バトルオブフラワーズ③〜ブーメランパンツ絶対防衛線
●君もブーメランパンツにならないか
「ふぅぅぅぅん!」
「ぬぅぅぅぅぅん!」
廃墟の街を、暑苦しい雄たけびがこだまする。
灼熱の太陽に照らされるのは、汗に輝く鍛えられた肉体。
ブーメランパンツを履き、ブーメランパンツを被り、ブーメランパンツを振り回し、街を練り歩く――そう、奴らの名は、『白ブーメランパンツ過激派怪人』!
ブーメランパンツの中でも白! 白きブーメランパンツをこよなく愛し、そして白きブーメランパンツを布教することに命をかける、男たち!
「別に女性が同志となってもよいのだがな!」
怪人が叫ぶ。むぅん、と唸り、ポーズを決めると、ぴくぴくと大胸筋がうごめき、汗が散った。
『白ブーメランパンツ過激派怪人』……奴らの目的は、ただ一つ。『システム・フラワーズ』へとアクセスせんとする猟兵たちの妨害――ではない!
いや、それもある意味目的ではあるのだが、それは副次的なものである。
奴らの目的! それは、白ブーメランパンツを正装とし、すべての生命が白ブーメランパンツを着用し生活すること! それだけである! たったそれだけの事だが、それ以外の事は割とどうでもよいのだ!
「まぁ、『システム・フラワーズ』アクセスへの妨害は、しっかりやるけどね!」
カメラ目線で親指を立てつつ、『白ブーメランパンツ過激派怪人』の内一体が、誰かへとアピールした。
●タワーダイセンリャクバトル
「というわけで、我らの故郷がヤベー奴でヤバい案件である」
と、マイン・ラクーン(一族の頭目・f07082)は肩をすくめつつ、言った。
『システム・フラワーズ』のアクセスを目指し、ついに始まった大戦争、『バトルオブフラワーズ』。その戦場の一つでは、如何にも怪しいブーメランパンツの集団が、その肉体を披露しながら練り歩いているのだという。
彼らの目標は、戦場と化した街の中心にある、『素敵なファッション出てくるマシーン』である。彼らはこのマシーンにアクセスし、出てくる服を全部白ブーメランパンツへと変えることを目論んでいるのだ。
「諸君らにお相手願いたいのは、このヤベー奴らである。連中は、筋肉と、白いブーメランパンツと、人海戦術を駆使し、君たちを襲ってくるであろう。この数はいかんともしがたく、諸君らと言えど苦戦を強いられるに違いあるまい。ついでに、この戦場は特殊なルールにより支配されており、君たちがいつも通りにユーベルコードを作り上げても、やべー奴らには上手い事ダメージが入らないのである」
そこで、と、マインは両手をむにむにとこすり合わせた。
「諸君らには、現地に転がっている兵器の残骸を利用して、『防衛施設』を組み立ててほしいのである。この『防衛施設』を使えば、やべー奴らに大ダメージを与えることも可能であるし、この防衛施設と組み合わせれば、ユーベルコードでもダメージを与えることが可能なはずである」
うむ、とマインは唸ってから、猟兵たちへと視線を巡らせた。
「キマイラフューチャーの危機……そしてファッションの危機である。猟兵諸君よ、バシッと行って、見事に解決してくるのだ」
そう言って、マインは猟兵たちを送り出した――。
洗井落雲
お世話になっております。
洗井落雲です。
白ブーメランパンツ過激派怪人が攻めて来たぞっ!
