0
砦の猟兵

#アックス&ウィザーズ

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#アックス&ウィザーズ


0




「――敵襲! ゴブリンの集団!」
 不意に、見張り塔から声が上がった。跳ね橋を巻き上げる者、弓に矢をつがえる者、投げる石を見つくろう者、守備隊のおのおのが慌ただしく動き始めた。
 実はそれは、突然というほどの事件でもなかった。アックス&ウィザーズでは、モンスターに襲われる、ということは日常茶飯事でもあったのだ。そのため、襲われる側にもそれなりの準備と心得はあるのが一般的である。
 しかし、今回は事情が違った。襲撃に備えて用意した砦はあらゆる点で不十分で、襲撃者の侵入を防ぐことはままならなかった。何が足りなかったかを顧みる余裕は、砦の者達にはこれっぽっちも与えられなかった。オブリビオンの軍勢は、日を追うごとに勢力を増しているのである。外部的なものであろうと内部的なものであろうと、理由の如何に関わらず、それについていけない者達は、このような転帰を辿るのだ。
「退却! 退却!」
 砦の指揮者が命じた。とうとう持ちこたえられなくなって、砦の守備隊は散り散りに逃げ出し始めた。待っていましたとばかりに、ゴブリン共は砦を蹂躙した。それは人間達にも引けを取らない、高度に組織化された動きであった。予想より多数の軍勢が、砦に襲いかかったのである。
 ほどなくして、砦に火が放たれた。砦から上がる火の手と黒煙は、街からもはっきりと見えた。

「来てくれて助かる。いつもながら、我には貴殿らの力が必要でな」
 グリモアベースの一角で、グリモア猟兵の忍び、壇之浦・叢雲は猟兵達を歓迎した。大机に、周辺の地図を荒く描いた図を広げて、彼女は説明を始めた。
「今回の任務は、砦の守備隊になりかわり、ゴブリン共から砦を防衛することだ」
 図面には、砦、街の位置、襲撃の方向が記されていた。砦は丸太を組んで建てられたもので、詰め所のほか、防壁、跳ね橋、見張り塔などが備わっている、きわめて一般的なものである。立地もやや高い土地にあるため、見通しは悪くない。
 叢雲の予知はこうだ。アックス&ウィザーズのとある街を防衛する要として、その拠点――砦は構築された。外敵にはそれなりの防御力を発揮できるはずだったその砦が、オブリビオンの軍勢に陥とされてしまう――。その後の展開は想像に難くないものであるが、彼女の口から語られることはなかった。
「我が視たかぎり、敵勢はゴブリンだけではなさそうだ。――おそらく、より強大な存在が敵勢を率いていると考えられる」
 叢雲には、敵勢が優勢のまま砦を攻略してしまったため、指揮するオブリビオンを予知することはかなわなかった。彼女はそこで、軍勢の全体を撃退する作戦を、猟兵達に示した。
「我が話したとおり、今のままでは、ゴブリン共の襲撃に耐えられない。……そこでだ、貴殿らには、まず砦の防御力を高めてもらいたい」
 砦の増強の基本は、建材集めである。UDCアースにあるようなコンクリートや鉄骨は存在しえないが、砦の周辺で採れるものは、石材、木材のほか、それ以外にもあるだろう。叢雲は立て続けに説明した。
「なあに、襲撃までは、じゅうぶんな時間がある。入手する手段は様々だが、いくらあっても足りないということはない。街の住人達の今後のためにも、それを踏まえて防衛にあたってほしい」
 猟兵達が構築し直した砦は、いずれアックス&ウィザーズの人々の支えとなることだろう。そのためにも、砦は壊されてはならないと、叢雲は強調した。サムライエンパイアの忍びにも砦は馴染み深いものであるためか、その重要性にいささかこだわっているようであった。
「砦がしっかりしてさえおれば、ゴブリンの軍勢など恐るるにたらん。目標は、その裏にあるオブリビオンだ。しっかりと引きずり出して、撃退してくれ」
 ひとしきりの説明が終わると、叢雲は猟兵達に視線を巡らせた。そして、忍者装束では隠しきれない肢体を振るって、彼女は猟兵達の転送を始めた。


ややばねねねや
 今回は、アックス&ウィザーズでの冒険となります。
 転送後に街で依頼を受け、猟兵達に砦を明け渡されたところからシナリオは始まります。まずはじめに冒険⛺で砦を強化し、その後集団戦👾・ボス戦👿で敵勢の襲撃があります。
 一応の目安として、ゴブリンの軍勢は大まかに40体強程度にイメージしてください(🔵が4体程度です)。それを退ければ、やがてボスが現れるでしょう。ボスを撃退するのが今回の目的です。
 それでは、猟兵の皆様の参加をお待ちしております。
8




