バトルオブフラワーズ⑧〜黒の街を色とりどりに染めあげろ
「まずは集まってくれたことに感謝を」
猟兵たちに向かい、エルフのグリモア猟兵、プレケス・ファートゥムが軽く頭を下げる。
「知っている者もいると思うが、キマイラフューチャーが真っ二つに割れた」
プレケスがいつもどおりの淡々とした表情で、説明を始めた。
「これ自体はキマイラフューチャーの中枢『システム・フラワーズ』からの救援要請を受け、猟兵の皆がシステムへと続くメンテナンスルートを開放した結果なので、問題はない。問題なのは救援要請をしなければならない事態になっている、ということだな」
現在『システム・フラワーズ』は、オブリビオン・フォーミュラである『ドン・フリーダム』に占領されている。この中枢へ侵攻するには、まず周囲のザ・ステージと呼ばれる6つの拠点を制圧しなければならない。
「そのためにはエリアを支配しているオブリビオンを倒す必要があるのだが、これが少々厄介でな」
手元の資料を見ながら、プレケスが説明を続ける。
ザ・ステージにはそれぞれ「特殊な戦闘ルール」があり、たとえ敵を倒しても、敗北条件を満たすと謎の力で追い出され、強制敗北となる。
「君たちにこれから向かってもらう、ザ・ペイントステージには、『ヌリツブシバトル』という特殊戦闘ルールが適用されている」
戦場となる場所は、造りだけ見ればキマイラフューチャーの街並みと変わらない。だが、壁や床は『闇のような黒色』に塗り固められており、この状態では猟兵の攻撃は敵に通じず、敵から一方的に攻撃を受けることになる。
「これに対抗する方法は、その黒を別の色で塗りつぶすことだ。ユーベルコードや武器で床や壁を攻撃すると、赤や青など、猟兵の望む色に周囲を塗りつぶすことができる」
一定以上の範囲を塗りつぶす事に成功すると、一度だけ、本来のユーベルコードでオブリビオンを攻撃することが可能となる。その一度だけの本来のユーベルコードの攻撃を、広範囲を一気に塗り潰すスーパー塗り潰し攻撃という特殊攻撃にすることも可能だ。
また、マップの3分の2以上が猟兵によって塗り潰されると、ユーベルコードへの制限が解除となる。
「一度の攻撃を使いオブリビオンを削っていくのか、塗りつぶしを優先しユーベルコードに対する制限を解除してから攻撃に回るのか、それは猟兵の君たちにまかせる。とはいえ、どちらかのやり方に統一したほうがやりやすいとは思うが……」
プレケスが資料から顔をあげ、猟兵たちを見る。
「私が君たちに告げられる情報はここまでだ。面倒なルールにより、戦いづらいものとなるだろうが、君たちなら切り抜けられるだろう。……目的を果たした君たちの、無事の帰還を待っている」
白月 昴
目を通していただきありがとうございます。
白月・昴です。
このシナリオは、戦争用1章構成の特殊シナリオとなっております。
改めて特殊ルールの説明をさせていただきます。
●『ヌリツブシバトル』という特殊戦闘ルール
戦場ステージは、キマイラフューチャーの街並みを模して作成されていますが、壁や床は『闇のような黒色』に塗り固められています。
この『闇のような黒色』により、猟兵のユーベルコードはオブリビオンに直接ダメージを与える事が出来ず、一方的に攻撃を受けてしまいます。
その代わり、ユーベルコード或いは直接武器で床や壁を攻撃すると、ピンク、青、緑、紫など(猟兵の任意)の色で、周囲を塗りつぶす事が出来ます。
一定以上の範囲を塗りつぶす事に成功すると、一度だけ、本来のユーベルコードでオブリビオンを攻撃する事が可能になります。オブリビオンを攻撃せずに、より広範囲を一気に塗りつぶすスーパー塗りつぶし攻撃を行う事も出来ます。
皆様のプレイングを心よりお待ちしております。
第1章 ボス戦
『ミスター・ドムドム』
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POW : フライ・ド・プレス
単純で重い【フライングボディプレス 】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD : ハイドロ・コーク
【ストロー付きの入れ物 】から【コーラ】を放ち、【強炭酸】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ : 抗えないジャンクの魅力
戦闘中に食べた【バーガーセット 】の量と質に応じて【体脂肪が増加し】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
イラスト:烏鷺山
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠エルデラント・ズィーマ」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
クロ・ネコノ
攻撃して色を塗っていけば良いんだね、とりあえず頑張ろうか。
弓に<爆発する矢>をセットして手当たり次第に戦場を爆破していこう。
一定以上の塗りつぶしに成功したなら、<ゴム体質>で高い所に上ってから、スーパー塗り潰し攻撃で更に塗りつぶしていこう。
<爆発する矢>に<降り注ぐ矢の雨>を合わせて広範囲を塗りつぶすよ!
