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バトルオブフラワーズ④〜春は山菜でしょ!

#キマイラフューチャー #戦争 #バトルオブフラワーズ

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「キマイラフューチャーがわけのわから……もとい、大変なことになってるってのは、皆知ってるよね」
 ヤーリ・ハンナル(学食の母・f10606)が、こめかみを抑えながら語り出した。
「このチームに対処してもらうのは、ザ・フードステージのひとつだよ」
 ステージは豊かな春の里山。そこで『食卓の友同盟』という集団オブリビオンが、山菜の乱獲を行っているという。
「収穫中を急襲してしまいたいところだけどね、食材を収穫中の怪人は攻撃が無効になるという特殊能力があるんだよ……だからね」
 オブリビオンたちは大量に収穫した山菜を、全て山の麓の小屋に集めているので、
「それを片っ端から料理しちゃっておくれ」
 その料理が美味しそうならば、食欲を刺激されたオブリビオンが収穫を中断して、料理を食べ始めるはずだ。
「食事中ならば、攻撃は無効にならないからね、撃破するチャンスさ!」
 つまり、オブリビオンたちが採ってきた山菜を猟兵たちで料理し、オブリビオンたちを誘き寄せ、食べさせている最中にやっつけてしまえー、ということだ。攻撃無効さえ封じてしまえば、怪人1体1体は弱いので容易く撃破できるだろう。
 自分で料理して食べさせて攻撃しても良いし、料理班と戦闘班で役割分担しても効率がよさそうだ。
『ステージ』なだけに、山麓ではあるが現地には立派なオープンキッチンが設置されているので、大概のものは作れるだろう。
「この季節の山では、タラノメにコシアブラ、山ウドにカタクリ、ミズにコゴミ、行者ニンニクにセリやクレソン……他にも色々採れるよね……山菜料理作り放題さ……」
 と、ヤーリはうっとりと目を細めたが、ハッと我に返り、
「この里山の山菜を取り尽くされちゃうと、こっちの負けになるから、のんびりしている暇はない」
 猟兵たちを気合いの入った表情で見回して。
「なにより、山菜の乱獲ってのが許せないからね、よろしく頼んだよ!」


小鳥遊ちどり
 猟兵の皆様、こんにちは。
 こちらは『バトルオブフラワーズ④シュウカクフードバトル』のシナリオです。

●目的
 里山の山菜を採り尽くされないうちに、乱獲するオブリビオンを撃破する。

●特殊ルール
 収穫中の怪人は、攻撃が無効化となります。
 🔴が貯まり、里山の山菜を採りつくされると敗北となります。
 食べている最中は攻撃無効化が解除されますので、美味しそうな山菜料理をどんどん食べさせて、やっつけてしまいましょう。

●判定
 もちろん基本はダイスですが、美味しそう! はもちろん、面白イッ! プレイングにもボーナスがつく可能性大です。

 ではでは、飯テロなプレイング、楽しみにお待ちしております!
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第1章 集団戦 『食卓の友同盟』

POW   :    マヨネーズ怪人・ウェポン
【マヨネーズ兵器】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    コショウ怪人・ジェノサイド
【コショウ攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ   :    しょうゆ怪人・リフレクション
対象のユーベルコードに対し【しょうゆ】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。

イラスト:まめのきなこ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


『そっちにコゴミの群落があるぞ、全部採ってしまえ!』
『タラノメは枝から折って構わん!』
『ワラビも根こそぎいただきだ!』
 件の里山から、怪人たちが乱暴に山菜を乱獲しまくっている声が聞こえてくる。
 その騒ぎが耳に入るたびに止めたい気持ちは募るが、ヤツらは収穫中は攻撃無効という能力を持っている。今は辛抱するしかない。
 集った猟兵たちは、焦る気持ちを抑え、まずは怪人たちが収穫物を集めている小屋へと厳しい表情で向かった。
アイリ・フラジャイル
アドリブ連携歓迎

作るわ! 作るわよ!
アタシだってこの位出来るんだから、見ててよね!