第1章 冒険 『砦の素材集め』

POW   :    洞窟から有用な岩や鉱石を大量に掘り出し、気合で運び出す。

SPD   :    敢えて危険なモンスターの跋扈する地に赴き、身を隠しながら落ちている竜鱗や竜骨を拾い集める。

WIZ   :    森や草原にて高い粘性を持った草や強度の優れた木材などを見定め、それらを集める。

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

宿木・禅
星噛式と共に行動
SPDで対応

「やれやれ、人使いが荒い奴じゃの。効かないからといって痛くないやけじゃないんじゃがのう」

ブツブツと愚痴を言いながら無敵城塞を発動させ全ての敵の注意を引きつけ不動の体制をとっている。

多くの怪物が攻撃を仕掛けてくるが避ける様子もなく正面から受け止めいなしている。それも無傷で

「まぁ、今回の依頼はわしが囮をした方が素材を多く集められるとは思うが、なんともなぁ」

無理やり彼女に囮を押し付けられた形になり愚痴を言っているが本気で言っているわけではない

禅と式の間に絆があるからこそ式は安心して素材を集めることができる

「さてさて、いつまで持ちこたえた物かのぉ」


星噛・式
宿木禅と共に行動
SPDで対応

「ブツブツ言ってるなぁ、すまん爺さん、損な役回りさせちまってなぁ」

禅が怪物を引きつけてくれている間にクリスタライズにて姿を消し素材を集めていた彼女は申し訳なく思っていた

今回、姿は消しているが気配や音は消し切ることが出来ないため人間ならまだしも直感的に動く怪物相手には部が悪いためどうしても囮が必要だった

「別に全員まとめて倒してもいいが、流石にこの量はしんどいしなぁ」

実際2人でやれば倒せないことはないが彼女も禅も無駄な血を流すのは好きではなく。切るのは悪のみと誓っている2人である

怪物といえど容易に斬る気にはならない

「できるだけ素材集めたいし、すまん爺さん頑張ってくれ」



星噛・式は思案して、砦の増強にモンスター由来の素材を用いることに決めた。アックス&ウィザーズのモンスターも、人間達が手を出しさえしなければおとなしい、いわゆる『善良な』種類も多いのである。積極的に人々を襲うようになったのは、オブリビオンが現れてからのことだ。
 砦の周辺にも、温厚なモンスターの生息地がいくらか残っていた。式はそのいくつかを見繕い、足を伸ばした。しかし、素材集めのためとはいえ、縄張りに侵入することには変わりはない。そこで彼女は、仲間の力を借りることにした。
「――やれやれ、人使いが荒い奴じゃの」
 そうぼやいたのは、宿木・禅である。彼は式の意向で、囮役を務めることになったのだ。彼は、周囲のモンスターに目立つ場所に陣取って、縄張りを荒らしていることをしきりにアピールしていた。
「効かないからといって、別に痛くないわけじゃないんじゃが」
 禅の身体は、ユーベルコードによって超防御モードへと変化していた。縄張りを荒らされて怒りに満ちた、周囲のモンスターの攻撃に対しては完全に防御できていたが、その攻撃に晒されること自体は、気分がよいものではない。自身が身動きできないとあれば、それはなおさらだった。
「きっとブツブツ言ってるなぁ、すまん爺さん」
 禅のお蔭でうまく隠れおおせた式は、心の中で彼に詫びた。彼女もまた、ユーベルコードを使い自身を透明にして、手早く素材を集めていた。式のユーベルコードは、完全にモンスターに認識されなくなるわけでもなく、かつ疲労が早くなってしまう。事を荒立てたくない彼女にとって、やはり禅の手助けは欠かせないものであった。
 式が集めているのは、主に化石化した大きな骨や、厚い鱗、鋭い牙などである。これらは、すでに斃れているモンスターのなきがらから、容易に手に入るものであった。もちろん能力的には、猟兵のふたりが揃えば、襲い来るモンスターを狩って素材を集めることも簡単にできただろう。しかし、それは式と禅の本意ではなかった。このふたりの誓いにおいては、斬るのは悪のみに限られる。今回のモンスターは、それには含まれなかった。
「さてさて、いつまで持ちこたえたものかのぉ」
 次から次へとひっきりなく詰め寄るモンスターを尻目に、禅は遠目に式を見遣った。無理矢理損な役回りを押し付けられた体ではあったが、もちろん、彼は不満を抱いてはいなかった。囮を立てて回収するという式の見通しは、特段的外れな作戦というわけではないし、効率もよかった。何より、式の言うことである。禅には、それ以上の理由を必要としていなかった。
「爺さん頑張ってくれ」
 目の前の素材に集中し、あくせくと素材を集めながら、式は言った。禅のはたらきに応えるのが、彼女の今の役割である。それが、式と禅との絆でもあった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

弐色・御雷
【SPD】
砦の強化か。なるほど、建材集めにしても勉強になることばかり。
己の鍛錬にもなり、なおかつ誰かの役にも立てると言うのなら、やりがいのある仕事に違いない。

・行動
光学式迷彩(迷彩)とアンテナのレーダー(聞き耳)などを駆使して、危険なモンスターを避けつつ建材を集める。
必要があれば暗がりの探索にも赴こう。暗視機能が役に立つはずだ。
なるべく戦闘行為は避けて目立たないよう単独行動を取りつつも、近くにほかの猟兵がいれば適宜協力行動を行う。

建材…にはあまり詳しくないが、勘は良い方だと自負している。
有用な建材をたくさん集められるとよいのだが。


イデア・ファンタジア
まず『空色の空』で辺り一帯を霧に包ませるわね。
それから草の汁を絞って服や体にこすりつけて、迷彩と臭い消しにするよ。
これで視覚と嗅覚の対策はばっちり!
後はじっくりと良い素材を拾っていきましょ。
でも音は消せないのよねー……静かにしなきゃ。
熱も消せないし……蛇とか出たら嫌だなぁ。



弐色・御雷とイデア・ファンタジアもまた、モンスターの縄張りで素材を集めようと画策していた。隠密行動であればできるだけ単独が望ましいが、それぞれの能力を使い相乗効果を狙ったのだ。ふたりは、徹底的にモンスター達から目をくらませる作戦をとった。
「空想者より愛を込めて、その姿を描き出そう! 君の名は――霧!」
 最初に、イデアのユーベルコードで、周辺の天候を描き換える。彼女が空に描きつけた霧は、目の前の視界すら濃密に遮り、ふたりの身を隠した。それに加えて、イデアは周囲の草葉を使い、自身にカモフラージュをほどこした。バーチャルキャラクターにあるのかどうかは定かではなかったが、草の汁も塗って臭いをごまかせば、完成である。
 芸術家肌のイデアの様相を、御雷は奇異の目で眺めていた。彼は精悍な身体のラインがよくわかる、光学的迷彩のスーツを着て周囲の目を欺こうとした。そして、頭にはネコミミ型通信装置を装備している。――むろん、イデアにしてみれば、この機能的な装備も奇妙に見えるのだが。
 ふたりは、音以外に関してはおおよそ隠蔽できていた。モンスターに近づかれさえしなければ、襲われる心配はなさそうである。その点については、御雷のネコミミアンテナの能力が頼りであった。
「あれがよさそうじゃないか?」
 周囲に何もいないことを確認し、御雷が言った。近くには、生き残りの争いに敗れ、風化しつつあるモンスターの遺骸が横たわっていた。
「じっくりと集めましょう。……静かにね」
 慣れないながらも、ふたりはモンスターの解体を始めた。さすがに精肉のように華麗な手さばきとはいかないが、分解も進んでいたようで、苦労は予想したほどのものではなかった。
 分厚い毛皮、しなやかな腱、硬いスパイクなどを集めたところで、しかし、御雷のアンテナが異変を捉えた。敵だ。
 御雷がさらに聞き耳を行い、近づいてくることを確認する。彼の見立てでは、敵はおそらく地面を這い、足がないモンスターだった。イデアは焦っていたが、御雷は至って冷静であった。
「蛇じゃないかな……どうしよう?」
「あっちだ。洞窟がある」
 素早く洞窟に移動すると、御雷は聞き耳を立てた。洞窟は広々としていたが、大きなモンスターの気配は見られなかった。ここにも、素材があるかもしれない。ふたりの勘はそう告げていた。
 イデアが洞窟の壁に空を描くと、ユーベルコードの力によってそこから日光が漏れ差した。その明かりと組み合わせて、御雷が暗視機構を駆使する。洞窟は人目に触れることなく、長い間ふたりを待っていたようだった。
「――すごいね」
「そうだな。これは使えそうだ」
 ふたりは思わず感嘆した。洞窟の奥で猟兵を待っていたのは、太古に滅びた古代竜の骨格である。命はもう絶えていたが、いくぶんの魔力を帯びたままであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ドリスコ・エボニス
砦などは強固であって損はないからな
それに長く使えるからな

力仕事なら任せてもらおうか
洞窟から岩石や鉱石を掘っていくぜ

オレ一人だと持てる量の限界があるから
ライオンライドで呼び出したライオンにも荷物をもってもらう
そうやって多くの素材を運んでいくぜ

砦の強化にはどこを強化したら効率が良いかとか被害を押さえられるか
地形の利用や戦闘知識を生かしていくぜ


スキマ・クッロ
建材集めなら運搬も大変だろう。ボクは【ライオンライド】で黄金のライオンを召喚して素早く沢山のものを運べるよう努めよう!

それにしっかりした砦……か。火の周りを防ぐように石の防壁を作る、もしくはすぐに消火できるように防火用水を貯める池を作ろうか。スペースがあればの話になるがにゃ!
砦を囲むように水堀か深い落とし穴を掘っておくのも悪くはないな。落とし穴なら周りに気付かれない様な細工を施すとよいだろう。

できる範囲で他の猟兵諸君と協力して砦の防御を固めようと思う。サポートできるところはどんどんボクを使って欲しいにゃ!

