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バトルオブフラワーズ⑤〜泣いても笑っても人生

#キマイラフューチャー #戦争 #バトルオブフラワーズ

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●ザ・ゲームステージ
「さて皆さん、キマイラフューチャーが真っ二つに割れたのは知ってますよね。」

 グリモアベースに猟兵が集まったことを確認するや否やグリモア猟兵の零落・一六八(水槽の中の夢・f00429)が問いかける。

「取り急ぎ皆さんには『システム・フラワーズ』へと向かって欲しいんですが、そのためには周囲を守る6つの『ザ・ステージ』を取り戻さないといけないんですよね」

 『ザ・ステージ』にはそれぞれ「特殊な戦闘ルール」があり、その条件を満たさなければ例え敵を倒しても強制敗北となってしまうようだ。

「今回、皆さんに向かって貰うのはザ・ゲームステージです」

 此処では『ゲームキャラクター』という特殊戦闘ルールが適用される。ゲームをプレイするのではなく、直接ゲームの世界に行ってもらってそのゲーム内でのクリアを目指すというものだ。

「そして今回皆さんにやって貰うゲームはキマ生ゲームってやつなんですけどね!所謂、双六パーティーゲームなんですけれども」

 車に乗って赤ん坊から始まり学校に入って就職して、老後から死ぬまで過ごすという設定の双六パーティーゲームで、止まったマスによってイベントが起きるらしい。それによってお金が手に入ったり借金をしたり結婚したり子供が増えたりなどするようだ。最終的にゴール後に所持品や子供などを資産に換算して、最終的な所持金で順位を競い合うゲームのようだ。

「ゲームとしてはゴールさえすればゲームクリアなので今回は所持金とか気にしなくても大丈夫ですよ。それこそパーティーゲームで楽しく遊ぶぐらいの気軽さで問題ないです」

 泣いても笑っても人生を走りきればそれでクリアと認識されるようだ。ただ、当然クリア条件が簡単だからと言って怪人がそれを許すわけではない。

「ゴール直前になると怪人が邪魔をしてくるみたいです。所謂お邪魔マスのような感じで立ちふさがるので、条件をクリアしなければ通して貰えないようです」

 そうなるとまた近くの道を一周してこないといけなくなるらしい。条件は止まったタイミングによって変わるようだ。それはお金をだせだったり、子供を手放せだったり、職を手放せだったり。あくまでゲームの話ですよ。

「もちろん、ゲーム内で痛くもかゆくも無いので律儀に条件を守るのもありだと思います。ただしクリア条件はあくまでゴールすることなので、律儀に守らなくてもいいんですよ!怪人をぶちのめしてゴールするという手もあります」

 今まで通ってきた道によっては条件が満たせない可能性も大いにあるのでもう一周するのが面倒ならさくっと倒してしまってもいいだろう。勿論、条件を満たせるけれど怪人の言うことも聞きたくない、普通に勝ちたいという場合でもだ。

「まぁ!ゴールするだけという簡単条件なんで!お遊び気分で楽しんで来ちゃって下さい!」

 キマイラフューチャーの危機だがこれも立派な任務、それを楽しんでも誰も文句言いませんって等と言いながら一六八は転移を開始するのであった。


山野芋子
 こんにちは山野芋子です。
 このシナリオはキマイラフューチャーの戦争シナリオとなります。
 戦争シナリオですがネタよりの依頼ですので気軽にご参加ください。
 オープニングでお話したとおり、皆さんには『キマ生ゲーム』をプレイして貰います。ゴールが条件なので、気楽にプレイしてください。
 妨害の怪人は弱いので、殴って進む場合も1行ぐらいで大丈夫です。
 ちなみに結婚相手や子供は人間サイズのピンが車に追加されると思ってください。
 リアルな見た目ではないのでご安心を。

 ●今回のみプレイングについて
 詳細にこういうマス踏んでこうなった。怪人にこういう条件を提示されてこうする。(ゲームの中で)こういう人生進みそう等お好きに書いていただいて大丈夫です。
 「借金まみれになる」とか「職業はこれになる」等好きに指定してください。
 お任せであれば私が全部ダイスで決めるので、リアクションとか書いていただくなども可能です。お友達同士真剣勝負もできます。リアルにマップ作るのでそういう遊び方しても大丈夫です。
 (相手の指定とプレイングの送信は同じタイミングでお願いします)
 また「こういう時だけ運が悪い」「こういう時だけ運がいい」など指定して頂いてあとお任せというのも受け付けています。
 その場合条件に該当する場合のみ補正を入れます。

 サイコロでお任せの場合は先頭に『@』を入れてください。
 プレイングで指定する場合は何も書かなくて大丈夫です。

 ●完全お任せの場合でも指定頂きたい部分
 ・ゲーム内マスのお任せ有無。
 ・選択肢が出た時に選びそうな方(堅実か賭けをするか)
 ・進学チャレンジ有無、浪人するか否か、希望職業。(なれるとは限らない)
 ・怪人の条件をのむか倒すか。

 長々と書きましたが皆さんの参加お待ちしております。
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第1章 集団戦 『食卓の友同盟』

POW   :    マヨネーズ怪人・ウェポン
【マヨネーズ兵器】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    コショウ怪人・ジェノサイド
【コショウ攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ   :    しょうゆ怪人・リフレクション
対象のユーベルコードに対し【しょうゆ】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。

イラスト:まめのきなこ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●ゲーム説明
 猟兵達がそのザ・ステージへと辿り着くと、3Dの建物や木々、双六のマス等が並んでいた。羽の生えたキマイラのマスコットキャラクターがプレイヤーを迎えゲームの説明を始める。

「この青のマスに止まるといいことがおきます! 
 逆に赤いマスに止まるとよくないことが起こります! 
 黒のマスは妨害マスです!他のプレイヤーによくないことが起こります!
 緑のマスは応援マスです!他のプレイヤーにいいことが起こります!
 黄色のマスはイベントマスです!他のプレイヤーを巻き込んで何かが起きます!
 高校生から恋愛マスが追加され、社会人マップから結婚マスが追加されます!
 先のマスがどうなっているかはマップを押すと見られるよ!
 順番は最初にルーレットを回して大きかった人からスタートだよ!」

 大雑把な説明が終わると、それでは皆さんいいキマ生を!と手を振り、ゲームがスタートしたのだった。
麗明・月乃
【朧月】
ほう。私ならゲームでも高貴な人生を歩み勝利を掴むこと間違いなしじゃな!
やってやるのじゃー!

