バトルオブフラワーズ⑤動物×連鎖=お給料!?
●グリモアベースにて
「はろー皆さん、事件です」
集まった猟兵たちにそんな風に気安く声をかけたのはグリモア猟兵のジャック・ロープ。
「まぁ知ってる人もいるかも知れませんが私の故郷であるところのキマイラフューチャーが真っ二つになっちゃってるんですよね」
それそんな世間話する感じで言う話?
「さすがは私の故郷、やることが大胆ですよね。誇りに思います」
キマイラというのは変わった感性をしているんだなぁ。猟兵たちはそんなような感情をいだき、実際なんかキラキラした目をしているジャックを眺める。
「まぁそれはそれとして割れたまんまだといろいろ不便なので皆さんには解決に奔走していただきたいわけです」
そんな猟兵たちの視線を知ってか知らずか、ジャックはようやく本題に入る。
「キマイラフューチャーの中枢、システムフラワーズに鎮座している怪人たちの親玉を倒すというのが大目標になります。しかし、当然ながら怪人軍団もそうやすやすとは中枢まで向かわせてはくれません。メンテナンスルートを守護する、『ザ・ステージ』と呼ばれる6つのエリア、ここを占拠して私達の進行を妨害してきます」
つまり、まずはその『ザ・ステージ』を奪還する、というわけか。
「ざっつらいと」
猟兵の言葉に、指を鳴らしてその通り!と答えるジャック。だがすぐに表情を真剣なものにすると言葉を続ける。
「ですがその戦いも簡単なものではありません『ザ・ステージ』には特殊な戦闘ルールが設定されており、これの敗北条件を満たしてしまうとたとえ怪人を倒したとしても強制敗北になってしまいます」
それを聞いて厄介だな、と言う表情になる猟兵たち。
「ですが、みなさんならきっと乗り越えられると信じています。というわけで皆さんに行ってもらうステージは、『ザ・ゲームステージ』。特殊戦闘ルールは『ゲームキャラクター』です」
ゲームキャラクター?
「概ね言葉から受け取る印象通りのステージです。オブリビオンとゲーム対決をするステージになります。ルールはゲームオーバーになってしまったらそこで強制敗北です。ただし、ゲーム対決と言っても実際にゲームをプレイするのではなく、ゲームの世界に入り込んで、ゲームのキャラクターとして攻略をする、と言う形になります」
ちょっと面白そうだな、と年若い猟兵が興味を示す。
「そして、みなさんがゲーム内でやるキャラクターですが」
一体どんなキャラクターなのだろうか。剣と魔法の勇者か、恋に恋する青春ラバーか、はたまた自分より強いやつに会いに行く格闘家か。
「飼育員です」
飼育員???
「動物園の」
動物園の???
「ゲームの内容ですが檻から大量の動物が脱走したので同じ動物を3匹以上並べて檻に戻してください。たくさん檻に戻せば戻すほどお給料がアップします」
お給料???
「まぁぶっちゃけパズルゲームですね。お給料はスコアとかそういうやつです」
ゲームの中に入るって話でパズルゲームって珍しくないですか。
「私に言われましても……。あ、逃げ出した動物ですが、これが怪人軍団になっているようですね」
なにやってんだオブリビオン。
「まぁ勿論妨害してくるわけですが、向こうもゲームのルールに縛られているのか、同じ種類の怪人を並べられれば檻に送り飛ばせるので頑張って下さい。面倒なら先に叩きのめしちゃっても良いかもしれないですね」
それは本当にパズルゲームなのか?猟兵たちの猜疑の視線もどこ吹く風と言った様子で、ジャックは言葉を続ける。
「クリアが近づくと、膨れ上がったお給料袋を狙って怪人軍団がなりふり構わす襲いかかってくるでしょう。返り討ちにしてお給料を守りきればゲームクリアです。あ、でもクリアしてもゲームの中なのでお給料は持ち帰れませんので、あしからず」
夢ハルカ
こんにちは、夢ハルカです。
今回のシナリオは動物園をキープする感じのアレです。同じ種類の怪人を3体以上並べて檻に送り返して差し上げましょう。
怪人を誘導して並べるのもよし、力ずくで移動させるのもよし、ジャックが説明してるように、一回倒してしまってから並べるのもよしです。それ以外のアイデアがでもどんどん使って怪人を並べて行きましょう。
