バトルオブフラワーズ⑥〜祝、着ぐるみフューチャー元年
●どんな格好でも踊り切るのがプロってものよ。
特設ステージにて。
華麗なステップを踏み、クールにダンスをキメる奴らがいた。
腕のドリルを光らせながら高速ステップをこなす『モグラさんドリル怪人』
自慢の跳躍力を活かした、離れた床タイルをものともしない『カエルさん殺法怪人』
猫なで声で鳴きながらセクシーなダンスを魅せる『ネコちゃん拳法怪人』
つよくてクールを自称する怪人トリオである。
「ダンスは欲望を開放する手段モグ!」
「ダンスは高みを目指すためのパフォーマンスケロ!」
「ダンスは常に進化し続けるニャ!」
息ぴったりな彼らは、より『つよくてクール』なダンスを極めるため、更なる高みを目指すため、そしてなにより…踊りたい欲求を満たすため、特設ステージでステップを踏む。
「ダンスはクールに魅せるモグ!」
「そしてダンスで鍛えた足腰でよりつよくなるケロ!」
「それが私たち『つよくてクールなアニマルズ』ニャ!」
いくら敵であれど、勝負は『フェア』がモットーらしい。
分かりやすいだけに、相手は本気(と書いて『マジ』と読む)だ。
キマイラフューチャーの危機、熱いダンスで跳ね除けろ!
●でも参加条件が一つだけあるらしいです。
グリモアルーム。
猟兵たちの目の前で、光る床タイルに沿ってステップを踏むロダ・アイアゲート(ヒトになれなかったモノ・f00643)の姿があった。
自分を見つめる猟兵たちに気付いたのか、足を止めるロダ。
「…みなさん、お忙しい中お集まりいただきありがとうございます。キマイラフューチャーの危機、食い止めていただきたく招集させてもらいました」
先ほどのロダがしていた動きを見て、舞台がどこなのか分かった猟兵もいることだろう。
「今回みなさんに向かっていただくのは、ザ・ダンスステージです。ここで怪人『つよくてクールなアニマルズ』と戦っていただきます」
予知で視た姿を紙に描き起こし、それを猟兵たちに見せる。
『モグラさんドリル怪人』
『カエルさん殺法怪人』
『ネコちゃん拳法怪人』
見た目がどこかキュートさすら感じるが、彼らはあくまで『つよくてクール』らしい。
「見た目は可愛らしいのですが、ダンスの腕前は一級品です。正確なステップでみなさんを攻撃してくるでしょう」
見た目に反して強いとロダは言う。
「…しかし、彼らはプロを自認しており、どんな相手でも対等に戦うことをモットーとしているようです。なので、ダンス初心者には優しめのものを、体格の小さいフェアリーさんにも合わせた特設の床タイルも用意しているらしいです」
自分の有利な条件で勝っても、それは『つよくてクール』ではないのだろう。
「なので、慣れない場での戦いだと心配する必要はありません。光っている床タイルを踏みながら攻撃する『アカイクツレヴォリューション』という特殊なルールではありますが、要は光っていない床タイルを踏まずに戦えばいいのです」
ロダは簡単に『アカイクツレヴォリューション』のルールを説明する。
光っている床タイルを踏みながら攻撃する。
ダンスが上手ければ上手いほど戦闘能力が高くなる。
光っていない床タイルを踏んだら脱落。
「この3点に注意しつつ、怪人を倒して欲しいのですが」
一旦ここで言葉を区切る。
「……このダンスバトル、参加条件が一つだけありまして」
それを聞いて、一人の猟兵が恐る恐る声を上げた。
「それって…もしかしてその…」
指を指す先にはロダ。
というよりは彼女の恰好を指差していた。
「察しが良くて助かります。彼らが出してきた条件が…『着ぐるみの着用』なのです」
『つよくてクール』と言ってはいるが、それはあくまでもダンスに関してである。
見た目が結構可愛いことを彼らは気にしているようで、『こちらがフェアな対決舞台を整えているのだから、この条件くらい飲め』と言っていると、たぬきの着ぐるみを着たロダは言う。
「ただし、種族が獣人の方はもふもふ要素がすでにあるとのことで、着用しなくても良いとのことです」
『しなくてもいい』なので逆に言えば『着てもいい』ということになるぞ。
「なんでこんなややこしいものを…とお思いになられる方もいらっしゃるかもしれませんが、キマイラフューチャーの平和のため一肌脱いでいただけませんでしょうか」
実際には脱ぐどころか着るのだが。
そんなツッコミが出る前にロダはグリモアを起動する。
「特殊なステージではありますが、やることはいつも通り『怪人の撃破』です。みなさんよろしくお願いします」
JAEGER ON THE STAGE!!
小人星人
こんにちは、小人星人です。
みなさんは着ぐるみって着たことありますか?
客寄せパンダのようにちやほやされるのですが、ものによっては足元見辛くて大変なんですよね。
じゃあなぜ着ぐるみを着せるんだって?
