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バトルオブフラワーズ⑥〜アカイクツカツドウ!

#キマイラフューチャー #戦争 #バトルオブフラワーズ

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「みなさーん、大変です! キマイラフューチャーが大変なことになってるのですよ!」
 プルミエールは慌てた様子で猟兵の皆へと呼びかける。
「中枢の『システム・フラワーズ』をオブリビオンから取り戻さないと、コンコンで食べ物が出なくなって、人類が滅亡しちゃうのですよ!」
 キマイラフューチャー世界にある中枢システムが、オブリビオン・フォームラ『ドン・フリーダム』に占拠されてしまったのだ。
「『システム・フラワーズ』にたどり着くためには、まず周りにある6つのステージを解放する必要があるのです。そこでみなさんには、ザ・ダンスステージの解放をお願いするのです!」
 プルミエール曰く、このダンスステージを占拠しているオブリビオンはそれほど強くはないという。
 ただ、問題点が2つある。
 ひとつは数が多いこと。
 もうひとつは『特殊ルール』の存在だ。
「このステージはダンスフロアみたいになっていて、天井にはミラーボールがぶらさがっています。そして床には四方30センチくらいのタイルが敷き詰められていて……このタイルが問題なのですよ」
 戦場の床タイルはダンスのリズムで明滅する。光っている床タイルだけを踏みながら戦わなければならないという。
「なんでも『アカイクツレヴォリューション』というシステムらしいです。履いたら踊りを止められない、赤い靴の話にちなんでいるのかもですね」
 もし光っていない床タイルを踏んだり、ダンスに失敗すると強制的に戦闘不能扱いとない、ステージから追い出されてしまう。
「ちなみに、今回私がゲートを繋げるダンスステージで流れる曲は『アイドルソング』となっています。みなさんが踊れるかどうかの参考にしてください」
 明るく元気なポップ系ソングが多めの選曲となっているようだ。上手く踊れれば踊れるほど、戦闘能力がアップするという特典もある。自らの得意分野を見極めて参加すると効率良く戦力を削れるかもしれない。
「そんなわけで、踊りながらオブリビオン軍団をやっつけちゃいましょう! アツいアカイクツ活動……アイクツ! はじまりますっ!」
 ランスをマイクに持ち替えて、プルミエールは含み笑いを漏らすのだった。


蘇我真
 どうも、蘇我です。戦争シナリオ2本目、ダンスが本数少ないようだったので出しました。
 華麗に踊って戦力を削っていきましょう!
 このシナリオで掛かる曲は基本アイドルソングとなります。キャラクターの得手不得手の参考にしてみてください。
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第1章 集団戦 『夏の思い出トリオ』

POW   :    ひまわり怪人・ウェポン
【ひまわり兵器】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    かき氷怪人・ジェノサイド
【かき氷攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ   :    蚊取り線香怪人・リフレクション
対象のユーベルコードに対し【蚊取り線香】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。

イラスト:まめのきなこ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

高鷲・諒一朗
ダンスなら任せてくれよお、ってなあ!
うなれ俺のこの長い脚!
スカイダンサーの真髄を見せてやらあ!

こういうゲームはあちこちでやったことがあってなあ
得意中の得意なんで、まずは楽しむことを第一にやっていくぜえ
音楽と一体になれば、必然と次に踏むべきパネルの場所も予測がつくってもんだ
さぁ! レッツ・ダンシングだぜえ!

長い四肢を使って腕の振りや体のひねりも加え演出しつつ
危ないところは「野生の勘」で咄嗟に踏みつつ
とにかく楽しく! 見栄えも考えて! しっかり最後まで踊りきるぜえ
もちろんゲームが終わるまでダンスは絶やさないように
ここぞというときに攻撃できそうなら
『金狼舞踏』で攻撃していくぜえ!



