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バトルオブフラワーズ⑦〜歌え唄えよ恋の花~

#キマイラフューチャー #戦争 #バトルオブフラワーズ

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『ああ、貴方はなぜ美しい♪』
 歌が、響き渡る。
『気づいて、私の胸はこんなにも苦しいの♪』
 それは一人の少女が奏でる、甘く切ない恋の歌。
『信じよう、この広い世界、二人が出会えた運命を♪』
 何曲も何曲も、彼女はひたすらに歌い続ける。
 どのような恋だろうとも、私が叶えてみせると想いながら。


「キマイラフューチャーが真っ二つになっちゃった……っていう話はもう聞いたかなっ?」
 焦った様子を見せながら問うエスペラ・アルベール(元気爆発笑顔の少女・f00095)へと、集まった猟兵達は頷いて応える。
 そんな頼れる者たちの視線を受けて、彼女は一つ大きく深呼吸をすると現状の説明を初めた。
「キマイラフューチャーが割れた原因は、あの世界の中枢である『システム・フラワーズ』が危機に陥ったからなんだ」
 つい最近起きた、テレビウムの顔に鍵が映し出された事件。
 あの鍵こそ、オブリビオンに狙われたシステム・フラワーズからのSOSであったのだ。
「オブリビオンにこのシステムを壊されてしまえば、キマイラフューチャーを支えている『コンコン』がなくなってしまう。そうなれば……きっと、この世界は助からない」
 その言葉に、何人もの拳が強く握られる。
 これは、先の銀河帝国攻略戦と同じ、世界の運命をかけた一戦。
「みんなにまず攻めて欲しいのはここだよ、場所の名前は『ザ・サウンドステージ』」
 システム・フラワーズへ向かうに辺り、敵のオブリビオンが守っている6つのステージを奪い返さなければならない。
 このステージはそのうちの一つ、『音』に関したステージである。
「このステージでは特殊なルールがあって、『自分自身を奮い立たせる歌』を歌い続けないと、攻撃の効果がなくなっちゃうんだ」
 歌に込められた想いが強ければ強いほど、攻撃の威力も上がっていく。
 逆に歌を歌わなければ、どれだけの実力があろうとも相手に傷一つつけることはできない。
「このルールはオブリビオンにも適用されているけれど……今回の相手は、歌も想いも、完璧っぽいね」
 そこまで話すと、エスペラは力強い瞳で猟兵達を見つめる。
「歌詞の内容とかについて難しく考える必要はないよ、ただ、みんなの想いを歌という形でぶつければいいだけ……みんなの歌で、この世界を守って!」


芳乃桜花

 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 本シナリオは「⑦ザ・サウンドステージ」の物となります。

 令和となってから初めてとなるシナリオが戦争になるとは思いもよらず……芳乃桜花ですっ。

 この戦場では『パッショネイトソング』という特殊戦闘ルールが適用されます。
 OP内でも語られているように、『自分自身を奮い立たせる歌』を歌い続けなければ相手に攻撃することができません。
 歌の内容については問いません。エスペラが言うように、強い想いをぶつける!というところが重要です。

 【既存の曲の歌詞をそのまま引用されている場合、採用することができません】のでご留意ください。

 それでは、皆様のプレイング、お待ちしております!
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第1章 ボス戦 『ムスビ』

POW   :    かみさまの縁結び(物理)
【指名札】が命中した対象を爆破し、更に互いを【運命の赤い糸】で繋ぐ。
SPD   :    燃え上がる恋の炎(物理)
レベル×1個の【恋】の炎を放つ。全て個別に操作でき、複数合体で強化でき、延焼分も含めて任意に消せる。
WIZ   :    恋する乙女は無敵(物理)
全身を【リア充モード】に変える。あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になるが、自身は全く動けない。

イラスト:華月拓

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠カスミ・アナスタシアです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ショコ・ライラ
♪しあわせを踏みにじる奴らを
♪許すわけにはいかない

