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バトルオブフラワーズ③〜熱血合体イェーガーロボ!

#キマイラフューチャー #戦争 #バトルオブフラワーズ

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●ザ・ビルドステージ
 キマイラフューチャーが二つに割れてできた、システム・フラワーズのメンテナンスルート。そこには惑星上の都市を再現したかのような無人の街、ザ・ビルドステージがあった。
 その無人の街を守護する二足歩行のトナカイ型巨大ロボットから声が聞こえる。
「このトナカイロボが、ドン・フリーダム様のご命令により、システム・フラワーズに潜入してきた外敵を排除するトナ!」
 ビルよりも遥かに大きな威容を誇る巨大ロボットのコックピットからオブリビオンの声が響き渡り、猟兵たちの『基地』を破壊せんと迫りくるのであった。

●キョダイロボバトル
「皆様、すでにお聞き及びのことと存じますが、キマイラフューチャーにオブリビオン・フォーミュラ『ドン・フリーダム』が現れました」
 グリモアベースで猟兵たちに説明するのは、エルフ執事のグリモア猟兵ヘルメス・トリスメギストス。いつもと変わらない涼しい顔で告げるヘルメスだが、これがキマイラフューチャーの存亡をかけた一大決戦であることは猟兵たちにとっては周知の事実だ。
「ドン・フリーダムに占拠されたキマイラフューチャーの中枢……システム・フラワーズに向かうには、惑星が半分に割れてできたメンテナンスルートを進む必要があります」
 ヘルメスは、どこからともなく取り出したスイカを半分に切ると切断面上の一点を指し示す。どうやら、このスイカは惑星を模したもののようである。
「メンテナンスルート上のこの位置に、ザ・ビルドステージと呼ばれる戦場が存在しており、オブリビオンによって占拠されています。皆様には、こちらの戦場を制圧し、占拠している敵巨大ロボを撃破していただきたいのです」
 巨大ロボという言葉に耳を疑う猟兵たちに、ヘルメスは真顔で答える。
「ええ、敵はトナカイのオブリビオンが操縦する二足歩行のトナカイ型巨大ロボットです。このロボットには通常の攻撃は効果を発揮しません。巨大ロボに対抗するには、こちらもマシンを用意する必要があります」
 ザ・ビルドステージに存在する無人の都市の中央には、猟兵たちが拠点にできる『基地』が存在しており、マシンの自動建造が可能な機械と資材があるという。
「外観や形状をインプットすれば、機械が自動的にマシンを作り出してくれます。ここで巨大ロボに対抗できるマシンを建造し、巨大ロボを撃破してください」
 つまり、今回は巨大ロボとのメカバトルということらしい。
「ですが、個々のマシンだけでは残念がら敵巨大ロボットを完全に破壊することはできません。相手にとどめを刺すには、最後に全員で変形合体して『熱血合体イェーガーロボ』にならなければなりません」
 最後は合体ロボの必殺技でオブリビオンの巨大ロボを撃破する必要があると真顔で語ったヘルメスは、グリモアを輝かせると転移の準備を始めるのだった。
「それでは、皆様、スイカを冷やしてお待ちしていますので、キマイラフューチャーをよろしくお願いいたします」


高天原御雷
 こんにちは、高天原御雷と申します。
 本シナリオは『バトルオブフラワーズ』の③ザ・ビルドステージのシナリオとなります。
 皆様には、マシン(戦艦でも人型ロボットでもなんでもOKです)を造って、敵巨大ロボとバトルをおこなっていただきます。ユーベルコードは上手く工夫して使っていただいてもいいですし、マシン用のアレンジを指定していただけばマシンから撃つことにしても大丈夫です。特にご指定がない場合には、こちらでアレンジいたします。
 また、個々のマシンでの戦闘の描写後、最後に合体ロボに変形合体して必殺技でとどめという流れになる予定です。そのため、合体時の希望部位(頭部、右腕など)をプレイングにご記載ください。もし希望箇所がかぶったら、右腕だけの合体ロボとかのカオスになります。

●敗北条件
 敵ロボによって猟兵の『基地』が完全に破壊された場合は、強制敗北となります。

 それでは、どうぞよろしくお願いいたします。
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第1章 ボス戦 『敏腕ハッカー・都南・佳』

POW   :    セクシー格闘家系トナカイ娘召喚
【ハッキングで認知を変えたバーチャル女子】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
SPD   :    となのーずビーム
【赤い鼻から発射されるビーム】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
WIZ   :    超絶ウルトラ必殺ハッキングッ!!
【愛用ハッキングマシン】から【認知を書き換えるプログラム】を放ち、【認知障害】により対象の動きを一時的に封じる。

イラスト:Miyu

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はシリカ・シリウスです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ロースト・チキン
ヒャッハーーーー!!
イカしたマシンを造れるって?そりゃあいいぜ!

鳥頭なので、特に巨大ロボ戦などという事に対して何も考えずに、外観が世紀末的なアレで、凶悪そうな世紀末巨大バイクを建造します。(趣味)

も、もうおしまいだ!!
こんな巨大バイク如きで、巨大ロボに勝てるけけがねぇ!!

『基地』が破壊されないためにも、此処はオレが逝く!!
みんな後は、任せたぜ!!

