0
⏰バトルオブフラワーズ③〜進撃の赤!

#キマイラフューチャー #戦争 #バトルオブフラワーズ

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#キマイラフューチャー
🔒
#戦争
🔒
#バトルオブフラワーズ


0




●塔に迫る影
 メンテナンスのために2つに割れた世界、キマイラフューチャー。その一角、『ザ・ビルドステージ』に巨大な塔が建っていた。
 そこに迫る影。赤い布を纏い、腰にもその布を纏う筋骨たくましい男たち。褌から輝く光が塔を包み込み――。

●予知はしたくなかった
「……戦場の予知をした。」
 疲れた顔をしたナイツ・ディン(竜呼びの針・f00509)が周りを見渡す。
「『ザ・ビルドステージ』、そこに多数のオブリビオンが襲撃してくる。姿はその……褌姿のマッチョだ。――二度は言わない。ソイツらを殲滅して欲しい。」
 ソレ以上ツッコミを入れるなよ、という顔をする。そしてそのまま説明を続けていく。

 ナイツの説明によると、『タワーダイセンリャク』というルールが課せられているそうだ。曰く、『防衛戦』。『防衛施設』を組み立てて、敵を迎え撃っていくことになる。
「『防衛施設』は戦場に散らばっている様々な兵器の残骸から組み立てていくことになる。まあ、設備としては物理弾とか、鋼鉄装甲とかその程度が限度だろう。今のUDCアースよりちょっとだけ古い、『第二次セカイタイセン』だったか?それより前のレベルだそうだ。」
 俺はそこまで詳しくないがな、とため息をつくナイツ。ただ、何故かしらその防衛施設を利用した戦い方のほうが大ダメージを与えることが出来るそうだ。また、移動施設は防御力が著しく落ちるらしく、運用が難しいため出来れば『移動不可』の固定施設が望ましいんだとか。
「仕掛ける場所は任せる。リゾートエリアがモチーフにされているようで、見晴らしが良い。あと少し離れた所に湖があり、そこそこ大きい川も町中に流れている。オブリビオンは水を渡ってくることもないようだからそんな地形を有効活用するといいかもしれないな。」

「それで、重要な敵の情報だが……説明したくないんだが……仕事だ、一応しておこう。」
 げんなりした顔で話を続ける。
「姿は最初に言ったとおりだ。能力は褌投げ、脱力カウンター、蘇生洗脳。どれも面倒な能力だ。」
 褌投げは、その名の通り褌――多分スペアのを投げつけてくる行動だ。宣告する行動は主に『服を脱がせる』や『下着』に関するあれこれらしい。
 脱力カウンターは攻撃を吸収して、そのエネルギーが褌から迸るレーザーとなって襲いかかってくるとか。見た目からしてヤバイが脱力できてなければ無防備に攻撃をくらうそうで。
 そして蘇生洗脳。コレがナイツ的に一番やばいらしい。
「オブリビオンをしっかり倒しておかないと他の奴等が蘇生してくるんだ。多少は弱体化しているが、ゾンビ戦法みたくキリがない状態になるからな。しっかりと止めを刺しておくべきだ。それと万が一こちらがヤラれた場合……同じように褌を履かされて、奴等の同士となる。コレを使ったやつを倒したり、1日立てば元に戻るが……心に傷を負いたくなければヤラれずに色々と守り切ることだ。」
 ブルッと震えるナイツ。想像してしまったのだろうか。
「こんな戦場に送ってしまうことを申し訳なく思う。一緒に戦えないことも……少しは。だが、予知してしまった以上は対策をとっておきたい。よろしく、頼む。」
 真剣な顔をして、手のグリモアを回す。心の準備が出来たものから転送を始めていく――。


竜夢
 竜夢です。どうぞよしなに。
 戦争シナリオ③です。特殊な勝利条件や敗北条件はありませんが、オープニングにある通り、『防衛施設』がキモとなります。
 敵は褌マッチョ。見た目行動ネタっぽいですが性能はなかなかに厄介です。カウンターされないタイミングを見切るために、また蘇生行動をどう止めるか、防衛施設に備えた兵器が重要になるでしょう。プレイングには、ぜひ仕込んだ兵器とその役割を簡単に記載していただけたら。兵器は多くても3種ぐらいが良いかと思われます。……褌投げ?……心情関係?

