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バトルオブフラワーズ④〜りんごの恵みをめしあがらせろ!

#キマイラフューチャー #戦争 #バトルオブフラワーズ

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●りんごもぎもぎ、しかし食するためでなく…
 もぎもぎもぎ。もぎもぎもぎ。
 ここは山林…大きく育った数多の木々に、おいしそうなりんごが実る。実ったりんごを、ひたすらもぎる者達がいて…頭が寿司・鏡餅・ケーキな筋骨隆々マッチョの姿は、どこからどうみても怪人そのものだった。

●…もいだからにはりんご食えよぉ!(※オブリビオンへ)
「いきなりだけど、キマイラフューチャーが大ピンチにゃ!対処のために向かってもらいたいところがあるのにゃー!」
 ケットシーのグリモア猟兵、コハル・ファインギフトはその小さな体でお辞儀をしてから、画像を幾つかぺたぺた貼…るところがないからと、ユーベルコードで呼び出したのびーる猫の手達に持たせて見せつつ説明を開始した。

 大戦争『バトルオブフラワーズ』。
 キマイラフューチャーのシステム中枢『システム・フラワーズ』へと到達し、中枢を占領しているオブリビオン・フォーミュラを倒さなければならない…のだが、その前にやらねばならないことがある。
 『システム・フラワーズ』へ繋がる道、セキュリティゲートはまっぷたつになったキマイラフューチャーの間に存在するが…ゲートの周囲にある6つの『ザ・ステージ』がオブリビオン達に占拠されており、それらすべてを取り戻さなければ通れないというのだ!

「と、いうわけで…これから行く所、『ザ・ステージ』の1つを占拠するオブリビオン達を倒してほしいのにゃ!」
 今回行く先は、実り豊かな山林であり…オブリビオン達は、ひたすら山の実りである『りんご』をもぎもぎして収穫し続けている。
 奴らに一定量以上のりんご収穫をされてしまうと、オブリビオンを倒せたとしてもなぜか『猟兵達の負け』になってしまい、強制的に退去させられてしまうというのだ!
 しかも厄介なことに、行く先のオブリビオン達には『食材収穫中は攻撃が無効になる』特殊能力がある。収穫中の奴らを速攻で攻撃して倒すことはできないようだ…。
 …なら、どうすればいいのか?

「方法はあるのにゃ…オブリビオン達が収穫したりんごをちょろまかして、おいしく調理して、奴らに食わせてしまうのにゃ! そうしたら特殊能力が解除されて…皆の攻撃が通るように、倒せるようになるのにゃー!」
 収穫されたりんごは、山のように積み上げられて放置されているので、一部を回収するのは容易い。それらのりんごを使ってさえいれば、作るのはお菓子でもケーキでも何でも問題はないと思うにゃとコハルは告げる。
 おいしそうな料理ができれば、食欲を刺激されたオブリビオンが作業を中断してやってきて、その料理を食べてしまい…料理を食べた=収穫ではない行動を行ったオブリビオンからは『攻撃無効の効果が無くなる』というわけだ。

「料理に専念するもよし、食後のオブリビオンを倒すことに専念するもよし、にゃ…けど、皆戦闘だとオブリビオンが倒せないから料理する人は必須なのにゃ…どうかよろしくお願いしますにゃー!」
 そう言ってお辞儀してから、コハルは転移の為、地面ににゃんこの絵を描き始めるのだった。キマイラフューチャーの未来の為に…!


往螺おとき
 こんばんは…初めましての方は初めまして。すみっこの方のマスター、往螺おときと申します。

 今回の舞台はキマイラフューチャー…がまっぷたつになった中にある『ザ・ステージ』の1つ…④ザ・フードステージ。特殊戦闘ルールは「シュウカクフードバトル(敗北条件:一定以上の食材を収穫される)」となります。
 オブリビオン達が収穫した『りんご』を使った料理を食わせてから攻撃して倒しましょう!

 りんご以外の材料を使ってもよし・料理の種類も問いません。
 調理器具・果実以外の材料に関しては、持ち込みも現地調達もOK!

 皆様は、料理・戦闘の両方を行っても構いませんし、料理担当・戦闘担当で分担してもOK。
 (ただし、料理する人は兼任でも専門でもいいので1人以上いる必要がありますのでご注意を…!)

