バトルオブフラワーズ⑧〜オレたちクロヌリナンバーワン
●クロヌリスレイヤー
ビルの立ち並ぶ都会の街並み。そこに建つひときわ大きなビルが、その周囲の道路が『闇のような黒色』で塗りつぶされようとしていた。その黒を広げんとするのは金の顔を持つ黒い人影。ナンバーワン、トロフィー、金メダルの頭を持つオブリビオン、ナンバーワンズの群れだ。
「オレが、オレたちが、一番早く塗れるんだ……!」
ゲーム空間で再現されたキマイラフューチャーの街並み、ナンバーワンズ以外はまだ誰もいないので一番も何もないのだが。対戦相手が来る前に自陣を広げようと一番を取るためには手段を選ばぬナンバーワンズが走り出す。
今、この世界の命運をかけたゲームのような戦い、クロヌリスレイヤーが始まろうとしていた。
●グリモアベースにて
「皆さん、大変です! キマイラフューチャーが割れてしまいました!!」
なんだって。初めて聞いた者は耳を疑う内容、だが幾分慌てた様子のアルトリンデ・エーデルシュタインの声音は真剣そのものだ。
「あ、すみません。あまりの事に慌ててしまいました。」
先のテレビウムの事件はキマイラフューチャーの中枢システム『システム・フラワーズ』からの救援要請だった。そこを占拠しているのは、この世界のオブリビオン・フォーミュラ『ドン・フリーダム』。そこまで攻め込むために、まずは『ザ・ステージ』を攻略する必要がある。
「その内の一つ、『ザ・ペイントステージ』でオブリビオン『ナンバーワンズ』が黒色を広げているようです。」
このステージで勝つために、ナンバーワンズは自分たちの陣地『闇のような黒色』を広げていっているという。
「なので、皆さんにはナンバーワンズが街を塗りつぶしてしまう前に倒して欲しいのです。」
放置すれば、数で圧すナンバーワンズはたちまち街を塗りつぶしてしまうだろう。なので、ナンバーワンズが街を黒く塗るのを邪魔しつつ倒す必要がある。
「ナンバーワンズは猟兵に見つかると戦闘を優先するようです。ただ、戦って負けそうだと少しでも黒色を塗り広げようと悪あがきするみたいですね。」
最後まで気を抜かない方がいいかもしれない。また、あちこちの方向へ向かって塗っているようなので、手分けして戦うのもいいだろう。
「ビルとかを登るのは流石に速度が落ちるようで、道路を塗る方が早いようです。」
なお、ビルはゲーム内で再現された物なので内部に入る事はできない。街にはビルとその間を走る道路、道路やビルがない空き地に並ぶ樹木くらいなので、索敵するのは難しくないだろう。
「ゲームのようですが、この世界の命運を握る戦いです。勝つために、皆さんのお力を貸してください。」
そう言葉をくくり、アルトリンデは猟兵たちを送り出すのだった。
こげとら
しばらくぶりです、こげとらです。
このシナリオはキマイラフューチャーの戦争『バトルオブフラワーズ』のシナリオとなります。
戦場はザ・ステージと呼ばれ、それぞれ特殊ルールのあるモノとなります。今回の『クロヌリスレイヤー』においては、“全てのフィールド(舞台となる街一つ)が黒色に塗りつぶされる”と敗北になります。塗りつぶされるより早くオブリビオンを倒しきれば勝ちとなります。
転送されるのは、オープニングの状況の直前、ナンバーワンズが街を塗り始めようとするところです。街の一番高いビルの天辺から四方八方に塗るために散っていくので、何処で戦うかを考えてもいいかもしれません。(一部のナンバーワンズは真っ先に道路に落ちて塗ろうとしています)。ナンバーワンズが走った跡は黒く塗られてしまいますが、戦闘に意識が向いている間は塗れないようです。
では、皆さんのご参加をお待ちしております! 今回も戦争、勝ちましょう!!