早々に戦意喪失し、トチ狂ったローストは、マシンに搭載されたロマンな巨大ミサイル(脱出機能付き)に乗り込んでしまい『我、世紀末ノ英霊ト成ル』で敵に突っ込みます。

オレのマシンは、頭部にこそ輝く!モヒカン型頭部へ合体だ!
ヒャーー、モヒカンギロチンカッター!!


リステル・クローズエデン
……メカ?ですか?あれ?

さて、ここは自動作成システムがあるようですね。
相談して合体した時に、どの部分になるか決めておいた方が無難ですが

作成
形状:列車型トレーラー(通常陸上走行可)
武装:高射砲、対地対空砲
特殊:マルチドッキング機構

メカニック+武器改造+防具改造+世界知識+ハッキングで作成。
合体機構の整合性をうまくとれるようにしなくては…


戦闘
運転しながら情報収集。
地形も利用し時間稼ぎと拠点防御。
高射砲の援護射撃やミサイルの一斉発射で攻撃する。

合体
・マルチドッキング
機体が折れ曲がって下半身。
パーツを分離させることで腕や脚(左右どちらも可能)
追加武装にもなれる。

【呪炎武装】属性攻撃で攻撃を強化できる。


ルベル・ノウフィル
pow
うむ、僕の考えたさいつよロボをお見せしましょうぞ

名は、超合金ルベロボくんゼットブラック!
色はブラック
人型二足歩行は基本ですね
爪があり牙があり
羽もあり尻尾もある
もふもふ毛皮もつけましょうね
全部位、切り離してヒュンヒュン投げられます
とても大きい!
トナカイに対抗するために僕は異世界のサンタさん(アルバイト)からおひげを分けていただきました
このおひげもつけましょう
サンタさんとトナカイさん、力関係としてはきっとサンタさんが上なのです
ゆえに相性バツグン!勝った!


UC
ルベロボが泣くと空から回復効果の金平糖が降ってくるのでございますよ

合体は尻尾です
尻尾が涙を流し味方を癒す…!!
なんて感動的なのでしょう


ビスマス・テルマール
●ナメビスバイン建造
先ずは自動建造で軸になるアボカド&バナナ型の人型機動兵器を建造し

ビルド・なめろうビームウェポンでクロマグロのなめろうビームウォーカーマシンを生成

それを『武器改造』して『料理』する様

追加装甲として取り付け

わたしの武装のビッグサイズのも建造し付けて完成

●POW ※合体時頭
仲間と連携し
『武器改造し範囲攻撃と誘導弾と属性攻撃(醤油&生姜)と衝撃波』を込めた砲撃で援護を

鹿肉のなめろうには醤油と生姜か一番適してますし、UCによる協力者ごと醤油に沈めてくれます

防御には『オーラ防御』を覆った『残像』をばら蒔きながら動き、それを『盾受け』に使いつつ立ち回りますね

※アドリブ絡み掛け合い大歓迎


ティオレンシア・シーディア
※アドリブ掛け合い絡み大歓迎

噂は聞いてたけど…ホントに何でもありなのねぇ、ココ。
…ま、「細けぇことはいいんだよ」の精神でいたほうが精神的にもよさそうねぇ。

あたしが作るのは…やっぱり拳銃で武装した人型ねぇ。
やっぱり普段のあたしと同じような戦い方できるほうが楽だし。
バンバン●射殺撃ちまくるわよぉ。
(なおグリップ等は普通だが口径は身長の半分ほどもあるトンチキ武装である。反動?物理法則?細けぇことは(ry)

合体時はバラけて武器と一体化、合体ロボの武装になるわぁ。
こういうののトドメは剣で真っ二つか大口径砲でどっかん、てのが作法だって聞いたのよねぇ。
(質量保存の法則?エネルギー?細けぇ(ry)


シン・ドレッドノート
アドリブOK、もちろん連携します。
【SPD】

「いいですねぇ…巨大ロボ。浪漫を感じます」
召喚した【高速機動宇宙戦艦“夢宵桜”】に、基地で増加ブースターと粒子砲を追加装備してから出撃です。

ブリッジに裾の長い艦長服を羽織って立ち、帽子を被りなおして制御AIに指令を出します。
「全艦、電子砲雷撃戦用意!いくぞ、“夢宵桜”、発進!」

敵巨大ロボに対し、基地を防衛しつつ高速機動砲撃戦を開始です。
「目標、敵巨大ロボ!全砲門開け!誘導弾及び航空爆雷装填、主砲一番から三番、エネルギー充填っ!…攻撃開始!」

「全艦、ドッキングフォーメーション!」
合体する際は上半身に。
必殺の一撃の際は、全砲門を敵に向けて一斉発射します。


火倉・かまど
……そうね。
合体……浪漫があるわね。
神でも、変形合体の浪漫は知ってるわ。戦車とかががしーんとやるアレよね。(うろ覚え)

■ロボ案
野を風のように走る兎のように、
山野などモノともしない力強さを合わせ、
なんとなく火も吹けるように火炎放射ノズルなんかもつけた戦車、その名も
「兎型火砲せんsy……え?ダサい?

