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バトルオブフラワーズ④〜ストロベリーに花束を

#キマイラフューチャー #戦争 #バトルオブフラワーズ

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●シュウカクストロベリー
「また不思議な展開だね。まあある意味キマイラフューチャーらしいといえばそうなのかな」
 鴇沢・哉太(ルルミナ・f02480)は顎に手をあてて首を傾げる。
 ともあれ、猟兵の出番であることには変わりない。
「知っての通り、今回は周囲を守る六個の『ザ・ステージ』を全部オブリビオンから取り戻さないと、目的地である『システム・フラワーズ』に辿り着けないんだ」
 ザ・ステージにはそれぞれ特殊な戦闘ルールがある。
 仮に敵を倒しても、敗北条件を満たすと謎の力で追い出され、強制敗北になってしまう。つまりルールにのっとって踏破する必要があるといことだ。
「俺が案内するのは、『シュウカクフードバトル』という特殊戦闘ルールが適用されるところだよ。特にそこでは、少し遅い時期の苺が収穫されるところみたいで」
 どうやら多数のオブリビオンが苺狩りにいそしんでいるらしい。
 場所はとある農園。本来キマイラフューチャーではコンコンすれば食べ物も手に入るが、どうやら道楽として苺農園を運営するキマイラがいたようだ。
 農園で採れる苺もより取り見取り。
 施設内は清潔で広く、立ったまま苺を摘める高設栽培だ。採取自体の難易度はごく低い。
「このステージでは、食材を収穫中のオブリビオンは攻撃が無効になるという特殊能力があるんだ。つまり一定以上の収穫をされてしまうと、猟兵側の敗北になるから気を付けて」
 オブリビオンは、収穫された苺を山のように積み上げようとする。
「だからね。皆には苺を使った料理やお菓子を作ってもらいたいんだ」
 出来た料理やお菓子が美味しそうに見えたなら、食欲を刺激されたオブリビオンも作業を中断する。すなわち料理を食べてしまい『攻撃無効の効果が無くなる』のだ。攻撃して撃破することも容易かろう。
 どうやら今回のオブリビオンは、苺に敵対意識を燃やすフルーティートリオらしい。
 が、正直戦力としてどうなのかと考えるより、どんな苺料理や苺のお菓子を作るかに注力するほうが大事になるはず。
「自分で料理して食べさせて攻撃してもいいし、料理班と戦闘班で役割分担しても大丈夫。このあたりの塩梅は皆に任せるよ」
 そこまで説明して、哉太は茶目っ気含ませたウインクひとつ。
「俺も君が作った苺の料理やお菓子が気になるな。よければオブリビオンを無事に倒して、味合わせてもらえたら嬉しいよ」
 さあどんな苺の料理やお菓子を作ろうか。
 飛び切り甘くてちょっぴり酸っぱい、素敵な苺に出逢えたらいい。


中川沙智
 中川です。
 キマイラフューチャーの新展開にびっくり。美味しい苺をください!

●プレイング受付期間について
 今回はオープニング公開時より随時プレイング受付を開始します。
 導入文の追記はありません。

●シナリオ構成について
 第1章:集団戦『フルーティートリオ』
 以上の流れになっています。
 まずは苺の料理やお菓子を楽しく作って頂くことが肝要になります。飲み物でもOKですので、皆様が思いつく限りの素敵苺フードをご提供ください。
 戦闘はさほど難しくないのでさっくりで大丈夫です。

●プレイング採用について
 今回はシナリオの性質上全部のプレイングを採用出来るとは限りません。
 プレイングお返しする可能性も十分あります。ご理解の上ご参加くださいませ。
 採用は先着順ではありません。

●同行者について
 ご一緒する参加者様がいる場合、必ず「プレイング冒頭」に【相手のお名前】と【相手のID】を明記してくださいますようお願いします。

 では、皆様のご参加を心からお待ちしております。
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第1章 集団戦 『フルーティートリオ』

POW   :    スイカ怪人・ウェポン
【スイカ兵器】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    レモン怪人・ジェノサイド
【レモン攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ   :    リンゴ怪人・リフレクション
対象のユーベルコードに対し【リンゴ】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。

イラスト:まめのきなこ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

アンリ・オヴォラ
来たわ来たわよカワイイ★ワールド!
や~~~ん何このカワイイフルーツ!
綺麗ねステキね美味しそうね!
まずは一口つまみ食い❤
ヤダ!あまずっぱ~い❤

木苺よりぎゅっとしてるのね
とりあえずジャムにしちゃいまショ
とっても良い香りがするし、何にでも使えるじゃない?
……贅沢な材料がある訳じゃなかったから、アタシそんなにレシピって知らないの
でもここなら工夫次第よね
それに、飾りつけには自信があるの
クリームとパイを重ねてみたり……ねっ(ミルフィーユ)
ブラックベリーしかなかったクラフティも赤いとこんなにカワイイのね
さ、ジャムを添えて完成よん

あーらカワイイりんごちゃん、一口いかが?
アナタは後でシヴーストにしてあ・げ・る♪


アール・ダファディル
叩けば食材が出てくる裏側はこんなになっていたとはな
ふむ、実に興味深い

敵の興味を引けば良い料理、ねえ
ならば五感に訴え、敵の数が多いのならば伝播するものが良いな
準備を済ませれば鍋にヘタを取った苺を山と
次いで量に見合った砂糖とレモン果汁。凡てを鍋に――火に掛け煮込む
ことこと揺れる鍋をエプロン姿の≪彼女≫…Echoはぐるぐるかき混ぜる
鍋を任せて糸を巡らせ攻撃へ転じる準備も忘れずに
やがて、湯気と共に漂うのは濃厚な甘酸っぱさ
出来立て真っ赤なイチゴジャムの薫りを無視出来るものなどいないだろうよ
それが敵対心なら尚のこと