 ソロ希望・グループ希望、アドリブ歓迎やアドリブ無しで等の希望がありましたら、プレイングへの記載をお忘れなく。一緒に参加する方がいる場合は、その方のお名前記載もお願いします!

 今回はリアイベなので、プレイングは受け付け次第執筆予定です(書くのに時間かかったらすみません…)
 皆様の素敵なプレイング、お待ちしています…!
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第1章 集団戦 『お祝い事トリオ』

POW   :    モチ怪人・ウェポン
【モチ兵器】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    スシ怪人・ジェノサイド
【スシ攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ   :    ケーキ怪人・リフレクション
対象のユーベルコードに対し【ケーキ】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。

イラスト:まめのきなこ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

吉備・狐珀
先ずは焼きリンゴを作りましょうか。芯をくり抜いて、そこにバターと砂糖、シナモンを交互に入れて焼くだけ。
焼いている間に定番のアップルパイの準備をしましょう。リンゴを煮詰める甘い香りは本当にいい匂い。ついつい何度も味見してしまいます。
アップルパイを焼く準備が出来る頃に焼きリンゴが出来るはず。焼きたての匂いもたまりませんね。
焼きリンゴもアップルパイもアイスを添えるとさらに美味しいんですよね。
搾りたてのリンゴジュースとアップルティーも用意してみました。
本当は楽しくリンゴを味わえればいいんですが。…食べて頂いている所を攻撃するのは心苦しいですが仕方ないですね…。
※絡み、アドリブ等歓迎です


二天堂・たま
寿司、餅、ケーキ…。食品が食品を収穫するのか…。
このカオスがキマイラフューチャーらしいといえばそうだが…。

UC:フレンズコールで召喚した相棒(ひよこ)達に調理の補助と給仕を任せよう。
そしてUC:神仙の料理術で料理を作りまくる。
医術・毒使いも活かし、一定量以上食べると毒が利くよう仕込んでおこう。

今回作るのは
すりおろしリンゴ入り焼肉のたれ(カルビとハラミと白飯を添えて)
リンゴジャムを砂糖の代わりに使った豚の生姜焼き
レタスとリンゴとキャベツのサラダ
アップルパイ
タルトタタン
焼きリンゴ(芯を抜いた所にシナモンとバター)
クランブル(ホロっとほどけるイギリス発祥の料理)
さつま芋とリンゴのパウンドケーキ、だ。


片瀬・栞
これは料理するのも大変ね。あたしも駄目モトでやってみよう!
レシピ通りにやれば大丈夫でしょ!多分!(ちからづよく
「JB!アップルパイのレシピ!判りやすいの!」
『―no kidding.(ざっけんな)』
「いいから!はやく!」

>行動
【POW】アレンジ、共闘歓迎。
手持ちのスマホ(戦術端末)にアップルパイのレシピを表示させて
それを見ながら作成しよう。周囲に助言もらいつつ。
余計な事はしない。アレンジ料理は失敗のもとよ

>戦闘
戦術端末から武器を取り出して攻撃。
鎖付き棘鉄球を投げつけ。あたしの林檎はすんごく痛いぞー!
「JB!とげとげ!あとぎざぎざ!」
UC【バンダースナッチ】で絡めとってチェーンソーで攻撃!


シン・ドレッドノート
アドリブ連携OK
【SPD】

「趣味の料理スキル、ここで使わないでどこで使います?」
リンゴの料理、気合い入れて作りますよ。
くるくると包丁(妖刀・紅蓮)でリンゴの皮を向いたら、手早く圧力釜を使って甘く煮込みつつ、同時に作ったリンゴバターを練りこんだパイ生地でアップルパイを焼き上げます。

「さぁ、おあがりよ!」
お皿に載せミントで飾り、ついでにリンゴジュースも添えて提供しますね。


戦闘が可能になったら、料理を継続しながら【紺青の剣劇】で召喚したソードビットとライフルビットを周囲に展開、ソードビットで防御しながらライフルビットで敵を狙い撃っていきます。

「どんどん作りますから、料理の邪魔はしないでくださいよ!」


ネフラ・ノーヴァ
旅団【牛舎】で参加。絡み・アドリブOK。

しかしなんとも奇妙な光景だな。 さて、実際の料理は皆にお任せだ。私はうちわを手に、出来たてアップルパイの匂いを広めて怪人どもを誘惑する。
食べ始めたら剣で怪人どもを料理してやろう。主な狙いは寿司怪人。ユーベルコードで串刺しにして、トドメは頭の寿司ネタへ。糖質制限中でな、刺身にしてやろう。
ところでこの怪人どもは食えるのか?


