バトルオブフラワーズ⑥〜蝶舞蜂刺ダンスフロア
グリモアベースの一画。
キマイラフューチャーの危機を救うための予知と転送が繰り返される中で、ネオン・エルバイトが猟兵達に向けて声をあげた。
「この場の猟兵の皆さんは既に聞き及んでいるかと思いますが、システム・フラワーズに向かうための道をこじあけるため、ザ・ステージの攻略にご協力いただける方を募集します。
向かう先はザ・ダンスステージです。運動能力やリズム感に自身のある方、そうでなくとも次にすべき動きを直感系のもので見切れる方が向いていると思われますので、自信のある方はどうかご協力お願いします」
彼が予知したのはザ・ダンスステージのうち"アカイクツレボリューション"なる特殊ルールが発動する場所である。
この特殊ルールが働くステージの上では、常にリズムに合わせて床タイルが明滅している。光っているタイルをリズムに合わせて踏み続けなければ、どういう理屈かはわからないがステージから強制排出されてしまう……そう、"アカイクツレボリューション"とは、戦い続けるために常に先を読み踊り続けねばならない過酷なルールなのである。
「光るタイルを踏まなければ退場という特殊な戦場ではありますが、裏を返せばリズムに合わせて光るタイルを踏めさえすれば良いとも言えます。
そうですね……最低限、タイルを踏み続ける算段があればOKです。それに加えてダンスが上手ければ上手いほど戦闘能力が向上しますので、ダンスに自信があればなお良しといった感じでしょうか」
また、このルールは怪人側にも当然適応されている……つまり、よほど運が悪くない限り怪人に物理的一撃加えるだけでポンポンふっとぶ戦場でもある。
その分ステージ上に怪人が湧き続けるが、倒し続けてさえいれば最終的に底を尽きることも予知でわかっている。
「詳細の説明に移りますね。案内する戦場ですが、巨大な一つのステージになっています。猟兵も怪人もある程度散ることができるぐらいの広さですね。ステージの端は崖のようになっていて、そこに出てしまうと空中であってもタイルを踏み外したのと同じ判定になって強制退出になってしまい復帰ができません。
流れている曲はトランス系でBPM128程度の四つ打ちですね。ドラムがしっかりしててリズムは聞き取りやすいので、そもそも曲のリズムがわからないという事は無いはずです。
タイルの大きさは僕の案内する場所だと30cm四方のものが敷き詰められています。それが市松模様に交互に光るというシンプルなパターンです。動きの制限としては同じところに踏みとどまれない以外はあまりなさそうですね。
戦う怪人は物理学トリオという連中です。大量に湧いてくるため、だれかが欠けてもすぐに3人組を形成するようです。気にすべき点としては……振り子やメトロノームと言った一定のリズムを刻む事が得意な怪人が入っているため、攻撃を与えない限り敵の自滅は無いというあたりでしょうか。
ちなみに予知で見た限りですが、怪人のダンスセンス自体はあまりないため彼らがアカイクツレボリューションの戦闘能力向上を受けることはなさそうです」
手帳の中を見て他にいう事がないかを確認してから、ネオンは猟兵達に頭を下げる。
「動き続け、なおかつ攻撃をせねばならないという過酷な戦場ではありますが……皆さんの力を信じています。どうか、よろしくお願いします」
碧依
碧依と申します。今回の戦争でもよろしくお願いします。
今回のシナリオではザ・ダンスステージの集団戦を行います。
特殊ルール、アカイクツレボリューションに関してはOPにあるとおり"リズムに合わせて光る床タイル踏まないと強制退場"と"ダンスが上手だと戦闘力アップ"という2点を抑えておけばこのシナリオにおいては大体大丈夫です。
逆に言うとダンスを続けるためのプレイングは必須となります。ご注意ください。
それでは、皆様のプレイングをお待ちしています。
第1章 集団戦
『物理学トリオ』
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POW : 振り子怪人・ウェポン
【振り子兵器】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD : メトロノーム怪人・ジェノサイド
【メトロノーム攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ : 電源プラグ怪人・リフレクション
対象のユーベルコードに対し【電源プラグ】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
イラスト:まめのきなこ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
高鷲・諒一朗
ダンスなら任せてくれよお、ってなあ!
