号、皮むきもこなし潰す工程も任せられる超優れものだ。果たして2回目以降に活用されることがあるのかどうかは不明だが。
「コロッケはご家庭ごとに味もいろいろ。あたしン家は顆粒コンソメと牛乳だったわね……」
 幼い頃母を手伝った記憶が本当なら。そう心の中で付け加える焔は一瞬複雑な表情を浮かべるが、今はコロッケを作り上げてオブリビオンをおびき寄せることを優先しコロッケを作ることへ集中していく。
ジャガイモを茹でている間、玉ねぎのみじん切りと合い挽き肉を用意。しっかり炒めた後に塩胡椒、牛乳、顆粒コンソメをしっかりと混ぜて粗熱をとるため少し置いておく。
 ジャガイモが粉ふき芋のような状態になったら再びポテトマッシャーくん1号の出番だ。
 オブリビオンが多いため大量に潰さなければならなかったジャガイモもポテトマッシャーくん1号のおかげで簡単にジャガイモを潰していくことができる。
 潰したジャガイモも粗熱が取れればそこへ炒めたものを混ぜ合わせていけば中身の完成。
 後は手を冷やした状態で手早く丸め衣をつけ、温めておいた油でカラッと揚げていくだけだ。
 パチパチと油で揚がる良い音とともに、あたりにただよう揚げ物の香りは畑で作業しているコショウ怪人数体の気を引き始めた。
 衣が良いキツネ色になれば油から取り出ししっかりと油を切る。皿にもりつけ濃いめのソースをしょいとかければ神薙・焔の家庭の味コロッケが完成だ。
「い〜ニオイがすっべ……」
 さっそく引き寄せられたらコショウ怪人は3体。しっかりと近くまで寄せて今がチャンスだ。
「ガジェット変形、戦闘モード!」
 ポテトマッシャーくん1号はギュルギュルと音を立て戦闘形態へと変形。焔がそれをあやつり攻撃を仕掛ければ簡単にコショウ怪人3体を屠ることに成功。コロッケの効果は抜群であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

千愛・万望
おいもさん、いいねえー。あーしも好きだわさ

何もオブリビオンにうまいもん食わしてやる義理もないんだが
誘き寄せるならそれなりのモン用意しなきゃね(たのしそう)

まずはー…サツマイモや…じゃがいも?ってのかい?この辺使って飛竜頭(コロッケ的なもの)でも作ろうかね
揚げ物は匂いが立つだろ
よーするに香りで誘き寄せ作戦さね

そして、芋ったら……やっぱりとろろ汁だわさ
この為にわざわざ麦飯抱えてきたんだ(※式神が)、熱々の炊きたて麦飯に…
うちとこでは味噌汁で延ばしたのをぶっかけて食うんだわさ、うまいぞぉ
これなら味噌の香りも立つしねぇ