早速コール・リゾルブで全自動万能調理器(業務用)を召喚
アタシが全部作るとは言ってない、言ってないわ
ここは学食で食べた山菜そばを作るべく素材をブッこんで作っていく
少し余った山菜はアタシがおにぎりにしてやるんだから
これはおばちゃん直伝よ、早くて型崩れしない技があるんだからね!

そうこうして出来た主菜を怪人が食べ始めたら
後ろから黄金竜の牙でバッサリよ
……いや、バッサリってのも何だか後味が悪いけど
今はキマイラフューチャーの危機! アンタ達の犠牲は無駄にはしないわ!



「さあ、素材は確保したわ。作るわ! 作るわよ!」
 小屋でザルに山盛りの山菜をゲットし、オープンキッチンに勢い良く駆け込んできたのはアイリ・フラジャイル(夢見る戦争人形・f08078)。
「アタシだってこの位出来るんだから、見ててよね!」
 と言いつつも、
「これで仕舞いよ! コール・リゾルブ!」
 ユーベルコードで召喚したのは【局地魔導兵装リゾルバー】……今回は、全自動万能調理器(業務用)である。
 威勢良く作るって言ってた割には、全自動かーい! とツッコミたくなるが、
「アタシが全部作るとは言ってない、言ってないわ」
 うん、確かに言ってない……。
 アイリは開き直った様子で、調理器に山菜そばの材料をブッこんでいく。ちょっと前に学食で食べたものを思い出しながら。
 チーン、と調理器が完成を知らせた。
「できた!」
 できあがってきた山菜そばは、田舎風の濃い目の出汁に、これまた色黒の田舎そば、そこに山菜の水煮がたっぷりトッピングされている。
「うん、美味しそう」
 良い香りが件の里山の方にただよっていく。
「余った山菜は、と」
 と、アイリは更に調理器に山菜とお米、調味料をブッこむ。
 チーン。
 できあがったのは、山菜炊き込みご飯。今度はそれを、学食直伝の技でせっせとお握りにしていく。
「これはおばちゃん直伝よ、早くて型崩れしない技があるんだからね!」
 バイトでの修行が生きているようだ。
「……っと、きたわね!」
 料理の香りに釣られたのだろうか、山菜を収納している小屋の方からふらふらとやってきたのは、食卓の友同盟のうちの1体、しょうゆ怪人であった。そばの出汁の香りに引き付けられたのだろう。
『うまそうなしょうゆの香がするぞ~』
「おいしいわよ、どうぞ!」
 アイリはにこやかに山菜そばお握りセットを怪人に勧めると、その背後にそっと回った。
 怪人はパチリと割り箸を割り、ずずずずっ。と蕎麦を啜り。
『おお、旨いな。山菜の食感もちゃんと残っている。ふむ、こちらのおにぎりもいい味付けだ』
「そお? アリガト……ねッ!」
 夢中で山菜セットを食べる怪人の背中にひらめいたのは『錆びた黄金竜の牙』。
『ぎゃあああ!?』
 鈍い輝きを放つ剣は、ばっさりと怪人を一刀両断した。
「背後からバッサリってのも、何だか後味が悪いけど……今はキマイラフューチャーの危機! アンタ達の犠牲は無駄にはしないわ!」
アイリはキリリとした表情で、一撃にして倒れた怪人の骸を見下ろした。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ジャスパー・ジャンブルジョルト
いつも美味いものを食わせてくれるヤーリ姐さんからの依頼とあっちゃあ、断れねえや。

山菜おこわで攻めるぜ。最近の炊飯器はピッポッパッと操作するだけで炊き加減でもなんでも調整可能だから、料理ができない俺でも問題なーし。
諸々を炊飯器に投入して待つこと暫し。はい、できあがり!
丼に山盛りにして、刻んだ行者ニンニクを散らして、醤油をちょっぴり垂らして……さあ、食え!
ちょいと邪道だが、マヨネーズを混ぜ込んでおにぎりにするのもアリだ。海苔と合うんだなぁ、これが。
てゆーか、俺も食おうっと!
うーん、美味い!
……あれ? 俺、なにしに来たんだっけ?

