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バトルオブフラワーズ⑥〜踊れ踊れ大革命 リターンズ!

#キマイラフューチャー #戦争 #バトルオブフラワーズ

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●怪人はダンスやってるからな。あれこのフレーズどこかで……。
「キマイラフューチャーの危機です」
 グリモアベースの片隅自動・販売機(何の変哲もないただの自動販売機・f14256)が合成音声でそんな事を言いだした。
「至急、現地に赴いて踊って戦って来てください」
 よしわかったちょっと待て。とりあえずこの展開さっき見たぞ。
「現場では『アカイクツレヴォリューション』と呼ばれる独自ルールが展開されているようです。床のパネルが組み上がった時、その上に足を置かないと戦闘不能になります。なお光ってない所を踏んでも同じです」
 こう言うゲームゲームセンターとかにあるよね。
「その上でこの場所を守る怪人達と戦い勝利してください。この作戦にはダンスの心得がある猟兵に適していると思われます」
 戦う怪人達は頭部が水の入っている器の形らしい。なんでもこぼさずに踊りきれるバランス感覚の持ち主だとか。そこまで聞いて猟兵達がやるべきことは分かった。だがそれのどこがお気楽なキマイラフューチャーの危機なのか。
「『システム・フラワーズ』通称『コンコンコン』の制圧が始まっています。これを止めなければキマイラフューチャーの全ての物資供給が停止します」
 つまり、そのままにしておけばキマイラフューチャーの住人たちは干上がってしまうらしい。その上で解決法がダンスバトルなのはどういう事か、キマイラフューチャーらしいと言えばらしいが。
「この戦いを制することで、最奥にある首謀者への道が拓けます」
 つまりこのダンスバトルを戦わねば解決もままならないということらしい。セキュリティが謎である。
「またキマイラフューチャーが真っ二つに割れています。物理的に。これはメンテナンスモードとの事です」
 メンテナンスとはこれいかに。そこまで伝えると自販機からごとりとスポーツ飲料のボトルが出てくる。
「それでは、今日も良い一日を」
 自動販売機はそう言って猟兵を送り出す。最後まで踊り、戦い抜くのだ!


西灰三
いつもお世話になっています。
西灰三です。
今回はキマイラフューチャーの戦争、バトルオブフラワーズの依頼をお送りします。
詳しくはオープニングと『バトルオブフラワーズ』のページを参考にしてください。

それでは皆様のプレイングをお待ちしています。
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第1章 集団戦 『包容力三人衆』

POW   :    バケツ怪人・ウェポン
【バケツ兵器】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    釜怪人・ジェノサイド
【釜攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ   :    金魚鉢怪人・リフレクション
対象のユーベルコードに対し【金魚鉢】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。

イラスト:まめのきなこ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

竹城・落葉
【SPDで判定】
 なるほど、キマイラフューチャーの危機か。ならば、我も駆けつけなければなるまいな。
 我は『森の賢者』を発動。詠唱と共に大量のゴリラを召喚する。そして、そのゴリラ達と共にドラミングをしながら、大自然たるジャングルの熱情的な踊りを披露しよう。それを踏まえた上で、独自ルールに則って戦うぞ。場合によっては、ゴリラ達とともに怪人達を、光っていないところへ押し出したりして妨害しよう。もちろん、名物竹城による殴打で倒すことも忘れないぞ。
 しかし、キマイラフューチャーには何度も訪れたが、戦争の時ですらもユニークなのだな。こうした空気、嫌いじゃないぞ。
*アドリブ&共闘、歓迎です


フィロメーラ・アステール
「この手のゲームは難易度あがるとなー……!」
ダンスそっちのけで地団駄みたいになったりして!
ちゃんと踊りながら遊べる奴は少ないんだ……!

まあ、あたしは【ダンス】では負けないけどな!
人間サイズのパネル配置だって平気だ!
【気合い】を入れて挑戦するぜ!

