バトルオブフラワーズ⑦〜唄えヒーローソング
●バトルオブフラワーズ⑦〜唄えヒーローソング
ダン ダダダ ダダダダ!
ダン ダダダ ダラダラ!
おいら達、悪党、ダンダダダ!
全ての財宝、奪って無駄に使ってやる!
おいら達、悪党、ダンダダダ!
羨ましいだろ宝石嵐!
金で解決気持ちいい!
ダン ダダダ ダダダダ!
ダン ダダダ ダラダラ!
いくつものライトに照らされた野外のザ・ステージに悪の歌声が響き渡る。
それもそのはず。このステージは『コウハクウタガッセン』と言う特殊ルールが適用される。歌を歌いながら戦う事で戦闘力が上昇すると共に、ダメージを受けても倒れる事無く戦い続ける事ができると言うルールだ。
また、このステージでの戦闘はテレビウム・ロックで救出したテレビウムの画面を通して、キマイラフューチャー中に中継されており、猟兵とオブリビオンのどちらの歌が素晴らしかったかが自動的に判定されると言う。歌の判定に敗北した側は、戦闘中に受けたダメージが一気に襲い掛かり、全員が戦闘不能になって敗北してしまう。
ならば歌うしかない。
そう、正義の歌を!
●コウハクウタガッセン
「そんなわけで、予知したんだよ。金庫怪人、おサイフ怪人、ジュエリー怪人が、悪の歌を歌いながら戦うステージね」
ルビナ・ベイビーブルー(スペースノイドの電脳魔術士・f01646)は、集まった猟兵たちに説明を始めた。
すでに知っている者もいると思うが、キマイラフューチャーでは今まさに驚異の大戦争『バトルオブフラワーズ』の真っ最中だ。周囲を守る6つの『ザ・ステージ』を全てオブリビオンから取り戻さない限り、目的地である『システム・フラワーズ』にたどり着くことはできない。ザ・ステージにはそれぞれ「特殊な戦闘ルール」があり、敵を倒しても敗北条件を満たすと謎の力で追い出され、強制敗北になってしまうとのこと。
今回ルビナが予知したのは、ザ・サウンドステージでの戦いだ。『コウハクウタガッセン』と言う特殊ルールが適用されるステージであり、歌わずに戦った場合は、かなり不利になる。猟兵とオブリビオン、どちらの歌が素晴らしかったかは公平に判定されるとのこと。
「敵は悪を前面に押し出した歌を歌ってくるよ! これに対抗するには、やっぱり正義の歌かな? 敵との差を明確にして、歌の勝負で勝ちたいよね! もちろん、自分がこれぞって思う歌を歌っても大丈夫だから、素敵な歌を響かせながら戦ってほしいんだ」
歌の勝負に勝つことができれば、戦い計ったも同然。
「歌の勝負に勝てば、相手に戦闘中のダメージが襲い掛かるんだ! 攻撃しておかないとダメージがないから、歌いながら戦う必要はあるからね。そこだけ注意してください」
ルビナは拳を握り締める。
「それじゃあ、皆、よろしくね! 素敵な歌で怪人たちをやっつけちゃって!」
そう言って、説明を終えた。
陵かなめ
こんにちは、よろしくお願いします。
リアイベ『バトルオブフラワーズ』のシナリオ、ザ・サウンドステージの集団戦になります。
怪人たちは悪の歌を歌って戦いを挑んできますので、歌いながら戦ってください。
正義の歌でも、自分のベストソングでも、大歓迎です。キマイラフューチャー中に歌声を響かせましょう。なお、歌詞はオリジナルのものでよろしくお願いします。
それでは、プレイングをお待ちしております。
第1章 集団戦
『マニーギャザラーズ』
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POW : 金庫怪人・ウェポン
【金庫兵器】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD : おサイフ怪人・ジェノサイド
【おサイフ攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ : ジュエリー怪人・リフレクション
対象のユーベルコードに対し【ジュエリー】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
イラスト:まめのきなこ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ザック・ホークショウ
アドリブ連携歓迎!
