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転生の牙

#UDCアース

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#UDCアース


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●この世界でなければ 
 ガタンガタンと、電車に揺られる。目に染みるような夕焼けも、今は鬱陶しいだけだった。
 些細な事だった。ただバイトで、お釣りのお金を数え間違えただけ。訂正してちゃんと渡したのに、なんであんなに文句を言われなければならないのか。
 店長も店長だ、普段俺がどれだけこの店に貢献しているのか分かっているのだろうか。これだけ頻繁にバイトに入って店を回してやってるのに、なんで俺が態度が悪いと注意をされないといけないんだろうか。
 クソだ。この世界なんてクソだ。なくなっちまえばいい。そして俺は、そう、最近読んだ小説のようになりたい。あの小説のように異世界に行くのだ。正当に俺を評価してくれる異世界なら俺はもっと評価されて当たり前なのだ、俺の本当の能力を見せてやれば大活躍できるのに。
「異世界、行きてぇなぁ。」
「なら、連れて行ってあげましょうか?」

●異世界転生
「ああ、集まってくれたようだな。」
 グリモアベースに集った猟兵達を見て、叢雲・秋星が読んでいた本を閉じる。栞も挟まずに閉じられた本の表紙には、『異世界で始める俺の〇〇〇』というタイトルが書かれていた。
「今回皆に頼みたいのは、UDCアースの邪神教団、『転生の牙』の壊滅だ。」
 投げ渡された写真には、6階建ての雑居ビルが写っている。内部の写真には『本尊』を拝んでいる比較的若年の人々。そして、本尊とされるように鎖に繋がれた複数の口と無数の牙を備えた邪神の姿。
「見ての通り、邪神は既に復活している。その為、その殲滅が最終目的になる。幸い、完全復活には遠く本来の性能はまるで発揮できていない。成長する前の今ならば、打倒の目は大きい。」
 猟兵が揃えば、今の状況の邪神であるならば倒すことは可能だろう、と述べた秋星はさて、と前置きしてこの教団についての説明を始める。
「異世界転生、というものが最近ライトノベルで流行っているようだな。この教団は、本尊たる神にその身を捧げることで異世界への転生を成し遂げられる、と言って若い少年少女の身柄を集めているようだ。」
 オブリビオンの存在が認識されていないこの世界なら、邪神の存在を見れば異世界転生の話を信用してします人がいるのも無理からぬことだろう。
 教団に集まった彼ら彼女らは、日常に不満を持ったものばかりだという。もっと認められたい、もっと活躍できるはずだという思いを上手く利用して、崇拝者が連れてきているのだ。
 この世界でなければ、異世界であるなら俺はもっと活躍できると根拠なく信じているのだという話に、文字通り『異世界から』やってきている猟兵達は何とも言えない表情を浮かべる。そんな簡単な話はこの世にないのだと。
「まぁ、君らの思いは尤もだと思うが。放っておけば邪神は際限なく成長を続ける。その前に手を打つ必要がある。」
 手ごわい相手になるだろうが、宜しく頼むと言って秋星はグリモアを起動した。
「そうそう、近くに猫カフェがあるから終わったら遊んでくるといい。」


宗嗣
 マスターの宗嗣です。異世界転生モノ、流行ってますよね。今回はそれを利用した邪神教団との戦闘になります。
 第一章では崇拝者の生み出したゴーレムたちとの戦闘、第二章ではボスとなる邪神との戦闘になります。
 にゃーにゃ―ライフの為に頑張ってください。
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第1章 集団戦 『ロッジ・ゴーレム』

POW   :    ゴーレムパンチ
単純で重い【コンクリートの拳】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    サンドブラスター
【体中から大量の砂粒】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    ジャイアントロッジ
予め【周囲の無機物を取り込んでおく】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

クレア・フォースフェンサー
目標
 教団に集められた若者達に怪我人を出さずに、ゴーレムを排除する。
手段
 まともにゴーレムと戦えば、若者達にまで被害が及ぶ可能性が高い。また、人質に取られるおそれもある。それでは、同僚の猟兵が力を存分に発揮することができない。
 そのため、ビルに潜入し(エアステップ、迷彩、目立たない、忍び足、残像、追跡、失せ物探し)、若者達の注意を引きつけ(誘惑)、意識を失わせ(催眠術、範囲攻撃、気絶攻撃)、被害が及ばない場所に移動させる(サイコキネシス)。
 若者達の安全が確保できれば、そのことを同僚に伝え、存分に戦う(なぎ払い、剣刃一閃)。


緋神・美麗
いろんな邪神教団があるのね。これなんか結構引っかかる人多そうよねぇ。まぁ、見つけた以上はしっかり潰さないとね。
まずはゴーレムの群れかぁ。また周りに迷惑なものを量産してくれたものね。被害が拡大しないうちに拡散極光砲で全部まとめて塵に返すわよ。
「皆まとめて吹っ飛ばす」


ジョイフィル・メルディネ
どうも。異世界への逃避ですが、大抵ロクな世界に行かずにみじめに死ぬ確率が高いのでやめた方がよいと思います。ジョイフィルです。

まあ前置きはさておき、ゴーレムとの闘いですね。
私こう見えてパワーにはそこそこ自身があるので、
力比べをしてみようかと思うのですよ。
液体金属を拳に纏った必殺の鋼鉄拳をえいりゃっとかまして、
一発で粉砕できたらいいなーって感じです。
粉砕できたらきっと気持ちいいんでしょうね… うひっ❤
…こほん。取り乱しました。
まあ有象無象のゴーレム達は軽く蹴散らして、
さっさと邪神倒して猫の匂い嗅いで帰りたいですね。


空廼・柩
最近異世界モノの本とか流行ってるよね
辛い現実から逃れようとして
異世界で戦って、血を流して…
誰からも見放され野垂れ死ぬかも知れない
…俺だったら真っ平御免だけれど