此方を向いたが最期。糸で敵らの動きを制御しよう
さあ、彼らに味見をして貰おうか
熱々を召し上がれ


春霞・遙
いちご料理を作ればいいんですね。
スコーンにでも紅茶にもあうイチゴジャムを作りましょう。
小さめのイチゴを選んで鍋に敷き詰めて、お砂糖をイチゴが埋まるくらいどっさり入れて、水が出てきたら煮詰めます。この時が一番甘酸っぱい香りが辺りに漂って、幸せなんですよね。
それで最後にレモン汁を入れて完成。
酸っぱいいちごでも美味しくなるし、つまみ食いがまた美味しいんです。他の料理にもアレンジして使えるかもしれませんね。

無事収穫バトルで勝てたならユーベルコードで焼くか銃で果実の部分を撃ち抜きます。
果物の姿しているから食べられるのならフルーツポンチとかの材料にしてみたくはありますけどね。


ルル・ミール
とびきり美味しい苺づくしサンドイッチを作らねばですね!

まずは苺ジャム作り
材料を混ぜてしばらく置いてからコトコト煮込み
ふふー、夢とトキメキ広がる香りがします
トリオさんもこの香りにときめいてたら嬉しいですけど…
とびきり美味しくしたいので集中集中
う、香りで顔がにやけます

30分くらい煮たら火を止めて
切っておいたふかふわ食パンに苺ジャム・生クリームの順で塗って…
苺はこのまま食べても絶対美味しいですけど挟んで更に美味しく
カットして白と赤の素敵コントラストを!

…我ながら美味しそうです
い、いただきます!
シンプルな分
苺の瑞々しさと爽やかな甘みできっと幸せ
トリオさんもどうですか?

攻撃はエレメンタル・ファンタジアで


石籠・むぎ
イチゴ…とってもおいしそうなの
お料理すればいいのね?むぎ、ガンバル

むぎはパンやさんをやってるのよ
だから、パンっぽいのでショウブ!
(携帯だかコンコンしたので出したコンロで)イチゴジャム作るの
イチゴは少し形がのこるよう切って、サトウといっしょににるのよ
…甘い良いニオイしてきたの
完成したジャムをお店からもってきたコッペパンにマーガリンといっしょにぬって出来上がり!

ジャムをつかってもう一つ
フライパンでオムレットが作れるってきいたの
まぜた材料を弱火でやいて…これも良いニオイするのよ(ヨダレ拭き
オムレットに生クリームとジャムをはさんで、生のイチゴもそえて出来上がり!