色は…黒で上塗りって訳にもいかないし、赤青緑で適当に塗りつぶしていこうかな。
黒に染まるキマイラフューチャーもどきの領域、それが今回の戦場、ザ・ペイントステージだ。
エリアの中央の開けた場所に敵である巨大なハンバーガーを頭にした、巨漢のオブリビオン『ミスター・ドムドム』がいる。
手に持ったコーラを飲んでいる敵は、猟兵の存在にはまだ気づいていない。本来ならば絶好の攻撃チャンスだ。
だが、それは『ヌリツブシバトル』という特殊ルールにより行えない。
「攻撃して色を塗っていけば良いんだね、とりあえず頑張ろうか」
バーチャルキャラクターのクロ・ネコノが、弓に矢を番える。それはただの矢ではない。鏃に爆薬が詰められており、着弾の衝撃で爆発するという特注の矢だ。
「色は……黒で上塗りって訳にもいかないし、赤青緑で適当に塗りつぶしていこうかな」
そう言いながらクロは矢を放つ。狙うのは、敵から離れた場所。攻撃があたってもダメージを与えられないのだから、敵を狙う意味はない。
「とっておきだよ!」
まずは一矢。
ユーベルコード【爆発する矢(エクスプロージョン・アロー)】を放つ。
着弾した矢ははじけ、黒の街に赤という色彩をもたらした。
その結果を見届け、手当たり次第に矢を放てば、あちらこちらに青や緑の小さな彩が生み出され、街の黒を塗り潰していく。
いかに敵から離れた場所でも、黒一色の中に色が生み出されれば、敵が気づかぬはずもなく。
クロの姿を捉えたミスター・ドムドムが、どこからともなく取り出したハンバーガーを貪り食いながら、その巨体を揺らしてクロへと迫ってくる。
だが、敵への攻撃を狙っていなかったクロは、かなりの距離をとっていた。そして、その距離はクロの目的を達成させるに十分な時間を提供した。
ユーベルコードへの制限が一時的に解除された、と感じると同時に、クロはユーベルコード【ゴム体質(エラスティックボディ)】を発動し、自身の肉体をゴムのように変化させる。
「グオオオオオオ!クイモノオオオオオオ!」
ミスター・ドムドムがクロに向けて、その太い腕を伸ばす。だが、その手がクロへ届くより早く、びよよよよん、と音が聞こえそうなほどの勢いで、クロの体が空中へと飛び上がる。
危なげなく、高めのビルの上に着地すると、クロは再び矢を番える。
「質より量って場合もあるよね!」
矢を放つ。
狙うのは、敵ではない。
いまだ黒く染まる街。
ユーベルコード【降り注ぐ矢の雨(レインアロー)】により、放たれた『爆発する矢』は、その数を見る間に増やし、まさしく雨のごとく黒に染まる街へと降り注ぐ。
着弾した矢が次々と爆発し、その一角を色とりどりの花が咲いたかのように染め上げた。
「スーパー塗り潰し攻撃成功!」
成功
🔵🔵🔴
八重森・晃
じゃあ私は塗りつぶしに専念することにしよう、『黒鳥』を装備して水の魔弾≪属性攻撃≫を散弾として≪範囲攻撃≫一発で広範囲を塗り返せる攻撃で塗りつぶしていくよ、色は紫でいいかな。ゲージが溜まったら・・・じゃなくて、一定量塗り潰しが済んだら、UCを発動、リリパッドたちと一緒にさらにスーパー塗りつぶしをするよ、リリパッドたちは水鉄砲で武装しています。百人ぐらいの人数が私本体も含めて四方にワラワラと広がっていくので、止めるのはたいへんだと思うよ。