進学はしないのじゃ。勉強なぞいらぬ。
職業は何でも良いから偉い奴じゃな!
堅実か賭け?ふん、当然賭けを選ぶのじゃ。
・ゲーム内マス
職業:農家になる。
鶏が金の卵を産む。
鶏が病気になった。
鶏が分裂した。
鶏が一日駅長になった。
「おかしいじゃろこれ!!何で鶏マスがこんなに充実してるのじゃこのゲーム!?」

怪人は『鶏の頂点に立つ少女』で鶏に沈める。

「フィー、知らぬのか。そういうのはな、フラグと言うのじゃ」
「なぬ、みぃが結婚じゃと!!?どこの馬の骨じゃ、鶏につつかせるのじゃー!」
「シエラはなんかこう……破天荒じゃな」


シエラ・アルバスティ

【朧月】
私が勝った暁にはサムライエンパイアの特上寿司を所望します♪(ニッコリ

【意気込み】
ふふ…逆転、一発逆転こそゲームの醍醐味
さぁ、賭け狂いましょう"人生″を!!


運が良い時→人生ゲームの勝敗その物を決める一発勝負の時
運が悪い時→その他全て

マス→お任せ
選択肢→賭けの連続
進学チャレンジ→無、浪人否、希望職業ギャンブラー
怪人の条件→可能なら飲む、無理なら倒す
結婚→バンバンする

・その多

激熱時、ルーレットは雷が発生する程激しく回す
車も爆発音(イメージ)が成る程の移動
お金は銀行員顔負けの数え方
謎の威圧感を出す
みぃちゃん(瑞姫)には甘い
アドリブ歓迎!

「借金のお札なら沢山あるので差し上げますね♪」→ミルフィ


ミルフィ・リンドブラッド
【朧月】
ゲームでもフィーは本気でやる、です
フィーがキマ生ゲームの王者になってやるです
月乃、みぃ、シエラ真剣しょーぶです
一番順位が低かったヤツはご飯1回分おごる、です

●ゲーム
・希望職業等
進学に失敗してトレジャーハンターへの道を進む(希望)
・選択肢が出たときに選びそうな方
トレジャーハンターは一攫千金。賭けをするです
・ゲーム内マス
沈没した海賊船をサルベージするマス。
失敗したら地獄の借金まみれ
成功で超絶お金持ちの仲間入り
・条件
飲まないで倒すです

「ふっ月乃みてろです。今からフィーが華麗にお金を稼いでやるです」
「みぃ、だ、大丈夫です。次勝てばなんとか…」
「シエラ少しお金貸してくれねぇです?必ず返すです」


神月・瑞姫
【朧月】
負けたらおごり?
ま、負けないようにみぃ頑張るの
シエラおねーちゃん
みぃはケーキがいいの
甘くてふわふわ大好きなの♪

あわわ…皆、怖いの選ぶの
だいじょうぶ…?
フィーおねーちゃん沈没しちゃいそうなの

んと、みぃは地道にコツコツなの
えーと神社マスなの
お【祈り】したら縁結びの神さまの加護をもらったの

お仕事何にしよーかな
お【料理】好きだし
ケーキ屋さんかな
お師匠さま(月乃)の鶏さんの卵でケーキつくるのー♪
う?告白イベントマス?
成功?結婚?玉の輿?
ふぇ…お金がすごく増えたの!
どうなってるのー?

仮面に宿る神さまの声
「うむ、やるとよい 月乃よ」
「我が巫女にはまだ早い」

怪人さんには神月封縛符
動けない間にゴールなの



●選手入場
 マスコットキャラクターの解説が終わり、朧月のメンバーが各々ゴーカートのような車に乗ってスタート地点に集合した。どうやらカーナビのようになっている、マップを見たり、所持金が表示されたりするようだ。

「月乃、みぃ、シエラ真剣しょーぶです。一番順位が低かったヤツはご飯1回分おごる、です」
「ほう、ならお店は優勝者が決めるというのはどうじゃ?」

 ミルフィ・リンドブラッド(ちいさな壁・f07740)が提案すると、麗明・月乃(夜明けを告げる金狐・f10306)がその話に乗ってくる。

「負けたらおごり?ま、負けないようにみぃ頑張るの」

 神月・瑞姫(神月の狐巫女・f06739)がぐっと両手を握り締めやる気を示す。

「いいですね。私が勝った暁にはサムライエンパイアの特上寿司を所望します♪」

 シエラ・アルバスティ(調停者・f10505)は情け容赦なくお高いものを提案しながら順番決めルーレットを回す。

「シエラおねーちゃん、みぃはケーキがいいの、甘くてふわふわ大好きなの♪」
「みぃちゃんがそういうのならケーキにします♪」

 シエラは瑞姫には甘かった。特上寿司などと言っていたが即座に手のひらを返す。

「私ならゲームでも高貴な人生を歩み勝利を掴むこと間違いなしじゃな!やってやるのじゃー!」

 そう意気込んだ月乃は順番決めルーレットで『1』を出しているのであった。
 順番はミルフィ、シエラ、瑞姫、月乃の順番で決定した。これから一体どんな人生が待ち受けているのだろうか。
 そしてご飯奢りをかけた仁義無き戦いがここに始まるのだった!

●1ターン目
「ゲームでもフィーは本気でやる、です。フィーがキマ生ゲームの王者になってやるです」

 1番手のミルフィがルーレットを回す。針はゆっくりと『3』で止まった。
 自動的に車が走り出し青いマスへととまる。するとミルフィの背景が切り替わり突如イベントが始まる。

「うわっ!びっくりしたです」
『見ず知らずのおばさんが「かわいい赤ちゃんねぇ、これで玩具でも買いなさい」と500万くれた』
「いきなり赤ん坊に500万くれる見ず知らずのおばさんとか普通にこえーです」

 もっともな突っ込みだがこれはゲームなのだ!ミルフィの所持金の欄が500万増える。進みはあまりよくなかったがなかなかのすべりだしだ。

「なるほどこういう風になるんじゃな」
「次は私ですね」

 シエラが激しくルーレットを回す。針は『6』を指し示した。またしても青マス。皆と同じ車なはずなのに、なぜか爆発音を響かせながら移動する。なにそれ怖い。何かやるたびに無駄な威圧感を発していた。