●成功条件
『防衛施設』を駆使し、『素敵なファッション出てくるマシーン』を防衛する。
●状況
町の中心地にある『素敵なファッション出てくるマシーン』目がけて、『白ブーメランパンツ過激派怪人』たちが侵攻を開始しました。
このままでは、キマイラフューチャーの人々の服が、すべて白いブーメランパンツになってしまうかもしれませんし、この怪人たちを放っておいては、戦争において敵戦力を減らすことができません。
そこで、皆さんはこの街に降り立ち、怪人たちを撃退。マシーンを守ってください。
しかし、この戦場では特殊なルールが発生しており、怪人たちは、通常のユーベルコードではあまりダメージを受けなくなっています。
そこで、皆さんには、戦場に転がっている兵器の残骸(技術レベル的には、現実世界の第二次世界大戦以前くらいのもののようです)を利用し、『防衛施設』をくみ上げてもらいたいのです。
この『防衛施設』を使えば、怪人たちへ的確なダメージを与えることができるようになります。
●防衛施設について
『防衛施設』を作るに際し、以下のルールがあります。
『作ることのできる防衛施設は、一人一つまで』
『移動できるような施設は、大幅に耐久力が低下する』
そのため、施設は一人一つ、固定施設を作ることが、基本です。
持ち運びできるような防衛施設は、機動力はある反面、すぐに破壊されてしまう可能性が高く、かなりリスキーではあります。
●敵について
大量の『白ブーメランパンツ過激派怪人』たちが相手となります。
近接戦闘能力はかなり高いのですが、足は遅く、遠距離攻撃手段をほとんど持ち合わせていません。
以上となります。
それでは、皆様のご参加をお待ちしております。
第1章 集団戦
『白ブーメランパンツ過激派怪人』
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POW : 至高の履物とは
【白のブーメランパンツ】が命中した対象にルールを宣告し、破ったらダメージを与える。簡単に守れるルールほど威力が高い。
SPD : 白ブーメランパンツとは強さの象徴なり
完全な脱力状態でユーベルコードを受けると、それを無効化して【白のブーメランパンツ】から排出する。失敗すると被害は2倍。
WIZ : 白ブーメランパンツの魅力を知れ!
戦場で死亡あるいは気絶中の対象を【同志】に変えて操る。戦闘力は落ちる。24時間後解除される。
イラスト:くずもちルー
👑11
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●ブーメランパンツ迎撃
かくして猟兵たちは、戦場へと舞い降りた。
幾度かの戦闘によるせいか、街は半ば廃墟と化し、あたりにはその際に扱われたであろう兵器の残骸が散乱している。
猟兵たちの背後には、守るべき『素敵なファッション出てくるマシーン』が。
そして前方には、『白ブーメランパンツ過激派怪人』――まだ姿は見えないが、やって来るのは時間の問題だろう。その証拠に、地平線の彼方から、『白ブーメランパンツを称えるテーマソング』の歌声が、地響きのごとく鳴り響いている。
あまり時間の猶予はない。今すぐ『防衛施設』を組み立て、周囲に配置し、効果的にやべー奴らを迎撃するのだ!
紅葉谷・えり
意味がわからないわ!!私なにかいっつもアイドルらしからぬお仕事やってない!?全てのお仕事に既視感を覚えるのよ!!そして拒否もできないのよね!!いやああ!!
恐ろしい光景だわ……とりあえず絶対に白のブーメランパンツだけはくらいたくないからシンプルな足止めバリケードを作るわ!使用技能は【鼓舞】や【コミュ力】かしら!アイドルになんて労働させるのかもう突っ込むのは後にしてほかの皆と防衛施設の構築が上手くいくようにお手伝いするわっ!
と、とりあえずユーベルコードは【もみじちゃんを応援し隊】で、ファンの皆から銃器を貰いたいわね……ガトリングガンとかくれないかしら…アイドル人生最大の危機を迎えてると思うわよ!
フェン・ラフカ
生きた世界は違えど、生まれ故郷は大事なモノです。
微力ながらお手伝いしまします。
使えそうな残骸は……
そうですね、高射機関砲や戦車砲の類を探しましょう。
あれらなら対人でも効果は高く、台数が期待できそうです。
なにより砲塔だけ動かすならばUC【レプリカクラフト】で、丸太か鉄棒を必要なだけ用意して動かします。
自動供給システムの復帰とスイッチだけ組み立てて弾幕を張れるように。
迫撃砲が残っていれば可能な限り回収して『範囲攻撃』で減らしましょう。
……ユーベルコードを介した攻撃は受けにくいという事ですが、普通の弾薬はどうなんでしょうか?
ショットガンをいつでも『クイックドロウ』で抜けるように意識しておきましょう。
ブリッツ・エレクトロダンス
好みが合わねえ。
俺の好みは「ワンダーズ」ブランドの赤ブーメランパンツ「バーニングブライト」だ。
それと着方も合わねえ。
なんだよ正装って。こういうのは服の下に着こんでおくのがお洒落だろうが。あと被るのもねえよ。
さて、組み上げるのは…そうだな、ジャンク装甲板バリケードと、ジャンクからニコイチで組み上げた機関銃だ…!
で、作戦はこうだ。奴らが俺の有効射程に入ってきたら…疾風(シュトルム)ッ!