「じゃあ私は塗りつぶしに専念することにしよう」
ダンピールの八重森・晃はフロントロック式のラッパ銃『黒鳥』を構える。
「色は紫でいいかな」
水の魔弾を、その水という特性を利用し、散弾として撃ちだし広範囲に弾をばら撒いた。小さな弾が着弾すれば、道路や建物の壁が紫に塗りつぶされていく。
オブリビオンは、他の猟兵の対応に追われ、まだ晃には気づかない。ならば、その隙にできる限り塗り広げるのみ。
目指すのは、ユーベルコードの制限解除だ。
一箇所にとどまらず、街を駆け抜けながら、晃は紫の領域を広げていく。
何度目かの水の魔弾を放ったとき、晃は足を止めた。
ユーベルコードへの制限が一時的に解除されたということがわかる。
「ゲージが溜まった……じゃなくて、一定量塗り潰しが済んだみたいだね」
晃は、散弾を打っていた手を少し止める。
「勇敢なる小さき者達よ、いざ集えよ己が家を守るため」
晃のユーベルコード【the brave(イノチシラズノリリパッド)】が発動し、夢想の世界の小人――リリパッドたちが召喚される。
その数は百体以上。リリパッドたちの手には、彼らのサイズにぴったりの水鉄砲が握られていた。
「いくよ」
晃が駆けながら水の魔弾を放つと、リリパッドたちもまたわらわらと四方に広がり、水鉄砲を道路や建物へと向け放つ。水鉄砲の広げる紫は、ひとつひとつは小さい小さいものだが、数が数だ。瞬く間に多くの範囲が紫に染まってゆく。
別の猟兵に気を取られていたミスター・ドムドムがやっと晃に気づき、慌てたようにドスドスとすさまじい足音を立てて駆け寄ってくる。
だが、晃の下へたどり着くには、リリパッドたちの群れを越えてこなければならない。
ハンバーガーを食べて自身の力を増し、対処しているが、一体を処理しているうちにそれら以外は、あちらこちらへと逃げ出し、その先で紫へと街を染めていく。
「グオオオオオオ!クッチマウゾオオオ!」
苛立ちの雄たけびを上げるミスター・ドムドムなど気にもせず、リリパッドたちは町を染め上げていく。
「百体以上はいるからね、とめるのは大変だと思うよ」
リリパッドたちに足止めされたミスター・ドムドムを置き去りにして、晃は街を駆け抜けながら、黒を紫へと塗り変えていく。
大成功
🔵🔵🔵
宮前・紅
へぇ、『ヌリツブシバトル』ね!
楽しそう~俺のこの新作カレーを試す時が来たかな♪
蛍光色カレーをぶん投げつつ、人形たちと地道に塗り潰していこうっと!【早業】
大体上手く埋まってきたら、UCの制限を解除!
フライ・ド・プレスの一撃に注意して、誘き寄せからの捨て身の一撃UCを発動!
そこにあるだけで罪なんだよ!食べ物の匂いって本当に狡いよねぇって事で!
俺のお手製『蛍光色カレー』をくらえ!
おりゃおりゃおりゃ!
美味しいでしょ?美味しいって言わないとぶっ●すぞ♪【殺気+恐怖を与える】
味は保証するよ~!だって俺が作った料理だからね!