ただし、あくまでパズルゲームをクリアするのが目的になるので、並べる事を忘れないようにして下さい。
それでは、皆様のプレイングお待ちしております。
第1章 集団戦
『つよくてクールなアニマルズ』
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POW : モグラさんドリル怪人・ウェポン
【モグラさんドリル兵器】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD : カエルさん殺法怪人・ジェノサイド
【カエルさん殺法攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ : ネコちゃん拳法怪人・リフレクション
対象のユーベルコードに対し【ネコちゃん拳法】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
イラスト:まめのきなこ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
緋神・美麗
なるほど、とにかく怪人を倒して同じ種類を3つ並べればいいのね。なら話は簡単よね。目につくの全部ぶったおしてから並べれましょうか。
「ちゃっちゃと倒して並べるとしましょうか」
出力可変式極光砲を攻撃回数重視で使用、【誘導弾】【衝撃波】【範囲攻撃】【力溜め】を付与して目につく怪人を片っ端から薙ぎ倒し、戦闘不能にしてから同じ種類を並べる
終わり際に怪人軍団が給料袋を狙ってくればボーナスタイムとばかりに全部倒す
エメラ・アーヴェスピア
ええ…何と言うかこう言う時まですごいわよね、キマイラフューチャー
まぁ、仕事をしましょうか
なにやってるのよオブリビオン
…兎も角、始めましょうか
私が陣取るのは檻を射線に入れられる広めの場所よ
そして『出撃の時だ我が精兵達よ』
7体ほどは近くの高い場所に陣取らせて魔導蒸気狙撃銃にて狙撃
残りの30体は私を中心に円陣、襲い掛かってくる奴らを魔導蒸気ライフルにて迎撃よ
攻撃は【盾受け】で【かばう】
ある程度撃破できたのなら並行して私の近くに『闇切り裂くは我が流星』を発動
兵、近くにいる同じ奴3体を砲台に詰めなさい
檻に直接届けて(撃ち込んで)あげるわ…!
後はそれを繰り返しよ
※アドリブ・絡み歓迎
●最初は日給300円
「ええ…何と言うかこう言う時まですごいわよね、キマイラフューチャー」
エメラ・アーヴェスピアが思わずそう言ってしまったのも無理からぬ事だろう。なんせ、このゲームステージに突入して最初に目にした光景。それは数十メートル四方はありそうな区切られた区画の中に、ぎっちりと言うかみっしりと言うか、大量のオブリビオンがきちぃっと整列して詰め込まれている光景だったのである。
「説明は聞いてたけど……なにやってるのよオブリビオン」
「いやー、壮観ねぇ。こんなの滅多に見られないわね」
「そりゃあそうでしょうね……」
エメラの言葉に同意を返したのは緋神・美麗。目に入るだけでも数十体はくだらない数のオブリビオンが一箇所で大人しくしている様子は確かにちょっと他では見られないだろう。
『ほらほら、さっさと仕事をこなしてくれ給えよチミィ』
「……で、これは何なのよ」
「これが園長さん、ってことかしらね」
オブリビオンが押し込められているフィールドから、猟兵たちの経っている場所を挟んで反対側。立派な応接テーブルに腰掛け、葉巻片手に話しかけてくる、なんか、やたら角ばってると言うか、ぶっちゃけドット絵で構成された中年男性が居た。話しかけると言っても頭の上のあたりに浮かんでいる四角い板のようなものに台詞がリアルタイムで浮かんでいるのだが。
どうやら、この中年男性がグリモアベースにてちらっと触れられていたこの動物園の園長らしい。
『今の日給は300円だよ。頑張り給えよ貧乏人』
「腹立つわぁ……」