 原色バリバリのダンスホールに、飛び入りしてきた猟兵がいる。
「ダンスなら任せてくれよお、ってなあ!」
 諒一朗だ。金狼が如き髪をなびかせて、光る床パネルに着地する。
「見せてやらあ、スカイダンサーの真髄ってやつをよ!」
 かき氷怪人の群れが、諒一朗の周囲を取り囲む。
 彼らは浮遊しており、床パネルの影響を受けていない。
 それを不利と取るか、相手はダンスボーナスを受けられない分有利と取るか。
 諒一朗の答えは後者だった。
「見えるぜ、情熱の赤い薔薇!」
 スペインの熱き風を思い起こさせる、フラメンコ調の曲。
 アイドルソングの中でも彼が最も得意としている曲調だ。
「グラシアスだぜえ!」
 天の配剤に感謝しつつ、諒一朗は水を得た魚のようにダンスホールを動き回る。
 床のパネルを見て足を動かすのではない。
 彼のすらりと伸びた長い足が踏む床が、勝手に点灯していく。
 曲と一体となった諒一朗へ、かき氷怪人たちが超高速攻撃を仕掛ける。
「オラ!」
 そこにはいないパートナーを抱くかのように、諒一朗が腰を捻る。
 先程まで諒一朗がいた空間を、かき氷怪人のタックルが通り過ぎていく。
 超高速が故に、動くと急に止まれない。その動きを止めてやるかのように、諒一朗の腕が伸びた。
「さあ、おれと踊ろうぜ!」
 かき氷怪人を捕まえ、振るう。
 ダンスホールの壁に映るシルエット。伸びた影のうち、小さいモノが斜めに引き裂かれる。ふたつに千切れた影は、そのままポトリと落ちていく。
「ついてこれねえかも、知れねえがな!」
 曲が続くごとに、諒一朗のダンスはキレと凄みを増していく。
 かき氷怪人たちを踊りでねじ伏せるそれは、金色の嵐だった。

成功 🔵​🔵​🔴​

花盛・乙女
踊り続けなければならんとは面妖な戦場もあったものだ。
だがこの花盛乙女、いかなる戦場であっても全力を賭す。
なんだか懐かしい気持ちになってしまうあの敵共を斬り倒してくれる!

あいどるそんぐと言うのはイマイチわからんが、私の嗜好にあえば自然と体も動こう。
なんかこう…風が天を翔け光が地を照らし、人は夢を抱くと、そう名付けられた物語のような…そんな曲なら体も動くだろう。
私は何を言っているんだ?

ともあれ。
向日葵兵器なるものには我がふた振りにて応じよう。
この花盛乙女の剣舞をとくと味わってもらう!
海よりも激しく!
山よりも高々く!
今私は風になるのだ!
アルカディアー!

私は何を言っているんだ?


ベイメリア・ミハイロフ
赤い靴という言葉に惹かれて
ダンスは一通り履修済
こういう床を使ったリズムゲームも
友人に付き合って経験済みでございます
…ちょっと、のめり込んでしまった記憶もございますが

スカートを指でつまみ上げて、さあ、参りましょう

第六感を駆使し次に光る床を予測
…とはいえお歌に集中すれば
次にどう足を動かせばいいものか
体が勝手に動きます

だんだんと、わたくし
夢中になっていってしまいそうです
オブリビオンの攻撃は邪魔でございますね
踊りの最中ながらRed typhoonにて一掃したく
敵の攻撃は絶望の福音も使用しつつ
くるりとターンして回避又はオーラ防御で凌ぎたく