うなれ俺のこの長い脚!
スカイダンサーの真髄を見せてやらあ!
キマイラフューチャーはやっぱりダンスにおいても最先端だなあ!
ダンス好きのおれみてえな若者を引き付ける力があるぜえ
リズムとは脈動! ステップとは鼓動!
音楽と一体になれば自然と手も足も動く、それがダンスってもんだぜえ
笑顔がいちばん、楽しんで踊るとすっかあ!
危ないところは「野生の勘」で咄嗟に踏みつつ
とにかく楽しく! 見栄えも考えて! しっかり最後まで踊りきるぜえ
ここぞというときに攻撃できそうなら
『スカイステッパー』で蹴り上げるぜえ!
規則的なステップ、揺るがないリズム。そのようにステージをただ一定の揺れのように動く怪人達の中に現れたのは、床を踏むリズムこそ同じだがその意味が大きく違う男だった。
彼の名は高鷲・諒一朗。出現前に猶予があったため既に曲のリズムをつかんでいた彼は、フロアからの光を受けながら心底楽しそうに広いステージの中を大きく踊り回る。
金色の毛並と自信満々な笑顔を携えた彼は何一つ悩むことなく曲のリズムを刻むドラムと手足の動きを連動させていた。
「おっ、なんかどんどん身体が軽くなってくるな!戦闘能力上がるってこんな感じかあ!」
諒一朗のダンスセンスに応えるように、彼の踏む床の光が強まり力を与える。ただでさえ踊る事そのものが楽しい諒一朗だが、その上でノればノるだけ派手になりながら力が漲る状況に目を輝かせた。
リズムを制約として考え、一定の動きを自らに課す怪人達は大きく動き回る諒一朗に対して必然的に後れを取っていた。それでも淡々とタイミングだけを合わせながら彼に迫ろうとする怪人達の方へ、諒一朗は動きを切り替える。
「あんたらも、もっと楽しく踊ろうぜえ!」
パネルを踏み続けるだけの怪人の群れに、ひときわ力強い光を受けて突っ込む諒一朗!彼は曲に合の手をいれるかのように、宙を蹴る要領で怪人を蹴り上げる!
蹴り飛ばされた怪人は、別の怪人にぶつかり脱落の連鎖を起こす。諒一朗のダンス演出の一つとして消えてゆく怪人達は、動きだけを見れば淡々と動いていた時よりもずっと躍動的だ!
「ははっ、手伝ってやったら出来るじゃねえか!」
脈動と鼓動を全身で表現するついでで怪人を巻き込んでゆく彼に、反撃に転じんとメトロノーム怪人が迫ってリズムを刻みながらの連続攻撃を放つ!
「おっ?来るのか?よっしゃ、一緒に踊ろうぜえ!」
諒一朗はスカイステッパーを利用してその頭上を飛び越え、野生の勘で見えてなかった次のタイルを足先で捉える!そして着地と同時、地についていないほうの脚でメトロノーム怪人を蹴り上げた!
失格となっての退出より先に、蹴りの威力で消え去るメトロノーム怪人!ダンスを楽しく踊り続ける諒一朗の一挙手一投足が、怪人達の体力を上回ったのだ!
「ちゃんと楽しんで踊ってねえからだぜ!ほら、だからもっと、楽しく踊ろうじゃねえか!」
怪人達を蹴り飛ばし、自分のダンスに巻き込んでゆく。
猟兵達の先駆けの星となった諒一朗は、光を受けながらダンスステージの上で踊り続けた。
成功
🔵🔵🔴
セシィ・ソルビー
動画撮影準備OK!始めよー!!
