バトルオブフラワーズ⑧〜塗られる前に叩いてしまえ!
●つまりはやられるまえにやれってさ
「すでにキマイラフューチャーがぱっかーんしてるのはご存知だと思うのです」
ぱっかーんなのです、このままではずっとぱっかーんなのです。と繰り返しながらフルール・トゥインクル(導きの翠・f06876)は一人納得したように頷いている。ぱっかーんという語感が絶対気に入っている。
「とと、ともなくですね。みなさんにはシステムフラワーズを守っているザ・ステージを取り戻す手伝いをしてほしいのですよ」
今回その目標となったのはザ・ペイントステージと呼ばれるステージだ。そこでは夏の思い出トリオというオブリビオンがそれぞれ思い思いにキマイラフューチャーに模された街並みを塗りつぶしている。
その色は黒、イカ墨タコ墨よろしく真っ黒に塗りつぶしているのだ。夏の思い出というからにはもうちょっと明るい色を選定してほしかった。黄色とか赤とか。
「ステージに用意された特殊ルールの影響で街並みを全て塗りつぶされたら負けになってしまうのです」
簡単に言えば全て塗りつぶされてしまうとステージを追い出されてしまう、ということらしい。
そのためできる限り塗りつぶされないようにこの夏の思い出トリオを撃破する必要がある。
「彼ら……といっていいのでしょうか?まぁともかく彼らも塗りつぶしたら勝ちというのは理解しているのです」
そのため複数体で集まり大幅に塗りつぶしていたり、はたまた個人で動き猟兵達にバレないようこっそりと塗る範囲を広げるという行動をとるものもいる。
見た目は同じだが戦略はそれぞれということのようだ。
どのように塗りつぶしているオブリビオンを探し、撃破するかが重要になってくるだろう。
「どれだけ大暴れしてもキマイラフューチャーの街並みが模されているだけですのでキマイラさんに影響はないのです。そこは安心して欲しいのですよ」
それではよろしくお願いします、ですよ。と頭を下げてフルールはグリモアを輝かせるのであった。
心音マリ
戦争シナリオ2本目となります。心音マリでございます。
さすがキマイラフューチャー、戦場が楽しげになるのは宿命なのでしょうか。
こちらのシナリオでは特殊ルール『クロヌリスレイヤー』が適用されております。
オープニングでも提示させていただいておりますが、街並みを全て塗りつぶされた場合敗北となりますのでご注意ください。
索敵方法および発見後いかに塗りつぶされないよう早く駆けつけるかが重要となるでしょう。
それでは皆様の素敵なプレイングをお待ちしております。
第1章 集団戦
『夏の思い出トリオ』
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POW : ひまわり怪人・ウェポン
【ひまわり兵器】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD : かき氷怪人・ジェノサイド
【かき氷攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ : 蚊取り線香怪人・リフレクション
対象のユーベルコードに対し【蚊取り線香】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
イラスト:まめのきなこ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
本山・葵
・ヤドリガミ本体の眼鏡を上空に放り投げて索敵
「3、2、1、イグニッションっす!」
「ふむふむ、あそこらへんはまだ黒くないっすね。おっと怪人発見っす!」
技能:投擲、念動力
・UCで塗りつぶされていないビルを投影しておびき寄せる
「まんまと騙されてくれて感謝するっす」
「いまさら相殺しても手遅れっすよ、攻撃開始っす!」
・グルメツールの一式を投げつけて一網打尽にする
「さあ、バイキングのはじまりっすね!」
技能:投擲、早業、鎧無視攻撃、なぎ払い、一斉発射、誘導弾
アドリブ、共闘歓迎
サニードロップ・サンライト
オブリビオン探しならボクだよ!
ボクの光でバッチリあぶり出し!
ボクの光は攻撃力を持つから、それを避けるために彼らは陰に隠れるはず。
そこでボクがカレイにアクセサリーに変身して、装備者には見えないとても強い光を放つUCを使って、敵を足止めするってスンポーさ!
そしてボクは変身して気がついた。
装備してくれる人が居ない!
そんなー!(とりあえず光だけは出しておく)
●それもまた一つの解法である!