♪幸せ(チョコレート)の香りその身に纏い
♪《呼び声に応じて》いざゆかん

とうっ、と空から登場して
【クイックドロウ】で攻撃

♪ゆけ 幸せ守るため
♪ゆけ 皆を守るため
♪誰かが助けを求めるならば
♪誰にも負けない私になれる

相手の攻撃を【見切り】
【残像】を伴う【フェイント】で回避
即座に【カウンター】

♪それがヒーロー
♪それがヒーロー
♪ショコ・ライラ
♪守るべき世界のために戦え

ふふふ、即興だけど
私のコードの特性『ヒーローとしての矜持に比例して強くなる』と抜群に相性がいいね、このルール

世界のピンチ、己への【鼓舞】
そしてテーマソング
この状態のヒーローが負ける筈がないさ




「♪しあわせを踏みにじる奴らを 許すわけにはいかない」
 聞こえてきた歌声に、ザ・サウンドステージを守りしオブリビオンの一人、ムスビは奏で続けていた調べを止めて、空を仰ぐ。
「♪幸せ(チョコレート)の香りその身に纏い」
 その視線の先に存在するのは、口ずさむ歌詞に違わず甘いチョコの香りを纏わしたショコ・ライラ(そこにちょこんとショコライラ・f17060)。
 即座に敵対者だと認識したムスビは、ステージへ向かってくる彼女へと指名札を投げつけるが。
「♪《呼び声に応じて》いざゆかん とうっ」
 ショコは危なげなく素早く抜いた銃で迎撃し、ステージに降り立つと同時にムスビへと銃撃を繰り出していく。
 放たれた銃撃は抵抗なくムスビの身体を傷つける、それは『パッショネイトソング』によるルールをクリアしていることを示していた。
(ふふふ、即興だけど、私のコードと抜群に相性がいいわね、このルール)
 彼女のコード《呼び声に応じて》は、ヒーローとしての矜持に比例して戦闘力を増していく。
 世界を守るための戦い、己を鼓舞するテーマソング。
 この状況において、ヒーローが負ける要素は見つからない。
『恋の邪魔する怨敵を、恋の炎で燃やしましょう♪』
「♪ゆけ 幸せ守るため ゆけ 皆を守るため」
 ムスビも新たな歌を口にしながら、無数の炎を放ってくるが、命中したかと思った影はショコの残像。
 彼女はこの程度の炎では止められない、ムスビが体勢を立て直すより早く、一丁のリボルバーを取り出し狙いをつける。
「♪誰かが助けを求めるならば 誰にも負けない私になれる」
 誰かを助けるために、誰かを守るために。
 そのためならば、彼女は何者の前だろうと膝をつくことはない。
「♪それがヒーロー それがヒーロー ショコ・ライラ!」
 なぜならば、それこそがショコ・ライラというヒーローであるから!
「♪守るべき世界のために戦え」
 歌の締めと同時に放たれたビームキャノンが、違わずムスビの身体を呑み込んだ。
 守るべき物がある限り、その身に夢がある限り。
 ショコという少女は、どんな相手だろうと負けはしない。

大成功 🔵​🔵​🔵​

真幌・縫
お歌を歌いながら戦えばいいの?
何だかそれって楽しそうだね♪

恋の歌かーぬいはまだ恋とかしたことないからわからないかもだけど。
好きってことはこういうことかなってのはあるよ!それを歌おう♪

『恋って何だろう?
恋ってなぁに?
ただ分かるのは君が笑えば私も嬉しいってこと

愛って何だろう?
愛ってなぁに?
ただ分かるのは君が泣けば私も悲しいってこと』

恋の炎(物理)でくるならこっちだって!
【挑発】して〜【おびき寄せ】てからの。
【高速詠唱】【全力魔法】でUC【ウィザード・ミサイル】だよ!いっけー!!

アドリブ連携歓迎です。


ノネ・ェメ
 そんな……ノネのホームにあたる世界がこんないきなり戦争とか……。 こうなってしまったからにはしっかりしなくちゃいけないんだけど。 でもそれでも、誰にも戦ってほしくないし……誰とも戦いたくなんてない。。

 ぇ。歌に込めた想いでまさればいい? どゆこと? 全然のみこめてはいないけど、ここは……ここだけが、ノネの生きる道かもしれない。

 脅かす事がオブリビオンの行動原理、目的なら。絶対、脅かされるまま傷つけ合ってなんかやらない。 そのかわりといいってはなんだけど、この歌に。ノネの信念、ありったけを込めてあげるよ!




