バトルオブフラワーズ⑤〜エンディングを駆け抜けて
●ザ・ゲームステージ
「色々詳細は省きますが皆たちにはゲームキャラクターになってもらいます!」
省かれた詳細を説明しよう!真っ二つに割れたキマイラフューチャー。周囲を守る6つの『ザ・ステージ』を全てオブリビオンから取り戻さないと、目的地である『システム・フラワーズ』にたどり着くことはできない。そしてこれから皆が送られるのは『ザ・ゲームステージ』と言うことだ!説明終わり!
ふっふっふとラビット・ビットは小さな肩を揺らし、エア眼鏡をスチャッと上げた。何にも阻まれない目がキラリと光る。
「それもですねぇ~、なるのは恋愛ゲームの攻略キャラクターです!!トキメキです!」
一人でテンションを加速させていくラビット曰く、今回は恋愛ゲームのプレイヤーキャラである主人公ではなく、『攻略される側』になるにだという。ではどうやってクリアに導くのかというと、主人公に『おとした』と思わせれば良いらしい。
「全力で好感度マックスの愛を囁いたりなどしてください!バットエンドもま~エンディングですけど、グッドもしくはトゥルーの方がビットくん的にはオススメです!!あ、でもいっこ問題があって」
問題?と首を傾げる猟兵にラビットはチベットスナギツネの顔を向ける。
「邪魔が入るんですよ、いいとこで。タイミング的には高らかに結婚の音楽が流れるあたりで。そんなのもう馬に蹴られてころころされてしまえって思いますよね。わかる」
でもまーそんなに強くはないんで、しゅぱぱっとやっちゃってください。皆たちならできる!そしてハッピーエンドです!今度はにぱっと笑ってそう告げた。
本の形をしたグリモアが光だす。
「それじゃー皆さんよろしくおねがいしまーす!!」
筧さん
●シナリオについて
猟兵さんたちの攻略キャラクターとしての告白イベントがみたいそういうシナリオです。
既に皆さんは『主人公(仮)』に対して好感度マックス状態という設定なので、あとは告白を頑張ってエンディングを感じさせてクリアを目指してください。
描写の視点は『主人公(仮)』もしくは三人称視点となります。
●プレイングについて
敵への対処は攻撃手段が書いてあればOKです。トキメキを優先してください。
シチュエーション、『主人公(仮)』の設定にご希望があればプレイングにご記載ください。なにも記載がない場合は異性のモブ子さん、モブ夫さんとなります。
第1章 集団戦
『水かけ三人衆』
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POW : コーヒーポット怪人・ウェポン
【コーヒーポット兵器】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD : ジョウロ怪人・ジェノサイド
【ジョウロ攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ : やかん怪人・リフレクション
対象のユーベルコードに対し【やかん】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
イラスト:まめのきなこ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
マルコ・トリガー
フーン、トキメキねぇ
イマイチ要領を得ないけど、やらなきゃ真っ二つのままなんでしょ?
ハァ…仕方ないな
ちょっとキミ(主人公)
ちゃんとこっち見てよ、ボクの気も知らないでどこを見てるのさ…
まあ、今回は許してあげる
でも、次はもう…ダメだからね
ボクがキミのことしか見てないの、もうわかってるでしょ?
