バトルオブフラワーズ⑤〜Biscuit works
●グリモアベース
「ひたすらビスケットを作るの」
ポリポリと噛っていたビスケットを飲み込むと、アンノット・リアルハート(忘国虚肯のお姫さま・f00851)は猟兵達の方を向く。
「キマイラフューチャー全土を巻き込む大戦争、バトルオブフラワーズ。今回の作戦は6つのザ・ステージの一つ、ザ・ゲームステージの攻略です」
ザ・ゲームステージの特殊法則はゲームキャラクター。簡単に言えば猟兵達はゲーム世界に入り込み、与えられた条件をこなしてゲームをクリアすることが目標だ。
またゲームクリア直前になると怪人達が猟兵を妨害してくる。彼らを野放しにしていればクリアは不可能、その対策も立てなければならない。
「それで、今回のゲームのクリア条件がね、ひたすらビスケットを作り続けることなの」
微妙に疲れた表情を浮かべながら、アンノットはマニュアルを広げる。
これは様々な施設を作り、無限にビスケットを作り続けるゲーム。始めは手作りで少しずつビスケットを作るしかないが、ビスケットを消費することで様々な生産工場を作り爆発的にビスケットを作ることができるようになる。
生産工場はキマイラフューチャーらしく平行世界接続やブラックホール生成など常識はずれな物が多く、それらを使って桁外れのビスケットが生産される様子は妙な中毒性がある。
つまりビスケットを作り、できたビスケットを消費して工場を作り、工場を使ってさらにビスケットを作る。この無限ループをひたすら繰り返しカウンターストップである9999999999999999……まあ、9の無量大数個作ればクリアになる。
「これそのものは施設を大量に作れば難しくないの、だから問題は怪人達の妨害の方ね」
今回の相手は『つよくてかわいいアニマルズ』、三人一組の動物型怪人だ。
三人は協力し生産工場と対になるビスケット消費工場の建設、武力による生産工場の破壊、そして自分達でビスケットを喰らうという三種類の妨害を行ってくる。これら妨害工作に関する対策は主に二つある。
一つは猟兵の力で生産工場を猟兵の力で更なるアップデートを加え、消費量を上回ること。生産工場と消費工場の性能は互角、そこに猟兵が一つ手を加えるだけでも状況は大きく変わるだろう。
次に武力消費工場の破壊など怪人を武力で追い払う。目には目を歯には歯を、ただしこればかりしているとクリア条件であるビスケットの作成が疎かになる点には注意しなければならない。
「もちろん、これは私が考えた作戦でしかないから他にも策はあると思う。でもビスケット作りは忘れないようにね」
最後にそう言うとアンノットはよっこいしょと椅子に座り、そのまま机に突っ伏した。
「予知で無限に増え続けるビスケットを見て疲れてて……送り迎えはちゃんとするから、ちょっと寝かせて……」
マウス富士山
このシナリオは、「戦争シナリオ」です。1フラグメントで完結する特殊なシナリオとなります。
オープニングを見ていただきありがとうございます。今回マスターを努めさせていただきます、マウス富士山と申します。
今回はひたすらビスケットを量産し続けるシナリオです、お婆さんは居ません。オープニングに書かれているように、工場のアップグレードや武力行使以外の戦法もドシドシ募集しています、俺自身がお婆さんになりましょう!
皆様のプレイングを心からお待ちしております。
第1章 集団戦
『つよくてかわいいアニマルズ』
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POW : 丸太クマさん怪人・ウェポン
【丸太兵器 】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD : 鉄球ワンちゃん怪人・ジェノサイド
【鉄球攻撃 】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ : ピコハンウサちゃん怪人・リフレクション
対象のユーベルコードに対し【ピコハン 】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
イラスト:まめのきなこ
👑11
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
尾守・夜野
妨害など知らぬ
妨害を受けて減るビスケットよりも沢山作ればいいだろうという、見事なまでの脳筋スタイル
別人格の俺…というより「私」か?
女性人格を呼び出してアシスタントに迎え、生産力を高めよう
…というより、めっちゃ食いたい…
っておい!お前ずるいぞ!俺が我慢してるのに!
食われたら切れて、毒入りのビスケット(毒使い)を作り囮とする
…え?あいて食えてるんだし、ビスケットは本当に作ってんだよな?
…そうじゃないならハッキングでデータ改竄し毒入りのにし妨害への抵抗を強める
直接の妨害?
