バトルオブフラワーズ⑧〜影へと沈む
●ポップでロジカルでサイケデリック
ポップでサイバーパンクな世界、キマイラフューチャー。
住人たるテレビウムの液晶画面が鍵に囚われる事件は、中核たる「システム・フラワーズ」からの救助要請。
世界の異変とあって、猟兵たちは急ぎ「システム・フラワーズ」へのメンテナンスルートを開放した。
したのだが―。
何故だか、キマイラフューチャーは真っ二つ。
そんな嘘みたいな事実が猟兵たちを戦慄させた。
背後に潜むはオブリビオン・フォーミュラ「ドン・フリーダム」。
世界を救うべく、猟兵たちの戦いが今、始まる。
●濡羽色に沈む
「はろはろー。集まってくれてありがとー」
ひらひらと手を振りながら、セツナ・トゥイーディア(燐光スターダスト・f02091)が集った猟兵たちへと向き合う。
「さて、本題。キマイラフューチャーで大事件。…事件って言うか、戦争かな」
へらりとした笑顔は鳴りを潜め、途端緊張した面持ちを見せる。
「今回はちょっと特殊なの」
世界の周囲を護る6つの「ザ・ステージ」。此れ等全てオブリビオンに占拠されている。
6つ全て解放しなければ、「システム・フラワーズ」にたどり着く事が出来ない。そして、それら全てに特殊な戦闘ルールが課せられている。
「皆には、このうちの一つ、街を黒く塗り潰すオブリビオンを倒してほしいの」
特殊ルール「クロヌリスレイヤー」。 低いビル群は、どれもこれも漆黒に彩られている。
色が残っている部分も、不思議な怪人三人衆が塗り潰そうと走り回っている。
見た目はとてもシュールであるが頭の入れ物に黒いインクが入っているのか、それらをぶちまけ塗りつぶす範囲はとても広い。
「ステージを真っ黒に塗りつぶされちゃったらゲームオーバー。その前に、敵を倒す。…目的自体は実にシンプルだね」
街中を堂々と塗り潰す個体も居れば、こそこそと目立たずに塗り潰す個体もいる。
相手にする方法はお任せするね、とセツナは告げた。
「大変かと思うけど、きっと何とかしてくれるって信じてる。…よろしくね」
猟兵たちは一礼すると、セツナは急ぎ転送の準備を始めるのだった。
幽灯
幽灯(ゆうひ)と申します。
今回は、戦争シナリオをお届けさせていただきます。
2日夜にリプレイをお返し出来たら、と思います。
●街を塗り潰されたら敗北となります。
如何に素早く相手を発見するか。妨害を行うかが鍵となります。
出来る限りの描写はさせていただきますが、場合によってはプレイングをお返しする事もあるかと思います。
その点についてはご了承いただければ幸いです。
それでは、良き冒険になりますよう。
第1章 集団戦
『包容力三人衆』
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POW : バケツ怪人・ウェポン
【バケツ兵器】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD : 釜怪人・ジェノサイド
【釜攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ : 金魚鉢怪人・リフレクション
対象のユーベルコードに対し【金魚鉢】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
イラスト:まめのきなこ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
イヴ・クロノサージュ
アドリブ歓迎◎
――
世界が割れたんじゃなくて
惑星の中心にシステム・フラワーズっていう防衛施設があるんだね
確かにこれなら易々と侵攻……
って奪われてるの――!?
それは大変!早く助けにいかなくちゃ!
ドンフリーダムの好きにはさせないわ!
