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バトルオブフラワーズ⑧〜走って塗るは躍動する筋肉

#キマイラフューチャー #戦争 #バトルオブフラワーズ

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●タンパク質は大事
「ギョギョー!猟兵達の動き早すぎるんじゃないギョー!?」
「コケー!ぶつくさ言ってないで手ぇ動かすコケー!!」
「タコタコ!手がいくらあっても足りないタコー!!」
 キマイラフューチャーのどこかにある廃工場。
 工場と言っても、ここで何か生産していることは無い。仮にもしそんな機能があったとしても、それは遠い過去のことだろう。
 このキマイラフューチャー、欲しいものはこんなところで生産しなくても出てくるところでコンコンすれば手に入るのだから。
 ……しかし、そのコンコンに今、空前の危機が訪れていた。
「とーにかく猟兵達にかぎつけられる前に、さっさとここを塗りつくすコケー!!」
「おいタコォ!お前も墨吐け墨ィ!!ギョ」
「タコはタコでもウィンナーに無茶言うなタコ!あと無理に語尾くっつけるのは見苦しいタコ!!」
 わいわい、がやがや。
 パイプやベルトコンベアの隙間を縫って、えらく筋骨隆々な大量の怪人たちがあっちへこっちへ。
 彼らは皆、一様に筆やら巨大ローラーやらバケツやらを手に、真っ黒なペンキを一面に塗りつけていた。
「すべてはドン・フリーダム様の為に!」
「「「ドン・フリーダム様のために―!!」」」
「合言葉はー!」
「「「いい筋肉は良いタンパク質からー!!」」」

●理解よりも時間の流れの方が早い
「えー、皆さん。こんな事を言うからって私が寝ぼけてるって思わないでほしいんですが……」
 キマイラフューチャーが、割れました。
 なんかもう顔が(;≡△≡)な感じになっているシャルロット・クリスティア(ファントム・バレット・f00330)の一言で「何言ってんだコイツ」って顔をした猟兵は情勢把握が追いついていない方々であろう。
「詳しくは各々調べてほしいんですが、先日までキマイラフューチャーを騒がせていたテレビウム・ロック事件は今回の件に関する救援だったようです。
 キマイラフューチャーの根幹をなす中枢、システム・フラワーズが怪人に占領され、このままでは世界が滅亡しかねません」
 その為、皆さんには中枢へ乗り込んで怪人を撃退していただきたく思います、と、シャルは言う。
「そのためにはまず、「ザ・ステージ」と呼ばれる障害を突破しなければなりません。今回私が担当するのは、その中でも「ザ・ペイントステージ」と呼ばれる区画です」
 ペイント。猟兵の誰かのつぶやきに、シャルはひとつ頷きを返して。
「そこでは怪人たちがすごい勢いで一帯を黒く塗りつぶしていて、完全に真っ黒になると不思議な力で猟兵を戦場から強制的に弾き出しちゃうそうなんです。なので、その前に怪人を見つけ出して殲滅、制圧してください」
 何を言っているかはわからないだろうが、シャルもいまいちわかってなさそうなので仕方ない。
 こうなっていると言われればそれに従うしかない。それがキマイラフューチャー。
「戦場は……そうですね、なにかしらの機械製品の工場のような感じです。地図は残念ながら用意できませんでしたが、敵の居場所のイメージの参考にしてもらえれば」
 それでは、急な話ですがどうかお願いします!
 敬礼をするシャルの姿を背に、猟兵達は戦場へと飛び込んでいく……。


ふねこ
 イカはいません。ふねこです。
 二回目の戦争始まりましたね。私も微力ながらお手伝いして行こうと思いますので、今回もよろしくお願いします。
 今回は戦争シナリオなので特に執筆タイミング等は考えず、書ける時に書きます。
 また、全員採用はおそらく難しいのでご了承をお願いします。

 今回はナワバリを広げている感じの怪人たちからナワバリを奪い返して(?)いただきます。
 『トリオ』と銘打っていますが、3種類と言うだけでそれぞれ複数対いるのでご留意ください。

 このシナリオフレームでは、『クロヌリスレイヤー』という特殊戦闘ルールが適用されます。
 キマイラフューチャーの街並みを模して作られた戦場で、多数の集団敵が、街中を『闇のような黒色』に塗りつぶしています。街並みが全て塗りつぶされると『敗北』なので、その前に集団敵を撃破しなければなりません。

 所かまわず塗り返すなり、どこを重点的に塗ってそうか推理して狙うなり、お好きな発想で戦っていただければと思います。
 それでは、皆様のご参戦お待ちしております。
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第1章 集団戦 『タンパク質三人衆』

POW   :    ニワトリ怪人・ウェポン
【ニワトリ兵器】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    サカナ怪人・ジェノサイド
【サカナ攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ   :    タコさんウィンナー怪人・リフレクション
対象のユーベルコードに対し【タコさんウィンナー】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。