………そうね、ええと。
「バニータンク(火属性)」
……これで行きましょう。(胴体希望です)

資材?要らないわよ。火神の神威を以って想像するわ。
ゴッドクリエイションでさくーんと創造する。
おはよう、ばにたん。

■その他
キャタピラ戦車ですが、兎の耳ついてます。
網タイツ履いたせくしーれっぐが底部から現れ、跳躍します



●『基地』に迫る巨大トナカイロボ
「あれが侵入者たちの基地トナね。ドン・フリーダム様に楯突く愚か者どもは、このトナカイロボットで一網打尽にしてやるトナ!」
 猟兵たちの拠点となる『基地』が、巨大トナカイロボのビーム攻撃によって轟音とともに激しく揺れる。
 その敵の猛攻の中、猟兵たちは各自のマシンの完成を急いでいた。

「ヒャッハー! イカしたマシンの完成だぜーっ!」
 まず最初に完成したマシンは、ロースト・チキン(チキン野郎・f03598)の巨大バイクだ。バイクという比較的シンプルな構造に絞ったおかげで、他の猟兵たちよりひと足早く完成したのである。
「見てくれ、この世紀末なフォルム! タイヤやボディに付けまくったスパイクに、赤いチキンのフラッグ! そしてサイコーにイカしたこのトサカ! これならどんな敵が相手でも勝ったも同然っ!」
 全高数メートル(トサカは除く)になろうかという巨大バイクに乗り込み、エンジンを吹かすロースト。巨大バイクのマフラーから激しい騒音を撒き散らし『基地』から出撃する。
「どうやら、猟兵が出てきたみたいトナ。迎撃してやるトナ!」
 トナカイ怪人がトナカイ娘型のロボット群を召喚する。セクシーな格闘家スタイルのトナカイ娘ロボたちはトナカイ怪人が乗り込む巨大トナカイロボットほどは大きくない。ローストが造った巨大バイクと同程度の大きさである。そのような敵に怯むローストではない。
「ヒャッハー! 汚物は消毒だぜー!」
 巨大バイクの先端に設置された二門の火炎放射器から真紅の炎が吐き出される。その炎はトナカイ娘ロボたちを包み込むと、その動作を停止させた。
「バカなっ!? トナカイ娘ロボたちの耐熱限界を超える高温にして、電子回路を焼き切ったトナ!?」
「ヒャッハー! よくわからねえけど、大体は燃やせば燃えるんだぜーっ! このままお前も消毒だーっ!」
 勢い付いて、ローストは巨大ロボにも火炎放射器を発射する。
 だが、その炎は巨大ロボの装甲によって弾かれてしまった。
「ククク、無駄だトナ。このトナカイロボの装甲は1兆度の炎にも耐えられる耐熱設計トナ!」
「な、なんだってー!? そんなの巨大バイクごときで勝てるわけがねぇっ! も、もうおしまいだ!!」
 ローストの顔が、締められる瞬間の鶏のように真っ青になる。
「さあ、この一撃を受けるトナ!」
 トナカイロボの豪腕が巨大バイクに向かって振り下ろされる直前ーー。

「高射砲、全力射撃です」
 リステル・クローズエデン(なんか青いの・f06520)の声が響いたと思うと、『基地』の方向から飛来した無数の弾丸がトナカイロボの腕に命中。その軌道を逸らすことに成功する。
「ヒャッハー! 助かったぜー!」
「ローストさん、今のうちに一時後退してください」
 後退していく巨大バイクと入れ替わるように、リステルの操縦する列車型トレーラーが姿をあらわす。
 トレーラーのコンテナの一部が開き、高射砲から白煙が立ち上っているのが目に映る。リステルによって強化改造された武装は、巨大トナカイロボの巨体を揺さぶるだけの威力を発揮したのだ。
「邪魔をするなら、お前も叩き潰してやるトナ!」
 巨大バイクを潰すのを邪魔されたトナカイ怪人が苛立った声を上げ、リステルのトレーラーの周囲にトナカイ娘ロボたちを召喚する。
 トナカイ娘ロボは、各々、空手や拳法の構えを取るとトレーラーに襲いかかってくるがーー。
「その程度の攻撃が当たると思わないでください」
 ビルの陰に回りこんだり、狭い路地を駆け抜けることで、リステルはトナカイ娘ロボたちの攻撃を巧みに回避していく。
「この相手には対地砲です。ハッチオープン」
 トレーラーのコンテナの側面ハッチが開くと、そこから無数のロケットランチャーが顔を見せる。
 ビルとビルの間を駆け抜け大通りに出たところでドリフトするトレーラー。
 側面を向けた車体の前方にはトナカイ娘ロボたちの群れ。
「対地砲、発射」
 撃ち出されたロケットランチャーはトナカイ娘たちに直撃し、それを爆散させたのだった。