大したダメージは与えられないのは承知の上!強風で奴らの侵攻速度を抑えた上で…銃弾をありったけぶっ放す!鋼の暴風ってやつだ!
緋月・透乃
白……私もたまには赤以外に……まいっかー。
変わった戦場でいつもとは違う戦い、世界の危機とはいえ楽しそうだね!
がっつり楽しんで世界も救っちゃおう!
兵器の残骸を探しつつ食べ物を食べて【沢山食べよう!】を発動させておくよ。
高速飛行で素早く残骸を探して施設を組み立てたいね。
・防衛施設
『大大砲』
移動不可
向きは変わるが重いので強い力が必要
高威力射程まあまあ
誘導しない
その辺に転がっている重い鉄球を入れるとすぐに発射される
怪力には自信があるから重さはいいとして、高所に飛行して敵の位置を確認してから発射したり、敵が落ち着いているうちに鉄球だけ集めて連射できるようにしておきたいね。
大神・零児
タワーディフェンスならトラップ配置も有効なはずだ
第二次大戦以前の兵器の残骸なら、爆弾、手榴弾、地雷、砲弾なんかもあるはず
「戦闘知識」「メカニック」を使い不発弾の信管を調整、できるだけ機能するよう直す
「戦闘知識」「拠点防御」「地形の利用」「世界知識」等を「情報収集」し予測される進路に信管調整した地雷や手榴弾を使ったブービトラップを「罠使い」で効率の良い配置に
「怪力」「操縦」で戦車等の大型車両をバリケードにし車両の中に爆弾や砲弾、マルチグレネードを詰め込む
高台から無双の意識「第六感」「野生の勘」を使い敵の動向を先読みしマルチギアで「スナイパー」の如くバリケードや敵をマルチグレネードの「投擲」で攻撃
張り詰めた戦場の空気の中、統率の取れた足音と歌声が、高らかに、高らかに鳴り響く。
おお、美しきや白きブーメラン。
輝けや白きブーメラン。
気高き気高き我らが象徴――。
一糸乱れぬ足並みで進むは、白ブーメランパンツ過激派怪人たちだ。ブーメランパンツを履き、ブーメランパンツを被り。進軍するは、ブーメランパンツのため――。
だが、もちろん、そんなヤベー奴らを放置しておくわけにはいかない。
「予定通りだ……始まるぞ」
声――大神・零児の呟きを合図にしたように、突如怪人たちの足元が、激しく爆発し始めた。
「ぬぉ、馬鹿な!? 敵襲! 敵襲ーッ!」
叫び逃げ惑う怪人たち。だが、敵行軍ルートを予測したうえで仕掛けられた零児の地雷や爆弾類は、その逃走ルートを制限し、追い立てるように次々と爆発。
「そっちに行くぞ! 仕留めろ!」
爆発物に追いやられた怪人たちは、零児の言葉通りに、次なる防衛施設の前に姿をさらすことになる。
「いやああ!! ほんとに来たあああああっ!!」
行動遅滞と、自分たちの防御のために仕込んだバリケードより顔を出し、たまらず悲鳴を上げる紅葉谷・えり。噴煙を切り裂いて駆け出す、ブーメランパンツ怪人たちの姿は、シュールさ故に、下手なホラーより悍ましい。
「意味がわからないわ!! 私なにかいっつもアイドルらしからぬお仕事やってない!? 全てのお仕事に既視感を覚えるのよ!! そして拒否もできないのよね!!」
パニックに陥ったようで、涙目で頭を振るえり。気持ちはわかる。
「嘆いてる暇があったら撃て、撃て、撃て! 俺も白いブーメランパンツは趣味じゃねぇ!」
設置した機関銃をぶっぱなすのは、ブリッツ・エレクトロダンスだ。同時に放つのは、ユーベルコード『疾風(シュトルム)』。ダメージ効果は薄くとも、
「ぬぉ!? なんだこの突風は! 進……めんっ!?」
その突風は、怪人たちの歩みを妨げるには充分だ。足を止めた怪人たちに、ブリッツの機関銃の弾丸がお見舞いされ、怪人たちは次々と消滅。
「俺の好みは「ワンダーズ」ブランドの赤ブーメランパンツ「バーニングブライト」だ。それと着方も合わねえ。なんだよ正装って。こういうのは服の下に着こんでおくのがお洒落だろうが!」
「そっち!? ああ、でも中に着てるなら個人の自由だよね!?」
