バトルオブフラワーズ⑤〜どこかで見たアレを駆け抜けろ
「ナノー」
空に浮かぶそれは鳴く。キマイラフューチャーの街中を舞台にしたアスレチックなコースの様な場所に配置されたソレが時々存在感をアピールするように鳴き声を上げ。コースのところどころにはテレビウムっぽい何かが隠れているのが時々窺い知れる。
「ええと、キマイラフューチャーの世界に危機が迫ってるのはもうご存知ですよね?」
キマイラフューチャーの中枢「システム・フラワーズ」をオブリビオン・フォーミュラ「ドン・フリーダム」が占拠してしまったのだ。奪還に動こうにも「システム・フラワーズ」にたどり着くには、周囲を守る六つの「ザ・ステージ」すべてをオブビリオンから取り戻さないといけないのだとか。
「皆さんに挑んでいただくのは、そんなステージの一つ、『ザ・ゲームステージ』です」
このステージには特殊なルールが存在し、猟兵たちはゲームの世界の中に入り込み、ゲームのクリアを目指さなければならない。
「逆に言うと、ゲームをクリアしてしまえばそのステージは取り返せるわけです」
もちろんオブビリオンとて手をこまねいてみて居る筈がない。クリア直前となればワラワラと数にモノを言わせたオブビリオンたちが邪魔をしようと現れる。
「その妨害を撃破すればいいだけなのですけどね」
どうあしらうかは挑むゲームの種類にある程度影響するのかもしれない。
「皆さんに挑んでいただくのは、キマイラフューチャーの街並みをイメージしたアスレチックなコースを駆けまわり、散りばめられたキャラクターと隠されたキャラクターを集めつつなるべく早くゴールに到達していただくアクションゲームです」
クリアの条件はキャラクターの獲得によって得られる得点とゴールに到達するまでの所要時間から得られるボーナスを合わせた総合得点でデフォルトで設定された得点を上回り、得点ランキングに誰か一人でもランクインすることとなっている。コースのところどころにある奈落は、ハマってしまうと這い上がるのに大幅なタイムロスとなってしまうので注意していきたい。
「このゲームの構造上、オブビリオンが妨害してくるとしたら、キャラクターの獲得阻止か、奈落に突き落としてのタイムロス狙いだと思います」
挑む猟兵が多ければ、いくら数が居るとは言ってもオブビリオン達も猟兵一人当たりの妨害に割ける数が少なくなって妨害が弱体化するであろうし、最初に挑む猟兵なら妨害に来るオブビリオンを多めに引き付けることで後続の補助をすることも可能だ。
「ペアとかチームで同時に参加して、誰がどの猟兵へ妨害に行くかでオブビリオン達を混乱させるのもありですね」
どんな作戦を立てて挑むかは猟兵達次第。
「では皆さん、よろしくお願いしますね」
最後にそう言ってフェリクス・フォルクエイン(人間のパラディン・f00171)は君たちに頭を下げたのだった。
聖山 葵
いよいよGWじゃなかった戦争ですね。
と言う訳で、今回は妨害にめげずゲームをクリアしていただくお話の様です。
キャラを集めての得点重視で行くか、速さを重視するか。
尚、ゲームの世界ということで翼のある猟兵さんも空を飛んで地形を無視することは出来ない仕様となっております。奈落はジャンプで越えませう。
では、ご参加お待ちしておりますね。
第1章 集団戦
『お祝い事トリオ』
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POW : モチ怪人・ウェポン
【モチ兵器】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD : スシ怪人・ジェノサイド
【スシ攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ : ケーキ怪人・リフレクション
対象のユーベルコードに対し【ケーキ】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
イラスト:まめのきなこ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
摩訶鉢特摩・蓮華
う~ん、今って戦争中で世界の危機のはずだよね。なのにゲームで勝負って…全然、緊張感ないんだけど…さすがキマイラフューチャーというべきかな。
そういっても負けるわけにはいかないから、蓮華も精一杯がんばるよ!
エントリーナンバー1番、蓮華登場!
他の人たちの援護をするために、なるべくたくさんのオブリンたちを蓮華のほうに引きつけるようにするよ!
その為に探知系に特化した火の蝶の“風月”を飛ばして、オブリンたちの位置を把握するよ!