アルトニア・スカディアナ
【牛舎】の皆様と参加。
アドリブ・絡み歓迎。

まぁ、美味しそうな林檎がたくさんありまし!
皆様!
一緒に大きなアップルパイを【料理】致しましょう♪

林檎を怪人の食べやすいサイズに切り揃え
同じ量の砂糖と煮込み、
隠し味に少しの檸檬汁と蜂蜜を。

くたくたに混ぜ~
いい匂い♪
ネフラ様、あちらにも風を~!
【聞き耳】で腹の虫を聞き向きをお願いして。
つまみ食い許しちゃう♪

練ったパイ生地に煮詰めた林檎を敷き詰めて。
里香様、焼き加減如何かしら?
指示をして
出来上がれば
さぁ存分に召し上がりあそばせ♪

ダルファはケーキ怪人に夢中。
わたくしが手伝う番ね。

戦闘後
余りのパイも皆様と食べましょう♪
オリオ、わたくし、皆様と作れて嬉しくてよ!


花巻・里香
【牛舎】アルトニアさんに大きなアップルパイを作りたいと誘われて
※アドリブOK。旅団部外者の為フレンド以外初対面
私、料理は苦手なのよね…
だからこの手のことは私には縁のないものと思ってたけれど
誘われたからには私にも出来る事をさせて貰うわ

蜂釜焼き:
私はUC【呪蜂】を速射する、UC【呪りの蜂球】で、瞬く間に、数多の呪蜂を用意するわ。
あら呼び出したのは攻撃の為ではないわよ?
この子達は、数が多い程、超高熱の蜂球を形成するの。
大きなアップルパイを焼くには良いと思わない?塩釜焼きならぬ蜂釜焼きね。
蜂達の火力は私の方で調整するからアルトニアさん焼き加減の見極めはお願いね。

戦闘:
からくり人形や呪蜂達で騙し討ち戦法


オリオ・イェラキ
【牛舎】と

まぁ本当に美味しそうな林檎達
アリア(f09479)、アップルパイ作りますの?大好物ですわ
是非皆さまのお手伝い致しますの

林檎を切るならお任せを。そう言えば此方無農薬?
それなら皮も煮込めば美味しく頂けそう
わたくしはパイ生地も煮林檎もしっとりしたのが好…そう、これはオブリビオン用のね
残念ですわ…でも沢山作れば、いえ
怪人達が食べ始めて直ぐに狩れば残りを頂けますわね
そうしましょう

怪人達が食いついた時が狩の合図
メテオリオの花嵐で目眩し兼ねた一斉攻撃を始めましょう
勿論狙うは怪人のみ。料理は触れないようにしませんと
花弁の星を縫うように走り、大剣にて止めを確実に
ご機嫌よう

さ、残りは張り切って頂きますわ



●りんごの恵みは山と積まれて
 山林にてひたすらもぎもぎとりんごを収穫し続けている怪人達。収穫する事だけが目的なのか、もいだりんごは無造作に山積みにされている。
 そんな有様なので、積まれたりんごの山に猟兵達が近づく事はたやすく、何一つ邪魔は入らなかった。

「寿司、餅、ケーキ…。食品が食品を収穫するのか…。」
 ひよこに乗って移動しながら現れた二天堂・たま(ひよこなケットシー・f14723)は、このカオスがキマイラフューチャーらしいといえばそうだが…、と怪人達の様子を見て首をかしげる。

「これは料理するのも大変ね。あたしも駄目モトでやってみよう!」
 積まれたりんごの山を見て、片瀬・栞(白蓮天弓・f17024)も料理を決意し…スマホを模した戦術補助端末『JB』を取出した。
「JB!アップルパイのレシピ!判りやすいの!」
『―no kidding.(ざっけんな)』
「いいから!はやく!」

「趣味の料理スキル、ここで使わないでどこで使います?」
 リンゴの料理、気合い入れて作りますよ、と言いながら必要数のりんごを確保しているのはシン・ドレッドノート(真紅の奇術師・f05130)。確かに今回は料理スキルの振るい時である。

「先ずは焼きリンゴを作りましょうか。」
 狐面被った人形と一緒に訪れた吉備・狐珀(ヤドリガミの人形遣い・f17210)も、りんごの山から必要な分のりんごを拾い上げ、料理の準備を開始する。