コウゲキはライオンのしーちゃんにまかせる



●スタンダード・ストロベリー
「来たわ来たわよカワイイ★ワールド! や~~~~ん何このカワイイフルーツ!」
 碧眼をきらめかせて、アンリ・オヴォラ(クレイジーサイコカマー・f08026)はきゃっとでも言いたげに胸の前で手を組む。綺麗でステキ、そして何より美味しそう!
 目の前の籠にみっちり積まれているのは苺だった。つやつやした真っ赤な果実が、さあ早く召し上がれと言わんばかりに佇んでいる。アンリがひょいと指先で摘まんで頬張れば、瑞々しい甘さが口中に広がる。
「ヤダ! あまずっぱ~い。木苺よりぎゅっとしてるのね」
 頬に手を添えご満悦なその様子を見遣ったアール・ダファディル(ヤドリガミの人形遣い・f00052)は感慨深げ。キマイラフューチャーといえば食材すらコンコンすれば出てくる世界だ。それとは別に、このように趣味で農園を経営するキマイラもいるのだ。暮らしには困らないにも関わらずである。
「ふむ、実に興味深い」
「イチゴ……とってもおいしそうなの。お料理すればいいのね? むぎ、ガンバル」
 石籠・むぎ(白銀稲荷・f02944)が狐耳をぴこぴこさせながら握りこぶし。幼いながらも小さいパンやさんを営んでいるむぎだ。美味しいものを作るという気持ちは満ち満ちている。
 さて、この場に集った猟兵たちの意見は一致していた。
「敵の興味を引けば良い料理、ねえ。ならば五感に訴え、敵の数が多いのならば伝播するものが良いな」
「それならとりあえずジャムにしちゃいまショ。とっても良い香りがするし、何にでも使えるじゃない?」
「いいですね。スコーンにでも紅茶にもあうイチゴジャムを作りましょう」
 春霞・遙(子供のお医者さん・f09880)も首肯する。ジャムは苺を使ったレシピの中では純然たるスタンダード。親しみやすいし、ジャムを使えばレパートリーにも幅がある。まずジャムを作ってそれからいろいろ派生していくという案は極めて妥当だ。
 苺自体も飛び切りの美味しさなのだから、ジャムにするだけで格別だろう。ルル・ミール(賢者の卵・f06050)が藤色の双眸を輝かせる。
「とびきり美味しい苺づくしサンドイッチを作れそうですね!」
「それもステキ! むぎはパンやさんをやってるのよ。だから、パンっぽいのでショウブしたいと思っていたの」
 ルルの発案にむぎも前のめりに賛成を示した。
 視線をちらりと向ければ、フルーティートリオが次々と苺を収穫している。その手を止めるためにも美味しいジャムを作らなければ。
 むぎがコンコンで取り出したコンロがふたつ。アールがへたを取った苺を、ルルとアンリが鍋に入れる。
 小さい苺をそのまま敷き詰めた鍋と、形がわかる程度に小さく切った苺を入れた鍋。
 苺が隠れるくらいの砂糖を入れて、苺自体から染み出す水分でじっくりことこと煮込んでいく。
 くつくつ煮える音はまるで美味しい時間の前奏曲のよう。
 鼻腔をつく優しくもいい匂い。果物特有の自然で柔らかい甘いそれに、むぎと遙が視線を交わして緩やかな笑みを零す。年こそ違えど、美味しいジャムを作りたい気持ちは同じ。
「……甘い良いニオイしてきたの」
「この時が一番甘酸っぱい香りが辺りに漂って、幸せなんですよね」
「ふふー、夢とトキメキ広がる香りがします。トリオさんもこの香りにときめいてたら嬉しいですけど……」
 ルルがちらりフルーティートリオを見遣れば、心なしかトリオもこちらの様子を気にしているように見える。香りが流れていったのかも、と思えど、とびきり美味しくするためにも集中しよう。ルルが軽くかぶりを振った。
 大きなリボンが飾られたテディベアは、今日はリボンと揃いのエプロンを纏っている。双子の片割れたる彼女がくるりと鍋をおたまで掻き混ぜれば、アールはいとけなく琥珀色の瞳を細める。
「いい出来だね、Echo」
 レモン果汁を入れればペクチンが出てとろみがつくし、苺の赤も鮮やかに残る。しかも酸味が苺の甘さを深めるのだから、最初にこんなことを考え付いた人はすごいななんて、遙はぼんやりと考える。
「そろそろかしら?」
「う、香りで顔がにやけます」
 アンリが覗きこめば、ちょうどいい具合のジャムが鍋で微睡んでいる。ルルがそわっと様子を窺いながら、完成品を入れる大きな器を用意していく。
 やがて、濃厚な甘酸っぱさが湯気と一緒に漂ってきた。
 ――さあ、ジャムはこれにて完成だ。
「出来立て真っ赤なイチゴジャムの薫りを無視出来るものなどいないだろうよ」
 それが敵対心なら尚のこと。そう踏んだアールの目算は果たして的中している。明らかにフルーティートリオがこちらを見ている。めっちゃ興味を示している。
 琥珀揺らめく繰糸を手に這わせながら、小さく笑んだ。後は美味しく食べてもらって、それから倒せばいいだけだ。
「酸っぱいいちごでも美味しくなるのに、元が甘くて新鮮ないちごだから尚更絶品ですね」
 遙がスプーンに掬ったジャムを試食してみる。つい頬が綻んだ。
 ただそれだけで食べてもこんなに魅惑的な甘さなのだから。
「他の料理にもアレンジして使えるかもしれませんね」
「……贅沢な材料がある訳じゃなかったから、アタシそんなにレシピって知らないの」
 でもここなら工夫次第よね、とアンリは首を捻る。
 さっくりした歯応えが楽しいパイに、クリームと一緒に重ねてみる。苺のスライスも挟めば尚の事色鮮やかだ。
 一見シンプルなミルフィーユも、素材がよければ更にその良さが際立っていく。
「ねっ。ブラックベリーしかなかったクラフティも赤いとこんなにカワイイのね」
 ジャムを添えれば完成だ。
「あーらカワイイりんごちゃん、一口いかが?」
 アンリが苺ミルフィーユを皿に載せてテーブルに滑らせれば、リンゴ怪人がふらっと引き寄せられてきた。素直に椅子に座りフォークを手に取った後でハッとした顔をしていたが、時既に遅し。
 口に運べばその豊かな甘酸っぱさが一気に広がっていくよう。気が付けばリンゴ怪人はが無我夢中で食べ始めた。攻撃を無効にするオーラが見る間に薄らいでいく。
 リンゴ怪人が再び、ハッ――とした時には、眼前にアンリの清々しい笑顔。
「アナタは後でシヴーストにしてあ・げ・る♪」
 断末魔の叫びが響いた。それを一瞥し、ルルとむぎが取り出したのは、パン。
 ふわふわの食パンと、むぎのパン屋謹製のコッペパンだ。
 ルルはパンに苺ジャムと生クリームをたっぷり塗る。そのまま食べても美味しい生の苺を、薄切りにして一緒に挟んでしまおう。
 苺の赤、生クリームの白。そしてパンの優しい彩のコントラストが目に楽しい。
 ちょろっと視線を投げればスイカ怪人が明らかに挙動不審な様子を見せて狼狽えていた。
 そのまま下を見る。美味しそうな苺サンドイッチ。本当は怪人に食べさせて攻撃無効を解除するべきもの。
 けれど。
「……我ながら美味しそうです。い、いただきます!」
「!!」
 スイカ怪人が息をのむ間に、ルルは小さな口でサンドイッチの端を食んでみる。
「……!」
 苺の瑞々しくも爽やかな甘味が口中に充満する。ルルが美味しさのあまりぎゅっと目を閉じれば、すっかりスイカ怪人も関心を寄せてしまっていた。
「このジャムなら、コッペパンにマーガリンといっしょにぬるのもオイシイわ」
 そっとスイカ怪人の前にむぎが一皿供しつつ、実はもう一品作るつもりでいる。
 取り出したのはフライパンと卵。
「フライパンでオムレットが作れるってきいたの」
 ボウルで材料を混ぜて、弱火でじっくりゆっくりと焼いていく。
「……これも良いニオイするのよ」
 火で熱された甘い香りがふわりと広がっていく。思わずむぎも着物の袖でよだれを拭いた。つられてスイカ怪人もよだれを拭いた。
 完成したふわふわの黄色いオムレットは、誰の心も和やかにしてしまう出来栄えだ。
 オムレットに生クリームとジャムを挟んで、生の苺も添えてみる。口に入れた途端に柔くとろける未来が見えたから、もう駄目だ。
「よければどうですか?」
「ゼイタクなおいしさ、たのしんでみない?」
 ルルとむぎの追撃が決定打になる。スイカ怪人はすっかり陥落し、気が付けば懸命にパンやオムレットを咀嚼していた。
 そしてリンゴ怪人、スイカ怪人に加えて、レモン怪人もすでにふらふらっと席についていた。
 スプーン走らせるそれはバニラアイスに苺ジャムを混ぜ込んだもの。シンプルなだけに素材の良さがダイレクトに伝わる一品。
 そもそも先にアールに「熱々を召し上がれ」とジャムの試食を促されていたのだ。その時点で既に勝負は決していたといえるのかもしれない。
「気に入ってもらえてよかったです」
 遙とアールが視線を交錯させ、頷きあう。
 完全に収穫の手を止め食べることに夢中になっている怪人たちへ、糸と銃が差し向けられる。
「果物の姿をしているから、食べられるのならフルーツポンチとかの材料にしてみたくはありますけどね」
 果たして食べただけで終わったか食べられるに至ったかは、その場の猟兵たちのみが知ることとなろう。
 最終的にどちらの勝利で終わったかについては、言うまでもない。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