第1章 集団戦
『ナンバーワンズ』
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POW : ナンバーワン怪人・ウェポン
【ナンバーワン兵器】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD : トロフィー怪人・ジェノサイド
【トロフィー攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ : 金メダル怪人・リフレクション
対象のユーベルコードに対し【金メダル】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
👑11
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霧島・クロト
「なんだかどっかで見たような戦場だよなぁ……ゴッドペインターとか居ないかねェ?」
【高速詠唱】から【氷戒装法『貪狼の狩人』】を起動すんぜ。
基本は高速移動しつつ、黒塗り地形に氷の波動を叩き込んで塗り直しを優先。
相手の超高速連続攻撃は【オーラ防御】で気持ちかすらせながら高速移動で振り切る方向で行くぜェ。
出来ることなら塗りつぶしを優先しつつ、出来れば無制限状態の解禁を目指すけど……まァ無理そうなら一発でかいのを叩き込む方向で。
相手に攻撃出来るようになったら、氷の波動を拳に纏わせて、
【属性攻撃】【鎧砕き】【マヒ攻撃】でぶん殴る。
(無制限モードなら、【2回攻撃】も足してラッシュにする)
※アドリブ連携可
ゾーク・ディナイアル
キャハハハハハ!塗り潰すだってぇ?
ボクがそんなの黙って見てるわけないだろぉぉぉ!
☆戦術
SPD勝負
UC【ハルシオン起動】で試作人型魔導騎士ハルシオンに搭乗して戦うよ。
「街中でも構わず撃っちゃうんだなぁ、これが!」
スラスターを吹かせ飛翔し、巧みな『騎乗・操縦』技術で高機動『空中戦』をしながら敵の攻撃を『野生の勘』で『見切り』躱して、塗る暇を与えずハイ・ビームライフルを『クイックドロウ』で『二回攻撃』して乱射したり、接近して『怪力』機構でビームサーベルを振るい『カウンター』で斬り裂いたり、ビームサーベルを突き刺して『傷口を抉る』ように焼き切り敵を撃墜していく。
「死で塗り潰してやるよ!」
※アドリブ歓迎
そこは一見、キマイラフューチャーの街並み。だが、ビルも街路樹も精巧なテクスチャで構成された物であり、中に入ったりはできないフィールド上のオブジェクトである。そのコンクリート風の色合いを黒が塗り潰さんとしている様子を目にした霧島・クロトは既視感を覚えた。
「なんだかどっかで見たような戦場だよなぁ……ゴッドペインターとか居ないかねェ?」
どこかのゲームのような光景、たしかに塗り返すならゴッドペインターの力は心強いだろう。だが、他の者が来るまで悠長に構えてはいられない。オブリビオン・ナンバーワンズが街を黒に染めゆくスピードはなかなかのものだ。
「ならば、まずは……」
迷う事なく黒く塗られようとするフィールドに降り立つクロト。魔術を発動する準備はこの場に降りるわずかな間に済ませている。
「我が身に北天に座す『貪狼』の加護を。」
氷の魔力がクロトを包む。【氷戒装法『貪狼の狩人』】によりその身に『貪狼』の星の加護を得て高まる力。間髪入れずに放たれる氷の波動がナンバーワンズの眼前に突き刺さり、その行く手を凍らせ閉ざした。
「なっ!? この氷は……」
「猟兵、もう来たというのか!」
出鼻をくじかれたナンバーワンズの足並みが乱れる。速攻で魔術を行使し地形の確保に向かったクロトによって得られたアドバンテージは大きなものだろう。行く手を塞がれたのならば、と散開しようとするナンバーワンズ。だがそこに影が落ちる。
「キャハハハハハ! 塗り潰すだってぇ?