『とても美味しい離乳食を食べた。体力が3増えた』

 出来立ての離乳食が出現する。

「これ食べないといけないんでしょうか」

 試しに食べてみたら結構美味しかったようだ。さすが体力3増えるだけのことはある。離乳食だけど。まだ赤ちゃんマップだから仕方ないね。

「次はみぃの番なの」
「みぃちゃんがんばってください!」

 仁義なき戦いなはずだが声援が飛ぶ。
 ルーレットを回すと『7』車が進んだ先は数少ない黄色マスだった。
 突然、マスコットキャラが降り立ってくる。

『イベント発生!何が起こるかルーレットで決まるぞ!ルーレットスタート!』

 そしてルーレットが指し示したのは『みんなの所持金が減る』だった。

『みんなから100万ずつ徴収するぞ!』
「ふぇ、ごめんなさい、なの」

 1ターン目にして借金を抱えるものが出てしまった。
 月乃にいたってはまだ自分の順番さえもきていないのに借金を抱えてしまった有様だ。

「私、スタートしてない状態から借金なのじゃが」
「それも人生ってやつです」
「生まれたときから借金背負ってる人生なんていやじゃよ!」

 生まれたときからハードモード過ぎる月乃の順番が回ってくる。ルーレットはくるくると回り『10』を示す。順番のときと違ってかなり進んだ。得意気になっている月乃を運ぶ車が動く。そしてぴたっと止まった先は赤マスだった。

『突然現れた鶏に囲まれた!鶏に埋もれた!息ができない!治療費でマイナス200万』

 減っていく所持金、変わりに沸いて出てくる鶏。車が鶏でもこもこしていた。初ターンから。

「なんでじゃーーー!」

 鶏の中から月乃の叫びが響きわたった。

●時は変わって社会人
 見事に誰も進学せず、4人中2人が収入が安定しない職業という波乱万丈なゲームが繰り広げられていた。戦いも大詰め、人生も後半といったところだ。みんなで仲良く社会人マップへと突入していた。社会人マップになるとマスの種類も増えていく。
 給料マスを通過するとそれだけでお金が貰えるのだが、ギャンブラーとトレジャーハンターは出る目によってはお金が貰えない職業だ。しかし初給料は運よく、シエラは7,000万、ミルフィも5,000万手に入れるという好調な滑り出しであった。月乃は勉強なぞいらぬとそもそも進学をしていなかったが、進学していないとつける職業も限られていて農家になった。高貴な職業とは。悲しいことに現時点で借金が少しあるため返済に時間がかかりそうだ。
 瑞姫はケーキ屋さんということでパティシエになった。派手に稼いでもいなければ借金もない、一人だけほのぼの平和な人生を歩んでいた。現時点、瑞姫以外借金まみれという底辺の戦いがここにあった。しかし戦いはここからが本番だ。
 借金まみれなのに、いや、だからこそなのか瑞姫以外はみんなギャンブルマップを選んだ。皆リスキーなほう大好きだった。というかだから借金まみれなのでは。

「あわわ…皆、怖いの選ぶの、だいじょうぶ…?」

 皆とマップが違う瑞姫は心配そうに尋ねるが、皆一発逆転してこの借金地獄を抜けることばかり考えていた。堅実に働いて借金返済しようと考えるものはここにはいなかった。月乃の借金が増え、なぜか鶏も増え、悲鳴を上げるのを横目に次はミルフィの順番だ。

『一攫千金トレジャーハントチャレンジ!勝てば大儲け!負ければいっぱいお金を失います!』
「ふっ月乃みてろです。今からフィーが華麗にお金を稼いでやるです」

 借金軽症のミルフィは借金まみれ三人衆のうち一人の月乃にギャンブル前にどや顔で言いながらルーレットを回した。

「フィー、知らぬのか。そういうのはな、フラグと言うのじゃ」

 そう、こういうルーレットの女神なんかはこういうここぞという時に弄んでくるのだ。その言葉とほぼ同時にピタリとルーレットが止まる。

『沈没した海賊船をサルベージした。しかし中には何もなかった!プロジェクトのために膨大な費用がかかった!マイナス1,000,000万」
「桁おかしくねーです!?」

 やったねミルフィ所持金の数字が増えたよ。赤文字だけれども。

「大丈夫、なの?」
「みぃ、だ、大丈夫です。次勝てばなんとか…」

 完全に賭けで勝つ気満々である。負ければまた借金が増えるというのに。

「シエラ少しお金貸してくれねぇです?必ず返すです」
「借金のお札なら沢山あるので差し上げますね♪」
「いらねーですよ!」

 ギャンブルに出て失敗してお金を借りようとするミルフィ。状況を書くだけでもこれは酷い。ちなみに仮にもゲームの世界。譲渡はもともとシステム的にもないためできないようだった。
 さてそんなやり取りをしながら次はシエラの番だ。カラカラと回ったルーレットが指し示した場所まで車が移動する。

『一攫千金マスー!勝てば大儲け!負ければいっぱいお金を失います!それではルーレットスタート!』

 マスコットキャラクターが現れてシエラは再びルーレットを回す。

「ふふ……逆転、一発逆転こそゲームの醍醐味」

 そういいながら回転させるルーレットはバチバチと雷が発生していた。意気込みがすごい。ピシャーーっと雷が落ちるようにルーレットが停止する。

『な、なななんと!ギャンブルで大勝ち!借金がチャラになりまーす!』

 赤い文字で結構な額を表示していた所持金が黒文字の0へと変わった。大きな借金が消え、ここから逆転が狙えるところまで来た。
 ギャンブラーばかりの中、次は唯一の平和なほのぼのルートを進んでいる瑞姫であった。癒しかな。からからとルーレットが回り、のんびりと車は進んでいく。先ほどの殺伐としたデッドオアアライブな面々と違い、平和な道をのんびりと瑞姫は行くのだった。止まったのは結婚マス。
 相手を選んでねと出ているのを良くわからないまま押してしまう。

『これは恋愛の予感……。ボブから結婚を申し込まれた』
「う?」
「我が巫女にはまだ早い」

 仮面に宿る神さまが口を出し始めるが、前に一度、縁結び神社にもとまっていたのもあってか、あと選んでしまった以上システム的に結婚してしまうのだ。

『瑞姫さん!結婚おめでとうございます!プレイヤーの皆さんから500万ずつお祝儀をもらえます!またボブの100億が手に入ります!玉の輿ですね!おめでとうございます!』
「う? 成功? 結婚? 玉の輿? ふぇ…お金がすごく増えたの!」

 どうなってるのー?と混乱している瑞姫の車に『ボブ 起業家 年収100億』と書かれているだけの青ピンが追加される。ボブ一体何者なんだ。

「なぬ、みぃが結婚じゃと!!?どこの馬の骨じゃ、鶏につつかせるのじゃー!」
「うむ、やるとよい 月乃よ」

 月乃の声が響き渡る。仮面に宿る神さまもやってしまえというが相手はただの青ピンである。そもそもマップが違いマスが離れているのもあり、鶏はそこまでいけない。
 皆が借金を増やしたり借金を消したり底辺の戦いをしている間に、瑞姫は順調な人生を歩んでいくのであった。
 さて次は借金まみれの月乃であったが、幸い先ほどミルフィが自滅してくれたおかげで最下位は免れていた。カラカラとルーレットが回転する。