 作る料理の数は各々違えど、材料のりんごは沢山あるので数と質には困らない(というかこれ以上収穫されて増えても困る)。
 旅団関連で4人一緒に参加する形となった猟兵達(と、連れられた小さなドラゴン)もまた、りんごの山の前にいた。

「しかしなんとも奇妙な光景だな。」
 そのうちの一人、ネフラ・ノーヴァ(羊脂玉のクリスタリアン・f04313)も、怪人達がひたすら収穫し続ける光景を見てそうつぶやいた。

「まぁ、美味しそうな林檎がたくさんありまし!」
「まぁ、本当に美味しそうな林檎達…」
 りんごを見て嬉しそうにしているのは、アルトニア・スカディアナ(隻眼よりあまねく白夜・f09479)とオリオ・イェラキ(緋鷹の星夜・f00428)だ。確かにどのりんごもとてもおいしそうである。

「皆様! 一緒に大きなアップルパイを【料理】致しましょう♪」
「アリア、アップルパイ作りますの?大好物ですわ」
 アルトニアとオリオの言葉に、アルトニアに大きなアップルパイを作りたいと誘われて訪れた花巻・里香(クリスタリアンの人形遣い・f05048)も頷く。料理が苦手な里香は、この手の事が縁のないものと思っていたというが…彼女には考えがある様子。
「誘われたからには私にも出来る事をさせて貰うわ」

●りんごの恵みは、多種多様に彩られて
 りんごが積まれた箇所から少し離れた所に、調理場が複数見つかった。キャンプ場の調理場のようにも見えるが、オーブンや炊飯器等にも事欠かない本格的なものだ…なぜそこまで至れり尽くせりなのかは謎だが。
 調理場や器具等はどれも清潔で、機械類にも不備はない。すぐ料理にとりかかっても問題なさそうである。

 最初に到着したのは狐珀だ。先に考えていた通り、まずは焼きリンゴを作り始める。りんごの芯をくり抜いて、そこにバターと砂糖、シナモンを交互に入れて焼く。
 りんごが焼かれて香ばしさが広がり始めるが、その手は休めない。焼いている間に準備するのは、定番のアップルパイ。パイに入れるりんごを煮詰めて…煮詰める甘い香りは本当にいい匂い、とついつい何度も味見してしまう。

 次に到着したのはたま。UC『フレンズコール』で相棒(ひよこ)達を召喚し、調理の補助と給仕を任せつつも自身もUC『神仙の料理術』を用いて調理に入る。
「これぞ神域の料理術!「毒」すら「薬」に調理してみせよう!」
 あるりんごを切り、またあるりんごはすりおろし、別のりんごを煮詰めてジャムを作る…今回彼(とひよこ達)は多数のりんご料理を作るようだ。肉も野菜も用意されており、調理場の炊飯器も使われており…デザート以外の料理にも期待がかかる。
 ちなみに彼が今回作っている料理は、オブリビオン用である。手際よく手を動かしつつ、(UC効果でレベルが上がっている)医学と毒使いを活かしてこっそり何かを仕込んでいる様子…。

 『JB』にアップルパイのレシピを表示させ、それを見ながら料理にとりかかっているのは栞だ。今回はアップルパイを作る猟兵も多く、基本的な部分に関して等、時折助言をもらっていた様子。
 それらの助言を取り入れつつ作業を進める…りんごを煮詰め、生地を用意して…りんごの香ばしい匂いが漂う中、表示中のレシピを確認。アレンジは一切入れず、レシピ通りに作っていく。

 一方、料理スキルを存分に生かし、気合を入れて調理していくのはシン。
 手際よくくるくると包丁(妖刀・紅蓮)でりんごの皮を剥いた後、手早く圧力釜を使って甘く煮込み…同時に(後で生地に練りこむ予定の)リンゴバターを作っていく。
 りんごとりんごが合わさって美味しさをさらに増しているのだ…!
 …なお、たまたま栞の様子が目に入ったので、基本的な部分に関してのみ少し助言を入れていた様子。