歌合戦か!
こういう戦いもあるんだな
オレも歌ならやれる、頑張るぞ!
ギター型のサウンドウェポンを持ってステージに行くぞ
そして【存在感】を出しながら全力の【パフォーマンス】だ!
相手がお金関連で悪いこと自慢する歌みたいだから、それに対抗する歌を歌おう
悪いこと自慢とかカッコ悪いぜ
そもそも金じゃなんでも解決しない
オレの家は金はないけど毎日楽しいぜ
だからってお前らの悪事は見逃せないけど!
皆を苦しめるなら容赦しないぜ!
歌詞はその……即興だから凝ってはないかもしれないけど!
【気合い】なら負けないぜ!
戦闘になればその気合いのまま【スーパー・ジャスティス】!
全力の拳をお見舞いするぜ!
●気合の歌
「歌合戦か! こういう戦いもあるんだな」
そう言って、まずステージに飛び込んできたのはザック・ホークショウ(ディストーション・ライトニング・f16508)だった。
対するマニーギャザラーズは、悪いポーズを決めて迫ってきた。
「誰が来たところでアタシ達の勝ちでしょ」
「くくく。聞かせてやるよ、悪の歌」
三体はさっそく歌い始める。
――おいら達、悪党、ダンダダダ!
それは正真正銘悪の歌。しかも、金銭関連の悪自慢だ。
歌いながら飛び掛かって来る金庫怪人を避け、ザックはギター型のサウンドウェポンを手にした。歌ならやれる。頑張ると、存在感を示しながらパフォーマンスを始める。
「お金関連で悪いこと自慢だな。それじゃあ、対抗する歌だ!」
――悪いこと自慢とかカッコ悪いぜ
――そもそも金じゃなんでも解決しない
ザックの元気な歌声がステージに響き渡った。
「くっ、この勢いのある歌は?!」
「押されるな! 歌え歌え!」
怪人たちも悪の歌で対抗しながら攻撃を仕掛けてくる。
「そんな粗削りな歌、俺達にはかなわないさ!」
確かに。
敵の言う通り、ザックの歌詞は即興ゆえ凝った技法を盛り込んでいるわけではない。
だが、その勢いも、気合も、決して悪に負けるものではないのだ。
――オレの家は金はないけど毎日楽しいぜ
――だからってお前らの悪事は見逃せないけど!
ザックは歌いながら敵の懐に飛び込んでいく。怪人たちは応戦の構えだ。
――皆を苦しめるなら容赦しないぜ!
力強い歌声と共に、ザックの拳が怪人の体を抉った。
「く、この気合……凄いッ」
よろめく怪人。
「気合いなら負けないぜ!」
ザックが再びギターをかき鳴らす。歌声と気合が徐々に敵を押し始めた。
金で解決する歌を歌う怪人。宝石を強奪する歌を歌う怪人。そんな、皆を苦しめる様な歌を響かせる怪人たちを、容赦などしない。
気合は十分だ。
ザックは高まった勢いのままスーパー・ジャスティスを発動させた。
瞬間、全身が黄金のオーラで覆われる。
「ま、まぶしいッ」
思わず怪人がよろめいた。それを見てザックが拳を握り締める。
「全力の拳をお見舞いするぜ!」
そう言って、思い切り拳を振りかぶった。これは戦闘力を増強させるユーベルコード。そして、今、ザックの気合は極限まで高まっていた。
意志の力で増強した拳で怪人を殴りつける。
怪人は悲鳴を上げて空に吹き飛んでいった。
大成功
🔵🔵🔵
アリルティリア・アリルアノン
※キラキラ✨とびっきりスマイル
ドキドキ💓 とどけ!きみのハートに
リアルな・ミラクル・ハジマル!
バーチャル魔法少女(ウィッチ) アリルちゃん
きらめくデータの向こう側から
リアルな世界にHELLO WORLD!