【残像】を残す勢いでキレのある【ジャンプ】!
【空中戦】技術による位置取りと急降下でステップ!
とにかく的確に【踏みつけ】を刻んでいくぞ!

【錬成されし対の双星】で分身を呼び出し、両足配置にも対応!
独自の機動による未知の【パフォーマンス】を披露するぜ!

うまくいったら最後は分身とのコンビネーション!
怪人にダブルキックを食らわせる!


レティエル・フォルクエイン
「またキマイラフューチャーが大変なことになってる!」
まだまだ駆け出しだけど、レティちゃんも協力するよ。
「ダンスバトルかぁ」
普通に戦うよりレティちゃん向きだけど、責任重大そう
だけどね
「伊達にアイドルを目指してないんだから!」
まだ覚えたばかりだけど、ダンスの心得はあるもんっ
踏み損ねたらダメみたいだから、ステップの順守を最優先。
「ホントは出来るだけ魅せたダンスをしたいけど、それで負けたら本末転倒だもんね」
尚、踊りながら鈴蘭の嵐で演出兼攻撃もするよ。
「花よ、風よ、斬り払っちゃえー!」
妨害オッケーなら鈴蘭の花で視界を塞いじゃえ
「みんなーお疲れさまー」
最後まで笑顔は忘れずにゆくよ


山梨・玄信
まさか、キマイラフューチャーが戦争とはのう。
一番そういうものが似合わない世界じゃと思っておったが…。

【SPDを使用】
要は足の動きの速さと正確さが要求されるんじゃな。
ならば、褌一丁でシーブズギャンビット発動じゃ!どうせネタUCじゃし…。
踊りは寺での修行時代に、宗教行事として習ったものの心得が多少あるぞい。

UCのスピードを生かし、第六感と見切りで正確にステップを踏むぞい。踊りは仏への感謝を表す、有り難い踊りじゃ。
ん、変態にしか見えんじゃと?
細かい事は気にするな。