「3、2、1、イグニッションっす!」
ふわんと赤いフレームの丸い眼鏡が空を舞う。空高く浮かびあがった眼鏡は意志を持つかのようにくるりと戦場を見渡す。
北部および東部、現状異常なし。西部、塗られたと思われる黒い痕跡が多数、南へと向かっている様子。
その眼鏡はただの眼鏡ではない。ヤドリガミである本山・葵(ユートレマジャポニカ・f03389)そのものである。故に葵は特別苦労することもなく戦場の状況を把握することができた。
「ふむふむ、あそこらへんはまだ黒くないっすね。おっと怪人発見っす!……おや?」
ついに怪人をその視界……視界?眼鏡のレンズに捉えると、打ち倒すために眼鏡を自身に戻そうとして──その奇妙な光を見つけたのだ。
時は少しだけ巻き戻る。
「ふっふーん、オブリビオン探しならボクだよ!」
自信満々に戦場へ降り立ちオレンジ色の髪を揺らす小柄な姿があった。彼女の名はサニードロップ・サンライト(太陽の宝石・f18164)クリスタリアンである。
「ボクの光でバッチリあぶり出し!」
ぴかぴかと眩い光を放ちながらオブリビオンを探していた。そしてほどなくして遭遇したところまでは良かった。
「これでもくらえー!」
「うぉっ!?眩しっ!?」
サニードロップの放つ光に目(あるのだろうか、とにかくあるんだ!)をやられたのか塗っている場合じゃないと一時撤退を開始する夏の思い出トリオたち。逃げる彼らを光りながら追うサニードロップ。
そしてついに行き止まりの裏路地まで追い詰めるとその身をネックレスに変えたのだ。
大きな宝石のついたネックレスとなったサニードロップは先ほどまでと比べ物にならない光を放つ!眩しさの余り夏の思い出トリオ達は動けない!動けない……が!
「あ、あれ?」
ここでサニードロップは自分のミスに気づいた。変身して足止めをしたのはいいものの今の彼女はネックレスである。本来ならば自身を身に着けてもらいその攻撃を補助するものなのだが……今は一人である、つまり攻撃することができないのだ!
「そんなー!」
哀れな声を上げながらそれでもオブリビオンを逃がすわけにはいかず、その場でぺかぺかする羽目になっていたのだった。
時は戻って。
「なーにしてるっすか」
「ボクにもこういうミスはある、ってことだよね」
オブリビオンより先に妙な光が気になった葵はサニードロップとの合流を果たしていた。
追い詰められていた夏の思い出トリオは今は巨大なナイフ、フォーク、スプーン等々の餌食となっている。
「いいっすけど、とりあえず力借りるっすよ」
「もちろん!あ、アクセサリーの形かえられるけど何がいいかな?」
「……今のままでいいっす」
サニードロップを身に着けた葵はすでに黒く塗りつぶされたビルの間近に塗られていないビルの立体映像を投影。
そのまま待つこと少し、にぎやかな声が聞こえてきた。
「おい!塗り残しがあるじゃないか!」
「あれ?おかしいなここは塗ったはずだが」
「ともかく塗るぞ。塗って塗って塗りつぶししかないんだからな」
続々と集まってくる夏の思い出トリオ達、おびき寄せは見事に成功だ!
「ふっふっふ、まんまと騙されてくれて感謝するっす」
きらんと眼鏡を輝かせて葵withサニードロップが姿を現す。
「何……!まさかこれは偽物!?」
「いかん他のやつも呼ばれるぞ、早く消せ!」
「任せろ!」
夏の思い出トリオのうちが一人、蚊取り線香怪人が蚊取り線香を放ち葵の作り出した立体映像を消そうとする。だがしかし、この場に集まっているオブリビオンたちはすでに多数。いまさらと言わざるを得ない。
「いまさら相殺しても手遅れっすよ、攻撃開始っす!」
「おー!いっけぇー!!!」
葵の合図に合わせてサニードロップが強く強く輝く!