◆まずは挨拶から
ハーイ!セシィちゃんだよ☆
今日は最近話題のキマイラフューチャーに来てるよ!未曾有の危機みたいなんでセシィちゃんも一肌脱いじゃおうかな☆皆んな応援よろしくね〜♪
◆世界を救うために踊ってみた
よーし、【ダンス】【パフォーマンス】で楽しく、可愛く、格好良く、光るタイルを踏んでいこうかな☆
それと、光るタイルを踏みながら怪人さん達の元に近づいたら【手を繋ぐ】で怪人さんの手を取り、目が合ったら(目あるのかな?)UC【超アイドルスマイル】で怪人さんをセシィちゃんに釘付けにしちゃうよ。踊ることも忘れて私に見惚れてね♪
さぁ、このステージ楽しんじゃおう☆
※アドリブ歓迎☆
怪人達が蹴り飛ばされては消えてゆくダンスステージ。しかしその広さはなかなかのものであり、そのステージを埋め尽くす怪人もまだ尽きることはなさそうだ。
そんな中、新たな猟兵が召喚される。展開された電脳世界とともに姿をあらわしたのはセシィ・ソルビー。この戦いを動画におさめようとする彼女は、軽快にステップを踏みながらカメラ位置に向けて笑顔で挨拶をする。
「ハーイ!セシィちゃんだよ☆今日は最近話題のキマイラフューチャーに来てるよ!未曾有の危機みたいなんでセシィちゃんも一肌脱いじゃおうかな☆みんなー!応援よろしくね~♪」
挨拶と同時に手を大きく振り、それを振付に転用することで本格的なダンスパフォーマンスに入ってゆく。
「今回の動画は、ズバリ!世界を救うために踊ってみた!セシィちゃんの可愛く、楽しく、格好良く!の3点バッチリ揃ったとこを見てってね~☆」
明るい表情と大きな動き、そして何よりもそれらをしっかりと行える基礎能力。それらが揃い十全に発揮される彼女のダンスを、このステージの特殊ルールが認めて効果として反映してゆく。
セシィは足元の光が強まるたびに、自身の能力が高まっていくのを感じた。ステージそのものから歓声を受けているような感覚に明るい青の瞳がきらめき、そして足元の光と、今は聞こえない画面の向こうで起こるはずの歓声に応えるように動きの軽やかさを増してゆく!
必然、強い存在感を放つ彼女に怪人が近づいてきた。敵意を露わにする振り子の怪人に気づきながらも、セシィは怯む事なく踊り続ける。
そして怪人がセシィに攻撃できる距離まで来たとき、セシィの方が行動を起こした。
「こんにちは♪」
愛らしく、だが媚びるわけではなく堂々と怪人の手をとる。自然につながれた手に思わずといった形でセシィの顔を見た怪人に向け、彼女はパチリとウィンクをしてみせ……そして、手を離し遠ざかりながら最上級の笑顔を浮かべた。
怪人の足が止まる。カチンカチンと規則正しく衝撃を伝えていた振り子は止まらないのに、その振り子の頭を乗せた身体はセシィの方に向いたまま立ち尽くす。そしてそれは、このステージにおいては最大級の致命的なミスとなった。
「世界一の笑顔、喜んでくれたみたい☆怪人さんは消えちゃったけど、見ている皆とセシィちゃんはまだまだこれから!さぁ、もっとこのステージを楽しんじゃおう☆」
強制的にこのステージと世界から退去させられた怪人の方向に大きく手を振って、そして最初と同じようにそこから大きな動きに繋げて踊り続ける。
そうして、セシィはその煌めきを増しながら、次々と怪人の足を止めていった。
成功
🔵🔵🔴
ティオレンシア・シーディア
※アドリブ掛け合い絡み大歓迎
…一応話には聞いてたけど…
ホントにとことんトンチキなのねぇ、この世界…
ま、やれるだけはやってみましょ。
「光る床を踏めさえすれば良い」んなら…こういうのもアリよねぇ?