設備による妨害?
そんなのあったのか?
周囲に【呪詛】による結界を引いていてな…
近寄ったらばちっとするようにしてるから気づかないな
アイン・セラフィナイト
夜野さん(f05352)と共闘?するよ。
ひたすらビスケットを作るって……途中でやってる行動がゲシュタルト崩壊しそうなゲームだね。よし、早速『料理』していこう!
【大風精の迅風】でビスケットの材料を中空に巻き上げて、【大火精の浄火】でビスケットをこんがりと高速で焼いていく。……あ、イフリート、火力は弱めにね。(イフリート、無言で調理)
妨害は『乖離咒・災禍封滅』を周囲の空間に配置して『オーラ防御』、なんなら【大風精の迅風】の風の刃で敵の施設を破壊してみようかな。
夜野さんを守るように重点的に霊符は配置しておくよ。ボクはパフォーマンス的な意味で敵の目を欺ければそれでいいよね。
(アドリブ歓迎です)
●ワンダレイ三分クッキング
「妨害など知らん、減るのならそれを超える速度で作り出せばいいだろう」
「ビスケットが無いと工場も作れないみたいだし、基を作っておかないとね」
生産の第一段階、手作りビスケット工場で尾守・夜野(墓守・f05352)とアイン・セラフィナイト(精霊の愛し子・f15171)は早速料理を開始する。
ここでセラフィナイト式ビスケットクッキングの説明に入ろう。
その一、調理の前にしっかり手を洗う。
その二、大風精シルフに呼びかけ、材料を空中に巻き上げ混ぜる。
その三、大火精イフリートに呼びかけ、出来上がった生地をこんがり焼く。
最後にビスケットが割れないようにそっと皿の上に着地させて完成!風を使って混ぜた生地は空気をたっぷり含んでサクサクになるぞ!
「……あいつ一人でいいんじゃないか?」
「よそ見してないで手を動かしましょうね」
別人各を呼び出し二人がかりで調理を行っている横で、ちょっとしたオートメーション並みの生産力を発揮するアインを見て夜野の瞳が曇る。
それでも手を止めるわけにはいかないためグニグニと生地を捏ねる。しかし工場内はバターと砂糖の甘い香りが溢れてどうにも腹が減る、これだけ作ってるのだから一枚くらいバレないと思うがそれが巡り巡って任務の失敗に繋がってしまうと思うと手が出ない、だが自然と目は完成したビスケットを追ってしまう、完成したビスケットはコンベアのようなもので工場の外に運ばれると出待ちしていたアニマルズが皿に群がり……
「っておい!お前達ずるいぞ!俺が我慢してるのに!」
衝撃の光景に思わず夜野が窓に貼りつくとアニマルズはこれ見よがしに大口を開けてビスケットを貪る。俯く夜野の表情が髪で隠れ、手を付いていた窓にピシりと皹が入る。素早く厨房に戻った夜野はとある香辛料の瓶を開けると、その中身を全て生地に入れた。
さて工場の外で挑発行為をしていたアニマルズだが、彼らも彼らで腹を立てていた。工場が結界で守られており中に入ることができない、突入を試みたピコハンウサちゃん怪人は煙を上げて地に伏している。
なのでこうして守備範囲から出たビスケットを喰らう、ビスケットの数を減らすと同時に挑発もできる一石二鳥の作戦だ。恨めしそうにこちらを見つめる黒髪の男を肴に新しく出てきたビスケットを食べると、丸太クマさん怪人が口から綿を噴出させながら倒れた。
その様子を見た鉄球ワンちゃん怪人が慌てるももう遅い。突然地面がゴムのように柔らく感じ、男の黒い笑顔を最後に彼の意識は途切れた。
ナツメグ、料理ではよく名前の聞くポピュラーな香辛料。実はこれ中毒を起こす危険があり、二個食べれば死に至るとさえ言われている。その概要を思い出しながら、夜野は空になった瓶をくずかごに投げ込んだ。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
霧枯・デスチーム
【2m半のガジェットブラザーに乗り込み行動。アドリブ協力歓迎】
「このカウンターの数字が跳ね上がってくのを見るのがたまんねぇぜ…」
『ガージ、何のためにビスケットを作るんでしょうか?』
「決まってんだろブラザー。ビスケットを作るためだぜ」
【ガジェットショータイム】を使い続けてガジェットを召喚、ビスケットを作らせ続ける。食べに来る敵に対しては毒物ビスケットを用意しておこう。たくさんお食べ。おかわりもいいぞ。
敵が工場を破壊しに来たらガトリングガンで対応するぜ。
『ガージ、そもそも大量のガジェットで敵を殲滅すれば後は作り放題では?』
「……そういえば!」
ガジェットが揃ったらビスケット消費工場を壊しに行くぜ!