好きだから仕方ないだろ(キリッ)。
●プレイングで何の着ぐるみを着るのか明記してもらえたらと思います。版権に引っ掛かりそうなのはプレイングを見送る可能性がありますのでご注意ください。また、着ぐるみを着ることが明記されてなかった場合は、こちらで何か着せます。種族が獣人の方も着ることは出来ますので、この機会に楽しみつつ、敵を殴っていただけたらと思います。
●『アカイクツレヴォリューション』とは
このシナリオフレームでは、『アカイクツレヴォリューション』という特殊戦闘ルールが適用されます。
この戦場では、ダンスのステップを踏みつつ戦わなければなりません。
戦場の床タイルが、ダンスのリズムで明滅するので、ダンスのリズムで、光っている床タイルだけを踏みながら戦闘します。
光っていない床タイルを踏んだり、ダンスに失敗すると、そのキャラクターは戦闘不能となり脱落してしまいます。
また、ダンスが上手ければ上手い程、戦闘能力が向上します。
踊りながら、多数の敵を撃破してステージをクリアしましょう。
第1章 集団戦
『つよくてクールなアニマルズ』
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POW : モグラさんドリル怪人・ウェポン
【モグラさんドリル兵器】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD : カエルさん殺法怪人・ジェノサイド
【カエルさん殺法攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ : ネコちゃん拳法怪人・リフレクション
対象のユーベルコードに対し【ネコちゃん拳法】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
イラスト:まめのきなこ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
高柳・源三郎
「わし、たぬきの着たい、たぬきの着たい!!」たぬきの着ぐるみが他の猟兵に取られない様にたぬきの着ぐるみを確保する源三郎。たぬきの着ぐるみを着て満面の笑みで【銘酒・狸酔】を飲んだ後たぬき人形【たろう】【はな】を取り出し「これで正しく三匹のたぬきじゃな。よし踊るぞ!」ユーベルコード【酒盛りの主役】を使い酔いどれ親父を呼び出して場を盛り上げノリノリで踊る源三郎。敵は着ぐるみを着せる事が制限になると思ったみたいだが源三郎は違った。たぬきの着ぐるみを着てきて気分が良くなり踊りと人形を合わせた攻撃で相手を翻弄するのであった。
●たぬき(人形)とたぬき(着ぐるみ)と酔いどれおやじ
オブリビオンとの対決の少し前。
ステージの裏でたぬきの着ぐるみにしがみつく男がいた。
名前を高柳・源三郎(流浪の酔いどれおやじ、たぬき人形と共に・f15710)。
たぬきを愛し、たぬきに愛され、たぬき村の特別住人に認定されている彼のたぬき愛は、ここでも揺るがない。
「わし、たぬきの着たい、たぬきの着たい!!」
他の猟兵に取られる前に、数ある着ぐるみの中からたぬきの着ぐるみに一直線に向かい確保する。
確保したたぬきの着ぐるみを改めて見る源三郎。
その顔は満面の笑みだった。
ステージに立つ男を眩しい光と、『つよくてクールなアニマルズ』の面々が出迎える。
「たぬきモグ…」
「たぬきケロ…」
「たぬきニャ…」
源三郎の風貌が着ぐるみと相まって、もはや本物のたぬきを見ているような錯覚を起こすアニマルズ。
そんな彼らにお構いなく、源三郎は手に持っていた『銘酒・狸酔』を一口飲む。
いくら飲んでもなくならない、たぬきから貰った不思議な酒は、源三郎の強さを引き上げた(気がした)。
そしてどこからともなく取り出したのはたぬき人形の『たろう』と『はな』。
「これで正しく三匹のたぬきじゃな。よし踊るぞ!」
その言葉にアニマルズも望むところだと配置につく。
程なくしてスピーカーから流れる音楽に合わせ、足元の床タイルが不規則に点滅を始めると、両チームそれぞれ光る床タイルへ足を運ぶ。
アニマルズたちはさすがのコンビネーションを見せているが、その一方で源三郎たちも負けてはいなかった。
先ほど飲んだ酒と愛する『たろう』と『はな』、そしてたぬきの着ぐるみを着たことによって彼のテンションは高まっていた。
普段は酔ったら裸踊りを披露するのだが、着ぐるみを着ていてもその足どりは変わらず、絶妙なステップが光る床タイルを捉える。
「なかなかやるモグ…」
「何で我々のダンスについてこれるケロ!?」
「たぬきパワーおそるべしニャ…」
源三郎のダンスに驚くアニマルズ。
しかし源三郎の勢いは止まらない。
「源さん張り切っちゃうぞ!!」
そう高らかに宣言すると、源三郎の周りに人影が現れた。
手には徳利と杯、顔を赤らめて上機嫌に源三郎をおだてる酔いどれおやじ達がわらわらと。
「源さんや、いつものヤツを見せてくれ!」
「そうじゃそうじゃ!」
「いいぞ源さん、その調子じゃ!」
酒盛りする酔いどれおやじ達は、そういって楽しそうに笑い合う。
おだてられると期待に応えたくなる。
もっと笑顔が見たい。
その思いが源三郎を突き動かす。
「なんかやばいのが出てきたモグ!」
「あのおっさんたちはなんだケロ!?」
「とにかくあれを消さなきゃニャ!」
このままではマズイと、『ネコちゃん拳法怪人』が跳躍する!
「おっさんたち覚悟ニャー!!」
ビシッバシッと拳を突き付け酔いどれおやじ達を撃退する『ネコちゃん拳法怪人』。
クールに決めているが、しかしそれは隙を見せるのに十分だった。
楽しそうに踊る源三郎の傍からスッと離れ、ひらりひらりと舞うように『ネコちゃん拳法怪人』に近付く『はな』。
くるくると『ネコちゃん拳法怪人』の周りをまわる。
「目を回させる作戦かにゃ?そんなもの通じるわけ…!?」
ネコちゃん拳法怪人の視界が傾く。
「ニャ!?!?」
慌てて体勢を整えようとするが、体が動かない。
よく見ると、糸のようなものが絡みついてるのがわかる。
抜け出そうともがくが、余計に自分の体を締め付けられる。
そして、床タイルに倒れ込むとブザー音が鳴った。
「し、しまったニャ!!」
『ネコちゃん拳法怪人』が倒れた床タイルは光っておらず、この時点で第一試合『つよくてクールなアニマルズ』の脱落が決まったのである。
「おや?もしかして『はな』がやったのか?」
ダンスと酒による高揚で顔が赤い源三郎は首を傾げる。
そう、『はな』を動かしたのは源三郎ではない。
でもその真相は、源三郎以外知ることはなく。
勝ったことに喜ぶ源三郎を見て『はな』がウインクした、ように見えた。
大成功
🔵🔵🔵
レン・ランフォード
アドリブ等歓迎
きぐるみといわれちゃ黙っちゃいない…
今日は主人格・蓮に変わってれんがめいんでいくよ
何か踊りを習ってるわけじゃないけど
踊るの大好きだし騒ぐの大好きだしげーむも大好き
だからキマフュを守るためにがんばっていくよー…
ドーモ、カエルサッポウ=サン…サイズフェレットです…
いつものフェレットきぐるみをきて参戦…
動きにくい?忍者の早業とグラップルがあれば造作もないよ…
さぁれっつだんす!
回ってじゃんぷして踏んづけて
お邪魔虫には手裏剣をごちそう(投擲)
残念そっちは残像だよ…
【分身殺法・陽炎舞】…ぎあをあげていくよー
ねえ、楽しんでる…?
こんな時だけど、みんな楽しんでるならいいんだけどね…
●今日の主役は彼女でも彼でもない
舞台裏で着ぐるみを着こむ黒髪碧眼の少女。
彼女の名はレン・ランフォード(近接忍術師・f00762)。
「よし、ばっちりー…」
ただその口調はいつもの彼女ではなく。
レンの中にある人格の内の一人、『れん』のものであった。
身に纏っているのはいつも着ているというフェレットの着ぐるみ。
「きぐるみといわれちゃ黙っちゃいない…」
踊るのも騒ぐのも、ゲームも大好きな『れん』にとってキマイラフューチャーはまさに大好きが詰まった世界なのである。
「キマフュを守るためにがんばっていくよー…」
足を踏み入れた先で待っていたのは『カエルさん殺法怪人』。
「ドーモ、カエルサッポウ=サン…サイズフェレットです…」
目の前の敵に挨拶する『れん』。
心なしか棒読みのような感じがするが、気にしないでおこう。
「ケロケロケロ…このカエルさん殺法怪人に勝負を挑むとは無謀ケロ!」
勝ち誇ったようにケロケロと笑う怪人。
着ぐるみが猟兵たちにとって足を引っ張るだろうと考えていたのかもしれないが、考えが甘かった。
(動きにくい?忍者の早業とグラップルがあれば造作もないよ…)
床タイルの上に立つ二人。
今回のバトルは1対1の個人戦である。
向き合うようにして相手を見合う。
「さぁれっつだんす!」「ダンススタートケロッ!」
眩い光とド派手な音楽が二人を包む。
『カエルさん殺法怪人』はぴょんぴょんと跳ねながらリズミカルなステップを魅せる。
(ケロケロケロ…この『カエルさん殺法怪人』にかかれば、猟兵たちなんて怖くないケロ!)
