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バトルオブフラワーズ③〜スーパーなロボットは大変ッ！

作者：ゆうきつかさ

●キマイラフューチャー
　そこには特撮モノに出てきそうな程、カラフルなデザインの基地があった。
　まるで狙ってくださいと言わんばかりに、ド派手なデザイン。
　それ故に、悪い意味で目立っていた。
　そのため、オブリビオンに狙われるのは、必然ッ！
　だが、その場所にはオブリビオンに対抗するために必要な機材や資材が揃っていた。
　つまり、限られた時間の中で、オブリビオンに対抗するためのロボ……通称『猟兵マシン』を完成させる事が今回の目的であった。
　基地の中にある機材や資材の大半は、スーパーなロボットに使われていそうなモノばかり。
　何やら大人の事情が絡んでいるのか、特徴的なデザインのパーツが、キマイラフューチャー仕様に変わっているものの、何処かで見た事があるようなモノばかりであった。

●ガジルからの依頼
「今度はスーパーロボットたい……げふんげふんだよ！」
　何なら謎のパワーに発言を阻止されながら、ガジル・コリアンダー（キマイラのスカイダンサー・f00907）が今回の依頼を説明した。
　今回の依頼は『ザ・ステージ』の攻略が、目的。
　ザ・ステージはキマイラフューチャーの表面部を再現したような都市で、住民などが存在していない代わりに、『特殊な戦闘ルール』があるらしい。
　その条件とは、基地を破壊される事。
　万が一、基地が破壊されてしまった場合は、謎の力で追い出され、強制敗北になってしまうらしい。
　しかも、オブリビオンは自分自身を巨大化させたようなロボットで猟兵達の基地を襲撃してくるため、その前に機材や資材を使って猟兵マシンを完成させる必要があるようだ。
　猟兵マシンが出揃う事によって、それらのマシンが変形合体し、巨大なロボになる事さえ出来れば、オブリビオンロボを撃破する事が出来るらしい。
　オブリビオンロボを破壊する事が出来れば、成功ッ！
　実にシンプルな依頼ではあるものの、オブリビオンに基地を破壊された時点で、敗北が確定してしまうため、注意をしてほしいという事だった。

第1章 ボス戦 『マルチプル・アースムーバー』

POW   :    タイヘン　キケンデスノデ　チカヅカナイデクダサイ 【放り投げた瓦礫や、ドリルの一撃など】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を塗りつぶし】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。 SPD   :    シャリョウガ　トオリマス　ゴチュウイクダサイ 【ブルドーザー形態による猛烈突進攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。 WIZ   :    ゴメイワクヲ　オカケシテオリマス 【排気マフラー】から【環境に厳しい有害物質たっぷりの黒煙】を放ち、【強烈な粘膜刺激と視界の悪化】により対象の動きを一時的に封じる。 👑11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