眼鏡を外し、棺型の拷問具を手に戦闘へ
敵の手数を減らせるよう体力の僅かな敵を優先して狙う
攻撃には【咎力封じ】を使用
砂粒の攻撃を喰らうと大変だからね
極力死角を狙い攻撃を与えていく
厄介だし、少しずつ攻撃を封じていこう
完全に封じきれずとも此方の損害を抑えられれば良い

共に戦う者在れば攻撃の隙を埋める、死角を補う等の連携を試みる
敵の攻撃は『見切り』で回避するなり
拷問具で『武器受け』するなり直撃は極力避ける
防御した後に『カウンター』も狙ってみるのも手か


イクス・ヴェルデュール
夢を見たり持ったりすること自体はいいことだよな。
まぁ今回ばっかしはそうも言ってられねぇけども。
純粋に救いを求めて、縋った。そんな若者達の夢を踏みにじった罪は重いぞ。
虚妄で惑わせ命を喰らう悪しき邪神はここで退場して貰うぜ。

予め電脳ゴーグルを展開して、地形の確認や戦闘に使えそうなもんがないか確認しとく。
可能な限り接近戦は避けたい。…ってことで、適度に距離を保ちつつゴーレムの動きをよく確認。
相手が攻撃放った直後を狙って、エレクトロレギオンを召喚し攻撃を仕掛けるぜ。
あの図体の割には足下が貧相な気がしないでもないし、出来る限り足下狙ってみる。

近くに仲間の猟兵が居れば声かけて協力持ちかけたい。


金剛・狂
異世界転生流行ってるんですかね
そういえば邪神系も流行っていたような、
まあそんな妄想膨らむお年頃ってありますよね。
とりあえず、そんな邪神の手先の思い通りにはさせません!
ボコっちゃいましょう!(光り輝く拳をギュッ)
まずはゴーレムから片付けないと…
【サモニング・ガイスト】でとりあえず殴りかかります
いけ!パンチだ!キックだ!いや炎とか出してるんじゃなくて!
…今度、もっと、こう、拳で戦うように強化しましょう



グリモアによる転移から解き放たれたのは、六名の猟兵。視線を交わせば、其々が其々、自身のやるべきことを理解して動き出す。五名と一名、最終目標こそ同じでもそこに至る道が違うのだから、自分のやるべきことを成す。
 一般人の保護を目的に潜入する者と、それをサポートする為に囮の役割を果たす者だ。
「そっちで何かあったらすぐに呼んでね!」
 まずは一般人の安全を確保を優先し、仲間が全力で戦える状況をこそ作りだす事こそ先決と、自身の持つ隠行の業を存分に活かして別行動をとろうと駆けるクレア・フォースフェンサー(光剣士・f09175)に緋神・美麗(白翼極光砲・f01866)が声をかける。
 振り向きざま、こくりと頷いたクレアの視界には、頼もしい五人の仲間が映る。互いに互いを安心させるように、笑顔を交わして二組は別方向へと駆けて行った。

「さて、それじゃあの子が動きやすいように派手に暴れるとしましょうか。」
 囮の役割を果たさんとするジョイフィル・メルディネ(喜びを齎すモノ・f02904)の口調には、安易に異世界への逃避を夢見る若者への若干の侮蔑と、それを覆って余りある快感への期待がある。
「ま、そうだな。でもってさっさと、ゴーレムを倒して邪神には退場して貰おう。」
 イクス・ヴェルデュール(春告のひかり・f01775)が電脳ゴーグルを展開し、周囲の情報把握に努める。猟兵の侵入は既にこの教団の崇拝者には割れていると見てもいい。ならば動きは早いに越したことはない。
「辛い現実から逃れようとして異世界で戦って、血を流して…誰からも見放され野垂れ死ぬかも知れない…俺だったら真っ平御免だけれど。」
 思わず、といった様子で口にしたのは空廼・柩(からのひつぎ・f00796)だ。青い右目が疼く。異世界へ行ったところで、今よりもいいなんて限らないのに。其れには皆が同意する。猟兵なんて、異世界からの寄せ集めの様なものなのだから。
「とりあえず、そんな邪神の手先の思い通りにはさせません!ボコっちゃいましょう!」
 輝く拳を握りしめる金剛・狂(は砕けない・f09749)に、一同が頷く。なぜならそれは、ここに集った面々が果たさなければならない前提条件でもあるのだから。
「上から来る、協力して片付けるぞ!」
 皆が同じ目的を見据え、改めて意思を固めたところで、イクスの声が飛ぶ。
 駆け抜けようとしたロビーの上から降ってきた拳が床面を砕き、煙を巻き上げる。もしそれに意識があるのだとしたら、手応えの無さに首を傾げただろう。
 反撃は鉄拳だ。液体金属を纏ったジョイフィルの鋼鉄拳が頭部を吹き飛ばし、狂のサモニングガイストで召喚された戦士が腹部に拳を突き刺す。
「ん~、気持ちいい!」
「まだまだ来るよ、気を付けて!」
 巨大な無機物の塊を粉砕した拳を包むように握り、語尾に音符でも付きそうな様子の彼女に柩が注意を促す。
 それに応えるように、壁や床から、あるいは天井から。ずるりと抜け出るように巨大なゴーレムが現れて猟兵を取り囲む。
 不敵な笑みを浮かべて応えたのは誰だったのか。一人か、あるいは全員だったのかもしれない。
「皆まとめて吹っ飛ばす!」
 美麗の放つ拡散極光砲の輝きがロビーを包み込んだ。