オブリビオンの無敵状態が切れたら
はい、お粗末さま
即座に火属性の《波濤》を放つよ



「おいもさん、いいねえー。あーしも好きだわさ」
 少しずつだが積み上がっていく芋を見て千愛・万望(誰が為に誰が為す・f17823)はそう呟く。とはいえオブリビオンに美味しいものを食べさせる義理など1つもないのだが、誘き寄せなければならないとなれば話は別だ。
「ま、それなりのモン用意しなきゃね」
 口ではそうはいうものの、どことなく楽しそうに芋の山を見てどれを使うか選別をしていく。
 まず手に取ったのはじゃがいもだ。
「まずはこのじゃがいも? ってのを使って飛竜頭(ひろうす)でも作ろうかね」
 それは豆腐を使った惣菜であり、有名な名であるならばがんもである。本来山芋で作るものなのだがジャガイモでも流用が効くのだ。
 他に用意するのは木綿豆腐、ひじき、人参、豆だ。木綿豆腐はまず適当な大きさに切って茹で、重石を乗せて水切りをする。
 次にジャガイモはすり下ろし、その出てきた水分を搾り取り、そのジャガイモの水分、豆腐、塩と一緒にミキサーで攪拌していく。
「こんなもんかね」
 なめらかになれば他の具と出来上がった生地を混ぜ合わせて型に流し入れ、蒸し器で30分ほど蒸し上げる。
 手間はかかるがこの段階でもかなり良いニオイが充満していたが、誘き寄せるきわめつけはこの後の揚げる工程だ。
 蒸しあげたものが完全に冷めたら棒状にカットし高温の油で揚げていく。キツネ色になるまで揚げたら別に作っておいただし汁に浸け、冷めるまでおいておき味がしっかりと馴染めば完成だ。
「そして、芋ったら……やっぱりとろろ汁だわさ」
 万望は今回、わざわざこのために麦飯を抱え込んできていた(ただし運んできたのは式神である)
 収穫された芋の中から長芋を取り、丁寧にすりおろした、ふかふかのとろろ。それに加えるのは味噌汁である。
「うちのとこじゃあ熱々の炊きたて麦飯に味噌汁で伸ばしたとろろをぶかっけて食うんだわさ」
 味噌汁の香りと、とろろの風味、そして麦飯の食感と味。美味しくないわけがないのである。
 これらが出揃った時、2体のコショウ怪人がふらふらと美味しそうな食事につられ寄ってきていた。
「うまいぞぉ」
 万望が念を押すようにそういえばコショウ怪人は違いの顔を見合わせ、我先にとこちらへと近寄ってきた。
「はい、お粗末さま」
 霊符拵五芒鞭を手に火の属性を乗せて一振るいすれば2体もろとも一気になぎ払い、消し炭と化した。
 コショウ怪人をおびき寄せたとろろ汁をかけた麦飯を自分でかきこめば、うんまい、とそう独り言ちるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ニオク・イグズヴィ
ノトス(f03612)と一緒に参加
【SPD】
芋料理といえば色々とあるが、ここはお手軽にジャンクに行こうぜ
作るのはフライドポテトだ
洗ったジャガイモの芽だけくりぬいて、皮付きのままクシ形切りにする
水気を拭き取ったら後は揚げるだけだ
挙げる係はノトス、任せた

揚がった後の味付けは、シンプルに塩でもいいしモルトビネガーやケチャップなんかを添えても美味いかもな
芋だけじゃなくハンバーガーやフィッシュフライもありゃ言う事無いんだが、ここは我慢するか

怪人共に攻撃が通るようになったら、サクッと奴らの懐に飛び込んで【黒荊の暴風】を発動
【2回攻撃】で【傷口をえぐる】
戦闘が終わったら芋パーティで乾杯しようぜ!


ノトス・オルガノン
◆WIZ
※アドリブ、絡み歓迎です
戦友のニオク(f00312)と参加

今回の戦争は何だか風変わりな戦場ばかりだな…
料理は今まで余りしたことがないが、なるべく努めよう
ニオク、色々と指示を頼む

作るものはフライドポテト
作っているのは見たことがある
油で揚げる方を担当する
気を付けるのは時間と温度…
揚げる時間は砂時計で管理すればいいかな?
揚がったものを手早く油からあげて、次々と揚げていかなきゃな
油が跳ねて、ちょっと痛いが…

