バトルオブフラワーズ④〜麻婆大戦争
「猟兵諸君、よく来てくれた。早速で悪いがブリーフィングを始める」
グリモアベースに集まった猟兵たちを前にクリストファー・レヴェック(千の人格を持つ男・f04828)が目の前にモニターを展開して話を始める。
「まずは先だって起こった『テレビウム・ロック』事件について皆の活躍によりおおくのテレビウムたちがその呪縛から解放されたことについて感謝する。まあ、その結果モニターで示している通りメンテナンスルートは開かれたがキマイラフューチャーは真っ二つに割れた。正直、俺も驚いているがこれがあの世界のメンテナンスの方法であるなら従うしかあるまい。まあ、なんだ郷に入ればなんとやらというやつだ」
テレビウム・ロック事件でオブリビオンに追われていたテレビウム達は、キマイラフューチャーの中枢「システム・フラワーズ」からの救援要請でした!
猟兵たちの活躍により中枢へのメンテナンスルートは開放されました。さらにこのことからグリモア猟兵たちは新たな予知を得たのです。
「現在、システム・フラワーズを占領しているのは、この世界のオブリビオン・フォーミュラ「ドン・フリーダム」だ。こいつが現在いるのはこの真ん中のコアの部分なんだが銅も、そこに行くには周囲にある『ザ・ステージ』というを拠点を攻略しないとならない」
モニター上にキマイラフューチャーの現在の地図を展開しながら、目の前の偉丈夫は続ける。
「そこで、今回お前さんたちにはまず中央のコアへの道を切り開くべくこの『ザ・ステージ』の攻略に当たってもらいたい。ただ、厄介なことにこの『ザ・ステージ』には各拠点ごとに特殊なルールが設定されている。つまるところ普通に戦っても勝利することは出来ず、もし、その拠点の敗北条件を満たしてしまえばたとえ敵を倒しても謎の力により強制敗北となる」
『ザ・ステージ』攻略にはそれぞれ特殊な条件があり、注意が必要だというのだ。
「で、お前さん達に行ってもらうステージの詳細だが、カロリー執事というオブビリオンが支配するステージでここには『オオグイフードバトル』というルールが設定されている」
オブリビオンのまわりには『大量の料理』が用意されている。
「厄介なことに敵は用意された料理を食べ続ける事で圧倒的な戦闘力を発揮する。正直言うと通常の戦闘方法ではお前さんたちに勝ち目がない。だが、このステージのルールを使えばこのオブリビオンに勝つことはできる。で、肝心のルールだがそれは至ってシンプルだ。オブビリオン以上の大食いで料理を食べる事が出来れば、立場は逆転し、強力なユーベルコードの攻撃で、オブリビオンを攻撃する事が出来る。もちろん、相手より少ないとアウトなだけで食べた量が同じくらいなら、互角の状態に持ち込むことが出来る」
クリストファーは今回の戦いにおいて解決策は用意されており、敵オブビリオンを倒せないことはないと説明をするが。
「ただな、用意された大量の料理。このカロリー執事の場合は麻婆豆腐なんだが、これはオブリビオンが最も有利に大食いできる食材だ。今回勝利する為には『その料理をたくさん食べられる理由』や『大食いにかける熱意』ってのが必要になる。まあ、料理に手を加えて、味変しながら食べるってのも有効策の一つかもしれないな」
麻婆豆腐はそれ単品だけでも美味いがどうしても味が一辺倒になので飽きが来る。それゆえにそこを如何に解決するかがこのステージの攻略法の一つといえよう。
クリストファーが胸元から電子タバコを取り出し、一服したのちに笑顔で告げる。
「まあ、毎度のことだがこの規模の事件となるとここから先に何が待ち構えているかわからないこともある。だが、お前さんたちの活躍、それがどんなに小さなものでもこの世界を救うものであると俺は信じている」
いつも通りの豪快な笑顔を浮かべたのち、クリストファーは猟兵たちを見渡す。
「それじゃ、あまり肩肘張らずいつも通りにやってきてくれ。」
蛸入道
このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「バトルオブフラワーズ」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
キマイラフューチャーにて『バトルオブフラワーズ』が開戦しました。付近にいる猟兵は速やかにグリモアベースに集合し、戦争の早期決着に動いてください。
