バトルオブフラワーズ④〜共食い大作戦
「戦争です、皆さん。キマイラフューチャーでの戦争です」
多くの人々が慌ただしく行き来するグリモアベースの中、真剣な面持ちで鳴雷・夜行(羅刹の陰陽師・f14535)はそう告げる。
「詳しい経緯は皆さんも知っているでしょうから割愛しましょう。今回頼みたいのはザ・ステージの一つ、フードステージです。
ここで相手のオブリビオンは魚を捕獲しています。また、それらのオブリビオンは魚の捕獲中皆さんの攻撃を受け付けません。なので、彼らの手に入れた食材を拝借し料理を作り、食欲を刺激して食べさせることで作業を中断させてください。……大丈夫です。美味しそうな料理でさえあれば、好き嫌い関係なく食べさせられます。そしてその隙にオブリビオンを攻撃及び退治してください」
何故だか「食べさせられる」の部分を強調する鳴雷。一体どんなオブリビオンだというのだろうか。
「それと、一定以上の食料をオブリビオンに確保されると追い出され失敗するので注意してくださいね。魚以外の材料や調理器具はこちらから提供しますが、持参でも構いません。ああ、魚は海のも川のもあるそうですよ」
――それでは、頑張ってきてください」
一礼し、準備を終えた者達から順番に鳴雷は転送し始めた。
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バシャバシャと河の音。その中に入り、網や素手を駆使して魚を捕獲する者達がいた。
「早く、早く魚を用意するんだ!」
「食べられたくないー! すまない、同族よ。代わりに刺身となってくれ」
「いや、俺は食べられるなら兜煮を所望する」
「ネガティブな話は止めろー!」
必死の形相で魚を確保するのは首から上がマグロのオブリビオン、マグロ怪人ツーナーだ。穏やかな光の差す川で魚を捕獲しては、数分歩いた森の中にある大皿へ置きに行く。十分ほど彼らのいる川から下った所には海があり、モリで仕留めた魚を引きずるツーナーもいた。
「……なあ」
「何だ?」
「ところでさ、あんなに狙われるってならオレ達、旨いのかな?」
「…………」
それ以上はいけない。そう語るかのように辺りを静寂が覆う。チラリと彼らの視線が向けられるのは大皿に乗った魚。
「――はっはっは、何を言っているんだ」
乾いた笑いでその話は流れ、ツーナー達は作業に戻る。彼らの注目していない森の中、猟兵たちが到着した。
――さて、何を作る、あるいはどう戦おうか。
紡ぎ糸
初めましてあるいはこんにちは。紡ぎ糸です。今回は戦争シナリオとなります。1フラグメントで完結し、一つ一つがバトルオブフラワーズの戦況に影響します。料理のみ、戦いのみ、どっちもやる。どれでも好きな方法で参加してください。ただし、料理する人がいなければ自動的に負けます。また様子から分かるように食材を皿から取ると邪魔される可能性もありますので、少量ならともかく多くの量の魚を狙うなら何か策が必要でしょう。
今回は集団戦、マグロ怪人ツーナーとの戦いとなります。ギャグ寄りです。魚料理を手一杯振る舞ったり食べてる最中を攻撃したりしましょう。
では、皆様のプレイングをお待ちしております。
第1章 集団戦
『マグロ怪人ツーナー』
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POW : 止められない止まれない
【食べられるという恐怖心から無限のスタミナ】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
SPD : そんなことより助けて欲しい
レベル分の1秒で【腕を振り払うことで自らに噛み付いてる猫】を発射できる。
WIZ : 水を得たお魚
【水鉄砲】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を水浸しにし】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
イラスト:くずもちルー
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
カレリア・リュエシェ
戦いだけが騎士の能ではないぞ。
得意な者ほどのではないが、それなりに上手いし美味いと自負している!