他の猟兵の引き立て役や敵の噛ませ犬役など、お好きなように扱ってください。



「いつも美味いものを食わせてくれるヤーリ姐さんからの依頼とあっちゃあ、断れねえや」
 ダンディな台詞と共に勝負の舞台……オープンキッチンへと上がったのは、ジャスパー・ジャンブルジョルト(JJ・f08532)。
「山菜おこわで攻めるぜ。最近の炊飯器はピッポッパッと操作するだけで炊き加減でもなんでも調整可能だから、料理ができない俺でも問題なーし!」
 確かに最新型の炊飯器の機能ってすごいもんね!
 とはいえ、山菜は怪人の採ってきたものを使わなければならないので、市販の水煮というわけにもいかず。下ごしらえと味付けは自分でしなければならない。
 まずは餅米を研いで水に浸すと、今度は山菜の下ごしらえである。レシピとにらめっこしながらそのまま使えるものや、短時間であく抜きできるものを選び、刻んで調味料でサッと煮る。
「よし、諸々を炊飯器に投入して待つこと暫し!」
 ピッ。
 スイッチを入れた炊飯器からは、じきに良い香りが漂ってくる。
『いい匂いだ、山菜おこわか?』
 その香りに誘われてやってきたのは、マヨネーズ怪人であった。
「大当たり! もうすぐできるから、そこに座って待ってな」
 親切ごかしてキッチンの隣に設置されたテーブルに案内して座らせておく。
「――はい、できあがり!」
 できあがった山菜おこわを丼に山盛りにして、刻んだ行者ニンニクを散らして、醤油をちょっぴり垂らして……。
「さあ、食え!」
『おお、こりゃ旨そうだ!』
 マヨネーズ怪人はトッピングまで行き届いた山菜おこわを、わしわしと食べ始めた。
「俺も食おうっと!」
 作業をしてお腹が空いたジャスパーも、山菜おこわを食べることにした。
「うーん、美味い!」
 我ながら上出来! と嬉しくなって食べ進んでいったが、ふとジャスパーは我に返った。
「……あれ? 俺、なにしに来たんだっけ?」
 山菜おこわを勝手にお代わりしているマヨネーズ怪人を見やり、そうだ、料理して食わせるだけじゃ駄目だったんだ、と思い出し。
「なあ」
 と、2杯目を持ってテーブルに戻ってきたマヨネーズ怪人に話しかける。
「ちょいと邪道だが、マヨネーズを混ぜ込んでおにぎりにするのもアリなんだぜ。海苔と合うんだなぁ、これが」
『そりゃ旨そうだ。俺のマヨを少し貸してやってもいいぞ』
「そうか? じゃあ、その前に――応援団、集合!」
 ユーベルコード【JIVE JOCKEYS】によって集まってきたのは、チアガール姿のネズミたち。その見事に揃ったダンスパフォーマンスにより、みるみるジャスパーのパワーが上がっていく。
「――遠慮無くもらうぜ!」
 振り上げられた【先割れスプーン】が、ぐっさりとマヨネーズ怪人の頭を抉った。
『ぎゃああ!?』
 ぶじゅるるるるるる……!
 破れたチューブから噴き出した大量のマヨネーズはジャスパーにもひっかかったが、彼は気に留めることなく、先割れスプーンをぐいぐいと押し込み――息の根を止めた。
 敵の油断を見事に突いたジャスパーは、毛皮についたマヨネーズをぺろんと舐め。
「さて、これで落ち着いておにぎりが握れるぜ」
 クールに呟いたのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

仁科・恭介
※アドリブ、連携歓迎
「山菜料理か。食材は沢山あるから何を作ろう」
【携帯食料】を食べつつ脳細胞を活性化して【学習力】を強化
油とご飯の組み合わせが最善と考え天ぷら煮丼を作る