ボクがそんなの黙って見てるわけないだろぉぉぉ!」
その影はゾーク・ディナイアルの駆る試作人型魔導騎士《ハルシオン》。【ハルシオン起動】により乗り込んでいる全長7mほどの人型ロボのスラスターを巧みに吹かし、ビルの合間を縫いながらもその速度は落ちる事がない。そしてそのセンサーが捉えたナンバーワンズにハイ・ビームライフルの銃口を向けた。
「街中でも構わず撃っちゃうんだなぁ、これが!」
クロトの氷で足止めをされていた所にビームの乱射が撃ち込まれる。狙い撃つならば躱す事もできようが、周囲もろともに乱れ撃たれては回避もままならない。派手な爆発と共に吹き飛ばされるナンバーワンズ、その余波はここが普通の街並みならビルのガラスも吹き飛ばしていただろう。降り注ぐビームが収まる頃には地面はビームに穿たれ抉れており、ナンバーワンズの数も減っていた。
「くっそ! このままやられるモノかよ!」
「オレたちが、ナンバーワンだ!!」
やられてばかりでなるものか、と自分たちの頭にあるトロフィーをもぎ取るナンバーワンズ。再び生えてくる頭を振りながらその手に持ったトロフィーでクロトに打ちかかってきた。
「たしかに早い連撃だが……」
高速で振り下ろされるトロフィーが、クロトの身を護るオーラによって僅かに軌道を逸らされる。さらに振り上げる一撃を、続く横薙ぎを、かすらせるように僅かな間隙を縫ってクロトが躱していく。その度に瞬くオーラの護りと『貪狼』の加護により増加した身体能力が、紙一重もない回避を可能にしていた。
「その程度じゃ、俺は捉えられねぇな。」
言って躱す間も氷の波動であたりを凍らせていく。黒く塗りつぶされる前に相手の進行を止めればいい。その瞳は冷静に戦況を見極めていた。
「これはボクも負けてられないなぁ!!」
その乱戦の只中に、ゾークがハルシオンを突っ込ませる。巨大な機動兵器で塞がれては進む事は出来ないし、なにより。
「切り札ってのはさぁ、あると使いたくなっちゃうんだなぁこれが!」
トロフィーで打ちかかってくるナンバーワンズに手にしたビームサーベルでカウンターを入れ、そのまま力任せに振り抜いて後ろも纏めてなぎ払う。スラスターの制動でその勢いを殺さぬままに回転する機体は反対から迫るナンバーワンズをハイ・ビームライフルで撃ち抜いた。まるで輪舞を舞うが如く、しかしてその猛威は嵐の如く。
「くっ、なんて無茶苦茶な!!」
「こんな奴ら相手にどうしろって……かくなる上は!!」
何とか掻い潜りながら少しでも黒色を塗り広げようとしたナンバーワンズの前に、氷気を纏いし黒い機人が立塞がった。この状況、相手の位置と進行方向は把握している。ならば、後は。
「さぁ、不要な過去は凍結してポイだァ。おーけー?」
クロトの拳が氷の波動を纏う。ナンバーワンズが踵を返すより早く、その拳が叩き込まれた。たちまち凍り付いて砕かれる。細かな氷片となって舞う時にはもう、次のナンバーワンズがクロトによって仕留められ。二人を止める者はなく、次々と討ち取られていくナンバーワンズ。この周辺から黒色が広がる事は、もはや無い。
大成功
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フォルセティ・ソルレスティア
【ペア/f00964】【SPD】(アドリブ・共闘可)
「遂にこのアクアバズーカが日の目を見る時が来たよ!」
愛用のウォーターガンに青インクを充填して参戦
【行動】()内は技能
Flying Broom GTSに(騎乗)して道路を疾走
ナンバーワンズを追いかけながら黒塗りの場所に青インク発射
「ふふーん、簡単には塗らせないよ!」
上塗りしながら敵に聞こえるように挑発するよ
向かってきたら(先制攻撃×高速詠唱)でクラロ・デ・ルーナを放つんだ
更にイスベル・ウラーノを叩きつけてナンバーワンズ毎、地形を破壊して
より『塗りにくく』するよ
周囲のビルを見上げて敵を見つけたら青インクで狙って(スナイパー)戦闘に引きずり込むんだ
フィオリナ・ソルレスティア
【ペア/f05803】【WIZ】(アドリブ/連携可)
「なんであんなに張り切っているのか不思議ね」
■作戦
弟と連携し黒を別な色で上塗りしながらナンバーワンズを挑発・誘引し各個撃破する