●戦え、猟兵マシン！
「絵面は斬新だが……これもこの世界ならではの光景だろうな」
　三条・姿見（鏡面仕上げ・f07852）はカラフルな基地を眺め、自分自身を納得させた。
　『まるで狙ってください』と言わんばかりに、ド派手なデザイン。
　だが、キマイラフューチャーでは、ある意味スタンダード。
　キマイラフューチャーでは当たり前のデザインであるような印象を受けた。
「ここは私に任せて、皆さんは機体の準備を！」
　すぐさま、黒城・魅夜（悪夢の滴・f03522）が振り向く事なく、髪をなびかせ、仲間達に対して言い放つ。
「クケケケケ、ワタシヲ、コワス……？　コワスノカァ？　カエリウチニ、シテヤル！」
　その途端、マルチプル・アースムーバーがロボットに乗ったまま、機械音をキチキチと響かせ、まるで笑っているような音を響かせた。
　それは不快で、吐き気を催す程、不気味……。
　そのせいで、猟兵達をとても不安な気持ちにさせた。
「ふふ、ご安心を……。ここで捨てるほど、私の命、安くはありません。小さければ小さいなりの戦法もありますからね」
　魅夜がロープワークとスナイパーを駆使し、マルチプル・アースムーバーが乗るロボットに巻き付かせ、早業と残像で翻弄した。
「さて……他でもない俺自身が操作するマシンだ。普段慣れている戦法に寄せる方向で考えたい」
　その間に、姿見が基地の中にあった機材や資材を使い、猟兵マシンを造り始めた。
　猟兵マシンの主武装は……刀ッ！
　自分の武器と同じデザインをした『封刃・改（アラタメ）』が主武装であった。
「ふふー、巨大プラモみたいで楽しーい！　このエンジンにー……あっ！　これツノに使えそう！」
　劉・涼鈴（豪拳猛蹴・f08865）も基地の中にある機材や資材を手に取り、瞳をランランと輝かせた。
　どれも何処かで見た事があるようなデザイン。
　ところどころ、キマイラフューチャー仕様になっているものの、何となく元ネタが分かる感じになっていた。
「えっと、よくわからないから動かしやすいヤツで……」
　一方、イネス・オルティス（隠れ里の女戦士・f06902）は基地の中に設置されたマザーコンピュータに視線を送る。
　その依頼に従って、マザーコンピュータが機材や資材を使い、猟兵マシンを造り始めた。
「ならば、自分は……ゲッ、ゲッ、ゲッ……って、何やら不思議なパワーで……言葉が出ないっすが、とにかくマシンを造るっすよ！」
　秋山・軍犬（悪徳フードファイター・f06631）も大人の事情でモザイクが掛かった機材や資材を手に取り、イイ感じで猟兵マシンを造り始めた。
　何やらパチモンチックな雰囲気が漂ってはいるものの、軍犬がイイ感じで組み立てているおかげもあって格好良く仕上がった。
「このエンジンにー……あっ！　これツノに使えそう！　その上で装甲を分厚い近接タイプにしてー……。んー……武器はむつかしーからいいや。よし、でーきた！　牛頭人身のロボ、平天大聖だー！」
　そんな中、涼鈴が猟兵マシンを完成させ、満足した様子で口を開く。
　組み立てには、マザーコンピュータの協力もあったが、まさにプラモ感覚。
　イイ感じでマザーコンピュータが組み立ててくれたおかげで、とにかく格好良く仕上がった。
「……えっ？」
　それとは対照的に、イネスが唖然とした表情を浮かべ、自分が乗る猟兵マシンを眺めた。
　こちらもマザーコンピュータが造ってくれたモノだが、予想に反してボッキュッボン！
　どうやら、イネスを模した猟兵マシンを造り上げたようだが、何となくセクシー。
　しかも、胸が……揺れる！
　その機能が必要なのか、不要なのか分からないが、とにかくたゆんたゆんであった。
「キチ、ハカイ、ハカイ！　コワセ、コワセ！」
　次の瞬間、マルチプル・アースムーバーがロボットに乗ったまま土煙を上げ、猟兵達がいる基地を攻撃し始めた。
「しばらく大人しくしてもらいましょうか」
　それに気づいた魅夜が全ての札がジョーカーのみで構成されたトランプを使い、マルチプル・アースムーバーが乗るロボットの影を縫い付けた。
「ンガ……ガガガガ……」
　その途端、マルチプル・アースムーバーのロボットが、半ばパニックに陥った様子で身体を揺らす。
　だが、思うように身体が動かず、まるで全身が縫い付けられてしまったような錯覚に襲われた。
「あっちは重機っぽくてパワーがありそうな感じ！　でも私のだって出力に全振りしたから強いぞー！　がおー！　それじゃ、はっしーん！」
　すぐさま、涼鈴が基地から勢いよく発信すると、マルチプル・アースムーバーのロボットをスーパーパワーでぶん殴った。
「いざ抜刀し、推して参る」
　続いて、姿見が猟兵マシンに乗ったまま刀を構え、マルチプル・アースムーバーのロボットをジロリと睨む。