(食糧の入った籠と調理器具を背に括る騎士)
皿から魚を数匹拝借しよう。
まずは野菜を切って軽く炒め、その中に水を投入。
沸騰したら魚をぶつ切りにして一緒に煮込む。
あとは牛乳と香草、調味料を入れて暫く経てば、故郷でよく食べた魚スープの完成だ。
出来たスープをあるだけ皿に盛って……さあ、たらふく召しがれ!
(近いなら真っ向から全力で、遠いならフリスビーのようにスープ皿を投擲して怪人の口へ突っ込みつつ黒剣で攻撃。
反撃は【武器受け(皿)】で耐えるか、素直に回避)
お粗末様でした、お題は命で結構だ。
あと――服を着ろ!!
黒甲冑の騎士カレリア・リュエシェ(騎士演者・f16364)は背に括った調理器具と食材を草の上に下ろす。その姿は自信ある頼もしい騎士のようで、意気揚々と食料の調達……大皿の魚を取りに赴いた。
戦いだけが騎士の能ではない。得意な者ほどではないが、それなりに上手いし美味いと自負している。
さっと容易く魚を数匹大皿から拝借。では、調理開始だ。
まずは野菜を切って軽く炒め、その中に水を投入。沸騰したら魚をぶつ切りにして一緒に煮込む。あとは牛乳と香草、調味料を入れて暫く経てば、故郷でよく食べた魚スープの完成だ。
個性的な強い香草の匂いと優しい乳の匂いがほのかに香る。匂いにつれられてツーナーも数体寄ってきており、それは好機だとあるだけ皿に盛りながらカレリアは思った。
「さあ、たらふく召し上がれ!」
片手にスープ皿、片手に黒剣を持ち、ツーナーへと突っ込む。突然迫って来たカレリアをツーナーが避けることはできず、その間抜けな顔面へとスープが叩きこまれた。ジタバタと暴れるように動くツーナーの四肢を皿で受け止め、カレリアは黒剣で攻撃しようと構える。
「ガツンと香草の匂いで食欲が刺激されてからそれを包み込む乳のまろやかさッ! くっ、母なる海よー!」
ツーナーの断末魔に近い叫び声。他のツーナーは逃げようにもスープに興味深々だ。食欲とはこんなにも恐ろしいモノなのか!
「お粗末様でした、お題は命で結構だ」
斬! 容易くツーナーはカレリアにより切断される。そしてそのままカレリアは逃げられずにいるツーナーへとスープを叩きつけた。
「あと――服を着ろ!!」
怒りにも諦めにも近いカレリアの叫び声と共に、ツーナー達は斬り下ろされていったのだった。
成功
🔵🔵🔴
二天堂・たま
共食い…。まぁ大きい魚が小さい魚を食べる食物連鎖は珍しくもないが…。
食材の調達を邪魔するならUC:妖精の里で、一度にごっそり奪おう。
UC:フレンズコールで召喚した相棒(ひよこ)達に調理の補助と給仕を任せよう。
そしてUC:神仙の料理術で料理を作りまくる。
まずは握り寿司(マグロ、サーモン、シメサバ、カサゴ)
漬けには卵黄を加えコクを出す(マグロ、サーモン)
煮付けは強火で短時間、身を取り出してから煮汁を煮詰め仕上げる(ブリ、カサゴ、サバ、赤魚)
鯛のアラで出汁とり、そして鯛飯と鯛茶漬け
アラ汁は外せないな。捌けば必ずアラは出る。
医術・毒使いを活かし一定量以上食べれば発症するよう、少量の毒も仕込んでおこう。
「共食い…。まぁ大きい魚が小さい魚を食べる食物連鎖は珍しくもないが…」