自信満々にダンスし、『れん』の隙を狙っている。
そしてダンスが中盤に差し掛かったころ、『カエルさん殺法怪人』は勝負を仕掛けてきた!
「ケロケロ、食らえ!『ジェノサイド』!!」
緑の手足を伸ばし、『れん』へ飛び掛かる。
繰り出される『カエルさん殺法攻撃』。
突きに蹴りといった攻撃に留まらない高速の連続攻撃を、ステップを踏みつつ躱す『れん』。
「よっと」
ジャンプをし、敵の頭上へ飛びあがると。
「それー…」
そのままかかと落としをかますように『カエルさん殺法怪人』を踏みつける。
「グエッ」
潰れて体勢を崩しそうになるが、なんとか踏みとどまると続けて殺法を仕掛ける。
というよりは、止まれないのでぱっと見ヤケクソな攻撃にも見えていたりするのだが。
「ケロケロケロケロケロケロ!!」
しかしその攻撃は当たらず。
「ケロケロケロケロ、ケロ!?」
不意にお尻に痛みを感じて驚く『カエルさん殺法怪人』。
振り返ってみるとそこにはカードが刺さっていた。
「残念そっちは残像だよ…」
なんと、ヤケクソに攻撃していたのは【分身殺法・陽炎舞】により生み出された『れん』の残像だったのだ。
必死に高速攻撃を繰り出している敵のその背後で、ステップを踏みつつ『カエルさん殺法怪人』のお尻にピンポイントで手裏剣代わりのカードを投げる余裕を見せる。
しかも投げたカードは単なるカードではなかった。
キマイラフューチャーで以前買った、手品用のカード。
手品用でありながら手裏剣代わりになる便利なカードには、他にも使い道があった。
パチンッ。
音楽の鳴り響くステージで、それ以外の音が聞こえる。
それは『れん』のフィンガースナップ。
その音を引き金に、『カエルさん殺法怪人』のお尻に刺さったカードに変化が起きる。
「!?!?…あ、熱いケロ!!!」
カードの端に火が付き、それは緑のお尻まで燃やそうとしていた。
突然の熱さにバタバタと暴れるが、未だ攻撃の手を止められない『カエルさん殺法怪人』。
それでもステップを踏んでいたが、それも長くは続かず。
「み、み、水ケロ~!!」
耐え切れなくなった『カエルさん殺法怪人』は、ステージを駆け下り舞台裏のシャワー室まで猛ダッシュ。
試合放棄により、『れん』の勝利が決まった。
対戦が終わり、一息つく『れん』。
(こんな時だけど、みんな楽しんでるならいいんだけどね…)
そんなことを思いながら、次の猟兵にバトンタッチするのだった。
大成功
🔵🔵🔵
アリシア・マクリントック
社交ダンスは貴族の嗜みですから当然ダンスの心得はありますが、着ぐるみですか……きちんと動けるか少々不安ですね
狼の着ぐるみを着て参戦しましょう。どうです、マリア?似合ってますか?
社交ダンスは常に周囲やパートナーに気を配りながらステップを踏むものです。指定された場所でステップを、というのは基本ともいえるでしょう。
問題は着ぐるみですね。想像以上に重くてバランスが悪いですね。距離感をしっかり把握して動かないと。
踊りながら戦うというのも初めての経験です。剣舞というものがあるのは知っていますし、目にしたこともありますが……こうなったら実践あるのみ。鳳刀『暁』と凰剣『ルシファー』、使いこなして見せましょう!
●お嬢様の嗜み~着ぐるみを添えて~
舞台裏、凛と澄ました佇まいでステージを見るのはアリシア・マクリントック(旅するお嬢様・f01607)。
青い瞳が見つめる先には怪人たちが。
(社交ダンスは貴族の嗜みですから当然ダンスの心得はありますが、着ぐるみですか……きちんと動けるか少々不安ですね)
そう思いつつ手に取った着ぐるみを着こむアリシア。
彼女が選んだのは、狼の着ぐるみ。
「どうです、マリア?似合ってますか?」
そう彼女の傍らに寄り添う狼のマリアに声をかける。
何となく、マリアに似ているなと思って選んだ着ぐるみを首を傾げながら見て。
気に入ったのか、マリアはアリシアの足元にすり寄った。
その姿に、不安が少し和らいでいく。
(踊りながら戦うというのも初めての経験です。剣舞というものがあるのは知っていますし、目にしたこともありますが……こうなったら実践あるのみですね)
意を決したアリシアはマリアと共にアニマルズたちが待つステージへと歩き出した。
「あの足取り…どうやら着ぐるみを着慣れていないモグね…」
「あの狼と踊るみたいケロ…」
「まぁ2対1でも問題ないニャ」
コソコソと話し合うアニマルズ。
アリシアの不安を感じ取ったのか有利と見たようで、『ネコちゃん拳法怪人』が一人で撃退すると言い、ステージへと上がる。
(社交ダンスは常に周囲やパートナーに気を配りながらステップを踏むものです。指定された場所でステップの、基本ともいえるでしょう)
慣れない着ぐるみに不安はあれど、やることは社交ダンスと大きくは変わらない。
マリアもいるなら大丈夫と、自分を奮い立たせて『ネコちゃん拳法怪人』を見る。
「慣れない着ぐるみで苦戦しているんじゃないかニャ?…今なら痛い目見ずに帰れるニャよ?」
そんなアリシアを挑発するように声をかける『ネコちゃん拳法怪人』。
(確かに想像以上に重くてバランスが悪いですね…ですが)
「戦う前から逃げ出すようなことはしません」
きっぱりと言い切るアリシアからは、たとえ着ぐるみでモフモフしていても貴族の風格を感じた。
両者、スタンバイOK。
アリシアは、マリアに視線を送る。
その手に鳳刀『暁』と凰剣『ルシファー』を持って。
音楽が鳴り始めると、それぞれが光る床タイルに足を運ぶ。
「ニャニャニャ!!」
体が柔らかいのか、多少の無茶も余裕でこなす『ネコちゃん拳法怪人』。
一方でアリシアは着ぐるみの重さにふらつきつつも、なんとかステップを踏んでいた。
アリシアの様子を見て、マリアがサポートするように立ち振る舞う。
「ニャニャ…この勝負『ネコちゃん拳法怪人』が貰ったニャ!」
勝ちを確信する『ネコちゃん拳法怪人』を見据え、鳳刀『暁』と凰剣『ルシファー』を構える。
そしてステップを踏みながら、その二刀を大きく振った。
その瞬間スイッチが入る。
それまでの不安すらも打ち払うように、力強く、そして華麗に。
剣の切っ先はブレることなく、真っ直ぐに。
雰囲気の変わったアリシアに気付いたのか、『ネコちゃん拳法怪人』は内心焦りを覚える。
「こうなれば先手必勝ニャ!」
拳を構え、アリシアに向かって『ネコちゃん拳法』を放つ。
事前に相手の攻撃を見ていれば、その攻撃を相殺できる可能性が上がるのだが。
侮っていた相手ゆえに焦りが生じたのが仇になるとは、思っていなかったのだろう。
「闇を照らす光の舞……見とれていると怪我ではすみませんよ!」
鳳刀『暁』と凰剣『ルシファー』の二刀流から放たれるのは幻想的な踊りの如き連撃。
連撃は『ネコちゃん拳法怪人』の急所を突き、『ネコちゃん拳法』はその剣を払うように放たれるが、『ネコちゃん拳法怪人』の動きが止まった。
「ニャ…か、体が…」
アリシアが繰り出した攻撃は、相手の動きを一時的に止めるもの。
でもそれは、このダンスバトルにおいては十分な時間で。
光る床タイルに足を置くことも、消えかかった床タイルから足を離すことも出来なくなった『ネコちゃん拳法怪人』の末路を想像するのは容易いだろう。
鳴り響くブザー音によって、勝敗が決まる。
見事勝利を勝ちとったアリシアは着ぐるみのまま、マリアへ抱き着くのだった。
大成功
🔵🔵🔵
木元・祭莉
着ぐるみダンス?