真幌・縫
いちごの料理やお菓子を作って収穫の手を止めればいいんだね♪

よし準備完了♪(ふりふりエプロン装着)

いちごのお菓子は沢山あるけど…早めに収穫をやめさせるには早めにお菓子を作った方がいいよね!
ぬいはいちごのクレープを作ろうと思う♪
UC【ぬいぐるみさん応援団】(ふりふりエプロン姿)に応援してもらいながら。
薄く生地を焼いてクリームを乗せて。
沢山いちごを乗せるの!
これだけでもすごく美味しそう。

この美味しそうなクレープで【おびき寄せ】てー攻撃だー!!

アドリブ連携歓迎です♪



●ストロベリー・アンビバレンツ
 猟兵たちが持ち寄ったレシピは多岐に渡る。
「いちごの料理やお菓子を作って収穫の手を止めればいいんだね♪ よし準備完了♪」
 くるりとターンする真幌・縫(ぬいぐるみシンドローム・f10334)の動きに添って、フリルのエプロンが翻る。
 材料も道具もコンコンすれば簡単に手に入る。キマイラフューチャーならではだ。
 苺のお菓子はいくつも思いつく、けれど。
 縫は考えを巡らせてひとつの方向性を導き出した。
「早めに収穫をやめさせるには早めにお菓子を作った方がいいよね!」
 視線の先ではフルーティートリオが苺狩りに集中している。
 粉を篩う道具を構え、いざ。
「ぬいはいちごのクレープを作ろうと思う♪」
 生地を用意したなら幾枚も薄く薄く焼き上げよう。そして手早く生クリームを泡立てる。薄く、ダイスカットに、くりぬいてハートに、切り揃えた苺をデコレーションしていこう。
 縫の背後で、灰色翼猫のサジ太を筆頭としたぬいぐるみたちがばっちり応援体制だ。それぞれ旗だったり、おもちゃのラッパだったり、ボンボンだったり。揃いのふりふりエプロン姿であることも、縫のやる気をましましにしていく。
 苺味のチョコスプレーもあしらってくるりと巻き上げれば出来上がり。
「これだけでもすごく美味しそう。どうかな!?」
 さあ召し上がれとばかりに差し出してみたら、リンゴ怪人がそわりと肩を揺らした。
 おびき寄せて攻撃を仕掛けるまで、あと三秒。

大成功 🔵​🔵​🔵​

連・希夜
苺柄のエプロンと三角巾を取り出し、ぱぱっと身に着け
苺さん、オレに力を貸して
電脳空間にアクセスし、レシピ検索

まずは、絞ります!
わぁ、果汁まで真っ赤で綺麗。これだけで美味しそうだけど、ぐっと我慢
果汁の半分は凍らせる
残りの半分は果肉や生クリーム等と一緒にアイスクリーマーへ投入
アイスクリーム完成待ちの間に、残った果肉をすり潰して濾して練乳と混ぜてソースにして
凍った果汁をごりごりかき氷器で削って…力業だけど、楽しい
最後は苺型のガラス器にかき氷→アイス→ソース→苺を盛り盛りに盛って完成!

ねぇねぇ、料理初めてだったんだけど上手くいったと思わない?
特製苺かき氷、召し上がれ?
ガジェットショータイムで差し出し攻撃




 装いから気合いを入れる猟兵は数いれど、特に連・希夜(いつかみたゆめ・f10190)の出で立ちは際立っている。
 苺柄のエプロンと揃いの三角巾。手早く身につけ裾を揺らして、胸に小さく祈りを向ける。
「苺さん、オレに力を貸して」
 電脳空間で苺の情報を検索する。
 ゆっくりと紫苑の瞳が目の前の苺を映し出せば、脳裏でレシピデータが弾き出される。
「まずは、絞ります! わぁ、果汁まで真っ赤で綺麗」
 布で濾すように絞ると、甘酸っぱい香りの果汁が滴る。これだけでジュースになりそうな瑞々しさだ。けれどぐっと我慢する。
 果汁の半分は急速冷凍室へ。残りの半分は苺の果肉や生クリーム等と混ぜ合わせて、アイスクリーマーへ。
 その合間にも希夜の作業は滞らない。残った果肉をすり潰す。こちらも濾して練乳と混ぜれば、ひときわ芳しいソースの完成だ。
「あ、凍ったかな」
 かちこちの果汁を何にするかというと、ここでペンギン型のかき氷器が登場する。
 力を籠めて削り始める。根気のいる力仕事だ。けれど、希夜の口の端は緩く持ち上げられる。
 細かい氷片となった苺色を、苺型の硝子器に盛り付けていく。これだけで飛び切りの味であることは間違いないけれど。
 追撃は止まらない。まあるいアイスクリームを乗せて、ソースで模様を描いていこう。
 合間に苺――チョコペンで顔を描いた特別製をメインにしよう――を飾り付けたら、いよいよ完成。
 あまりに素晴らしい希夜の調理風景に、フルーティートリオはすっかり見入っていた。むしろ既にテーブルについてスプーン片手に待ち構えている。オブリビオンとしての矜持? そんなものはない。
「ねぇねぇ、料理初めてだったんだけど上手くいったと思わない?」
 問いと共にそっと差し出したそれは、絢爛の苺がきらめく特製苺かき氷。
 ひと匙で心に染みる、魅惑の一品。
「特製苺かき氷、召し上がれ?」
 希夜が差し向けたその影に、ガジェットが潜んでいようとは――すっかり堪能する気満々のフルーティートリオは知る由もない。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アンリエット・トレーズ
エッ
いちごを食べていいというわけではないのですか…?