クヨクヨ💧モヤモヤ☁️ネガティブなイメージなんて
ハッピー🌞なメモリーで上書きしちゃお☆
ひとりじゃスペック足りないし💦
そんな時はみんなでシェアすればほら!
きっとなんだって出来ちゃうね!
※繰り返し
これがアリルのオリジナルテーマソング
『バーチャル魔法少女アリルちゃん』です!
歌っている間に光の花びらが舞いますが、
これはただの演出ではありません!
攻撃も兼ねたれっきとしたユーベルコードなんです!
●バーチャル魔法少女アリルちゃん
吹き飛んでいった怪人は、すぐにステージに舞い戻ってきた。歌い続けている限り、歌バトルの決着がつかない限り、倒れることは無いのだ。
まだ悪の歌は止まない。
そんなステージに、光の花びらが舞った。
「かがやく正義の花よ舞え!」
それはアリルティリア・アリルアノン(バーチャル魔法少女アリルちゃん・f00639)の声。
「ななな、なんだ、この……花びら?」
怪人たちが騒めく。
相変わらず悪の歌は響いている。けれど――。
――キラキラ✨ とびっきりスマイル♪
アリルティリアは歌い出した。
――ドキドキ💓 とどけ! きみのハートに
――リアルな・ミラクル・ハジマル!
――バーチャル魔法少女(ウィッチ) アリルちゃん
これはアリルティリアのオリジナルテーマソング『バーチャル魔法少女アリルちゃん』だ。
煌めき、輝くような歌詞とメロディがステージを駆け巡る。光の花びらも、ますますキラキラと輝いてステージ上をくるくると回る。
アリルティリアの歌に対抗するために歌っていた怪人たちが、ここで花びらを振り払いながら悲鳴を上げた。
「いや、いやいやいや。何かこの光の花びら、痛っ」
「この、キラキラはいったい?!」
それもそのはず。
この光の花びらはただの演出ではない。アリルティリアのユーベルコード・ホログラフィックペタルなのだから。自身の装備武器を無数の光の花びらに変え攻撃しているのだ。
――きらめくデータの向こう側から
――リアルな世界にHELLO WORLD!
アリルティリアがステージでくるりとターンする。すると、それに合わせるように花びらが舞って怪人たちを次々に攻撃した。アリルティリアはステップを踏んで更に歌い続ける。
――クヨクヨ💧 モヤモヤ☁️ ネガティブなイメージなんて
――ハッピー🌞 なメモリーで上書きしちゃお☆
歌詞に合わせて腕を上下させ、最後には拳を突き上げポーズ。
「く、この、光は」
「何とか、歌えッ。歌わなければッ」
怪人たちは必死に悪の歌を歌い続ける。
「でもでも、まだまだ行きます!」
アリルティリアは更に楽しく、更にキラキラと歌声を響かせた。
――ひとりじゃスペック足りないし💦
――そんな時はみんなでシェアすればほら!
――きっとなんだって出来ちゃうね!
『バーチャル魔法少女アリルちゃん』のテーマソングは、繰り返しステージに響いた。
猟兵たちの歌に気圧されて、怪人たちはすっかり委縮しながら、小さな声で悪の歌を歌っている。
その姿を中継で見ている者が居たら、きっと、悪って格好悪いんじゃないかな、と思ったに違いなかった。
大成功
🔵🔵🔵
デュラン・ダグラス
【アドリブ・絡み・協力OK】
歌は素人だが、ヒーローをお呼びとあっちゃ放っとけねェぜ!
【POW】
人を害する悪意の歌なんざ、響かせたくねェな!
UC使ってから『ガトリングガン』撃ちまくったり『グレートソード』でぶっ飛ばしたりするぜ。
歌うのは、笑顔のためにヒーローは居るぜって感じの歌。
キレイ系っつーより豪快系、ジャンルとかわからんが重要なのはノリだノリ!