おいら、このまま参加していい?
小さいころから着慣れてるからねー♪ 強いよ?
(母譲りのヒマワリ着ぐるみ、耳と尾出てる)
ヒマワリの踊りはね。
両手の葉っぱをぱたぱたさせながら、くるりくるりと回るんだよ。
最初はこーやって、優雅に風に吹かれるポーズでー。
(攻撃を受け流しながらふわりふわり)(足元はしっかりと)
おー、テンポアップしてきたー? ヒマワリの真骨頂はココから!
頭の花弁をヒラヒラさせ、床の灯りに引き寄せられるように。
くるくる高速に回りながら、ステップ踏むよ!
(葉っぱで周囲の敵を殴りつけ)
敵の群れの中に突っ込んで。
踊り、楽しいね!
せっかくだから歌うよ!
『ぼええぇーーー!』(人狼咆哮)
●太陽の花、ステージに咲く
「着ぐるみダンス?ねえねえ、おいら、このまま参加していい?」
そうアニマルズに話しかけているのは木元・祭莉(花咲か遮那王・f16554)。
『このまま』。
そう、既に彼は着ぐるみを着てこの場に来ていた。
笑顔を更に眩しくさせる、ヒマワリの着ぐるみ。
母譲りのそれを身に纏い、狼の耳と尻尾を出した少年は真っ直ぐに怪人たちを見上げていた。
人見知りで、ビビりで、泣き虫ではあるのだが、年相応の好奇心と音楽や踊りが好きな気持ちの方が上回ったのだろう。
アニマルズの返答を待つ間、ゆらゆら体を揺らす彼の姿に怪人たちは内心(かわいい『モグ』『ケロ』『ニャ』…)と思った。
「か、構わないモグ!」
気付いたらそんなことを口走っていた。
でも、くるくる回って喜ぶ祭莉の姿に怪人たちから反論の声はなく。
「どうせなら1対1じゃなくてみんなで踊ろうよ!そっちの方が楽しいよ!」
輝かしい笑顔は敵にも有効だった。
「…3対1とか大丈夫ケロ?」
「相手は子供だしニャ~…」
こそこそと話し合う怪人たちは祭莉をチラチラと窺っていた。
「…確かに子供モグ…だが猟兵である以上手加減は出来ないモグ。倒さなくては我々が負けるモグ…!」
これは真剣勝負なのだ。
手加減は出来ない、許されない。
たとえ子供が相手でも。
たとえ大人気ないと言われても(というか怪人たちが大人なのかは定かではないが)。
そんなことを話し合っている怪人たちとは裏腹に、祭莉はるんるんとステージの上に立つ。
(着ぐるみは小さいころから着慣れてるからねー♪…おいら強いよ?)
自信満々な祭莉はライトに照らされる。
そして彼のヒマワリの踊りが始まった。
「ヒマワリの踊りはね。両手の葉っぱをぱたぱたさせながら、くるりくるりと回るんだよ」
ステップを踏みつつ、リズムよく両手をぱたぱたさせて回る。
アニマルズたちが祭莉のダンスを妨害しようとするが、それを器用に受け流していく。
「最初はこーやって、優雅に風に吹かれるポーズでー」
ふわりふわりと舞うように、だけど足元はしっかりと。
「な、何故当たらないモグ!?」
「あのダンスに秘密がありそうケロ!」
「とりあえずテンポアップして攻めるニャ!」
『ネコちゃん拳法怪人』の一声で音楽のペースが上がる。
「おー、テンポアップしてきたー?ヒマワリの真骨頂はココから!」
頭の花弁をヒラヒラさせ、床の灯りに引き寄せられるように。
くるくる高速に回りながら、ステップを踏む祭莉。
その隙を突こうと『カエルさん殺法怪人』が『カエルさん殺法攻撃』を放つ。
目にも止まらない敵の高速攻撃をギリギリで躱し、祭莉は両手の葉っぱで力いっぱい殴りつけた。
そしてステップを踏みつつ敵の群れの中に突っ込んでいく。
ノリノリに踊る祭莉はとても楽しそうだ。
一方で祭莉の動きに翻弄される怪人たち。
両手の葉っぱ攻撃を避けつつ、こちらも負けじとステップを踏むが。
「踊り、楽しいね!せっかくだから歌うよ!」
そう言って大きく息を吸い込んで。
祭莉は声を上げた。
「ぼええぇーーー!」
歌というよりは咆哮である。
【人狼咆哮】。
激しい咆哮は、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
そして祭莉は敵陣の中。
彼の咆哮は衝撃波となって怪人たちを襲った。
「はぁ~楽しかった!…ってあれ?」
音楽が終わり、楽しいダンスに満足した祭莉の周りには倒れたアニマルズたちが。
『モグラさんドリル怪人』は白目をむいて。
『カエルさん殺法怪人』は泡を吹いて。
『ネコちゃん拳法怪人』は伸びていた。
「えっと……やった!」
倒れた怪人たちを見て、祭莉は勝利の笑顔を見せるのだった。
大成功
🔵🔵🔵
バルドヴィーノ・バティスタ
【SPD】
(狼の着ぐるみを着用)
……うっごきづれェ!!前見えねェ!!てか暑い!!!