▼
宇宙戦艦クロノトロンユニットで出撃
街を塗り潰されたら負け……。
上空から黒塗りしている敵をサーチするわよ!(情報収集、拠点防御)
敵を見つけたら上空から降下
UCディメンションリンクガーディアンで
迷彩機能を持つ魔導巨兵に搭乗して突撃(迷彩)
▼
ブラスターアーム
射撃しながら接近、アームで殴る
(2回攻撃、属性攻撃=炎、援護射撃)
回避
(操縦、見切り)
魔導巨兵のバリア機能
(オーラ防御)
次々と起こる出来事にイヴ・クロノサージュ(《機械天使》花と自然を愛する機械人形・f02113)は混乱していた。
システム・フラワーズの存在。其れを狙うオブリビオンの存在―。
嘗て、平凡な学生で在った彼女だが、今は救う為の力がある。
「ドンフリーダムの好きにはさせないわ!」
決意を胸に、宇宙戦艦・クロノトロン=ユニットへ乗り込むのだった。
そうして辿り着いたステージ。
上空からは、愉快な怪人たちがまさに街を塗り潰そうと漆黒のインクをぶちまけている姿がはっきりとモニターに映っていた。
相手の姿を認めると、イヴは即座に魔導巨兵を召喚し飛び乗る。大型であるが故に、敵に発見されるのが容易かと言えば、否。
地へ降下する直前に迷彩を施せば、たちまち風景と一体化する。
姿見えぬ相手に、怪人たちは警戒する由もない。
―先手必勝。そんな言葉がイヴ頭を過ぎる。
肩の銃砲で相手を狙い打てば、さすがに気が付いたのか怪人たちが視線を上へと向ける。
だが、戦場において其の一瞬が油断となり、命を落とす―。
「これ以上、街を塗り潰させはしません!」
手近にいた釜怪人を白きアームで殴りつければ、重苦しい音と共に頭の釜が凹み、砕けた。
次いで、アームを振りかぶれば背後にいた金魚鉢怪人から小気味いい音が響く。
金魚鉢に穴が開くと、水の流れと共に金魚が地へと落ち、そして消えた。
一気に味方を失ったバケツ怪人だが、頭のバケツを振りかぶり、インクを掛けようと動く。
「その動き、見切りました」
操縦桿を操り、機体を翻すとインクは地へ落ち、黒色に染め上げた。
照準をバケツ怪人へ合わせ、イヴが発射ボタンを押す。
迫り来る銃弾を避ける事無く、バケツ怪人は地へとその身を跳ねさせたのだった。
「なんとか、なりましたでしょうか」
魔導巨兵の中から見上げた空は、何処までも澄んでいた。
成功
🔵🔵🔴
マユラ・エリアル
塗りつぶしバトルか……
こういうのって性格が出るんだよな
目立つところを塗る奴とか、地道に隙間なく塗る奴とか
さて、今回はどう動こうか?
●行動
こそこそと目立たずに隅の方とかを塗っている奴も居るはずだ
今回はそいつを狙おう
建物の影や目立たない奥地の方を探ってみよう
地道にそういう所を塗っていくのが大事だと、ペイント検定試験でも言っていたな
まあ嘘だが
●戦闘
『全力魔法』『属性攻撃』で魔法を強化
【氷刃展開】を発動
逃げられないように全周包囲するように氷の刃を展開
一気に攻撃して敵の撃破を狙うぞ
見られると相殺される確率が高まるからな、一気に一撃で仕留める
さあ、スタイリッシュにキメようじゃないか!
●アドリブ等歓迎
綺麗に染められた建物と、雑に染められた街路。感情の籠らない瞳でマユラ・エリアル(氷刃の行方・f01439)は其れをぼんやりと見つめていた。
「こういうのって性格が出るんだよな…」
怪人にも個体差が出るのか。
―皆違って皆良い。
生真面目な顔で、割とどうでもいい事に思考を向ける。けれど、此処は戦場。全てが黒に染まった世界など面白くない。
「さて。今回はどう動こうか」
目立つ場所を塗り潰そうとするならば、容易に発見出来るだろう。けれど、マユラは其れを良しとしなかった。
何故なら、全てを塗り潰されてしまったら終わりなのだ。ならば、影で行動する輩もいる筈である。
目立たぬ場所。建物の影や入り組んだ路地裏。
(目立たぬ場所を塗るのが大事だと、ペイント検定試験でも言っていたな)
嘘である。―のだけれど、ゴッドペインターなるジョブがあるのだ。あながち、嘘ではないのかもしれない。
そうして探し当てたステージの奥。