とにかくとことんダンスを楽しんで
…楽しみすぎてしまうかもしれません



 曲調が変わる。
 今度は雄大な自然、理想郷を想起する曲。
「これが『あいどるそんぐ』というものか……このような曲を歌いこなせるのは歌姫でなければならぬだろうな」
 その壮大な曲調に身震いする乙女。その足は、しっかりと光るパネルを踏んでいる。
「この曲調ならば、次は……うむ、こうだ!」
 最初は床を確認しながらのおぼつかない足取りだったが、じきにその歩みもスムーズになっていく。
「さあ、参りましょうか」
 もうひとり、この曲でのダンスに挑戦する猟兵がいた。
 ベイメリアだ。赤を基調とした衣服、そのスカートの裾を両手でつまみあげて光るパネルへと乗る。
 優雅、かつ洗練された仕草。
「慣れているようですね」
 乙女の問いに、ベイメリアは小さく頷く。
「ええ。ダンスは一通り履修しておりますし、こういう身体を使ったリズムゲームも友人に付き合って経験済みでございますから」
 実際、それでハマってしまったのだがその点については伏せておく。
「さあ、お歌に集中しましょう」
 緩やかだったテンポが、サビへ近づくにつれて激しくなっていく。
 自然と床パネルの明滅の感覚も短くなり、身体を動かすペースも上がっていく。
「ゴホーッ!」
「カトール!!
 そこへ群がってくるオブリビオンたち。ひまわり怪人と蚊取り線香怪人だ。
 夏の思い出を刺激する怪人たちに包囲されるふたり。
 最初に動いたのはベイメリアだった。
「悪しき者よ!」
 片足で光る床パネルへと着地すると、軸にしてくるりと身を翻す。
 ふくらんで広がるスカート。ベイメリアの周囲に薔薇の花弁が舞う。
「目、目が回るカトーッ!」
 蚊取り線香怪人は、自らの形状と同様に目をグルグルと回す。
「ターン!」
 ベイメリアは回転を止め、前方へと腕を突き出す。薔薇の花弁が、台風のように吹き荒れて蚊取り線香怪人たちを吹き飛ばしていく。
「カトゥルーーーーゥ!!」
「薔薇なんかにまけないゴホ!」
 残ったひまわり怪人たちへ当たるのは乙女だ。
「向日葵には、吹雪を馳走しよう!」
 曲がサビへと向かう。
「海よりも激しく!」
 床パネルが、横一列一斉に点灯する。
「山よりも高々く!」
 その上を、乙女が疾走する。
「鬼の吹雪で乱れ散れ!」
 駆ける乙女、彼女を包み込むようなまばゆい光。
 彼女が繰り出す無数の剣撃がミラーボールの光を照らして乱反射しているのだ。
「た、太陽だゴホッ!?」
 その明るさに、ひまわり怪人たちの足は釘づけになり、思わず乙女を見つめてしまう。
「アルカディアー!!」
 自然と乙女の口を突いて出た叫び。
 端から端へとダンスホールかけ終わった後には、ひまわり怪人たちの残骸が山となり、うず高く積まれているのだった。
「すごいですね」
「いや、なんだかよくわからないが、勝手に身体が動いてしまった……」
 小休止中、光り続けるパネルの上で言葉を交わす乙女とベイメリア。
「さあ、そろそろ2番ですね。気を抜かず参りましょう」
「あ、ああ、そうだな!」
 そう言うベイメリアもまた、ダンスを楽しんでいるようだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

セシィ・ソルビー
ハーイ。
セシィちゃん、オン☆ステージ♪
アイドル曲なら自信あるよ!同業者としていつも【情報収集】してるしね☆
今日はどんな曲が踊れるかな〜♪

◆アイドル曲を踊ったみた
動画撮影の準備もバッチリ。
さあ、楽しんでいこうよ☆
【ダンス】【パフォーマンス】で踊りながら光タイルを踏んでいくよ☆楽しいからアイドル曲を【歌唱】で口ずさんじゃう♪