〇材料
タラの芽、行者ニンニク、山ウド、フキノトウ、セリ、三つ葉
だし汁(カツオ、昆布)、醤油、みりん、卵

三つ葉以外の山菜を天ぷらにする
だし汁、醤油、みりんを合わせ、天ぷらを投入して一煮立ち
仕上げに卵を投入して蓋をし、半熟の状態で丼ぶりによそい三つ葉を散らす
丼ぶりの蓋をして余熱で三つ葉の香りを引き立てる

攻撃
どの怪人が自分の調味料を使って食べてもあっさり食べられるようにワザと天ぷら煮にした
食べた後に…【ダッシュ】を乗せて斬る



「山菜料理か。食材は沢山あるから何を作ろう」
 仁科・恭介(観察する人・f14065)は、山菜小屋に摘まれた食材を見回すと、まず【携帯食料】の干し魚を口に入れた。お魚は脳によい……はず。活性化された脳細胞で【学習力】を強化し、メニューを考える。
「うん、やはり油とご飯の組み合わせが最善だよな」
 迷いなくテキパキとザルに乗せ始めたのはタラの芽、行者ニンニク、山ウド、フキノトウ、セリ、三つ葉。それらを携えオープンキッチンへと移動する。
 まずは炊飯器に研いだ米を入れてスイッチオン。
 その間に、大きな鉄鍋にたっぷりの油を熱しつつ、小麦粉を水で溶き、衣を作る。泡の立ってきた油に、菜箸で衣を垂らせば、シャッと小気味の良い音を立てて軽やかに浮かぶ。
「よし、いい温度だ」
 油が温めれば、あとは天ぷらを揚げるだけ。三つ葉以外の山菜をサッと衣にくぐらせ、手際よく揚げていく。
 山菜天ぷらの油を切っている間に、恭介は今度は小鍋にだし汁、醤油、みりんを合わせ一煮立ちさせた。そこに天ぷらを投入して、更に一煮立ち。仕上げに卵を投入して蓋をし――。
「そろそろいいか」
 火を止めて蓋を開ければ、とろりと程よい半熟卵の天ぷら煮が仕上がっている。
 炊きたてのご飯を丼に盛り、その上に慎重に天ぷら煮を乗せ、刻んだ三つ葉を散らす。三つ葉の香りを引き立てるようにと、丼にそっと蓋を閉めたところに。
『旨そうなもん作ってんじゃねえか』
 やってきたのはコショウ怪人。
「天ぷら煮丼、できたてだよ、食べる?」
 敢えて温和な笑顔で誘えば、怪人は勧められた席へと素直に着いた。
 丼の蓋を開ければ、立ち上る三つ葉と出汁の香り。もうたまらん、というように、怪人はがつがつと天ぷら煮丼を頬張り出す。
『ふむ、アッサリして食べやすいし、ひとつひとつの山菜の風味がしっかり残っているな』
「まあね、丁寧に天ぷらにしたから」
 応えながら恭介は、怪人の目に入らない位置でそっとサムライブレイドに手をかけた。
『これ、コショウかけても旨いんじゃないか?』
「ああ、かもな。好きに食べてくれよ」
 コショウ怪人は頭のキャップをとり、前屈みになって丼にコショウを振ろうとする。首筋が無防備に恭介の前にさらされ――。
 シャッ。
 サムライブレイドの刃が、一陣の風のように怪人の首を一刀両断した。
 声もなく。
 血飛沫もなく。
 ただ、もうもうとコショウが辺りに立ちこめ、恭介はひとつ大きなくしゃみをした。

大成功 🔵​🔵​🔵​

神楽・鈴音
山菜料理なら私の出番ね
いつも、野草とか食べてるし……
伊達に貧乏生活してないってことを見せてあげるわ!(ぇ

作るのは酢の物
カタクリ、赤みず、青みずを使用
彩りが映え、サクサクして食べやすく癖もないよう仕上げるわ
カタクリは食べ過ぎるとお腹が緩くなるから、怪人がお腹壊す効果も期待

怪人が食らい付いたら背後から金縛りの【呪詛】を乗せた七星七縛符で攻撃
動きを封じたところで【力溜め】の賽銭箱ハンマーによる各個撃破
「胡椒怪人の頭とか、別の世界だと高く売れそうね!首置いてけぇぇっ!
「マヨネーズに用はないのよ!ペチャンコにして、絞り出してあげるわ!
「醤油?残念だけど、異世界で色々な味を知ってから、私はソース派なのよ!