さあ、ついにキマイラフューチャーでも世界の存亡かけた戦争シナリオがはじまりました。
どうも、第六猟兵マスターの蛸入道と申します。
いやぁー、テレビウム・ロック事件という大規模な話があったので何か来るんじゃないかなと思ってはいましたがまさか、こんなに早く戦争の第2弾が来るとは思ってもいませんでした。とにもかくにもこれから一か月、皆さんの力をあわせ、ドン・フリーダム、そしてカタストロフからキマイラフューチャーを救いましょう。
それでは、皆様のプレイングを、楽しみにお待ちしております。
第1章 ボス戦
『カロリー執事』
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POW : 血糖覚醒
【自らの野望の為 】に覚醒して【全身が高カロリーな食べ物】に変身し、戦闘能力が爆発的に増大する。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
SPD : カロリーボム
【口に向けて一日分超の高カロリーな食べ物 】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ : お食事会
いま戦っている対象に有効な【相手が好みそうな食べ物(カロリー激高) 】(形状は毎回変わる)が召喚される。使い方を理解できれば強い。
イラスト:はちみつモンテ
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「宇冠・由」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●麻婆の海を超えろ
猟兵たちがゲートを抜けてステージに入るとそこには中華料理屋にあるような大きなターンテーブルが設えられていた。そのターンテーブルに座するは三段重ねのアイスクリームの頭部を持った執事姿のオブビリオンだ。その姿に恥じぬ甘いマスクのオブビリオンがテーブル狭しと並べられた麻婆豆腐を前に猟兵たちを出迎える。
「ようこそ、猟兵諸君。私の名はカロリー執事。ここは私が支配するステージだ。このステージでのルールはオオグイフードバトル。諸君らにはこの目の前にある麻婆豆腐の大食いで私と対決してもらおうか」
猟兵たちの目の前にいるカロリー執事を名乗るオブビリオンが宣言をすると『ジャーン、ジャーン、ジャーン』とステージ一杯に銅鑼の音が響き渡る。このステージでのオオグイフードバトルの開始が告げられた。
「さあ、猟兵諸君。私を倒したくば、この麻婆の海を超えてくるがよい」
黒瀬・ナナ
腹が減っては戦は出来ぬって言うし。
世界を救う為にも、ここでたっぷり腹拵えしておかなくちゃね。
ふふん、『大食い』ならおねえさんに任せて!いざ、お気に入りのお箸でいただきまーす♪
あつあつ麻婆豆腐美味しい!じんわり汗が出る辛さがクセになってお箸が止まらないわね。それにお豆腐が柔らかいから噛まずにするんと飲み込めちゃうし……もう、麻婆豆腐は飲み物よね!
あ、ほかほかご飯に乗せて麻婆丼にしても美味しそうよね。ねぇ、ご飯ないの?
味変とか、アレンジしている人が周りに居たら色々試してみたいなぁ。
目一杯食べた後は、美味しい麻婆豆腐に感謝しつつ怪人を全力で殴る。
ご馳走様でした♪
※他猟兵様達との絡み、アドリブ等歓迎。
馬飼家・ヤング
うおー!食べて食べて食べまくればええんやて!?
フードファイターとしてこれ以上のご褒美はあらへんやん!
ほな早速、いっただきまーす!!(ぱくぱく)
麻婆豆腐はな、絹のようになめらかな豆腐の喉越しも勿論やけどな、脇を固める豚挽き肉の味わいもまた格別なんや。
こんな美味い中華が食べ放題なんて、わいの大食い力と【フードファイト・ワイルドモード】も加速するのう。
油ものばかりじゃ飽きるんちゃうかて?
ほんなら合間にお茶と点心つまめばええねん。
烏龍、プーアル、ジャスミン茶。中華はお茶の種類も豊富やしな。ほんま飽きへんわ。
…ところでおっさん(変身後の敵)、実に美味そうやのう。
どや、一口味見させてくれへん?(ちゅるり)
明石・真多子
アタシの故郷が大ピンチだ!?ここは軟体魔忍として一肌脱ぐ必要あるね!
いくぞ怪人覚悟しろー!