最後まで踊りきったら、手を合わせて改めて仏に感謝するぞい。

アドリブ歓迎じゃ。好きにして良いぞ。




「またキマイラフューチャーが大変なことになってる!」
「まさか、キマイラフューチャーが戦争とはのう。一番そういうものが似合わない世界じゃと思っておったが……」
 ザ・ダンスステージにほど近い所に降ろされた猟兵達は辺りを警戒しながら走る。今回のバトルオブフラワーズというキマイラフューチャーに訪れた出来事はレティエル・フォルクエイン(オラトリオのサウンドソルジャー・f15293)や山梨・玄信(ドワーフの破戒僧・f06912)のように予想にしていなかった者も多い。
「だからこそ私達も戦場に赴くわけだが、しかし……」
「まあ言いたいことは分かるけどな」
 竹城・落葉(一般的な剣客……の筈だった・f00809)とフィロメーラ・アステール(SSR妖精:流れ星フィロ・f07828)の戸惑いはもっともで何故か踊りながら戦わなければならないらしい。どういうことだ。そんな事を走りながら話していると突然辺りが暗くなる。即座に猟兵達は身構えて武器を構える。そしてそんな中で声が幾重にも響き渡る。
「「「よく来たな! 猟兵達よ!」」」
 その声と共に明るくなると猟兵の周りを多数の怪人たちが取り囲んでいた。一体どこから出てきた。
「我々は!」
「我々は!」
「包容力三人衆!」
「包容力三人衆!」
 あ、あとは長いんで繰り返しなしにします。
「お前たちをこのダンス地獄から追い返す精鋭だ!」
「たしかにこの手のゲームは難易度あがるとなー……」
 フィロメーラは記憶の中にある類似の音楽ゲームを思い返す。ひたすら高速で地団駄を踏むような形になってダンスではない。ダンス地獄と言えば言い得て妙だろう。
「ダンスバトルかぁ」
 レティエルが呟き姿勢を整える、ダンス自体は心得がある彼女だがダンス+バトルだとどうなるかは分からない。
「それではミュージックスタート!」
 軽快なポップスが流れ初めフロアのパネルが光り始める。
「おっ、はっ、ほっ」
 服を即座に脱いだ玄信がふんどし一丁でダガーを手にしながら次々と光るパネルを踏む。シーブズギャンビットは決してネタ技ではない。少なくともこの場においては身軽になるという一つの選択肢としては有用だ。
「む! 中々貴様やるな!」
「踊りは寺での修行時代に。多少の心得はあるぞい」
「だが、そのときはこうして攻撃はされていなかったろう!」
「うおっ前が見えん!」
 バケツ怪人が空のバケツを玄信の頭にかぶせて視界を奪う。だがそのバケツを何者かが即座に外して投げ捨てる。
「む、助かったぞ」
「ウホ」
 ゴリラがいるぞ。ゴリラが助けてくれたぞ。
「ウホ、ウホホホ、ウホオオオォォーーッ!!」
 落葉がゴリラ語でゴリラに指示を出す。気づけばゴリラがダンスバトルに参加していた。
「まさか援軍に森の賢者を呼ぶとは……こいつらできる!」
「……ゴリラって別ゲーじゃね?」
 出現したゴリラの群れと、それにおののく怪人に対してフィロメーラが突っ込む。そして様子をうかがっていた釜飯怪人がそのダンスを邪魔しようと釜を手に殴りかかってくる。
「おっと、そんなダンス未満の攻撃には負けないさ!」
 飛び込んできた釜飯怪人の攻撃を残像を残す勢いのジャンプで避け、そのまま敵の背を踏んでバランスを崩す。どうと倒れた釜飯怪人は次のパネルを踏めずに爆発して戦闘不能となる。他方空中のフィロメーラは、床に魔力でできた分身を呼んでおり抱きかかえられて降りる。
「私だって負けないよ! 伊達にアイドルを目指してないんだから!」
 フィロメーラの活躍を見てレティエルが笑顔で張り合う。揺れる身体と髪が光を反射する。
「こいつらを止めろ!」
 猟兵達が一筋縄ではいかないと判断した怪人たちは一斉に踊りながら襲いかかってくる。だが彼らの前に立ちふさがるのはゴリラ達だ。
「ウホウホ!」
「ウホホホ!」
 落葉叫びの呼応するように一斉にドラミングしながら、大自然たるジャングルの熱情的な踊りを見せるゴリラ達。この意味の分からなさにさすがの怪人たちも動きを止める。というかどうやって書けば良いんだこんなの。
「ひ、怯むな!」
「隙ありだよ! 花よ、風よ、斬り払っちゃえー!」」
 レティエルの装着していたハートのワイヤレスマイクが鈴蘭の花びらになり、ゴリラに注意を引かれていた怪人たちの視界を覆っていく、
「目が! 目が!」
 怪人たちのどこに目があるかは分からないが頭部をかきむしる怪人たち。即座に近くにいたゴリラが優しく怪人たちの身体を光るパネルの上から押しやる。
「ぐわー!」
 そして爆発。
「しまった! ゴリラの力が強すぎる! わしの踊りが目立たん!」
 何故かやたらに艶かしく踊っている玄信には怪人たちも近づきたくなかったんではなかろうか。変態っぽいし。
「細かいことは気にするな!」
 そうですか。ともかく彼らの周りでは次々と怪人たちが爆発して消滅していく。
「……リア充以外も爆発するんじゃな」
 怪人の標準装備と思っていただければ。ともかく敵の数はどんどんと減っていっている。近隣にいた最後の一体にフィロメーラとその分身が飛びかかる
「喰らえ! 64文キック!」
 これまで完璧な踊りをしていた彼女の身のキレは凄まじく、攻撃を受けた怪人は放物線を描きながら吹っ飛び爆発した。それと同時に音楽は止まり、フィナーレを迎える。
「みんなーお疲れさまー」」
 戦いが終わったのを確認するとレティエルが笑顔で仲間を振り返る。
「ホントは出来るだけ魅せたダンスをしたかったけど、それで負けたら本末転倒だもんね」
「仕方あるまいよ。勝負は勝負じゃ」
 彼女の言葉に玄信が合掌をしながら答える。
「しかし、キマイラフューチャーには何度も訪れたが、戦争の時ですらもユニークなのだな。こうした空気、嫌いじゃないぞ」
「まあね。あっちも終わったみたいだし、次のステージに行こうぜ!」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

