バトルオブフラワーズ⑦〜桃色天使に恋歌(ラブソング)を
「おうお前ら、歌は得意か?」
昨今のキマイラフューチャーの騒ぎで大わらわの中、藤間・英(縦横無尽の語り部・f13788)は至極真面目にそう尋ねた。
「どうにも厄介な敵が現れてな。今度の討伐じゃ、とにかく歌ったもん勝ちらしい」
ばらりと彼が見せる絵は、今回は随分華やかだ。キマイラフューチャーらしいポップな極彩色の中、桃色の髪の愛らしい少女がウィンクを投げている。
「これが、今回予知したオブリビオン――天竺牡丹だ。これがまぁ、たいそう魅惑の、甘い歌声の別嬪でな……。『一緒にがんばろ?』だとか言われた日には心臓持って行かれるかと思ったぐらいだ。こんな逸材、滅多にお目にかかれん」
敵の説明なのかアイドルの説明なのか曖昧になる勢いで、藤間は切々と語る。
「で、今回お前さんらに頼みたいのは、彼女との歌合戦、そして討伐だ」
曰く、
『この戦場では、戦闘中、常に『自分自身を奮い立たせる歌』を歌い続けなければならない』
という特殊な状況下にあるらしい。
「歌を歌わずに攻撃しても何の効果もないそうだ。この際音痴でも何でも構わん、とにかく思いのたけを歌に乗せて叫びながら、攻撃することが肝要になる」
例えばだ、と、藤間は言う。
「自分の抱えている秘密を歌に乗せて勇壮に歌い上げてもいい。惚れた相手への恋歌なんか効果抜群だ。強い感情が乗れば乗るほど、攻撃の力も一層増すって寸法だ」
「だがしかし、気をつけろよ」
藤間は剣呑に言い添える。
「この天竺牡丹って女、相当な遣り手だ。自身に強い恋慕を抱かせることで配下を増やすのがやり口なんだが、とにかく可愛くて仕方ない」
飲まれているのかいないのか分からない口ぶりで、藤間は警告を発する。
「ともあれ、歌う諸君らに勝利あれ、だ。凱歌を聞けることを祈ってるぜ」
千歳アキラ
どうもこんにちは。GWも折り返しに差し掛かりましたね。
張り切ってキマイラフューチャーを守ってゆきましょう!
このシナリオフレームでは、『パッショネイトソング』という特殊戦闘ルールが適用されます。
この戦場では、戦闘中、常に『自分自身を奮い立たせる歌』を歌い続けなければなりません。
歌を歌わずに行った攻撃は、効果を発揮しません。
『秘密にしている事をカミングアウト』したり『恋人への告白を歌にして捧げる』など、強い思いを歌に乗せる事ができれば、より強力な攻撃を行う事が出来るでしょう。
皆様の熱い思いの丈を存分に歌い上げながらの善戦、楽しみにしております。
第1章 ボス戦
『天竺牡丹』
|
POW : わたしのモノになっちゃえ!
【天竺牡丹に恋する矢】が命中した対象に対し、高威力高命中の【恋慕の情】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD : 大活躍の予感!
予め【使い魔の時計版がぐるぐる回る】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
WIZ : 一緒にがんばろ?
【異性を魅了する声と仕草】を聞いて共感した対象全ての戦闘力を増強する。
イラスト:彩
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「宇冠・由」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ロベリア・エカルラート
●心情
ふふっ、随分と私好みの戦場だね
相手も何やら歌や人を魅了するのが得意だったりするみたいだし、どっちが上か確かめてみようか
●戦闘
【歌唱50、鼓舞28、誘惑25、存在感20、恥ずかしさ耐性3】
まずはユーベルコードを発動
周囲をイバラで囲って私自身を強化するよ
歌うのは恋の歌
私をこのイバラの城から連れ出してくれた人への想いを歌う
彼から託されたこの剣に掛けて、私は負けはしない……ってね
出来れば周りの仲間も鼓舞できる形で歌いたいな
基本的な攻撃は鋏型の剣【ロメオジュリエッタ】での白兵戦
接近戦で余計なことをする暇を与えずに追い詰める
……ああ、ちなみに私は役者だからね
歌の内容が私の事とは限らないよ?