あとは走り回って、他の人たちの邪魔にならない場所へオブリンたちを引きつけるね!
奈落も怪力持ちの蓮華なら走り幅跳びの要領で軽く飛び越せる!よね?
セシリア・サヴェージ
ゲームの中に入るとはキマイラフューチャーらしいですね。もちろん、ゲームだからと言って手は抜きません。
あまりスピードには自信がないので得点重視で。【第六感】で隠されたキャラクターを探りつつゴールを目指します。
ですが、味方のうちの一人がランクインすればクリアとなるならば、味方のアシストのためにオブリビオンの妨害を一手に引き受け【時間稼ぎ】する方が私向きですね。
【存在感】を発揮してオブリビオンを引き寄せ【捨て身の一撃】【吹き飛ばし】で諸共奈落に落とします。
騎士の務めと割り切り、ランクインの可能性がある方に賭けます。みなさん頑張ってください。
「う~ん、今って戦争中で世界の危機のはずだよね」
首を傾げた摩訶鉢特摩・蓮華(紅蓮眼・f09007)は、なのにゲームで勝負ってと言葉を続け、唸る。軽快な音楽に歌声がのって周囲に響いていた。おそらく、このゲームのBGMなのだろう。
「ゲームの中に入るとはキマイラフューチャーらしいですね」
「ナノー」
よくも悪くもそれがこの世界と言うことなのだろう。蓮華同様にゲームの世界に降り立ったセシリア・サヴェージ(狂飆の暗黒騎士・f11836)の視界の中で自己主張をするのは、宙に浮かぶ白いキャラクター。頭上に浮かぶ四角い枠の中、ストップウオッチの隣に表示された数字が動いていないのは、猟兵たち各々の好きなタイミングでゲームを始められるということなのか。
「ナノー」
そして、また白いキャラが鳴いた。
「……全然、緊張感ないんだけど……さすがキマイラフューチャーというべきかな」
呆れているのか感心しているのか、いずれにしても負けるわけにはいかなくて、精一杯がんばるよと意思表明すれば、これにセシリアも同意する。
「ゲームだからと言って手は抜けません」
複数あるステージの一つに過ぎなくとも、勝敗は他のステージにも影響を及ぼすのだから。
「エントリーナンバー1番、蓮華登場!」
オブビリオン達の注目を集めるべく、宣言してから蓮華は走り出す。
「何だスシ?」
「大変もちぃ、猟兵もちぃ!」
挑戦者の登場で密かに様子をうかがっていた怪人たちが密かに色めき立つが、それも織り込み済みなのか。
「おいでませ、覗き屋さん!」
小声で探知系に特化した火の蝶の風月を密かに召喚するとオブビリオン達の居場所を探るべく解き放ち。
「待つケーキ、もう一人挑戦者ケーキよ!」
自分達の事を探られているなどとはつゆほども思っていないホールケーキ頭の怪人がセシリアの方を指し示す。
「こんな狭い場所に隠れているのですね」
第六感を頼りにテレビウムっぽいキャラクターをセシリアが獲得するとけたたましくチャイムが鳴り響く。
「成程」
隠しキャラを獲得するとそういう音が鳴る仕組みなのだろう。これは、いやがおうにも目立つ。
「元より得点重視のつもりでしたが、そういうことでしたら――」
味方へのアシストの為妨害を一手に引き付けるほうが向いていると考えただったセシリアにとってはむしろ都合の良いギミックであった。
「ちょっ、おま」
「あいつを止めるスシ!」
喧しいほどに連なってなるチャイム。存在感と相まって怪人たちはもうセシリアを放置できず。
「蓮華も負けないよ!」
他者を巻き込まないように駆けまわっていた蓮華も放っていた風月から怪人たちの反応を知ると、足場と足場の間をくぐりながらテレビウムっぽいキャラをゲットする。
「っ、あっちにも人を送るもちぃ!」
まさに二人が狙った通りであった。
「「それ以上の攻略はさせない」」
わらわらと現れた怪人達は二人の猟兵に殺到し。
「これも騎士の務め……お前に未来など必要ない。招かれざる者よ、闇に抱かれ骸の海に還るがいい」
「「ぎゃあああっ」」
群がる怪人達をセシリアが暗黒の炎を付与された剣で薙ぎ払い奈落に叩き落とす。
「おのれ、よくも仲間をスシっ」
だが、その一撃でおびき出した怪人のすべてを蹴散らせはせず。
「先には進ませないもちぃ」
「ここでしばらく休んでてもらうスシ」