アドリブ・絡み歓迎です。



ドリスコ・エボニスとスキマ・クッロは、示し合わせて黄金のライオンを呼び出し、荷運びに当たらせることにした。ライオンはロバなどと違って背中が安定しないが、荷車を曳かせることにより、その大きな体格を活かすことができた。
 力仕事なら任せてくれ、と体格に恵まれるドラゴニアンのドリスコは、積極的に重い素材を積み上げていった。石材は街からほど近い石切場、丸太は木こり小屋と、斧とつるはしを振るって、ライオンと一緒に建材をかき集めた。
 建築物の耐久力は、単純に躯体の頑丈さで決まる。ここアックス&ウィザーズでは、頑丈さは、すなわち重さでもあった。砦のような施設は、頑丈で長持ちするに越したことはない。オブリビオンの襲撃が頻発する現状では、それはなおさらであった。ドリスコにとって、いくさ用の砦は馴染み深く、それだけに意気込みもひとしおである。
 ドリスコなみに立派な身体、というわけでもないスキマは、おもに燃料用の木炭と薪を運ぶことに決めた。駐屯のために火の種は欠かせず、また攻撃のためにも使える。食料や武器と同じく、このような備蓄も砦の防御力を決定する重要な要素のひとつであった。彼は街の人々から分けてもらうだけでなく、みずから焚き付けを集めに野山を奔走していた。
 猟兵達の尽力で、次々と砦に資材が集められていった。もちろん、集めるだけ集めて終わる猟兵ではない。これを組み合わせてこそ、オブリビオンの襲撃に長い間耐えうる拠点となるのである。
 砦の構造については、戦場での経験が豊富なドリスコに、一日の長があった。彼は地形の妙も考え、補強の位置、矢窓の開け方など工夫していった。
「これはどこに持っていけばいいかな?」
 持ってきた大量の資材を抱えて、スキマは尋ねた。ドリスコは、考えを巡らせると、てきぱきと彼に場所を伝えていった。
「炭は倉庫でいいだろう。湿気ないような場所に集めて置いてくれ。薪もそこに――、いや、そうだな、見張り塔にかがり火とたいまつが欲しいな。道具と材料を持ってきてもらえるか? すぐに火を熾せるようにしてくれ」
「はいにゃ、ボクにお任せ!」
 かがり火には鉄の籠、たいまつには樹脂や油、布などが必要であった。それを調達するため、スキマはまた勢いよく砦を飛び出した。
 猟兵が慌ただしく動く砦内を眺めながら、ドリスコは砦の防御に漏れがないか、考えを巡らせていた。計画が完璧ならば、オブリビオンの軍勢も、砦に侵入させることなく撃退できるはずだった。むろん、守備隊である猟兵が砦から打って出て戦うことも、彼は視野に入れていた。
 スキマの案である、砦の周囲に堀を設けると、最終的に、砦は以前より著しく強固なものとなっていた。あとは、予知の通りに、オブリビオンがのこのこ現れるのを待つだけだった。
「――オレにはこれしかないからな」
 整えられた砦の張り詰めた雰囲気に、ドリスコは密かに血のざわめきを感じた。戦いの時間が、再び近づいていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 集団戦 『ゴブリン』

POW   :    ゴブリンアタック
【粗雑な武器】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    粗雑な武器
【ダッシュ】による素早い一撃を放つ。また、【盾を捨てる】等で身軽になれば、更に加速する。
WIZ   :    足払い
【低い位置】から【不意打ちの蹴り】を放ち、【体勢を崩すこと】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

立花・桜華
ゴブリンの後にも敵がいるようだね。油断せずいくよ
可能なら皆で連携して確実にかつ素早く倒していく

【落武者との集団戦】
先ずは先制攻撃として投擲用ナイフを敵へ投擲して攻撃、隙を窺うよ。毒使いとして毒をナイフに付与
その後は残像によるフェイントを交えつつダッシュを用いて高速移動を行う
一気に敵の懐に飛び込めたら鬼震脚(ユーベルコード)で攻撃を仕掛け、周囲の敵ごと敵の足場を粉砕するよ!
「羅刹の力見せてあげる!」
敵の行動を止めたら怪力による拳や蹴り技等の打撃とサムライソードによる剣刃一閃での斬撃で戦うよ!

第六感と野生の感を用いて敵の行動を予測し回避またはダメージの軽減を狙う
敵は多数、どんどん倒していこう!



「――敵襲! ゴブリンの集団!」
 見張り塔で誰かが叫んだ。砦内がにわかに色めき立ち、猟兵達は慌ただしくいくさの準備をし出した。弓を持ち見張り塔に登るもの、砦から出て迎撃に向かうもの、防御を固めた砦の士気は、じゅうぶんに高かった。
 立花・桜華も、そのうちのひとりであった。彼女は、堰を切ったように跳ね橋を越える猟兵の集団にいた。ゴブリンの尖兵を受け止める、防衛隊の先鋒だった。
「ゴブリンのあとにも敵がいるようだけど、どんどん倒していこう!」
 味方を鼓舞するように、桜華は鬨の声を上げ、彼我の距離を詰めた。双方が激突するまで間もなくという瞬間、彼女が先手を打った。投擲用ナイフをゴブリン勢の先頭めがけて投げつけたのだ。
「――当ったりー!」
 ナイフの戦果を確認し、桜華はサムライブレードを握り直した。武器を腰に構えて突撃の姿勢をとっていたゴブリンは、ナイフを太ももにもらい、そのまま転倒した。そして、後続に無遠慮に踏みつけられて、それは軍勢へ呑み込まれた。放っておいても、ナイフの刃に桜華があらかじめ塗っておいた毒によって、かのゴブリンが落命するのは時間の問題だった。
 双方の軍勢が激突し、白兵戦が始まった。敵味方入り乱れての乱戦となったが、桜華は直感で状況を判断し、正確に敵の動向を捉えることができた。誰が自分に向かってくるのか、また誰が自分に隙を見せているのか、桜華の感覚は鋭く彼女に伝えていた。
 そのためか、襲いくるゴブリンの攻撃も、桜華の残像をかすめるだけだった。粗雑な武器はあくまで粗雑。彼女達猟兵の洗練された武器とは、はじめから使い勝手が違っていた。
「束になって、かかってきてもいいよ?」
 敵勢をあしらいつつ、桜華は、ある瞬間を狙っていた。前衛の厚みがなくなり、敵勢のまっただ中に飛び込める隙間ができるその瞬間を――それは、ほどなくしてやってきた。彼女はもちろん、それを逃さなかった。
「ほら、羅刹の力見せてあげる!」
 威勢よく飛び込み、桜華は周りにゴブリンがいる中で、闘気を纏わせた震脚を見舞った。その衝撃は周辺の地面をえぐり、そこにいるゴブリンもろとも大きく弾け飛んだ。彼女のユーベルコード、鬼震脚だ。
「――驚いた?」
 桜華は不敵に笑んだ。周囲のゴブリンの多くが、荒れた地面に尻餅をついて、無防備な姿勢を晒していた。彼女はさらに動いた。
 はたして、この一角は桜華の独擅場となった。サムライソードの一振り一振りが、ゴブリンを正確に斬っていった。逃げようとするゴブリンには、素早く追いすがって、渾身の蹴りでのした。転がるゴブリンの死体に囲まれ、彼女は満足すると、猟兵の援護へ向かっていった。

成功 🔵​🔵​🔴​

鬼島・華月
皆さんが築き上げた砦……有効活用させていただきましょうか

【対ゴブリン戦】
メインは弓矢での遠距離攻撃で戦うとするわ
援護射撃として千里眼射ちを用いて敵へ攻撃、味方をサポートする
特に味方の不意を突こうとする敵を最優先に狙う
敵の数は多数だけど、1体1体確実に倒していきましょう
「この一撃は外さないわ。射ち貫け!」
敵が私のところまで接近してきたら残像によるフェイントを交えて攻撃を回避、剣刃一閃での斬撃で戦う

敵のゴブリンの軍勢は統制が取れているみたいだけれども、小隊長的なゴブリンがいるのかしら?
指揮を執っている動きをしている敵がいたら弓矢での狙撃をしている、統率の乱れが生じたら儲けものね