「くっ、トナカイ娘たちはやられたトナが、他の戦力が出てくる前に『基地』を破壊してやるトナ!」
 巨大トナカイロボは、その鼻にエネルギーを集中させていく。『となのーずビーム』が狙いを定めるのは、『基地』の中枢部だ。
「先程の無理な走行でトレーラーのタイヤがダメになりましたか……。ですが、例え車体が動かなくても『基地』への攻撃は阻止してみせます」
「ヒャッハー! 『基地』が破壊されないためにも、ここはオレが逝く!! リステルは援護を頼むぜ!」
 リステルがトレーラーのコンテナをフルオープンし、高射砲、対地対空砲、ミサイルといった武器を巨大トナカイロボに向けたところに、ローストの巨大バイクが隣に並ぶ。
「ですが、ローストさんの巨大バイクの武装では敵の装甲は……」
「ヒャッハー! ニワトリにはニワトリに相応しい漢の武器ってモンがあるんだぜぇ!」
 ローストの巨大バイクのコックピット部分が分離すると、それが巨大ミサイルとなってトナカイロボに向かって全速力で飛翔する。
「ローストさん、あなたの覚悟、無駄にはしません。『紅き呪い。切り裂く炎となれ』」
 リステルも『呪炎武装(ブレイズブレイク)』で強化した武装を全弾一斉射撃する。
「アラート!? 高速飛翔体接近トナ!?」
 攻撃に気付いたトナカイ怪人が攻撃をガードしようとするが、それよりも早くリステルの高射砲とロケットランチャーが着弾する。『呪炎武装』の真紅のオーラによって強化された砲撃は着弾とともに呪いの炎を撒き散らす。
「ば、バカなっ!? 1兆度の炎に耐える装甲が貫通されたトナ!?」
「ええ、僕の呪いの炎の温度は測定不能ですから」
 驚愕するトナカイ怪人に対し、リステルは不敵な笑みで答える。
 そこにさらに飛来するミサイル群。リステルが放ったミサイルたちが呪いの爆炎とともに着弾したところに、ローストの乗った巨大ミサイルが迫りーー。
「ヒャ、ヒャッハーーー!!!」
 巨大トナカイロボの胸部に突き刺さった巨大ミサイルがステージ中を震わせるほどの轟音とともに爆発、四散する。
 ぐらりと体勢が崩れた状態で放たれた巨大トナカイロボの『となのーずビーム』は、『基地』の中枢から逸れーーマシンの発進ゲートに命中、破壊するにとどまった。
「ローストさん、あなたの犠牲は無駄にはしません」
 ザ・ビルドステージの青空に浮かぶローストの笑顔に向かって黙祷を捧げるリステル。
 その横に、爆発直前に巨大ミサイルから脱出したローストが黒焦げになって降ってきたのだった。

●巨大トナカイロボの必殺ビーム
「くっ、『基地』の破壊には失敗したトナが、マシンの出撃ゲートは破壊したトナ! 邪魔者がいなくなった今度こそ『基地』の中枢を破壊するトナ!」
 巨大トナカイロボの鼻に、再び高エネルギーが収束していく。
 自爆特攻したローストはもちろんのこと、全力攻撃をおこなったリステルのトレーラーも残弾切れで巨大トナカイロボを止めることはできない。
 『基地』の命運もこれまでかーー。そう思ったとき、オープンチャンネルで通信が入る。

「お二人とも、助かりました。危険な任務をお任せして申し訳ありません」
「どうやら、僕たちの時間稼ぎが間に合ったようですね」
 通信から聞こえてくるシン・ドレッドノート(真紅の奇術師・f05130)の涼し気な声を聞き、リステルから勝利を確信する一言が発せられた。
「何者トナ!?」
「そうですね、ご挨拶いたしましょう。私は高速機動宇宙戦艦『夢宵桜』の艦長、シン・ドレッドノートと申します」
 巨大トナカイロボのコックピットディスプレイに映る『SOUND ONLY』という文字が映像に切り替わる。映し出されたのは裾の長い純白の艦長服を着た青年だ。青年の背後の映像から、そこが戦艦のブリッジであることが見て取れる。
「戦艦トナ!? そんなものがどこに……!?」
「ええ、今、お披露目いたしましょう」
 シンは妖狐の耳がはみ出していた艦長帽を被り直すと、戦艦を制御するAIに指示を出す。
「全艦、電子砲雷撃戦用意! いくぞ、『夢宵桜』、発進!」
『本艦はこれより第一種戦闘配置に入ります。機関臨界まであと10秒』
「主砲、発射用意!」
『荷電粒子砲エネルギーチャージ率120%。艦長、いつでもご命令を』
 通信の向こうで着々と戦艦の発進シーケンスが進んでいるのを見て、トナカイ怪人は焦りをあらわにする。
「こ、こうなったら、戦艦とやらが出てくる前に『基地』を破壊するトナ! チャージが途中トナが、『基地』を破壊するには十分トナ!」
 まだ真っ赤に染まりきっていない巨大トナカイロボの鼻から『となのーずビーム』が「基地」の中枢へと一直線に照射された。
 だが、それに対するシンの声に焦りはなかった。
「主砲、発射!」
『荷電粒子砲、発射します』
 シンの号令と同時に、『基地』の内部から超高速に加速された荷電粒子のビームが発射される。
 『基地』の外壁を溶解させた荷電粒子は、迫りくる『となのーずビーム』と正面から激突。赤いビームをかき消した上で、巨大トナカイロボの装甲を穿った。
「馬鹿なトナ! チャージ途中とはいえ、この『となのーずビーム』を上回る威力を出すとは……!」
 着弾により振動するコックピットの中でトナカイ怪人が驚きの声を上げる。だが驚くのはまだ早い。
 荷電粒子砲によって『基地』の外壁に空いた穴から、シンの駆る『夢宵桜』が姿を表す。それは星の海を渡るために建造された空飛ぶ船、高速機動宇宙戦艦。『基地』よりも巨大なそのシルエットにトナカイ怪人は驚愕する。
「そ、それ、どうやって『基地』に入ってたトナ!?」