叫ぶえり。最初の爆発からわずかな時間で、戦場は修羅場と化していた。銃弾と爆発、怒号と白いブーメランパンツが飛び交い、血と、汗と、白いブーメランパンツが飛び散る。さながら雲が流れるように、爆風に無数の白いブーメランパンツが泳いでいるのを見た時には、えりはこの世の終わりを実感していた。
「とはいえ――戦況はこちらの有利、でしょうね」
フェン・ラフカは言いつつ、迫撃砲を次々と撃ち放つ。空から雨あられのように降り注ぐ迫撃砲の砲弾が、またいくつもの、怪人とブーメランパンツを消滅させた。
フェンのいう通り、戦況は充分、猟兵たちへと傾いていたと言えるだろう。遠距離攻撃手段をほぼ持たない怪人たち足止めし、射撃、爆撃で次々と撃破していったのだ。
もちろん、少数とはいえ、弾幕を潜り抜けてくる怪人は、居るにはいた。
「はーはっはっは! お嬢さん! 白いブーメランパンツは如何かな!?」
例えばコイツのようにだ。体中に浅くはない傷跡を残し、しかし片手には白いブーメランパンツ。その目は白いブーメランパンツを布教できる喜びに満ちていたが、
「いえ。間に合っています」
フェンの答えは鉛の銃弾である。至近距離でぶっ放された銃弾が、ブーメランパンツごと怪人を消滅させた。
「白……んー、たまには私も、赤以外……」
緋月・透乃は呟きつつ、よいしょ、と、足元に転がっていた鉄球を持ち上げた。目の前には、巨大な大砲。その砲身に鉄球を投入して、導火線に火をつける。
「まぁ、いっか」
にこり、と笑った透乃の言葉と共に、轟音と共に、大砲が鉄球を吐き出した。その衝撃で、透乃の胸が揺れたとか揺れなかったとかはさておき。その可愛らしい笑顔とは裏腹な、凶悪な質量の鉄球が怪人を叩き潰す。
「やったぁ、直撃っ!」
楽し気に、ぐっ、と手を握る透乃。続いて透乃は、自身のユーベルコードで一気に跳躍、飛翔。近場に在ったビルの屋上へと飛び移り、戦場を俯瞰してみる。
果たして、地を埋め尽くす白い絨毯のようにも思えた怪人たちの群れは、今はまばらにその姿を残すのみだ。
「皆、もう少しだよ!」
透乃が、眼下の仲間たちへと声をかける。仲間たちはそれに、さらに銃声を激しくすることで答えとした。
「よしよし、私もラストスパート!」
ビルより飛び降りて、着地した透乃は再び大砲へと鉄球を放り込んで、発射する。放たれた鉄球は怪人をなぎ倒し、手にした白ブーメランパンツを宙へと舞わせた。
「くそーっ! あきらめるな! 白ブーメランパンツを信じれば、勝てる!」
「なぜだ……我らのどこに……ここまで拒絶される要素が!?」
やけくそ気味な怪人たちの声が響くが、
「いや……それは本気で言ってるのか……?」
零児も思わず、ぼやいてしまう。
「っていうか! 拒絶される要素しかないでしょ!?」
えりも叫びながら、ラストスパートの銃弾を叩き込む。
「ぬぅぅう!? 白ブーメランパンツを正装にしたいだけなのに!?」
銃弾の嵐を受けて、また一人、また一人と、怪人たちは消滅していく。
「いや、だから……正装ってなんだよ。あと被るのもねえよ」
呆れた様子で、ブリッツが答える。そうこうしているうちにも、怪人たちは次々と姿を消し、やがて最後の一人が両手に白ブーメランパンツを持ち、激しく振るいながらの全力疾走――突撃を仕掛けてくる!
「ぬおおおおお! これで勝ったと思うな! 貴様らのうち一人でも道連れだ! 絶対に白ブーメランパンツだけは穿いてもらう!!!」
「いえ、ですから、間に合ってます」
と、フェンの冷たい返答と共に、落下してきた砲弾が、最後の怪人へと直撃した。激しい爆風に、怪人の姿が飲み込まれ、消滅していく。
爆風の後には、白いブーメランパンツだけが残っていた。それが風に乗って、いずこかへと去っていく。
――猟兵たちは、勝利を――そして服装の自由を、勝ち取ったのだった。
大成功
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