「おっと…派手にやってくれているみたいですね。」
 ずずん、と揺れた床に足をとられそうになりながら、クレアは笑みを浮かべる。崇拝者によって一ヶ所に集められていた信者の居所を見つけ出した彼女は、有無を言わせず彼らの意識を刈り取った。
 いくら手加減したものだとはいえ、乱暴な方法をとった事に良心が傷まないではない。だが今優先すべきは彼らの身の安全と、仲間たちが全力を出せる状況作りだ。
 いや、先ほどの揺れからして既に全力を出しているのではという一抹の不安はあったりするのだが、それはそれで良いだろう。巻き込まれる人がいなければそれでいいのだ。
「時間があれば、説得なんかも出来るんでしょうけどね…。」
 サイコキネシスを使用して利用して信者の体を窓から路地裏に降ろしつつ、ぽつりと呟く。
 本当はそうするのがベストなのだろう。だが今の自分たちにそれは出来ない。出来るのは、彼らの命を助ける事だけ。彼らの心を救う事は、今する事は出来ない。
 内心で謝罪を述べて、最後の一人を送り出す。同僚へ一般人の避難完了を伝える為走り出すその姿には、一片の迷いも無かった。

「ホント、数は多いよねぇ。」
 あきれる様に呟く柩が手にする拷問具から放たれた枷が一体のゴーレムの死角を突き両手足を拘束する。
「尽きるまでやらなきゃいけないってのも、厄介なもんだぜ!」
 それをチャンスと見たイクスがエレクトロレギオンを召喚、大型だが肥大した椀部の割に脚部の構造が脆弱と見て、集中し狙う。
 蜂の巣のように穿たれたそれが擱座した瞬間を狙い、美麗の光剣がゴーレムを切り裂いた。
「でも、底は見えてきてるわね。」
 頬についた煤を拭い、彼女が剣を構える。事実、無限にも思えたゴーレムの群れは今や両手があれば数える事が出来る程度まで減っていた。
 とはいえ、猟兵たちとて無傷とはいかない。それぞれがそれぞれ、戦闘に支障はないとはいえ浅いと断じるには抵抗がある程度に負傷を重ねている。
「残念な様な有難いような、ですね!」
 腕四つとなりゴーレムと力比べをするような態勢となっていたジョイフィルが力任せにその巨体を投げ飛ばす。止めの追撃を、と思った瞬間だった。
 ゴーレムの肢体に閃光が走る。袈裟と逆袈裟、二つ刻まれたその剣線から四つに分かたれた巨躯は本来の形を思い出したように、動かない無機物へと姿を変える。
 崩れたゴーレムのあった場所に立つのは、光剣と実剣二振りを手にした女性、クレアだった。
「遅くなりました。一般人の避難、完了しましたよ。」
「そいつはグレートっすね!」
 有難い報告に彼女の参戦、二重で喜びを表す狂が口癖と共に爽やかに笑う。
 これで遠慮はいらない、思いきりやれるというわけだ。
「じゃあ改めて今一度。纏めて吹っ飛ばしてやりますか!」
 力強い美麗の宣言と共に、全員が駆けだす。燃え盛る戦意を留める事は誰にもできず、敗北など一遍も見えない。
 数分の後最後のゴーレムが跡形もなく破壊され、彼らを阻むものは存在しなくなった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

鬼ヶ島・エレナ
「この世界はクソ……よーくわかる。オレもそう思うぜ!
でもな、理想の場所に行きてえなら、バイト代でバイク買うか
電車に乗る切符買うか、VRヘッドセットでも買ってみな!
ここでないどこかってのは、自分の手と足と脳みそで
行けるってことをオレが見せてやる!」

敵が多そうなので、スピード重視で行動する。
【ゴッドスピードライド】で自分の速度を上げて、精密に倒すよりも
たくさんの敵にダメージを与えていく。
一カ所にとどまらないように常に動き回る。
ダメージを受けた仲間が居るならばスキル「救助活動」を使い、
いったんバイクで拾って戦線を離れて休養を取り、
また戦線に復帰する。



鋼鉄の咆哮が轟く。バイクを持ち、救助活動を行うに足る技術を持つ鬼ヶ島・エレナ(地獄番長・f09126)は、その持ち前の機動力を活かして路地裏に脱出させられた一般人の避難を行なっていた。
 保護した一般人をUDCに所属する人員に託し、路地裏から速やかに撤退させる。
「この世界はクソ……よーくわかる。オレもそう思うぜ!でもな、理想の場所に行きてえなら、自分の行きてぇここでないどこかってのは、自分の手と足と脳みそで行かなきゃいけねぇんだ。」
 真っ当な方法ならそれこそなんでもいい。バイクでも、電車でも、なんならVRゴーグルだって一つの手段だ。誰かに頼って、しかもそれがオブリビオンだなんてのは認められねぇ。
 そうひとり呟いた彼女の前に、ぱらぱらとコンクリート片が舞い散る。
 ふと見上げた上には影。ビルから生えるきのこの様に、ゴーレムが生み出されていた。
 自身の後ろには一般人とそれを保護するエージェント。戦う力のない彼らの方へ、通すわけにはいかない。
「いいぜ、それじゃあオレと烈怒羽仁威号が相手をしてやらぁ!」
 特攻服を翻し番長が駆ける。鋼鉄の兎と共に。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 ボス戦 『牙で喰らうもの』

POW   :    飽き止まぬ無限の暴食
戦闘中に食べた【生物の肉】の量と質に応じて【全身に更なる口が発生し】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
SPD   :    貪欲なる顎の新生
自身の身体部位ひとつを【ほぼ巨大な口だけ】の頭部に変形し、噛みつき攻撃で対象の生命力を奪い、自身を治療する。
WIZ   :    喰らい呑む悪食
対象のユーベルコードを防御すると、それを【咀嚼して】、1度だけ借用できる。戦闘終了後解除される。
👑17
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ジョイフィル・メルディネ
(戦闘の興奮によってタガが外れてます)

うひっ うふふっ うひひふっ♪
さっきの戦い気持ちよかった~♪

適度な暴力は健康の秘訣よねぇ~♪

でも、これまでは前菜…♪
メインディッシュのファッキンゴッドも、
おいしくいただいちゃおうかしら♪

パワー溢れる真の姿に変身してぇ、【鋼鉄拳】で攻撃するわぁ♪
四本の腕でブン殴りまくってぇ~ 汚い挽肉を作るのぉ♪
2回攻撃と怪力でぇ、一気に畳みかけちゃうわよぉ♪