弐色・御雷
誰かが敵襲を告げる声を聞き、他の猟兵たちとともに砦から飛び出してゴブリンたちを迎撃する。
攻撃型のサイボーグゆえに、防衛戦はあまり得意ではない。
砦内部は味方が密集しているだろうから、広い場所の方が戦いやすいだろうと判断した。

◆戦闘
敵の群れに素早く斬り込み、何体かを引きつけて他の猟兵から離れたらユーベルコードで一気に勝負をかける。
建材集めの際にやむなく戦闘を行ったためか真の力が解放されつつあり、全身に紫電を纏って敵の間を駆け抜ける。
残像で敵を翻弄すれば、動揺した敵の攻撃は簡単に見切れそうだ。

「この砦を落とさせはしない!」
鞭のようにしなる雷光の狭間で、真紅の双眸が敵を睨み据えた。



同じ頃、鬼島・華月と弐色・御雷もまた、ゴブリンとの白兵戦に身を投じていた。ふたりは、密集した戦場ではなく、隙間の空いた部分を好んだ。御雷にとっては、高周波ブレイドを味方に気兼ねせず、存分に振り回せる空間が、また華月は、ロングボウで放った矢の威力を確保できるだけの、じゅうぶんな射程が欲しかったのだ。
「この砦を、もう落とさせはしない!」
 攻撃特化として造られたサイボーグである御雷であったが、こうして野戦となってしまえば、防衛も攻撃もたいした差はない。目の前に現れるゴブリンに、大小のブレードで斬りかかっていくだけであった。
 鮮やかな剣舞を見せる御雷と対照的に、華月は狙い澄ました一矢をもって、ゴブリンを翻弄していた。めまぐるしく移り変わる状況に応じ激しく駈けてはいても、上体は静かに堅実に弓を引き、その狙いは、けしてぶれることはなかった。
「1体1体、確実に――ね」
 華月の照準は、まさに正確無比であった。10秒間集中しなければならないことは、けして簡単なものではなかった。しかし、それさえ目をつぶれば、ユーベルコードの力によって、彼女の矢はゴブリンへと吸い込まれていく。当然のことのように、彼女は防御のことも忘れてはいなかった。ダッシュからの接近をゴブリンに許したとしても、その剣は、華月の残像ばかりをむなしく斬るのみである。
「ゴブリンの軍勢は、統制が取れているみたいだけれど……」
 目の前のゴブリンを片付けると、戦況を大まかに確認し、華月は御雷に伝えた。ゴブリンの軍勢は、粗こそあれど有象無象の集まりではなかった。彼女は、組織化された人間の軍勢を思い浮かべながら話していた。ゴブリンの中でも、隊を統率する者がいるのかもしれない。
 そうかもな、と、御雷は頷き、答えた。
「それならば……俺がみんなの前に引きずり出してやろう」
 御雷はブレードを構え、力をためる。いくさの喧騒の中でも、彼の真紅の双眸は、向かうべき敵の居場所を揺るぎなく見据えていた。
「通信遮断……感覚遮断……全機能を攻撃に集中……ゆくぞ」
 御雷の発する駆動音が、ひときわ高く響いた。次の瞬間、雷光が弾けたような鋭い旋風が、ゴブリンの集団を次々と斬り伏せていった。彼のユーベルコード、壱ノ切によって奏でられる狂神楽は、とどまることなく目標を捉え、屠った。
 攻撃特化のユーベルコードに、その隙を狙う影があった。御雷の動きは途中で修正が利きにくく、突然の変化には対応できない。そこに増援のゴブリンが感づき、襲いかかろうとしていた。
 しかし、そのことは猟兵達もわかりきっていた。大技の隙を見せてあぶり出そうと目論む、ふたりの思惑通りにことは運んだのだ。
「……やっぱりね。でも、この一撃は外さないわ」
 それは、集団の中からすでに華月が目を付け、じっくりと様子を窺っていた1体であった。動きも、見た目も、他のゴブリンとは一線を画していたからだ。何体いるかは分からないが、これが小隊長だろう。
「射ち貫け!」
 狙い澄ました華月の矢が、当のゴブリンの眉間を撃ち抜いた。それはもんどり打って派手に倒れた。案の定、周囲のゴブリン達のあいだに動揺が広まったように、彼女には見えた。
「助かった。ありがとう」
「――い、いいえ、どういたしまして」
 急に礼を言われた華月は戸惑ったが、それは大勢に影響しなかった。彼女は素っ気なく振る舞うと、再び、矢をつがえ戦闘に集中した。
 戦力を削がれたゴブリン達の統率は、緩み始めていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ドリスコ・エボニス
おーおー団体さんがお出でなすった
死をもってお引き取り願おうか

迎撃に出るのもいいが
今回は見張り塔に登って弓矢で攻撃していくぜ
折角だ、毒使いとして矢じりに毒を塗っておく
主に仲間への二回攻撃の援護射撃かな
戦闘知識や野性の勘を生かし、なによりスナイパーの腕を見せてやるよ
戦闘に邪魔になりそうなヤツや奇襲しそうなヤツを狙っていくぜ
仲間から離れているヤツには爆裂矢射ちで攻撃していく
「矢のプレゼントだ。遠慮すんなよ」



ドリスコ・エボニスが見張り塔に立って戦場を俯瞰すると、ちょうど彼我の軍勢が激突するところだった。数ではやはり、猟兵側が劣っている。うんざりしたように彼は独りごち、小型軽量戦闘弓を構えた。高所からの射撃のため、これでも射程は戦場をカバーするのにじゅうぶんだった。
「……団体さんがおいでなすった」
 ドリスコは矢を2本手に取り、立て続けに、矢をつがえ放った。彼の矢は別々の軌跡を描き、それぞれゴブリンへと刺さった。もちろん彼は、駄目押しで鏃に毒を塗っておくことを、忘れなかった。
 それで満足することなく、ドリスコは矢を放ち続けた。幸いに攻撃が急所を逸れて助かった生き残りを、孤立した猟兵に対して多勢で囲もうとする一群を、めざとく見つけてはひとつひとつ丁寧に潰していった。
 前線では、猟兵達のはたらきにより戦局が味方優位に傾きつつあった。同じことをもうしばらく続けるだけかと思っていたドリスコは、密かに退屈を感じつつあった。
「こりゃあ、もう時間の問題だな――」
 注意深く戦場を観察していた彼は、しかし、めざとく異変を発見した。
 もともとこの砦は、丘陵の稜線沿い、小さな峠となる山あいに設置されていた。そのため、砦の正面はなだらかな平地が開け、左右が丘に囲まれた地理となっている。その丘と平地の境目に、川の流れた痕のような大小の岩が転がる窪地があった。
 当初の説明の地図からも漏れ、大部分の猟兵は気付かなかったが、この窪地は砦の近くまで続いていた。そこを動くいくつかの人影を、ドリスコは認めたのだ。
「おーおー、奇襲とは……」
 その人影はまさしくゴブリンであった。数体のゴブリンの別働隊が、直接砦を襲おうと人知れず進んでいた。明らかに、誰かから命令を受けての行動であろう。
「そこまで近づいたご褒美に、オレからのプレゼントだ」
 ドリスコは、ゴブリンを照準して楽しそうに悪い顔をした。そして矢を引き絞ると、彼はユーベルコードを発動させた。
「遠慮すんなよ」
 彼は矢から指を離した。その矢は、ゴブリンの別働隊のうち、重い荷物を抱えている1体に向けて弧を描いた。命中の瞬間、彼は念じた。爆ぜろ。――ゴブリンに矢が突き刺さった途端、矢が爆発した。それはゴブリンの身体を引き裂くだけではなく、その荷物に大きな衝撃を与えた。
 さらに大きな爆発が、ゴブリンの別働隊全員を粉々に吹き飛ばした。ドリスコの予想通り、その大きな荷物は、砦を破壊するための爆発物であった。どこで手に入れたのかは見当も付かないが、ともかくその脅威は去った。
 爆発音を遠くで聞いた猟兵達は、何ごとかと訝しがった。戦場の不安を払拭するために、ドリスコはめいいっぱい喊声を上げた。
「ゴブリンの奇襲は防いだぜ!」
 はたして、猟兵達の士気はいまだ高かった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