強すぎる光に夏の思い出トリオはそれぞれ顔(に見えないけど顔である)を覆って動きを止めてしまうが、サニードロップを身に着けている葵は平気な顔だ。
この光は不思議な指向性を持っており身に着けているものには一切見えないのである。つまりは葵からすると突然彼らが顔を覆ったようにしか見えない。
そしてこんな攻撃チャンスを逃すわけもないのである。
「さあ、バイキングのはじまりっすね!」
葵の手からナイフ、フォーク、スプーンに箸、様々なグルメツールが一斉に投擲され次々と動けぬ怪人たちを打ち倒していく。ただなぜかかき氷怪人には狙いすましたかのようにスプーンばかり突き刺さっていたが。
おびき寄せられたオブリビオンたちが全滅するまでにそこまで時間はかからず。多少は塗られたもののおびき寄せによってそれほどまで被害は拡大しなかったといえよう。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
レナータ・バルダーヌ
街中だと入り組んでますし、探すなら人数は1人でも多い方がいいですね……。
あ、モーさんも手伝ってくれるんですか?助かります。
うちで飼っている牛のモーさんと手分けして、わたしは炎の翼を形成して空中から広範囲を見渡し、地上からはモーさんが【野生の勘】を働かせて探します。
わたしが発見したときに、他の猟兵さんの方がその場所に近かったら、合図を送って対処をお願いすることも考えましょう。
自身で対処する場合はモーさんと合流し、【念動力】で動きを封じてから【牽牛星の輝き】でトドメを刺します。
ついでに黒く塗りつぶされた地面を耕したら、塗りなおしにならないでしょうか?
●探し物は友と共に
「街中だと入り組んでますし、探すなら人数は1人でも多い方がいいですね……」
レナータ・バルダーヌ(復讐の輪廻・f13031)が呟く。索敵方法はいくらかあるが、やはり一人では確認できる範囲は限られている。周囲に他の猟兵がいたならば協力するのもよかったが今はその姿もない。
代わりにレナータの隣にいた牛がモーと存在を主張するように鳴いた。
「あ、モーさんも手伝ってくれるんですか?助かります」
モーさんことモー・ドレッドの助けを借りることとし、レナータもまた捜索を開始するのだった。
「モーさん、いかがですか?」
炎の翼を広げ空を舞い戦場を塗りつぶす夏の思い出トリオを探す。一部では黒く塗られている個所があったが、その方向からはなぜだかぴかぴか光りが放たれているのもあり他の猟兵がいるのだろうと別に探していた。
レナータが空からの索敵を担当するのであればモーさんは地上の担当だ。動物ならでばの思考というのか、勘というのか、ともあれのそのそと空からでは見落とす箇所を索敵していく。
不意に問いかけに答えるように鋭い鳴き声が響いた。
「げぇやべぇ!」
「なんか牛に見つかったんだが!」
「黙れよ、猟兵に見つかったらどうする!」
ついでにがやがやと聞きなれない声もする。猟兵、といっているので十中八九敵であろう。
翼を羽ばたかせ声のする方へ向かえば何とも細い路地の壁や道路がみっちり黒く塗られている。空からでは影になっていて塗られていると気づかなかったのだろう。
奥にはモーさんに詰め寄られてかき氷(なぜか黒い)を投げつけようとしている夏の思い出トリオの姿。
「モーさんをいじめるのは駄目ですよ」
くるっと手のひらを返せばぴたりと夏の思い出トリオの動きが止まった。否、正確には動こうにも動けないのだ。レナータの放つ念動力が彼らの動きを封じている。
あまりに大人数であれば抑えるのも難しかったであろうが、今ここにいるのは夏の思い出トリオ1組のみであった。それ故に容易に押さえつけることができていた。
「それではモーさん、よろしくお願いします」
後は今か今かと指示を待っていたモーさんに声をかければ、ずんずんと突き進んだモーさんがその角で次々と夏の思い出トリオを1体ずつ突き刺しては空へと打ち上げ、退治していく。
「今日はモーさんも調子がいいみたいです♪」
ぺしょっと落ちてきた力尽きた夏の思い出トリオがその姿を消すとぱちぱちと拍手を送る。
しかしながらモーさんが耕した道(モーさんは牛車を引いており牛車後部の車馬鍬でついでに耕しているのだ!)は畑と変わっていたがその色は変わらず黒であり塗り直しなどにはなっていないようだった。
ともあれ隠れて塗りつぶしていたオブリビオンも撃破し知らぬ間に塗りつぶされていたという事態を防ぐことができたのは大変によいことであろう。
成功
🔵🔵🔴
フィロメーラ・アステール
「かくれんぼには盲点がある!」
見逃しやすい場所……それは一度探した場所だぞ!