■行動
Flying Broom GTRに[騎乗]して戦う
「ちょっと服に飛ばないか心配だけど…」
スプラストリーム(ウォーターガン)に溜めた赤インクを黒塗りした箇所に
まき散らしながら索敵
ナンバーワンズを発見したら[スナイパー]で赤インクを射出し半ば挑発しつつ
[先制攻撃×高速詠唱]で【バベルの光】を撃ち落とす
なおリフレクションを警戒し【トールの雷鎚】→【アイオロスの刃】とUCを切替えていく
道路が片付いたらビルの方を警戒する
エメラ・アーヴェスピア
…割れた…どうなっているのよ…
………仕事、しましょうか…
ここは早期殲滅をしなくてはいけないのね
…うん、今回は同僚さん達のサポートに回りましょうか
一番高い場所で…展開『ここに始まるは我が戦場』
通った場所を塗りつぶすというのなら、補足は簡単ね
ついでにゲーム空間という「電脳」なら見つけた相手に『CODE:Chaser』も仕掛けられるし万全よ
そして敵の位置や予測進路、迎撃に有利な場所などを【情報収集】
同僚さん達に連絡する事で相手の補足や連携を促すわ
…『我が砲火は未来の為に』の狙撃砲(命中力重視)で狙撃する、と言うのも手ね
倒せれば良し、足止めできれば上々よ
進路を誘導するのもアリね
※アドリブ・絡み歓迎
「……割れた……どうなっているのよ……」
世界が割れる、それを見た者の感想をエメラ・アーヴェスピアの呟きは代弁しているかもしれない。常識はずれなキマイラフューチャーの現状。だが理屈がどうあれ起こった事態への、そして現れたオブリビオンへの対処が必要なのは変わりない。
「…………仕事、しましょうか……」
気持ちを切り替え、高台からフィールドを一瞥したエメラは最善の手を打つべく行動を開始する。
その一方で、この奇想天外な状況を楽しむ者もいた。フォルセティ・ソルレスティアは愛用のウォーターガンに青色のインクを詰めて準備万端、気合十分だ。
「遂にこのアクアバズーカが日の目を見る時が来たよ!」
この為にあったのではと思えるくらい状況にピッタリのウォーターガン、その名も『アクアバズーカ/ストームシャークFS-39』。それを手に目を輝かせる弟をフィオリナ・ソルレスティアが見やる。
「なんであんなに張り切っているのか不思議ね。」
あそこまで張り切る事はないとはいえ、フィオリナもウォーターガンを持って来ている。『スプラストリーム/ケルベロスブローFR-58』、対多を可能とするトリプルノズルのそれからは本気の度合いがうかがえる。たとえゲームのようでも相手はオブリビオン、手抜きはしない。そんな二人に声をかける者が居た。周囲の探査をざっと済ませたエメラである。
「あのクロヌリを塗り返すのなら私と共闘はいかがかしら?」
「ええ、かまいませんよ。」
「一緒に塗り返しに行くの?」
「いいえ、ここは早期殲滅しなくてはいけないから……」
エメラの視線にはフォルセティとフィオリナ、二人の乗るバイク。これならば広範囲を素早く移動し制圧する事も可能だろう。だが、戦闘しながらでは全体の俯瞰は難しい。
「だから私があなたたちの目となってサポートするわ。」
「そうですね……ビルの向こうとか、視界が通らない場所の情報をカバーしてもらえるのは助かります。」
エメラとしても、機動力のある実働部隊は頼もしい。即席のチームとはいえ、お互いの利点を最大限に活かせるだろう。
「決まりね。通信はそのバイクに送ればいいかしら?」
「ええ、お願いしますね。」
手早く打ち合わせ、フォルセティとフィオリナはまずは真正面に聳える一際大きいビルの前へとバイク『Flying Broom』を走らせた。そこにはすでにナンバーワンズが群れており、攻め込むにしても広がるのを止めるにしても先に叩いた方が良いだろう。
「……私も始めましょうか。」
二人を見送ったエメラは見晴らしのいいビルの屋上へとひらりと上がる。
「戦いは始まる前から…とはよく言ったものね。」
ここに来る前に、すでに【ここに始まるは我が戦場(リコネサンスドローン)】によって偵察機械は展開してある。ステルス機能を持つ偵察用の魔導蒸気ドローンとなる機械からは、様々な情報が届けられていた。反対側は別の猟兵が対処しているようだ。ならばこちら側を抑え込めれば勝てる。