『飼っていた鶏が金の卵を産んだ!うったら1億になった!』
「また鶏!」

 説明しよう。月乃はなぜか幼少マップの頃から踏むイベント踏むイベントがすべて鶏関係になっていたのだ。

「おかしいじゃろこれ!! 何で鶏マスがこんなに充実してるのじゃこのゲーム!?」

 しかし鶏のイベントを起こすのは月乃だけなのだ。もはやゲームが悪いというよりは月乃が鶏を引き寄せているようにしか思えない。
 お金が増えたところでまだ借金まみれなのだが、さすがギャンブルマップ。失敗したときの損失も大きいが成功したときは多額のお金が入ってくる。
 借金ばかりのシエラ、ミルフィ、月乃にも十分に勝つ可能性は残っているのだ!

●そこをどけ!
 あれから借金が増えたり減ったりして、プラマイやっぱり借金で進んでいった面々もとうとうマップの合流地点へと指しかかろうとしていた。瑞姫のいるマップと合流し、そこから一本道になる。当然噂の怪人はその場所にいるおであった。

「ここを通りたくば」
「代償を払え」
「さもなくばゴールはできない」
「通りたければ通行料を」

 立ちふさがる醤油とマヨネーズとコショウ。
 しかし先行していた爆速で走っているシエラに撥ねられる。シエラは一応条件次第では飲もうと思っていたが、借金まみれの状態で金を要求されたので飲まないことにした。

「しょ、醤油ーーー!!」

 むなしく割れる醤油瓶。そうこうしている間にやってくる瑞姫。神月封縛符で動けない間にゴールしようとしていたが、なんだかお取り込み中だったので普通に通過できた。

「借金でむしゃくしゃしてる、です」

 ミルフィの巨大なハンマーで無残につぶされるコショウ。

「コショウーーーーー!!」

 マヨネーズが嘆く、おのれ猟兵、絶対に許さない。そうして最後に通る月乃を攻撃しようとした、が。
 ドッドッドッド、団体で駆け抜けていく。そう、月乃の周りには大量の鶏。今までのイベントでやたら出ていた鶏。さらにはユーベルコード、鶏の頂点に立つ少女によって召還された鶏もいるので、どれがどれなのかわからないが、鶏に踏み潰されて無残な姿になるマヨネーズ。元は卵からできたという皮肉。そう、有る意味、母なる鶏によってマヨネーズは倒されたのだった!

『ゴールおめでとうございます!それでは結果発表です!』

 結局結婚して子沢山になったのは瑞姫だけだった。シエラはマスに止まったらありと思っていたが、三人は結婚マスの少ないギャンブルマスに行ったので、偶然にも止まることなく瑞姫以外は誰も結婚しなかった。その分のお金が清算されていく。結果的に総資産は550億という大金に。
 そしてすべてのアイテム等の清算が終わり、順位が発表された。
 1位は安定して唯一の黒字だった瑞姫、2位は一度借金をチャラにしたのが大きかったシエラ、3位は鶏の金の卵を持っていたおかげで清算の足しになった月乃、最下位はトレジャーハントで莫大な借金を負ってしまったミルフィだった。
 しかし1位の瑞姫以外、皆借金を抱えたままゴールした。ゴールすればクリアとは言えこれは酷い。
 最下位が奢りといっていたミルフィが最下位となった。
 ゲームが終了しあたりが光に包まれる。このステージを一応はクリアできたということだろう。ご飯を奢ったり奢られたりわいわいすごすのはまた別のお話。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

フォルセティ・ソルレスティア
@(一部)【ペア/f00964】【SPD】(アドリブ可)
「うわー、これ面白そうだよ」
フィオ姉ちゃんとゲームするよ。もちろん勝負だよ。
「わわ、子供10人目になったよ」
「フィオ姉ちゃんの結婚相手誰なの~」

【行動】()内は技能
・ゲーム内マス:女性問題+お任せ
 ⇒元カノが~、浮気がばれて慰謝料~、隠し子が登場し~
 女性問題マスがたくさんある気がする
・選択肢:賭けに挑戦
・進学チャレンジ無、浪人しない
・希望職業:ホスト
 ⇒夜の帝王を目指すよ!
・怪人の条件:倒す
 サイコロと一緒にクラロ・デ・ルーナを放って倒す
 「世界の半分はボクのものだー」
これ面白いね。こんな人生ありかも。え、絶対ダメなの?


フィオリナ・ソルレスティア
@【ペア/f05803】【POW】(共闘・アドリブ可)
大好きな弟と仲良くキマ生ゲームのはず…
「ちょっと、その職業何? よ、よくないわ」
「け、結婚相手とか誰でもいいでしょ」
(勝手に弟と結婚と脳内補完して妄想)
弟の人生が危ない方向に走っていくのを横目で気にしながらプレイ
イチイチ突っ込みをいれないと気がすまなくなってくる

・ゲーム内マス:お任せ
・選択肢:堅実
・進学チャレンジ有、浪人しない、希望職業:女子アナ
・怪人の条件:倒す
 ⇒「このゲーム不健全だわ」と言い捨ててアイオロスの刃でザク切り
「とにかく、こんなの間違っているから」と弟に言い聞かせる
…発売元を訴えないと



●そうだってこれはお金を稼ぐゲームだから
「うわー、これ面白そうだよ」

 マスコットキャラクターのゲーム説明が終わり、フォルセティ・ソルレスティア(星海の王子様・f05803)が姉であるフィオリナ・ソルレスティア(サイバープリンセス・f00964)へと声をかける。

「あら、楽しそうね」
「フィオ姉ちゃん勝負しよ」

 きゃっきゃと姉弟仲睦まじくスタートラインへとつく。中学卒業までは4ターンに1回ぐらいの頻度で同じマスに止まるという奇跡的な仲良しっぷりを発揮しながら楽しく進行していたが、高校の恋愛マスが追加されてから雲行きが怪しくなっていった。