ロベリア・エカルラート(花言葉は悪意・f00692)は敵の姿を確認してにこりと微笑んで見せた。
天竺牡丹がかわいらしいマイクを持ってロベリアを迎え撃つ。
「おねぇさん」
甘い声で天竺牡丹は言った。
「今日は私の歌を、たぁっぷり聞いていってね」
「構わないよ」
ロベリアは余裕を崩さない。
「私好みの戦場で後れを取るつもりもないしね。さぁ、どちらが上か、確かめてみようか」
言うなり、ロベリアはユーベルコードを発動させる。
『眠り姫の夢(レーヴ・ドゥ・ターリア)』
茨の壁がたちまち戦場を覆いつくしてゆき、ロベリアの歌姫としての舞台が整う。
「う……」
天竺牡丹が難しい顔をする。
「やだぁ、とげとげして怖~い」
挑発に、ロベリアは嘲笑を返した。
「幼稚なお嬢ちゃんには、まだ難しいかもね?」
ロベリアは目を閉じ、呼吸を整える。そして朗々と歌い始めた。
「茨の奥 凍えた心でいた私に
ただ一人 あなたが手を差し伸べた」
天竺牡丹は負けずに歌い始めようとしたが、その間にロベリアが間合いを詰める。
茨に巻かれた歪な刃――ロメオジュリエッタが、天竺牡丹の頬を掠めていく。
「やだッ」
天竺牡丹が後ろに飛びのくが、ロベリアは逃げを赦さない。
「あなたのおかげで 光を知った
ぬくもりも 喜びも
それを守るための意思も」
天竺牡丹はマイクを持つ。そして周囲の人間に向かって
「みんな~っ! ボタンに力を貸してっ!」
異性を魅了する術を発動させようとしたが、周囲が天竺牡丹の存在に気が付く前に、ロベリアがその身体を軽く蹴り飛ばした。
「キャッ」
倒れた天竺牡丹に、無数の茨が傷をつける。
天竺牡丹は涙目になってロベリアを見つめた。
「あなたは最期に この剣をくれた
私はあなたを忘れぬ限り
あなたの愛したものを 守ろう
あなたが私を信じる限り
私は誰にも 負けないから」
「やめっ、……!」
天竺牡丹の命乞い虚しく、ロベリアの一閃がその腕に傷を負わせる。
「キャア!!」
天竺牡丹は悲鳴を上げて戦場から逃げ出した。
「やれやれ」
ロベリアは剣を収めた。
そして、心配そうに彼女を見る聴衆ににこりと微笑んで見せる。
「何て顔してるの。私は役者だからね。さっきの歌、もしかして私のことだと思った?」
子どものあどけなさと大人の艶っぽさとの混じった笑顔に、聴衆は照れたように下を向いた。
大成功
🔵🔵🔵
ナターシャ・フォーサイス
WIZ
我々が目指し、導くのは楽園。
痛みも悲しみも苦しみも不要な理想郷。
ですから、それを天使たちと歌いましょう。賛美しましょう。
時に荘厳に、時に美しく、時に慈しみと共に。
往きましょう、生けるものは己が足で、哀れな魂は我々と共に。
生けるもの、死せるもの、我らが目指す理想郷は、主は、等しく受け入れてくださるのですから。
まやかしに惑わされる必要はありません。皆で楽園を目指しましょう。
ですが私は、残念ながらまだ導かれるわけにはいきません。
それは使徒として、導き手としての責。
役目を果たし、来るべき時まで導き続けなければならないのですから。
ですからどうか、楽園への道行きに加わる貴方にも、幸多からんことを。
ナターシャ・フォーサイス(楽園への導き手・f03983)は天竺牡丹の前へその姿を現した。
天の使い――そうよばれるに相応しい存在感と美しさを備え、彼女は穏やかに微笑んだ。
「あなた、だぁれ?」
天竺牡丹は問いかけたが、すぐに敵だと気が付き、マイクを手に取る。
「争いなど、元来無用なのですよ」
ナターシャは優しく微笑み、穏やかに語りかける。
「我々が目指し、導くのは楽園。痛みも悲しみも苦しみも不要な理想郷……。ですから、それを天使たちと歌いましょう。賛美しましょう」
「理想郷?」
天竺牡丹は興味を惹かれた様子だった。
「それってとても、楽しくて素敵だね」
だけど、と、天竺牡丹は付け加える。
「センターでスポットライトを浴びるのは、あなたじゃなくて、牡丹だもんっ」
天竺牡丹は息を吸い込んで、歌声をナターシャにぶつけながら周囲へ魅了の術を解き放つ。
ナターシャはそれを見て、楽園への使者(サモン・サルヴェイション)を発動させる。100を超える小さな【天使の眷属】が現れ、天竺牡丹を取り囲んだ。
その眷属たちを、ナターシャの歌声が力づけてゆく。
「時に荘厳に 時に美しく 時に慈しみと共に
往きましょう 生けるものは己が足で 哀れな魂は我々と共に
生けるもの 死せるもの 我らが目指す理想郷は
主は