 旅団関連の4名もまた、アップルパイを作っていく…いや、正確にはアップルパイ作りに参加するのは3人だ。

(さて、実際の料理は皆にお任せだ)
 そう思いつつ、ネフラは…うちわを用意した。もちろんこれも成功の為、考えがあっての事である。

 アルトニア・里香・オリオの3人は、アップルパイ作成にとりかかる。
 料理手順を知るアルトニアが手順を伝えつつ、2人と一緒にアップルパイを作っていく。

 まずは林檎を怪人の食べやすいサイズに切り揃え…林檎を切るならお任せを、とオリオも手際よく林檎を剥き、切っていく。上質な林檎は、剥いた皮の部分すら美味しそうに見える…。
(そう言えば此方無農薬? それなら皮も煮込めば美味しく頂けそう)

 林檎を同じ量の砂糖と煮込み、隠し味に少しの檸檬汁と蜂蜜を加えて、くたくたに混ぜる。りんごの甘さと香ばしさの匂いが広がっていく。

「わたくしはパイ生地も煮林檎もしっとりしたのが好…そう、これはオブリビオン用のね」
 残念ですわ…と、オリオがしょんぼりとするが…でも沢山作れば、いえ、と言いながら作業に戻る。
(怪人達が食べ始めて直ぐに狩れば残りを頂けますわね、そうしましょう)

 里香はUC『呪蜂』『呪りの蜂球』発動…数多放たれた矢が、数多の呪蜂へと姿を変える。普段なら攻撃に用いるUCだが…
(あら呼び出したのは攻撃の為ではないわよ? この子達は、数が多い程、超高熱の蜂球を形成するの。)
 里香曰く、大きなアップルパイを焼くには良いと思わない?との事。そう、塩釜焼きならぬ蜂釜焼きでアップルパイを焼き上げる為に呪蜂達に手伝ってもらうのである。

 アルトニアが、練ったパイ生地に煮詰めた林檎を敷き詰める。オリオもそれを手伝い、里香も蜂球の温度を調整し、うちわを持ったネフラもまた準備を整え…焼きに入るまで、あと少し。


 狐珀がアップルパイを焼く準備を完了させた頃、同時進行で焼いていた焼きリンゴが程よく焼きたてになる。焼きたての匂いもたまりませんね、と思いながらオーブンにアップルパイを入れ、さらに他の物の準備も始める。

 たまもまた、最初の料理群を完成させつつ、別口でデザート類を作っている。こちらもそろそろ焼き上がり時だ…ひよこ達も調理補助に給仕にと動き回っている。かわいい。

 栞も作業をあらかた終え、アップルパイの焼きに入った…オーブンの温度調整も合っている。これならおいしく焼きあがるだろう。

 シンも、リンゴバターを練りこんだパイ生地を用いて、アップルパイを焼き上げる。その間に食器類の用意等も欠かさない。

「里香様、焼き加減如何かしら?」
 アルトニアが焼き加減を見極めながら温度の調節指示を出し、呪蜂を用いる里香が温度調整を担当し…蜂釜焼きによるアップルパイ焼き上げも、順調に進んでいる。
 漂う香ばしい匂い…その匂いを怪人達の元へ広げるべく、ぱたぱたとうちわを扇ぐのはネフラだ。匂いは怪人達の近くまで広がっているのか、一部の怪人達の作業が鈍っているように思える。

「ネフラ様、あちらにも風を~!」
 アルトニアは焼き加減を見つつも、聞き耳を用いて、腹の虫の音(無論、怪人達のそれである)を確認し…ネフラに扇ぐ向きの変更をお願いする。ネフラもまたそれに応え、的確な方向へとうちわを扇ぎ、匂いによる怪人おびき寄せを進めていった。

 その間にも飾り付けや給仕等が進んでいき…怪人達が動き始める頃には、おいしそうな料理がテーブルの上にさぁたべてとばかりに並ぶようになっていく。
 まずは栞の、シンプルに焼きあがったアップルパイ。狐珀は焼きリンゴとアップルパイにアイスを添え、絞りたてリンゴジュースとアップルティーも用意する。
 シンも焼きあがったアップルパイをお皿に載せてミントで飾り、ついでにリンゴジュースも添えて提供。彼はさらに料理を継続しつつ、こう告げた。
「さぁ、おあがりよ!」