足さばきにガンプレイの〇パフォーマンスを組み込んで●射殺を撃ちまくるわぁ。
〇ジャンプと〇空中戦も織り交ぜれば、結構アクロバットなこともできそうねぇ。
あたしが習ったのは〇ダンスはダンスでも社交ダンスのほうだからあまりハイテンポの曲は得意じゃないんだけど。この程度なら問題ないわねぇ。
それじゃ、楽しむとしましょうか。
葡萄原・聚楽
厄介……まぁ世界の危機なのは本当だ、やんなきゃな。
「戦闘食:UDC」を「爪の刻印:人形」で喰らってパペットに。
武器「鋼糸:人形操り」を繋げて、ユーベルC【葡萄酒】でパペット強化もしておく。
まずはリズム掴んで(技能:ダンス、パフォーマンス)
糸のリーチ利用して、敵が近距離に迫る前にパペットでぶっ飛ばす。
数が多いなら、糸の部分で薙ぎ払う形で攻撃だ(技能:範囲攻撃)
近づかれたら「片手半剣:人形」で攻撃受け流してからぶん殴る(技:武器受け、カウンター、怪力)
ジャンプで攻撃避けたりもできるが、タイル踏めなくなるな。
その時は糸の先のパペットにタイル踏ませる。
ルール上OKかはまぁ運だな。
※アドリブ、絡み:歓迎
徐々に怪人が数を減らし、そして同時に補給されてゆく。そして、その補給を枯らすべく新たな猟兵達がステージの上に現れた。
「厄介……まぁ世界の危機なのは本当だ、やんなきゃな」
ステージの端側に召喚されたのは、鮮やかな瞳が印象的な葡萄原・聚楽である。
彼は曲のリズムを身体への動きとして反映し、意識することなく反映できるようになるまでステップを踏みながら慣らしてゆく。ダンスとパフォーマンスの心得を動員しリズムに合わせて自然に動けるようになったところで、怪人の群れがいる中央部へと向かう。
黒に差し込まれた蛍光色に気づいた振り子怪人が攻撃を行わんと接近する直前、召喚の最中に準備しておいたパペットを投げつける!
一見黒猫のぬいぐるみに見えるそれを、怪人がただのぬいぐるみと侮り攻撃を仕掛ける。が、そのパペットは与えられていた処理済みUDCと、聚楽の血によって強化済み!当てようと向かってきた振り子に牙を向き食いついた!
「先ずは一体……ん?」
バランスを崩し強制退出する振り子怪人の向こうから、ぞろぞろと聚楽の方向に怪人が向かいつつあった。聚楽がその先を見遣れば、既にダンスの腕前によって強化された猟兵が派手に踊り回っている。
「逃げてきたか。あっちで一緒に踊っていれば、もうすこし長生きできたのにな」
聚楽はパペットを怪人の群れの中に落ちるように投げ、それと自身を繋ぐ鋼糸をピンと張る!そして、糸の先のパペットと共に、怪人達を薙ぐようなステップを踏む事で怪人達に範囲攻撃を仕掛けた!
大抵の怪人は足などが引っ掛かり転倒するが、数体難を逃れた物が聚楽に向かう!
「飛び上がるような技能をもってるのもいたのか」
振り抜かれた振り子を避けるためジャンプで躱し、その間のステップをパペットに任せる。内心大丈夫かと不安があったものの、聚楽は追い出されることなく再び光るタイルに着地し距離を置く。
その直後、聚楽の目の前で、不意に怪人達の頭が吹き飛んだ。唐突な出来事でもステップを崩さず維持する聚楽に、少々離れた場所から声がかけられる。
「あらぁ、ごめんなさい。あたしもちょうどそのあたりを狙ってたものだからぁ」
「いや、いい。助かった」
甘く幼い声の方向に視線を向けないまま、聚楽は自身を狙う怪人に対応するため鋼糸と逆側の手に剣を持つパペットを装着する。そうする合間にも、鋼糸にひっかかったもののしぶとくタイルを踏む怪人が、先ほどの声の方向からの弾丸で撃ち抜かれ消えていった。
「邪魔しちゃ悪いから、ちょっと離れたところに行くわねぇ」
「ああ、そちらも頑張ってくれ」