ニオクは色々と料理を知っているな
いつかはんばーがーとやらを食べさせて貰いたいものだ

調理が終わったら、本番だ
ユーベルコード【White Lily】を展開
終わらせて、作ったものを頂くとしよう



「今回の戦争は何だか風変わりな戦場ばかりだな……」
 目の前に広がる畑を見てそう呟くのはノトス・オルガノン(白百合の鎮魂歌・f03612)。
「いままで料理は余りしたことがないが、必要とあらば努めなければ。ニオク、色々と指示を頼む」
 隣に立ちノトスに呼ばれたのはニオク・イグズヴィ(コインの裏面・f00312)だ。
「ああ。芋料理といえば色々だが、ここは手軽に、ジャンクに行こうぜ」
 ジャンクフードというのは体にあまり良くないと思いながらもついつい食べてしまう魔性の食べ物だ。誘き寄せるにはもってこいだろう。
 芋の山から選ぶのはジャガイモ。それも調理後の変色が少なく油との相性が最適な品種を選び抜き、調理開始だ。そう、彼らが作るのはフライドポテトだ。
「揚げるのはノトス、任せたぜ」
 そう言いながら運んできたジャガイモを手早く洗い、芽の部分だけくりぬいたら皮付きのままくし切りにし、水気を拭き取っていく。この形はウェッジカットポテトと呼ばれるフライドポテトで、メイン料理の付け合わせなどでもよく出される形だ。厚みがあるため食べ応えがあり、皮の香ばしさも味わえる。またじゃがいものホクホク感が残るのも良いところだ。
「わかった。作っているのは見たことがある。まずは油を適温まで温めて……」
 油の温度は低めで用意し、準備が終わったジャガイモからゆっくり油へ落としていく。ジャガイモは火が通りづらいため早く上げすぎても中が生のままになってしまう。ノトスは油に使える温度計で温度を見つつ、砂時計で時間を管理し、きっちりと仕事をこなしていく。
「ニオクは色々と料理を知っているな」
「ノトスから見ればそうかもな」
 ノトスが油ハネに少し苦戦している様子を見つつ、ニオクの手元ではテキパキとジャガイモを用意されていく。
 用意したジャガイモすべてを揚げ、油を切り終われば皿に盛り付け、熱々の状態で塩を軽く振って味をつけておけば塩味がしっかりとポテトへと馴染む。
「後はモルトビネガーやケチャップなんかを添えればいいだろう」
 調味料などがおいてある場所を探せば他にもマスタードやマヨネーズ、ガーリックパウダーやサワークリームなどが用意できた。
「流石に芋だけじゃなくハンバーガーやフィッシュフライもありゃ言う事無いんだが」
「いつかその、はんばーがーとやらを食べさせて貰いたいものだ」
 揚げたフライドポテトと付け合わせる調味料などが準備できた時、こちらに寄ってきたのはコショウ怪人としょうゆ怪人5体だ。
「ポテト……」
「あつあつカリカリっ……!」
 しかし採集を放棄し寄ってきたが最後、ニオクの棘とノトスの白百合によって怪人はあっけなく倒され、消滅していった。
「それじゃ、芋パーティだな」
「冷める前に頂くとしよう」
 二人は自分たちの仕事をきっちりとこなし、色々な味を試しながらあつあつのフライドポテトパーティへと洒落込むのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

氷月・望
ゆーくん『月待・楪(f16731)』と
アドリブ等歓迎
スマホでレシピ見つつ料理(それなりに上手い)

見るからに芋、芋、芋
コレ、ヤッベー!SNS載せたらめっちゃウケ良さそー!
料理なら任せてよ、でもゆーくんにも手伝ってもらいたいなーって
ポテトサラダもいいケド……今回は、ね

じゃがいもをラップで巻いて、レンチン
柔らかくなったらボウルにドンして、ゆーくんにお任せ
一杯潰してほしいかな、頃合いを見て片栗粉や塩胡椒も少々
油を引いたフライパンに潰したジャガイモを乗せて、両面に焼き色を
ピザソース塗って、具材色々乗せてからチーズたっぷり

じゃがいものピザ完成ー!
それじゃ、スイートポテトも作ろっか……ゆーくん、容赦ない!?


月待・楪
氷月(f16824)と同行
(アドリブetc歓迎/自覚有りメシマズ)

怪人がふざけた見た目してんのはいつもだが、なんだよこの芋の山、ふざけてんのか…

はー…氷月、お前料理担当な
俺に料理させたらどうなるかわかってんだろ
怪人が食った瞬間消え…いや、怪人だからいいのか
でもめんどくせーからやっぱ料理はお前に任せる
大量消費っつったらポテトサラダとかか?
ん、芋潰すくらいなら俺でも手伝える
おー…じゃがいもがピザになった
…なァ氷月、スイートポテト食いてーんだけど