「まぁまぁ。この人は特に害はないみたいだし、パズルの方に集中しましょう」
実際、やたらと横柄な口調の台詞を表示するだけで、それも声に出して語りかけてくるわけではないので視界にさえ入れなければよいのだ。
微妙に納得いかないような表情をしながらも、エメラもオブリビオンの対処に集中するため、園長に背を向ける。
「ともかく、始めましょうか」
「そうね、ちゃっちゃと倒して並べるとしましょうか」
そう言って二人は遠距離攻撃の準備に入る。エメラは魔導蒸気兵を召喚し、美麗はサイキックエナジーを励起させ。
このゲームステージは、フィールドにひしめいている、同じ姿をしたオブリビオンを3体以上並べることでクリアが近づく。しかし、当然ながら並べるためにフィールドに近づけば、オブリビオンは並べさせられてなるものかと抵抗をする。
ならば。フィールドから出てこれないならその外から攻撃してぐったりさせた後に並べちゃえば効率がいいんじゃないかな。
というわけで二人の攻撃。蒸気ライフルが煙を吹き上げサイキックエナジーが先行を迸らせる。
「ちょ、ま、待!」
「ぎゃああああああ?!」
「ひ、卑怯だぞ!」
「人の心がないのか!?」
「怪人に言われる筋合いはないわよ」
「勝てば官軍よねー」
近づきさえすればモグラさんドリル兵器が光ったりカエルさん殺法攻撃が唸ったりしたがこうなっては手も足も出ず。
乱射乱撃雨霰にさらされたオブリビオンたちはぐったりとした動かしやすいコマと成り果てたのであった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
星河・成海
何だかパズルみたいで気になるけど、キマイラフューチャーが大変なことになってるし気を引き締めていかないとね
【バトルキャラクターズ】でキャラ達を召喚して、それぞれ手分けして敵を倒す係と倒した敵を並べていく係に分けて効率よく進めていこうかしら
わたしは少し離れたところからキャラ達に指示を出す。全体を見てどこに何の動物がいるか把握もする。こういったゲームは冷静さが必要だから、落ち着いて進めていくよ。特に敵の攻撃の前兆には注意。気づいたら回避するようにする
もし敵が近づいてきたら属性攻撃や衝撃波で大人しくしてもらう
他の人との連携、アドリブOK
非在・究子
【SPD】
げ、ゲームの中に、も、もどるの、か? な、なんとなく、不思議な、感じだ、な。
と、とはいえ、こ、故郷の、ピンチだから、な。
て、手加減は、なし、だ。
あ、アシストツール【究】を、使って、『ハッキング』させて、もらう、ぞ。
(そして、そな場で奇妙な動作を繰り返し)
…….な、何を、やってるかって?いや、ちょっと、ら、乱数調整を、な? こ、こうやって、出てくる、ど、動物の種別を決める、ら、乱数をいじるんだ。(奇怪な動きを続けて)
ぎ、ぎひひひひっ。
蛙、ばかり、で、出てくる、様にする。あ、アイツの、攻撃パターンは、よ、読みやすい、から、あ、あとは、直接、張り倒して、あ、荒稼ぎ、だ。
●昇給は渋い
『やるじゃん、日給50%アップ。150円アップして450円になったよ』
園長のありがたいお言葉。
「そもそもスタートが日給300円って少なすぎない?せめて時給にしてよ」
「じ、時給、でも。す、すくない、と、お、思う」
星河・成海と非在・究子は表示された園長のありがたいお言葉を読んでそんなことを言い合っていた。もっともだと思います。
まぁそんなことはさておいて。遠距離攻撃で結構な数のオブリビオンがぐったりしているので、並べるのはだいぶ楽になっている。だが、フィールドにみっちりと詰め込まれたオブリビオンを移動させるのはそれだけでも骨の折れる作業だろう。
「なんにせよ、人手がほしいわね。おいで、バトルキャラクターズ!」
というわけで成海はバトルキャラクターズのユーベルコードを発動。人海戦術で持って怪人たちを並べていく。
ぐったりとしたオブリビオンは為す術もなく3体並べられ、その瞬間ポン、という弾けるようなエフェクトが発生したかと思うと、その姿がかき消える、周りを見渡してみれば、オブリビオンが押し込められているフィールドの周囲に存在していた檻の中に、オブリビオンの種類ごとに転送されているようだった。