怪人ちゃん達に踊りながら近づいてUC【超アイドル握手会】を披露しちゃおうか!セシィちゃんの魅力に動きを止めるほど見惚れちゃうかもね☆

怪人ちゃんの攻撃は【ダンス】【パフォーマンス】で上手に躱せるといいな☆

※アドリブ・連携 歓☆迎



 次に会場で流れ始めたのは、いかにもアイドルといった感じのポップソング。
「この曲なら知ってるよ!」
 小気味いい軽快な音楽を聞いて飛び出してきたのはセシィだ。
 超バーチャルアイドルとして、同業者の曲もしっかりと情報収集していたのだ。
「ロック、オン!」
 撮影機材の録画ボタンを押して、自然な様子でステップを刻む。
「ラブサンシャーイン♪」
 歌詞を口ずさみながら、披露するダンス。
 この曲を歌っているアイドルの振り付けを完全にコピーしていた。
 床パネルの明滅もその振り付けを参考にしているようだ。セシィのダンスに合わせるように、床パネルが点滅する。
「ふふっ、楽しいっ!」
 振り付けを覚えているセシィがダンスを失敗することはなさそうだ。
 そう判断したオブリビオンたちは、ダンスを妨害するべく攻撃をしかけた。
「カトール!!」
 叫びながらセシィを取り囲もうとする蚊取り線香怪人たちだが、セシィもそのあたりは対策している。
「はーい、駄目だよ! ちゃんと並んでね?」
 セシィからにじみ出る握手会オーラ。
「カトッ!?」
 包囲ではなく、一列縦隊で並ばなければならない。
 そんな強迫観念が蚊取り線香怪人たちを縛る。整然と並び始めていく。
「みんな、ルールを守ってくれてありがとう!」
 そうしてセシィは先頭の怪人から、順番に1対1で相対していく。
「カ、カトーッ!」
「うわっ、とと」
 顔面へ投げつけられた蚊取り線香を、半身になってかわす。
 もとからそういう振り付けなので、ダンスは崩れない。
「やったなー☆ お返しだよっ!」
 振り付けを利用した裏拳が怪人へと叩き込まれる。
 常ならばそれほどの威力もないはずの攻撃も、ダンス成功のボーナスが乗って非常に強い攻撃になる。
「カカーッ!!」
 先頭の怪人が爆散し、次の怪人が前に出る。数の優位を活かせない時点で、怪人たちの劣勢は決まっていた。
「みんな、セシィちゃんのこと応援してね?」
 額に汗を浮かべながら、アイドルソングを踊り切るセシィ。
 その笑顔は、光り輝いていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

黒影・兵庫
ゲーセンには何度か行ったことありましたけど
こーゆうゲームは初めてです
でも、なぜか音楽を聴いてるとリズムに合わせて
体が勝手に動いちゃいます

せんせー、【ダンス】が技能として使えるレベルまで
俺の脳の聴覚野とかその他もろもろいじくりましたね?

体動かす系はいじる前に一言欲しいです・・・
じゃないと怖いじゃないですかぁ

それはさておき、このゲーム、めっちゃ楽しいです!
何時間でも遊べちゃいます!
ん?何君ら?替わってほしいの?

【誘煌の蝶々】発動!

支援兵の皆さん!ちょっとこの人たちの相手してもらえますか?

それでも近づいて来たら【衝撃波】で吹っ飛ばすか・・・

あーたのしー



「せんせー、また俺の身体いじくりましたね?」
 虚空に向かって話しかける男がいた。
 黒影・兵庫。彼が話しかける対象は、彼の頭の中にいる。
「身体が勝手に、踊りたくなっちゃってしょうがないですよ」
 曲のつなぎ目に合わせてダンスホールへと入場する。
 ひるがえる衣服。風にたなびく姿はまるで胡蝶のようだった。
「はっ!」
 ピシッと伸びた背筋。長い両足を肩幅まで広げてステップを刻む。
 軽快なアイドルソングに乗って踊る姿は、男性アイドルそのものだ。
「……カトッ!」
 しばしその光景に見惚れていた蚊取り線香怪人だったが、直に自らの使命を思い出して妨害しようと兵庫へと向かう。
「ん? 何? 君ら、替わってほしいの?」
「カトーッ!!」
 蚊取り線香を投げようとする怪人たち。兵庫もまた同時に、ユーベルコードを発動する。
「支援兵の皆さん!」
 頭上のミラーボールに照らされて、放射状に伸びる影。
 その影の中から、色とりどりの蝶が飛び出してくる。
 その数は優に100を超えている。ゆったり儚げに舞うその身体からは、きらきらとした鱗粉が巻かれていく。
「カト……」
 虫を追い払うべき蚊取り線香が、虫に見惚れてしまう。
「まだくるなら、吹っ飛ばします、よっ!」
 兵庫はターンと共にハイキックを放つ。
「カッ……トールッ!!」
 その足から生まれた衝撃波が、蚊取り線香怪人たちをまとめて吹き飛ばしていく。
「あー、たのしーなぁ。何時間でも、踊れちゃいそう!」
 兵庫のオンステージは止まらない。彼の体力が切れる、そのときまで。

成功 🔵​🔵​🔴​

リゲル・ロータリオ
レッツダンス! 俺の出番っすね!
頂き物の可愛い《JK制服 Type B》を装備した俺が、完璧にアイドルキメるっすよ!(※スカートの下にメンズスパッツ着用済み)

ダンスは芸術、つまり【アート】みたいなもんっすかね?
こういうのは歌いながらやるとリズムも取れるし、何より楽しいんすよね♪ そんな感じでマイクパフォーマンスもキメながら踊るっす

……と、踊りながらだと攻撃が当てづらいっすねー
このもふもふの尻尾で【誘惑】してこっちにおびき寄せられないっす?
………なんかスカート見られてる気がするんすけど、気のせいっすかね? っすよね?
まぁいいっす、射程範囲にきたら『ガチキマイラ』で一撃っす!