残った怪人たちがまとわりつこうとするも、セシリアは構わなかった。
「みなさん頑張ってください」
「なっ、お前、まさ」
ようやく気付いた怪人が焦り始めた時にはもう遅い。自ら奈落に身を投げるように地を蹴ったセシリアへと怪人達は飛びつこうとしていたのだから。そこから一撃を見舞われたとしても誤差の範囲内だ。セシリアの捨て身の攻撃は大量の怪人を巻き込み。
「ふぅ、危ないところだったよ」
セシリア同様に怪人にまとわりつかれながらも崖を掴んだ蓮華は怪人をぶら下げたまま奈落の縁から這い上がる。
「これだけしがみついて奈落に落とせないとは無ね、ぎゃんっ」
「結構引き付けたけど、その分時間は取られたし……ランキング入りは無理だよね、たぶん」
くっついたままの怪人をもぎ取って奈落に捨てつつ呟くと、蓮華もまた他の猟兵に望みを託すのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ユキ・コシイ
【見てみて!なんかボクらみたいな感じのキャラだねナノ山さん!】
『ほんとだねテレ彦くん、一人残さずきっちり回収してきたいね!』
と、言うわけで…わたしたちは得点重視でいきましょう
このゲームで重要なのは地形の把握とキャラが隠れていそうな場所の見極め
いかにもって感じの場所だけじゃなくて…崖際とかにも隠れていたりするの
そこでわたしは【グッドナイス・プレイヴァー】そして【パフォーマンスドローン】
これら飛ばし、カメラと通信することで…上空から地形の把握や怪人の動きの把握に努め、効率的に動く
アームドフォートやスタンドマイクで殴ったりして排除したり
時にはジャンプで踏んづけたりして…上手く進みましょう
華上・ユーディ
【冥土猟兵団】参加
アドリブ&連携大歓迎
☆WiZ選択
故郷が2つに割れましたよ…
とにかく元に戻す為……頑張ります!?
方針:冥土猟兵団は最初に挑み妨害してくるオブビリヨンを惹き付けます。(早さ重視)
後続の猟兵さんが、高得点を取れる様に補佐します。
⬛私は、ナオさんと一緒に
最初のスタートダッシュを決めて。敵を引き付けように先方を走ります。某有名ゲームのB⚫コマンドみたいに【ダッシュ】をし敵を多くひきつけ格闘で【なぎ払い】で小型怪人を掃討します。
数が数だけに…
皆が疲弊してきたら即座にUC【ヒーリングウーェブ】で回復役を担いまする。
イヴ・ハルゼンヌ
【冥土猟兵団】に参加
アドリブ&連携OKだぞ。
***********
SPD重視
キマイラフューチャーが
割れたぞ!?
あの世界らしいのか
突っ込みは無しだぜ。
◎オレはビィくんと一緒に
素早さ重視で敵を引き付けるぞ。/ビィ君に前持ってド派手に光る 照明弾を作成して貰い。完成したら拳銃に何発装填し【誘導弾】で連発。
「逃げるが勝ち!」とばかりに
【逃げ足】でとんずら((;-ω-)ノ)前衛のユーディねえちゃんの所まで敵を誘導し敵を迎え打つぜ。
後衛に引いた後は弓を早業で
つがえ。UC【千里眼射ち】の
射撃で【範囲攻撃】にて矢の霰を敵に当てるぞ。
ビィ・クンダ
【冥土猟兵団】所属
ゲームギャワ♪
遊べるギャワ~ン。
(小躍りする)
走るギャワ【SPD選択】
ボクは、ミンナノサポートするギャワ~ン。
良く分からないけど…
イヴが照明だ弾が欲しいと言うから【武器改造】で弾を作るギャワ♪色々な色に変わる綺麗な光を出すギャワよ。
走るのは得意だけど
体力が続かないから。
UC【ガジェットショータイム】で走りやすいエンジンを作るギャワ。
有馬・ナオ
【冥土猟兵団】参加
アドリブ&連携OKでしゅ。
キマイラフューチャーが割れたでしゅ(涙)
早く元に戻す為でゲームをクリアするでしゅよ。私は得意ではないので……さくらしゃんに任せましゅ。(どや顔で向かう宿主)
--------
⬛powでクリアするでしゅ。
今回の戦闘はゲームでしゅ。
さくらさんがおひげを付けたコスプレしているのはスルーしましゅ。アスレチックなタイプなら体力勝負でガンガン進むでしゅ。私達の目的は敵を引き付ける事なので【ダッシュ】で先に進みながら敵を集めましゅ。
さくらさん?ファイアボールないのか?何の話でしゅか!