……
いえ、勿論アンリエットはわかっていました
何せアンリエットは賢いですからね!
いちご…
つまみ食いははしたないですし…

仕方がありません
アンリエットは遺憾ながらお料理上手というわけではありませんから
スムージーとやらを作りましょう
飲み物がある方が嬉しいでしょう?
いちごとヨーグルトと蜂蜜をミキサーにかけます
グラスに入れてミントを飾るとなんと!
美味しそうに見えるのです!
ついでにスライスしたいちごをちょっと飾ると可愛いですね
実はアンリエット、お料理上手なのでは…?


飲みました?
美味しいですか?
そうですか
アンリエットもいちごが食べたかったんですよ!
えい!




 顔面蒼白。
 アンリエット・トレーズ(ガラスの靴・f11616)が口元を押さえ、おののきながら宣った。
「エッ。いちごを食べていいというわけではないのですか……?」
 ……。
 …………。
 沈黙が落ちる。フルーティートリオの収穫の手が止まってしまうくらい、たっぷりと。
 小さく笑みが零れる。やれやれ、と言いたげにアンリエットはかぶりを振った。今回、味わう側ではなく調理する側に回るということは、きちんと把握している。悠然と胸を張る。
「いえ、勿論アンリエットはわかっていました。何せアンリエットは賢いですからね!」
 ちらっ。
 空と海のあわい映す双眸が、もの言いたげに向かうのは籠にたくさん盛られた苺。
 苺。
 いちご。
「いちご……」
 声に出ていた。つまみ食いははしたない。淑女としては許されない。
 咳払い。仕方がない。食べるのはひとまず脇によけておこう。
「アンリエットは遺憾ながらお料理上手というわけではありませんから」
 そう、誠に遺憾ながら。
 腕をまくって宣言する。作るものは既に決まっていた。
「スムージーとやらを作りましょう」
 とやら。その三文字に、何で曖昧なんだと一瞬レモン怪人が訝しげな顔をしたがスルーしておく。
 材料となる苺を選り抜きながらレモン怪人に問うた。
「飲み物がある方が嬉しいでしょう?」
 そうでしょう、そうですよね? と言わんばかりのアンリエットの声に思わず頷くレモン怪人。
 材料は苺とヨーグルトと蜂蜜。ミキサーにかけてグラスに注ぎ、ミントの葉を一枚飾るとなんと。
「なんと! 美味しそうに見えるのです!」
 レモン怪人が律儀に拍手を贈る。意気揚々と首肯し、アンリエットはスムージーにスライスした苺を飾る。可愛い。
「実はアンリエット、お料理上手なのでは……?」
 ハッ――犬耳がぴこんと動いた。顎に手を添え真顔で嘯く。その間にもスムージーを喉に落とすレモン怪人。
 その様子を実は抜かりなくチェックしていた娘の瞳がきらりと光る。端的に尋ねる。
「飲みました?」
 頷く。
「美味しいですか?」
 頷く。
「そうですか」
 それじゃ仕方ないですねとばかりにアンリエットが竜の舌思わす触手を控えさせる。
 レモン怪人が気付いた時にはもう遅い。
「アンリエットもいちごが食べたかったんですよ!」
 えい!
 可愛らしいかけ声だったが実際攻撃に容赦はない。
 食べ物の恨みは恐ろしいのだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

オズ・ケストナー
いちごはねえ、そのまま食べてもすごーくおいしいけど
こういうのはどう?

ガラスの器にいちごをたくさん乗せて
スプーン一杯のおさとう
牛乳を入れて
スプーンでいちごをつぶすんだよ
いっぱいつぶしても、ちょっとごろごろしててもどっちもおいしい

つぶしてるとき、牛乳がどんどんいちご色に染まっていくんだ
マーブルもようもきれいだし
くるくるまぜたら
きれいなピンクになるよ
ふふ、いいにおい
ごろっとたっぷりいちごミルク、めしあがれっ

ごくごく飲んでも、スプーンで食べても
すきな食べかたでね
わたし、これすきなんだっ

おいしいって言ってもらえたらうれしいけど
食べてるうちに
ごめんねって攻撃
スイカもレモンもリンゴもおいしいけど
たおさなきゃ




 フルーティートリオが収穫した苺を一山、籠に入れて抱えながら、オズ・ケストナー(Ein Kinderspiel・f01136)は尋ねてみる。
「いちごはねえ、そのまま食べてもすごーくおいしいけど」
 こういうのはどう?
 そんな風にオズが取り出したのは硝子の器。へたを取った苺をたくさん盛り付ける。
 砂糖はスプーン一杯。
 牛乳はたっぷり注ぎ入れる。
 そしてスプーンの腹で苺を丁寧に潰していく。
「いっぱいつぶしても、ちょっとごろごろしててもどっちもおいしい」
 まるで小さい子に絵本を読み聞かせるようなのんびりとした口吻。いつの間にやらフルーティートリオはオズの近くに寄ってきて、聞き入っては興味深げに相槌を打っている。
 苺を潰していくたびに、真っ白だった牛乳が徐々に淡いピンクに染められていく。
 こうやっていちご色になるんだよとのオズの説明にフルーティートリオも見入っているようだ。
 最初こそ苺の淡紅と牛乳の白のコントラストが鮮やかなものの、境界が柔らかく溶けていくみたい。
「マーブルもようもきれいだし、くるくるまぜたらきれいなピンクになるよ」
 こんな感じ、と示すようにスプーンでひとまぜ。
 すると桜が咲き綻ぶように薄紅が広がっていく。おお、なんて小さな声は恐らくスイカ怪人によるもの。
 漂う甘い香りに「ふふ、いいにおい」なんてキトンブルーの双眸を緩めてみたりして。
 トリオだから三人分。ことりと硝子の器を差し出した。苺のコースターのおまけ付き。
「ごろっとたっぷりいちごミルク、めしあがれっ」
 いただきます、なんて揃った声が聞こえたとかどうとか。
 怪人それぞれが徐々に啜ってみたり、スプーンで掬ってみたり、傾けて一気に喉に落としたり。
 様々な飲み方がされているけれど、オズはそれを咎めたりしない。むしろ推奨。むしろ嬉しい。
「すきな食べかたでね。わたし、これすきなんだっ」
 オズの溌剌とした笑顔が灯る。
 つられてフルーティートリオも和やかな雰囲気になる。収穫のことなんてすっかり忘れたようで、もう一杯飲みたいなどとやんややんやと寛いでいる。
 けれど。
「ごめんね。スイカもレモンもリンゴもおいしいけど、たおさなきゃ」
 だからバイバイ、苺の夢を見られるといいね。
 オズの指先からガジェットが疾駆するまで、もう少し。