歌途切れそうになったら、リズムよく武器ぶっ放して間奏っぽくするぜ。
『いつの時代も悪はあり、いつの時代も善がある』
『悪がもたらす悲しい涙、拭うための手はここに』
『涙で沈んだ世界より、皆で笑う世界がいい』
『笑顔で食卓囲むため、笑顔で迎える明日のため!』
●笑顔のためにヒーローは
デュラン・ダグラス(Dracaena Dragon・f16745)はステージを見上げ表情を引き締めた。
「歌は素人だが、ヒーローをお呼びとあっちゃ放っとけねェぜ!」
ステージ上では、弱々しくもまだ悪の歌が響いている。人から財宝を奪い、金で解決することを称賛するようなあくどい歌を、キマイラフューチャー中に中継されているのだ。
デュランは地面を蹴って勢い良くステージに跳んだ。
「くっ、新手か!」
怪人たちは歌いながら構えを取る。
「ふ、ふん……また、何たら光がどうこうとか歌うつもりか」
じりじりと後退しながらも、怪人たちは歌を止めなかった。
デュランは怪人たちの歌を聞きながらガトリングガンをしっかりと構える。
「人を害する悪意の歌なんざ、響かせたくねェ、許しちゃおけねぇなァ!」
これは悪の歌で人を害する怪人への怒り。デュランは一気にその怒りを爆発させた。
ユーベルコード・ドラセナ・レイジ。
デュランの体が増大し、戦う力も爆発的に向上した。
「ええ?!」
怪人たちが動揺する。
そして、デュランは豪快に歌い始めた。
――いつの時代も悪はあり、いつの時代も善がある
その歌に合わせて、一気にガトリングガンをぶちかました。激しい銃弾の嵐が怪人たちに襲い掛かる。
「ああああああ」
「まって、まって、まって」
怪人たちが弾丸を身体に受けながら逃げ惑った。
「ばばば、ばか! 歌って! 歌って!」
比較的弾丸の被害の少ない怪人が慌てて声を張り上げる。
「てめぇ、まだ歌うってのか!」
デュランは次にグレートソードを振り、近くにいた怪人に襲い掛かった。
――悪がもたらす悲しい涙、拭うための手はここに
ジャンルや細かい歌のどうこうは詳しくは分からない。だが、重要なのはノリだとデュランは思う。豪快に歌を歌いあげ、デュランはステージ上を走った。
そして金庫怪人の横腹を狙って大剣で横薙ぎにする。怪人は大きく吹き飛んでステージの壁に激突した。そしてズルズルと床に落ちて、何とか立ち上がる。
「くっ、こうなったらやってやる!」
怒りに震えた怪人がデュランに向かってきた。
デュランは横に跳び、回転しながらガトリングガンを乱射する。さすがに回転中は歌を止め、その代わりに銃弾をリズム良く撃ち込んだ。
「ぐぐぐ、着弾の音を間奏にするとは……ッ」
怪人は体にリズム良く穴を開けられながら、その機転に目を見張る。
ガトリングガンを撃ち、グレートソードを振るいながら、デュランは怪人を滅多打ちにした。
――涙で沈んだ世界より、皆で笑う世界がいい
――笑顔で食卓囲むため、笑顔で迎える明日のため!
デュランの豪快な歌はいつまでもステージ上に響いていた。笑顔のためにヒーローは居るのだから。
大成功
🔵🔵🔵
山田・キリン
キリンさんはアートがマイブームだけど、歌だって好きだぜ
【ガチキマイラ】で尻尾をライオンの頭にして、ライオン頭も一緒に歌うぞ!
メインはキリンさんでコーラスがライオンさんな!
鼻歌交じりのご機嫌ソングだぜ
そーら行くぞ! 皆の元へ すぐいくぞー!(GO!)
みんなが大好き みんなをお助け
キリンサンダー☆キリンさんだ!
自慢の尻尾でぺったぺた(ぺったぺた)
カッコイーお口でがっぶがぶ~(がっぶがぶ~)
リズムに乗って尻尾で叩いて、お口で噛み付いて攻撃だ!
お財布が開きそうになってもがぶっと噛んで塞いじゃうぞ!