どうせ異世界に転生させる力なんて無いダメダメな神様でもぉ、
物理的に昇天させれば転生できると思いません?
まあぁ、さらなるファッキンワールドに叩き落とされるのが
オチって所よねぇ♪ うひゃひゃひゃ♪


鬼ヶ島・エレナ
「ようやくボスのお出ましか。
異世界転生させるっつーのがウソなら、お前が力を取り戻して
チートになるってのもウソにしてやらぁ!
今ここにある「本当のこと」は、おめーがぶっ倒れて
明日もつまんねー平和が来るってことだけだ、覚悟しろよ!」

【ゴッドスピードライド】で速度と戦闘力を上げて戦う。
自分が噛みつかれたり、防御されてユーベルコードを
借用されないよう注意する。
迂闊な攻撃は控えて、精密さを優先して確実に当てていきたい。
また、もし噛みつかれた仲間が居たなら敵と味方の間に
割り込んで引き離す。


緋神・美麗
これはまたすごいのが出てきたわね。こんなのが暴れだしたら洒落にならないわね。ここで確実に潰さないと。
「あんたはここで潰すわよ」
超小型ハイメガキャノンの誘導弾で目潰しをしてから間合いを詰めてライトニングセイバーで斬りつけるわ。
「口は増やせても目は増やせないでしょ。」
スキを見つけたらサイキックブラストで身動きを封じて一気に片を付けるわよ。
「そのスキ貰ったわ。」
「これで終わらせるわよ。」



ゴーレムのいなくなったビルを猟兵達が駆ける。
「うひっ、うふふっ、うひひふっ。」
 戦闘の余韻に酔うジョイフィル・メルディネ(喜びを齎すモノ・f02904)の口からついつい笑みが零れる。適度な暴力は健康の秘訣、などと嘯く彼女を他所に、奇襲を警戒しつつ鬼ヶ島・エレナ(地獄番長・f09126)と緋神・美麗(白翼極光砲・f01866)は周囲を見回しながら進む。
 自分たち以外の人間の存在しない建造物はシン、と静まり返り、反響する足音だけが響き渡る。
 まるで自分たちのいるべきでない場所へと迷い込んだような錯覚。それもあながち間違いでもないのだろう。
 ここは、邪神の顎の寸前だ。
 ぢゃり、と。鎖の擦れる音がする。床を踏む足音は人が出せるような音量ではなく。爪が硬いリノリウムに傷を付ける嫌な音が耳障りだ。
 そうして、ぬぅっと姿を現したのは。紫黒の巨躯に巨大な顎を有し、更には腹にも背にも口を持つ怪物。この世にあるべき理から外れた場所から招かれた、遷ろうモノ。
「これはまたすごいのが出てきたわね。こんなのが暴れだしたら洒落にならないわね。」
 美麗がすぐさまライトニングセイバーを抜き放ち、正眼に構える。寄せた眉根は、その異形の成すであろう災禍を予見したが故に。
「ようやくボスのお出ましか。異世界転生させるっつーのがウソなら、お前が力を取り戻してチートになるってのもウソにしてやらぁ!」
 エレナもまた、愛機の烈怒羽仁威号へと騎乗する。高ぶった戦意をぶつけるように、鋭い視線で邪神を射抜く。
「フフ、それじゃあメインディッシュもおいしくいただいちゃおうかしら。」
 そしてジョイフィルはその全力を放つに足る姿へとその身を変える。全身の筋肉を蠢動させ、有無を言わせず邪神へと踊りかかった。

 一息にその距離を零へと縮めるや、その双腕を液体金属で覆う。【鋼鉄拳】を駆使した【二回攻撃】、まずは左。
 殴り付けられた顔面が弾けるように彼方を向く。口の端からは赤い血が飛び、聞くに堪えない鉄板を引っ掻いたような悲鳴が木霊する。
「物理的に昇天させれば転生できると思いません!?」
 その様子にも寧ろ笑みを深くして、次の右の拳を放つ!文字通り力尽くで焦点させんとする重い一撃は、巨大な岩だろうと粉砕しただろう。
 にたりと、邪神の口の一つが嗤った。蛇のように素早く動いたその腕がジョイフィルの腕を掴んで強引に止める。ぎちぎちと筋肉が軋みを上げる。
 ゴーレムを圧倒したその腕力すら、邪神相手には流石に圧倒ともいかない。そのまま大きく開けた顎で肉へ喰らい付こうとする。
 一対一ならこのまま喰らわれて終わりだっただろう。しかし、だ。この場にいるのは一人ではない。
「させねぇよ!」
 邪神とジョイフィルの間にバイクに跨るエレナが割り込む。強引に割って入った事で解放された彼女が礼と共に一度離れ、バイクは唸りを上げながら邪神の背後へと回り込む。
「今ここにある「本当のこと」は、おめーがぶっ倒れて明日もつまんねー平和が来るってことだけだ、覚悟しろよ!」
 【ゴッドスピードライド】で跳ね上がったスピードは邪神の反応は許しても対応までは許さない。そのまま振り上げた木刀を全力で叩き込む、【ロッコクスラッシュ】が牙持つ神を打ち据える。
 自身の魂の籠った一撃と自負するだけあり、ジョイフィルの【鋼鉄拳】にも劣らぬ威力は手傷を負わせ、血を流させる事に成功する。一瞬、膝を付きそうになるその姿に追撃を思った途端、背に空いた傷口が大口へと変化。血を流す顎でエレナへ喰らい付こうとする。
「あいつはここで潰すわ、伏せて!」
 駆け寄った美麗が指に嵌めた超小型ハイメガキャノンで閃光を放つ。誘導弾は真っすぐに邪神の目へと伸び、至近での光でその視野を奪う。傷には届かなくても、それでもその動きを阻害するには十分だ。
 掲げた掌から放つ【サイキックブラスト】の雷撃が牙神に絡みつく。紫電が蛇のように邪神を縛り上げ、肉を焼く異臭が鼻を衝く。
「そのスキ…」「貰いましたぁ!」
 僅かな間とは言え動きを封じた敵へ向け、挟み込むように。右から美麗の光剣が。左からジョイフィルの鉄拳が。異形の巨体へと突き刺さる。
「こいつも持っていけェ!」
 特攻服を翻し、愛車の咆哮と共に強襲したエレナの木刀が邪神を吹き飛ばした。
 ガラガラと壁を巻き込み、邪神がくず折れる。三人は構えを解かない。未だ、異形の神の命に届くものではないと理解しているが故に。