「お歌を歌いながら戦えばいいの? なんだかそれって楽しそうだね♪」
 ふらつくムスビの前へ、続いて姿を現したのは真幌・縫(ぬいぐるみシンドローム・f10334)。
 歌声響く戦場を楽しげに見回し、手にした翼猫のぬいぐるみをぎゅっと抱きしめた。
『ああお願い神様、彼女に愛を♪』
 新たな相手へと歌いながら攻撃を繰り出すムスビだが、ダメージの残る身体は動きが鈍い、縫は軽くステップを踏んで身をかわす。
 そしてムスビの奏でる歌を聞いて、恋の歌かー。と小さく呟いた。
「ぬいはまだ恋とかしたことないからわからないかもだけど」
 でも、好きってことはこういうことかなってのはあるよ! と続いた言葉に、自称縁結びの神であるムスビはピクリと反応し。
「恋って何だろう? 恋ってなぁに? ただ分かるのは君が笑えば私も嬉しいってこと……♪」
 縫が奏でるのは恋の、その確かな形をもわからぬままに気持ちを抱く、始まりの歌。
 聞いている者へ、どこかもどかしく、それでいて応援したくなるような感情を湧き上がらせるような歌だった。
『―――はっ! 聞き入ってる場合じゃない!?』
 自らが興味のあるジャンル故、思わず耳を傾けていたムスビは我に返ると縫へと炎を放つ。
 縫は自在に迫る炎を一気に迎撃しようと、わざと立ち止まっておびき寄せ。
「―――♪」
 美しい歌声と共に、一人の少女が間に割り込み、縫へと襲いかかっていた炎をその身で受け止める。
 少女―――ノネ・ェメ(ο・f15208)は悲壮感に満ちた表情でムスビを睨みつけると。
 自らの頭部を守っていた両の手を、静かに下ろした。
「え……?」
 その行動に戸惑いを見せたのは、縫とムスビの両者共。
 縫を庇った以上猟兵なのは間違いないだろうし、オブリビオンの本能も彼女を敵対者だと認識している。
 だとしたら……何故、彼女は戦おうとしないのか。
(ノネのホームにあたる世界が、こんないきなり戦争とか……)
 二人からの疑問の視線を受けながら、ノネは悲しげに思いを馳せる。
 こうなってしまったからにはしっかりしなくてはいけない、それを理解はしているのだ。
 理解はしている、が。
(それでも、誰にも戦ってほしくないし……誰とも戦いたくなんてない)
 それこそが彼女の想い。
 誰かが傷つくこと、傷つけ合うことは決して望まない、だからこそ、彼女は歌が力を持つこの戦場へとやってきた。
 歌に込めた想いの勝負、実際のところ、その内容の幾分かものみこめていないが、それでも彼女の持つ信念は本物だ。
 現に、ノネは歌を乗せた自身のユーベルコードによって防御力を強化し、ムスビの攻撃が直撃したにも関わらず大したダメージを受けていない。
「脅かす事がオブリビオンの行動原理、目的なら。絶対、脅かされるまま傷つけ合ってなんかやらない」
 その強い声音に気圧され、ムスビは数歩後ずさり、強く歯を食いしばると再度燃え盛る炎をノネへと放つ。
『燃えろ燃えろよその想い、全て等しき愛となれ♪』
 無数の炎を一つに合わせた、巨大な炎塊。
 それをまともに受ければ、いかに強化していると言えども無傷とはいかないだろう、それでもノネは歌うことは止めぬまま、衝撃に備えて目を閉じて。
「愛って何だろう? 愛ってなぁに?」
 その炎塊を破壊したのは、縫の放った魔法の矢。
 彼女なりの恋の歌を口ずさみながら、彼女はノネへと手を差し出す。
「ぬいには、あなたの気持ち、全部はわからないけれど」
 ただ分かるのは、君が泣けば私も悲しいってこと。
 歌として紡がれたその言葉に、ノネは驚いた表情のまま差し出された手を掴む。
(誰もが傷つかなくていい世界にするために、今は―――!)
 再び放たれた100超える本数の魔法の矢、その輝きは、炎塊を破壊した時よりも、なお強く。
『あ、愛が世界を救うと、キミは言うけれど―――!』
 ムスビの抵抗を呆気なく蹴散らして、その身体を貫いた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