「あ、恋愛マスだー。好感度上げるとお金もらえるんだよね」
「そうなの?」

 でもそれって倫理的にどうなのかしら?等と教育的観点から不安を覚え始めるフィオリナを余所にフォルセティは名前と年収だけで女性を選択する。

『クラスで一番の美少女に告白された!500万獲得!』
「やったー。お金もらったよ」
「告白されてお金貰うってどういう状況なのかしら……」

 フィオリナの胸中にこのゲーム大丈夫なの?と不安がよぎり始める。
 色々突っ込みたいのは山々だがルーレットを回すと、堅実に青のマスに止まる。

『読書の秋だ! めちゃくちゃ本を読んだ! 知識+1』

 弟と比べると至って普通のマスに止まり地道にパラメーターを上げていく。高校生時点ではお金はぱっとしなくても才能に恵まれて順調にマスを進めていくフィオリナ。堅実にパラメーターが高かったのもあってか進学チャレンジは難なく成功した。一方最初から進学しないを選択していたフォルセティは社会人マップへと移動し就職マスを通過する。

「選べるのはこれだけなんだねー。どれにしようかな」

 提示された選択肢をぴこぴこと探していくとある職業に目が留まり、ぽちりとそれを選択する。

『おめでとう! フォルセティはホストになった!』
「夜の帝王を目指すよ!」
「ちょっと、その職業何? よ、よくないわ」

 鳴り響いたフォルセティの職業にフィオリナが慌てて不健全だと抗議をする。しかしもう決まってしまったものは変えられない。転職マスに止まれない限り。
 しかも大学マップと社会人マップでついに姉弟の場所も別れてしまった。フィオリナは思った、職業を変えられないのなら、早くゴールして終わらすしかないと。
 そんな心配を余所にフォルセティはマイペースにルーレットを回す。

『浮気がばれて修羅場だ。二人ともボクのために争うのはやめてー! その拍子に刺された。治療費のために500万』
「ちょっと! 刺されたって!」
「フィオ姉ちゃんこれゲームだよ」
「ゲームでもこんなのよくないわ!」

 文章だけとは言え弟が刺されたのだ。落ち着いていられない。それにこのゲームは弟の教育に悪影響を及ぼすかもしれないと気が気でないフィオリナであった。ともかくフィオリナにも気合が入ったのか、ルーレットの数字はやたら大きかった。大学マップを4ターンで踏破し弟の社会人マップまで追いついたのだから。姉弟愛ってすごい。充分な能力値に到達していたフィオリナは問題なくアナウンサーへと就職したのだった。

「あ、フィオ姉ちゃん。卒業おめでとー」

 社会人のマップに来たことに気づいて笑顔でお祝いする。姉の必死さとは裏腹にゲームとして楽しんでいるフォルセティだった。そして目の前でルーレットを回しマスに止まる。

『元カノが隠し子を連れてきた。認知を迫られた。お引取り願うため1000万支払った』
「か、隠し子!?」

 弟があまりにも爛れたマスに止まっているのを少し後ろから眺めていたお姉ちゃんはその内容に卒倒しそうだった。がんばってお姉ちゃん。

●教育によろしくない
 ゲームとは言え弟の人生が危ない方向に走っているのを横目に、これが終わったら販売元に抗議しないとなどと考えていたフィオリナは不意に結婚マスを踏んだ。

『この中から選んでね!』

 どうせ青いピンだし。選択画面も名前と年収だけが書いてある一覧表が表示される。ゲームとは言え結婚相手の情報が名前と年収しかないのはどうなのと思いながらも、視界の端に『フォン 年収500万』というのが入る。フォルセティと最初の2文字が同じということでついついそこに手が伸びてしまった。

『ご結婚おめでとうございまーす!お祝い金として他のプレイヤーから500万もらえます!』
「フィオ姉ちゃんの結婚相手誰なの~」
「け、結婚相手とか誰でもいいでしょ」

 マスコットキャラクターが盛大にお祝いの声を上げる。まさか名前が近いからといって脳内で弟として補完しているだなんて弟にいえない。

「そういえばさっきボク、子供が10人になったよー」
「子供!? 10人って……」
「隠し子入れたら13人だよ」
「隠し子!?」

 さっきのマスでできた隠し子以外にも隠し子がいるような発言。いやいるようなではなく居るのだろう。さすが夜の帝王。
 そんなことをしている間に、醤油、コショウ、マヨネーズの怪人が二人の前に立ちふさがる。

「ここが通りたくば1億よこしn」
「世界の半分はボクのものだー」

 それ多分RPGのやつですね。言い切るよりも早くフォルセティのクラロ・デ・ルーナが放たれる。瓶が皹割れて死に掛けている調味料怪人。そこに―――

「このゲーム不健全だわ」

 不健全な内容に、販売元に密かに不満を燃やしているフィオリナから放たれた風の刃によって怪人はピクリとも動かなくなった。姉弟の息の合った攻撃で怪人を瞬殺すればゴールはもう目の前だ。先にいつの間にかフォルセティを抜いていたフィオリナが、それから間もなくしてフォルセティがゴールマスへとたどり着く。

『ゴールおめでとうございます!それでは結果発表です!』

 それぞれの人生を振り返る映像が流れる。流れるがあまりにも女性問題が多すぎてフィオリナが不健全!というのも納得の人生である。フォルセティの人生はこうして見返すとなんとも波乱万丈であった。

「これ面白いね。こんな人生ありかも」
「駄目、絶対駄目よ」
「え、絶対ダメなの?」
「とにかく、こんなの間違っているから」

 本人はありかもなどというものだからフィオリナは慌てて言い聞かせる。発売元を訴えないと等と心の中で強く思った。それはきっと別のお話だけれども。そうこうしている間に、それでは順位の発表です!とマスコットキャラクターがBGMと共にスポットライトを当てる。

『優勝はフォルセティさんです!』

 途中借金をしたものの、増減の激しいマップで見事プラスに傾け、子供をたくさん作ったフォルセティが勝利した。フォルセティが1億5千万、フィオリナが1億3千万の僅差であった。2千万を僅差といいたくなるぐらいにこの手のゲームは金銭感覚がバグる。結果が発表され、拍手の音が鳴り響くと、ゴールしたことによりステージがクリアされたと認識されたのだろう。辺りが光に包まれていった。これから現実に戻っていくのだろう。さて、本当の戦いはきっとこれからだ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

エレクメトール・ナザーリフ

人生のゲームと言うのは中々面白い趣向ですね
余り過去に憶えがない私にとっては新鮮で羨ましくもあります

●完全お任せ
・ゲーム内マスのお任せ有。何が出ますかね~
・選択肢が出た時は賭けます。折角だから私はこの選択を選ぶぜ!
・進学チャレンジ無。狩人とか賞金稼ぎとか銃が撃てそうな
 アウトローな職業を希望!とにかく銃が撃ちたい!
・怪人は倒す。零距離射撃で。ヒャッハー!撃ち放題です!