大成功 🔵​🔵​🔵​

東雲・咲夜
成程、苺をつこて美味しいもんを作ればええんやね
料理は自信がありますさかい
お任せくださいな

ぷっくり光沢の綺麗な苺を選んで
ぎょうさん減らさなあきまへんし
苺ソース、それから苺大福にしましょ

弱火で苺と砂糖をじっくり煮詰めましょう
おいしくなぁれ…召し上がるひとの笑顔を思い浮かべ
ようやわらかくなれば
瓶に詰め冷やしておきます

上新粉とお砂糖、お水をまぜまぜこねこね
お餅らしい感触になったら幾分かに千切り
苺をくるんだこしあんを包みます

さあ、たんとおあがりやす
お持ち帰り用の苺ソースもありますえ
スコーンやヨーグルトに合いますよ

隙を見て属性攻撃で水の矢を降らせます
食べてくれはるひとを攻撃するんは
心が痛みますね…堪忍よ




 長い髪を纏めて、東雲・咲夜(桜歌の巫女・f00865)も準備万端。
「成程、苺をつこて美味しいもんを作ればええんやね。料理は自信がありますさかい、お任せくださいな」
 腕まくりをして、まずは収穫されたばかりの苺たちに向き合おう。ぷっくりした、光沢が綺麗な苺を選別していく。
 苺に関するレシピといえば咲夜の中にもいくつかレパートリーが存在しているけれども。
「ぎょうさん減らさなあきまへんし。苺ソース、それから苺大福にしましょ」
 順当に決定。鍋を弱火にかけ、苺と砂糖をじっくり煮詰めていこう。
 水分は苺自体が持つそれで十分だから、焦らずゆっくり様子をみていくのが一番大事。
「おいしくなぁれ……」
 これを口にする人の笑顔を思い浮かべながら、おまじないめいた囁きを落とす。いつの間にかフルーティートリオも興味を引かれたようで、煮詰まる鍋をじっと見詰めている。
 くたくたに柔らかくなったのを確認したら、粗熱を取った後瓶に詰めてひとまず冷蔵庫。冷えるのを待てば苺ソースの出来上がり。
 その間に苺大福の準備も始めよう。咲夜が手早く材料に手を伸ばす。
 上新粉と砂糖、水を丁寧に混ぜ捏ねしていく。手触りが餅に近い弾力を感じさせるようになれば、食べやすい大きさに千切っていくことにしよう。
 そこに苺を芯にした漉し餡を包む。
 小奇麗な器に載せて、そっとフルーティートリオの眼前に差し出した。
「さあ、たんとおあがりやす」
 咲夜の声が合図になった。わっと歓声上げるように怪人たちが苺大福を頬張っていく。ほくほく顔なところを見ると、味も気に入ったのだろう。
「お持ち帰り用の苺ソースもありますえ。スコーンやヨーグルトに合いますよ」
 何という抜かりのなさ。硝子瓶に詰めた苺ソースはルビーを煮詰めたようなきらめきに満ちている。
 すっかり苺を堪能し、完全に収穫を忘却しているらしきフルーティートリオに、そっと差し伸べられるは水の鏃。
 咲夜は口許に手を添えながら、残念そうな吐息を零す。
 たとえオブリビオンであっても、手製の菓子を食べてくれる相手を攻撃するのは気が咎める。
 けれど、藍の瞳が逸らされることは終ぞない。
「心が痛みますね……堪忍よ」
 水流の矢が、苺を満喫するフルーティートリオを地に縫い付けるように注いでいった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

花剣・耀子
いちごはすきよ。とてもすき。
あまり凝ったものは作れないのだけれど、
素朴なおやつくらいなら。

コンポートにしましょうか。
よく熟れたものを摘み取って。
きれいに洗ってへたを取ったら、お砂糖と一緒に弱火でことこと。

コンポートの魅力は、作っている最中からなのよ。
甘くなっていく空気。鮮やかに戻る色。
どうやって食べようかなと考える時間。
それに、……ねえ、出来たてのつまみ食いは、特権だと思わない?
おひとついかが、と、塩気のあるクラッカーに乗せて怪人に差し出しましょう。
気に入るようなら柔いパンも、王道のヨーグルトも。
アイスだって美味しいわ。