 神楽・鈴音(歩く賽銭箱ハンマー・f11259)はキリリと巫女服に襷をかけ、気合い充分な様子でオープンキッチンへと登場した。
「山菜料理なら私の出番ね!」
 山菜料理は得意らしい。というのも。
「いつも、野草とか食べてるし……伊達に貧乏生活してないってことを見せてあげるわ!」
 なるほど、普段からお金大好きな彼女らしい食生活をしているようだ。
 そんな鈴音が作るのは酢の物。用意したのは、カタクリ、赤みず、青みずである。
 それぞれの山菜を丁寧に下ごしらえして、歯ごたえを残すようにゆであげる。あく抜きも兼ねてしっかり氷水にさらし、ガラスの器に盛り合わせ、三杯酢をかければできあがり!
 透明感のある彩りが綺麗で、いかにも初夏らしい涼しげなメニューだが、
「カタクリは食べ過ぎるとお腹が緩くなるから、怪人がお腹壊す効果も期待できるのよ……ふふ、ふふふふ……」
 酢の物に秘められた能力に含み笑いをしていると、
『おっ、酢の物か、旨そうだな』
『山仕事の疲労回復によさそうだ』
『ねーちゃん、もらってもいいかい?』
 怪人が3体揃ってやってきた。
 3体……! と一瞬鈴音は怯みそうになったが、
「どうぞどうぞ。今3人前用意しますね」
 にこやかに席を進め、手早く酢の物を3体の前に並べる。
『いただくぜ。おっ、サクサクだ』
『くーっ、酢の効き具合もいいねえー』
『おい、ねーちゃん、ビールはないのか?』
 小料理屋気分で料理を食べ始めた怪人たちの背後に、鈴音はそっと回る。
 そして、バッ、と護符を撒いてユーベルコードを発動した。
「七星七縛符!」
 しまった、と怪人たちは振り向いたが、その時にはすでに力を封じられており、
「でえいっ! 胡椒怪人の頭とか、別の世界だと高く売れそうね! 首置いてけぇぇっ!」
 賽銭箱ハンマーが怪人たちの頭に容赦なく振り下ろされていく。
「マヨネーズに用はないのよ!ペチャンコにして、絞り出してあげるわ!」
【力溜め】の威力をもまとったハンマーは、ジャラジャラと小銭の音を立てながら次々と怪人の頭を粉砕していく。こうしている間にもユーベルコードが寿命を削っていくのだから、躊躇っている暇はない。
「醤油? 残念だけど、異世界で色々な味を知ってから、私はソース派なのよーーッ!」
 鈴音が3度ハンマーを振るったオープンキッチンには、もう敵の姿はない――お腹を壊す暇もなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ケイ・エルビス
【料理】
オープンキッチンを使ってお料理タイムだ
オレからはシンプルにこれだけ!

コツを料理上手なヤーリさんに聞いて
練習してきたぜ

ふきのとうを定番の天ぷらに

行者にんにくを炒め物に

味付けはシンプルに人気銘柄の醤油と塩

炊き立ての白飯もお茶碗についでお出しするぜ


美味しそうな山菜料理を猟兵仲間たちで
それぞれ◆早業で作って
◆おびき寄せて食べさせて
◆時間稼ぎしてる間にやっつけようぜ!