※アドリブ絡み大歓迎



 オブリビオン軍団があらかたやられたダンスフロアへ、最後の猟兵が登場した。
「ラストダンス! トリは俺の出番っすね!」
 リゲルだ。ブレザー調の女子校生の制服を身に纏い、背中から漆黒の翼ともふもふの銀尻尾を跳び出させている。
「そんじゃ、せっかくだから歌いながらやらせてもらうっす!」
 マイクから聞こえるハスキーボイス。そう、彼は男だ。女装している格好になる。
「~♪」
 知っているアイドルソングに合わせて歌唱ダンスを開始する。
 激しい動きに尻尾が揺れ、スカートが翻る。
「カキッ!!」
 かき氷怪人が近づく。スカートの中身は黒のメンズスパッツだ。
「なんか、スカート見られてる気がするんすけど……」
「カキ……」
 ジト目でかき氷怪人を見やるリゲル。かき氷怪人が凍ってしまいそうなほどの冷たい視線だった。
 たとえ男でも、おばさんでも、スカートがあれば覗きたくなる。それもまた人の……いや、オブリビオンのサガなのだろうか。
 兎にも角にも、近づいたかき氷怪人の運命は決まっていた。
「一撃っす!」
 かき氷怪人を誘うようにうねっていたリゲルの尻尾がライオンの頭部に変形する。
「――ッ!!」
 ライオンは大きく口を開けるとかき氷怪人を一飲みにした。
「ほらほら、何匹来ても同じっすよ~?」
 リゲルを取り囲もうとするかき氷怪人たち。リゲルもまたダンスに合わせて回転し、ライオンに変化させた尾で怪人たちを丸のみにしていく。
「~~~!」
 ライオンの頭部がアイスクリーム頭痛で顔をしかめながら消滅したとき、怪人たちもまたすっかり姿を消しているのだった。

 無事にダンスステージの一角をオブリビオンたちから取り戻した猟兵たち。
 照明は消え、音楽も止まる。
 そのまま終幕、そう思われた。
「アイドルのライブに、アンコールはつきものっすよ!」
 リゲルのマイクパフォーマンスと同時に、カクテルライトが再びステージを照らす。
 7色の光が照らす先、そこには6人の猟兵がいた。
「さあ、アンコールいくっす!」
 センターということで2色の光を浴びたリゲルがマイクを天高く突き上げると再びアイドルソングが流れ始めた。
 床のパネルは常に全てが点灯している。好きなように踊り放題だ。
「そっちが銀狼なら、こっちは金狼だぜえ!」
 リゲルへダンスバトルを挑む諒一朗。諒一朗によるキレのいい四肢を使ったゴリゴリの金狼舞踏を、リゲルは中性的な柔らかいダンスで迎え撃つ。
「もう1回遊べるんですか?」
「こういうゲームは高得点を出すと、エクストラステージが出現するんです」
 初めてのアンコールに戸惑う兵庫を、経験豊富なベイメリアがサポートする。
「はいはーい、気に入ったらセシィちゃんの曲も後で販売するから、買ってね☆」
「全く、商魂逞しいな……」
 いつ作ったのやら、ダンスフロア隅の物販コーナーを紹介するセシィに苦笑する乙女。
「ではもう一度、アルカディアー!」
「もうその曲じゃないよ☆」
 初めての曲に足取りがおぼつかなくなる乙女に、お手本を示すセシィ。
 戦場か解放されて、戻ってきた人々もその踊りを見てそれぞれ楽し気に踊り始める。
 それは、ダンスフロアに華やかな賑わいが戻った瞬間なのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年05月08日


挿絵イラスト