食べている隙に斬るわね。
怪人以外は巻き込まないよう、重々注意しましょう。




 猟兵たちによって彩り豊かな苺レシピが披露されていく。
 だから自分にも、きっと出来るはず。花剣・耀子(Tempest・f12822)はエプロンをつけて向き直る。
「いちごはすきよ。とてもすき。あまり凝ったものは作れないのだけれど、素朴なおやつくらいなら」
 出来る範囲で美味しいものが作れたらいい。
 故に耀子が作ることにしたのは、シンプルなコンポートだ。
 フルーティートリオが収穫した苺の中から、よく熟れたものを選り抜いて。綺麗に洗ってへたを取り、そのまま鍋に敷き詰めて砂糖と一緒に弱火で煮よう。
 くつくつ、ことこと。
 苺自体の水分が染み出て、同時に柔らかい香りが漂ってくる。
「コンポートの魅力は、作っている最中からなのよ」
 耀子が語りかけたのは、収穫の手を休めて調理風景を眺めているスイカ怪人だった。
 甘くまろやかになっていく空気、鮮やかに戻る色。
 そして何より、どうやって食べようかなと考える時間。
 口許に人差し指を添えて、耀子は内緒話の要領で囁いた。
「それに、……ねえ、出来たてのつまみ食いは、特権だと思わない?」
 出来たてのつまみ食い――なんて甘美な謳い文句だろう。
「おひとついかが」
 そっと耀子が差し出したのは、塩気のあるクラッカーに、今目の前の鍋からスプーンで掬って載せられた出来たてコンポート。
 スイカ怪人に抗う術などあるわけがない。恐る恐るという風情で口に運び、途端に喜色を浮かべた。存外素直だ。
「他にもあるのよ。ほら、」
 お気に召すなら別の趣向も試すとしよう。ふんわり柔いパンはコンポートが染み染みになれば飛び切りの贅沢を味わえるし、王道のヨーグルトは混ぜてマーブルになる色彩が美しい。アイスに添えれば、口の中で蕩ける甘酸っぱさにきっとめろめろ。
 すっかり苺コンポートを満喫しているスイカ怪人。隙がありまくりである。
「さてと」
 食べている隙に斬るわね。
 耀子はさらりと述べる。白刃をそうと手向けてしまおう。
 怪人以外は巻き込まないよう、重々注意の上で――いざ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

泉宮・瑠碧
果物仲間でも、苺に敵対心を持つのだな…

菓子作りはアルダワで便利な調理器具も覚えたし
焼き菓子なら香りも広がるから
収穫中でも気を引き易いだろうか

オーブンを借りる必要があるが
クラフティなら早めに作れるし収穫が終わる前に提供出来るか…
まずは苺でクラフティを作ろう

オーブンを温めながら手早く材料を混ぜる
出来た生地は器に流して苺を埋め、オーブンへ
火の癖が分からないので、様子は見ながら焼こうか

焼いている間に
苺を軽く砂糖で煮て潰し
炭酸を注いで氷を浮かべ、苺のソーダに

焼くと広がる甘い香りは、パンや焼き菓子の醍醐味だな
取り出したら粉砂糖をふって完成

攻撃は精霊祈眼
氷の精霊に願い
収穫に戻らない様に、主に足元を凍らせよう




 フルーティートリオは収穫に励む一方で、猟兵たちの苺スイーツに関心を示しているようだ。反発しながらもつい食べてしまうくらいには、無視出来ない存在ということだろう。
 泉宮・瑠碧(月白・f04280)は苺スイーツに骨抜きにされているリンゴ怪人が、「べ、別に好きなわけじゃないんだからね!!」とばかりのツンデレを披露している様子を見て首傾げ。
「果物仲間でも、苺に敵対心を持つのだな……」
 いや、果物仲間だからこそなのかもしれない。
 ともあれ自分も苺で何かを作らなければと、瑠碧は脳内でレシピを紐解いていく。
 以前アルダワで便利な調理器具も覚えた。収穫の邪魔をしてより注意を惹きつけるという意味では、焼き菓子がいいだろうか。きっと香ばしい匂いが広がるはずだ。
 思い描いたのは苺のクラフティ。
 早めに作れるし、収穫を終えてしまう前に提供が出来るだろう。
 決まれば早い。コンコンでオーブンを取り出して、予熱を開始。生地となる材料を手早くボウルで混ぜ合わせていこう。
 器に流し込んで苺を綺麗に埋めていく。そしてオーブンへ。慣れぬ道具だから些か火の癖が心配だ。様子を見ながら丁寧に火を通していく。
「さて、その間に……」
 瑠碧は余った苺を鍋に投入する。砂糖で煮潰し、ストロベリーソースを作っていく。
 グラスの底に注いで、更に炭酸を流し入れる。氷を浮かべてミントも添えれば、苺のソーダの出来上がり。
 飲み物を準備し終えた頃にオーブンが焼き上がりを知らせてきた。
「……よし、いい感じだ。焼くと広がる甘い香りは、パンや焼き菓子の醍醐味だな」
 オーブンから取り出されたクラフティはカスタードにも似た甘い香りを漂わせている。ついついスイカ怪人とレモン怪人が興味を引かれ、収穫の手を止めているようだ。
 粉砂糖をふれば苺のクラフティも完成だ。切り分けて皿に載せ、怪人たちに供していこう。
 わーいとばかりにフォークを進めようとする怪人ら。その足下に氷が迫り行くことに気付かない。
 瑠碧の深蒼たる眼差しが向けられたところを、意を汲んだ氷の精霊が凍結させていく。
 もう収穫には戻れない。
 今度は零下の一撃を、召し上がれ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

火狸・さつま
コノf03130と


収穫された苺を
せっせとコノの元へと運ぶ
コノ、コノちゃん。このくらいで、足りる?もっと?
充分な量を持ってきたら
ちまちまヘタ取り手伝って
綺麗に洗っておく
後はわくわく待つだけ

いいにおい
あまぁい苺のにおい、すき
尻尾揺らしつつ
調理眺め
出来上がりには拍手はくしゅ
ん?俺、も、食べて、良、の???
わぁああい!と大喜びで
いただきます
もっもっ。と頬張れば
お、美味ひ……
おめめきらきらしっぽぶんぶん

ん?なに、フルーティートリオ達も、食べる、の?
コノの料理、美味し、よ

ごちそうさま
食べ終わりと同時にだまし討ち・範囲攻撃・気絶攻撃
雷火からの早業2回攻撃【燐火】
美味しい余韻と共に消え去ると良い
…お片付け大事


コノハ・ライゼ
たぬちゃん(f03797)と

やってやろうじゃナイの
伊達に店やってないわよ覚悟しろ

苺使い放題じゃナイ、と手伝ってくれるたぬちゃんに礼言いつつ
先ずはコトコト煮てジャムに
素材の甘さだけで仕上げるそれとは別に
砂糖とあまーく煮詰めたシロップも
ソレだけでもイイ匂いでわくわくするデショ?