いそいそと塗り残した部分にインクを垂らす姿は、一周回ら…なくてもシュールである。
塗り上げた達成感からか、何処か誇らしげに胸を張る怪人の姿はやはり愉快である。
これ以上塗り潰されては、このステージは敗北となってしまう。
深く息を吐き、マユラはそっと目を閉じる。己の中に渦巻く魔力を強く、強く練り上げる。
自らを氷刃と称するだけ在り、渦巻く魔力は緩やかに地を白く凍てつかせる。
怪人たちを包囲するよう意識すれば、冷気は静かに円を描く。
「さあ、スタイリッシュにキメようじゃないか!」
言うが早く。中心へ向かって一気に氷の刃が走る。其れは明確な意思をもって怪人たちへと襲い掛かる。
地から天へと昇るように展開する刃は、油断していた怪人たちの身を刺し貫く。
相手を視認する事もなく、怪人たちの命の灯火は尽きるのだった。
そうして。マユラはその場を後にする。まだ、何処かに居るであろう怪人を求めて―。
大成功
🔵🔵🔵
織銀・有士郎
……初依頼から大変な局面になるとはなぁ。
細かい立ち回りはよく解らんので諸先輩方にお任せするとして、こちらはシンプルに敵の発見と妨害に努めますか。
「おーい出番だぞ……そいやコイツ名前無いな」
素早く動くなら、ライオンライドで黄金のライオンに騎乗し、駆け回った方が良いだろ。隠れられてると面倒だがな。
攻撃方法もシンプルに、黄金のライオンと連携しつつサムライブレイドでひたすら斬る、と。
諸先輩方には迷惑かけるかもしれんが、できる限りのことはやりましょうかね。
次第に黒く染め上がる街を見つめながら織銀・有士郎(織りなす銀の一閃・f17872)は詰めていた息を大きく吐いた。
「…初依頼から大変な局面になるとはなぁ」
小さく頬を掻き、肩を竦める。キマイラフューチャーという世界の、命運をかけた戦い。
その場に自身が立っている事に、有士郎は未だに驚きを隠せない。
―否。
もしかしたら、嘗ては戦場を駆けていた事が在ったのかもしれない。
失くした記憶は三年と極僅かだけれど。其れでも、彼女の中には彼女の知らない時間が確かに存在する。
「いや、今はそんな事考えてる場合じゃないな」
小さく被りを振り、雑念を意識の外へと押し出す。
何故なら、此処は戦場。一瞬の油断が、命となる場―。。
「おーい出番だぞ」
とん、と地を踏み鳴らせば、金色の獅子が有士郎の傍らへと寄り添う。
「…そいやコイツ名前無いな」
まあ、今は良いかと独り言ち、ひらりと獅子へと飛び乗れば、軽やかな足取りで獅子は地を駆ける。
何処かに隠れている怪人がいるかもしれない、と有士郎は周囲に目を光らせる。
そうして、物陰で頭の入れ物を揺らし、目立たぬ場所を塗り潰す怪人を発見する。
幸い、相手はまだ此方に気が付いていない様子。
ならば、と有士郎は刀を抜く。獅子に一気に間合いを詰めさせ、上段から刀を振り下ろす。
耳障りな音が響くと、バケツ怪人は真っ二つになり地に伏せた。
返す刃で、もう一閃。
されど、その動きを金魚鉢怪人は一度見ていた。即座に金魚鉢を放ち、刀の軌道を妨害する。
「…ちっ」
一度、後退し相手の出方を窺う。刹那、釜怪人が釜の中の黒いインクを有士郎へ向かってぶちまけた。
咄嗟に残像を生み出し、有士郎はインクを回避する。振り被ったままの体勢から動かない釜怪人の首と胴を狙って刃を揮えば、無機質な音を立てて釜は地へと落ちた。
此処まで来たら、一気に畳みかけるのみ―。
金魚鉢怪人には一度攻撃を見切られている。ならば、其れよりも早く刀を揮えばいいだけの事。
どさり、と何者かが地に伏せる。
其処には、刀を収める有士郎の姿が在った。
「…あー、緊張したあ…」
大きな怪我も無く、敵を倒す事が出来た。
―きっと、これからどんどん自分は強くなる。
新たな決意と予感を胸に、有士郎は空を見上げるのだった。
成功
🔵🔵🔴
フォルセティ・ソルレスティア
【ペア/f00964】【SPD】(アドリブ・共闘可)
「とにかくスピード勝負だね!」
愛用のウォーターガンに青インクを充填してステージへ
【行動】()内は技能
Flying Broom GTSに(騎乗)してフォルマ・ベンダバールでスピードアップ!