え?無理?あれ~?聞こえないなあ【踏みつけ】
(カレーを無理矢理、口に押し込めながら)
二子塚・たがや
※タガヤ人格 アドリブ、連携歓迎
…陣地とりゲームの応用版、といったところでしょうか
塗りつぶしには『魔腕』怪奇右腕を使い右手部分を身体から分離し、敵に【目立たない】よう右手を動かして遠方を攻撃していきましょう
私本体も、右手のことがばれないよう両腕は常にポケットに突っ込み、基本は物陰に隠れて【目立たない】ように隠れます
敵の攻撃は【逃げ足】【ダッシュ】【ジャンプ】【スライディング】【見切り】を駆使して避けていきましょう
一定塗りつぶしによる攻撃は分離した右手による死角からの殴りつけによる【2回攻撃】の【だまし討ち】、制限解除後は追風一薙による【ダッシュ】からの【先制攻撃】の【なぎ払い】で攻撃します
「陣取りゲームの応用版というところでしょうか」
多重人格者の二子塚・たがや、いやタガヤがそんな感想を漏らした。
確かに、一見する黒と色彩の攻防にも見える。だが、陣取りと違って、黒がこれ以上陣地を広げることはない。
「へぇ、『ヌリツブシバトル』ね!楽しそう~俺のこの新作カレーを試す時が来たかな♪」
人間の宮前・紅が戦場の中とは思えぬほど、言葉通り楽しげな様子で、黒塗りの街を見る。
そして、これも言葉通り、その手には、カレーがあった。
ただし蛍光ピンクの。
人形遣いである紅が呼び出した人形達も、その手に持っていた。
蛍光ピンクのカレーを。
「……」
一瞬何か言おうとして、だがタガヤは無言を通した。その判断はきっと正しいのだろう。
タガヤは軽く咳払いをして、意識を切り替える。
「では、そろそろ行きましょうか」
そういうと、タガヤはユーベルコード【『魔腕』怪奇右腕(マワンカイキノミギウデ)】を発動させる。タガヤの右腕が、ぼんやりとまるで幽霊のようなものへと変質した。
といっても、ユーベルコードの制限が掛かった今、敵を攻撃することは出来ない。目的は別のところにある。
「うわ、腕が取れたね」
紅の言葉通り、タガヤの右腕が、体から切り離された。
「面白いでしょう…? 今の私の右腕は」
紅のストレートな表現に、タガヤはにこりと笑う。
「私は、隠れながら、この腕を使って色を塗り広げます」
タガヤが自分の方針を告げる。
スーパー塗りつぶし攻撃を二人の猟兵が行ったことで、かなりのエリアが色に染まっている。そろそろユーベルコードの完全解除となるエリア内の3分の2が染められてもおかしくない。
解除されれば即座に攻撃に移ろうと思っているタガヤは、オブリビオンとの距離をあまり取らないつもりだ。
「俺は人形たちと地道に塗り潰していくよ」
紅の言葉に、タガヤが頷いた。
周囲に漂うカレーの匂い。
これは確かにこっそりは難しそうだと、素直にタガヤは思った。
「ではお先に」
タガヤは右腕を放ち、それとは反対方向に走り出す。右手のことがばれないよう両腕はポケットに突っ込んでいる。
タガヤを見送ると、紅は新たなるカレーを構えた。
ていとばかりに紅が蛍光色カレーを投げつければ、落ちたカレーは黒を蛍光色に上書きする。
「おりゃおりゃおりゃ!」
次々とカレーを投げるさまは、まさしく早業といっていいだろう。どんどん街が蛍光色に染まっていく。人形達も紅に習い、手持ちのカレーを道路や建物へと投げつけていくと、紅たちの周囲は、強烈なカレーの匂いに包まれていく。
「クワセロオオオオオ!」
その匂いに気づいたのだろう。ミスター・ドムドムが雄たけびを上げながら、匂いの発生源である紅の元へとすさまじい足音を立てながら迫って、そして、足を止めた。
「カレー!カレー?カ、レー?」
匂いは確かにカレーだ。だが、そこに広がる蛍光ピンクの彩りに、ミスター・ドムドムは困惑しているようだ。