ボクね、ずっと独りでいたから、このまま独りで一生過ごすものだと思ってたんだけど
キミはそれを許してくれなかった
ボクがこんな気持ちを抱いたのはキミのせいだからね
責任取って一生一緒にいてくれないと困るよ?【誘惑】
水を差すやつには銃で【2回攻撃】
【フェイント】で攻撃を誘い、主人公を抱きかかえつつ【竜飛鳳舞】で跳んで回避
●貴方の所の主人公さんは17歳女子です
「フーン、トキメキねぇ」
説明を聞いてまず呆れたような声を上げたのはマルコ・トリガー(古い短銃のヤドリガミ・f04649)だ。
「イマイチ要領を得ないけど、やらなきゃ真っ二つのままなんでしょ?」
マルコはため息をつきながら、それでも仕方ないなと引き受けてくれる。優しい。
――そうして彼は光に吸い込まれていった。
●
「ちょっとキミ」
思いの外強い力で手首を掴まれ視線を向けると、マルコの鈍い金色が真っ直ぐに私をとらえた。
「ちゃんとこっち見てよ、ボクの気も知らないでどこを見てるのさ……」
叱るような、呆れたような口調でも、その裏にあるのが不器用な彼の優しさだって、私はもう知っている。
(でも、今のは何か違うような……)
尋ねるように彼と目線を合わせる。
「ハァ……、仕方ないな。まあ、今回は許してあげる」
パッと手が離れた。失った体温を惜しんでいたら今度は下から掬うように、そっと両手を小さな掌に乗せられる。マルコの冷えた指先にじわじわと温度が移っていく。
ぶっきらぼうで、でも優しくて、甘くて、ちょっとだけ拗ねたような声が私の耳を撫でた。
「でも、次はもう……ダメだからね。ボクがキミのことしか見てないの、もうわかってるでしょ?」
真摯な眼差し。睨むように眇められるそれはきっと彼の照れ隠しだ。
「ボクね、ずっと独りでいたから、このまま独りで一生過ごすものだと思ってたんだけど。キミはそれを許してくれなかった」
瞬き、一度伏せられた目が再び私を見た。
同じ温度になった手でぎゅっと握られる。
「ボクがこんな気持ちを抱いたのはキミのせいだからね」
マルコの白い肌に赤みがさして、もう一言何か言いたそうに口が開く。
「だから―…」
――っと同時に乱入する全身黒タイツのジョウロ。
(な、何!?)
「……ハァ、もう。ちゃんと捕まってて……壱、弐、参!」」
ぐっと腰を引き寄せられたと思ったらそのままの態勢でマルコが地面を蹴りつけた。
細い片腕で私を抱えたまま空中を舞うように飛び回り発射される水を軽やかに避ける。慌ててマルコの首に腕を回すと、珍しく年相応の、ほんの少しいたずらっ子めいた笑みが近くなった。
「責任取って一生一緒にいてくれないと困るよ?」
ガウンッガウンッと彼の銃が吠えたてると地上で何かが倒れる音がした。
けれど……、今はもう、彼以外目に入らない。
――そして世界が白に染まる。
大成功
🔵🔵🔵
古高・花鳥
(アドリブ、セリフ改変歓迎です)
とりあえず不意打ちが来るのでしたら、ちゃんと刀には意識を向けてないといけませんね
ちゃんと【居合域】で警戒しましょう
ふふっ、告白。告白かぁ
どうしましょう、素敵でキラキラした妄想が止まりません
大切な、大好きな人に贈りたい言葉......
制服で、放課後の教室でふたり。
『こうやって二人きりでいるの、好きだなぁ。安心できて、癒される感じで。』
『......こんなに弱いわたしのこと、いつも助けてくれたよね。辛いことも悲しいことも、あなたがいてくれたから頑張れたんだよ。知ってた?』
『だから、その......あの、あのね。』
『大好き、です。すっごく。』
......なんて。
●夢見る少女はかわいい
「ふふっ、告白。告白かぁ」
キラキラと目を輝かせるのは古高・花鳥(月下の夢見草・f01330)だ。年頃の少女らしい夢いっぱいの光景を想像して、わずかに顔を赤らめる姿は非常に愛らしい。
「大切な、大好きな人に贈りたい言葉......」
噛みしめるように確認する。……好き?っと小さく呟き、恥じらって両手で頬を押さえた。かわいい。