「細かいことは気にしないほうがいいわよぉ、このキマイラフューチャーでは、ねぇ」
 トナカイ怪人に答える声は、『夢宵桜』の艦首に立つ人型ロボットに乗ったティオレンシア・シーディア(イエロー・パロット・f04145)のものだ。
 その言葉を証明するかのように、ティオレンシアが駆る人型ロボットは、口径がロボットの全高の半分以上ある超大口径リボルバー拳銃という物理法則を無視した代物を持っていた。
 狙撃手たるティオレンシアは、その超大口径リボルバー拳銃を巨大トナカイロボに向ける。
「そんな長距離から、拳銃の弾が当たるわけがないトナ! 返り討ちにしてやるトナ!」
 巨大トナカイロボは、鼻を光らせると『となのーずビーム』の照準をティオレンシアのロボットに向ける。この長距離での撃ち合いであれば、実弾兵器である拳銃よりも、ビーム兵器である『となのーずビーム』の方が有利なのは明らかだ。
「チャージなしでも、ロボットの装甲を貫くには十分トナ!」
 巨大トナカイロボの鼻が輝いたかと思うと、そこから荷電粒子のビームが放たれる。ロボット程度なら一撃で消し去る威力を持ったビームは『夢宵桜』の艦首に立つティオレンシアのロボットに向かって飛び……その僅か横を掠めて虚空を貫いた。
「所詮はトナカイ、狙撃は素人ねぇ。荷電粒子砲は地磁気によるローレンツ力を計算に入れないといけないから、狙撃がむずかしいのよぉ。それに対して実体弾は重力、風、コリオリ力の計算が必要だけど……」
 ティオレンシアのロボットは超大口径リボルバー拳銃を巨大トナカイロボに向け。
「ここは惑星の中心。何故か重力はあるけれど自転していないからコリオリ力は働かないわ。重力と風だけなら狙撃手としての経験と勘でーー」
 超大口径リボルバー拳銃の引き金が引かれ、大口径の弾丸が発射される。それは空気を切り裂き一直線に巨大トナカイロボに迫り、その鼻の先端部、『となのーずビーム』発射口を貫いた。
「ば、バカなトナ! そんな距離から命中させたトナ?!」
「ふふ、これがプロの狙撃手よぉ。まあ、狙撃時の反動がないとかいう滅茶苦茶な拳銃だけど。どうなってるのかしらね、これ」
 巨大トナカイロボのビーム発射口を破壊するほどの威力だというのに、まったく反動を感じさせなかった超大口径拳銃を眺めーーティオレンシアは考えることをやめた。

●猟兵マシンの反撃
「これより『夢宵桜』は、敵巨大ロボットに対して誘導弾及び航空爆雷による後方支援をおこないます。皆さんのマシンはティオレンシアさんに続いて出撃し、敵巨大ロボットとの交戦に入ってください」
「了解よ、艦長。ええと、こういうときはあれよね、ロボット名を叫びながら発進するのよね?」
 『夢宵桜』の発射カタパルトで発進シーケンスを進めながら、火の神である火倉・かまど(火の竈・f17204)が、どこから仕入れたのか、うろ覚えの知識を総動員しながら答える。
「ええと、野を風のように走る兎のように、山野などモノともしない力強さを合わせ、なんとなく火も吹けるように火炎放射ノズルなんかもつけた戦車、その名も兎型火砲せんsy……え? 名前がダサい上にセリフが長い?」
 火炎放射器がついたキャタピラ戦車に乗ったかまどが発進セリフを訂正する。
「バニータンク、発進するわね!」
 かまどは改めて発進シーケンスに入る。
 超電磁カタパルト上に固定されていたキャタピラ戦車から兎の耳と網タイツを履いたセクシーレッグが生えたかと思うと、カタパルト上でクラウチングスタート。キマイラフューチャー二足歩行戦車短距離走で金メダルが取れそうな勢いで『夢宵桜』のカタパルトを駆け抜けると、眼下の戦場に向かって跳躍していった。
「……ま、まあ、細かいことは気にしないほうが精神的にいいわよねぇ」
「さすがにマシンが生き物なのはおかしいと思うトナ!」
 隣を全力疾走していった生足網タイツのウサ耳戦車を見なかったことにしたティオレンシアに対し、トナカイ怪人がツッコミを入れた。
「甘いわね! このばにたんは、火の神であるわたしが【ゴッド・クリエイション】で造った命ある戦車! ただの戦車と一緒にされては困るわね!」
 かまどが駆るバニータンクに装着された火炎放射器から、巨大トナカイロボに向かって炎が吐き出される。
「無駄だトナ! この装甲は1兆度の超高温にも耐える耐熱仕様……って、装甲が溶けてるトナ!?」
「ふふん、火神の神威によって生命を持った炎は10000兆度よ! その程度の装甲で防げると思わないことね!」
 巨大トナカイロボの周囲を生足で跳躍しながら火炎放射をするウサ耳戦車。ビルからビルへと飛び移る機動力で鈍重な巨大トナカイロボを翻弄する。
「どうやら、ご自慢の装甲も熱で柔らかくなってきたみたいねぇ。これはあたしの狙撃の絶好のチャンスかしらぁ?」
 ティオレンシアの細い目に一瞬鋭い光が宿る。その視線が巨大トナカイロボの装甲の脆くなった部分を見抜くと、ロボットの手に持った超大口径リボルバー拳銃から数十発の銃弾が連射された。その銃弾は空中で衝突しあい跳弾すると、全方位から巨大トナカイロボの装甲に突き刺さり、これを貫いた。
「リボルバー拳銃なのに連射とか、おかしくないトナか!?」
「ふふ、細かいことを気にしたらだめよぉ?」
 ティオレンシアの狙撃は、人体で言うところの急所をことごとく貫いていた。相手がロボットでなければ即死であっただろう。
 だが、敵は巨大トナカイロボ。動きは鈍ったものの、まだとどめには至らない。