●鋼の贈り物
手足の生えたオーブントースター、自分の身体を使って生地を混ぜるホイッパー、前後に麺棒の付いたロードローラー。
奇妙な形のガジェット達がちゃかぽことビスケットを生産し、目に見えて増えていく数字を眺めながら霧枯・デスチーム(100万回殺しても殺せない猫・f13845)はピコピコと耳を動かす。
「このカウンターの数字が跳ね上がってくのを見るのがたまんねぇぜ…」
『ガージ、何のためにビスケットを作るんでしょうか?』
「決まってんだろブラザー。ビスケットを作るためだぜ」
増え続ける数字を楽しげに眺める霧枯に相棒が投げた質問にはロジックエラーを起こしそうな解答が返ってきたが、すぐに演算は別の思考に切り替わる。
『ガージ、お客様のようです』
「おっ、ようやく来たみてーだナ」
その言葉と同時に、鉄の巨人が立ち上がる。手にした機関砲が狙うのは丸太や鉄球を装備した無数のアニマルズ。
「ブラザー、やつらに招待状は?」
『渡した覚えはありません』
「じゃ、お引き取りだナ!」
飛び交う火線、鳴り響く轟音、ファンシーなビスケット工場は一瞬にして戦場に変わった。綿と布が舞い散る修羅場において、ある熊は武器を手に駆け出し、ある兎は逃げ出し、そしてある狼は命からがらビスケットを持ち去っていった。
それが自分達を死に至らしめる毒に汚染されていることも知らずに……。
「なんて、無駄にハードボイルドにナレーションしたが防衛戦ってこっちがジリ貧になりやすいんだよナ」
『ガージ、それならば大量のガジェットで敵を殲滅すれば後は作り放題では?』
「……そういえば!」
機関砲の弾倉を交換しつつ、霧枯は工場内のガジェットの数を確認する。数は充分、一部を戦闘に使っても工場を回すことはできるだろう。
「よし、行くぜブラザー!」
『ガージ、欲張りものにプレゼントを上げましょう』
脚部の車輪から煙を上げ、ブラザーは工場を飛び出す。目指すは敵の拠点、ビスケット消費工場だ。
成功
🔵🔵🔴
セプテンバー・トリル
ビスケットですか…
私としては建物を作る方が得意なのですけど。
【WIZ】連携・アドリブ歓迎
工場を作れるようになったら作戦開始ですわ。
【ガイドロッド】で【ユンボルギーニ】と【ディビジョンズ】を召喚。
オブリビオン側の工場を召喚重機を使っての【破壊工作】による最小限の破壊で稼働不能にします。
その隣にこちらの工場を建造したら、破壊した工場と【メカニック】知識を使って合体させます。
改造時の人手補充としてUC【下請け要請】も使いますわ。
これで敵の消費量を減らしつつ、こちらの生産量を倍化させるのですわ。
…工場の規模が「工場」の枠から逸脱したら使えない作戦ですけど、これでリードを奪いましょう。
中村・裕美
「……こういうのは……工場のコストと生産速度の兼ね合いを……計算した方がいいけど……そうねると計算の邪魔になるのが……妨害ね」
敵のUC対策に【目立たない】ように電脳空間を展開し、UCで相手の精神を【ハッキング】して【催眠】をかける
催眠内容は『生産工場と消費工場の認識のすりかえ』うまくいけば、怪人が勘違いして消費工場を破壊してくれるかもしれない
「……これで……少しは状況よくなるかしら?」
あとは【情報収集】で生産工場の性能とコストを計算して、効率のいい施設の建設プランを立てて、施設の充実を目指す
「……プランは……多分完璧」
竹城・落葉
【SPDで判定】
キマイラフューチャーが危機に陥っているようだな。ならば、我も駆けつけるとしよう!