敵が大人数で攻めてきたら
UC【バーストフレア】で
火の海にしましゅ。
【見てみて! なんかボクらみたいな感じのキャラだねナノ山さん!】
左手にユキ・コシイ(失われた時代の歌い手・f00919)のはめたテレビウムを思わせる腹話術人形がマイクでコースの先を指示し。
『ほんとだねテレ彦くん、一人残さずきっちり回収してきたいね!』
呼応したのはクリオネ型生物「ナノナノ」を想起させる外見の腹話術人形だった。
「ナノー」
自身について言及されたと思ったのか、コース上の白いキャラクターがアピールするように鳴き。本体のユキがわたしたちは得点重視でいきましょうと結論を出す。
(「このゲームで重要なのは地形の把握とキャラが隠れていそうな場所の見極め」)
経験者なのだろうか。おそらく経験者なのだろう。コツとも言うべきところを推測しつつ向けた瞳に空と白いキャラクターが映り。
「また猟兵の挑戦者が現れたスシ?!」
「そうもちぃ、けど――」
新たなプレイヤーの登場はオブビリオン達にも察知されていた、ただ。
「「は?」」
怪人達はきっと泣いていいと思う。
「キマイラフューチャーが割れてるぞ!?」
ゲームの世界の外側、四角く切り取られた窓の様なモノ越しにキマイラフューチャーの半分を見て騒ぐ、イヴ・ハルゼンヌ(エルフの突撃スナイパー・f06540)。
「故郷が2つに割れましたよ……」
華上・ユーディ(冥土・f02310)は平静を保ちつつもどこか遠くを見ている様にも感じられる視線をイヴと同じ方向に投げ。
「キマイラフューチャーが割れたでしゅ」
涙声なのは、有馬・ナオ(放浪猫・f10768)。
「ゲームギャワ♪ 遊べるギャワ~ン」
これに加えて、割れたキマイラフューチャーよりこれから待ち受けているモノの方に興味を全振りして小躍りするビィ・クンダ(ドラゴニアンのガジェッティア・f09470)を含めた四名が、【冥土猟兵団】であり、ユキと合わせれば五名のチャレンジャーと言うことになるのだが。
「団体さんスシ?!」
仰け反ったスシ怪人が自分達を顧みる。きまり悪げに身じろぎする怪人のシルエットは、ずいぶん目減りしており。
「……なんでこんなに数が少ないスシ?」
「そんなこと言っても、最初の猟兵に好き勝手させるわけにはいかなかったもちぃよ!」
「どうするケーキ? この人数じゃ、妨害するって言っても」
スシ怪人の問いにやむを得なかったと餅怪人は主張し、ホールケーキ頭の怪人が顔を青くする。だが、猟兵達は知る由もない。
「まあ、この世界らしいか。それはそれとして……」
ツッコミを入れるのはやめにしたイヴは何か思いついたのか、ビィの方へと歩み寄り。
「ギャワ?」
「ああ、それで――」
短いやり取りを交わした後、しばらく待って何かを受け取るとイヴはそれを己の武器へと装填する。
「キマイラフューチャーを早く元に戻す為にもゲームをクリアするでしゅよ」
ナオが促せば得意げな顔で宿主の桜がスタート位置へと向い。
「……スルーでしゅ。スルー」
どこから何時の間に取り出したのか不明な付け髭も赤い帽子も青のオーバーオールのズボンもナオは気にしない。着々と出発の準備が進んでいた。
「冥土猟兵団は最初に挑み妨害してくるオブリビオンを惹き付けます」
そう明言した訳ではないが、ユーディ達がスタートすれば怪人たちとて放置は出来ない。
「では、参りまする」
最初にスタートしたのは、ユーディであった。速く、ただ速く。スタート直後から一気にトップスピードに至ると両手を横に広げてコースを駆ける。