イラスト:まめのきなこ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

レナ・ヴァレンタイン
鶏!魚!まではいいが何故最後だけタコさんウィンナーなんだ????
なに、どうでもいい話だったな、忘れろ

事前に宇宙バイクに通報用のサイレンとそれなりに大容量なペンキ貯蔵タンクをくくりつけて行動開始

ユーベルコードで出力強化した宇宙バイクで現場急行
下手な落書きをする怪人を交通事故(故意)で撥ね飛ばしつつバイクの後ろにくくりつけたペンキをひたすらぶちまけて塗り返す
効率も何もあったもんじゃないが、私は現場に素早く駆けつけて敵の塗装を妨害することを主軸に行動する
敵のバケツを狙撃してその場に落とさせてもいい
筆やローラーを破壊するのも効果的だろう
サイレン鳴らして敵の位置を知らせつつ、常に動いて現場把握に努めるぞ



 廃工場にけたたましいサイレン音が鳴り響いていた。
 ガサ入れでも来たかのようなサイレン音だった。
 白バイか?パトカーか?
 いや違う、それは宇宙バイクだった。
 しかもそれは、通報用のサイレンをくっつけているくせに後部に大きなバケツも用意して、走りながらペンキをぶちまけると言う、逆に通報されそうな所業をキメながら廃工場を走っていた。
「効率も何もあったもんじゃないが」
 そんな傍迷惑なバイクを駆るレナ・ヴァレンタイン(ブラッドワンダラー・f00996)は言う。
 自らの役目は、現場に素早く駆けつけて敵の塗装を妨害すること。
 バイクの機動力で戦場を走り回り、敵を発見したらサイレンで仲間に居場所を知らせ、相手の塗装の妨害を行う。
 戦場は広く、障害物も多い。一部は目立つところを集団で塗っている連中もいるようだが、そうでない、身を隠しながら着実に領土を広げる怪人も少なからずいる。
 そう言う輩を見つけだすのに、バイクの機動性は有り難い。
「……しかし、鶏!魚!まではいいが何故最後だけタコさんウィンナーなんだ?」
「お前は生肉を頭に乗っけた怪人が見たいのかタグォホォ!?」
 首をかしげてバイクを走らせていたら、何か跳ね飛ばした。
 振り返ってみると、真っ黒なインクがつけられたローラーを手にしたタコさんウィンナー怪人が身体の前面にタイヤ痕をつけて仰向けにぴくぴくしていた。
 どう見ても交通事故です本当にありがとうございました。
「……なに、どうでもいい話だったな」
 忘れよう。
 そうアクセルを吹かし直したレナはもう振り返ることも無い。
 遠ざかっていくサイレンの音。
 その場には、ぶちまけられたペンキで極彩色になったタコさんウィンナー怪人だけが残されていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ペイン・フィン
さて……。
キマイラフューチャーは、結構、気に入っている場所だからね。
そこが、失われるようなことには、させないよ。

使用技能は、情報収集、ハッキング、見切り、なぎ払い、マヒ攻撃、
範囲攻撃、気絶攻撃、毒使い、追跡、第六感、聞き耳、暗視、世界知識、
視力、時間稼ぎ、かな。

装備のスマホを使って、周囲の機械をハッキング。
カメラを見ながら、自分の勘も使って、怪人を探す。

見つけたら、コードを使用。
今回複製するのは、毒湯“煉獄夜叉”。
複製したこれで、範囲攻撃となぎ払い。
怪人を攻撃しつつ、塗りつぶされた場所を洗い流すよ。
同時に、マヒと気絶の毒で、時間稼ぎも狙おうかな。


奈々詩・空
サカナに鳥にタコ……いやちがうタコじゃねえ肉か魚肉だ……共通点……共通点は……なんだろうね

それはともかく、なにやら塗りつぶそうとしているならば塗りつぶし返してナワバリを奪い返すのだ
水鉄砲みたいなのある? あ、買ってこなきゃダメ?

とはいえ流石に水鉄砲で広範囲を塗りつぶすのはきつそうなので、ステージちょっと外、あるいは壊れないなら中に【超巨大機械城ダモクレス】を呼び出そうかしら
予めその手には巨大なペンキタンクを乗せて待機させておこう

俺っちは小さな体を生かして隙間を縫うように移動しつつはじき出されないようちょこちょこペンキをまこう
連中が固まってる所を発見したらそこにタンク内のペンキをぶちまけましょ。


荒谷・つかさ
……なんだかUDCアースにあったわねこういうゲーム。
とりあえず、全部塗られるのを阻止すればいいのかしら。

ロープワーク技能を駆使してなるべく高所へ登り、戦場を見渡す。
その際最も広く黒塗りされている所目掛けて飛び降りるわ。
風の属性攻撃を応用して空中で軌道修正&加速し、
正確に黒塗りのど真ん中に向かって大槌「流星」で【荒谷流重剣術奥義・稲妻彗星落とし】を発動、叩き込むわよ。
私の怪力と重力加速度を乗せた一撃なら黒塗りごと地形破壊してリセットも容易なはず。
着弾による衝撃波と、風の範囲攻撃も併せれば、黒塗りを一発で大幅になぎ払いできるんじゃないかしら。