え?その前に大食い勝負?
ふふん!こっちは大食いならちょっと自信あるんだよね!
お料理は麻婆豆腐か~。
絡みつくようなトロミとタコみたいな赤、軟体生物みたいな柔らかさとタコみたいな白。
まるでタコを応援する料理!俄然やる気出てきた!
相手には秘密だけどアタシはタコキマイラ、骨無しだからいくらでも膨らむことが出来ちゃうよ!
【軟体忍法伸縮自在の術】で伸び放題になったら6本の腕でどんどん詰め込むよ!単純に相手の3倍速で食べれる!
食べきったら膨らんだ巨体を活かして攻撃だ!
触手の吸盤を天井にくっ付けて振り子ハンマーアタック!
浅杜守・虚露
大食いのう、まぁ、力士が食うものは総じてちゃんこというしの、レスラーも力士も食べるのは稽古の内!稽古とはいえ負けるのは性に合わん。気合い入れて食うかのう。
…とりあえず米くれんか?
味に飽きたら白菜でシンプルに鍋作って上から麻婆加えて食うかのう。ん?量が増えとる?……まぁ誤差じゃろう。
リン・レイ
ワタシ、中華料理が大好きアル!毎日中華でも全然平気ネ!麻婆豆腐も大好きアル!そのまま食べるのも良いアルネ!いや、ご飯にかけて食べるのも良いアル!同じご飯でも炒飯にかけるのも捨てがたいアル!麻婆豆腐をラーメンの中に入れるのとかあるって聞いことがあるアル!もう頭の中が麻婆豆腐のことで一杯アル!(ジュルリ)早く食べたいアル!ワタシは麻婆豆腐がお腹いっぱい食べられて、キマイラフューチャーはオブリビオンから世界が救われるこんな良いことはなアル!麻婆豆腐!ワタシが全部美味しく食べてあげるから覚悟するアル!
技能【大食い】でどんどんと麻婆豆腐を食べ進める。
他傭兵さんとの絡み、アドリブ大歓迎!
●麻婆の海に挑む者たち
「腹が減っては戦は出来ぬって言うし。世界を救う為にも、ここでたっぷり腹拵えしておかなくちゃね」
黒瀬・ナナ(春陽鬼・f02709)は大量の麻婆豆腐を前に腕まくりをし、臨戦態勢を整える。
「うおー!食べて食べて食べまくればええんやて!?フードファイターとしてこれ以上のご褒美はあらへんやん!」
馬飼家・ヤング(テレビウムのちっさいおっちゃん・f12992)もこの麻婆豆腐を食べ放題の状況にテンションを上げる。
「大食いのう、まぁ、力士が食うものは総じてちゃんこというしの、レスラーも力士も食べるのは稽古の内!稽古とはいえ負けるのは性に合わん。気合い入れて食うかのう」
浅杜守・虚露(浅間雲山居士・f06081)はこの状況を普段の稽古と同じと捉え、その上で例えそれが稽古であっても負けてもいけないと気合を入れる。
「ワタシ、中華料理が大好きアル!毎日中華でも全然平気ネ!麻婆豆腐も大好きアル!ワタシは麻婆豆腐がお腹いっぱい食べられて、キマイラフューチャーはオブリビオンから世界が救われるこんな良いことはないアル!この状況最高ネ!」
リン・レイ(いつも腹ペコ・f10712)は大好物の中華を目の前にしてはやる気持ちを抑えられずにいる。
「アタシの故郷が大ピンチだ!?ここは軟体魔忍として一肌脱ぐ必要あるね!いくぞ怪人覚悟しろー!え?その前に大食い勝負?いいわ、受けて立つわ!」
明石・真多子(軟体魔忍マダコ・f00079)も自身の故郷のピンチにこの大食い勝負の場に馳せ参じた。
5人の猟兵がターンテーブルに着くと手にはそれぞれ箸やスプーン、レンゲを手に取り、目の前の麻婆豆腐をそれぞれの取り皿へと取り分け口に運ぶ。
「ふふん、『大食い』ならおねえさんに任せて!いざ、お気に入りのお箸でいただきまーす♪」
ナナは持参したマイ箸で食べ進めていく。
「あつあつ麻婆豆腐美味しい!じんわり汗が出る辛さと痺れがクセになってお箸が止まらないわね。それにこのお豆腐。どこのお豆腐かしら、柔らかいから噛まずにするんと飲み込めちゃうし……もう、麻婆豆腐は飲み物よね!」