「それ以上の独走は許さべっ?!」
「思ったより数が少ないですね」
行く手を遮ろうと飛び出してきたスシ怪人をなぎ払い蹴散らすとそのまま進み。
「ガンガン進むでしゅ」
同じタイミングで出発したナオの視界を飛ぶように景色が流れてゆく。
「拾い食いをしちゃダメでしゅよ、さくらさん……違うでしゅか?」
その視界が時々何かを探すように動くことに宿主の性格を思い出して窘めれば、否定の意思が返ってきてナオは軽く驚き。
「え? 花はないのか? 何の話でしゅか!」
食べ物でも得点のキャラクターでもないモノを探していたことが判明してツッコミを入れる。
「おのれ、わけのわからないことをケーキ! お前はここで脱落ケーキ!」
妨害の為様子をこっそり窺っていた怪人からすると、いきなり漫才をされたのは屈辱だったのかもしれない。激昂してナオ目掛け襲い掛かり。
「散弾発射です」
「へ?」
突き出された刀型長距離砲台とお見合いした状態で上げた怪訝な声が最後だった。断末魔すら上げる暇もなくナオの全武装の一斉発射を至近距離で受けたホールケーキ頭の怪人は消し飛ぶ。
「ちょっと少な目でしゅたね。だけど、この調子でしゅ」
妨害を退けたナオは火の海を残し、上機嫌で宿主の頭に乗ったままコースを行く。
「ミンナ上手くやってるギャワ?」
その頃、ビィは何やら作りかけのガジェットと格闘しつつ、ポツリと呟いていた。走るのは得意でも年齢が年齢だけに体力が続かず、今作っているガジェットに現状打破の望みを託しているのだろう。同時にビィは他の【冥土猟兵団】の面々のサポート役に回っており、仲間を案じた独り言もそれが理由と思われる。
「イヴが照明弾が欲しいと言うから弾を作ったギャワけど」
周囲を見回しても目に入ってくるのは、浮かび上がる水着を着用した誰かのヴィジョンか自己主張するように時々鳴く白い得点キャラクターぐらいだ。
「色々な色に変わる綺麗な光を出すギャワよ……完走したら感想を聞いて見るのもいいギャワ」
スタートしたのはイヴも一緒、ならばイヴもコースを進んでいる筈なのだから。
「へもぢばっ」
「ギャワ?!」
完成させたガジェットを作動させたところ、飛び出してきた怪人を撥ね飛ばしてしまうというアクシデントが発生したが、それはそれ。
「逃げるが勝ちだぜ!」
丁度その頃、イヴは怪人を複数引きつれてコースの上を逃げ回っていた。追いかけてくるのは、ビィの作った照明弾を発射したところ、釣られて出てきてしまった怪人達である。
「この程度なら、ユーディねえちゃんの所まで誘導するまでもないか」
「待つもちぃ!」
「止まれスシ!」
イヴに想定した脅威レベルより下に見られているとはつゆ知らず、怪人達は怒号を上げつつ奈落を飛び越える。もっともそのイヴも追いかけてくる怪人の数が微妙な理由が、他の猟兵達の方にも妨害に差し向けられたせいで人材が枯渇した結果にあるとは知らず、弓に矢をつがえる。
「倒したらもっと出てくるかもしれないしな。そいつらを引っ張ってゆけばいいか」
誤算があるとしたなら、イヴを追いかけてた怪人達がイヴ一人に割ける最大数だったということをイヴが知らなかったことだろうか。
「「ぎゃああっ」」
追いかけ、走りまわされて若干疲弊していた怪人は面白いようにイヴの矢を受けて倒れ伏し。
「あれ?」
第二陣を警戒していたイヴがゴールを踏んで首をかしげたのは、それからしばらく後の事。
「しかし、流石にランクインは無理だったな。得点キャラとか気にしてなかったし」