 たま(とひよこ達)は、最も多種多様の料理を作り上げた。
 すりおろしリンゴ入り焼肉のたれ(カルビとハラミと白飯を添えて)に、リンゴジャムを砂糖の代わりに使った豚の生姜焼き、レタスとリンゴとキャベツのサラダ。
 アップルパイ、タルトタタン、焼きリンゴ(芯を抜いた所にシナモンとバターを入れて焼き上げた)、クランブル(ホロっとほどけるイギリス発祥の料理)に、さつま芋とリンゴのパウンドケーキだ。
 焼き肉(+りんご入りタレ)と生姜焼きは、デザート類とはまた違った香ばしさを漂わせる…それもまた、怪人達への強い誘惑となるだろう。
 ちなみに、これらに毒が入っている事は伝達済である。

 アルトニア達の(蜂釜焼き製法による)アップルパイも焼き上がり、食べやすく切り分けてお皿に盛りつけて…ここに、怪人達おもてなし料理群(の第一陣)が出そろったのであった。
「さぁ存分に召し上がりあそばせ♪」

●りんごの恵みをめしあがらせろ!(デザートにUCも添えて)
 収穫作業を進めていた怪人達…途中から作業が鈍っていたのは多分匂いに惹かれての事…が、一人、また一人と、誘惑に負けてふらふらと匂いの元へ向かっていく。
 そこにあるのは、アップルパイをはじめとしたおいしそうな料理達…体を動かし力仕事に従事して腹を空かせていた怪人達に、手間暇かけて作られた料理を食べないという選択肢はなかった!
『クイタイ、メデタイーイッタダッキマース!』

『ウマイ! メデタイ!』
『モットタベタイ、メデタイ!』
 ある怪人はお昼ご飯にと焼き肉や生姜焼きを、またある怪人はまずは野菜からとサラダを食し…甘い匂いを我慢できずにアップルパイやデザート類から手を付ける怪人達もいる。
 しかし、彼らは知らないのだ…いや、知ろうとしなかったのだ。これらの料理こそが、自分達が倒される切欠たりえるものだったとは…!

 怪人達が食いついた時が狩の合図、と最初に動くのはオリオ。
「さぁ……お往きなさい、わたくしの星達」
 UC『夜彩と流星花』発動…己が武器を星の煌き纏う黒薔薇の花びらへと変え、それらを用いた花嵐で目眩し兼ねた一斉攻撃を開始。
 料理を夢中で食していたケーキ怪人を初めとする複数の怪人達は、反撃のケーキを投げつける暇すらなく花嵐に巻き込まれ、さらには他の猟兵達の姿すら視認しづらい状態を強いられた!
 花弁に翻弄される怪人達はしかしまだ倒れておらず、オリオは花弁の星を縫うように走り、怪人達を倒していく。
 しかし、料理には花弁ひとつ触れない。そこにはオリオの調整と思いがあった。
(勿論狙うは怪人のみ…料理は触れないようにしませんと)

「JB!とげとげ!あとぎざぎざ!」
 栞もまた、戦術端末『JB』が異次元に収納していた武器の中から『とげとげ(鎖付き棘鉄球)』と『ぎざぎざ(大きく高出力の鎖鋸剣)』を取出し、攻撃に転じる。
 あたしの林檎はすんごく痛いぞー!と言いながら、鎖付き棘鉄球を(前述の花嵐に巻き込まれながらも、めげずにモチを投げつけてくる)モチ怪人に投げつける。
「逃がさないよ!そこっ!」
 食らったモチの痛みとばかりにえぐい形の棘鉄球が怪人に命中し、そのまま怪人を爆破!さらに、UCの効果により栞とモチ怪人は互いに鎖で繋がれ、その鎖がモチ怪人を絡め取り…怪人は逃げる暇すらなく、鎖鋸剣=チェーンソーで切り裂かれた!
『メデタ…クナカッタ…デモアップルパイウマー…』
 哀れ、モチ怪人は鏡開きすら行われることなく爆破され切断され消滅…栞はまた別の怪人へと棘鉄球を投げ、戦闘を続行する。

「…食べて頂いている所を攻撃するのは心苦しいですが仕方ないですね…」
 そう言いながらも、攻撃に転じるのは狐珀。今回の怪人はそうでもしないと倒せなかったのだから仕方ないのである。
「言の葉のもとに魂等出で候」
 UC『青蓮蛍雪』発動…25個もの冷気を含む青い狐火が怪人へと襲い掛かり、その炎で燃焼していく。怪人への炎は燃え尽きるまで消す事はなかったが、テーブルなどに燃え移った分は即座に消していった。
 なお、前述の花嵐で目がぁ目がぁ状態になりながらも狐珀へ向かって攻撃してくる怪人がいたのだが、狐面被ったからくり人形…狐珀の『兄上』さんがその都度攻撃して倒したり足止めしたりしていたようだ。彼もまた猟兵とともに戦う者といえるだろう。
 怪人の一体は、こんな断末魔を残して倒されていったという。
『メデタ…ニンギョウキタ、グハー!?』