そう言って聚楽が声の方向を見ると、聞こえていた声とはかなりイメージの違う、妖しげな美女が軽やかな足さばきで踊りながら銃を撃ち放している姿が見えた。
ティオレンシア・シーディア。この戦場に追加で召喚された猟兵の一人である彼女は、自身の足さばきとガンプレイを連動させつつ派手な動きを組み合わせていた。
「習ったダンスは社交ダンスだから大丈夫か不安だったけどぉ、このぐらいならいけるわねぇ」
ターンを決めながら、即座に今撃ち抜ける対象を見切り頭に銃弾をお見舞いする。リズムに合わせての銃撃と、基礎的な動きの完成度からか彼女の足元の光も次第に強くなっていく。
「さて、そろそろもうちょっと派手にやっていこうかしら」
直前に聚楽のジャンプを見ていたため、おそらくリズムさえ合えば……というよりも"数拍の間であれば光るタイルも暗いタイルも踏まなければ"失敗とはみなされないことに彼女は気付いていた。
聚楽の場合はもしジャンプの着地に失敗していたとしてもパペットの足を自身の足の代わりにしていたので大丈夫ではあったのだが、それもあくまで補佐てきなもの。彼の様子を見ていたティオレンシアは着地時の聚楽の足元の光が他より強い事をきちんと見抜いていたのだ。
故に、ティオレンシアは迷わず高くジャンプし、自身の身体全てを数拍空中に置く。そしてその間に、いくつもの銃弾を発射!タイミングをずらしたいくつもの銃弾が、連符めいて怪人達を撃ち抜く!
そして、着地したティオレンシアの足元の光は先ほどよりもぐっと強く輝く!
「ふふっ、上手なほど派手に、派手なほど強くなっていくのねぇ。勝手もわかった事だし、楽しむとしましょうか」
元々細い目をさらに細め、次第に軽くなってゆく動きに合わせて連射しながらスキップするように踊ってゆく。怪人達は新たな脅威に逃げ惑うが、ティオレンシアの銃弾はそれを逃さない。
「あたしの前に立ったんだもの。逃げられるわけないでしょぉ?」
迫る怪人も逃げる怪人も逃がさない。ティオレンシアの軽やかな身のこなしに連動した銃撃が、怪人を次々と撃ち抜いてゆく。
猟兵達の踊りが交差し、戦いが過熱する。彼らが踊り続けるほどに、ステージ上の光はより強くなっていった。
成功
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明石・真多子
楽しいバトルならまかせとけー!
生粋のキマイラっこのアタシ登場!
こういうゲームなんて子供のころから遊び慣れてるから余裕余裕!
なんたってアタシはタコキマイラ、2本脚の人たちに比べて4倍のアドバンテージがあるんだからね!
これでもちびっこブレイクダンス大会優勝経験だってあるよ!
それじゃ早速レッツプレイ!
まずは【軟体忍法八足歩行の術】で八足歩行になろう!
腕だろうって?タコだから脚でーす!
2足歩行用のステップなんてちょろすぎ!
余った触手腕を伸ばして怪人達の足元を[なぎ払い]だ!
おっとごめんよ、くるっと回るパフォーマンスでたまたま当たったんだよね~(故意)
相手の攻撃も八本足ならパネル踏みながらでも悠々回避!
千愛・万望
舞踊対決ねぇ、楽しそうじゃないのよさ
あーしは舞踊の訓練なんか積んじゃないけども
身体動かすのは好きだからね、ひとつ踊ってみようじゃないの
ほっ、はっ……ははは、段々慣れてきたよ
故郷(サムライエンパイア)の踊りとは随分違うね、こんなに早い拍子の舞踊は初めてだ
でもあーしはこっちのが好みさね、っとぉ
取り敢えず足元に集中してれば脚さばきを間違えることは無さそうさね
だからあーしは集中集中
――攻撃は、この子らがやってくれるわさ
さあお行き、《月泳》
【一斉発射】の【範囲攻撃】!
ついでに陰陽師特製、呪術による【マヒ攻撃】も乗せた式神爆弾さあ!