●リアクション
・スイーツを食べたり銃が撃てたりすると喜びます。ニシシ
 もの凄く限定的ですか?
 趣味と言うかストレス予防がそれぐらいしかないんです…
・それ以外だと段々目が据わってきます。ギギギ
 私に銃を撃たせろ、またはスイーツでも可


山梨・玄信
版権…大丈夫かの、これ。

【POWを使用】
とりあえず、車は岩みたいなオープンカーじゃ(イメージが分からない時は「岩石オープン」で検索してください)。

登攀で先のマスを調べ、ルーレットは第六感と見切りと衝撃波でコントロールして進むのじゃ(目押しとも言います)
なるべくお金を稼ぐように進み、トラブルは避けるぞい。

結婚マスは意地でも避けるのじゃ。これはRB団の矜持じゃ。

怪人が邪魔しに来たら、お金は素直に払うぞい。
嫁や子供を要求されたら「は?何を言っておるんじゃ?」と返すのじゃ。

それ以外の要求には灰塵拳の2回攻撃でお答えするぞい。
敵の攻撃はオーラ防御で受け止めるのじゃ。

アドリブ歓迎じゃ。



●キマ生ゲームだからセーフ
 山梨・玄信(ドワーフの破戒僧・f06912)が乗っている車はなぜか岩をくりぬき、それにタイヤをつけたようなオープンカーに乗っていた。そういう裏技とか隠しコマンドとかあるのだろうか。細かいことは置いておいて、マスコットキャラクターがゲームの簡単な説明が終わるとスタートラインに着く。ゲームとは言え戦いの火蓋は切って落とされたのだ。

「人生のゲームと言うのは中々面白い趣向ですね」

 エレクメトール・ナザーリフ(エクストリガー・f04247)が最初のルーレットを回す。人生を体験するゲームというのは余り過去に憶えがないエレクメトールにとっては新鮮で羨ましくもあった。『4』と出たルーレットにしたがって車が自動で移動する。

『バブバブバブ(念願の銃を手に入れたぞ!)バブバブ~(赤ちゃん用の玩具で弾がでなかった!)マイナス50万』
「えー、撃てないんですか」

 ギギギとなり不満を漏らしながらもそのうち撃てると信じて、マスの結果によって出現した撃てもしない銃の玩具の引き金をカチカチと引く。

「わしの番じゃの」

 自分の手番になった玄信は第六感による力加減でルーレットを回し、その動きを見切ると、衝撃波でルーレットを止めた。目押しである。これそういうゲームじゃないはず。さっさとゴールを目指すスタンスなのだろう。『10』という最大値を出してがんがん進んでいく。幸いマップで先のマスも確認できるため、赤いマスなどよくない場所は避けていく狙いだ。一番安心な青マスだけ進むスタンスなのだろう。また最大値を出すことで周回ボーナスも狙うつもりだ。このドワーフ本気で勝ちにきている。というかそういうのありなのだろうか。
 ともあれ各々の方法でそれぞれの人生が開始されたのだった。いや、キマ生かな。

●これそういうゲームじゃないから
 堅実に稼いでいく玄信、当然長期的に見たら進学してから就職したほうが収入の高い職業に就ける。故に進学し大学マップを卒業した。目押しは強い。人生までも自由自在である。思わずズルイといいたくなるが技術なのでずるくはない。最高収入の国会議員に就職すると無謀な賭けをしなくても安定して金額は増えていった。
 一方、エレクメトールは、金銭面は安定していたものの、銃も撃てなければスイーツもあまり食べられない現実に徐々に目が据わっていた。

「私に銃を撃たせろ、またはスイーツを食べさせろ」

 ぶつぶつといいながらルーレットを回す姿はとても怖い。銃が撃ちたいという理由で狩猟者になったが、あくまで給料マスやマスによるイベントにかかわるだけで、実際に銃が撃てるわけではないと知ったのは、青マスで『鹿を狩るぞ! 無事に鹿を捕獲した! 100万手に入れた!』と表示され、実際狩りにいくわけではなく表示されるだけという事実に気づいた時であった。鹿肉は食べられても。そんなやばい状態で止ったマスは合コンマス。
 他のプレイヤーも巻き込んで、恋愛の親密度を上げるか、ご飯をひたすら食べるかを選べるのだ。

「スイーツ、スイーツ……」

 スイーツに飢えているエレクメトールは僅かな希望をかけてご飯を食べるを選んだ。すると目の前にバイキングが、当然その中にはスイーツもあった。

「スイーツ!」

 飢えたエレクメトールの目にはスイーツしか映っていなかった。念願のスイーツを食べながらエレクメトールは思うのだった。合コンマス狙おう。スイーツのために。これ、そういうゲームじゃないですから。
 そして玄信というとリア充を少し不幸にする事で少しの幸福を感じ、反動で自滅する事まで楽しむのがRBという信念(?)を持っているため、恋愛沙汰は徹底的に避けているのだ。己のプライドにかけて。どれぐらい避けているかというと、目押しで徹底的に恋愛マスに止るのを避け、結婚マスも調整して避け、エレクメトールが今止るまで合コンマスも避けていたという徹底っぷりだ。ここまで信念を通すのであれば逆にあっぱれである。

「飯一択じゃの」

 そんなわけで玄信も選ぶのは迷うことなく食事一択であった。君達合コンに何しにきたのかな。
 味を占め、スイーツを欲しているエレクメトールは合コンマスばかり狙い始める。合コンマスに止ってもご飯食べるだけなのに。とはいえ玄信のように目押しをするわけでもない。分岐の時に合コンマスがあったらふらっと立ち寄ってしまうぐらいである。ただしどっちのプレイヤーもただご飯食べるだけで終わるという。合コンとは。
 本来のゲームの意味を半ば見失いかけた頃に、もうすぐゴールというところまでたどり着いた。ゴール付近で待機しているのは食卓の友同盟。醤油、コショウ、マヨネーズの怪人だった。

「ここは通さない!」
「通りたくば嫁と子供を寄越しな!」
「は?何を言っておるんじゃ?」

 当然避けまくっていたので嫁も子供もいない。

「ならここは通せないな!」
「出直してきn」

 怪人が言い切るよりも早く、玄信の灰燼拳が怪人の顔面にめり込む。割れた醤油怪人は中身をぶちまけた。

「しょ、醤油ーーー!」

 と嘆き悲しむコショウに2発目の拳が繰り出される。

「こ、コショウーーー!!!」

 マヨネーズ怪人が嘆きマヨネーズ兵器を放とうとするがオーラによる防御で防がれる、その隙にすすすーーっとゴールまで通過してしまう玄信であった。早いゴールだったのもあり、かかったターン数によるボーナスでさらにお金が増えた。
 それからしばらくして、マヨネーズ怪人は銃が撃てなくてむしゃくしゃしていたエレクメトールの零距離射撃によって中身をぶちまけることになるのだった。よかったねやっと銃が撃てて。
 全員がゴールし、マスコットキャラが最後にアイテムを換金するといよいよ結果発表だった。優勝は玄信。大金の入るギャンブルマップではなかったにも関わらず6億という大金を手に入れていた。目押しあまりにも強い。マスコットによって人生を振り返りが行われる。