まるで何かに救いを求めるかのように、周囲をきょろきょろして……その視線の先に、建物の影に隠れていたタガヤを発見した。
「クッチマウゾー!」
ミスター・ドムドムは一瞬の躊躇もなく、タガヤへ向け走り出し、両手に持った容器から、コーラを放つ。
「うわ!」
敵の突然の方向転換、そして、飛んでくるコーラに驚きながらも、タガヤは冷静にその軌道を見切り、ダッシュして回避する。
あたればものすごくべたべたになりそうな攻撃だ。
次々に放たれるコーラを、タガヤは、時にジャンプで、時にスライディングを使って真剣に回避する。
本体であるタガヤが必死でコーラを避けている間も、右腕はせっせと塗りつぶしを行い、そして。
「「!」」
二人同時に感じた。
ユーベルコードの開放を。
タガヤが足を止める。
敵を真正面に見つめれば、敵の向こうに自分の右腕が見える。そのように位置を取った。
タガヤが止まった事で、ミスター・ドムドムもまた足を止めた。そして、今度こそとばかりにコーラの容器を構えた瞬間、隠れていたタガヤの右腕が、ミスター・ドムドムの背後から、その頭部に殴りかかる。
「グオ!」
右腕はそのまま地面にばたりと、まるで力を失ったかのように落ちた。
「クッテヤルウウ!」
苛立ち混じりに、落ちた腕に、ミスター・ドムドムが手を伸ばした。だが、腕はぴょんと跳ね上がると今度は顎と思われるところをしたたかに殴りつけた。
「グオオオオオオ!」
タガヤの腕に注意が向いているミスター・ドムドムに向かって、紅が駆け出し一気に距離を詰める。
「そこにあるだけで罪なんだよ!食べ物の匂いって本当に狡いよねぇって事で!俺のお手製『蛍光色カレー』をくらえ!」
ピンク色であったカレーが、ユーベルコードが開放されたことにより色を変える。
そう、蛍光虹色に。
そして放たれる。紅のユーベルコード、【NO CURRY!NO LIFE!(ケイコウショクノカレーヲナゲツケルダケノワザ)】が。
「美味しいよ~!皆食べてってね!」
「ウボオオオオオ!」
蛍光虹色カレーが、ミスター・ドムドムの顔と思われる場所に直撃する。
その様子をちょっぴり哀れに思いつつも、タガヤは容赦なく次の攻撃へと移る。
ミスター・ドムドムの顔に直撃した蛍光虹色カレー。その飛沫が道路に落ちた瞬間、達成されたのだ。エリア内の3分の2の塗りつぶしが。
「…一撃、此方側から入れさせてもらいますよ……!」
タガヤは高速でミスター・ドムドムの背後に迫ると、ユーベルコード【追風一薙(オイカゼヒトナギ)】を放ち、その背後に大きな傷をつける。
「グウウウウウ!」
息も絶え絶えのミスター・ドムドムに向かって、紅が楽しげな笑みでカレーを構える。
「とりゃ!」
ミスター・ドムドムの口に当たるであろう場所に、蛍光虹色カレーを叩きつける。
「美味しいでしょ?美味しいって言わないとぶっ●すぞ♪」
やわらかい笑顔。それなのに、これ以上ないほど込められた殺気に、ミスター・ドムドムが体を震わせた。
「味は保証するよ~!だって俺が作った料理だからね!」
紅がぐりぐりとミスター・ドムドムの顔にカレーをねじ込む。
じたばたじたばたと暴れながら、ミスター・ドムドムが何とか小さく声を出した。
「ム、リ」
「え?無理?あれ~?聞こえないなあ」
相変わらずの笑顔のまま、紅がミスター・ドムドムを仰向けに倒し、その口にカレーを無理矢理、口に押し込んでいく。逃げ出さないように、しっかりと踏みつけながら。
「あの、敵さん、もう動いてないよ」
おそるおそるといった感じで、タガヤが紅に声をかける。
タガヤのいうとおり、ミスター・ドムドムはもうその動きを完全に止めていた。
「えー、まだまだいっぱいあるのに」
不満そうに言う紅に、タガヤは乾いた笑いで答えた。
大成功
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