燈夜・偽葉
なるほど、歌バトルですね
では挑みましょうか

歌唱とパフォーマンスの技能は一応持っています

「紅の地の果てへ 迷い子ただひとり
傾いた日の下で 風が嗤い去る

何故歩く?その果てに何を得る?
今はただ失うだけと、知っている筈なのに

それでも歩くのでしょう
立ち続けるよりはよいだろう、と


紅の地を踏みしめて 旅人ただ一人
傾いた日の下で 風を連れて往く

歩き続ける
得たものはきっとあるから
失ったものに別れを告げて

この旅路の先で、良かったと笑えるように」

攻撃では「剣よ、天を斬って」で攻撃します
指名札もこれで斬り捨てておきたいですね




「なるほど、歌バトルということですね」
 黄昏色の刀を手に、燈夜・偽葉(黄昏は偽らない・f01006)はムスビの前へと立ち塞がる。
 その表情はどこか遠くを見ているような、大人びた雰囲気を醸し出していた。
『つ、次から次へと現れる、恋の障害蹴散らしてー!』
 大分、歌に無用な感情が入り交じるようになった相手の攻撃から身をかわし。
「では、挑みましょう」
 その口から紡がれるのは、静かな旋律に沿った、ある少女の歌。
「紅の地の果てへ 迷い子ただひとり 傾いた日の下で 風が嗤い去る」
 投げ放たれる指名札を切り捨てながら、偽葉はムスビへと迫り。
「何故歩く? その果てに何を得る? 今はただ失うだけと、知っている筈なのに」
 その表情が、時折悲しげなように見えるのは、果たして気の所為なのか。
「それでも歩くのでしょう 立ち続けるよりはよいだろう、と」
 彼女は、ただ前へと進む。
 立ち止まることを、そのままでいることを恐れるように。
『愛に溢れたせか―――!?』
 歌を遮り、ムスビの身体が斬り裂かれた。
 未だ偽葉は刀の間合いより外の筈、されども彼女のユーベルコードは、その刃を空間ごと斬り裂く広範囲の斬撃へと、理そのものを塗り替える。
 相手に一撃を入れ、されども偽葉の足は止まらない。
「紅の地を踏みしめて 旅人ただ一人 傾いた日の下で 風を連れて往く」
 ムスビが間合いを取ろうとするが、傷ついた彼女の速度ではそれは叶わず。
「歩き続ける 得たものはきっとあるから」
 偽葉の二の太刀が振り抜かれ。
「失ったものに別れを告げて」
 ムスビの手にした指名札ごと、彼女の身体は斬り裂かれた。
「この旅路の先で、良かったと笑えるように」
 たまらず倒れるムスビを背後に。
 偽葉は顔を上げ、いつもの笑顔を浮かべてみせる。

成功 🔵​🔵​🔴​

シル・ウィンディア
歌かぁ…
人前で歌うの緊張するんだけどなぁ…
でも、頑張らないとっ!

使用するUCはエレメンタル・ファランクス
【全力魔法】で一気に行くけど…
歌、かぁ
……よし、それなら、これでっ!

燃え盛る熱き炎精よ♪
優しく流れる清らかな水精よ♪
自由を渡りゆく風精よ♪
母なる大地を象徴する地精よ♪

4つの力の源を♪
合わせて一つに交わらせ♪
全てを撃ち砕く光の矢となれっ♪

過去より来たりし闇の使者を撃ち砕く♪
一条の光となるのっ♪

歌の中に、魔法の詠唱を混ぜて
詠唱と一緒に自分の思いものせて…
そう、絶対に負けられないっ!
この世界の為、何より、わたしの為にっ!!
歌でも、気持ちでも、ぜーーーったいに、負けはしないよっ!!