「なら、このばにたんの炎で燃やし尽くしてあげる!」
「くっ、ちょこまかとうるさい戦車トナ! 超絶ウルトラ必殺ハッキングを受けるトナ!」
 トナカイ怪人が、コックピットの端末を猛烈な速度でタイピングする。それは、ユーベルコードの域にまで達したハイレベルなハッキング。
「元が機械ならば、たとえ神に作られた生命であってもハッキングしてみせるトナ!」
 たーんっ、とトナカイ怪人の蹄がキーボードのエンターキーを叩く。
 直後、かまどの操縦するバニータンクが動きを止め、フラフラと歩き出した。
「なっ!? 操縦が効かない!?」
「ククク、その戦車の制御系をハッキングして『認知障害』……つまりボケ老人になってもらったトナ!」
「ちょっと、神の創造物になにしてくれてるのーっ!?」
 街をフラフラと徘徊するウサ耳生足バニーボケ老人戦車。このままでは、巨大トナカイロボの的になるだけだ。
「さあ、踏み潰してやるトナ!」
 バニータンクに迫るトナカイロボの足の裏。このままではぺしゃんこにされてしまうーーそう思った時、漆黒のブーメランが飛来しトナカイロボの体勢を崩した。

「くっ、何奴トナ!」
「名乗るほどの者ではありませんが、僕の考えたさいつよロボの超合金ルベロボくんゼットブラックです」
 名乗るほどの者ではないと言いながらも名乗ったのは、ルベル・ノウフィル(星守の杖・f05873)。彼が乗り込むのは、全身を漆黒の毛皮に覆われた二足歩行ロボットの超合金ルベロボくんゼットブラックである。
 超合金ルベロボくん(略)は爪のある両手で先程投げたブーメランを回収すると背中に装着する。それは翼の形状になっており、ルベロボくんブーメランとして飛ばすことができるのだ。
 また、特筆すべき点として、とても大きいことが挙げられる。ルベロボくんはビルと同じくらいのサイズであり、巨大トナカイロボと同じくらいの大きさを誇っていた。
「大きいのを造っていたため、発進に時間がかかってしまったのでございます」
「というか、このマシンも『基地』より大きくないトナか!?」
「細かいことを気にしたら負けよぉ?」
 ティオレンシアの一言でトナカイ怪人のツッコミは封殺される。
「では、僕のとっておきの技をお見せしましょう」
 ルベロボくんは、突如、涙を流し始める。その涙は光の粒子となり戦場に漂い、金平糖となって降り注ぐ。
「これこそ【星守の杯(コンペイトウレイン)】。荒んだ心を癒やすほっこり甘い金平糖です」
 ルベロボくんが降らせた金平糖には、それが命中した味方のダメージを回復する効果がある。これにより戦場の仲間のマシンが受けた損傷が回復していく。
 それは、トナカイ怪人のハッキングに対しても同様だった。
「やった、まともに操縦できるようになったわ!」
 かまどが乗るバニータンクのハッキングも、【星守の杯】によって完全に回復した。
「馬鹿なトナ! 金平糖なんかでハッキングが直るわけがないトナ!」
「細かいことは気にしちゃだめよぉ」
「ええ、僕の【星守の杯】がある限り、貴方様のハッキングは封じられているのでございます。そしてもう一つ、僕の超合金ルベロボくんゼットブラックに貴方様が勝てない理由があります」
 ルベロボくんは、その顔に付けられたふさふさのヒゲを指差す。
「これこそ、サンタさんから分けていただいた、おひげでございます。トナカイさんとサンタさんでは、サンタさんの方が雇用主。故に、トナカイさんはサンタさんに勝てません」
「機体の色が黒いだけに、ブラック企業なのねぇ」
 ティオレンシアの指摘に、ルベルは渋々頷く。
「ええ、サンタさんは一晩のうちに世界中にプレゼントを配らなければならないので、トナカイさんに頑張ってもらう必要があるのです。これも子どもたちの夢のため。トナカイさんの犠牲は無駄にはいたしません」
「くっ、よくわからないトナが、本能がヤツに逆らえないと言ってるトナ!」
 ルベロボくんの謎のプレッシャーに、巨大トナカイロボが押されたその時。