ひとまず、だ。まずは脱落しねェことに集中する。着ぐるみの中から見える光とリズムから<第六感>で次のタイルを読んで<追跡>。
慣れてきたらアゲてくぜ、タイルの方が踊るオレを追ってるように見えるくらいの読みと<早業>で動いてやろうじゃねーか!
それでも動きが追っつかなかったり怪人から攻撃が飛んでくりゃ奥の手だ、
もふもふ要素がありゃいいんだよな?
狼に姿を変えて身軽になったトコで【シーブズ・ギャンビット】、咥えたダガーで剣舞の真似事しながら切り抜けるぜ!
さァて、どんな姿でもオレを阻めると思うなよ?
(アドリブ、連携歓迎)
●もふもふ要素は忘れずに
「………」
舞台裏。
「…………」
そこには着ぐるみが突っ立っていた。
「……………」
もっふもふの狼の着ぐるみが。
「……うっごきづれェ!!前見えねェ!!てか暑い!!!」
思わず着ぐるみの頭部をガバッと持ち上げて外気を取り入れているのはバルドヴィーノ・バティスタ(脱獄狼・f05898)。
確かに着ぐるみの通気性の悪さ、視界の悪さは凄い。
冬場ですら汗だくになるのに、温かくなってきた今の時期、中の蒸れ具合は…うん。
視界も狭いから、足元だっておぼつかない。
探り探り歩いたりするのだが、今回はそれでダンスときたものだからさあ大変。
バルドヴィーノ、どうする?
(ひとまず、だ。まずは脱落しねェことに集中する)
狭い視界から見える景色を頼りによたよたとステージへ登る。
「ケロケロ…その調子じゃすぐに脱落するんじゃないケロ?」
にやにや、ケロケロ。
煽りにカチンとくるもその怒りをぐっとこらえるバルドヴィーノ(というよりは気が小さいため言い返さなかったのかもしれないが)。
今は相手よりも、着ぐるみで動く感覚を掴むことに専念した。
着ぐるみの可動域、床タイルから床タイルへ飛び移る際の体にかかる負荷などをバトルがスタートする前のわずかな時間で確認する。
「ケロケロケロ、無駄な足掻きは止めるケロ!この勝負はこちらの勝ちケロ!」
ドヤ顔で言い放つ敵をよそに、バルドヴィーノは配置につく。
無視されたことにムッとしつつも『カエルさん殺法怪人』もスタンバイすると、ステージを光が照らし、アップテンポな曲が流れ始めた。
(着ぐるみが良い足枷になってるケロ…この調子なら勝てるケロ…!)
あくどい笑顔を内面に浮かべ『カエルさん殺法怪人』がバルドヴィーノの様子を窺っている。
そんなバルドヴィーノは、着ぐるみの中から見える光とリズムから『第六感』で次のタイルを読んで『追跡』するように動いていた。
(今こっちだから次はあの辺りの床タイルだな…)
次に光るであろう床タイルを推測し、多少ふらつきつつもステップを踏んでいく。
(ちょっとは慣れてきた…よし、ギア上げていくぜ)
少しずつペースを上げていく。
一気に上げないのは相手を油断させるため。
『カエルさん殺法怪人』がバルドヴィーノのペースの変化に気付いたのは中盤を差し掛かったころだった。
(おかしいケロ…あいつのペースが乱れるところか上がってるケロ…?)
先ほどまでバルドヴィーノを見下していた勢いはどこへ行ったのか。
精度の上がるバルドヴィーノのダンスに、『カエルさん殺法怪人』は冷や汗をかく。
しかし、さすがダンスを極めんとしているだけあって、そんな状態でも攻撃をかましてくるのが怪人なのかもしれない。
「調子に乗るのはそこまでケロ…食らえ『カエルさん殺法攻撃』!!」
ぴょーんという効果音と共に、バルドヴィーノへ飛び掛かる『カエルさん殺法怪人』。
「…っと、あぶねーじゃねーか!」
攻撃を避けた拍子に、被っていた着ぐるみの頭部がごろんと落ちる。
その下から露になる金髪と、狼の耳。
「…なぁ、カエルさんよ…もふもふ要素がありゃいいんだよな?」
口元に笑みを浮かべながら問いかけるバルドヴィーノ。
着ぐるみによって汗をかいたようで、彼が素早く動くたびキラリと光って流れ落ちる。
その姿が人から狼へと変われば、さすがに『カエルさん殺法怪人』も驚いたようで。
「な、狼なんて卑怯ケロ!!」
着ぐるみを着せておいて卑怯とは。
敵らしいと言えばそうなのだが。
負けられないと高速攻撃を仕掛けてくる『カエルさん殺法怪人』と、それを高速で躱すバルドヴィーノ。
彼の手にはダガーが握られていた。
【シーブズ・ギャンビット】。
ダガーによる素早い一撃を放つユーベルコード。
この技は服を脱ぐ等で身軽になれば、更に加速するというものだ。
そして彼が脱いだのは着ぐるみ。
重く、暑く、動きづらいものから解放されたバルドヴィーノの動きは、もはや神速の域に達していた。
「…さァて、どんな姿でもオレを阻めると思うなよ?」
『カエルさん殺法怪人』の背後を取ったバルドヴィーノは、ダガーを振りかざした。
敵の攻撃は途中で中断できない。
だからダガーの一撃も避けられない。
「ケ、ケロォ~!!」
崩れるように倒れた『カエルさん殺法怪人』の体は、光っていない床タイルの上へ。
それは勝負が決まった瞬間だった。
「…あっちぃ…」
人の姿に戻ったバルドヴィーノは髪をかき上げる。
こんな緊急事態でなかったら数多の女の子の黄色い悲鳴が聞こえてきそうな光景だった。
大成功
🔵🔵🔵
文月・統哉
にゃふふふふ、着ぐるみ推しでくるとはなかなかやるな
つよくてクールと自ら名乗るだけの事はある
着ぐるみを愛する者として俺も黙っちゃいられないぜ
この勝負、文月統哉が受けて立つ!
制服姿から一転、愛用の黒猫着ぐるみへと早着替え
キリリと吊り上がった金の双眸に
ピンと立った三角の耳
赤いスカーフなびかせて
クロネコ・レッド、見参!
日頃から着ぐるみ着てるしな
着ぐるみダンスも手慣れたものさ♪
華麗なステップに音と光も味方に付けて
得意のパフォーマンスで魅了
暑い…もとい、熱いダンスを楽しもう!