「マサカ、ソレデ、ワタシヲ、キルノカ？　キルキルキルキルキルキルノカァァァァァァァァァァ！」
　それに気づいたマルチプル・アースムーバーのロボットが、興奮した様子でムックリと起き上がった。
「あなたの敵は、一体だけじゃありませんよ……！　大空に舞う紅の翅、その名も血粧鬼装『緋翔』で出撃です」
　魅夜も猟兵マシンに乗ったまま、基地のカタパルトから外に飛び出した。
　猟兵マシンはマルチプル・アースムーバーが乗るロボットの背後に降り立ち、容赦のない攻撃を仕掛けていった。
「ロボ戦でも戦闘知識は使えるはず。とにかく、いつも通りにやればいいのね？　でも、技は声に出さないといけないのか……」
　イネスが猟兵マシンに乗ったまま、バインバインと胸を揺らしながら、ダッシュで一気に間合いを詰め、マルチプル・アースムーバーが乗るロボットの視界を塞ぎ、猟兵達の基地を庇うようにして陣取った。
「頼むぞ！　ジョン＆ナンシー！　いくぞ、オブリビオン！　この、力自慢で水中戦得意な凄く腕が伸びる無限軌道なクッカー海鮮（スリー）が相手っす！」
　軍犬も【深夜の夫婦漫才（グッドナイト・コメディーカップル）】を召喚すると、それぞれがクッカーロボ（猟兵マシン）に乗り込み、マルチプル・アースムーバーに攻撃を仕掛けていった。
「……と言うか、軍犬、一号機じゃねぇの？」
　これにはジョンも思わずツッコミを入れた。
「三号って出番少なそう……」
　ナンシーも残念なナマモノを見るような目で、軍犬が乗るクッカーロボに視線を送る。
「三号のカッコ良さは大人になったら分かるの！」
　だが、軍犬の考えは変わらない。
　……３号の格好良さ。
　それが分かってこその通なのだから……！
　その気持ちに応えるようにして、操縦席に現れたのは海鮮丼と、大根おろしであった。
「こ、これは……！」
　それだけで、軍犬は悟った。
　このすべてを格好良く平らげる事によって、クッカーロボが真の力を発揮するとッ！
「えーっと、どのボタンだっけ……あ、これこれ！　ターボ灰燼パンチ！」
　涼鈴も猟兵マシンに乗ったまま、操作パネルを適当に叩き、マルチプル・アースムーバーのロボットめがけて、パンチのラッシュ！
　マルチプル・アースムーバーのロボットがよろめいた瞬間を狙って、牛のツノで頭突きを食らわせた。
「グガ、グギィ、ユル、ユル、ユルサン！」
　マルチプル・アースムーバーのロボットが、激しい怒りを爆発させ、土煙を上げて一気に距離を縮めてきた。
「何やら興奮しているようだが……悪いな。ここで倒されるつもりはない」
　それに気づいた姿見が猟兵マシンで【剣刃一閃】を仕掛け、マルチプル・アースムーバーの駆動部を両断した。
「後は……任せた！」
　その隙をつくようにして、姿見が猟兵マシンを変形させ、籠手と大太刀になった。
　これによって戦闘力が格段に向上ッ！
　……段違いに破壊力が増した！
「チェーンジ、クッカァァァァァァァァァァァァ！」
　軍犬も目の前に置かれた海鮮丼と、大根おろしを平らげ、ジョン＆ナンシーに合図を送る。
　それと同時に３機のクッカーが螺旋状に天まで昇っていき、最強の猟兵マシンに変化した。
「必殺ッ！　大海旋おろし！」
　軍犬も猟兵マシンに乗ったまま雄叫びを響かせ、マルチプル・アースムーバーが乗ったロボットのボディを掴み、奇跡の海パワーで天高く放り投げた。
　それに合わせて、猟兵達のマシンが、次々と合体していった。
「この場合……合体するなら胸だよね！」
　涼鈴も猟兵マシンを変化させ、合体ロボの胸部パーツとして収まった。
　よくあるパターンはライオンだが、牛もなかなかどうして格好イイッ！
　むしろ、ライオンよりも、勇ましく感じられた。
「さあ、後はトドメをさすだけです……！」
　魅夜も猟兵マシンを変形させ、合体ロボの背部に接合し、天空を制する美しい翼になった。
「シャリョウガ、トオリマス！　ゴチュウイクダサイ」
　次の瞬間、マルチプル・アースムーバーのロボットがブルドーザー形態に変形し、猛烈突進攻撃で合体ロボを破壊しようとした。
「ビィィィィストクラッシャッァァァァァァ！」
　それと同時に、イネスが【巨獣撃（ビーストクラッシャー）】を仕掛け、単純で重い巨獣のオーラの一撃を放ち、マルチプル・アースムーバーのロボットを木っ端微塵に破壊した。
「グガ……ガガガガガッ！」
　その一撃を食らったマルチプル・アースムーバーのロボットが大爆発を起こし、大量の破片が辺りに飛び散った。
　そして、猟兵達はここでの戦いに勝利を収めるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

最終結果：成功 完成日:2019年05月06日 宿敵 『マルチプル・アースムーバー』 を撃破！