 こうなったら料理をたんまり食らってから倒れたかったのか、それとも調理中の匂いに心ひかれたのか…いまだ料理を継続している者へと攻撃の矛先を向ける怪人もいる。
 だが、怪人達のとっさのもくろみ?は、そう簡単に叶う事はなかった。

 シンは料理を継続しながらも、怪人が訪れ戦闘が可能になった段階でUC『紺青の剣劇』を発動…召喚されるのは、蒼く透き通る刃のソードビットと、蒼い宝玉がはめ込まれたライフルビット。その数、合計40個!
 多数のスシ怪人がスシ攻撃を発動し、超高速連続攻撃を繰り出すも…その攻撃の殆どは、ソードビットが代わりに受け止め阻んでいた。
 しかし多数いるスシ怪人は(怪人自身のUCの問題で)攻撃の手を止められず、その隙だらけの体をライフルビットに狙い撃たれ…料理の邪魔にしかならずに散っていった。
 料理の手を休めずに、シンは怪人達に言い放つ。
「どんどん作りますから、料理の邪魔はしないでくださいよ!」

 一方、もう一人の料理継続者・たまの料理をたらふく食べて、なおも足りないのかたまの方へ向かおうとした怪人達は…突如動きを鈍らせた。
 たまが医術と毒使いを活かして、一定量以上食べると毒が利くよう仕込んでいた…その効果が発揮されたのだ!
 なお、まだ料理を食べている怪人達の元へは、給仕担当のひよこ達がさらに料理を運んでくる。(収穫地点の距離などの影響か)後からやってきた怪人達は、罠とも気づかずそれらの料理に手を付けるのだ!
 ひよこ達がたまへと毒の効き具合を報告したかは定かではないが、たまとひよこ達の調理・給仕はまだまだ続く…!

 料理に手を付け始めた怪人達を、自身の武器『血棘の刺剣』を用いて料理(という名の攻撃)しはじめたのはネフラだ。特にスシ怪人を狙って挑み、相手のスシ攻撃(超高速連続攻撃)を食らいつつも、UC『染血散花』を発動!
 超高速連続攻撃で串刺しにし、怪人の返り血で自身の傷を自己修復しながら…トドメの一撃を、頭の寿司ネタへと放つ!
「糖質制限中でな、刺身にしてやろう。」
 りんごやら料理やら頭が炭水化物風の怪人たちやら、それっぽいもの含めても糖質だらけのこのエリアでよく耐えたなこの人…という事を誰かが考えたかは定かではないが、スシ怪人は哀れにもネタとシャリを泣き別れにさせられた後、断末魔を残して消えていくのであった…ネタだけ残して。
『ネタガナイカラ、シャリカイジン…メデタ、クナイ…』

 残ったネタを拾い上げ、ネフラは呟く。
「ところでこの怪人どもは食えるのか?」
…多分食べれるとは思われるが、それが糖質にカウントされるか否かまでは不明である。いや、だってネタの種類にもよるし…。

 料理継続者を狙おうとした怪人の中には、目ざとく蜂釜焼きをしているように見える里香を狙うものもいた。
 作業中と思われる里香を狙った怪人は…不意に鎌で切られて、足を止める。鎌を両手に擁する攻撃者は、騙し討ちに特化した花蟷螂モチーフの戦闘用人形。動揺する怪人に釜を形成していた呪蜂達が襲いかかり、包みこみ、超高熱の蜂球を形成…蜂釜焼きにされた怪人は、美味しい料理を堪能しきることなく消えていった。

「最初に呼び出したのは、攻撃の為ではなかったのよ。…けど」
 今回は違う。元々、戦闘になればからくり人形や呪蜂達で騙し討ち戦法を行うと決めていた。
 だが、怪人の数が減れば騙し討ち以外に転じる必要もあるだろう。後から来た怪人達を騙し討ちしながら、里香は一緒に参加した者達や他の猟兵の様子を確認する。