 トンデモモンスターに対して皆様のトンデモ(?)兵器、お待ちしております。
32




第1章 集団戦 『ふんどし過激派怪人』

POW   :    至高の履物とは
【ふんどし】が命中した対象にルールを宣告し、破ったらダメージを与える。簡単に守れるルールほど威力が高い。
SPD   :    赤褌とは強さの象徴なり
完全な脱力状態でユーベルコードを受けると、それを無効化して【赤褌】から排出する。失敗すると被害は2倍。
WIZ   :    ふんどしの魅力を知れ!
戦場で死亡あるいは気絶中の対象を【同志】に変えて操る。戦闘力は落ちる。24時間後解除される。

イラスト:くずもちルー

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ファータ・カンタータ
連携希望
ナイツさん疲れていましたね…大丈夫でしょうか
戦争初参加で不安ですが、なんとか頑張っていけたら
敵はちょっとその、個性が強いようで…直接戦闘は避けたいです(震えている

今回戦う場所はリゾート
湖なんかにある小島に防衛施設が組み立てられれば理想でしょうか
組み立て設置は技術がないのでどなたかにお任せ…パーツ調達くらいは出来たらいいのですが

私はUDCの兵器に対して疎いのですが、大砲みたいなのがあるのかな?
だとしたらその玉を魔力で改造して自分の歌を込めたもの発射したいです
放つのは【天上の謳声】の魔力と歌を込めた砲弾
敵の動き…蘇生洗脳を封じます
花火のようにどかんと歌声の範囲を広げられれば御の字ですね


セルマ・エンフィールド
……怪人というより、ただの変態では?

変態相手ですし遠慮せずにやりましょうか。といっても一から火砲を作れるほど構造には詳しくありませんし、比較的単純な構造の巻き上げ式の弩を作りましょう。

私のスナイパーとしての技量および視力、弩の威力に【千里眼射ち】の射程を活かし進軍中の脱力していないところを狙います。

万一返された場合でも十分な距離があれば届くまで時間はありますし、レーザーの軌道を見切り、デリンジャーの抜き撃ちで撃ち落とします。

……万一にも気絶するわけにはいきませんからね。打てる手は打ち、確実に殲滅しましょう。


ミスター・ツキオカ
防衛戦でスカ。
良いでスネ。
守れば、争いは生まレナイ。
鉄壁ならば、中はトテモ安全。
子どもたチモ、笑顔でスクスク育ちマス。
ウフフ、ワタシも少し、楽しミマしょう。

防衛戦の要の一つ。
デコイとワタシは思いマス。
ワタシの生み出すホログラム、道に見える壁や壁に見えて道を塞ぐナド、迷路を築きまショウ。
奇術師とシテの視線誘導や意識誘導のロジック、ふんだんに使って、天狗のミナさんを奇術の世界にご招待、デスね。

ウフフ、ウフフ。
楽しいデスか?
おっとっと、施設にお触りは厳禁ですヨ?
悪い子には、お仕置き。
エレクトロレギオン、超電力でビリビリでスネ。

◼️アドリブ共闘歓迎です。


聖護院・カプラ
ふんどし過激派怪人の、ふんどしを履かせる事で強制的な改宗を為そうという行い、改めさせねばなりません。
タワーディフェンスという事ですが、以前コロニーに侵入してきた宇宙野盗を撃退する際に培った知識があります。お任せあれ。

防衛施設の建築場所ですが、オブリビオンが渡る事のできない川を背にする事で川側の装甲材を節約して施設自体の耐久力を高めましょう。
施設内は地雷やワイヤートラップを多用した作りで、装甲材を多用した壁面は壁抜きをし難く作ります。

疲弊した彼らを『功徳』にて改めさせるつもりです。
厄介なのは洗脳蘇生ですが――それとて1度は足を止めねばならない筈。
動きを止めた所を一網打尽に徳をぶつけましょう。