攻撃は見切り、流れる様な動きで回避
マラカスなガジェット召喚し
音楽に合わせて踊りながら
ポコポコ殴って応戦するぞ
さあ、かかって来やがれ!
●クロネコ・レッド、華麗に見参!
次の対決に向けて準備をしているアニマルズに近づく一人の男がいた。
「にゃふふふふ、着ぐるみ推しでくるとはなかなかやるな。つよくてクールと自ら名乗るだけの事はある。着ぐるみを愛する者として俺も黙っちゃいられないぜ。この勝負、文月統哉が受けて立つ!」
怪人たちに面と向かってそう声を上げるのは文月・統哉(着ぐるみ探偵見習い・f08510)。
困っている人を放っておけない、お人好しな普通の魔法学生はそう名乗りを上げた。
そう、彼は着ぐるみ大好きなのだ。
にゃふふふふ、と笑ってしまうくらいに。
ステージの上に制服姿で上がる統哉。
「ちょ、ちょっとそう言ってるのに着ぐるみはどうしたモグ!?」
そんな統哉に抗議の声を上げる怪人たち。
「まぁ見てな」
そう言うと制服姿から一転、愛用の黒猫着ぐるみへと早着替え。
そこに現れたのは。
キリリと吊り上がった金の双眸に。
ピンと立った三角の耳。
ヒーローの証たる自慢の赤いスカーフをなびかせて。
「クロネコ・レッド、見参!」
バシッとポーズを決める統哉もとい、クロネコ・レッド。
(決まった…!)
とドヤ顔のクロネコ・レッドと、目の前で起こった事についていけず思わず無言になってしまった怪人たち。
「………」
「………」
見つめ合っても何もならないぞ☆
~♪
とそんな両者の間に割って入った音楽は陽気なラテン系の音楽だ。
慌てて配置につき、光る床タイルを踏む。
最初バタついた感じで始まったが、それもすぐに各自ペースをものにしていく。
(日頃から着ぐるみ着てるしな、着ぐるみダンスも手慣れたものさ♪)
華麗な猫のステップは次第に陽気な音楽ときらきらと彩る光も味方に付けていった。
普段から着ぐるみダンスをしているためか、得意のパフォーマンスは敵すらも魅了する。
「暑い…もとい、熱いダンスを楽しみやがれ!」
ステップを踏む度、きっと肉球がフニフニしているんだろう。
軽快なステップは音楽と合わさり、動くたび着ぐるみの尻尾が揺れる。
「熱いダンス…負けるわけには行かないケロ!」
飛び出してきたのは『カエルさん殺法怪人』。
他の二怪人がクロネコ・レッドを包囲するように回り込み逃げ道を塞ぐ。
「さあ、かかって来い!」
でも逃げようとするどころか、迎え撃とうとする統哉。
『カエルさん殺法怪人』から繰り出される高速の『カエルさん殺法攻撃』を見切り、猫特有のしなやかな身のこなしで流れるように回避する。
「なかなかの攻撃だな。…今度はこっちの番だ!」
両手を天に掲げると、そこに光が生まれる。
光が晴れるとその手にはマラカス型のガジェットの姿があった。
シャカシャカとマラカスを振れば、気分も更に上がるだろうか。
音楽に合わせて踊りながら、先ほどから攻撃を仕掛けてくる『カエルさん殺法怪人』をポコポコ殴って攻撃する。
ポコポコ、シャカシャカ。
殴る度、マラカスから音が鳴るものだから、戦いであるにも関わらず和み成分が放出されている気がする。
「確かに面白い攻撃ケロ…だが、その程度じゃ我々を倒すことは出来ないケロ!」
「…それはどうかな?」
意味深な笑みを浮かべるクロネコ・レッドの言葉に反応する怪人たち。
「どういうことモグ!」
「そのマラカスだけで勝てるわけがニャ…!?」
ふと『ネコちゃん拳法怪人』の言葉が途切れる。
「どうしたモグ!?」
『ネコちゃん拳法怪人』を見ると、彼(彼女かもしれないが)が足元の自由を奪われていた。
「こんなこともあろうかと仕込んでいて正解だったぜ」
ゴソゴソとクロネコ・レッドが懐から取り出したのは『クロネコワイヤー』。
猫の爪型フックの付いたワイヤーが『ネコちゃん拳法怪人』の足元に絡まっていたのだ。
「ただただ攻撃を躱しているだけだと思ったら大間違いだ!」
よく見ると他の怪人たちの足元にもワイヤーが巻き付いており、その端を統哉が持っている。
つまり。
引っ張ったら転ぶ。
「…えい☆」
その一言の後、盛大に転ぶアニマルズの姿が見られたのは言うまでもなかった。
大成功
🔵🔵🔵
明石・真多子
ひんやりヌメっとクールなシャークボディ!
たこ焼きみたいにホットなハートを詰め込んで!
シャーク着ぐるみINオクトパスがやってきた!
というわけで、ちびっ子ブレイクダンス大会優勝経験のあるアタシ登場!
着ぐるみが動きにくいなんてタコには関係ないね!
脚が多いからむしろダンスには有利なくらいだよ!
よっほっ!っと軽々ぬるぬる滑らかにステップ!
余裕があり過ぎて相手の攻撃あるくらいのハンディキャップが丁度いいなー(棒)
相手が挑発に乗ったらキメに行くよ!
逆立ちからのヘッドスピンで【軟体忍法旋風大タコ巻きの術】だ!
着ぐるみだから摩擦が少なくて調子良いね!
頭に来てて足元お留守なヤツラに[なぎ払い]の一閃だ!