『安定した収入に仕事でもそれなりの地位を得ました。しかし結婚はできず子供にも恵まれず……』

 システム的な定型文なのだろう。どちらかというと結婚しなかったなのだが。最後の最後まで徹底した。結婚はお金稼げるというのに選ばないでこれだけ稼いだのも充分すごい。

『合コンにいきまくるも結婚には至らず……』

 そしてエレクメトールの人生振り返りではそんなことを言われたが、合コンに行きまくってもご飯ばっかり食べていたのだから当然といえば当然である。
 人生の振り返りが終わると周囲が光に包まれていく。猟兵達のゴールによって無事にステージをクリアしたことになったのだろう。キマイラフューチャーに戻ればきっと次の戦いが待ち受けている。本当の戦いはきっとこれからだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

マクベス・メインクーン
@
ザッフィーロ(f06826)と参加
パパ一緒に人生ゲームして遊ぼ〜っ♪
ってふざけて誘ったら釣れちゃったわ…まじこいつチョロいな……
ま、ゲーム対決は絶対負けられないけどな!

マス完全お任せ、選択肢はもちろんチャレンジしてくぜ
堅実なんて冗談じゃねぇ…
進学はする方向で行くが、希望職業は怪盗とかスパイとかやりたいな
ザッフィーロに怒られそうだけど面白そうだし(ひひひ
怪人の条件は聞くだけ聞くかな、ザッフィーロとの対決に有利になりそうなら呑むがならないならUCで全力で倒す

他プレイヤー妨害出来そうなマスがあればザッフィーロにやるぜ〜、怒られたら
パパ怖〜い…嫌い…って嘘泣きで騙す


ザッフィーロ・アドラツィオーネ
『@』
マクベスf15930と
パパ…やはりマクベスは猫助(くそダサTシャツのヤドリガミ)だったのか…(と思い込んでいます)
…100年は経ておらんが…何と言うか嬉しさの実感が籠るな

マスは任せよう…だが、何事も堅実さが大事だろう?
進学し弁護士、医師…その様な物を狙うが…、…何故俺は職業ヒモになっているのだ?
ん?刑事だったが怪盗にしてやられて責任を取って失職?
…もしやこれはマクベスのせいではないのか…?
怪人の条件は聞くわけなかろう
メイスで『気絶攻撃』を

マクベスに妨害されればお前…!と思わず振り返る…が…
な、泣かれたらおろおろするのみになるのだろう…
本当にマクベス…強かになったな…お前は…



●そもそも種族ヤドリガミじゃなくてキマイラですよね
 マスコットキャラクターの説明が終わりマクベス・メインクーン(ツッコミを宿命づけられた少年・f15930)はスタート地点へと車でやってくる。

(「パパ一緒に人生ゲームして遊ぼ~っ♪」ってふざけて誘ったら釣れちゃったわ…まじこいつチョロいな……)

 内心失礼なことを考えながらマクベスはちらっと横に居るザッフィーロ・アドラツィオーネ(赦しの指輪・f06826)に目を向ける。とはいえゲーム対決は絶対負けられない、そんなチョロさや隙も勝利のために利用してしまおうと考えていた。勝利に貪欲な恐ろしい子である。ちなみにパパと呼んでいるのは決してマクベスがパパ活をしているとかそういうわけではなく、パパと呼ばれたザッフィーロは、自分の持っている寝巻きのTクソダサシャツにいつか猫型ヤドリガミになれと猫助と名付けていた。そして偶然にもマクベスが猫助と呼ばれているのを聞いてから、もしかしてTシャツのヤドリガミなのではないかと勘違いしているらしい。

(パパ……やはりマクベスは猫助だったのか……)

 そして当のザッフィーロはというと、パパと呼ばれたことによってさらにその勘違いを加速させていた。元気にルーレットを回す姿を見ている姿は完全に保護者のようだった。慈愛に満ちた顔で楽しそうにしているマクベスを見守る。

(……100年は経ておらんが……何と言うか嬉しさの実感が籠るな)

 おそらく親としての自覚が芽生えつつあった。マクベスもマクベスでツッコミを宿命づけられた少年という称号なのにそのことに関してツッコミをあえてしてこないから余計にこじれている予感もする。
 そんな二人のキマ生ゲームがスタートしたのであった。

●妨害マスに至っては学生マップまでは2個しかない
 堅実に勉強をして、堅実に能力を上げ、堅実に進めているザッフィーロだったが、なぜか気づけば100万の借金を抱えていた。
 その理由はというとなぜか何度も妨害マスに止るマクベスにあった。絶対にザッフィーロを妨害してやるという強い意思を感じる。ルーレットの女神様というのは行動や意思で運命を引っ張られるものだ。きっとそれほどまでにザッフィーロを妨害するという強い意思があったのだろう。章タイトルの通り妨害マスは学生マップ、つまりは大学生までの間は2個しかない。しかしその2個をマクベスはしっかりと外さずに踏んでいったのだ。
 二人とも無事に大学への進学を果たし、無事に卒業をしたわけだが、マクベスはせっかく大学を卒業したにも関わらず怪盗という収入の安定しない博打職業を選択していた。ザッフィーロに怒られそうだけど面白そうだし。一方ザッフィーロは真面目に弁護士や医者など堅実な職業を目指していた。能力値は充分に足りていたものの、沢山の選択肢の中から選んでいる内に目に留まったのは警察官だった。
 それぞれ職業が決まり、社会人マップへと移動する。意外と早い段階でザッフィーロは結婚マスに止り車にはピンがひとつ追加されていた。そして事件はマクベスのターン、ザッフィーロがマップを確認し、アイテムの使用タイミングを考えている間に起きた。

『今日はこの家に盗みに入ろう。 なんと警備をしていたのはザッフィーロだった! ここは……煙幕だー! 無事にお宝を盗めたぞ! マクベスは1億手に入れた。ザッフィーロは犯人を取り逃がした責任をとって職を失った』