そんなかわいい彼女だが、どれだけ可愛くとも彼女はしっかり猟兵であった。
「とりあえず不意打ちが来るのでしたら、ちゃんと刀には意識を向けてないといけませんね」
そう、ちゃんと【居合域】で警戒するつもりなのである!それは領域内の存在を感知、対象の動きを一時的に止めるという彼女のユーベルコード。
先に言おう。うまく発動したので今回オブリビオンの出番はない。
●
黒髪とセーラー服が夕陽で照らされ赤みを帯びる。並んだ彼女は透き通った空気のように清廉でどこまでも綺麗だった。
「こうやって二人きりでいるの、好きだなぁ。安心できて、癒される感じで」
ふわりと微笑む。
そして眉だけを少し下げた。
「……こんなに弱いわたしのこと、いつも助けてくれたよね。辛いことも悲しいことも、あなたがいてくれたから頑張れたんだよ。知ってた?」
小首を傾げてちらりとこっちを見上げる。黒い瞳が陽の光を反射し淡く色づく。
助けられたのはこっちの方だ。花鳥の澄んだ空気にも、曲げない思いにも、不器用ながら前を向く姿勢にも、いつもいつも支えられた。でも、それでも彼女は、それを俺のおかげだという。
「だから、その……あの、あのね」
上擦った声を落ち着けようとしているのか。彼女が息を吸うことで胸元のリボンが揺れた。
「大好き、です。すっごく。――きゃっ」
思わず抱きしめると小さな悲鳴が上がった。
「あ、あの……、その」
トクトクと早い鼓動が白い布越しに伝わってくる。同じだと伝えたくて腕の力を込めると、慌てたような雰囲気はなりをひそめ恐る恐ると背中に腕が回された。
「いいの……? わたしで」
花鳥がいい。思いを込めてさらに強く抱きしめる。
今度はもっとしっかり、花鳥の細い腕が俺を抱き返した。
「――ありがとう」
――そうして世界は夕日に包まれた。
大成功
🔵🔵🔵
黛・夢乃丞
げーむ…?
細けぇ事はわかんねぇが、相手を口説けってことか?
よしきた俺に任せろ(ノリノリ助平妖狐)
■告白
俺…お前に惚れたんだ
いつもの冗談か?って…はは、日頃の行いが悪いとそう思われちまうのも仕方ねぇな
(襟を正し、真っ直ぐに相手を見つめて)
そりゃあ、最初は只の可愛い嬢ちゃんだと思ってたけれど。
いつの間にかお前の存在が俺の中で大きく膨れ上がって…
もう、お前の姿しか俺の目には映らないんだ
…俺の、俺だけのものになってくれ
■攻撃
薙刀とUC【フォックスファイア】にて
「良ぃ~とこなんだ、てめぇら邪魔すんじゃねぇ!」
倒せたら
「俺達の愛の障害なんて、俺が全部振り払ってやるよ」(イケボ)
※アドリブ&絡み大歓迎です♡
●安心安全の全年齢のゲームです
「げーむ……?」
透けるような灰色の髪をさらりと揺らし、首を傾げる姿すら妖艶なその男はまさに今回の依頼にぴったり!
きっと誰もが攻略したくなるに違いない黛・夢乃丞(妖狐の戦巫女・f12250)は、細けぇ事はわかんねぇが……っと前置きして流し目を送った。スケベである。
「相手を口説けってことか?」
わかってらっしゃる。
素早い肯定に、よしきた俺に任せろ、と指先で唇をなぞる姿もとてもとてもスケベである。
あ、でも全年齢のゲームでお願いします。
●
篝火だけが暗闇を照らす。ゆらゆらと揺れる炎がパチリとはじけた。
「俺……お前に惚れたんだ」
聞き間違いだろうか?それとも――、
「いつもの冗談か?って……はは、日頃の行いが悪いとそう思われちまうのも仕方ねぇな」
愉快そうに夢乃丞さんが笑う。
細く綺麗な手が襟を正すのを見ていると、その指が私の方に伸びてきた。掬い上げるように顎に触れ、視線を上へ。真っ直ぐに薄紅色の瞳が覆いかぶさるように私を覗きこむ。
「そりゃあ、最初は只の可愛い嬢ちゃんだと思ってたけれど。いつの間にかお前の存在が俺の中で大きく膨れ上がって……」
あと少しかがめば唇が触れ合いそうな程、距離が近い。食べられそうだ。
(ああ、この人はホントは狐じゃなくて狼なんじゃ……)
「もう、お前の姿しか俺の目には映らないんだ」