「ナメビスバイン発進です!」
 『夢宵桜』の電磁カタパルトから人型機動兵器が射出される。アボカド&バナナ型の人型機動兵器は激しく地面を削り勢いを殺しながら、巨大トナカイロボの前に着地する。
「すみません、なめろうを調理するのに時間がかかってしまいました」
 ナメビスバインのコックピットから聞こえる声はビスマス・テルマール(通りすがりのなめろう猟兵・f02021)のもの。
「ようやく、宇宙戦艦とか拳銃が本体みたいな狙撃手とか生きた戦車とか巨大なサンタとかじゃない、普通のロボットが現れたみたいトナね!」
「あ、なめろうなのはいいのねぇ」
「この際、細かいことは気にしないトナ! 生きてないし!」
 他と比べたら、この際なめろうでもいいらしいトナカイ怪人がビスマスに敵意を向ける。
「出し惜しみはなしトナ! 全トナカイ娘ロボ出撃! このロボットを袋叩きにするトナ!」
 トナカイ怪人がコンソールを操作すると、巨大トナカイロボの周囲に大量のトナカイ娘ロボたちが召喚され実体化した。
「いいでしょう、このナメビスバインがお相手しましょう!」
 空手や拳法といった格闘技を駆使して襲いくるトナカイ娘ロボ。その拳を、蹴りを、ビスマスが操るナメビスバインは二本の刀、ビームチョップスティックでいなしていく。
「ちょこまかとすばしっこい奴トナ! だが、このトナカイ娘ロボの数の前には多勢に無勢トナ!」
 全方位から襲いくる攻撃をすべて捌き切るのは、機動性に優れたナメビスバインとそれを駆るビスマスの腕でも難しい。徐々に追い詰められていくナメビスバイン。
 だが、ビスマスの表情は余裕を失っていなかった。
「ならば、このナメビスバインの真の力を見せるまで! 艦長、例のものの射出をお願いします!」
「了解しました。射出座標を送信しますので合わせてください」
『三番リニアカタパルトより、特殊兵装を射出します』
 ビスマスの要請に答えたシンが、『夢宵桜』のリニアカタパルトからクロマグロ型のマシンを射出する。
「座標固定! ビルド・ビームなめろうウォーカーマシン!」
 空中に飛び上がったナメビスバインがクロマグロ型マシンと相対速度を合わせると、クロマグロ型マシンが変形しアーマー形状となってナメビスバインに装着される。さらにクロマグロの内部に格納されていたパーツに二本のチョップスティックが収納され、巨大なビーム大剣を形成した。
「変形合体したトナ!?」
「ええ、これこそナメビスバインの真の姿、ハイパー・ナメビスバインです!」
 飛行能力を得たハイパー・ナメビスバインが空中でビーム大剣を構える。
「くっ、カトンボが! 落ちるトナ!」
「甘い味付けの鯵のなめろうよりも甘いですっ!」
 トナカイ娘ロボたちがハイパー・ナメビスバインにロケットパンチを発射するが、それがハイパー・ナメビスバインに命中したかと思った瞬間、その姿がかき消える。
「質量を持った残像トナ!?」
「ええ、なめろうオーラによって作られた残像です。あなた方には私を捉えることはできませんっ!」
 狼狽えるトナカイ怪人とトナカイ娘ロボたちに向けて、ハイパー・ナメビスバインが大剣を振りかぶる。
「さあ、この醤油と生姜のオーラを纏った攻撃を受けてください! 鹿肉のなめろうには醤油と生姜か一番適してますので!」
 生物学的な分類ではシカ科に属するトナカイ。トナカイ怪人とトナカイ娘ロボたちにとって、ビスマスの言葉は死刑宣告に等しいものだった。
「ハイパーなめろう斬り!」
 ハイパー・ナメビスバインが醤油と生姜のオーラを纏わせたビーム大剣を振り抜く。トナカイ娘ロボの群れを覆い尽くさんばかりの醤油と生姜のオーラが押し寄せ、全てを押し流していく。
 ハイパー・ナメビスバインのオーラが過ぎ去った後には、トナカイ娘ロボたちの残骸が散らばるのみであった。

●巨大ロボットバトル
「くっ、よくもやったトナね!」
 必殺の『となのーずビーム』の発射口を破壊され、トナカイ娘ロボ軍団も撃破されたトナカイ怪人。巨大トナカイロボ自慢の装甲もボロボロになっている。
「こうなったら、巨大トナカイロボを『基地』もろとも自爆させてやるトナ!」
 自棄になったトナカイ怪人は、巨大トナカイロボを『基地』に向けて前進させはじめた。
 猟兵たちのマシンが必死に迎撃を試みるも、その歩みを止めることはできない。

「仕方ないわね、皆、こうなったらあれをやるわよっ!」
 バニータンクのかまどから、猟兵たちに通信が入る。
「そうねぇ、あの巨大ロボットを止めるにはそれしかないわねぇ」
「ええ、仕方ありません」
 ティオレンシアとリステルからも賛同の声が上がる。
「もちろん僕にも依存はございません」
「ヒャッハー! 派手にいこうぜぇ!」
 ルベルとロースト(金平糖で復活した)もその提案に乗る。
「というわけで、艦長、号令をお願いしますね」
「え、私ですか!?」
 ビスマスの要求に、シンが戸惑いの声を上げた。