クルクール
●タコ脚、魅惑のシャークボディ
立て続けの猟兵たちとのダンスバトルに、ボロボロになってきている怪人たち。
しかしそれでもなお猟兵たちに立ち塞がる。
何故ならこれはダンスバトルだから。
ダンスを極めるためには、この程度で音を上げてはいけないのだ。
そんなアニマルズたちは次の相手である猟兵の姿を探す。
しかしそれらしい姿はなく。
「おかしいモグね…」
「逃げたケロか?」
「それともどこかに隠れてるニャ?」
キョロキョロと辺りを見渡していると。
彼らの後ろにあるステージのモニターに変化が。
―――ひんやりヌメっとクールなシャークボディ!―――
―――たこ焼きみたいにホットなハートを詰め込んで!―――
―――シャーク着ぐるみINオクトパスがやってきた!―――
そんなアナウンスが映像と共に流れる。
体のパーツごとの写真に写るのは…。
つやつや光る吸盤の付いた赤い脚。
形のいい背びれ。
大きな口と牙、そしてそこから覗く可愛らしい顔が。
「というわけで、ちびっ子ブレイクダンス大会優勝経験のあるアタシ登場!」
ステージの天井から体の柔らかさと吸盤の付いた脚を器用に使ってスルスルと降りてきたのは明石・真多子(軟体魔忍マダコ・f00079)である。
その体はアナウンス通りのシャーク着ぐるみを纏っていた。
というより一体化しているようにも見えるが。
「ダンスの経験も実力もあるから3対1でも全然いいんだけど…もしかして纏めてやっつけられるのが怖いのかな?」
琥珀色の瞳にアニマルズたちが映る。
「そ、そんなことないモグ!」
「後で泣き言言っても知らないケロ!」
「取り消すなら今のうちニャ!」
強がるアニマルズの相手もそこそこに、真多子は既にステージの上に立っていた。
望むところだとでも言うように。
実力者同士の戦いの火蓋が切って落とされた。
「着ぐるみが動きにくいなんてタコには関係ないね!」
流れる音楽に合わせてリズミカルにステップを踏む真多子。
脚が多いからむしろダンスには有利なようで、触手をくねらせて光る床タイルを捉えている。
「よっほっ!」
軽々ぬるぬる滑らかにステップする。
それは3対1であることを忘れるくらい互角以上の戦いであった。
「余裕があり過ぎて相手の攻撃あるくらいのハンディキャップが丁度いいなー」
これでもかというくらいの棒読み。
でも実際、真多子のダンスの実力は高い。
「長期戦はまずいモグ…」
「ダンスが上手ければ上手いほど攻撃も強くなるケロ…」
「短期決戦で畳みかけるニャ!」
そう、このダンスバトルは特殊なルールがあった。
ダンスが上手ければ上手いほど攻撃力が上がるという事は、長期戦になればなるほどダンスではなく攻撃で負ける可能性が高くなるという事だ。
スピード勝負と見たのだろう、『カエルさん殺法怪人』が攻撃を仕掛けてきた。
挑発に乗った怪人たちを見て、真多子も攻撃を仕掛ける準備をする。
逆立ちからのヘッドスピンで繰り出されるのは【軟体忍法旋風大タコ巻きの術】!
「軟体忍法、旋風大タコ巻きの術!め、目がまわる~…」
両手と触手を広げ高速回転することで竜巻攻撃を放ち、自分の周りにいる怪人たちを無差別に攻撃していく真多子。
「着ぐるみだから摩擦が少なくて調子良いね!」
ぐるぐる回転しながらアニマルズに突撃していく。
もちろん触手でステップを踏みながら。
冷静さを失った怪人たちの足元は無防備で。
その足元に自慢の触手を伸ばしてなぎ払った。
高速回転の勢いで威力の増したなぎ払いは、転ばせるというよりは吹っ飛ばすに近いだろう。
最終的にはステージの上は真多子一人が残って。
スピンを止めて起き上がると真多子は携帯電話を取り出して構える。
「勝利!イェイ!」
そして記念の自撮りを残すのだった。
大成功
🔵🔵🔵
榎・うさみっち
やっぱうさぎの妖精さんな俺にはうさ着ぐるみ…
と思わせといてあえて猿の着ぐるみをチョイス!目元は黒グラサン!
エイプモンキーをイメージしてみたウッキー!
更に【かくせいのうさみっちスピリッツ】で「まほみっちゆたんぽ」増殖
こいつらには王道のうさぎ着ぐるみ(全員色違い)を装備
見た目にも華やかで可愛いダンスグループの完成だぜ!
人数の多さを活かしてタイルの担当エリアを分ける
あちこち動かずに狭い範囲だけに集中すればミスする確率も減るはず
攻撃する時はまほみっち達は杖からの魔法で【属性攻撃】
俺はうさみっちばずーかを使って遠距離主体で攻撃していくぜ!
戦いつつまほみっちの炎や氷魔法でパフォーマンスもしちゃう!
●ダンスグループUSM38誕生…?
舞台裏で自分の番を今か今かと待ち構えている者がいた。
彼の名は榎・うさみっち(うさみっちゆたんぽは世界を救う・f01902)。
既に着ぐるみを着てスタンバイしていた彼は、ちらりとステージを窺った。
怪人たちが何やら話をしているが、そこに乱入するようにうさみっちは飛び出した。
「おりゃー!うさみっち様の登場だぁー!!」
背中の翅がパタパタと動く。
着ぐるみを着ているからか、若干スピードが遅い気がした。
「やっぱうさぎの妖精さんな俺にはうさ着ぐるみ…と思わせといてあえて猿の着ぐるみをチョイスしたぜ!」
目元は黒グラサン。
最近話題になったあの猿のオブリビオンをイメージしてみたらしい。
更にうさみっちは【かくせいのうさみっちスピリッツ(ウサミノ・ユタンポ・ヨナヨナ・ウゴク)】を使うと、自分の後ろに『まほみっちゆたんぽ』がわらわらと姿を現す。
その数うさみっちも含めて38人。
『まほみっちゆたんぽ』たちには王道のうさぎ着ぐるみ(全員色違い)を装備させると、見た目にも華やかで可愛いダンスグループ【USM38(今後増加する可能性大)】が完成した。
『まほみっちゆたんぽ』たちの人数の多さを活かしてタイルの担当エリアを分けるうさみっち。
(あちこち動かずに狭い範囲だけに集中すればミスする確率も減るはず…)
フェアリー用の小さなステージに、38人はそれぞれ担当のエリアへ。
(わらわらと出てきたモグが…)
(あんな小さな相手にケロ…)
(我々が負けるはずないニャ…!)