触叢・アン
怒涛の如く、宇宙原付で突き抜ける!
上から踏んだり轢いたり背中ドスンしたり。(踏みつけ1/騎乗6/操縦8/鎧無視攻撃5)
通り抜け様に(2回攻撃1)密集地にマシンガン(範囲攻撃5)
敵の攻撃より速く突き抜け戦場離脱…を繰り返すヒット&アウェイ。(逃げ足3/騎乗6/操縦8/地形の利用1…&機体から伸びたワイヤー)
何があろうと決して止まらず
「わしゃ誰も止めれんでぇ」
「オラオラ~、轢~き逃げじゃ~っ!」

気分も戦場もスッキリしたら颯爽と逃げる。轢き逃げる。細けぇ事ぁ気にせず逃げる。
「ほんならのぅ!」

そんな単車のネーチャン
なんかただ轢き逃げしまくっただけの暴走バイクな気がするけどたぶんきっとおそらく気のせい。



猟兵達が攻勢に打って出ようとしたそのとき、砦から飛び出すひとつの影があった。
「ゴブリンはみぃんな、轢いちゃるけんのぉ~っ」
 宇宙原付 牙‐ZOOMに跨がり疾走する触叢・アンである。彼女は騎兵もかくや、というほどのスピードでゴブリンの集団を目指し、アクセルを全開にしていた。新手とその爆音に驚いたように立ちすくみ、彼女を唖然と眺めるゴブリンに、ひたすら突進する。彼女の作戦はシンプルであった。
 もしも、アンのバイクにカメラを取り付けていれば、戦争映画のようなど派手なシークエンスが撮れたことだろう。立ちはだかるゴブリンは体当たりで跳ね飛ばし、逃げるゴブリンはサイコマシンガンで蜂の巣にする。その激しさは、味方の猟兵も圧倒する勢いであった。
 ゴブリンも、何もせずやられていたわけではない。騎馬を無力化するには転ばせればよかったのだが、アンのバイクはまったくもって一筋縄ではいかない相手だった。騎獣よりも小回りがきくだけでなく、加速力もある。しかもジャンプも得意とあれば、スピードに乗った宇宙原付には、ゴブリンごときでは太刀打ちのしようがなかった。
「――オラァ! わしゃあ、誰も止めれんでぇ」
 飛びかかるゴブリンを返り討ちにし、タイヤで踏みつけ、そのたびにアンは宇宙なまりを隠そうともせず吼えた。手にはゴブリンを絡め取ったワイヤーを持ち、西部劇のひと幕のように引きずり回している。
「なんなぁ、どしたんなぁ……もう終わりか?」
 数度戦場を横切って往復すると、ゴブリン達はアンの相手をするのを止めたようだった。蜘蛛の子を散らすように逃げ惑う敵勢を見、彼女はふたたびアクセルを開いた。そのスピードは、ひとすじの光のようだった。
 このアックス&ウィザーズにおいて、縦横無尽に疾走するアンと宇宙原付は場違いのように見えたかもしれない。しかし、ゴブリンも、街の人々も、馬を駆って縦横無尽に駆け巡る騎兵と同じ扱いをするだろう。猟兵の力は、そこにも働いていた。
 戦場ではすでに、趨勢がはっきりしていた。ゴブリン勢の砦への攻撃は、失敗したと言ってもよかった。あとは、ゴブリンの裏にいる黒幕が残るのみであった。
「ふぅ、スッキリしたぁ~、ほんならのぅ!」
 存分にゴブリンをなぎ倒して満足したアンは、現れたときと同じように宇宙原付で帰還していった。彼女を待つのは、次の戦場である。夢のように現れて夢のように去るのが、スペースシップワールドを旅する彼女の信条であった。
 ――ゴールじゃない。アンの耳に誰かがささやいた気がした。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『息吹の竜『グラスアボラス』』

POW   :    フラワリングブレス
【吐き出された息吹 】が命中した対象に対し、高威力高命中の【咲き乱れるフラワーカッター】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    ガーデン・オブ・ゲンティアナ
自身の装備武器を無数の【竜胆 】の花びらに変え、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
WIZ   :    フラワーフィールド
【吐き出された息吹 】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を花畑で埋め】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
👑17
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠ナイツ・ディンです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 猟兵達に討ち破られたゴブリンは、あるものは這々の体でしっぽを巻いて逃げ、あるものはもう動かなかった。そのゴブリン達の姿が消え、彼方の空から現れたのがドラゴンであった。これがゴブリン達の首領であった。
 そのドラゴンは大きく頭を振り、激しく咆哮した。炎の代わりに花びらが舞い、それはそれはファンシーな風景であった。しかし、相手は曲がりなりにもドラゴンである。
 ――猟兵の戦いは、まだ終わってはいなかった。
ドリスコ・エボニス
黒幕の登場でしかもドラゴンか
ずいぶんとファンシーなヤツだかやることはかわりない、倒すまでだな

弓矢で攻撃していくぜ
ただ攻撃するんじゃ芸がないな、ダッシュで移動しつつ
迷彩と目立たないと忍び足を利用して死角からだまし討ちの二回攻撃の爆裂矢射ちと行こうじゃないの
矢じりには毒と呪詛を込めて生命力吸収の上乗せだ

狙う場所は翼だな、飛んでいるっつー相手の利点を失くさないと
スナイパーで野性の勘と戦闘知識を生かして狙いをつけるぜ

さぁ矢が当たったらどうなるかな?