 大きくダメージが残る身体を引きずりながら、ムスビは必死に猟兵たちから逃れようとステージを駆けていく。
 と、目の前に現れた影へ、問答無用で攻撃を繰り出した。
『愛が全てを救うと、夢抱き♪』
 無数の炎が迫り、あわや直撃かと思われたその瞬間。
 幾重にも光刃が煌めき、全ての炎が斬り捨てられる。
(歌かぁ……人前で歌うの緊張するんだけどなぁ……)
 光刃の主、シル・ウィンディア(光刃の精霊術士・f03964)は恥じらいを含んだ表情を浮かべながら少し思案し。何か思いついたように一つ手を打った。
「……よし、それなら、これでっ!」
 断続的に放たれるムスビからの攻撃を切り払いつつ、その口が調べを紡ぎ出す。
「燃え盛る熱き炎精よ♪ 優しく流れる清らかな水精よ♪」
 それは精霊へと語りかける歌。一節紡がれるごとに、シルの身に呼びかけに応えた精霊の魔力が溢れ出す。
「自由を渡りゆく風精よ♪ 母なる大地を象徴する地精よ♪」
 彼女を知る者なら判っただろう、これは魔法の詠唱をアレンジしたもの。
 歌自体を詠唱にしてしまえば、攻撃時のロスもなくなり、ついでに恥ずかしさも緩和される―――かもしれない。
「4つの力の源を♪ 合わせて一つに交わらせ♪ 全てを撃ち砕く光の矢となれっ♪」
 四属性の魔力を一つに合わせ、その中に歌に乗せた想いも込めて。
 彼女が奏でる想い、それは。
(―――絶対に負けられないっ!)
 世界のために、なによりも自分のために。
 この世を脅かす相手に、絶対に勝利するという誓いを持って、両の手を相手へと向ける。
「過去より来たりし闇の使者を撃ち砕く♪ 一条の光となるのっ♪」
 猟兵としての想いを込められた一条の光、それがオブリビオンの身体を撃ち抜いた。

成功 🔵​🔵​🔴​

テラ・ウィンディア
成程な
想いを…強い一念を歌にすればいいのか

ならば…おれは歌おう

かつて…黒騎士アンヘルと闘い…無様に敗れた時から抱く決意を

♪おれは最強~
♪おれは天才~
♪我が脚は戦艦を砕き~
♪我が槍は全てを穿つ~
♪それを切り捨てるは黒騎士の刃~
♪無謀なおれを切り捨てる~

♪ああ、悔しい♪己の驕りが
♪ああ、悔しい♪己の無様が

歌いながらも全力で剣と太刀を振るい斬撃を繰り返す
更に【見切り・残像・第六感】も含めてまさに踊る様に回避を試

♪おれの驕りを切り捨てた刃
♪だからこそ…おれは戦う
♪受けた痛みを力に変えて
♪今度こそ…おれを倒した黒騎士に打ち勝つ為♪

♪立ちあがれ
♪泣いても良い
♪叫んでも良い
♪それでも歩みを止めるな

ユベコ発動




「成程な、想いを……強い一念を歌にすればいいのか」
 これまでの戦いを見て、テラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)は得心したように呟く。
 彼女の心に宿る、最も強き想い。
「ならば……おれは歌おう」
 それは、彼女が屈辱を呑んだ、黒き騎士との戦い以外にありえない。
「♪おれは最強~ おれは天才~」
 いつだってそう信じ戦ってきた。
「♪我が脚は戦艦を砕き~ 我が槍は全てを穿つ~」
 どんな相手だろうと、この身と槍で打ち倒し。
「♪それを切り捨てるは黒騎士の刃~ 無謀なおれを切り捨てる~」
 そんな前に現れたのが、過去を操る力を持った黒い騎士。
 いつもどおり穿ち砕けると迫った自身を、一槍も届かせることなく斬り捨てた。
 あの戦いを忘れたことはない。その心の奥底で、悔しさ、怒り、後悔、様々な無念と共に燻り続け。
「♪ああ、悔しい 己の驕りが ♪ああ、悔しい 己の無様が」
 その怒りは自分への物、その悔しさは己の無力への物。
 そんな想いと共に振るわれる二刀の刃は、鋭い剣閃を持ってムスビを追い詰める。
「♪おれの驕りを切り捨てた刃 だからこそ……おれは戦う」
 放たれる反撃は、テラの踊るような動きを捉えることはなく。
「♪受けた痛みを力に変えて 今度こそ……おれを倒した黒騎士に打ち勝つ為」
 己の中に、黒騎士は生き残っている。
 その過去の敗北から、勝利を掴み取るため。
「♪立ちあがれ」
 何度地を這うこととなろうとも。
「♪泣いても良い」
 無様な己を振り払うために。
「♪叫んでも良い」
 心に刻まれた屈辱を忘れぬために。
「♪それでも歩みを止めるな」
 前へ進み続ければ、必ずいつか、その刃は奴へと届く―――!