道路を疾走して三人衆を追跡
発見したら青インク発射(スナイパー)して、こちらに注意を引き付けるんだ
「ほらほらこっちだよ!」
向かってきたら(先制攻撃×高速詠唱)でクラロ・デ・ルーナを放つんだ
更にイスベル・ウラーノを叩きつけて三人衆毎、地形を破壊して
より『塗りにくく』するよ
こそこそしている敵は高いビルに登って色が塗られている箇所をサーチだね(視力)
フィオリナ・ソルレスティア
【ペア/f05803】【SPD】(アドリブ/連携可)
「逆サイドはフォルセティに任せるわ」
■作戦
弟とは二手に分かれて三人衆を探し出し各個撃破する
■行動
Flying Broom GTRに[騎乗]してスプラストリームを片手に戦う
弟とは逆サイドに降り立ち【ペガサスの翼】で速度強化して追跡開始
三人衆を発見したら問答無料で[先制攻撃×高速詠唱]で【トールの雷鎚】を叩きつける
釜攻撃はダッシュ[見切り]と建物を利用[地形の利用]して回避
「次、いくわよ」
ある程度片付いたら高いビルに登りこそこそする個体を探す
全体を俯瞰して黒が追加されているエリアを見つけ、オートフォーカスで注視する[視力]
「見つけたわよ!」
未だ、元の色を保つビルの上。フォルセティ・ソルレスティア(星海の王子様・f05803)とフィオリナ・ソルレスティア(サイバープリンセス・f00964)は、其の双眸に地を映し出していた。
色彩豊かな町は、黒に汚染されていた。されど、他の猟兵の力もあってか、塗り潰されるスピードが段違いに遅延していた。
けれども、勢いは衰えど徐々に徐々に街の色が陰に沈むのをソルレスティア姉弟は静かに見つめていた。
「とにかくスピード勝負だね!」
愛用のアクアバズーカに、青色のインクを差し込みながらフォルセティは、姉へと向き合う。
「逆サイドはフォルセティに任せるわ」
敵の姿を見逃さんと、フィオリナは弟へと視線を向けず、言葉を返す。
言葉は少ないけれど、抱く思いは同じ。ならば、明確な言葉などいらない。
揃いのバイクに跨れば、視線が交わる。小さく頷けば、何方ともなく地へと降り立つ。
空飛ぶ箒の異名を持つ機体は、その名の通り、軽やかに地へと舞い降りた。
ひとたびバイクが姿を変えれば、更に加速して街を駆る。其れはまるで風のように。
はたはたと藍の帽子がはためく。周囲の動向を探りながら街を走れば、まさに黒へ染まる建物が一つ。
(…あそこだね!)
向かう先に、インクを掛けようとする怪人の姿。
青インクを込めたアクアバズーカを放てば、一瞬にして怪人の姿が鮮やかな青色に染まる。
突然の事に、怪人の手が止まるが、即座にフォルセティの姿を捕らえ、向き合う。
「ほらほらこっちだよ!」
もひとつおまけに、アクアバズーカを撃ち放てば、周囲は黒ではなく青に彩られた。
妨害しようとする意図に気が付いたのか、怪人がフォルセティへと向かい、駆ける。
されど、あらかじめ予想していたのだろう。高速で練り上げられたエネルギー派が怪人たちを襲う。
凄まじい熱量が吹き抜け、同時に重い衝撃が周囲に走る。
怪人のみならず、ひっくり返された地盤は、黒ではない元の色をしていた。
更に敵は居ないかと、フォルセティは再びバイクへと走らせるのだった。
同時刻―。
地を揺らした衝撃を身に感じながら、フィオリナは弟が敵を葬った事を瞬時に理解する。
変形したバイクが、残響を残し走り去る。
そうして周囲へ気を張り巡らせれば、視界の端でネオンが黒く塗り潰される様相を捕らえる。
急ぎ、方向を変えれば、其処には目立たぬように黒を広げる怪人の姿。
フィオリナの周囲に、静電気が弾ける。相手に気付かれる前に、光の網で怪人を絡めとれば、きょとんとした怪人の姿が目に浮かぶよう。
弾けた静電気は勢いを増し、やがて目に見える紫電へと変じる。
紫電は槌を模り、呆けている怪人へと振り下ろされた。
ちりちりぱちぱちと電気が爆ぜる音が小さく響く。槌が振り下ろされた跡には何も残らず。
されど、フィオリナは慢心しない。
「次、行くわよ」
再び、流星が街を駆ける―。
そうして再びビルの上。
見渡す街は、もう黒へと汚染されてはいなかった。
フォルセティもフィオリナも。逃している敵は居ないかと目を凝らす。
されど、動きは見られない。
猟兵たちは、ステージを護りきる事が出来たのだ。
大成功
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