イヴの見上げるランキングボードに【冥土猟兵団】メンバーの名前はない。だが、この瞬間も挑戦中の猟兵は居るのだ。
「てれれれん、てれん」
表記するならそんな感じになるだろうか、チャイムが鳴り響く。
【ナノ山さん、こんな崖際に隠れていたよ!】
『本当ね。上手く回収しないと奈落にまっさかさま。とても危険だけど、だからこそこんなところに隠れていたのかもねテレ彦くん!』
腹話術で開設する余裕すらあるのは、召喚した動画撮影ドローンによって周囲の地形と怪人の動向を把握しているからだろうか。先に挑んだ猟兵達に気を取られ、人員を割き、多大な犠牲を払った怪人達はまだユキに妨害の人員を差し向けられずにいた。もっとも、それも時間の問題であろう。
「ナノー、ナノー、ナノー」
三つ並んだ白いキャラクターが纏めて確保されて鳴き声を上げ。
「てれれれん、てれ。てれれれん、てれ。てれれ――」
けたたましくチャイムが鳴りまくれば、否が応でも怪人達は気づく。
「うぐ、団体さんに気を取られて、ノーマークにしてたもちぃとは」
「あいつを止めるスシ!」
苦々しげな頭部が鏡餅の怪人も指さしてくるスシの怪人もユキのドローンは認識済みであり、だからこそ、仕掛けてくるタイミングも丸わかりだった。
「お前の快進撃もここまでスシ! 止まべっ」
ゴール直前で飛び掛かってきたスシ怪人をスタンドマイクで殴り倒し。
「ここは通さなも゛ぶっ」
両手を広げ立ちふさがる餅怪人を前に地を蹴ったユキは怪人の頭を足場に使ってそのまま飛び越える。
「あ」
踏み台にされながらも振り返った餅怪人が見たのは、そのままゴールに飛び込むユキの背中であった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴
備傘・剱
宝探しは得意なんでな
全力でやってやるぜ
得点防止にキャラクターを奪おうとしても、ワイヤーワークスを誘導弾に乗せて引っ掛ける様に奪ってやるぜ
それに、早く取った方がいいのなら手でとるより引っ掛けた方がターンはスムーズだ
奪い去られても盗み攻撃で、奪い返しちゃる
俺にゲームで挑もうなんざぁ、五年早いってんだ!
奈落に落とされかけても、朱雀衝でその直前に跳んで回避してやるぜ
…誰かが落ちてても、クリアが先決だからなぁ…
あ、でも、すぐに助けられそうなら、引っ掛けて助けてみよう
文句は後で聞くとするか
アドリブ、絡み、好きにやってくれ
ラウル・シトロン
野生の勘を働かせて周りを警戒しながら走ろう。
奈落には【空へ続く魔法の階段】で対応しようと思う。
空中をジャンプして奈落を飛び越えるよ。
あと、奈落へ突き落とそうとするオブリビオンを上手くUCと逃げ足を使って避けて、勢い余ったオブリビオンが奈落へ落ちないか試してみるよ。
僕はスピード重視でいくよ。
キャラは取れる範囲で取って、ダッシュでゴールを目指そう。
櫻井・クロ
皆と協力してクリアするのにゃ!
ランキング入りの為にクロ達はスピード重視で頑張るのにゃ!
「オブリビオンをだいぶ引き付けてもらえてるみたいにゃしそろそろ素早いゴールも狙ってみるチャンスかにゃ?」
スカイステッパーとスライディングを駆使して最短距離にいるナノナノを拾いつつゴールするのにゃ!
「そう簡単には捕まらないにゃよ!駆け抜けるのにゃ!」
奈落に落ちそうになってもスカイステッパーでフォローにゃ
ナノナノも重要にゃけどまずはゴールを優先するのにゃ!