「こことあそこはすぐに対処してもらうとして、あとは……」
時間をおいて見失っては手間が増える。エメラは必要に応じて【CODE:Chaser】による追跡プログラムを走らせ、捕捉していった。
「見えた! ちょっと服に飛ばないか心配だけど……」
二人の乗る『Flying Broom』が流星の如くビルの間を抜けていく。視界が開け、ナンバーワンズとその足元に広がる黒色を目視したフィオリナがウォーターガンから赤いインクを放つ。たしかに服に飛んだら目立ちそうな色合いだが、塗り返す為には躊躇ってはいられない。
「ああっ、せっかく塗った黒色が……!」
「新手の猟兵か!!」
広がる赤に色めき立つナンバーワンズ、その視線を集めるようにフォルセティが青インクを放った。
「ふふーん、簡単には塗らせないよ!」
その挑発はナンバーワンズのナンバーワンを求める心に火をつけた。
「ちくしょう! まずは猟兵から片付けるんだ!!」
「ああ! 他に誰も居なければオレたちがナンバーワンだからな!!」
まずは邪魔する者から倒そうと一斉に二人に攻勢をかけるナンバーワンズ。さらに挑発するようにインクを放って塗り替えていくフォルセティとフィオリナはタイミングを計り迎撃に切り替え、近付かれる前に数を減らす。
「放て。」
フォルセティの一言と共に奔る閃光と衝撃、先制の【クラロ・デ・ルーナ】がナンバーワンズを吹き飛ばす。だが、数が多い。その先頭集団の出鼻をくじくべくフィオリナがオートフォーカスで捕捉する。
「貫け、バベルの光よ!」
天上から突き立つ光の塔のようなそれは、【バベルの光(ルス・デ・バベル)】による高出力レーザーの輝き。大半を吹き飛ばされながらも、なおも向かってくるナンバーワンズにトドメとばかりにフォルセティが【イスベル・ウラーノ】を叩き込んだ。その一撃はナンバーワンズのみならず、その周囲の道路も破壊する。
「ここを塗り直すのはタイヘンだね!」
道路は割れて捲れ、周囲の街路樹も倒れて転がっている。これだけ障害物があるならば、たとえナンバーワンズが再び来ても塗り直すのは手間だろう。
『そっちは片付いたみたいね。』
「ええ、次は?」
『ルートを提示するわ……この順でお願いね。』
「これだと、向こうの方が遅れないでしょうか?」
『大丈夫よ、足止めはしておくから。』
通信越しに砲を放つ音が聞こえる。狙撃砲による狙撃だろうか、どうやらエメラは攻撃による誘導と足止めを行っているようだ。
『あとは先ほど提示したルートで追い込めば片付くわ。』
「わかったよ! それじゃ、いっくよー!!」
元気よくアクセルをふかすフォルセティにフィオリナも続く。見えた端からナンバーワンズを討ち倒していった。
「フォルセティ、ビルの上!」
「任せてよ!」
たとえビルに登っているナンバーワンズが居てもフォルセティがアクアバズーカで青インクを叩きつけて落としていく。
「このまま黙ってやられる訳には……ぶべっ!?」
迫るフォルセティをトロフィーで迎え撃とうとしたナンバーワンズにフィオリナの【バベルの光】が撃ち下される。だが、それを見ていたナンバーワンズが不敵な雰囲気をたたえて向かってきた。
「一度見たワザは、オレには通用しねぇ!!」
金メダルを輝かせて自慢げに言うナンバーワンズに光輝く魔法の網が絡みつく。
「同じワザじゃなければいいのよね?」
叩きつけるは雷撃の鎚。フィオリナの【トールの雷鎚】がナンバーワンズを骸の海へと叩き返した。
『……来たわね。あとはこの広場に居るので全部よ。』
エメラからの通信に目を向ければ多数のナンバーワンズがビルとビルの合間、ちょっとした空間に集まっていた。そこへ突っ込むフォルセティとフィオリナ、そしてビルの上からはエメラの砲撃が逃げ場を塞ぐように降り注ぐ。3人の攻撃を集中されては耐えきれるはずもなく、ナンバーワンズは殲滅されていった。
「……これでゲームセット、ね。」
エメラの宣言通り、すべてのナンバーワンズが討ち取られる。このフィールドの攻防は、猟兵たちの勝利で幕を閉じたのだった。
大成功
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