等しく受け入れてくださるのですから」
天使の眷属たちが次々と天竺牡丹に攻撃を当てていく。
「くっ……!」
天竺牡丹の攻撃一発で眷属は消えてしまうが、数で圧されてしまうと分が悪いようだった。
「まやかしに惑わされる必要はありません」
ナターシャの言葉は天竺牡丹の甘い幻惑を打ち砕くように真っすぐ響く。
「皆で楽園を目指しましょう」
「きゃぁっ!!」
眷属の攻撃を受け、天竺牡丹が膝をついた。
「何よ、天国へ、なんて……! 結局、やってることは戦じゃない!」
そう叫び、天竺牡丹が身体を起こす。
そしてナターシャへ向かって弓矢をつがえた。
だがその矢も、眷属たちによって撃ち落される。
「私は、残念ながらまだ導かれるわけにはいきません。それは使徒として、導き手としての責」
ナターシャの声は、どこまでも穏やかだった。
「役目を果たし、来るべき時まで導き続けなければならないのですから」
そしてナターシャは、敵に向けるにはふさわしくない、自愛の笑みを浮かべたのだった。
「ですからどうか、楽園への道行きに加わる貴女にも、幸多からんことを」
大成功
🔵🔵🔵
夕闇霧・空音
【アドリブ・歌の歌詞などのアドリブも歓迎します】
愛する者への歌…私に任せるといいわ。
UDCアースで共に暮す愛する妹、その名は天音…
私の思いを可愛い妹に届けとばかりに歌い上げてみせるわ。
ずっと昔から好きだったことも運命の相手と決めるほどの思いも
何もかもを全て目の前の人たちに対して歌い上げる
この全身を駆け巡る思いはその愛を守り抜きたいという思い!
せっかくだから毎日オフロに入ってることも同じベッドで寝てることも
後、あーんしたりさせたりゲームも一緒に仲良くやってたりと歌うわ。
それを邪魔するようならユーベルコードで動きを止めさせてもらうわ。
ステージで高らかに歌い周囲を魅了し続ける天竺牡丹の前に、夕闇霧・空音(凶風・f00424)が颯爽と現れた。
「愛する者への歌…私に任せるといいわ」
任務を受けたとき、彼女はそう自信たっぷりに微笑んでいた。
「UDCアースで共に暮す愛する妹、天音…私の思いを可愛い妹に届けとばかりに歌い上げてみせる!」
夕闇霧は妹を溺愛している。そのために風魔衆の過酷な訓練にも耐え、今日か改造手術からも無事生還を果たしたほどだ。
同じ親から生まれたにも関わらず、ずっと昔から愛していたことも、彼女を運命の相手と決め愛の巣のような隠れ里でともに生きている幸せも、何もかもが夕闇霧に力を与えていた。
「貴女に分かるかしら、私の全身を駆け巡る思い! 妹との愛を守り抜きたいという思い!」
天竺牡丹は面食らった顔をした。
「い、妹!?」
構わず、夕闇霧はそばに転がっていたマイクを手に取る。
「世界で一番好きなのは 私の心臓が鼓動する意味は
すべてすべて 天音のため
天音のためなら私 空だって飛べるわ」
思いがけないラブソングに動揺する天竺牡丹に夕闇霧は追い打ちをかけるように歌い上げていく。
「生まれた瞬間分かったの あなたを愛するために生きるんだって
あなたを守り 愛し続ける日々が続くなら
隠れ里だって まるで楽園
二人きりの 甘いスイートルームで抱きしめ合って眠るの
銀のさじであなたに ケーキをあげて
二人きりで 毎晩遊ぶの」
天竺牡丹は既に及び腰だった。だが何人かの聴衆が夕闇霧に声援を飛ばし始めたのを見て、反撃に出ようとする。
「ステージを邪魔するなんて許さない! ここはァ、牡丹のことだけ愛するショーなんだからっ!」
【天竺牡丹に恋する矢】が、真っすぐに夕闇霧の心臓をめがけていく。
「くぅ……ッ!」
矢は確かに、夕闇霧の心臓を射抜いた。
夕闇霧はがくりと膝をついた。そしてゆっくりと、身体を起こす。
「どう、これで牡丹のとりこに……!」
だが、夕闇霧の言葉は天竺牡丹の予想の上をいった。
「天音への愛の! 邪魔を! しないで……!!」
一言でいうならばブチ切れだった。
「フリーズゼロ!!」
夕闇霧は瞬く間にユーベルコードを展開し、天竺牡丹めがけて絶対零度の光線を放ちまくる。
「ちょっ、ちょっと!?」
「耳障りなのよ!! 毎日一緒にお風呂入って天音の背中流してあげてる大事なくだりで邪魔するなんてもう手加減抜きよ!!」
「キャアアッ!!」
絶対零度の光を受けて、天竺牡丹の動きが止まる。
「さぁ」
夕闇霧はマイクを握り、凛とした声を響かせた。
「アンコールはいかが?」
聴衆から歓声が上がった。
大成功
🔵🔵🔵
月園・なつき
歌いながら戦う?