既に探した所に隠れ直して、密かに塗られたら困る!
……とはいえ一人じゃ探し物には限度があるからな!
【はじまりを刻む地の新星】を使うぜ!
こいつで道路や壁などに自我を与えて、隠れて行動する敵を見なかったか【情報収集】して飛び回るぞー!
無機物が監視カメラ代わりになるとは思うまい!
情報が得られたら【失せ物探し】の魔法の応用で、隠れている敵の位置を掴めるはず!
【第六感】にピンとくる可能性もある!
見つけ次第【空中戦】のテクで急行して【破魔】【属性攻撃】のこもった【踏みつけ】アタックで成敗!
【残像】のスピードで迅速にこなしていくぞ!
●かくれんぼ頭脳戦
フィロメーラ・アステール(SSR妖精:流れ星フィロ・f07828)は背中の羽根を羽ばたかせて飛び回っていた。
彼女が探すのは隠れて密かに塗り広げようとしているタイプ。何せ彼女にはある考えがあったからだ。
「かくれんぼには盲点がある!」
隠れこっそりと塗りつぶす機会をうかがっているのなら、それはかくれんぼのようなものだとフィロメーラは思う。なればこそ、かくれんぼならでばの盲点も警戒する必要があるだろうと。
盲点、それは一度探した場所。つまりは現状で言うならばすでに他の猟兵達が索敵し、塗られていない、敵はいないと通過した場所。
一度探した個所を再度探す人はそういない。なぜならいないと判断された箇所を再度探すのは手間であり、他に探していない場所を探す方が見つかる可能性が高いからだ。
しかし、仮に一度探した個所に滑り込み、隠れてしまえば?かくれんぼで言うなら一度探された場所に隠れ場所を変えてしまえば?途端に見つけるのは難しくなる。
「既に探した所に隠れ直して、密かに塗られたら困る!」
故にフィロメーラはすでに捜査済みの地点を重点的にチェックしていた。
もちろん彼女一人ではない。
『隠れてこそこそしてるやつ?見てないなぁ』
『同じく、でも南の方が何か騒がしかったかも』
情報を提供してくれるのはビルの壁や道路。ユーベルコードで自我を与えられ、話すようにできるようになった彼らは友好的で知っていることを話してくれる。
『こそこそしてる3人組ならちょっと前に見かけたよ?』
『塗るのかと思ったけどここじゃないって塗らなかったね』
そして聞いた情報を繋ぎ合わせれば敵のいそうな場所は絞れる。
ふわり、飛び立ったフィロメーラの視界に見た目は賑やかなトリオが入った。
「見つけたぞー!」
ビュンと流れ星のごとく夏の思い出トリオの元まで急降下すると、そのままひまわり怪人をぐしゃりと踏みつけた。22cmほどしかない身長に似合わず勢いの良い一撃は、ひまわり怪人を道路に埋め込み、道路に咲くひまわりと化す。
「猟兵!?バレてないと思ったのに!」
「残念、あたしに会えたラッキーを噛みしめながら消えていくんだぞ」
にこっと可愛らしく笑うと再び空を舞う流星となったフィロメーラはその足で丁寧に残った2体の怪人を踏みつけていく。ご褒美かな?
すぐにひまわりの隣に地面に落とされたかき氷とバラバラになった蚊取り線香が道路に転がることとなった。
手早い行動のおかげで一切の行動を許すことなく倒しきると、汗をぬぐうまでもなく塗られていない場所を守るため再度索敵を開始するのであった。
大成功
🔵🔵🔵
榎・うさみっち
ふむふむ、コソコソ隠れている奴らは
他猟兵に良い感じにあぶり出されていってるな!
じゃあ俺は大人数で塗ってる奴らを一網打尽にするぜ!
倒す数は多いに越したことはないもんな!