 ――黒幕の登場か。しかも、よりによってドラゴンのオブリビオンとは。
 ドリスコ・エボニスは、上空を悠々と飛ぶ息吹の竜・グラスアボラスを見据えて、ひとりごちた。様々な花びらがドラゴンの周囲をひらひら舞うさまは、確かに緊迫感に欠けていた。しかし彼は、オブリビオンについて、見た目の印象は全く意味をなさないこともまた、知っていた。
 小型軽量戦闘弓を構えなおし、ドリスコは見張り塔から素早く降りた。砦の前面に躍り出ても、彼はグラスアボラスから視線を外さずにいた。
「飛んでいるのをどうにかしないとな……」
 ドリスコのつぶやきが聞こえたかからではないだろうが、グラスアボラスは彼をめざとく見つけ、急降下で接近した。すると突然、ドラゴンの周囲に花びらが舞い散りだした。
「くっ……!」
 急接近する相手に対し、ドリスコはとっさに牽制の矢を放った。矢を避けたせいか、ドラゴンは体当たりこそしなかったものの、攻撃の手を舞い散る花びらとその爪に切り替え、彼を狙った。かろうじて彼は地に伏せ、事なきを得た。
 ただ攻撃するだけじゃ駄目だ。ドリスコは周囲を見渡した。
 すると、さきほどゴブリン達が奇襲に利用した岩だらけの窪みが、ドリスコの目に入った。――そこだ。立ち上がるとすぐさま、彼は全速力で窪地の陰を目指した。幸いなことに、その動きは、再び空に舞い上がったグラスアボラスには気取られなかった。
「普通の矢を打つだけじゃ、芸がないからな」
 息を整えつつ、ドリスコはみずからの矢にありったけの細工を加えた。毒はもちろんのこと、呪詛のたぐい、さらには生命力を奪い取る仕掛けも盛り込み、この上ない矢ができあがった。これを2本同時に、ユーベルコードに乗せて放つのだ。
「――狙うは翼」
 ドリスコは、目標を確かめるように口に出した。実際に。この矢がどういうはたらきを見せるのか、多少の期待を持って、彼は狙いをつけた。ドラゴンと、じゅうぶんに距離が近づく瞬間を、彼は息を潜めて待った。
「さぁ……矢が当たったらどうなるかな?」
 はたして、ドリスコは獲物を射程に捉えた。彼はニヤリと笑った。
 集中は一瞬。刹那、彼の弓から2本の矢がグラスアボラスめがけて飛んでいった。爆ぜろ、と彼は念じた。
 ゴブリンを仕留めたときのような大爆発が、今度は空中で起こった。ドリスコの目論み通り、ドラゴンはその翼の能力の大半を失い、地に足を付けた。どうにか墜落は免れたにせよ、その翼は、しばらくは使い物にならないと思われた。
 ドラゴンは空を奪われ、これで猟兵と対等になった。大地にその脚を踏ん張り、息吹の竜は怒りにまかせて咆哮した。
 ――猟兵達の次の手や如何。

成功 🔵​🔵​🔴​

弐色・御雷
まさか、黒幕がドラゴンとは。
思いもよらなかったな。
だがまあ、やることは同じだ。
いつも。

ゴブリン軍団に飛び込んでいった分それなりに傷も負ったが、調子はすこぶる良い。まさに絶好調。まさにハイヴォルテージ。

・行動
真の姿が解放され紫電に包まれた姿でドラゴンに立ち向かう。
見切りとカウンターを駆使しながら前衛で派手に囮役をやりつつ、他の猟兵たちの動きに合わせてユーベルコードを放つ。

「花嵐、乱れ穿つは流星雨…」
さあ、全力でぶつかっていくだけだ。



 まさか。弐色・御雷もまた、空を舞うグラスアボラスに意表を突かれた猟兵のひとりであった。ドラゴンがゴブリンの軍勢を従えることは、アックス&ウィザーズではあまり例のないことだったろうが、相手はオブリビオンである。
 ドラゴンが地に足を付けるのを確かめると、御雷は気を取り直して駆け寄った。相手が何であろうと、やることは同じだ――いつでも。
 御雷の身体の状態は、彼自身が驚くほど、好調であった。先だってゴブリンの集団に飛び込んでいったが、その影響はほとんど残っていない。むしろ準備運動に近く、かえって絶好調であると言ってよかった。力の高まりを感じながら、彼は再び高周波ブレイドを作動させた。
 そして、電光一閃。御雷は名前の通りの稲妻をはじけさせると、真の姿をとった。身体のあちこちから起こる放電が、バチバチと空気を震わせている。彼がすべきことは、あとは、全力でぶつかることだけだった。
 その紫電の輝きを纏いつつ、幾人かの猟兵達とともに御雷はドラゴンに対峙した。その威圧的な姿のためか、ドラゴンは予想通りに、まず彼に目標を定めたようだった。
 今の御雷には、ドラゴンの動きは緩慢に見える。鋭く切り裂く爪も長く力強くしなる尾も、彼の動きにはついていけず、何もない空間を空振りするだけに終わった。彼は周囲の猟兵の行動の手助けとして、相手に隙を作らせるよう強いた。猟兵達の連携が奏功し、ドラゴンは次第に傷つけられていった。
 何度目かの爪を高周波ブレイドでいなした御雷が、返す刀で斬りつける。たまりかねて、大きく首を振り上げたドラゴンに、彼はある兆候を感じた。
「みんな、気をつけろ!」
 御雷が叫んだ直後、グラスアボラスが持つ二つ名の通り、それは強く息を吐いた。もちろん、ただの呼吸でなく、触れたものをズタズタに切り裂くという、咲き乱れるフラワーカッターのおまけつきである。事前に御雷からの警告があったおかげで、猟兵側への被害は最小限に抑えられていた。
「次はこちらの番だ」
 グラスアボラスは大技を放った直後で、長く首を伸ばしきっていた。この機を見計らって、御雷はユーベルコードを発動させた。サイボーグである彼の身体に内蔵されている全火器が、ドラゴンに狙いを定めて、一斉に発砲した。
「さあ、全弾くれてやる――肆ノ切の花嵐、乱れ穿つは流星雨」
 御雷の放った弾丸は、次々とドラゴンに吸い込まれ、その肉体を貫いた。戦果は上々だ。次はどうしようかと、殻はブレードを構え直した。
 息吹の竜は咆哮した。それは、痛みに耐えているようにも感じられた。

成功 🔵​🔵​🔴​

立花・桜華
花は綺麗かもしれないけど竜だけあってかなりの力量だね
油断せず頑張っていこう!

【竜との戦い】
ブレスでの攻撃がなかなか厄介かな
鍛えたダッシュ力とシーブズ・ギャンビットで高速戦闘を行う
残像によるフェイントを交えた移動をしつつ途中で上着を脱ぐ事で更なる加速を行う
移動中に毒使いとして毒を付与したナイフを投擲して攻撃
敵の攻撃には第六感と野生の感を用いて敵の動きを予測し見切り、回避を優先する
回避が成功したらカウンターを狙い、怪力による重い斬撃を叩き込み、返す刃で2回攻撃、竜の鱗を鎧砕き効果で叩き斬る
敵がブレスで花畑を生み出した際は鬼震脚(ユーベルコード)で攻撃を仕掛け、敵ごと花畑を粉砕し吹き飛ばす!


イデア・ファンタジア
あら、空を飛べなくなったのね。
なら今度はこっちが空から攻撃する番よ。
「ファンタジアを今ここに、その姿を描き出そう!君の名は――ディープダイバー!」
七本の絵筆をフル活用して空想現界『空の白鯨』を描くよ。揺らめく日光。空を泳ぐ鯨に、花畑を泳ぐ熱帯魚たち。今からここは海の中!
花びらが届かない位高くまで泳いで、グラフィティスプラッシュで絨毯爆撃よ。
自慢の花畑ごと塗り潰してあげる。