 コンクリート片すらも喰らい。傷を負いながらもその顎を増やし、牙を増やし、邪神は再び姿を見せた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

空廼・柩
云うなれば邪神もある意味異世界から召喚された様なものだよね
やっぱり、異世界転生なんてものが成功するのは物語の中だけなんだろうさ
――さあ、観念して骸の海に帰るが良い

俺の戦法はいつもと変わらず
棺型の拷問具を使用、【咎力封じ】で技を封じていくよ
封じれば封じるほど此方への被害も減らせるならば、口となり得る身体部位を封じていきたい
極力噛まれぬよう頭部が迫ったら『見切り』による回避や『武器受け』による受け止めを試みる
此方の生命力を奪われ続け、ジリ貧になる前に片を付けなければ

確実に敵の息の根を止める迄は油断はしない
戦闘終了後、眼鏡をかけたら傷がある人の応急処置
いや遊びに行くにして、怪我をした侭はまずいだろ?



立ち上がった邪神が睥睨する。眼という感覚器官があるのかどうかも定かではない異形にも関わらず、それは射られた者に確実に見られているという実感を齎し、背筋に冷たい汗を流させる。
 腹が減った、という様子を隠す風でもなく、猟兵らを見下すその『視線』は敵を見るものではない、餌を見るものだ。
 長い舌が口吻をなぞり、異臭を漂わせる涎が滴る。その邪神が獲物を定めんとした瞬間に。
 飛来した手枷が腕を縛り、ロープが胴体を拘束する。最後に放たれた猿轡が邪神の頭部にある最も巨大な顎を括り、その動きを封じる。
 【咎力封じ】を放った男性、空廼・柩(からのひつぎ・f00796)が自身のユーベルコードを制御する為に右手を掲げ、左手でその腕を支えている。
「邪神もある意味異世界から召喚された様なものだけど、やっぱりそんなものが成功するのは物語の中だけなんだろうさ。――さあ、観念して骸の海に帰るが良い。」
 ぎしりぎしりと拘束が軋む。力負けしそうになるのを意地で支える額には、汗が流れる。
 ちらりと逸らした視線は他の猟兵達を。大きな怪我をした様子のあるものがいないことに、安堵を一つ。
 これが終わったら遊びに行くのに、怪我をした侭はまずいだろうと。
 その優しさを、心の豊かさを。果たして油断というべきだろうか。
 決して、彼は邪神を甘く見てなどいなかった。一片たりとて、その力が自分たちの上にある認識を違えなかった。この結果は、彼の落ち度ではなく。それを上回る存在がいたという、それだけの話だ。
 ブチリと猿轡が引き千切れる。
「ギシャァァアアッ!!」
「ちぃっ!?」
 食事を邪魔されたが故か、紫黒の邪神が咆哮する。ミチミチと肥大した筋肉が手枷を強引に引き裂き、両腕の自由を取り戻す。
 そのまま伸ばされた腕は、巨大な顎へと変じる。瞬くより早く伸びたそれは、柩の胸元で鎌首を擡げる。
 ぞわりと、確信じみた直感に従ったのが幸いした。ガチン!と噛み合う牙は浅く柩の腕を噛み裂いたに過ぎない。
 出血する腕を抑えながら態勢を立て直す。
 くちゃり、くちゃり。少量ではあるが、肉を咀嚼する音。嚥下したその邪神はにたりと嗤う。
 ―――手強い。
 常識の外にあるその命に、猟兵達は顔をしかめた。

成功 🔵​🔵​🔴​

赤月・句穏
迷子になって戦場に迷い込む。
「文、何処にいるのでしょうか。」
きょろきょろと周りを探す。
「…大きいわんこですか?ふむ。成程―。敵さんでしたか。」
魔霊杖を手に【祈り】を込める。
「不愉快です。今此処にお前は在るべきではないです。」
【高速詠唱】で【全力魔法】を放ちます。暴走しやすい炎の竜巻で相手を焼き尽くそうとするか、氷で敵の動きを封じます。

敵にユーベルコードを盗まれた場合は機嫌悪そうに目を細め続けて反撃します。
敵にダメージを与え戦場を離脱できる場合は、むぅっと拗ねたように、
「文、ここにもいないのです。」
きょろきょろと探しながら離脱します。


明日葉・雅
あれが邪神、ですか……
私では足りないでも、あーくんとなら
私の鏡、お願いします

『みーちゃんに呼ばれたならば俺の出番だ。さて、どう料理してやろうか』
攻撃を明日葉(あーくん)が担当し、回復を雅(みーちゃん)が担当
拷問具を武器としている。メインは鉈。動力源となるのは雅の血だ
さぁ、血祭りに上げてやろう。誰であろうと邪魔する奴はバラすだけだ

雅はデバイスを使用し、歌声を響かせ癒しを届ける
拷問武器の動力源として左手首を切っている
怪我を負っている方がいるならば手当てとして癒しを届けましょう
止血程度なら私でもできますから……
私の傷は気にせず、戦いに集中してください