「えー、こほん。では、僭越ながら『夢宵桜』艦長として、号令をかけさせていただきます。各機、ドッキングフォーメーション! 『夢宵桜』制御AIのナビゲートに従い、巨大イェーガーロボへの合体シーケンスに入ってください!」
「「「了解!!!」」」
 猟兵たちのマシンのコンソールに、『夢宵桜』のAIから送られた変形合体プロセスが表示される。
「『夢宵桜』、ドッキングシーケンス開始!」
 まず変形を開始したのはシンの『夢宵桜』だ。『夢宵桜』は船首を真上に向けてブースターを全開、空中に静止する。そして船外に張り出しているブリッジを船体内部に格納すると、船首を折りたたんで巨大ロボットの胴体を形成した。
 続いて変形するのはリステルのトレーラーだ。
「マルチドッキング機構、オープン!」
 トレーラーの車体部分が折れ曲がりドッキング機構が出現し、『夢宵桜』からのガイド・ビーコンに従ってブースターの下部に結合。『夢宵桜』の船尾と連結して巨大ロボットの腰になる。トレーラーのコンテナは中央で二つに割れて、巨大ロボットの両脚が完成する。
「では、僕も参ります」
 ルベルの超合金ルベロボくんゼットブラックが、その巨体を一房の尻尾へと変形させる。巨大ロボの腰のマルチドッキング機構に接続され、巨大ロボットの漆黒の尾となった。
「ハイパー・ナメビスバイン、チェンジ!」
 ビスマスの掛け声とともにハイパー・ナメビスバインがクロマグロ型マシンと分離。ナメビスバインが変形して巨大ロボットの最上部にドッキングし頭部となる。さらにクロマグロ型マシンは角のついた兜の形状に変形し、巨大ロボットの兜になった。
「ヒャッハー! やっぱり巨大ロボと言ったらこれだぜぇっ!」
ビルの屋上から天空へ飛び出したローストの巨大バイクが巨大ロボットの頭上に着地。変形合体して輝くモヒカンヘッドとなる。
「ロボの武装も必要よねぇ」
 ティオレンシアのロボットが分離し、大口径拳銃を中心として合体。大口径キャノン砲になる。
 巨大ロボの胴体となっている『夢宵桜』の左右甲板が展開して両腕となり、ティオレンシアのキャノン砲を右腕で掴んだ。
「そして、最後はわたしよ! 神として巨大ロボットに生命を吹き込んであげるわ!」
 かまどの乗るバニータンクが網タイツのセクシーな生足で跳躍。両足とウサギ耳を戦車内に格納すると立方体状のパーツに変形する。巨大ロボの胸部に当たる部分に格納されると同時に、『夢宵桜』のエネルギー伝導パイプと接続。エネルギーラインを通じ、合体した各マシンに生命を司る火の神の力を伝えていく。
 これこそ、7人の猟兵のマシンが合体した超巨大ロボ、イェーガーJ7である!

「ば、馬鹿なっ、マシンが合体したトナ!? っていうか、各マシンのサイズ的におかしくないトナ!?」
 細かいことは気にしないように。

 驚愕するトナカイ怪人が乗る巨大トナカイロボに、イェーガーJ7はキャノン砲を向ける。
「狙いは任せてねぇ」
「エネルギーはわたしのばにたんが供給するわ!」
 ティオレンシアとかまどから、発射準備完了の連絡が入る。
「砲弾に、敵の弱点である醤油と生姜のオーラによるコーティングを施しました」
「僕の金平糖もまぶしましたので、ハッキング対策も万全でございます」
 ビスマスとルベルも報告をおこなう。
「キャノン砲と同時に、脚部武装の一斉射による援護もおこなえます」
 リステルの準備も万端だ。
「了解、イェーガーJ7、セーフティロック解除! 脚部武装の一斉射と同時に、敵巨大ロボットの狙撃をおこなう! ターゲーットスコープオープン!」
 『夢宵桜』のブリッジのシンの手元に、拳銃のグリップのような発射桿がせり上がってくる。
「イェーガーキャノン、発射!」
 シンが発射桿のトリガーを引くと、イェーガーJ7の右腕に握られたキャノン砲の撃鉄が落ちる。
 撃鉄によってキャノン砲後部の炸薬が爆発。その運動エネルギーがピストンを押す圧力を発生させ、超大口径の砲弾が前進するエネルギーへと転換されーーキャノン砲の銃口から巨大ミサイルが飛び出した!!
「ヒャッハーーー!! オブリビオンは消毒だぜぇっ!」
 脚部からの一斉射撃とともに巨大トナカイロボに着弾する、ローストが乗ったキャノン砲の弾頭。
 それは分厚い巨大トナカイロボの装甲すら簡単に貫き、その巨体内部で大爆発を起こした。
「そ、そんな馬鹿なトナー!?」

 こうして、猟兵たちは見事にザ・ビルドステージの一つを奪還したのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年05月05日


挿絵イラスト