ゆっくりと、諭すように告げられる。
「……俺の、俺だけのものになってくれ」
懇願のようでそれはただの命令だった。抗えない誘惑に目を閉じる。
そして―…、
「良ぃ~とこなんだ、てめぇら邪魔すんじゃねぇ!」
荒っぽい口調の怒声が聞こえたかと思うと熱を孕んだ風が髪を撫でた。何かが吹っ飛ぶような音がした。
(何……?何が起こって……)
目を開けたその先にあったのは瞬きすると触れ合いそうな程近い位置にある長い睫毛と薄紅色。
「俺達の愛の障害なんて、俺が全部振り払ってやるよ」
低い艶のある声が私の呼吸ごと呑み込んだ。
――そうして世界が暗転した。
大成功
🔵🔵🔵
仁科・恭介
※アドリブ等歓迎
「やっとこの時がきたか」
伝説の坂の上であいつを待つ
7年も待ったんだ
そして私を選んでくれた
ショートボブで眼鏡をかけた猟兵がこっちに来る
見えてきた顔は心なしか紅潮しているよう
こちらに気付きヘッドフォンを外して駈けようとしたが、プライドが高いのかゆっくり歩いてくる
何時になく照れている目をじっと見つめる
こんな所に呼び出してスマンね
どうしても伝え…
言葉を全て発する前に人差し指で言葉を止める
そしてにっこり微笑んで両耳を塞ぐと口を塞ぐ
「答えならコレでよいだろ?」
「あぁ?良いところなんだから邪魔するんじゃない!」
と【携帯食料】を口に放り込み、ポットの取っ手を持って壁へ投げつける
「そこで見てろ」
●主人公の容姿がオープンな乙女ゲーはたくさんあるのでご安心ください
相手に好感度マックスの愛を囁いたりなどすると聞いて、うーんと困ったように笑うのは仁科・恭介(観察する人・f14065)だ。
彼には7年思い続けて7回振られている大事な大事な相手がいる。そんな相手がいるのに他の人に愛を囁くのは、というか好感度マックス状態なのはちょっと……そう思うかもしれない。けれどご安心ください。乙女ゲームの中には主人公の容姿がオープンなものもたくさんあるし最初から主人公への好感度が高いキャラもいる。つまりはそういう事だ。
●
(きっと……今日告げられるのは先日の答え)
この先にあるのは伝説の坂。そこで告白すればその愛は永遠になるのだという。そんな所に呼び出されて期待しないわけがなかった。何しろ既に、彼には7回も告白されている。
そして8度目はこちらから。答えはまだ保留のまま。
(もしもまだ、思っていてくれるなら)
見上げた先に黒のオーバーオールが映る。
瞬間ヘッドホンを外して駆けだしそうになったところで、最後の意地で無理やり歩調を遅くする。今更はしゃぎたくなっているなんて、そんなのバレたら憤死してしまいそうだ。それに……ちょっと負けたみたいで悔しかった。
それこそ今更なんだけど。
(やっとこの時がきたか)
坂の上、なんでもないような顔をして歩いてくるショートボブのシルエットを恭介は目を細めて眺めていた。
(7年も待ったんだ)
ぎゅっと手を握り胸に押し当てる。
(そして私を選んでくれた)
ずっと思い続けた長い年月を思えば、わざとゆっくり歩いてくるような彼女を待つ時間なんてほんのわずかな時間だ。
「こんな所に呼び出してスマンね」
頭に手をやり恭介が明るい茶色の目を細める。昔よりも明るいそれを横目で見て先を促そうとして……唇に触れる指に止められた。
彼はにっこり微笑むと、その大きな両手で私の両耳を塞いだ。ドクンドクンと耳の奥になり響く自分の心音。徐々に大きく、早くなっていくその音を自覚させられながら、ゆっくりと影が落ちてきて、そして――。
「答えならコレでよいだろ?」
僅かにできた二人の隙間で、彼が低く囁く。かっこをつけているその目元が赤く染まっていて、わからないと言えばどんな反応が返ってくるのか期待を煽った。
…―その時!坂の下からこぽこぽと不思議な音が聞こえてきた。耳をふさがれていても聞こえる。……よほど大きな音なのか。徐々に近づいてくるその音に視線をやると手持ちのカップにコーヒーを注ぎ差し出してくる白タイツの姿が!