「頑張ってランクインするのにゃ、妨害なんかにへこたれないのにゃ!」
ゴールした後はこれから走る人の為に注意点を纏めて教えられるようにするのにゃ。
奇亜求・清和
協力して進軍でありますな。また可能ならば影の追跡者を召喚してゴールの近くにいるオブビリオンをマークしておくであります。
クロ殿達(速さ重視の人達)と協力してゴールを目指すであります。
「このチャンスを生かさないわけには行かないでありますな」
クロ殿達を追いかけるようにゴールを目指すであります。
「数がいるでありますがここが引き付け時でありますな」
ある程度クロ殿達にオブビリオンがついてきたらそれを奈落に叩き落して後続のオブビリオンの妨害をするであります。
「奈落に落とそうとしている連中はあれでありますな。ならば逆に叩き落すであります!」
できる限り落としていき先行隊の負担を減らすであります。
フェイラ・ノースウィンド
クロさん達と一緒に参加します。
速さを重視して進んでいきレーン上のナノナノクロさんに拾ってもらいクロさんの得点を上げていきます(ランクインを狙いやすくするため)
目の前に出て来て回避できず進路上の邪魔になるオブビリオンはジャッジメンド・クルセイドで射って迎撃します
清和兄さんが引き付けに入ってもクロさんと一緒にゴールに向かい可能ならゴール、敵が多くなってきてゴールタイムに響きそうなら残ってオブビリオンの足止めに集中します(奈落に落として復帰時間を稼げればベスト)
他にも足止めの方々がいれば協力してゴールに向かった人達の方へオブビリオンが行かないようにカバーします。
「ぎゃあああっ」
怪人の口から悲鳴が上がる。悲鳴だけではなくてエクトプラズム的な何かが出てきてしまっている怪人も居るように見受けられる。つまるところ、クリアされてしまったと見たのだろう、だが。
「宝探しは得意なんでな、全力でやってやるぜ」
「「え゛」」
スタート位置に現れた備傘・剱(絶路・f01759)に怪人の幾人かから引きつった声が出た。
「だったら僕はスピード重視で行くね」
記録更新できるかなと口にしたのは、同じくスタート位置のラウル・シトロン(人狼の駆け出し探索者・f07543)。そう、猟兵達の挑戦は終わっちゃいなかったのだ。
「どうするスシ?」
「も、もちぃ。どうすると言われても」
ここまで生き残っていたのは、幸か不幸か。顔を突き合わせて怪人たちが、相談を始め。
「ちょっと待つケーキ、何やら様子が――」
おかしいとケーキの怪人が言い終えるより早く。
「あ、あそこがスタートみたいにゃ」
「もう先客も居るようでありますな」
転送されてきた櫻井・クロ(トラベルキャット・f12090)が示せば、そこに人影を認めた奇亜求・清和(七星軍曹・f01844)も口を開き。
「他にも参加される方が居るのは心強いですね」
二人の後ろから同じ方向を見たフェイラ・ノースウィンド(白にして十字架・f02134)まで認識したところでだろうか。
「「うわーん」」
怪人達は号泣した。ほぼ完全なオーバーキルなのだから仕方ない。圧倒的に人手が足りないのだ。
「オブリビオンをだいぶ引き付けてもらえてるみたいにゃしそろそろ素早いゴールも狙ってみるチャンスかにゃ?」
「このチャンスを生かさないわけには行かないでありますな」
それは隠し通せるはずもなく、クロや清和には先に参加した猟兵達が怪人達をかなりの数間引いてくれたと言う形で把握されており。挑まない理由を完全に奪っていた。
「くそっ、こうなればこっちだってとことん付き合ってやるスシ」
意地か自棄か。ぐっと拳を握った怪人は睨む、今にも出発せんとする猟兵達を。だが、猟兵達は知る由もなく。
「あれ?」
ラウルの頭上の耳が微かに震え、声が漏れた。周囲を警戒すべく働かせていた野生の勘によって微かな違和感を感じたのだろう。だが、怪人にしては襲ってくる気配もなく。
「あー、本当にテレビウムに似てるね。……行くよ!」
発見した隠れ得点キャラを確保すると、まるで見えない魔法の階段でもあるかのように何もない宙を蹴ってラウルは飛ぶ。ぽっかり口を開けた奈落は何の役目も果たせずにラウルを見送り。
「あのチャイムは、どこかで隠しキャラを確保されたもちぃなっ?! ならば、せめてあれだけでも」
鳴り響くチャイムの音に表情があれば険しくしていたであろう鏡餅頭の怪人がちょっとだけ顔を見せていたテレビウムっぽいキャラに手を伸ばし。