●不穏なる楽園の地
 晴れ渡る空。流れる川の音が涼やかで、まさにリゾートといった風景に降り立つ猟兵達。今はまだ平穏そのものだが異様なほど静かだ。自然生物が居ないのが、作り物感を嫌でも感じてしまう。まさにここは戦場なのだ。
「……グリモア猟兵さん、とても疲れてましたね。大丈夫なんでしょうか。」
 ふわふわと空中に浮かぶファータ・カンタータ(遥か彼方の花びら・f02060)。戦争初参加だという彼女は緊張しつつも同じ猟兵たちを気遣うようだ。その横でスコープを覗き、周囲を伺っているセルマ・エンフィールド(終わらぬ冬・f06556)。
「敵がただの変態ですからね。……今の所は、居ないようですが。」
 未だスコープを覗き警戒を続けるセルマ。彼女も少し緊張しているようだ。獲物が視えないことに多少安堵しつつも時間に余裕があるわけではないだろう、と冷静な判断を脳内で下す。
「早速デスが準備を始めマショウ。サテサテ、まずは場所の選定デスネ、安全安心ならバ笑顔で子どもたチモ育ちマス。」
 怪しいカタコトで話すミスター・ツキオカ(嬉しい楽しい怪しい奇術師・f12632)が提案する。そして横から後光が。
「ふんどし過激派怪人の、ふんどしを履かせる事で強制的な改宗を為そうという行い、改めさせねばなりません。」
 静かに、厳かな声音で話す聖護院・カプラ(旧式のウォーマシン・f00436)。存在感という後光が眩しい。思わずセルマが目を細める。スコープ越しに敵を見るには少し邪魔だ、と言いたげな表情である。しかしカプラはマイペースにそのまま続ける。
「以前コロニーに侵入してきた宇宙野盗を撃退する際に培った知識があります。タワーディフェンスはお任せあれ。――そうですね、建築場所は川を背にしましょう。敵が侵入できないということはそこは防備を薄くすることが出来ます。建材も節約でき、必要な部分の強化が出来ます。」
「あ、そうね。あとは湖の小島、あそこなら責められにくいですし、援護射撃とかはそちらからでも良いのではないでしょうか。パーツぐらいなら私が飛んで運びますよ。……長くは飛べませんし、組み立ては出来ませんが。」
 ファータが少し申し訳なさそうに言うが、セルマが軽く頷いて了解の意を示した。

●湖畔に立つ城
 小さな体で懸命に運ぶファータ。木材、ワイヤー、鉄くずを拾い集めては孤島にそびえ立つ櫓へ移動する。大きさそのものは大したことが無いが、高さは十分に確保できた。まあ、妖精と人間の少女の組み合わせなので広さは重要ではないのだが。
「っと、これで大丈夫ですか?」
 ファータがセルマを見上げるように尋ねる。
「ええ、十分ですよ。橋のある四方と、向こうの二人がいる拠点に複数台。作る分にはこれで足りるはず。では、作っていきましょうか。」
 セルマが教えながら弩を作り始める。巻き上げ式の固定砲。力が強いわけでもない少女二人でも十分に火力を出せる武器である。そして、込める弾にも細工を施す。ファータが一つの素材をつまみ上げる。
「……グレネードですね。故障品のようですが……これを飛ばすのですか?」
 セルマが不思議そうに尋ねる。
「いえ、これって爆発するんですよね?なら魔力を乗せてみようかなって。」

●背水の砦
 一方その頃、ツキオカとカプラの拠点は砦のようになっていた。
「防衛戦の要、デコイとワタシは思いマス。そして、丁度ヨク目立つ存在がありマスね。」
 何も映らないモニターをカプラに向ける。
「救世の為、守る為であるなら私は囮にもなりましょう。」
 慈母のような存在感を放ちつつカプラは言う。しかし黙って殴られる気はさらさらない。ワイヤートラップ、地雷、細々とした罠を拠点内に仕込みつつ、壁の強化も図る。裏側はただのハリボテ、一夜城ではあるが正面はガチガチに固めている。更に。
「愉快二素敵二、奇術師の迷路ヲ作りまショウ。一夜限リの特別仕様、天狗のミナさんを奇術の世界にご招待、デスネ。」
 ホログラム装置は流石に落ちている素材で作れなかったが、鏡やベニア板で道を通り抜けれないように見せかけたり、あえて乗り越えられるように坂を見せてみたり。視線誘導、意識誘導、それは奇術の基本にして奥義。踏み込めばそこはトラップのワンダーランド。そして配置していく機械兵器。殴れば一発で壊れるものの、ユーベルコードで作ったそれらは多少の足止めにはなるだろう。
「さて……来たみたいですね。」
 砦の上に立ち、外を見ていたカプラが言う。赤い旗印を掲げた一団がやってきた。