チトセ・シロガネ
楽しそうだからエントリーするネ!
金魚鉢の人、シャル・ウィ・ダンス?

なにはともあれ【ダンス】ならボクの得意分野ネ
【残像】すら生み出す身のこなしと【早業】、
【星天舞踏】による【数多の華麗な足技】を駆使してどんな曲でも一撃クリアしてやるヨ
なるほど、光る床を踏むのネ。なら【見切り】は必要だネ

あと、事あるごとに相手を妨害したいので【ハッキング】で光る床の位置をいじりつつ、社交ダンス的な感じで相手に組み付いて【グラップル】で相手の主導権を奪ってやるヨ!

それでも金魚鉢を押し付けてくるなら【属性攻撃】の足技で【カウンター】してやるネ
お熱いストンプをくれてやるヨ!


高鷲・諒一朗
ダンスなら任せてくれよお、ってなあ!
うなれ俺のこの長い脚!
スカイダンサーの真髄を見せてやらあ!

さて! こういうダンスゲームは、十八番ってほどプレイしてるんでなあ
大船に乗った気持ちで任せてほしい!
戦局は若者向けに最近人気のアーティストの曲をチョイスするより
どんな世代にもなじみのある曲にしたほうが大衆受けはいいだろうなあ

長い四肢を使って腕の振りや体のひねりも加え演出しつつ
危ないところは「スライディング」で咄嗟に踏みつつ
とにかく楽しく! 見栄えも考えて! しっかり最後まで踊りきるぜえ
ここぞというときに攻撃できそうなら
『スカイステッパー』で蹴り上げるぜえ!


リダン・ムグルエギ
ダンスの心得?
反射神経は正直あまり…

でもね、その程度なんとかなってしまうものよ
そう、デザインと事前準備でね
その証明にアタシは来たわ!

アタシは防具改造アートで作っちゃうわ
蛸みたいなたくさんの偽足が体を支える半分キグルミスカート
マーズテンタクルスくんを!
無理な体勢で光るパネルに足をのせても、偽足が支えて転倒しないって寸法よ
その分ダンスはきぐるみめいた緩いのになりそう…
全力でステップを踏むわよ

そしてこの足にパフォーマンス
きっと視線を引き付けるんじゃないかしら?
なら、後は自滅を待つだけよ
アタシはこの偽足に仕込んだの
赤色を認識できなくなる催眠模様をね
さあ、見たら発動する技を事前に見れるかしら、怪人さん?