 ザッフィーロのターンになり、アイテムの使用を選択し、基本の画面に戻ったところでやっと気づく。

「……何故俺は職業ヒモになっているのだ?」

 そんな呟きをぽそっとしたザッフィーロを見て、少し後ろでマクベスが噴出しそうになる。記録を読み返すと、刑事だったが怪盗にしてやられて責任を取って失職したと知り、怪盗、怪盗……。と反芻しながら思案する。怪盗というと少し後ろに居る人物しか思い当たらない。

「……もしやこれはマクベスのせいではないのか……?」

 そして気づいてしまう。マクベスのせいだと。思わずお前…!と後ろを振り返るが、そこにはぐすぐすと泣くような動きをするマクベスがいた。

「オレだってえ、踏みたくて妨害踏んだわけじゃ……ぐす……パパ怖~い……嫌い……」

 なんという演技派。なんという役者。ただのツッコミ不良少年と思ったら大間違いだ。演技派の不良系ツッコミ少年だった。その姿にザッフィーロはただおろおろすることしかできない。

「俺も強く言い過ぎた……すまない……」

 泣かれてしまえばついつい謝るしかなくなる。マクベスが計画通りみたいな顔をしていたのは嘘泣きによって顔を覆っていたのでザッフィーロには見えていなかった。こいつチョロいなと再び思われているのはザッフィーロは知る由もない。
 そしてザッフィーロのターン。おそらく悪気も一切なければ本当にただの偶然なのだろう。なんとザッフィーロはマクベスと同じ妨害マスへとたどり着いた。これぞまさに因果応報。

『仕事もなくて暇だな~。 ん? あれは、マクベスだ! 犯人確保ーー! 念願の怪盗を捕まえることに成功したぞ! マクベスは脱獄のため看守を買収した。1千万支払った』

 マクベスの金額が減っていく。

「パパ酷い……」

 再び嘘泣きをしてザッフィーロを非難する。自分がさっきやったことは棚に上げて。

「踏みたくて踏んだわけでは……」

 先ほどマクベスが言っていた事と似たようなことを言うが、やはり泣かれると弱いのかザッフィーロはおろおろしていた。

「ま、いっか、次オレの番だなー」

 マクベスはぱっと嘘泣きをやめてルーレットを回し始める。

(本当にマクベス……強かになったな……お前は……)

 その変わり身の早さにザッフィーロは怒るわけでもなく、どころかその姿に一種の感動さえ覚えていた。仕方ない気持ちは保護者だから。

「お、結婚マスだ」

 マクベスはというとゲームに勝つためという観点でしか見ていないので、特に細かいところは確認せずに年収が一番高い女性を選択する。良く見てみるとピンには『ねこ美 秘書 年収1億』と書いてあった。

「猫……」

 よく名前を見ていなかった。見ていなかったとはいえやはり猫に呪われているのか猫を引き寄せてるのか、なんとも言えない気持ちになりながらも所詮これはゲームである。所詮ゲームだが、ザッフィーロがやはり猫助だからねこ美を選んだのだろうかという勘違いを密かに加速させているなんてことはあるかもしれなかった。
 誤解を加速させたままザッフィーロのターン、ルーレットの目は振るわず赤マスにとまる。

『職を失った疲れからか、不幸にも黒塗りの高級車に追突してしまう。後輩をかばいすべての責任を負ったザッフィーロに対し、車の主、暴力団員が言い渡した示談の条件とは……。 1千万払って金で解決した』
「なんか聞いたことあるなこれ」

 マクベスがツッコミ属性を抑えられずつっこみそうになる。しかし無事に金で解決できてよかった。お金の力ってすごい。このゲームでは特にそうだ。大体のことは金で解決できてしまうのだ。
 そうこうしながら少しずつ進んでいくと、ゴールも迫ってくる。当然、その直前には怪人達が待ち受けていた。

「此処はタダでは通さんぞ!」
「通るなら金払え! 金! 一億だ! 今すぐ持って来い!」

 ぎゃーぎゃーぴーぴー騒ぐ醤油とコショウとマヨネーズ。

「怪人の条件など聞くわけなかろう」

 有無を言わせずに下されるメイスの攻撃(物理)マクベスに振り回されていたザッフィーロだったが怪人相手には一切の容赦がない。
 条件次第では呑もうと考えていたが、特にザッフィーロを妨害できる内容でもないと知ると、マクベスも怪人達に銃口を向ける。割れた醤油へと駆け寄ろうとしたマヨネーズを容赦なく魔法で打ち抜き燃やした。マヨネーズの焼けるいいにおいがする。ついでに醤油も焦がし醤油になったので、やっぱりいい匂いがする。
 再びメイスで殴られたコショウがそこにこぼれたことで、食欲をそそる匂いが周囲を漂うこととなった。

「さってと、先にゴールさせてもらうぜ」

 カラカラとルーレットを回す。でたのは『1』だった。ゴールフラグを立てておいて、ゴールできないマクベス。

「俺のゴールが先のようだな」

 そういいながら回したルーレットは『1』だった。ザッフィーロもやはりゴールできなかった。仲良しかな?逆に今度はフラグを回収しているような気がする。ゴールできないフラグを。なんなのだろうこの泥仕合。
 結局次のターンで二人とも無事にゴールすることになったのだ。
 ついに結果発表。あれだけ妨害していたのもあり、ザッフィーロにはかなりの借金があった。しかしマクベスも妨害したり赤マスに止りまくっていたのと堅実なんて冗談じゃねぇと博打に出ていたのもあって、それなりに借金をしていた。
 この泥仕合、果たしてどちらが勝つのだろうか。借金が少ないほうが勝つ底辺の戦いの決着が、今まさに着こうとしていた―――

『すべての清算が終わりました! それでは結果発表!』

 ドルルルルルとドラムロールの音が鳴り、マスコットキャラクターが優勝者を告げる。

『優勝はマクベスさん! 資産、マイナス1億! 二位はザッフィーロさん! 資産、マイナス1億1千』

 かなりの僅差でマクベスが勝利した。一番資産の高い相手と結婚したのが功を奏したのだろう。絶対に勝つ。その宣言の通り、マクベスが勝利した。

『さて、皆さんのキマ生はどうだったかな? 泣いても笑ってもそれが人生! それじゃあ皆! また会える日までー!』

 マスコットキャラクターが手を振ると、辺りは光に包まれる。無事にこのステージをクリアすることができたのだろう。しかしキマイラフューチャーでの戦いはまだまだ始まったばかり。これはまだ戦いの一歩に過ぎない。戻れば次の戦いが待ち受けていることだろう。そうして猟兵達は現実の世界へと帰っていくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年05月11日


挿絵イラスト