猟兵としての本能がアイツは敵だと判断する。しかし、
「あぁ?良いところなんだから邪魔するんじゃない!」
私が動くより早く動いたのが恭介だった。彼は携帯食料を口に放り込む。そうしてポットの取っ手を持って壁へ投げつけた。
「そこで見てろ」
見てていいんだ。思う間に彼は戻ってきて……。
――そうして世界はまた影に包まれた。
大成功
🔵🔵🔵
コトト・スターチス
ふえぇ、緊張します…
主人公:番組を応援してくれるお兄ちゃん(の視点でことなまっ☆配信)
場所:夕暮時の公園
いつも応援、ありがとうございます
ぼくが辛い時、苦しい時、お兄ちゃんがやさしくそばで支えてくれたおかげで、こんなに人気になれました
そして、最近気づいたんです
ぼくの心はお兄ちゃんでいっぱいになってました
(表情を隠すように抱きつく)
年の差ありすぎて、めいわくかもしれませんが…伝えさせてください
(顔を真っ赤にして涙目で見上げ)
とっても大好きです
ぼくが大人になるまで、待っててくれますか?
怪人には「はっ、恥ずかしいですにゃーっ」と照れ隠しに(配信で超絶強化した)メイスをフルスイングしてお星さまにします!
●少女のせのびかわいい
今回間違いなく、一番こういう事に慣れていないのはコトト・スターチス(バーチャルネット辻ヒーラー・f04869)である。
「ふえぇ、緊張します……」
彼女はゲーム知識は豊富でも、あざといくらいかわいくても。こういう系統のゲームの内容を実体験した事は殆どないのだ。たぶん。年齢的にないはずである。たぶん。
少女は小さな手で両頬をむにむにと挟み、きゅっと目を閉じて、また開いた。
「でも負けません、がんばります!」
●
(今日はもうここでお別れか……)
画面越しに見つめ続けた少女が目の前にいる。その夢のような時間もこれで終わり。赤く染まる太陽が彼女の帰宅時間を告げる。
並んで漕いでいた隣のブランコがギィと音を立てて止まった。トンと軽い足音を立てて地面に足を下したコトトは、そのまま軽い足取りで目の前までくるとぺこりと頭を下げた。
「今日はたくさんありがとうございましたお兄ちゃん!――それと、いつも応援、ありがとうございます」
にっこりと天使の笑顔。その笑顔だけでセンチメンタルになりかけていた心にヒールがかけられる。
こちらこそ、いつも元気をありがとうと返せばコトトはもっと笑みを深くすると小さな手足をめいいっぱい広げた。
「ぼくが辛い時、苦しい時、お兄ちゃんがやさしくそばで支えてくれたおかげで、こんなに人気になれました。そして、最近気づいたんです」
ぎゅっと胸元で手を握り、青い瞳を水面のように揺らめかせ、少女が告げる。
「ぼくの心はお兄ちゃんでいっぱいになってました」
ぽすんとかわいらしい音をたててコトトが抱きついてきた。恥ずかしいのか、顔を隠したいのかぐりぐりと額を押し付ける。その度に揺れるブランコと二つ結んだ金の髪。
「年の差ありすぎて、めいわくかもしれませんが…伝えさせてください」
がんばって顔だけをあげこっちを見る姿がいじらしい。小麦の肌は夕日のせいとは言えない程真っ赤に染まり、緊張からか目元には涙がにじんでいる。
「とっても大好きです。ぼくが大人になるまで、待っててくれますか?」
縋るようなその小さな体を抱きしめようとした、その瞬間……!
ピー――――鳴り響く音。じっとこちらを見つめる怪人。あわあわと、あ、いいとこ邪魔してすみませんと言いたげに手を差し出して頭を下げる。その頭部はなぜか赤みがさしていたりして……ずっとこのやり取りを見ていたようだった。
「はっ、恥ずかしいですにゃーっ!!」
ぱっと体を離したコトトはそんな怪人に向かってメイスをフルスイング☆ 画面越しのお兄ちゃんたちの応援のおかげか、一瞬で吹っ飛んでいく怪人!さすが僕らのコトトちゃん!癒すだけじゃなくて戦いもばっちりだ!