はっはっは
舞踊は素人でも、これは戦争
あーしにも演りようはあるってことだわさ
神薙・焔
要するに音ゲーよね、ゲーセンでよく遊んでるのよ。
覚えてしまうのが一番いいんだけど、ぶっつけではそうもいかないわね。腰を大きく上下させずに滑らせるように足を動かして、体幹はニュートラルを維持、次にどこが光っても対処できるようにね。
あとは、リズムに乗って踏んでいけば、戦闘しながらでもやれるわね、難易度は低めだし、フルコンボ余裕、もう一度遊べるドン! BPM128で奏でる戦闘音楽、ガトリングガンをバリバリ撃ちまくるわよ!
パーフェクトコンボをドローンで撮影して動画配信もしちゃおうかしら。
猟兵達の攻勢でステージ上が輝く中、3名の猟兵が召喚された。
早速ユーベルコードを発動し、八足歩行になるフリーダムさを発揮する明石・真多子はタコ足でステップを刻みながら、まだ踊り慣れない様子の千愛・万望をサポートする。
「故郷の踊りとは随分違うね、こんなに早い拍子の舞踊は初めてだ……ほっ、はっ……ははは、段々慣れてきたよ。ありがとねぇ」
「いいっていいって!そろそろサポート外すけど大丈夫?やっぱり苦手だったりとかはないかな?」
「ああ、あーしはこっちのが好みさね、っとぉ」
真多子がそっとタコ足のサポートを外したのを機に、万望は自身の足の動きに集中する。
彼女らの様子を見ていたもうひとり、神薙・焔も万望の足さばきが形になっていることに安堵する。
「万望ちゃんは大丈夫そうね。そろそろ各自行動に移る?」
「そうだねぇ、あーしは初心者なりにやるからあんたたちも楽しんでくるんだよぉ」
「もっちろん!楽しいバトルならまかせとけー!」
互いに頷きあい、3名の猟兵はそれぞれに行動を開始した。
真っ先に躍り出たのは、移動に大きなアドバンテージを持つ真多子だった。八本足であるアドバンテージを活かしそつなく、しかし大きくうごきながら怪人達の最中に切り込んでゆく!
「ふっふーん、余裕余裕!こういうゲームなんて生粋のキマイラっこは遊び慣れてるからね!よーし、ここでブレイクダンスの腕前を披露しちゃおっかな!」
タコ足の二本でステップを踏みつつ、他の蝕腕を伸ばしながら回転!素早い一撃による薙ぎ払いで、怪人達の足元がさらわれる!
「おっとごめんよ、くるっと回るパフォーマンスでたまたま当たったんだよね~」
周囲の怪人が転倒して消えて行く中、明らかな棒読みで謝罪を口にする真多子!怪人もあまりの行動に怒ったのか、周囲のメトロノーム怪人が近づきながら高速攻撃を展開する!
敵怪人の攻撃は、足元だけ正しくステップを踏みながら、メトロノームの針や腕で高速攻撃を繰り出してくるというもの。その曲とのテンポの違いに、真多子は唇を尖らせながらもタコ足による安定感を武器に避けきってゆく。
「うーん、もうちょっと攻撃も曲のノリに合わせた方が良いと思うなぁ……キミたちに付き合わされるとこっちも気持ちよく踊れないし、アタシはアタシのダンスをさせてもらうよ!」
言いながら、再度ターンと同時に繰り出される薙ぎ払い!
真多子は自分の方向に倒れ込む怪人をするりと抜け、怪人達が曲の拍と同時に折り重なるように倒れるのを見届けた。
「せめて道連れにと思ったんだろうけど、残念だったね!軟体忍法、八足歩行の術!縦横無尽のアタシは捉えられないよ!……ん?」
怪人達の道連れ策を抜けた真多子の横を、不意にいくつもの小さい物が通り過ぎてゆく。ステップを踏みながらそれを見れば、マンボウ型の式神であった。
一斉に放たれたらしきその式神の出所は、陰陽師である万望。真多子はふりかえり、そちらに向けて手を振る。
「おっと、横をとおったのかね?あの子ったらあんなに手ぇ振ってくれて」
真多子が手を振るその先で、万望の呼び出したマンボウ型式神爆弾が爆ぜてゆくのが見える。
爆発した場所に何も残っていないのを見るに、当たってしまったが最後持ち直せず強制退出の憂き目にあっているのだろう。
「うんうん、あーしの思い通りいってるみたいだねぇ」
その場にとどまるようなステップだけではなく、軽く移動も含めながら踊ってみる。その最中にも、近場に新たな怪人達が出現!