 テラの刃に追い立てられていたムスビは、気づくことができなかった。
 少女の攻撃を回避できていたわけではなく、全てはこの瞬間のための布石に過ぎなかったのだと。
『―――!?』
 テラの歌が終わると同時に、ステージ一帯に刻まれた斬撃が一斉に花開き、ムスビの身体を切り刻む。
 これこそが、少女に屈辱を味あわせた黒騎士の技。過去から迫る不可視の刃。
「これは我が悔恨……我が無念……そしておれが知る恐るべき刃だ……とくと味わえ……!」

大成功 🔵​🔵​🔵​

ユキ・コシイ
歌縛り…しかも自分を鼓舞しながら?
ふふふ…面白い、聞いただけでワクワクしてきちゃう。
【ギターパフォーマンス】で呼び出した、とても丈夫そうなエレキギターを奏でながら
猟兵として見聞きしてきた事を歌いながら
…世界の命運を賭けた本日のステージに参りましょう

『夜空を駆ける 命の灯火』
『あなたは過去に 行ってしまったけれども』
『姿を失ったとしても 形を失ったとしても』

『私は忘れない』

『この歌に込めた想い この胸に秘めた出会い』
未来(あす)に語り繋ぐ為に』

『何度も、歌うの
これがわたしの』

『愛の形だから―!』

―飛び交う火の玉をギターで打ち返しながら
目前に迫れば思いっきり振りかぶる
私の愛、受け取れ―!




(歌縛り……しかも自分を鼓舞しながら?)
「ふふふ……面白い、聞いただけでワクワクしてきちゃう」
 歌を用いた戦い、今回の作戦の概要を聞いた時点から、ユキ・コシイ(失われた時代の歌い手・f00919)は自らの内に灯る熱い想いを感じ取っていた。
 普段は冷静で大人しい印象を持つ彼女だが、歌のこととなれば話は変わる。
「さー盛り上げてこー、Let's rockー!」
 その手にユーベルコードによる特製のエレキギターを生み出せば、己の心を燃え上げるように歌いだす。
「夜空を駆ける 命の灯火」
 普段彼女が言葉を発する際に使うナノ山さんとテレ彦くんは、ユキの歌を盛り上げるために全力を持ってバックアップに努め。
「あなたは過去に 行ってしまったけれども」
 彼女の姿をドローンから伸びるライトが照らせば、ユキの持つ多様なデバイスが観客―――ムスビへと歌声を余すこと無く伝える。
「姿を失ったとしても 形を失ったとしても」
 その内容は、猟兵として見聞きしてきた、その一部。
 愛する者を失った悲しき少女の歌。
 自分が愛した貴方はいない、この手に触れることは叶わない。
 ―――それでも。
「私は忘れない」
 ムスビの放つ炎狙いが、僅かにブレた。
 ユキの奏でる、過去に消えた者へと想いを綴るこの歌を聞いて、過去から蘇りしオブリビオンである彼女が何を感じたのか。
「この歌に込めた想い この胸に秘めた出会い 未来(あす)に語り繋ぐ為に」
 精度の鈍った炎を、あろうことか手にしたギターで打ち返しつつ。
 ユキはムスビの目前へと迫ると、そのギターを振りかぶる。
『そ、その歌を止めて!』
「何度も、歌うの これがわたしの」
 自身が歌うことすら忘れて声を上げ。
 至近距離から放たれた炎はユキに直撃するが、それはステージのルールによって無効化される。
「愛の形だからー!」
 ユキの心から湧き上がる愛、その想いが乗せられたギターによる一撃を受け。
 遂にムスビは、その存在を消滅させた。
「……世界の命運を賭けた本日のステージ、これで終演ね」

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年05月02日


挿絵イラスト