 こちらはアルトニア。彼女とともに来た赤い小さなドラゴン『ダルファ』は…ケーキ怪人に夢中で、怪人に攻撃?をしかけている。おいしそうに見えたのだろうか?
 ダルファの様子を確認したアルトニアは、ケーキ怪人への応対を手伝うことにする。とはいえ、自身の武器は『赤竜の牙槍』…に変身するダルファ自身。
 アルトニアは少しの間、逃げようとする怪人を足止めし…それでも隙をついて逃げに入った怪人を、やむを得ず(ダルファを変身させて)『赤竜の牙槍』で刺し、倒し切る。
 このケーキ怪人が倒れた所で、他にもケーキ怪人はまだいる。小ドラゴン姿に戻ったダルファの様子を確認しつつ、近くで混乱していた怪人にそっと(場にあった)料理を差し出す。怪人の後ろから、ダルファが興味津々そうに怪人の姿をじっと見ていた…。

 料理を作り続けるシンへ向かう怪人はソードビットとライフルビットと援護に入った里香のからくり人形で数を減らされ、たまへ向かおうとした怪人が栞の棘鉄球を食らって爆破、ある怪人はひよこを捕まえようとした所を狐珀の狐火や『兄上』さんに攻撃されて阻止され倒され、怪人がアップルパイのおかわりを求めたら蜂釜行きか串刺し返り血ネタ別れ、小さなドラゴンに頭のケーキをつつかれたと思えばアルトニアやオリオに撃破される。
 頭を働かせて複数で挑もうとする怪人達も、オリオの花嵐に翻弄されている間に様々な攻撃を受けて、次々と倒されていく。たまにひよこやら蜂やらドラゴンやらに目を向けた瞬間にやられた怪人もいた。
 猟兵達の攻勢により、怪人達はどんどんと数を減らしていき…

 最後の1体はケーキ怪人、花嵐や数々の攻撃にさらされて生クリームを落としつつぼろぼろになりながらも逃げようとしている…しかし、1体たりとも逃がすわけにはいかない。花弁の星を縫うように走り寄ったオリオは、大剣で最後の一撃を加える…止めを確実に。挨拶を添えて。
「ご機嫌よう」
 
●ごちそうさま、はまだ早い?
 怪人達は1体残らず倒し終え…後に残るは、料理と食事と戦闘の跡と、少し向こうにまだまだ残るりんごの山。猟兵達は後片付けを行う者、りんごの山へ向かう者等、各々が思う行動を行っていた。

 さて、こちらは蜂釜焼き製法のアップルパイ。戦闘後においてもなお、切り分けられていたアップルパイの一部は奇跡的に手つかずのままで残っていた。
 他の料理も(全部食べられたものもあったが)皿に小分けにされた分は数皿分が手つかずで残っているようである。
 対怪人用毒入り料理は戦闘終了後速やかにたまとひよこ達が回収していったが、それ以外の料理は食べられそうだ。

 余りのパイも皆様と食べましょう♪と、無事な(怪人が手を付けてない分の)アップルパイを新しい皿に移しながら、アルトニアは嬉しそうに告げる。

「さ、残りは張り切って頂きますわ」
 残ったら食べる気満々だったオリオは、パイの一切れを手にとり、さっそく一口…皆で作ったパイは、とても美味しく、オリオは嬉しそうにパイを食べ続けていく。

 里香もアルトニアの言葉を聞いて、自身で焼き上げたアップルパイを食し。栞や狐珀は少し食べてみたり、狐珀のリンゴジュースやアップルティーに残りがあったので提供したり。
 シンは自分の調理場の後片付けを終えてから、残る料理を食べようかどうしようかと見に行き、少し食し。たまとひよこ達は調理後の後片付けを行っていたようで、ひよこ達を見かけることもあった。
 …なお、ネフラはまだ残っていた(怪人から切り分けた)寿司ネタを手に食べるか考えていた。食べたかどうかは本人のみぞ知る。

「オリオ、わたくし、皆様と作れて嬉しくてよ!」
 自身もアップルパイを食しながら、アルトニアは嬉しそうにそう言った。

 猟兵達による中枢・システム・フラワーズ到達はいずれ為されることだろう。このりんご実る地での猟兵達の料理と戦いもまた、その為の着実な一歩となるはずだ。
 再転移による帰還までの束の間、山林風景と、楽しいひと時と、りんごの香ばしい匂いに包まれて…キマイラフューチャーでの戦いは、その先へと続いていくのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年05月05日


挿絵イラスト