吹っ飛んでいった怪人を見送ると、コトトはくゆっと眉と口を下げた顔でこちらを振り返る。
言葉の代わりにブランコから降り、しゃがんだ状態で両腕を広げるとぱぁっと顔を輝かせコトトが胸に飛び込んできた。愛おしい柔らかさを胸に抱きしめて――そうして画面はブラックアウトへ。
大成功
🔵🔵🔵
アレクシス・ミラ
アドリブ◎
彼女がそうかな
僕とはぐれた…のか?
…姿を見て安心した
この世界の僕はずっと彼女を想っているようだな
ーー主人公さん!
人混みから救うように主人公さんを抱え、支える
よかった…やっと見つけた
君は本当に危なっかしいな
…僕が見つけてくれるから大丈夫って?
あははは…全く、困ったお姫様だな
…でも
そんな君だから、愛しくて仕方ないんだ
…今度こそ、僕から離れないで
敵が現れた瞬間に先手の【天星の剣】
終わったよ
…さっきの言葉かい?言った通りの意味だよ
僕は…君だけの騎士になりたい
…君が好きだ
…僕の想いに応えてくれるのかい?
ありがとう
彼女の髪に口付けを落とし
誓おう
君をずっと…守り続けると
(…記憶も残るのだろうか…)
●記憶はたぶんあると思います
説明を聞いた後アレクシス・ミラ(f14882)はその整った眼差しを伏せ、顎に手を置き、至極真面目に思案した。
「ゲームの僕はずっと彼女を想っているということかい?」
設定によってはそうなります。アレクシスさんそういうの似合うからそうなります。元気な肯定に背中を押される。
それじゃあいってらっしゃい!
●
「――主人公さん!」
人込みに流されそうな私の手をしっかりとした美しい指が絡めとる。そのまま少し強引に誘われ人気のない場所へと移動した。
目の前の騎士様は……はぁ、と浅く息を吐き、光を閉じ込めたような金の前髪をくしゃっと握った。眉を下げ澄んだ眼差しをこちらへ向ける。青が朝焼けを映した湖のように揺れた。
「よかった……やっと見つけた。君は本当に危なっかしいな」
心配をかけたことは彼の様子を見ていれば理解できる。それでも、危ないとは全然思わなかった。
「……僕が見つけてくれるから大丈夫って?あははは……全く、困ったお姫様だな」
柔らかな笑い声がして、宝物に触れるようにそっと、頬に指が触れた。
「……でも、そんな君だから、愛しくて仕方ないんだ」
輪郭をなぞるようにゆっくりとたどる指先。朝空の瞳が真っすぐに私を捕える。
「……今度こそ、僕から離れないで」
低く吐息を孕んだ声が耳を打つ。
その意味を訊ねようと口を開いた瞬間、警笛のように甲高い音が鳴り響いた。私を庇うようにアレスが一歩前に出る。目の前に広がる青に縋ればなだめるような優しい笑みが返ってきた。
「安心して、目を瞑っていてもいい。君には、指一本触れさせない。――星を護りし夜明けの聖光、我が剣に応えよ」
騎士の思いに呼応するように現れた光の聖剣が敵を貫いたのだろう。眩い光に包まれたかと思うと、近寄ることすらかなわずそれは骸の海に帰って行った。
「終わったよ」
恐る恐る目を開けば穏やかな笑みが私を迎えてくれる。もう怖いものは何もない。きっと邪魔も入らない。彼の存在がそう思わせてくれる。
それなら、と私はさっき聞きそびれた話題をふった。
「……さっきの言葉かい?言った通りの意味だよ」
アレスは流れるような動作で手を取ると、片膝を立てて跪く。手の甲に彼の柔らかな熱が触れる。
「僕は……君だけの騎士になりたい。……君が好きだ」
真摯な声が、眼差しが私を真っすぐ射抜いた。……答えはもう決まっている。そう、それはきっと最初から。
ぎゅっと彼の手を握り返す。
「……僕の想いに応えてくれるのかい?」
立ち上がり視線を合わせたアレスは頬を僅かに染め、世界に祝福されたような笑みを向けた。
「ありがとう」
喜色の滲む甘い声。
さらさらと零れる髪の毛を掬い取り、その一房に彼が口付ける。
「誓おう。君をずっと……守り続けると」
――アレクシスがその台詞に僅かな既視感を覚えている間に、世界は光に包まれる。
大成功
🔵🔵🔵
雨乃森・依音
おいおいおいおいおい…
陰キャの俺に何やらせるつもりだマジで!?