悪の歌を歌うんなら、もうちょいカッコイー悪ってのを研究してから歌うんだったな!
●ご機嫌ソング
ステージの上では勢いを無くした怪人たちが、それでも肩を寄せ合い悪の歌を歌い続けているようだ。その姿は、山田・キリン(キリンさんだ・f14194)にはとても格好いいものとは思えない。
さて、そんなステージにキリンも跳んだ。
「キリンさんはアートがマイブームだけど、歌だって好きだぜ」
「また来たのか! だだだ、だが、悪の歌を歌えば!」
怪人たちがとても動揺しているのが分かる。とは言え、まだ悪の歌は止まず、敵は抗戦の構えだ。
キリンはユーベルコード・ガチキマイラを発動する。尻尾をライオンの頭にして、大きく息を吸い込んだ。
何をする気だと構える怪人たちの目の前で、キリンが楽し気にステップを踏み出す。
「そーら行くぞ! 皆の元へ すぐいくぞー!」
ご機嫌なキリンの歌声がステージで弾んだ。
「GO!」
ライオンの頭がコーラスで盛り上げる。
――みんなが大好き みんなをお助け
――キリンサンダー☆キリンさんだ!
キリンさんの歌声とライオンさんのコーラスは、ステージをご機嫌な雰囲気に変えていく。
「GO!」
「うっ、何この楽しいステージ」
怪人たちがそわそわし始めた。
「GO! GO!」
今にもキリンの歌に合わせて踊り出しそうな雰囲気の怪人達。キリンは鼻歌交じりに歌いながら、大きくステップを踏んで怪人に近づいていった。
そこでおサイフ怪人が我に返り、キリンに飛び掛かる。
「だまされるな、アタシたちは悪の歌を歌えばいいの!」
――自慢の尻尾でぺったぺた
キリンはリズムに乗って体を反転させ、尻尾でぺたぺた相手を叩いた。
「ぺったぺた♪」
ライオンさんがコーラスを入れながら、おサイフにがぶりと噛みつく。
「んーんー、んんんー?!」
がま口部分を塞がれ、おサイフが何かを訴えた。
『これじゃあおサイフが開かない』『がま口が開かないサイフなんて!!』
と言うようなことを叫んでいるような気もするが、なにぶんがま口が塞がっているので声もくぐもっていて言葉になっていない。
――カッコイーお口でがっぶがぶ~
「がっぶがぶ~」
キリンさんが歌い、ライオンさんがコーラスを入れる。
その楽し気な歌声に、思わず金庫怪人とジュエリー怪人が頭の上で手を叩いた。
「んんーー!! んー!」
おサイフ怪人だけは、かじられた痛みを必死に訴えているようだった。
さて、キマイラフューチャー中に中継されていたこの戦い。
全員が歌い終え、ついに判定の時が来た。
デデデデデ、デン! と、派手な音が鳴り、ステージに結果表示用のモニターが下りてくる。
結果。
言うまでもなく猟兵の勝利。
同時に、派手なファンファーレが鳴り響いた。
続けてモニターには、猟兵たちの歌声に湧き上がるキマイラフューチャーの住民たちがダイジェストで映し出されていた。気合のこもった歌に沸き上がる歓声。バーチャル魔法少女のテーマソングに踊りながら答える住民の姿。豪快な歌声と共に怪人を蹴散らす姿に拍手が上がる。そして、キリンさんとライオンさんのステージに合わせて皆が躍り盛り上がっていた。
「ぐぐぐ、悪の歌が、金の力が負けるなんて」
がっくりと肩を落とす怪人達。
「悪の歌を歌うんなら、もうちょいカッコイー悪ってのを研究してから歌うんだったな!」
キリンが言うと、格好良さの欠片も無かった怪人たちが下を向く。
そして、戦闘中のダメージが突如怪人たちに襲い掛かった。
悲鳴を上げながら吹き飛んでいく怪人達。
猟兵はその姿を見て、この戦いの勝ちを実感した。
大成功
🔵🔵🔵