音楽を愛する者としてこの勝負、負ける訳にはいかないねぇ。
私は!音楽を!愛している!
言うなれば音楽が恋人のようなもんさ
その想い、私の全身で表現しようじゃないか!
私はブラックタールである私自身を楽器として変化、私自身が音楽を生み出し、そこに魂を込めて歌にするよ!
さあ、心に刻み込んで!「慈愛賛歌」!!
他の猟兵仲間も奮い立たせるよ!
音楽にかける情熱、信念、誇りを全て歌に込めてぶつけよう!
私は音楽が大好きだああああ!
歌とともに全力のヘッドバンキングで頭突きで攻撃!
さあ、私の思い、受け止めてみなさい!!
「歌いながら戦う?」
出撃前の説明を聞いて、月園・なつき(という名の楽器・f10224)の胸は高鳴った。
月園ほど、音楽を愛し、音楽のために文字通り「身を」粉にするものはそう多くないだろう。
なにせ彼女は、音楽の技術だけでなく、楽器そのものに対する知識も豊富だ。その特殊な演奏技法のため、楽器の構造まで知り尽くしている。
月園はにっと笑って宣言した。
「音楽を愛する者としてこの勝負、負ける訳にはいかないねぇ」
現地ではすでに天竺牡丹が甘い歌声を響かせていた。
次々と聴衆たちが信者となり、愛くるしい姿にたぶらかされている。
月園はその場に颯爽と現れた。
「天竺牡丹! 勝負!」
天竺牡丹が月園を振り返る。そしてかわいらしくウィンクを飛ばした。
「へぇ……楽しそうじゃなァい。受けて立つわ♪」
天竺牡丹はマイクを握り、月園を真っすぐ見つめる。
「私の音楽の『信者』たちと、あなたの音楽……どっちが勝つかしら?」
そして周囲へかわいらしい声を飛ばした。
「みんな~! 牡丹と『一緒に、がんばろ?』」
声援が湧き上がり、天竺牡丹に魅了された異性たちがわらわらと集まってくる。
天竺牡丹の奏でる音楽に、月園は眉根を寄せた。
「キミの音楽は、まるで奴隷だね」
そして朗々と声を張った。
「私は! 音楽を! 愛している! 言うなれば音楽が恋人のようなもんさ!」
天竺牡丹の歌声が止まり、彼女に魅了されていた男たちの動きが一瞬止まる。
その隙を逃さず、月園は高らかに宣言した。
「私の音楽への愛、この熱い想い……私の全身で表現しようじゃないか!」
途端、ブラックタールである月園の身体がぐにゃりと変化した。
身体の一部がギターと化し、月園はそれをゆったりと構えて天竺牡丹に向かって声を張った。
「さあ、心に刻み込んで……!「慈愛賛歌」!!」
月園の指が軽やかにピックを操り、聞く者をハッとさせる音色を奏でる。
「音楽にかける情熱、信念、誇りを全て歌に込めてぶつける……!」
音楽は徐々にヒートしてゆく。それは聴衆の胸まで熱くし、月園が音楽にかける情熱と愛情の強さへの称賛を生んだ。
「これが私の! 音楽だ!! 私は音楽が大好きだああああ!!!」
月園は一気に天竺牡丹へ駆け寄る。
月園の音楽に聞きほれていた天竺牡丹の動きが遅れた。逃げそびれた彼女に、月園は全力のヘッドバンキングで頭突きをたたき込む。
「さあ、私の思い、受け止めてみなさい!!」
「ぐぅっ……!」
気絶して再起不能となった天竺牡丹の姿を見た聴衆たちが、ざわざわと離れてゆく。
カリスマ性を喪失したアイドルの最後は、惨めなものだ。
「音楽は人を操る道具なんかじゃない」
きっぱりと言い放つ月園に、アンコールを求める歓声が沸いた。
大成功
🔵🔵🔵