そもそも恋愛ゲームとかやったことねぇんだけど!
あ゛?陰キャのくせにって?
うるせぇ俺は音楽ヲタだっつの
はぁーーー……ったく、仕方ねぇ
覚悟決めるわ
(夕日差し込む放課後の教室に二人きり)
――は?なんで自分にばかり構うのかって?
しかも意地悪ばっかりって
別に嫌いじゃねーよ
…なんで気付かねぇかな
いや気付けよ、この鈍感
最初はさ、音楽の趣味合うしいい奴だなって思ったんだ
でもお前のこと知るたびに俺は…
いいか?一度しか言わねぇからな
――好きなんだよ、お前のこt
……あ゛~~~っ!(鳥肌)
今いいとこなんだよ!邪魔すんな!
ソテルとギターでぶん殴って俺の勝ち!
●顔がいいからいけますよ
雨乃森・依音(紫雨・f00642)は後退り顔を引きつらせた。
「おいおいおいおいおい……陰キャの俺に何やらせるつもりだマジで!?」
とても嫌そうな顔をしているがかわいそうだが集まってしまったからには逃げられない。
そもそも恋愛ゲームとかやったことねぇんだけど!っという彼の訴えはでも似合いそうだしそういうの好きじゃないんです?え、ほんとうに?という眼差しにそっと却下された。
「あ゛?陰キャのくせにって?うるせぇ俺は音楽ヲタだっつの」
とりあえず吠えてみるけど敵は全く引く気配を見せない。
はぁーーー……ったく、仕方ねぇ。めちゃくちゃ長い溜め息の末に腹をくくる。
「覚悟決めるわ」
ありがとう。
●
赤く染まる教室で、彼と二人きり。ロマンティックなシチュエーションなのにどうしてこうなっちゃうんだろう。
「――は?なんで自分にばかり構うのかって? しかも意地悪ばっかりって」
綺麗な顔を歪ませて依音が眉間に皺を寄せる。ガシガシと頭を掻いて吐き捨てるように彼はいった。
「別に嫌いじゃねーよ」
小さな、抑えたような声。それでもきちんと聞き取れる、依音の、私の好きな声が悪態をつく。
「……なんで気付かねぇかな。いや気付けよ、この鈍感」
依音が一歩距離を詰めて私と向かい合う。彼から踏み込んでくれるのはとても珍しくて、思わず目を丸くしながら同じ位置にある顔をじっと覗き込んだ。後ずさる様子はない。
「最初はさ、音楽の趣味合うしいい奴だなって思ったんだ。でもお前のこと知るたびに俺は……」
言葉は地面に落ちず私に届く。依音が喧嘩を売るようにぐっとこちらを睨みつけると、上目遣いになった分だけ二人の距離が縮まった。
「いいか?一度しか言わねぇからな」
額が触れそうなこの距離が答えな気もするけれど、それでも彼の言葉で聞きたくて。どんな音も聞き逃さないように息を潜める。
そして聞こえる、
「――好きなんだよ、お前のこt」
ピーピーピーーーーコポコポコポピーーーーー!!!! ドタドタドタ!!!!
あ、いいとこですみません!!! けどそろそろ喉乾くかなって思って!!!お茶準備しといたんでここおいときますね!!!生唾とか飲み込む前にこまめな水分補給をどうぞ!!!
賑やかな音。
「……あ゛~~~っ!今いいとこなんだよ!わかってんなら邪魔すんな!」
現れたてるてる坊主がヤカンを捕まえて、それを依音がギターで殴った。拳を突き上げて俺の勝ち! っと主張する彼はかっこいいようで情けなくて。
「……笑ってんなよ」
拗ねてる顔も、やっぱりすごくかわいい。
「一度しか言わないっての、やっぱなしだ。けどこれが最後だぞ。俺は……お前の事――」
――世界が光に包まれてエンディングが流れ出す。
…―全然明るくなんてない必死な歌。
ああ、でも。こんなところでも彼の声を聞けるなんて、何て幸せなエンディングなんだろう。
大成功
🔵🔵🔵