「なるほど、こうなるのね。ほんと、まるきりゲームね」
「ふ、ふふ。げ、ゲームの中、なら。わ、私の、得意、分野、だ」
成海がオブリビオンの挙動に感心している側で、究子は何やら奇っ怪な動作を繰り返していた。
「……このゲーム、MPとかあったかしら?」
「ふ、不思議な、ダンスを、している、わけ、じゃ、な、ない」
「じゃあ、なにしているの?」
「いや、ちょっと、ら、乱数調整を、な? 」
「乱数調整」
「こ、こうやって、出てくる、ど、動物の種別を決める、ら、乱数をいじるんだ」
「へー、すごい。そんなことできるのね」
「ち、ちょっと、は、ハッキング、をして、な」
「ハッキング、って。チートじゃないの」
「ち、違う。これは、ツールアシステッドスーパープレイ。こ、こういう、競技、なんだよ」
「そういうものなのかしら……?」
「そ、そういう、もの、だ」
会話をしながらも奇怪な動作を続ける究子。現実に見かけたら思わず一歩下がった位置取りをしてしまいそうだが、ここはゲームなので何の問題もない。無いのだ。
「ふふ、ふ。見ろ。か、消した後に、出てくるオブリビオンが、全部、か、蛙のやつになってるぞ」
「あら、本当ね」
「ぎ、ひひひ。アイツの、こ、攻撃パターンは、読みやすい、から、あ、あとは、直接、張り倒して、あ、荒稼ぎ、だ……?」
「?どうかした……って、あらら」
究子の言う通り、オブリビオンが転送された後、そこを埋めるように顕れる現れるオブリビオンが蛙の姿のものばかりになっていた。ここで思い出していただきたいのがこのゲームのルール。同じ姿のオブリビオンを3体並べると檻に送れる。
オブリビオンが転送されれば、転送されたのと同じ数だけオブリビオンが追加されるが、追加で現れるものが一種類だけになれば、現れた瞬間に3体並んでいる状態になる。
これがどういうことかといえば、世界記録に挑戦できるような大連鎖が今そこで発生していた。
「やっぱり、これってチートじゃ」
「ち、チートじゃない。た、ただの、乱数調整、だから」
「そういうものなのかしら」
『やるじゃん。日給30%アップ』
「……これも乱数調整でもうちょっとアップさせられない?」
「す、スコアの、計算をいじるのは、チートだから」
「そういうものなのかしら……」
そういうものなのでしょう。まぁそれはさておいて。この大連鎖により、このステージのクリアは目前となっていたのであった、
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
オル・クブナス
※アドリブ、改変、連携歓迎
なるほど、パズルゲーム…いやハンティングゲーム、ですかね?まあジャンルはともかく、これは中々面白そうな遊戯ですな。
では慌てず騒がず、落ち着いて行動しましょうか。『礼儀作法』を伴った足捌きで動物に近づいて【紳士たれ】にて状態異常力を強化、多少の攻撃は「ナノマシンアーマー」で凌がせていただきます。
「ワンダフルステッキ」を使用し『催眠術』をかけて眠らせる…もしくは『マヒ攻撃』か『気絶攻撃』を仕掛ける事に致しますかね。
状態異常で動物達の動きを封じ、素早く並べてしまいましょう
八幡・茜
動物さんたちを並べればいいのね!
ふふふ、なんて私に向いたお仕事かしら! この美人なおねーさんの魅力は動物さんにも通用するから!
動物さんを見つけたら
さぁこっちにならんでー! ってお願いして一列に並んでもらうわね
こんな美人なおねーさんのお願いを断る人なんていないわよね
それから種類別に分かれてもらえば一気に消せるわね! 沢山お給料をもらえるかしら!
素直に並ばなかったり、逃げ出す場合は、逃げ先を予測して回り道して、ぎゅーって抱きしめてお友達になってもらおうかしら!
そうしたらちゃんと並んでくれるわよね!
最後にわーって襲ってきたら片っ端から手を取ってお友達になるわ
お友達なら嫌なことをしないはずだからね!