そう、このオブビリオンが用意した麻婆豆腐は特段変な味がするわけではなく、本場四川の醤の旨みと唐辛子の辛さ、花椒の痺れが三位一体となった一流の中華料理店で出てくるようなそんな麻婆豆腐であったのだ。
「ほな、いっただきまーす!!」
ヤングもまた、取り分けた麻婆豆腐を口に運ぶ。
「こ、この麻婆豆腐。絹のようになめらかな豆腐の喉越しも勿論やけど、特筆すべきは脇を固める豚挽き肉。この脂の旨みに肉本来の味わいもまた格別やで。こんな美味い中華が食べ放題なんて、わいの大食い力も加速するのう」
ヤングはあまりの美味さに目を見開き食べ進める。まさにワイの胃袋はブラックホールやと言わんばかりの勢いで食べていく。
「うむ、確かに美味い。こりゃ、いい材料を使っておるの。オブビリオンが用意していたからちと不安があったが、なかなかどうしていい腕をしておるのう」
虚露はこの麻婆豆腐の出来に関心しながら食べている。
「じゃが、これだけあると若干飽きが来そうじゃのう。そうなる前にちと手を打っておくかのう」
虚露はこのオオグイバトルの先を展開を見越して次の一手を打つ準備を始めた。
「ふふん!こっちは大食いならちょっと自信あるんだよね!お料理は麻婆豆腐か~」
真多子は目の前の麻婆豆腐を見て、やる気を出す。
「絡みつくようなトロミとタコみたいな赤、軟体生物みたいな柔らかさとタコみたいな白。まるでタコを応援する料理!これは俄然やる気出てきた!」
実際に蛸が入っているわけではないがその色味や柔らかさにイメージを重ねたようだ。
「もう頭の中が麻婆豆腐のことで一杯アル!」
リンはこの大量の麻婆豆腐を前に様々な食べ方を思いついたようで。
「そのまま食べるのも良いアルネ!いや、ご飯にかけて食べるのも良いアル!同じご飯でも炒飯にかけるのも捨てがたいアル!麻婆豆腐をラーメンの中に入れるのとかあるって聞いことがあるアル!」
リンは思いついた食べ方を実践しようとその準備を始めたのだった。
「おかしいですね。そろそろ食べ飽きて弱音を吐いたり、ペースが落ちるはずなのですが」
オオグイバトルが始まり、30分経過。順調に食べ進めていく猟兵たちを見て、若干の焦りを見せるカロリー執事。このオブビリオンの中では30分というタイミングで猟兵たちのペースが落ちると予測していたのだ。だが、そのペースは落ちるどころか逆にカロリー執事の食べている量を個々人で上回っている状態にあるのだ。
「……とりあえず米くれんか?」
味変用に白菜のみで作った鍋に麻婆豆腐を乗せて食べていた虚露は思わず本音を漏らしてしまった。これだけ美味い麻婆豆腐があるのになぜ米が無いのか。
「あ、ほかほかご飯に乗せて麻婆丼にしても美味しそうよね。ねぇ、ご飯ないの?」
そんな虚露の言葉と聞いて、ナナも思わずご飯を欲ししてしまったのか周囲の猟兵に尋ねる。するとそこにリンがワゴンを押して戻ってきた。
「ご飯とチャーハン、ラーメンの用意が出来たアル!みんなもこれ使ってドンドン食べるヨロシ!」
「おお、それは助かるのう。やはり、この麻婆豆腐を美味しく食べるには白飯はかかせんのう」
「まあ、リンさん、ありがとうございます。これでさらにお箸が進みますね」
リンが用意した味変用アイテムの投入により、活気づく猟兵達。このタイミングも実に絶妙で特に米を欲していた虚露とナナにとっては砂漠でオアシスを見つけたいようなものである。二人が麻婆丼を作り、食べ始めると、真多子とヤングもそれぞれチラーメンやチャーハンに麻婆を乗せて食べ始めた。
「この麻婆ラーメンというのはいいですね。スープの中を泳ぐ麻婆豆腐はまさにアタシを応援してくれているかのよう。これだけでさらに食が進んじゃうよ」