クレア・フォースフェンサー
目標
 邪神を倒し、教団員を捕らえる。
理由
 問題なのは、『転生の牙』の教団員がいないこと。
 教団員を逃した場合、再度同じ事件が起きるおそれがある。
手段
 増えた口は脅威だが、身体内部を攻撃しやすくなったとも言える(戦闘知識)。
 狭い空間を利用して近付き(地形の利用、エアステップ)、伸びてくる舌は切り落とし(範囲攻撃、剣刃一閃)、口の中を光掌で攻撃する(捨て身の一撃、ヴァリアブル・ウェポン)。
 既に民間人はいないため、最初からクライマックスで戦う。

 邪神を倒せたら、ビル内の情報を集め教団員を捕らえようとする(鍵開け、失せ物探し、ハッキング、情報収集、追跡)。



傷を癒した邪神の巨躯は、一歩、猟兵へと詰め寄る。それだけでその体躯が一回り大きくなったような錯覚。
 否、真実大きくなっているのだ。捕食した肉こそ少量だが、得た質は高い。それはこの異形を更なる階梯へと引き上げるに足るものであった。
「文、何処にいるのでしょうか。」
 ふと、あまりに場違いな声が響く。きょろきょろとまるでお上りさんのように辺りを見回すその様子は、この場の現実からはあまりに乖離していて。
 まるで、直視に堪えないモノを視てしまった人が正気を失ったようにも思える。
 とその女性、赤月・句穏(界渡りの旅行者・f05226)は今やっと気づいたように、牙持つ邪神を見上げる。
「大きいわんこですか?」
 幾ら犬好きの女性とはいえ、それを見間違えるだろうか?というか、それは一時的なものか不定のものかいずれかの狂気なのでは…。
 そんな目の前に現れた餌に向け、当然のように牙持つ神は己が顎を向ける。彼女の体躯であれば半身を一口で齧り取ってしまえそうなそれが彼女へと鎌首を擡げた時。
「いえ、それは敵です。」
 その独り言に答えたのは、黄金の髪を靡かせるサイボーグだった。
 颯爽と登場したクレア・フォースフェンサー(光剣士・f09175)は室内であることを最大限に利用。壁、そして天井を足場にして一息に接敵に成功すれば、そのだらりと伸ばした舌へ向け内蔵されたフォースセイバーを展開して斬りかかる。
 過たず、彼女の【ヴァリアブル・ウェポン】光の剣はその舌を根元から切断。
「ふむ。成程ー、敵さんでしたかー。」
 得心がいった、という風情で一つ、句穏が頷く。手にするのは愛用のエレメンタルロッド、魔霊杖。構えを取り、敵である存在との距離を測る。
 そこに更に一つ、旋風が躍り出た。
「さぁて、どう料理してやろうかね!」
 明日葉・雅(多重人格者の咎人殺し・f07590)の二つの人格の内の男性人格、明日葉が鉈を腰だめに疾駆した。
 獣が地を這うような低姿勢、喉笛に喰らい付こうという眼光で。
 それを見た句穏が即座、魔霊杖に祈りを捧げる。
「不愉快です。今此処にお前は在るべきではないです。――散るべき存在よ、氷結の柩にて安らげ。」
 その言葉と共に、室温が急激に低下する。正しくは、牙神周囲の気温が、だ。彼女の起こした【エレメンタル・ファンタジア】によって氷点を瞬く間に下回った気温は、邪神の足元から薄青い氷で包んでいく。流れだした血液すら凍結し、動きが鈍る。
「みーちゃん、援護任せた!」
 【オルタナティブ・ダブル】でもう一人の自分を背後に、亡霊が抜け出す様に明日葉が切り込む。これまでの猟兵達が与えてきた傷は、その実決して浅くはない。
 寧ろ、この世にあるべき生命ならばとうに停止していて当たり前な程だ。ならば、そこを抉り抜く。焼け焦げ、裂け、拘束によって引き裂かれた傷痕へ、鈍く大きな鉈の刃先が食い込む。
「…ちっ!?」
 一つ、彼にとって想定外だったのは、抉り裂いた傷口の奥に更に牙が生えたことだろう。がっちりと、肉の更に奥で文字通り「食い止められた」鉈はピクリとも動かない。
 無論、邪神もそれは逃さない。大口を開けて喰らったのは、凍り付いた自身の脚の肉。ろくに咀嚼もせずに飲み込めば、大きく口を開ける。
「『――散るべき存在よ、氷結の柩にて安らげ。』」
 それはボイスレコーダーに録音された音のように。ザラザラと劣化した句穏の声が、それから響く。
 放たれたのは氷結の檻。【喰らい呑む悪食】によって返されたその攻撃は、明日葉を飲み込み、氷の柩へと閉じ込め――。
「させません!」
 クレアが決死の覚悟で飛び込んだ。大口を開ける邪神は最大の脅威だが、故に最大の好機でもある。狙うべきは今と、輝く掌を顎へ叩き込む!
 ベキベキと牙を圧し折り、舌を潰し、奥へ奥へと捻じ込む。ぐっと握り込んだ拳が、喉より先、肉壁の奥にある脳を掴み、頭部そのものを破砕する。
 捨て身の一撃だ、クレアとて無事ではない。捻じ込んだ右腕は見るも無残、牙で裂け、焼け焦げた腕は二目には二度と動かないだろうと。それも覚悟の上だ、と。
 明日葉を抱えて離脱した彼女の耳に、歌声が届く。
「私の『痛み』よ、世界を癒せ。」
 明日葉の半身、雅の謳う歌が凍り付いた明日葉と、右腕を中破させたクレアに降り注ぐ。
 自身の腕へと自ら施した傷と引き換えに、癒しの奇跡はそれぞれの負った傷を癒し、もう暫しの時間があれば完全な姿を取り戻すだろう。
「助かったぜ、みーちゃん。」
 そう、九死から一生を得た明日葉が言った時。