●これ何のゲームでしたっけ
「ふふふ、なんて私に向いたお仕事かしら!この美人なおねーさんの魅力は動物さんにも通用するから!」
そんなことを叫んでいる美人のおねーさんがいた。美人のおねーさんって言うか八幡・茜だ。なんかが琴線に触れたのか、やたらとやる気満々である。
「なるほど、パズルゲーム…いやハンティングゲーム、ですかね?まあジャンルはともかく、これは中々面白そうな遊戯ですな」
そんなことを優雅につぶやく紳士が居た。紳士というか、オル・クブナスである。紳士というのはゲームも優雅に嗜むものなのであろうか。
『まだまだ仕事はあるよ。頑張り給えよチミたち』
「ふふふ!おねーさんにおまかせよ!」
「えぇ、慌てず騒がず、落ち着いて行動しましょうか」
見るものをイラッとさせることで評判の園長のありがたいお言葉もこの二人には通用しない。片や無敵モードで片や受け流しとかそんな違いはあるが。まあとにかく二人は怪人を並べるためにフィールドに突入したのである。
「ウォオオオオ!給料よこせェ!!!」
「このまま居りに送られてたまるかよぉ!!」
「俺たちは自由になるんだあ!そのための金をよこせぇ!!」
突入した途端に怪人たちに絡まれる。そう、クリアが近づいているため、怪人たちがなりふり構わぬ襲撃モードに突入したのである。もうパズルも何もあったもんじゃねぇな。あとその給料袋、未だに1000円も入ってないから。それで得られる自由は昼ごはんがちょっと豪華になる程度だから。
「うふふ、みんな元気ね!良いわ、おねーさんとお友達になりましょう!」
茜は群がる怪人に臆することなく友情の握手をするために怪人に手を差し出した。
怪人の方といえば、ひゃっはーと襲いかかったは良いものの、突然そんなことをするものだから一瞬あっけにとられて思わずその手を撮ってしまう。
「ソウダネ!ボクタチ、オトモダチ!」
「うふふ、お友達ね!」
そうして茜と握手をしたものはその手から発せられる毒電波により強制的に茜のお友達になってしまうのだ。毒電波て。
突然豹変した仲間の様子に怪人たちがギョッとするも、その隙を見逃さない茜はすかさず握手&ラブ&ピース。また一人お友達がふえる。
「ふふふ、お友達にお願いなのだけれど、キチンと並んでもらえるかしら!良いわよね!」
「オッケー!オトモダチ!」
友達の頼みは断れない。茜のお願いにより並んだ怪人たちは、仲良く檻へと送り飛ばされていくのだった。
「えっ、何あれ怖ッ」
「おっと、よそ見は紳士的ではありませんな」
「痛ぇ!?」
茜の人心掌握術(毒電波)に気を取られていた怪人が横合いから打擲される。打撃の主はオル、歩くジェントルだった。
「敵とはいえ、私の目の黒いうちは紳士的でない言動は控えていただきたいものですな」
「いや紳士じゃねぇから。モグラ頭の紳士とか聞いたことねぇから。そしてアンタ目どころか全身真っ黒じゃねえか!」
「何を仰る。モグラ頭の紳士が居ない?ならばあなたが最初のそれに慣ればいい。マナーが真摯を作る。さぁまずは言葉遣いからです」
「やべぇ!こいつも大概やべえ!」
「紳士!」
「いてぇ!?」
「残念です。あなたなら紳士になれると思ったのですが」
「訳わかんねふぉ!はれ、はんか、からはがひひれへ……」
「ふむ、ようやっと麻痺が効いてきたようですね。とぅ!」
「あああああ!?」
紳士的ではなかった怪人を紳士的に麻痺らせて、そのまま紳士的に担ぎ上げると紳士的に投擲。ちょうどモグラさん怪人が2体並んでいたところに着弾すると、そのまま檻へと転送されていくのだった。
「さて、この調子で片付けるとしましょう」
「うふふ、みんなお友達になりましょう!」
あちらではお友達の輪が広がり、此方では紳士のマナー講座が開催中。
「お友達!」
「紳士!」
「ふれんど!」
「ジェントル!」
叫び声が上がる度、怪人たちは檻へと送られ、檻の中で死屍累々と積み上がる。もう何のゲームだこれ。
ともあれ、そうしているうちに、いつの間にか追加の怪人も現れなくなっており、フィールドにいた怪人は1体残らず転送されたのであった。
『おつかれ。まぁ貧乏人にしては頑張ったんじゃないか』
「あなたもお友達になりましょう!」
「紳士のマナーを教えた差し上げましょう」
『えっ』
成功
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