●襲来する赤
「うぉぉぉぉお!、我らが想いを解き放つときが来た!征くぞ!!!!」
 ふんどし過激派怪人の軍団、その戦闘を行く天狗鼻の隊長格のような男が威勢を上げてきた。そして進軍する。目指すは巨塔。大きくそびえ立つそれを褌で染め上げるために。
「私達はその方法を認めるわけには行きません。まずは私を倒してからゆくのです。」
 カプラが落ちているテレビに写り、宣戦布告をする。とはいえ、モノクロな上に声自体は拡声器を使っての放送なのだが。しかしテレビ越しでも存在感を放つ彼の存在に怪人が気づかないはずもなく。前を見れば同じような姿をしたホログラムが空に写っていた。傍らのツキオカの左手から作り出されたカプラの幻影。我らの敵はそこに有り、かくて戦争が始まる。
 姿はある種乱れているが、行軍は一糸乱れぬ統率取れた軍隊そのもの。宗教の団結力は果てしない。乗り越えた道をツキオカの機械兵器、エレクトロレギオンがバチリと放電して妨害。ジリジリと怪人たちを削っていく。さすがの赤褌でも、機械を同胞に変えることは出来なかったようだが、倒れた怪人に対しては手があるようで。
「ぐぬぬ、鬱陶しい。しかし、電撃で気絶した程度であればもう一度同胞に変えて行けばいい。彼らもそれが本望であろう!」
 一人の怪人が懐から赤褌を取り出し巻き付けていく。すると倒れていた天狗の面に隠れた瞳がキラリと輝き立ち上がる。フンッ、とポーズを決め褌を締め直す復活した怪人。やはり面倒な能力である。だが黙って猟兵たちがそれを許すわけがない。魔力を込めた手榴弾が空から降り注ぐ。
「――溢れろ 零れろ 花たちよ 息も出来ぬほどに 彼等を満たしておくれ。」
 遠くで少女が歌う。それに応じて落ちてきた手榴弾が炸裂し、魔力を放つ。爆発――閃光と音、そして破片が飛び散る。ただの手榴弾であれば、怪人にとって致命傷にはならなきだろう。しかしここは『タワーダイセンリャク』、そして打ち込んできたのは猟兵。ただの爆弾であるわけがない。飛び散った破片は音と混じり合い花びらとなり、それが積もりに積もり怪人たちを縛り付ける。取り出した褌が花に紛れ、気絶した怪人も花に紛れ行方が知れずに。
「面妖な術を使いおって……!」
 起き上がり、手榴弾が飛んできたほうを見る怪人。その面に鉄矢が突き刺さる。距離にして千里――には及ばないが、さすがの怪人も迷路から褌が届く距離ではない。
「精度は十分ですね。これなら十分にやっていけるでしょう。」
 セルマが隣の弩――大きさ的にはバリスタ、で次の矢を放つ。そして巻き上げはファータが随時行っている。飛ばしているのは矢以外にもかき集めた槍、弾、そして火炎瓶。湖畔への道へも注意しつつ、進行してくる敵を撃ち抜いていく。
「ぐぅ、我らの邪魔をする不届き者め!赤褌の強さを見せつけてやれ!」
 そして瞑想し、自然体になる怪人たちが現れ始める。完全な脱力になっていないものも多いが、時折完璧なカウンターを仕掛けてくる怪人もいるようで、その赤い布の中から放たれる白い稲妻が少女たちを襲う。
「セ、セルマさん、来ますよ!」
「そこっ!」
 ファータの声に素早く反応し、高い弾道予測能力と抜き撃ち能力で光線に射撃を行う。正確無比に撃ち抜き、弾道をそらして対応していく。
 そうしているうちに、徐々に減っていく褌と怪人の数。地雷やワイヤーで負傷し倒れた同胞に対し、時折足を止め蘇生活動をしようとする怪人。しかし彼らは尽く強烈な存在感を感じ取り、巨大な徳を得て倒れていく。自らの存在意義を徳で塗りつぶされ、自身の存在と魂を維持できなくなっているのだろう。
 じわじわと、赤褌軍団は追い詰められていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