うさみっちの後ろで、まるでバックダンサーのように踊る『まほみっちゆたんぽ』の数の多さには驚いたし、彼らのジト目に何とも言えない圧も感じたが、どれか1体がミスしたらアウトになると気付けば、虎視眈々とうさみっちたちの隙を狙う。
うさみっち率いる【USM38】は、互いが互いをサポートするように動き、怪人たちへ攻撃する時は杖からの魔法で炎や水、雷など【属性攻撃】を放つ『まほみっちゆたんぽ』たち。
戦いつつ『まほみっちゆたんぽ』の炎や氷魔法でパフォーマンスもするその姿は小さいながらも、さながら遊園地でのパレードのような迫力があった。
「小さいから大したことないと思っていたモグ…!」
「魔法を使ってくるのは厄介ニャ!」
「…かわいそうだがこれも勝利のため…そして我々のダンスの道を究めるため…食らえ!『カエルさん殺法攻撃』!!」
動き出した『カエルさん殺法怪人』は【USM38】に向かって『カエルさん殺法攻撃』を放つ。
目にも止まらない速さで迫る怪人を前に、うさみっちや『まほみっちゆたんぽ』たちは小さな体を一生懸命動かして避けたりするが、それも限界というものがあった。
「ならこっちだって…!」
沢山のジト目が『カエルさん殺法怪人』を見つめる。
「命が宿ったゆたんぽの本気!喰らえー!!」
うさみっちの号令の後、『まほみっちゆたんぽ』たちが一斉に杖を掲げる。
杖の先から眩い光を放ち、『カエルさん殺法怪人』の視界を奪う。
そしてうさみっちはというと。
『うさみっちばずーか』を構えていた。
そして引き金を引くと、爆発音とともに『うさみっちばずーか』から数体の『まほみっちゆたんぽ』が飛び出す。
『まほみっちゆたんぽ』は一直線に『カエルさん殺法怪人』の顔面に向かって飛んでいきへばりつく。
「な、なにをするケロ!」
慌てる怪人を前に、『まほみっちゆたんぽ』のジト目の輝きは変わらず。
杖を敵の鼻先に向けて振ると、大きな爆発が起こった。
吹っ飛ぶ怪人の体は、他二人の怪人たちの方へ向かい、激突する。
巻き沿いを食らった二怪人の体も勢いのまま飛ばされ、ステージの外に倒れた。
アニマルズの全員が床タイルから離れ、ステップを踏めなくなったことにより最後までステージに残っていた【USM38】の勝利が確定した。
「うさみっち様にかかればこの程度…朝飯前だぜ!」
そう言って黒グラサンを外すうさみっち。
黒グラサンの下から覗くのは、つぶらなジト目だった。
大成功
🔵🔵🔵
シュガー・ラビット
アドリブ大歓迎 口調プレ
UC使用タイミングおまかせ
ぶっちゃけネタなので、面白おかしくお好きなように調理してください!
【着ぐるみ】等身大にんじんの着ぐるみ
【目的】キマイラ育ちの運動神経で華麗にステップ決めちゃうぞっ!
【行動】
光るフロアでダンス対決!?
なにそれっ、楽しそー♪
ねえねえ、私も混ざっていいかな?えっ、着ぐるみ付けないといけないの?う、うーん…。いいよ!なにか良さそうなものないか探してみるねっ!
……(むっふー!)(てっててーん!!)(懇親のドヤ顔)(コーナーで差をつけろ)(にんじん食え!)(すごく、にんじんです)
クールに華麗にブレイクダンスで決めちゃうZE☆
これは人気待ったなしなのでは!?
●すごく、○○○○です
「光るフロアでダンス対決!?なにそれっ、楽しそー♪」
楽しそうなバトルに引き寄せられて来たのはシュガー・ラビット(白くて小さなふわふわ☘️・f02321)
「ねえねえ、私も混ざっていいかな?えっ、着ぐるみ付けないといけないの?う、うーん…。いいよ!なにか良さそうなものないか探してみるねっ!」
条件として突きつけられた『着ぐるみ着用』。
でもそれにひるむことはなく、舞台裏に置かれている着ぐるみを物色することにした。
しばらくして。
「おい、あの猟兵はまだモグ?」
「女の子の準備は色々時間がかかるって聞いたケロ…」
「あ、あそこニャ!」
『ネコちゃん拳法怪人』が指差すところを見ると、舞台がせり上がりスモークとともにシュガーと思われる人物が登場した。
スモークが晴れて現れたシュガーにぽかんとしているアニマルズ。
そんな怪人たちを放っておいて、シュガーはステージに設置されていたカメラに歩み寄る。
怪人たちは自分たちのダンスの出来を客観的に見るために、ステージ上にカメラを 何台か設置していたのだが、もしかしたらシュガーは撮影・中継用のカメラだと思ったのかもしれない。
正面のカメラの前に立ち、仁王立ちする。
「……(むっふー!)」
てっててーん!!とBGMが流れてきそうな懇親のドヤ顔。
カメラをあとでグリモア猟兵が回収したら、きっといい感じに編集してくれるだろう。
(↓以下、編集されたVTRになります。カメラ目線のシュガーの姿をどうぞ!)
正面のカメラにドヤ顔を決めると、続いて2カメの前へ。
そしておもむろにカメラに背を向けると、そのまま見返る(コーナーで差をつけろ)
更に反対側の3カメへ向かえば、取り出したにんじんを美味しそうに齧り(にんじん食え!)
再び正面のカメラに戻るとドヤ顔のまま決めポーズ!
彼女が着ぐるみに選んだもの、それは…『にんじん』だった。(すごく、にんじんです)
「に、にんじんモグ…」
「確かに着ぐるみ着用と言ったケロ…」
「想像してなかったものが来たニャ…」
呆気にとられる怪人たちをよそに、シュガーはステージでアップを始める。
「クールに華麗にブレイクダンスで決めちゃうZE☆」
可愛らしいウィンクと共に音楽が始まった。
シュガーのチョイスと登場に驚いたものの、ダンスとなれば気持ちが切り替わるのだろう。
怪人たちはステップを踏みながら、にんじん(シュガー)の攻略を考えていた。
(どんな攻撃が来るか分からないモグ…)
(にんじんが相手になるとは思ってなかったケロ…)
(仕方ない、仕掛けるしかないニャ…!)
『ネコちゃん拳法怪人』がホップ、ステップ、ジャンプしてシュガーとの間合いを詰めていく。
一方シュガーも近づいてくる怪人に気付き、もふもふの拳を構える。
「くらえ!【ネコちゃん拳法】!」
「くらえーっ!にくきゅうぱーんち!」
『ネコちゃん拳法怪人』とシュガーは互いの拳を相手に突き付ける。
両者のもふっとぷにぷにな肉球から肉球パンチが放たれる。
怪人の攻撃は相殺。
シュガーの攻撃は、もふもふぱわーにより対象の動きを一時的に封じる、実に可愛らしい一撃。
両者の攻撃が互いの攻撃を打ち消す。
しかしシュガーの攻撃からにじみ出ていたもふもふぱわーが僅かに残っていたのか、一瞬『ネコちゃん拳法怪人』の動きが止まったかのように見えた。
(あ、次のタイル、あの怪人さんの足元だ…よーし!)
光る床タイル目がけて動くシュガー。
傍から見たら、にんじんのタックルとも捉えられるかもしれない。
クッション性の高かったにんじん着ぐるみに押し出されるような形で弾かれれば、体勢を崩して思わず後ろに足をつく。
「「あ」」
シュガーは光った床タイルを、『ネコちゃん拳法怪人』は消えた床タイルを踏んでいた。
崩れ落ちる怪人たちの傍らで、シュガーは勝利に酔いしれながらにんじんを食すのだった。
●怪人たちの敗因、それはやはり…
着ぐるみをチョイスしたことだろう。
そんな声が天から聞こえてきたような、ないような。
「そ、そんなぁ~…」
ボロ負けだった『つよくてクールなアニマルズ』は涙と共に消えていくのだった。
大成功
🔵🔵🔵