大人数で塗るとしたら現れるのは
「まだそんなに塗り潰しの被害を受けていないエリア」かなと予想
フェアリー羽で飛んで上空からチェック
すぐに見つかれば良し、見つからなければ
敵が現れるだろうと予想した場所で隠れて待機
敵発見したら【あいとせいぎのうさみっちレンジャー】召喚!
待て待てーい!お前らの悪事もそこまでだ!とヒーローっぽく登場!
パンチやキックやチョップなどヒーローっぽい技でボコボコにするぜ
たまにかき氷怪人のかき氷を食おうと試みる奴も居る
●そして塗られる前にやるのだ!
猟兵達の活躍もあり隠れて塗ろうと企んでいるオブリビオンたちは大部分が駆逐されたといえよう。
しかしながらまだ数に任せて大々的に塗りつぶす奴らが残っている。
「ふむふむ、コソコソ隠れている奴らは良い感じにあぶり出されていってるな!」
上空から戦況を観察していた榎・うさみっち(うさみっちゆたんぽは世界を救う・f01902)は状況を把握すると自分のやるべき方針を定める。
すなわち、大人数で塗りつぶそうとするであろうオブリビオンの討伐だ。
上空から見ている限り西側がほぼ塗られていない様子。であるならば彼らもここを塗りつぶそうとやってくるに違いない。そう予想したうさみっちは羽ばたき一つ、予測地点へと飛んでいく。
「おらー!塗るぞー!」
「「「ヒャッハー!!!」」」
ぱらりらぱらりら。という音こそはしないが、飛んでいるうさみっちの耳にそんなヒャッハーな叫び声が聞こえた。声のする方へ向かえば予想通り、夏の思い出トリオが大勢バケツや水鉄砲やら片手に周囲を塗りつぶしている。
「待て待てーい!お前らの悪事もそこまでだ!」
飛び出すのにためらいはいらない。ひょいと夏の思い出トリオの集団の前に飛び出すうさみっち。突然の声に夏の思い出トリオは一瞬静まるが、うさみっちの姿を見て笑い出した。
「あはははは、猟兵かと思ったがこんなに小さいとはな!」
「お前ひとりで何ができるっていうんだ、きゃはははは」
うさみっちの身長は17cmほど、夏の思い出トリオも小柄な方ではあるがフェアリー種族特有の小ささの前では大きい存在だ。
さっさと捻りつぶしてやる、とばかりに次から次へとかき氷が投げられる、が!
「言ったなー!我らうさみっち戦隊!」
バババババッ!
突如うさみっちを守るように赤、青、黄、緑、カラフルなヒーローコスチュームに身を包んだうさみっちが現れる。それぞれに投げられたかき氷をはたき、蹴り、叩き落すとポーズを決める。
その数は38体。コスチュームの色はよく見れば5色に分かれている。うさみっち本人をオリジナルの色とするなら6色か。
「悪を滅ぼす正義の鉄槌、喰らえー!!」
号令に合わせて反撃だ!と飛び出したヒーローコスチュームなうさみっち(以後うさみっちレンジャー)達はバラバラに手近な怪人へと飛び掛かっていく。
赤うさみっちレンジャーがパンチで蚊取り線香怪人を吹き飛ばせば、あちらでは黄うさみっちレンジャーがひまわり怪人をキックで応戦、その隣では青うさみっちレンジャーがかき氷怪人の頭へダイブしそのかき氷をいただく様子。別のひまわり怪人を緑うさみっちレンジャーがチョップで地面に叩きつける姿があれば、こちらでは赤うさみっちレンジャーがかき氷怪人の頭のかき氷をしゃくしゃく食べる姿に青うさみっちレンジャーがパンチで蚊取り線香怪人の蚊取り線香を壊す姿まで!
いくつかおかしいところがあった?気のせいでしょう。
「正義は勝つんだぜ!」
ともかく、あまり時間がかかることもうさみっちレンジャーが合体する必要性もなくヒャッハーと集まっていた夏の思い出トリオ達はうさみっちレンジャーたちによって成敗されたのであった!決めポーズもしっかり決めていく、ビシッ!
何故だかかき氷怪人の頭だけ食べられたようになくなっていたらしいが……何故でしょうね?