【戦闘】
特殊ルールに注意
山菜を採り尽くされないうちに敵を撃破

食事中に攻撃無効が解除される所を
アサルトライフルでUC

◆先制攻撃
◆誘導弾
◆スナイパー
して戦うぜ


ピンチな仲間には
◆援護射撃
◆かばう
言動で◆鼓舞

攻撃には
◆見切り
◆野性の勘



「この勝負のために練習してきたぜ!」
 張り切っているケイ・エルビス(ミッドナイト・ラン・f06706)が、オープンキッチンで作り始めたのは、ふきのとうの天ぷらと、行者ニンニクの炒め物だ。王道の定番メニューである。
 まずはふきのとうの下ごしらえだ。ひとつひとつ丁寧に葉を開いて汚れを取り、片栗粉を薄くまぶしていく。油を温めている間に衣を作る。
 行者ニンニクの方はよく水洗いして、根元の堅い皮を剥がすだけだ。
 そうしている間に油がいい具合に温まったので、衣をつけたふきのとうを、花を下にしてそっと油に放していく。花を下にして揚げた方が、苦みが抑えられるのだ。
 シュワッ、という小気味よい揚げ音に引かれたのか、山菜小屋の方から食卓の共怪人トリオがやってきた。何やら首を傾げている。
『おい、お前、俺たちの仲間を知らないか?』
『小屋まで山菜を置きに下りた仲間たちが、山に全然戻ってこないのだ』
『山で作業しているのが俺たちだけになってしまい、このままでは山菜を狩り尽くせない』
 先に料理をした猟兵たちが次々と倒したからに他ならないのだが、もちろんそれは口にはしない。
おそらく、山にはもう敵が残っていないのだろう……と、いうことは怪人たちの口ぶりからわかる。
「ふうん、どうしたんだろうなあ?」
 コイツらを倒せば終わりだ、と上がるテンションを抑えつつ、ケイはしらばっくれて首を傾げた。こっそり【早業】で料理のスピードを上げる。
「とりあえず俺の料理を食べながら、待ってみたらどうだい? 揚げたてだぜ」
 揚げたての天ぷらに釣られぬものがいようか。怪人トリオも山や小屋の方を気にはしているが、それでもテーブルについた。
『ほう、サクサクだ』
『お前なかなかやるな』
「行者ニンニクの炒め物も作るから、ちょっと待っててくれよな」
 ケイは料理は手早く、しかし【時間稼ぎ】をしつつ、そっと周囲を見回した。既に一勝負終えた猟兵たちが、キッチンの周囲に潜み怪人の逃亡に備えてくれている様子が見えた。
 だが、この3体はケイひとりで充分倒せるであろう。何故ならヤツらは天ぷらを夢中で貪っているし、加えて、
「お待ちどう!」
 ケイは、人気銘柄の醤油と塩で味付けした行者ニンニクの炒め物を怪人たちの前に出した。白ご飯もつけるというサービスっぷりである。
『おお、これも旨そうだ』
『食欲を誘う香りだな』
「ゆっくり食べてくれ」
 怪人トリオが炒め物に没頭しはじめたのを確かめると、ケイは調理器具を片付けるふりをしてキッチンへと戻った。そしてカウンターの陰に隠れてアサルトライフルを取り出し、ユーベルコード【ナッツ・シュート】を発動する。
 キッチンカウンターをスタンド代わりに銃を安定させると、
「………そこだ」
 チュイン、チュイン、チュイン。
 5秒間の凍り付くような集中の間に発射された弾道は、過たず3体の頭を撃ち抜いた。
 バシュッ。
 ニュルッ。
 ブハッ。
 3種類の調味料が飛び散ったが――それもじきに消えた。


 その後、猟兵たちは念のため山を探索したが、新たに食卓の友同盟怪人たちの姿が発見されることはなかった。山のそこかしこが荒らされてはいたが、採り尽くされるところまではいっておらず、作戦は成功したと言えよう。
 安堵して小屋に降りると、そこにはまだ怪人たちが採取した各種山菜がたくさん残っており――猟兵たちが土産として持ち帰ったことは、言うまでもあるまい。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年05月10日


挿絵イラスト