真多子は【軟体忍法伸縮自在の術】を使い、伸び放題になった6本の腕でどんどん詰め込む。そのスピードは単純に通常の3倍速で食べている計算となるのだ。
「いやいや、この麻婆チャーハンいうのもなかなか乙なもんや。このこってりした感じが中華食ってるって気にさせて、もう最高や。あ、そろそろ口直しのお茶取りに行くんやけど、欲しい人おる?」
「あ、ワタシ、烏龍茶欲しいアル!やっぱり、これだけ食べると烏龍茶は必須アル」
他愛もない会話も交えつつ、食べるスピードを上げていく猟兵達。すでにカロリー執事との食べている量の差は途中、味変アイテムを用意しに席を外していたリンでさえ互角の状態となっていたのだ。
「バ、バカな。味変用に鍋に米にラーメンだと。や、奴らは化け物なのか」
カロリー執事は猟兵の用意した味変アイテムに慄く。そもそも、味変なので調味料を想定していた。しかし、猟兵達が用意していたのはともすれば麻婆豆腐の嵩増しになり不利になる食材ばかりであったからだ。だが、それも誤差のうちと言わんばかりに猛然と食べている姿と積み重なる麻婆豆腐の空き皿を見て、カロリー執事はその手を止め、戦意が失っていたのだ。
カロリー執事の落胆ぶりと止まっている手をみて勝利を確信した猟兵たちはカロリー執事にとどめを刺すべく動き出す。
「ご馳走様でした♪」
ナナが美味しい麻婆豆腐に感謝しつつ、箸から迦陵頻伽【花嵐】に持ち替えると【羅刹旋風】で迦陵頻伽【花嵐】を振り回しカロリー執事を殴る準備をする。
「ごっそさん。さて、デザートがあるとええんやけど……ところでおっさん、実に美味そうやのう。どや、一口味見させてくれへん?」
ヤングもまた【フードファイト・ワイルドモード】で全身の細胞を活性化させながらカロリー執事の頭を見やると食後のデザートよろしく飛びかからんと構える。
「ごちそうさま。とてもおいしかった」
真多子は食べ終わると同時に天井へと飛び、触手の吸盤をくっ付けて自身を振り子のハンマーの様に体を揺らし始めた。
「ごっちゃんです。いいちゃんこじゃった。さて、稽古の仕上げといくかのう」
虚露は四股を踏み、相撲の立ち合いのような構えを取り、カロリー執事の正面に対峙する。
「ごちそうさまアル!本当においしかったアルよ。それじゃあ、みんなでオブビリオンやっつけて、キマイラフューチャーを救うアル!」
リンも他の猟兵同様、千霊暗器とからくり人形を構えてカロリー執事への攻撃準備を始める。
「確かに私はオオグイフードバトルに敗北を喫しました。しかし、このままみすみす抵抗もないままというわけにも行きませんので、最後の抵抗はさせていただきましょう」
カロリー執事も最後の抵抗とばかり構えを取り、【血糖覚醒】にてその真の姿を現す。頭のアイスはさらに濃厚になり手にはティーセットを持った姿となったカロリー執事はその手にしたティーセットを振り回し、猟兵たちに襲い掛かる。しかし、その攻撃も虚露の立ち合いからのぶちかましにより威力は削がれ、苦し紛れに放った【カロリーボム】はリンのからくり人形により猟兵たちの口に届かず、さらに千霊暗器によって動きを阻害される結果となった。
そして、動きを阻害された結果、この後に続くナナの斬撃、ヤングの噛み付き、真多子の振り子ハンマーアタックを躱すことが出来ず、ついには麻婆豆腐の海へと自らの身を沈めることとなったのだ。
「当ステージの支配者、カロリー執事の死亡確認。ウィナー、猟兵。ウィナー、猟兵」
ステージ内を電子音のアナウンスが木霊する。それは猟兵たちの勝利を告げるアナウンスであった。
かくして、猟兵たちはザ・ステージのうちの一つの開放に成功したのであった。
大成功
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