「始める前にリクエストがある」
「聞いてやろう」
「どんな世代にもなじみのある曲にしてくれ」
「社交ダンス的なのもいいネ」
「分かった、では」
 高鷲・諒一朗(ミルザム・f17861)とチトセ・シロガネ(チトセ・ザ・スターライト・f01698)に応じた怪人が指を鳴らせば、クラシック音楽を元にしたなメロディが流れ始める。
「ノリが良くて助かるわ」
 まるで無数の足のようなスカートを履いたゴートリック・ファウスト(ゴートリック・ファウスト)がうなずく。敵ですらもこのような調子なのは彼女としてもやりやすいだろう。ゆっくりとした前奏の一音一音に合わせて光る床も長く光る。この後の曲の展開はアップテンポになっていくはずだ。
「攻撃してこないのか?」
「攻め時は今じゃないだろ? この手のゲームは自慢できるくらいにはやりこんでいるんでね」
 諒一朗が長い腕の先をだらりと弛緩させて返す。そこまで彼が言い切ると、その次の音から加速度的に間が詰まっていく。
「金魚鉢の人、シャル・ウィ・ダンス?」
「こちらこそ、よろしく頼む、マドモワゼル」
 チトセがそそと手を近くにいた金魚鉢怪人に差し出せばそれに応える。だがこれは単なる社交ダンスではない。どちらかと言えば互いの手首に鎖で繋がった鉄の腕輪がはめられたような状態だ。つまり、一緒の決闘である。チトセの口元には笑みが浮かび、金魚鉢怪人の金魚が跳ねた。
「よっ……」
 段々と早くなっていく曲に諒一朗とチトセは難なくついていく、一方リダンの方はもともとの反射神経には自信がなく、コンマ単位ながらも周りから遅れている。だがその遅れをカバーするための秘密兵器が彼女にはある。それがさっきからちらちらと揺れている衣装、『マーズテンタクルスくん』だ。彼女の反応の遅さによる遅れを、最小限の体重移動で応じる触手が床を踏み身体を支える。彼女の卓越した服飾技術によって生まれた特殊装備だ。だがそれだけではない。突然怪人の一部が曲から脱落して爆発する。
「な、なんだ!」
「フフ」
 リダンはこっそりとほくそ笑む。マーズテンタクルスくんの足が踊る度、怪人に迷いが生じていた。そしてこのステージではその一瞬の遅れが命取り。彼女が服装に秘めていた暗示が床の光を認識できなくさせていたのだ。
(「さあ、見たら発動する技を事前に見れるかしら、怪人さん?」)
 リダンが視覚に訴える一方、フィジカルに訴えているのはチトセである。コンビを組む金魚鉢怪人が踏もうとしたパネルをハッキングして切り替えて自爆させようとする。
「いたずら好きななお嬢さんだ。こちらがリードしなければいけないね」
「さて、できるかしらネ?」
 強く手を引こうとした怪人を、逆に引き込んで体勢を崩す。そもそも彼女の『踊り』は華麗な足技を兼ねている。それに対し金魚鉢怪人はいかにそれを封じようかという駆け引きを曲が始まってから常に行っていた。そして、この手の引き合いこそが決着の前の最後の一手。
「そんなに力を入れて捕ま無くてもいいさ」
「じゃあ離すネ」
 不意に彼女は手を振り払い、即座に相手の足首の裏側を蹴る。突然のバランスの変化に倒れそうになるが、怪人は足に力を込めてこらえようとする。だが。
「ばいばイ」
 相手の足をすくった彼女の足が、怪人の軸足を思い切り踏みつける。その生じた痛みで怪人は倒れ、その場で爆発する。
「次のお相手はいるかナ?」
 チトセが直接的なダンスバトルをしている一方、諒一朗は真っ向からその身一つを全力で使い表現にまで昇華した魅せ合いのダンスバトルをしていた。振り、伸ばし、捻り、跳ねる。彼と相対する怪人もまた負けじとその戦いに挑み、体がついて行かずに脱落する。何より彼と怪人との最大の違いは最後まで楽しく踊りきろうとする確たる意思であった。
「ダンスは情熱! 溢れるパッションをぶつけるもんだ!」
 そう語る彼のダンスに戦いを挑むのならば、怪人たちも純粋な情熱を返さねばならないと次々と散っていく。その中で崩れる間際の怪人が彼に問う。
「我々とお前のこの差は一体何だ……!?」
「簡単だ、おれはミルザムであんたたちはオブリビオンだからさ」
 忘れられた過去が知られざる未来を侵すことは出来ない。そもそも踊り、表現とは未知の世界に挑む事だ。既知で全てを塗りつぶそうとする者に負けるわけがないのだ。そして彼は最後の光るパネルを踏みポーズを決める。かくしてこの戦場は猟兵達が勝利を収めたのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年05月04日


挿絵イラスト