「ブレスでの攻撃が、なかなか厄介かな……」
 立花・桜華は、グラスアボラスのブレス攻撃をかがんでやりすごしながら、どう対処すべきか思案していた。吐く息それ自体が、高い攻撃力を持っているだけでなく、副次的な効果を持っているからだ。
 咲き乱れている色とりどりの草花に、桜華は困惑していた。ドラゴンの吐く息が、周囲を花畑に変えていたのだ。直撃を喰らうことはかろうじて避けていたが、あとに広がるこの花畑は、その上に立つ息吹の竜の戦闘力を、大幅に強化しているようだった。
「花は綺麗かもしれないけど……」
 桜華の思案は続いた。際限なく花畑を広げられてしまっては、猟兵達の力を持ってしてもただでは済まされない。相手の土俵で戦うことは、避けるべき事態であった。彼女のユーベルコードは幸いにも、花畑の拡大を防ぐ力は備えていたが、それでも、攻め手への端緒はもう一手、別に求めたほうが得策に感じられた。
「それじゃあ、こういうのはどう?」
 それに助け船を出したのはイデア・ファンタジアである。彼女もまた、花畑に対抗できるユーベルコードを持ち合わせていたのだ。彼女は手始めに絵筆を取り出すと、周囲の空間そのものをキャンパスとして、流れるように絵を描き始めた。
「ファンタジアを今ここに、その姿を描き出そう!」
 七色の絵筆セプテントリオンの穂先が動くたび、世界が塗り替えられてゆく。イデアが表現したのは、温かい浅瀬の水底。日光は水面から差す柔らかなものとなり、花畑の周囲では、鮮やかな色の熱帯魚の群れが宙を泳いでいた。
「君の名は――ディープダイバー! 今からここは海の中!」
 空中を悠然と泳ぐ白鯨を最後に描いて、イデアは空中へ身を投じた。彼女の身体は、水中と同様に空中を泳ぐことができた。彼女は、白鯨と一緒に泳いで浮上を始めた。
 ドラゴンが放つ花びらが届かないほどの高さからであれば、ドラゴンが空を飛べない今は一方的に攻撃を加えることができる。じゅうぶんな上空から、イデアは再び絵筆を振るった。
「ご自慢の花畑ごと、塗り潰してあげる!」
 イデアの筆から放たれた絵の具がユーベルコードの力を得、ドラゴンと花畑を七色に染め上げる。その瞬間、ドラゴンの動きが鈍った。花畑の力が効果を失ったのだ。はたして、急に力のよりどころを失ったドラゴンは、浮き足だった。
 桜華は、それを看過しなかった。たぐいまれな瞬発力で彼女は飛び出し、ドラゴンに迫った。花畑の力が及ばないため、襲いかかるブレスを見切る余裕は、彼女にはじゅうぶんにあった。上着を脱ぎ去ってシーブズ・ギャンビットの力を受けた彼女は、速度をさらに上げてドラゴンの懐へひと息に潜り込んだ。
「これが羅刹の力だよ!」
 そして放つはユーベルコード、鬼震脚――ゴブリン相手に、集団をなぎ倒した技である。桜華は、今回はドラゴンの足元だけでなく、まだイデアの絵の具で塗りつぶされていない花畑ごと、文字通り根こそぎ破壊してしまった。
 自身もバランスを崩し、地面に身体を打ち付けてしまったグラスアボラスは、みずから育て上げた花畑を台無しにされて猛り狂った。眼前の桜華に、ふたたび息を吹きかけようとしたが、しかし、それはかなわなかった。桜華の刀筋が瞬き、一度だけ飜った。
 桜華のダガーによる攻撃は、堅いドラゴンの鱗を砕くほどのものであった。傷口がさらに広がり、息吹の竜は地の底から這い上がるような、うなり声を上げた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ドリスコ・エボニス
おっし、そんじゃ飛べなくなったことだし接近戦といきますか

事前にバトルアックスに毒と呪詛と生命力吸収を仕込んでおく
他の猟兵に気をとられるている内に地形を利用して迷彩で目立たないように忍び足のダッシュで近づくぜ
気付かれていたら視界にの角へ死角へと移動して姿をとらえられないよいにする
近づいたら力溜めからの捨て身の一撃の二回攻撃グラウンドクラッシャーを叩き込む

相手の攻撃には戦闘知と野性の勘を利用して回避する



 矢を命中させたドリスコ・エボニスは、得物をバトルアックスへ持ち替えていた。思うように飛べなくなったグラスアボラスに、接近戦を挑むためだ。いつも通りありったけの気合いを込めて長い柄を握り、息吹の竜との距離を詰めていく。
 ドラゴンの周囲では、すでに激しい戦闘が始まっていた。ドリスコは、くだんの窪地をつたいドラゴンに近づいた。戦いの喧騒にまぎれひっそりと接近する彼を、ドラゴンは捕捉することができなかった。彼に、好機が訪れた。
「――それっ!」
 手始めに、ドリスコはグラスアボラスの死角から、後ろ脚を激しくバトルアックスで斬りつけた。大きく斧を振りかぶってからのその一撃は、まるできこりが大木に斧を打ち込むようでもあった。斧が食い込んで樹皮や木片が砕けるのにも似て、割られたドラゴンの鱗が周囲に飛び散り、その衝撃の重さを如実に物語った。
 ことここに及んで、グラスアボラスはドリスコの存在を認めた。それは彼の殺気だけではない。彼が持つ、長い柄と大きな刃を持つバトルアックスが光を反射してきらめき、ドラゴンに脅威であることを知らしめた。はたして、ドラゴンは彼を次の目標に定めた。
 息吹の竜は首をしならせ、大きく息を吸い込んだ。それが、ドラゴンがブレスによる攻撃をする予兆であった。ドリスコはそれを、見逃さなかった。
「やれるものならやってみろよ!」
 グラスアボラスが息を吹き付けるのと、ドリスコが斧を振り下ろすのは同時だった。双方のユーベルコードが衝突し一瞬のあいだの力比べとなったが、ドリスコの技、グラウンドクラッシャーがほんの少しだけ、相手を上回った。
 息吹の竜の吐息が、周囲の地面とともにはぜ、ドラゴンは痛みにうめいた。ドリスコのバトルアックスは、衝撃で首を大きく弾きあげられたドラゴンの、胸元に深々と食い込んでいた。もちろん彼は、矢の時と同じように、刃にさまざまな力を織り込んでおくことを忘れなかった。竜は首をたまらず地面に打ち付け、傷を辛抱するしかなかった。
「どうだ……まだ喰らいたいか?」
 ドリスコは挑発した。にらみ返すグラスアボラスの目は、怒りと痛みで猛り狂っているように見えた。

成功 🔵​🔵​🔴​

月島・彩希
ドラゴンが相手……今の私の実力でどこまで通用するかわからないけど、全力でいかせてもらう

『ドラゴン戦』
私の全力の一撃を叩き込む!
「狼の牙を見せてあげる!」
持ち前の【ダッシュ】力と雷迅槍(ユーベルコード)を用いて高速移動を行い、全身に雷の魔力を纏い強化した身体能力を活用して更に加速する
十分な加速によるスピードと【怪力】を手にしている槍に乗せつつ【野生の勘】で感じ取った最適のタイミングで敵を【串刺し】にするべく槍を敵へ【投擲】し、【槍投げ】で攻撃
槍に纏わせた雷の魔力で【属性攻撃】をしつつドラゴンの硬い鱗を【鎧砕き】、内部から焼き尽くす
敵の攻撃はフェイントを交ぜることで行動を読ませないようにしつつ回避