氷月の料理を一口食ったやつから【クイックドロウ・スナイパー・2回攻撃・念動力・暗殺】…持てる技術フルに使ってぶっ倒す
…俺より先に氷月の料理食ってんじゃねェよ



「怪人がふざけた見た目してんのはいつもだが、なんだよこの芋の山、ふざけてんのか……」
 見渡す限り芋畑の中、積み上がりつつある芋の山を見て月待・楪(crazy trigger happy・f16731)は半ばうんざりしたかのような声を上げる。
 その横で手元の端末で芋の山を面白おかしいといった様子で写真に収めているのは氷月・望(夢想の囚人・f16824)だ。
「見るからに芋、芋、芋! ヤッベー! SNS載せたらめっちゃウケ良さそー!」
 そのような様子の望に対し楪は毅然とこう言い放つ。
「氷月、お前料理担当な。しかし芋の大量消費っつったら……ポテトサラダとかか?」
 今回誘き寄せるために料理をしなければならないのは承知の上参戦しにきた楪だが、実は自覚有りのメシマズ男なのである。楪が料理したものを怪人が食した瞬間あまりの不味さに消し飛ぶようなレベル。
 オブリビオンなのだから消し飛んでくれるのはまったく問題ないのだが、そのレベルのメシマズ料理がオブリビオンの食欲をそそり誘き寄せることができるのかと言われると難しいところであった。
「料理なら任せてよ、でもゆーくんにも手伝ってもらいたいなっー。ポテトサラダもいいケド……」
 ちゃんとした料理をすることができる望はスマホで見つけたレシピを見つつ、早速どうするべきか指示を出していく。
 芋の山からジャガイモを取り出し、泥を落として皮をむく。適当な大きさに切ったら耐熱ボウルへとジャガイモをいれ、かるくラップを巻いたらレンジで加熱。時短でジャガイモに火を通し、柔らかくなったところでボウルの中でジャガイモを潰していく。
「芋潰すくらいなら俺でも手伝える」
「結構量使うからね、いっぱい潰してほしいかな」
 楪がジャガイモを潰しているところに望が片栗粉や塩胡椒などを加え、その間にそれを焼くためのフライパンも温めて油を引いていく。
 準備が整えばフライパンに潰したジャガイモをぎっちり敷き詰め両面に焼き色をつけていく。焼きあがったこれにピザソースを塗ってお好みの具材とチーズをのせてオーブンで焼き上げれば完成だ。
「じゃがいものピザ完成ー!」
「おー……本当にじゃがいもがピザになった」
 美味しそうな良い香りを漂わせているジャガイモピザだが、それを見た楪はふと思うことがあった。
「……なァ氷月、スイートポテト食いてーんだけど」
 デザートも欲しいような気がするのだ。その楪の言葉に望は笑顔で答える。
「それじゃ、スイートポテトも作ろっか!」
 もう数枚ジャガイモピザを焼くための準備をしつつ、スイートポテトも仕込んでいく。サツマイモを用意し、皮をむいて潰せる固さになるまで茹で上げる。火が通れば湯は捨て、水分を飛ばしつつサツマイモをマッシュ。バターなどの材料を混ぜ込みながら生地をまとめあげ、粗熱がとれれば型に成形していれ、オーブンで焼きあげればスイートポテトの完成だ。
「はーうんめぇ、肉体労働のあとの飯ってなんぞこんなにうめぇんだが」
「んだんだ」
 ふと二人に声が届く。用意していたジャガイモピザを乗せた皿を置いたところを見れば畑作業からおびき寄せられたコショウ怪人としょうゆ怪人が5体ほど群がっていたのだ。
「……ぶっ倒す」
 その様子を見た楪は二丁の拳銃をすぐに抜き放ち、一瞬で狙いを定めて5体すべての怪人の頭をあっという間に撃ち抜いた。
「ゆーくん、容赦ない!?」
 手を出す間も無く倒れていく怪人を見て思わず望から声が上がる。
「……俺より先に氷月の料理食ってんじゃねェよ」
 それは腹の底から響くような楪の言葉。気づけば群がっていた怪人たちでこの畑で芋を収穫していたオブリビオンは最後だった。平穏が訪れた芋畑で二人はジャガイモピザとスイートポテトで芋パーティへと洒落込むのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年05月09日


挿絵イラスト