我は『森の賢者』を発動し、詠唱と共に大量のゴリラを召喚する。そして、ゴリラと共にビスケットを作っていくぞ。同時に、ゴリラを敵の基地へ送り込み、破壊工作を任せよう。相手はアニマルだから、ゴリラに不信感は抱くまい。
しかし、アニマルが世界を滅ぼそうとするとは許せん。神聖なる森の賢者たるゴリラによる天罰を受けるがよい。
*アドリブ&共闘、歓迎です
「こういうのは……工場のコストと生産速度の兼ね合いを……計算した方がいいけど……」
増える数字と工場建設に必要なビスケットの数を見比べ、中村・裕美(捻じくれクラッカー・f01705)は計算を走らせる。電脳魔術士である彼女にとって数字の扱いは十八番、特にゲーム的なルールに縛られているこのフィールドにおいてはその実力をいかんなく発揮することができるのだが……
「…そうなると計算の邪魔になるのが……妨害ね」
怪人達は自分達猟兵と同等、あるいはそれ以上にゲームに縛られない存在だ。猟兵達の尽力もあり、今でこそ被害は抑えられているがこれからもそうとは限らない。最小限の支出で最大の利益を作るのは複雑な計算と多大な労力が必要となるだろう。
彼女一人の力でなら、という話だが。
結界や機関銃、毒入りクッキーといった数々の対策を受けてなお諦めないアニマルズ。しかし今回の彼らはいつもと様子が違った。ツルハシやハンマーと言った現代的な工具を手に持ち、背後には重機も控えている、何よりも工場へ向かう彼らは一糸乱れぬ整列をしており、統率された集団行動を行っているのだ。
そんな彼らの戦闘を歩くのはクマでもウサギでもオオカミでもない、深い知性と荒々しい野生を併せ持った森の賢者……すなわちゴリラである!
「ウホ、ウホオオオォォーーッ!!」
ジャングルの太く勇ましい木々すら恐怖で震えるであろう咆哮と共に、アニマルズ達が一斉に工場へ飛び掛かる。洗練された道具とハイパワーな重機、何より全体をまとめる指導者を得た彼らは嵐のように工場を蹂躙し、あろうことかその資材を利用して自分たちの工場を同時に建設し始めてしまう。
ああ、なんということだ!不思議と集まってるアニマルズ以上の人手がいるような速度で作業は終了し、そこには新たな超巨大工場が建設されてしまっている!これがゴリラパワー!禁じられた力!!
「まあ、それを利用しているのは私達なのですが」
愛車ユンボルギーニを駆り、優雅に整地作業を行うのはセプテンバー・トリル(ゼネコンのお姫様・f16535)。アニマルズ達が使っている道具や重機は彼女が提供したものであり、それを扱える建設作業員もアニマルズの中に混ざっている。何故猟兵とオブリビオンが手を組んでいるのか?それは裕美の使用したユーベルコード【ミームインベイジョン】によるものだ。
常識を書き換える彼女のユーベルコードによりアニマルズ達は違和感なく道具を受け取り、作業員達と共に行動している。もしかすると作業員の姿が見えていないのかもしれない。そして見事に洗脳状態になった彼らは目標すら誤認し、ビスケット消費工場を破壊してビスケット生産工場を建設しているのだ。
「敵を利用し自らの益とする……裕美さんとセプテンバーさんの策、見事にはまりましたね。感服です」
うんうんと頷きながら複数のゴリラと共に資材を運ぶ竹城・落葉(一般的な剣客……の筈だった・f00809)、統率者であるゴリラは彼女が放った間者。そのカリスマ性はアニマルズ達の目を曇らせるには十分だっただろう。
「……頼りにしていたリーダーが裏切り者……もう立ち直れないでしょうね」
「世界を滅ぼそうとした天罰です、命までは奪わない賢者の慈悲に感謝すべきでしょう」
裕美と落葉が会話をしている横で、ビスケットの生産量を示す数字が止まった。無数に並ぶ9の列、すなわちカウンターストップ。それを告げる花火が大空に咲く。
「これで竣工!せっかくだし出来立ての工場で祝いましょう!」
「……冷静に見ると、中々凄い光景ね……」
「目標は達しましたし、何枚かいただいてもよいのでは?」
花火が照らすのは、地平線を埋め尽くす無数のビスケット。それは猟兵達が積み上げてきた努力の証、これにてゲームクリアだ。
「……ところで、作戦の都合でゴリラに関する認識は変えられなかったのだけど……」
「奴らはアニマル、ゴリラもアニマル。であれば潜入するのは容易でしょう」
「…………そう」
大成功
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