ごっそりと大皿に乗った魚を奪い、召喚したひよこに乗りながら、二天堂・たま(ひよこなケットシー・f14723)は呟いた。
「あさて、それはともかく作るとしよう」
「ぴよっ」
調理器具や魚を妖精の里から取り出し、調理開始。二天堂は流れるような手つきで魚を捌き始めると、ひよこ達が予め作っておいた酢飯を準備した。達人をも超えた神への饗応に相応しい二天堂の腕で魚の肉が切り下ろされる。切断面は艶やかに輝いていた。
「まずは握りずし」
二天堂の手で次々と寿司が握られる。マグロ、サーモン、シメサバ、カサゴ。ひよこはそれらを、ツーナー達の元へと運んでいった。
「なんだこれは!?」
「ぴよ」
驚くツーナー達だがやはり食欲には抗えない。一体が恐る恐るそれを一つ摘まんだ。咀嚼し、嚥下する。一体が食べればまた一体、一体――と段々とツーナー達は作業の手を止め、寿司へと向かってゆく。
「――んんっ! ふっくらとしたシャリの甘みと上の魚の味が素晴らしい! ワサビも程よいアクセントだ!」
「こちらの漬けもいいぞ。醤油の塩っぽさが卵黄で引き出され、そしてまろやかになっている」
「おおっ! こちらは煮付けだ! 甘辛いタレにほぐれる魚……美味い、美味すぎる!」
「鯛飯とはいかん。こんな味付きの米など何杯も食べてしまうではないか! 出汁の風味が米全体に行き届き、時々ある切り身が嬉しいです」
「ああー、鯛茶漬け。お湯でさっと食べられるのがいいよね。温まる」
「アラ汁も飲め飲め。程よい塩味で海を感じられるぞ。ああ。無駄なく隅々まで使われているな」
まさにツーナー達の宴会かのようだ。各々で美味い美味いとひよこの運ぶ飯を口にする。バタリと誰かが倒れても気にしない。気絶するほど美味かったのかと笑ってさえいる。
食事を食べたツーナー達は、その食事に仕込まれた毒で徐々に体を蝕まれ、パタリパタリと幸せな夢の中で倒れていった。
大成功
🔵🔵🔵
ハイドレンシア・ハーバリウム
【アレンジ、他の方との絡み歓迎】
にゃっにゃっ!!マグロ見つけたにゃ!コンコンコンを守るためにも美味しく食べるにゃ!
お料理するためにお魚にゃを手に入れるにゃ?
にゃら【ねこまっしぐら】で攻撃力上げるにゃ!!
マグロ食べるために頑張るにゃ!!
そうしたらお皿から少しお魚にゃを取って投げるにゃ!
気を引いてるうちに後ろから「気絶攻撃」でのうしんとーにゃ!
今のうちに「お料理」にゃー。
魚料理は得意にゃ!
美味しく出来たらおはしでマグロの口にぶち込むにゃ。
トドメはおはしをマグロ包丁に変形させて、いただきますにゃーーーー!!!!
織部・樒
アドリブ・連携OK
ああ…何というか、業が深い感じですね
所謂共食いですか…(遠い目)
出来れば多めに魚を頂戴したいところです
森から水辺に向かうタイミングで回収したいですが
獅子を呼び少し脅かして少々遠くへ行ってていただきましょうか
同じネコ科ですし少しは怖いはず
料理はあまり時間かけたくありません
鰤は照り焼き、白身魚なら煮付け、川魚は塩焼きで行きましょう
鰺などは南蛮漬けでも香りが強くていいかもしれませんね
この程度なら私でも作れます
料理が出来次第、敵たちに声を掛けます
お疲れ様です!
少し休憩して腹ごしらえをしては如何ですか?
或いは
宜しければお味見していただけませんか?