 グラスアボラスに急接近する人影があった。月島・彩希だ。彼女は短槍を構え、ドラゴンの堅い鱗を貫く機を窺っていた。
 ドラゴンは彩希をめざとく視界に捉え、迎え撃とうとした。猟兵にそう何度も懐に入られてしまうことは、さしものドラゴンも避けたかったのだ。鈍重なグラスアボラスには、足元の敵に対しては、踏み潰すか追い払うかしかの2通りしかない。
 先手を打ったのはドラゴンの方であった。首を振り大きく隙を見せるブレス攻撃でなく、竜胆の花びらを生みだして放つユーベルコードだ。周囲を舞い散らせて防御に徹するだけでなく、花びらの集団を直接目標に当てることもできる、自在の技であった。
 グラスアボラスは、彩希に狙いをさだめ――たはずだった。彼女の動きが、しかし、それを妨げた。
 行動を読ませようとしない彩希の散発的な動きと、時折挟まれるフェイント。あからさまに速度を落として、攻撃を誘発させようとする彼女に、ドラゴンは幾度となく食指を動かされ、そのたびにおあずけを食った。猟兵達の度重なる攻撃に晒され、体力も落ちてきたドラゴンは、次第に、好機を待つという忍耐に対して、我慢がきかなくなっていた。
 とうとう息吹の竜は、根比べに音を上げた。周囲を漂っていた竜胆の花びらが、手当たり次第に彩希へと放たれていった。彼女は、それを待っていた。ユーベルコードの時間だった。
「狼の牙を見せてあげる!」
 彩希は全身に雷の魔力をまとわせた。その魔力によって身軽になった彼女は、ことごとく竜胆の花びらをかわした。彩希の後方に散った花びらが、彼女の雷の魔力を彩ったように、竜からは見えた。
 次はこちらの番だった。刹那、雷の魔力を帯びた短槍を、彩希は目一杯の力で投げつけた。彼女が槍を強く握ると、全身をめぐる雷の魔力の、青い小さな稲妻ひとつひとつが、彼女の手から槍へ瞬間的に伝わり、それが槍の力となった。
「これから逃げられると思わないで……ッ!」
 彩希の目には、いつ相手が隙を見せるのか、どこに槍を穿てばいいのかが、はっきりと映っていた。全身全霊で投げつけられた彼女の槍は、ほんの少しだけ開いていた鱗の隙間の傷に、まるでそれが当たり前とでもいうかのように、あっさりと突き刺さった。
 彩希は手応えがあった。グラスアボラスは、猟兵達に次第に追い詰められていった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ミーヤ・ロロルド
「ドラゴンにゃ!! 大きいにゃ!!
 ドラゴンのお肉は、美味しいにゃ? なら、戦うのにゃ!!」

類い希なるその嗅覚で、ミーヤはやってきたにゃ!!
逃げようとするドラゴンを追跡でしっかり捉えて、シンフォニックデバイスで、攻撃を当てていくにゃ。
弱り切ったところで、持ってるガジェットを展開!!
「ミーヤのショータイム、刮目せよにゃ!!」
背中に背負ってたガジェットが展開して、ミサイルやら銃弾やらがいっぱい炸裂!!
「悪いドラゴンは、めっなのにゃ!!」

お肉が残ってたら、しっかり焼いて、いただきまーす!
美味しくなかったら、涙目で「ま、まずいにゃ…」
食べれたら、おかわりバッチリして「ドラゴンのお肉も美味しいのにゃ!」


富井・亮平
【心情】
おのれッ! 跳梁跋扈のオブリビオンめッ!
このイェーガーレッドが来たからには勝負は決したも同然ッ!
今こそ断罪の剣をその身に突き立ててくれようッ!
覚悟しろッ!

【行動】
「ゆくぞッ! トォリニティィィ・エェンハンスッッッ!!!」
ルーンソードに炎の魔力が宿るッ!
この炎は全てを焼き尽くす煉獄の業火ッ!

こいつを我が身に纏うことで防御力がアップッ!
すなわち、花びらなど焼き尽くす鉄壁の炎だッ!

炎を纏ったまま敵に駆け寄り、正義の力をこめたパンチッ!
防御力が攻撃力にもなるという画期的な攻撃だッ!
これでもうお前に勝機はないッ! 観念しろッ!



 すでにみずからが劣勢に置かれていることを理解し、うろたえはじめた息吹の竜に、さらにふたりの猟兵が追撃を行う。
「跳梁跋扈のオブリビオンめッ! もはや勝負は決したも同然ッ!」
 ルーンソードを構え、啖呵を切ったのは、ヒーローコスチュームに身を包んだ『イェーガーレッド』こと富井・亮平である。大仰な台詞回しであったが、立て板に水の長広舌は、彼の日頃の鍛錬のたまものであろう。
 その隣には、人狼の少女ミーヤ・ロロルドがいた。彼女はまた別の理由で、グラスアボラスを打ち倒そうと意気軒昂であった。
「ドラゴンにゃ! 大きいにゃ!――ドラゴンのお肉は、美味しいにゃ?」
 まるで瀕死の獲物に襲いかかろうとする猛獣のごとき洞察で、傷ついたドラゴンの命運を察知し、あわよくばその肉を食そうとするミーヤの勇気は、一定の評価に値すべきものであった。しかし、相手にそれが殺気として伝わったのか、グラスアボラスは再び猛った。
「気をつけろッ、イェーガーブラウン!」
 髪の色をコードネームにして亮平が注意を促したが、ミーヤは最初自分が呼びかけられたと思わなかった。それでも、弱り切ったグラスアボラスには、ユーベルコードを猟兵にお見舞いできる力は、ほとんど残っていなかった。ふたりがいなくなった空間を、竜胆の花びらがむなしく吹き過ぎていった。ドラゴンは引き際を悟り、今まで休ませていた翼を使って、ふたたび大空に舞い上がろうとした。
「にゃ? 逃がさないにゃ!」
 それにすかさず対応したミーヤが、シンフォニックデバイスを狙い撃ち、ドラゴンを地面に釘付けにする。デバイスから増幅されて響くミーヤの声は、空腹の腹の音を代弁しているかのようであった。退路を断たれ、ドラゴンは改めて攻撃の態勢に戻った。
 よろめきながら、グラスアボラスは首を揺らめかせた。猟兵にはお見通しだったが、ブレス攻撃の前兆である。
「させるかッ! トォリニティィィ・エェンハンスッ!」
 そのブレス攻撃は亮平のユーベルコードと真正面からぶつかり合った。彼はルーンソードに炎の魔力を宿らせ、さらに剣からあふれる炎を、その身にまとわせた。燃え上がる魔力の炎は、亮平の熱情をも強く湧き上がらせた。
「この炎はッ、全てを焼き尽くす煉獄の業火ッ! すなわち、お前の花びらなど焼き尽くすッ、鉄壁の炎だッ!」
 亮平はありったけの力を込めて、拳をグラスアボラスにぶつけた。まとった炎の力をそのまま拳に乗せて殴りかかったのだ。その拳は吐き出された息吹を切り裂き、息吹の竜の顔面をしたたかに打ちすえた。頭部に攻撃を受け、よろめいたドラゴンは、4本の脚を折り地に伏した。それを見、亮平は鬨の声を上げた。
「これでもうお前に勝機はないッ! 観念しろッ!」
「そうにゃ、ミーヤのショータイム、刮目せよにゃ!」
 機が満ちるのを待ちかねたミーヤが、ついにガジェットを展開させた。彼女のユーベルコードが呼び出したものは、蒸気機関の機関砲に、ミサイル。しゅんしゅんと白い湯気を噴きながら、それらがドラゴンに殺到した。
 ミーヤのガジェットは、それだけではなかった。最後に、建設重機のようなアームに引っ張られ出てきたものは、蒸気で動く巨大なフォークとナイフ、そしてこんろの付いた鉄板。食欲とともにドラゴンに襲いかかったそれらは、文字通り、グラスアボラスを料理してしまった。
 ――猟兵達の戦いは終わった。

 早々に引き上げる猟兵達に混じり、さっそくミーヤが料理にありつこうとしていた。今度はガジェットでなく自分の什器で、焼けた肉を取り、火の加減を確かめると、そうっと頬張った。
「うぇ……ま、まずいにゃ……」
 オブリビオンとはいえ、肉は肉ではあるのだが、花の臭いがきつすぎる。これでは、しっかりとした肉質もほどよい脂身も台無しであった。がっかりして目に涙を浮かべるミーヤを見かねて、亮平が助け船を出した。
「よくやったぞ、イェーガーブラウン! 普通の焼肉、食べるか?」
「ほんとかにゃ!?」
 ごはんをくれる人に悪い人はいない。ミーヤの目が輝いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月30日


挿絵イラスト