「おっと、そうはいくかよ」
「な」
すんでのところで飛来したワイヤー付きのハンマーに掻っ攫われ、驚きの声を上げる。
「そうやって奪う気だっていうなら、奪い返しちゃる! 何度でもな」
「ぐ、もっちぃぃぃ大口をたたいたもちぃな!」
不敵に笑んだ剱に怪人は激昂するが、その数は一体。
「モチ兵器を喰らうもちぃ!」
「羽ばたけ朱雀! 大地の軛、汝に届かず! 舞え、天空の覇者が如く!」
向けられた兵器から放たれた一撃は何もない場所を足場に跳躍した剱がそれまで居た場所を貫き。
「よっと」
「もぢゃばっ、あ、もちゃぁぁぁっ?!」
剱の着地場所にされた餅怪人は奈落に突き落とされ、断末魔を残して消える。
「俺にゲームで挑もうなんざぁ、五年早いってんだ! さ、先に行くとするか」
振り返ることなく剱は歩き出し。
「ナノー、ナノー」
ゲーム世界の空の下、拾われた白いキャラの鳴き声が響く。
「高いところに浮いてるのは見つけやすいけどそこまで行くのが大変にゃね」
その大変をこともなくやってのけたのは、宙を蹴って高く飛んだクロ。剱とラウルが出発してからそれほど経たない内にクロ達も出発していたのだ。
「ナノナノも重要にゃけどまずはゴールを優先するのにゃ!」
先ほどのキャラの確保はあくまで奈落を飛び越えるついで。
「待つスシっ!」
だが生き残った怪人達は当然ながら三人の前にも現れる。
「待ち伏せていたようでありますが、位置が割れてしまえば意味も半減であります」
清和は召喚した影の追跡者によって怪人の潜む場所を既に把握しており、奇襲とならないことは確定しており。
「それ以上は進ませゲーギッ?!」
フェイラの進路を妨げるように飛び出してきた怪人は天から降り注いだ光でこんがり焼かれるとポテリと倒れ伏す。
「清和兄さんが引き付けているからでしょうか?」
怪人に指を向けた手を下すと、もはや物言わぬ躯の横を駆け抜けてフェイラは怪人の少なさを訝しむ。それでも足を止めないのは、クロ同様に早さを重視しゴールを目指しているからだろう。
「奈落に落とそうとしている連中はあれでありますな。ならば逆に叩き落すであります!」
「やれるものならやってみるがいいスシ! ゆくスシっ!」
その頃、当の清和兄さんは戦いのただ中にあった。スシ怪人はスシ攻撃を繰り出しながら清和目掛け飛び掛かり。
「おおとろ?!」
撃墜された怪人は謎の悲鳴を上げて奈落へ消えてゆく。
「……数が少なくて助かったでありますな」
妨害者の脱落を視界におさめた清和は傷を抑えながら自分が走破してきたコースを見つめる。先行隊の負担を減らすべく後続の敵に備えようというのか。
「ナノー」
「やったにゃ、ゴールが見えてきたにゃ」
自己主張する白いキャラを抱えクロは歓声を上げる。
「もちぃぃ、もはやこれまでもちぃ! 一人でも道ずれにしてやるもちぃ!」
そこに現れた満身創痍の怪人は、他の猟兵によった奈落に落とされ這い上がってきたモノか。
「にゃっ」
よろめきつつ怪人はモチ兵器を向けるが、視界からクロの姿は消え。
「頑張ってランクインするのにゃ、妨害なんかにへこたれないのにゃ!」
空を蹴ったクロは怪人を飛び越えて先に。ゴールは迫りつつあった。
「隠しキャラは迂回しないととれないところも多かったけど、得点キャラはそうでもないね」
「ナノー」
そして、ラウルはゴール前の白いキャラをさらいながらゴールに飛び込む。妨害者が少なかったからだろう、猟兵達は続々とゴールインし。
「もう出てきそうもなさそうですね」
妨害する怪人の足止めの為速度を落としていたフェイラも見切りをつけるとペースを上げる。
「ナノー」
たまたま近くに浮いていた得点キャラに接触した直後にゴールラインを越え。
「お疲れ様にゃ」
挑み終えたフェイラを待っていたのは、クロだった。
「結果はどうなりました?」
「猟兵の名前がいくつかランクインしてるにゃ」
フェイラの問いに皆のおかげにゃと言いつつクロはランキングボードを示す。
「これでこのステージって奴はクリアか」
「そうだね」
こうして猟兵達の活躍により、このステージは勝利で幕を下ろす。
「ナノー」
それを祝うかのように取り逃された白い生き物は青い空の下で鳴くのだった。
成功
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