 ―――ぎち、ぎち。

 耳障りな異音。背筋に刺さった冷たい氷柱。
「…私は確実に、倒したと思ったのですが。」
 クレアが右腕を一度、握って開く。脳を潰した、どころか。頭自体がないというのに。
 そんなものは不要だと。餌を喰らう牙さえあればいいと。邪神はまだ、動く。死体でしかない体で、死すらも超えて。
 雅が明日葉を見るが、そのダメージは浅くはない。動くにはまだ時間が必要な程の凍結は、句穏のユーベルコードの威力を逆説的に語る。まだ十全に動けないのはクレアも同じだろう。捨て身の一撃は、捨て身だからこそあれほどに強い。
 それを知っての事だろう。命無き邪神は喰らった命で新たにそれを得ようと、彼女らへ向け足を踏み出し。
「――不快です。私は早く文を探しに行きたいのです。」
 それを阻む者がいた。氷結の祈りは途切れても、まだそれそのものは終えてはいないと。
 掲げるは魔霊杖。祈りは天に。世界を支える四大に。炎よ、骸を灰へ、葬送を奏でよ、と。
 豪、と炎が唸る。動くだけの死体と化していた邪神を包み、天井すらも抜いて、その存在を異界へと還す。
 それでも動こうとする存在へ向け、クレアが、明日葉が手を伸ばす。この世へのこれ以上の狼藉は認められない。
「あなたはここで朽ちてください。」
「しつこいんだよ、クソッたれが。」
 明日葉の生み出した手枷、足枷が邪神へと喰らい付く。それを引き千切ろうともがく邪神へを、クレアのサイコキネシスが押しとどめる。
 無音の絶叫が轟く。自分を葬る猟兵への特大の怨念。それが、邪神の断末魔だった。

「文、ここにもいないのです。」
 きょろきょろと辺りを見回す。やはり探し人はいない。それを確認した句穏は、別れの挨拶もそこそこにさっさとビルから離脱する。
 それを見送り、一人に戻った明日葉雅とクレアが笑みを浮かべた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​




第3章 日常 『猫カフェで猫をかわいがろう!』

POW   :    猫を撫でて可愛がります

SPD   :    猫と道具で遊んで可愛がります

WIZ   :    猫におやつを与えて可愛がります

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

鬼ヶ島・エレナ
【POW】
「転生ってのはあんまり信じねーけど、一度ネコに
生まれてみたいとは思うよな……。あー可愛い!」
と、静かにネコをなでなでしながら癒やされる。
近付いてわしゃわしゃするのはガマンして、静かに
こっちに来るのを待って優しく撫でる。
これがネコと触れ合うコツってやつさ。


緋神・美麗
よし、これで心置きなく遊べるわね。全力で楽しむわよ。
小さめで可愛い猫を膝に抱いて頭や顎や背中やお腹を撫でて愛でるわね。一応やりすぎて嫌われないよう注意はしているけど気を抜くと羽目を外しそう。
道具が余ってたら道具を使って遊んだりおやつをあげたり、時間ぎりぎりまで楽しむわ。



激戦を潜り抜けた猟兵達に待っていたのは、数多の獣の群れだった。その扉を潜り抜けた瞬間、数多の視線が彼女らを貫く。様子を窺うように遠巻きに二人を中心にゆったりと歩く。四つ足で音もなく歩く姿は、それらが優れた狩猟者であることを容易に想起させた。
 ふいに、鬼ヶ島・エレナ(地獄番長・f09126)の足元に近づく影がある。すぅ、と忍び寄るように接近したその小柄な茶虎の姿は、すり、と足に額を擦り付ける。その様に思わずエレナは破顔した。
「転生ってのはあんまり信じねーけど、一度ネコに生まれてみたいとは思うよな……。あー可愛い!」
 ニコニコと笑顔を浮かべながら、屈み込むと頭に優しく触れる。くしゃっとした柔らかな毛並みは手触りが良く、目を細めたその生き物―――猫は気持ちよさそうにごろごろと喉を鳴らす。
 近付いてわしゃわしゃするのはガマンして、静かにこっちに来るのを待って優しく撫でる。それが猫と触れ合うコツだと知っている彼女は、自分から猫に近づいていくのではなく近寄ってきてくれる猫に対して最大限に構い、可愛がり、嫌がることをしないことを心掛けて触れ合う。
 茶虎や黒猫、ブチなど様々な猫に囲まれて癒しを得る彼女はとても幸せそうな笑みを浮かべていた。

 その様子を羨まし気に見ていた緋神・美麗(白翼極光砲・f01866)は手にネコカフェで借りた猫じゃらしを手に、腰を下ろす。
 ふりふり、と床の上でそれを揺らすと、近づいてきた白猫がバッと飛び掛かる。ひょいと取り上げるように猫じゃらしを上に上げると、目標を見失った白猫がきょろきょろと周囲を見回す。それが上にある事に気づき、後ろ足で立ち上がり前足で挟み込むようにじゃれついてくる。
 その小さな姿はとても愛くるしい。膝の上に招けば喜んでやってきた猫の背と顎と撫でる。気持ちよさげに目を閉じ、すりすりと撫でる手に額を擦り付ける。
 撫でている間にいつの間にやら眠ってしまった猫を愛おし気に撫でながら、激戦を終えた幸福を最大に満喫していった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

琶咲・真琴
猫さんがたくさんなのです
仲良くなれますでしょうか?