高柳・源三郎
「わしは褌愛用者じゃが強要はせん、そんな事するから奇異の目で見られるんじゃ。」自分の作った拠点の上で【銘酒・狸酔】を浴びる程飲むと白褌一丁で裸踊りを始めた(これで囮になるじゃろう)。ふんどし過激派怪人は「白褌は邪道だ!!」とばかりに源三郎に集まる。源三郎が踊ると拠点からマシンガンが放たれる。足元にスイッチが有るのだった。ふんどし怪人の数を減らすが酔いが回り意識が飛ぶ源三郎。「白褌など脱ぎ捨てて我らの同胞となれ」源三郎に洗脳赤褌が放たれるが相手のユーベルコードを無効化する【源三郎式酔い覚まし】が発動する。失敗すると源三郎はふんどし過激派怪人の同胞になってしまう。源三郎はどうなってしまうのか?



●紅白褌合戦
 高柳・源三郎(流浪の酔いどれおやじ、たぬき人形と共に・f15710)は褌愛好家である。しかしそこに色の貴賤を持たなかった。つまり、本日は白褌である。褌を強要するから奇異の目で見られるんじゃ、とは本人の弁であるが、今の光景を見せつけられたら彼にも同じような生ぬるい視線が飛ぶであろう。
「ほーれ、ちゃんちゃんっうぇっふぃっふぃぃ……。」
 腰に下げたひょうたんには『銘酒・狸酔』。狸すら酔わせるというその酒は、本人曰く無尽蔵に出てくるたぬき印の魔法のひょうたんなんだとか。実際浴びるほど酒が出てくるわけだが一体どうなっているのやら。そして当然酔ってくるわけで。
「きつねもたぬきもおどりだす~♪ほーれ、ちゃんちゃんちゃん……」
 防衛拠点――というよりは石舞台であるのだが、そこで踊れば開けた着物、ずり落ちる袴。見せびらかすは眩い白の褌。
「――ッ、貴様ッ、白褌部隊の回し者かッ!」
 そんな部隊があるのかどうか、そんなことは源三郎にとってどうでもいい。狂うように踊り、狂うように集まる天狗鼻の怪人たち。軽快な脚さばきで部隊を踊れば仕掛けがぽんっと火を吹いて。
「そーれ、踊らにゃ損損、騒がにゃ損損~。」
 踊る舞台、そもそもこれは防衛拠点。足元のスイッチを踏み鳴らし、仕掛けた火砲が火を吹いて。派手な音、脚がもつれて踊れなかった天狗は戦いの舞台から消え失せる。それでも近づける怪人はいるもので。
「貴様も、赤褌の素晴らしさを思い知るといい!」
 放たれる真紅の布、彼らの攻撃を受け流しつつ、足元のスイッチをぽちり、ドンッっと横方向に花火が上がる。
「たーまやー……あぁ……?」
 派手に飲んで、派手に動けば酔いも回る、目も回る。そのままくるくる踊ってばたんきゅー。
「……止まったか、しかし、これほどの逸材、我らが同胞にしてしまえば世界を赤褌で染め上げる計画も近づくのでは……!」
 集まった赤褌天狗達が意を決し、自らの赤褌に手を添えて念ずる。――白褌など脱ぎ捨てて我らの同胞となれ。この素晴らしい赤褌に祝福を!
 輝く赤褌。絶体絶命の源三郎。一体どうなってしまうのか――!

 頭に鳴り響く天狗たちの声、そして体に纏う、強い酒の匂い。それらが源三郎の体で化学反応を起こし――
 ――吐いた。ものの見事に、盛大に。虹を放出した。そしてこれが彼の秘技、『源三郎式酔覚まし』。完全な脱力状態で繰り出される、アルコール排出行為、そして敵能力の封印。そこからの源三郎の動きは早かった。
「それだから駄目なのじゃ。貴殿達には、礼節が足らぬ。」
 冷たい声を発し、舞台のスイッチを『横』に動かし、次の仕掛けを作動させる。鉄糸が舞い、怪人たちの股間を跳ねる。そして糸を伝って滑っていく狸の人形――。
 盛大な花火が打ち上がった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年05月07日


挿絵イラスト