等油断を誘います
「ああ…何というか、業が深い感じですね。所謂共食いですか」
森の陰からオブリビオン、ツーナーを視認し、遠い目で織部・樒(九鼎大呂・f10234)は呟いた。魚が魚を喰う、自然界ではよく見られる光景かもしれないが、猫からの被食者である連帯感を持つ彼らにとっては重要なことなのだろう。
「さて、獅子で少し脅かして、遠くに行ってもらいますか」
出来れば多めに魚を拝借したい。それならばツーナーを暫く遠くに行かせるべきだ。獅子は一応ネコ科ではあるし、彼らにとって怖いはず。
黄金の獅子を呼び出し飛び出る準備も万全。第一印象で恐怖を感じるよう唸り声でもしてもらおう。
「………にゃっ!! マ…ロ見……たにゃ! コンコン……を守るために…美味……食べるにゃ!」
織部の耳が遠くから徐々に近づく声を捉えた。少年のような幼い声だ。声の主は素早くこちらへ近づいてきており、バビュンと織部の上衣や獅子の鬣をなびかせる。
「マグロ食べるにゃーー!!!」
爛々と捕食者の目をして飛び出たのはハイドレンシア・ハーバリウム(紫陽花のテレビウム・f06587)だ。猫のような頭部をしたテレビウムはそのままマグロ怪人ツーナーへと飛び込む。
「ひえぇぇぇ! く、喰われるっ!」
「見ろ! 巨大な援軍もいるぞ! こりゃ勝てん。撤退、撤退だー!」
宿敵と書いて捕食者と読む。ツーナーは文字通り食われるという恐怖から無限のスタミナを発揮し、逃亡した。
「……さ、料理ですね」
「魚料理は得意にゃ!」
両手一杯に魚を確保し、調理場へ。いつ反撃に戻ってくるか分からないし、窮鼠猫を噛むとも言う。必死に魚を確保している可能性も否定できない。できるだけ料理に時間はかけないようにしよう。
鰤(ブリ)は照り焼き。ハイドレンシアによって捌かれた鰤をフライパンで焼き、ある程度火が通ったところであまじょっぱいタレをかける。
「キラキラしてて綺麗だにゃ~」
白身魚は煮付け。配分通りのタレに魚を入れ、落し蓋をして放置。暫く経ったら出来上がり。
「ホカホカご飯と食べたいにゃ~」
川魚は塩焼き。塩を振りかけてシンプルに。焼き加減に気を付けてひっくり返す。
「魚の味! ふっくらと塩気が効いてるにゃ!」
鰺は南蛮漬け。カリッと揚げた後に甘辛いタレを。歯応えのいい野菜も添えて。
「う~ん、いい匂いだにゃ」
これで料理は完成だ。後は、料理を食べさせ倒すのみ。
「ここは私が油断を誘いますので、逃げられないよう獅子とそちらの」
「シアだにゃ!」
「シアくんで挟み撃ちにしましょうか」
「了解だにゃ!」
作戦が決まれば即行動。丁度良くツーナー達の群れが発見できる。盆に魚料理を乗せ、織部は作業中のツーナー達へ向かった。
「むむっ、何奴っ!?」
「お疲れ様です! 少し休憩して腹ごしらえをしては如何ですか? 或いは、宜しければお味見していただけませんか?」
礼儀正しく盆を差し出す織部。その様子と美味しそうな香りにツーナー達もほだされ、作業を止めて箸を手にする。
「あ、ああ。では」
「いただきますにゃーーーー!!!!」
そこへ、マグロ包丁片手にハイドレンシアが突入した。
「謀ったな!」
突然の出来事に油断していたツーナーたちは身構える隙も出来ず、涎を垂らしそうな勢いのハイドレンシアにざくざくと葬られてゆく。まさに一方的な狩猟。
「俺は逃げるぞ!」
一体のツーナーは仲間を見捨て、全力で別方向へ駆け抜ける。
「GAAA――!」
「ひっ、こっちにもでっかい猫が!」
「……猫ではありますが、獅子ですからね」
逃げようとしたツーナーは黄金の獅子の足で押さえつけられ、牙で食い破られた。
――こうして、マグロ怪人ツーナーは殲滅されたのだった。
なお、余った食料や魚、料理は皆で美味しく食べました。
大成功
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