万望の足取りがけして安定したものではないと見るや否や、怪人達は彼女に向かってくる!
「ゆっくり楽しむには向いていないのはわかってたけどさ、怪人どもの考えはまぁずいぶんわかりやすい。――宙に揺蕩え、星の化身。さあお行き、月泳」
万望の呼び出したマンボウ型式神は一斉に、彼女の周囲の敵を殲滅せんと広がってゆく!当然、万望を狙おうとした怪人達は式神の爆発にしたたかに被弾!
数歩後ろに居た電気プラグ怪人のみが電気プラグを放ち相殺を試みるも、爆風がその身を撫ぜた瞬間に身体が硬直!ステップを踏めなくなり、強制的に排除される!式神に乗せた麻痺の呪術が、爆風とともに怪人の身に届いたのだ!
「はっはっは。舞踊は素人でも、これは戦争……あーしにも演りようはあるってことだわさ」
景気よく爆発する式神の弾幕とともに、万望ははっきりと笑って見せた。
さて、万望は自身とその周辺に主な注意を払っていたが、その式神は彼女から離れたところでも役に立っていた。周囲に散る形で広がってゆく式神が、怪人の殲滅に一役買っていたのである。
そしてそれは、焔の傍でも幾度か起こっていた。彼女の戦いを撮影していたドローンが、何度目かの飛来するマンボウ型式神を捉える。
「おっと、味方からの支援タイムね!」
焔は一旦ガトリングガンの連射を止め、式神の爆発とあわせるように狙っての射撃に切り替える。万望の意図していた事ではなかったのだろうが、焔の周辺では奇跡的に式神の爆発と拍が一致していた。
「さて、視界も開けたし再度撃ちまくるわよ!」
焔は腰が上下に動くのを控え、滑るように足を踏み出す。体幹を維持した動きは本来であれば次にどこが光るかわからない時に備えた物だが、このステージにかぎっていえばパターンは単調であるため、武器を放つ際のブレの無さとなってそれが活きる!
リズムに合わせての移動と、ガトリングガンの射撃!噛みあったそれらもダンスパフォーマンスと認識されるのか、敵を倒しながら歩を進めるたびに焔の足元が明るくなってゆく!
リズムと動きを一体化させ堂々と敵を排していくその姿に、光による彩が添えられてゆく。敵を見つけては向かいながらステージをぐるりと回るうちに、焔はあることに気づいた。
「ステージ全体の怪人の数が減ってきたわね。そろそろ打ち止めってとこね」
焔のゴーグルに表示される敵影が明らかに減ってきている。他の猟兵達も状況に気づいたのか各々が怪人の追いつめに入る。
「それじゃ、あたしもトドメでおっきいやつをかましてあげるわね!」
ステージの端側に残る怪人の群れに向けて、焔は足をすすめる。ステージ中央側は既にいる猟兵達に駆逐され、別のステージ端の怪人達も消えてゆく。残るは、焔の視線の先に居る連中だけだ!
「Was gleicht wohl auf Erden dem Jägervergnügen?」
怪人達に向けて狩るものの喜びを問いながらも、焔はその返答を聞く気はないとばかりに大火力の一撃を放つ!最後の怪人達は立っていたステージの端ごと外の虚空へと放り出され、そしてそのすべてが消えていった。
怪人がすべて消え去った後、ステージに残る床パネルはそのすべてが光り特殊ルールが解除された事を示した。さらには、ループしていた曲が聞き覚えのない展開に入る。戦いは終わった。故に、曲とこのダンスステージも終わりを迎える。
楽しかった、或いは大変だった時間の最後。歓声の代わりにステージの光がより一層大きく輝く。
讃えるその光を受けながら、猟兵達は各々グリモアベースへと帰還していった。
成功
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