成功
🔵🔵🔴
ニコル・ピアース
夏の思い出というか、もうじき夏なんですよね。
一足早い夏の準備みたいな感じみたいなものですか?
それはともかく、索敵は、うん、力押しなのですよ。
塗られてない場所をとにかく駆け回って、
発見するまでひたすら全力で探し回るのです。
見つかるまで探し続ければ必ず発見できるのです。
というわけで発見次第、叩き潰すのです。
で、食べられそうならとりあえず食べてみるのが礼儀ですよね。
いや違いますよ、フードファイターじゃないですよ私。
というわけでいただきます。
うんうん。
さて、他の二体は食べられないですしねえ。
普通に殴り倒すしかないのです?
いや蚊取り線香に火をつけてみましょうか。
どこかに蚊がいないですか?
アドリブ歓迎。
●食べられること、それすなわちステータス
「夏の思い出というか、もうじき夏なんですよね」
戦場となっている街並みを眺めながらニコル・ピアース(蛮鬼・f06009)は呟く。もうじき夏というか、暑さとしてはもう夏というべきか、まぁ彼らとしては去年やその前や『夏の思い出』というマインドが大事なのだろう、きっと。
「ともかく、探さないと始まらないですよね」
軽く伸びをするとニコルは真っ赤なポニーテールを揺らして駆け出した。
彼女の選んだ索敵方法は誰よりもシンプルだった。すなわち、己の足でただひたすらに探す。
塗られていない個所へ駆けつけては、探し回る。
それは探す場所が悪ければその間に塗られ続けてしまう可能性のある方法ではあったが、幸いにして大半のオブリビオンは他の猟兵達がが引き付け、見つけ出し、退治していた。おかげで大幅に塗られる心配もなくニコルは索敵することができたのだ。
「発見です」
「げぇ、猟兵!?」
狭い路地の角を曲がれば正面にちょうど壁を塗りつぶしている夏の思い出トリオの姿。
そして発見と同時にニコルはもう斧を構え駆け出していた。
よいしょ、という掛け声と同時に振り下ろされる斧、上がる悲鳴、凹む道。
衝撃で吹き飛ばされダウンする夏の思い出トリオ。後は止めを刺すだけ、だが。
「さて、食べられそうならとりあえず食べてみるのが礼儀ですよね」
なんて?
「せっかくのかき氷ですし、食べてみないと」
あれ、フードファイターでしたっけ……???
「いや違いますよ、フードファイターじゃないですよ私」
え、ならなんで食べようとするんですか。というより誰と話してるんですか。
違う違うと顔の前で手を振りながらダウン中の夏の思い出トリオ(のうちの1体かき氷怪人)に近づいていく。おもむろに怪人の頭にあるスプーンを手にして、シャクリ。
「ぎゃぁぁぁっ!?」
頭をいじられ崩され、かき氷怪人が悲鳴を上げる。が、ニコルは気にせず食べる。普通に食べられた。メロン味のかき氷だった。暑くなってきているので冷たいかき氷は走った分も合わせて体を冷ますのにちょうどいい。
「ごちそうさまでした」
かき氷怪人、死す。
ぺろりと平らげると視線はひまわり怪人と蚊取り線香怪人へ。とっくに2体は目を覚ましていたが、目の前で繰り広げられる恐ろしい光景に声もなく震えあがっていた。そりゃ頭食べられてる光景とか怖いですよ。
しかし2体を見てニコルは困った。なにせ残っているのはどう見ても食べられないからだ。基準が食べる辺りフードファイターのお方なのかと思うのだが彼女はバーバリアンで竜騎士な羅刹さんである。
恐怖で震える2体を怪力任せに雑に叩き潰すと、また別の敵を探しに彼女は駆けるのであった。
なお、蚊取り線香怪人の頭に火をつけてみたところ蚊取り線香特有の香りと一緒に煙も立ち上ったとか。ただ悲しいかな、この場には退治するべき蚊はいないのであったが。
かくして猟兵達それぞれの活躍によって街を塗りつぶそうとしていた夏の思い出トリオはあっさりと退治されていったのであった。
一番哀れなことになっていたのはかき氷怪人であったことは、ここで語るまでもないだろう。
成功
🔵🔵🔴