最初はおもちゃで一緒に遊んで警戒心を少なくさせるのです
怖くないですよー
一緒にいると楽しいですよー

しばらくおもちゃで遊んだら、お礼におやつをあげるのです
触れても大丈夫そうなら、猫さんが気持ち良いとご機嫌になる場所を撫でてあげるのです

あやや?
気持ち良くて眠くなったのですか?
大丈夫ですよ
ゆっくりおやすみなさいなのです


アドリブ歓迎



「猫さんがたくさんなのです。ボクも仲良くなれますでしょうか?」
 琶咲・真琴(今は幼き力の継承者・f08611)はカフェに入るなり、辺りをうろうろと歩き回る沢山の猫たちに驚きを露わにした。
 まず仲良くなるためにどうすればいいだろうか。そう考えると、やはり一番は一緒に遊ぶことがその近道だろう。
 手にした武器(おもちゃ)は、ボールと猫じゃらし。しゃらしゃらと音を鳴らす猫じゃらしを床の上で振ると、興味をひかれた猫がやってくる。灰色の長い毛並みをしたその猫は、興味深そうにその猫じゃらしを眺めると、辛抱が切れたように飛びついてくる。
「怖くないですよー、一緒にいると楽しいですよー。」
 両足で抱えるように猫じゃらしを捕まえた猫に笑みを浮かべた真琴は、お腹を見せて転げまわりながら遊ぶその子にころころとボールを転がす。
 新しいおもちゃに興味を惹かれ、パッと猫じゃらしからボールに飛びつく灰猫。捕まえたボールと一緒に転げまわりながら、ガジガジと噛みつく。とても楽しそうにじゃれつく猫に、真琴も同じように楽しく思った。

 ひとしきり一緒に遊んだその子にお礼としておやつを差し出す。遊んでお腹が空いていたのか、喜んで吸い付きすぐに食べてしまう。まだないのか、と差し出されたままの手をぺろぺろと小さな舌が舐め回す感触はとてもくすぐったい。
「くすぐったいですよー、でもありがとうです。」
 空いた手で猫の小さな頭を撫でる。気持ちよさそうに目を細めた猫を眺めながら、暫し撫でているとうとうととその子が船をこぎ出した。
「あやや?気持ち良くて眠くなったのですか?大丈夫ですよ、ゆっくりおやすみなさいなのです。」
 満足気に眠る猫を、同じように満たされた表情で撫でながら、真琴はゆっくりと流れる時を満喫した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

赤月・句穏
迷子の途中でふらふら立ち寄ります。

「ねこさん。」
(じぃーーーーーーー。っと、見つめて肉球ふにふにしたいので手を出します)
シャーァァっていわれたら 涙目になってしょんぼりして離れます。

ねこさんー。
(再度挑戦して、手を伸ばす。触れそうなら そぉっと、もふもふ)

「可愛いこです。うちの猫さんになりますか?」
首をこてんと傾け
視線を猫のほうまで下げてじーーーーっ。


明日葉・雅
私だけの力ではありませんから……
あーくん、猫はお好きですか?私は大好きです。
一緒に愛でるのはいかがでしょうか?
可愛らしい猫ちゃんばかりですね。
ふふ、一緒に日向ぼっこでもしませんか?幸せな夢がみれそうです。

みーちゃんに誘われたならそりゃ、一緒に愛でてやるさ。が、俺はそこまで好きでもねぇなぁ。
登ってくるならそのままにするさ。
寝ちまうみーちゃんと猫どもを見守りながら俺はくつろがせてもらうかね。
泡沫の平穏くらい、満喫させてやるさ。



その光景を赤月・句穏(界渡りの旅行者・f05226)が目撃したのは偶然だった。街角の猫カフェで、共に邪神と戦った猟兵が猫と楽し気に戯れている姿。明日葉・雅(多重人格者の咎人殺し・f07590)が二人に分かれて猫と遊んでいる、或いはじゃれている。
 羨ましい…。
「ねこさん。」
 ふらーっと思わず、探し人がいるのも忘れて猫カフェに立ち寄る。ふらふらと近づき、しゃがみこんだ句穏は猫に手を差し出す。じーーーーーっと視線から音が聞こえそうなほどの熱視線。思わず猫も全力で警戒したようで「シャーーッ!!」と威嚇されてしまった。
「ねこさん…。」
 拒絶されたショックからしょげてしまった彼女はしょんぼりとして隅っこに行ってしまった。

「あーくん、猫はお好きですか?」
 暖かい日向に座り、膝に乗せた猫の背を撫でながら雅は半身である明日葉に問いかけた。
「俺はそこまで好きじゃねぇなぁ…みーちゃんに誘われたなら、一緒に愛でてやるけどな。」
 手出しをしてこない明日葉はまるで普段見ない大きなおもちゃだとでも思ったのか、猫は人の子供がアスレチックで遊ぶように背中から登っていく。
 よじよじと苦戦しながら登っていく様子に、微笑まし気に見守る雅。あと羨まし気に遠くから見ている句穏。
「爪は立てるんじゃねぇぞ?」
 その言葉が通じたのか、幸い猫は爪で引っ掻くことなく明日葉の登頂に成功、満足気に頭に座り込み、くつろぎ始める。
「ふふ、それじゃ一緒に日向ぼっこでもしましょうか。」
 幸せな夢が見れそうだと言う雅を見ながら、明日葉もつかの間の平穏を満喫した。

「ねこさんー。」
 明日葉と雅が猫と遊ぶ様子を眺め、句穏も再度、猫へと挑戦する。先程のような強烈な気配がしないように。優しく穏やかに。
 伸ばされた手にゆっくりと、威嚇した猫が近づいていく。指先をくんくんと臭いを嗅いで、ぺろりと舐める。
 威嚇しないし逃げようとしない猫の様子に、安心した様子で句穏も手を伸ばして撫でる。
 もふもふ、もふもふ。ふかふかの手触りは実に心地良い。
「可愛いこです。うちの猫さんになりますか?」
 首をこてん、と傾けて。猫に視線を合わせてじ――――っと問いかける。わかっているのかいないのか。目を合わせていた猫も合わせてこてん、と首を傾ける。
 うちの子にならなくても可愛いからいいか。そう思い、句穏も迷子の合間の穏やかな時間を楽しんだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月08日


挿絵イラスト