苺を練り込んだタルト生地に
苺ジャムとバニラ入りのカスタードクリームを二層に
更に甘酸っぱさを活かした苺ムースを重ね
真っ赤な苺を満遍なく敷き詰めたら中央には飾り切りの薔薇苺
艶々シロップを丁寧に掛けたら
最後にビターなチョコ細工のリボンを乗せて完成

小さめサイズでたくさん作成
たぬちゃんは勿論、鴇沢クンにも持ち帰ってあげよっか




「やってやろうじゃナイの。伊達に店やってないわよ覚悟しろ」
 コノハ・ライゼ(空々・f03130)は不遜に言い放つ。
 曲がりなりにも無国籍バルで腕を振るう身だ。へたなものを出すつもりはないし、たとえオブリビオンであっても満足のいく苺スイーツにしてみせる。
 その意気を知ってか知らずか、フルーティートリオが摘んだ苺を籠に盛って、火狸・さつま(タヌキツネ・f03797)はせっせとコノハの元へと運ぶ。
 粒揃いの苺たちはつやつやしていて、今にも食べてくれと言わんばかり。
「コノ、コノちゃん。このくらいで、足りる? もっと?」
「大丈夫。いいね、苺使い放題じゃナイ」
 今回さつまはコノハのアシスタント役だ。へたを取り、土汚れが残らぬよう洗い、コノハがすぐに手を伸ばせる位置に鎮座させる。
 ここからはコノハのターンだ。さつまが興味津々という様子で見守る中、慣れた手つきで作業を開始。
 まずはジャムから。鍋に敷き詰めた苺の甘さだけを生かし、じっくりコトコト煮詰めていく。
 それとは別に砂糖をたっぷり投下してシロップも作っておこう。スプーンで掬ってみれば、朱色の雫が細く滴る。
 ふわり香るは甘酸っぱい匂いだ。くんくんと鼻を鳴らしてさつまもご機嫌。尻尾がうきうきを示すように揺れている。
「いいにおい。あまぁい苺のにおい、すき」
「ソレだけでもイイ匂いでわくわくするデショ?」
 思った通り、とコノハは口の端を上げる。そこから先の手際の見事なこと。
 苺を練り込んだタルト生地は仄かに薄桃色がかっている。綺麗なパートシュクレは、それだけ食べてもきっと絶品だ。
 フィリングはカスタードクリーム。苺ジャムとバニラ入り、それぞれで二層に重ねよう。
「更に甘酸っぱさを活かした苺ムースを重ねる……と」
 幾重にも織り成される甘いストロベリーカラー。土台が出来たなら、真っ赤な苺を満遍なく隙間なく敷き詰めていく。
 中央には飾り切りで細工した薔薇苺がおすまし顔。
 先に作った艶やかなシロップをたっぷり満たせば、まるで底に宝物が潜んでいると知らしめるかのようだ。
 最後に、甘さ控えめのチョコレート細工のリボンをあしらえば。
 コノハ特製のストロベリータルトが、満を持して完成した。
 そのままでも綺麗だけれど、ナイフを入れたなら美しい断面がお目見えする。幾重にも奏でられたそれは赤瑪瑙を思わせる。
 どこぞのパティシエかと見紛う程の出来映えに、さつまが拍手喝采を送ると同時、フルーティートリオも万雷の拍手を惜しまない。いつからか収穫の手を止め、すっかり見入っていたようだ。
「じゃあ、実食いこうか。食うデショ?」
「ん? 俺、も、食べて、良、の???」
 さりげないコノハの問いにさつまも大喜び。諸手を挙げて歓迎して、喜色満面の笑みでいただきますを捧げよう。
 タルトは小さめサイズで量は多め。そのひとつをフォークで切り分けて口に運ぶ。もっもっと頬張るだけで魅惑の甘さ、鼻に抜ける香りすら芳醇で、思わずきゅっと目を瞑ってしまう。
「お、美味ひ……」
 目は輝くし尻尾は揺れまくるしで、さつまは実に素直に感激を全身で表現していた。それを見てコノハもふと目元を綻ばせる。
 美味に魅了されたのは勿論、さつまだけには留まらず。
「……、……そんなに気に入る?」
 そういう目的ではあったにせよ、あまりの効果覿面具合にコノハが少し引いた。
 何故ならフルーティートリオは苺への敵対心など完全に消え失せ、タルトを口に運びながらうっとりと蕩けるように身を震わせていたからだ。
 一気に食べるのがもったいないと言わんばかりに、そっと少しずつ食みながら美味しいと感動しているレベルであった。
「そういや持って帰らナイ?」
「!! いいの!?」
 コノハが問えばさつまの感激が倍加する。そういえばグリモア猟兵も興味を示していたようだから、後で差し入れておこうか。
 さて。
 食べて終わりというわけにはいかないのであった。
「ごちそうさま」
 さつまが手を合わせたのが、その合図。
 今まで苺ジャムのように柔らかだったふたりの眼差しが、不意に厳しいものに変わる。
 そう、お片付けの時間だ。
 すっかりタルトに魅入られていたフルーティートリオは弱体化も甚だしかったとは、さて誰のコメントだっただろうか。
 仔狐の形を成した狐火が蒼く燃えさかる様は、苺の赤と対比となって美しかった。




 猟兵たちの尽力あって、このエリアからフルーティートリオは漏れなく駆逐されていった。
 ザ・ステージの奪取のひとつの足がかり。
 それは苺のように甘くはないから、軽やかに次へ進むとしよう。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年05月04日


挿絵イラスト