効果ありそうなら、また高所に登って同じように繰り返すわ。



「サカナに鳥にタコ……いやちがうタコじゃねえ肉か魚肉だ……共通点……共通点は……なんだろうね」
「タンパク質でしょ」
 物陰に潜んで水鉄砲(自腹)で壁をぺちゃぺちゃやってる奈々詩・空(日々を過ごす・f00083)の耳元で、スマホ越しにペイン・フィン(“指潰し”のヤドリガミ・f04450)の無慈悲なツッコミが飛んだ。
 そりゃまぁね。『タンパク質三人衆』って名前らしいからね、一応。
 工場内を小さな身体で遊撃する空に対して、ペインが陣取っているのは敷地の隅。
 ここからペインは手持ちのスマホを通じて、工場内のセキュリティにハッキングを仕掛けていた。
 戦場の状態、敵の配置、諸々が手に取るようにわかる。
 その状態で即座に何かができる、と言うわけではないが、そこは仲間との連携の見せ所だ。
「……は、良いんだけど。何箇所か監視カメラ塞いじゃってるんだけど、それ」
「100mだからね。仕方ないね」
 しかたないね。
 そう言って二人が別々の場所から見上げるのは、廃工場を突き抜ける超巨大な人型のくろがねの城。
 その名も『超巨大機械城ダモクレス』。なお、屋内にいた空の目には天井をぶち破っている脚しか見えていない。
「……なんだかUDCアースにあったわね、こういうの」
 そんな巨大ロボの肩に腰掛けている荒谷・つかさ(風剣と炎拳の羅刹巫女・f02032)がぽつりとつぶやく。
「あ、そう言えば3月の新作もうクリアした?」
「そっちじゃない」
 空に今度はつかさからのツッコミ。
 彼女が言ってるのは今回のルールの事であって決して今腰掛けているコイツの事ではない……筈。
「まぁ、死角は私が見に行っておくよ。それより、どう?」
「南棟の内部に1グループ。西区画に2グループ分が纏まって行動してる」
「それじゃ、南棟は私が行くわ」
 ペインの報告を受け、つかさが立ち上がる。
 南に目を向ければ、ジグザグな形状の屋根の工場が煙(雰囲気で吐いてるだけだろう、多分)を上げていて。
「北から30m、東から45m」
「了解」
 ペインの指示に合わせ、跳躍。
 巨大ロボと言う高所から飛び降りているのだ。落下速度は見る見るうちに上がり、巫女服がバタバタと風を孕んで音を立てる。
 ――北から30、東から45。
 頭の中で復唱し、戦巫女としての権能をも用いて軌道を修正。眼前に見る見るうちに迫る屋根。
 振りかぶるは、『流星』の名を冠した超重量のウォーハンマー。
「この剣……じゃなかったこの鎚に、打ち砕けぬもの無し……!」
 天井をぶち抜く。
 その下にいた怪人たちが、なんだなんだと上を見上げても状況把握する暇など与えられるはずもない。
 ハンマーを振り抜いた勢いで一回転。そして着地ざまにもう一撃。
 一面真っ黒に塗られていた床を全身全霊の腕力と重力加速度を以てぶっ叩く。
 その『圧』は床を易々と抉り取り、その衝撃波だけで部屋にいた怪人たちを壁面まで吹き飛ばし、しかしそれでは足らずにその壁をも打ち砕く。
 壁でこれなら床はどうなのか?
 聞くまでも無いだろう。黒塗りの床なんて跡形も残ってなく、そこに在るのは一個のクレーターだ。
 ……そして、あえて屋根のあるこちら側をつかさが担当したのは理由がある。
「……こっちまで振動来たんだけど」
「じゃ、西側はこっちがやろうかー」
 その惨状もとい戦果を見届けたペインと空が、改めてもう1グループの側に目を向ける。
 屋外の資材置き場みたいな場所なんだろう。怪人たちがわっせわっせとローラーを転がしてナワバリを広げているのが見て取れる。
「それじゃ、ダモクレスいってみよっかー」
 ゴゴゴなんて効果音を響かせながら、空にそびえるアイツが腕を動かし始める。
 その手に持っているのは……巨大なバケツだ。
 何をしたいのかはもうお察しだろう。
 少々離れた場所で操作している空自身は目標地点は見えないものの、そこはペインが指示を出して調整させる。
 そして……。

 ば し ゃ ぁ 。

 やりやがった。
 バケツをぶちまけて、その中身を密集区画へと思いっきり降り注がせる。
「ギョっふぁぁぁぁ!!熱い!!しかもなんか痛い!!なんギョこれ!なんギョこれ!!」
「あーっ!あーっ!!ペンキが!ながされるタコー!!」
 阿鼻叫喚。
 のた打ち回る怪人。薄まり流されるペンキ。
 そう、今流し込んだのはただの液体ではない。
 毒湯。ペイン謹製の拷問アイテムであった。
 本来はバケツの中身は別の色のペンキだったのだが、丁度ペインが範囲攻撃用に複製していたのが怪人にとっての不幸だった。
 怪人だっていきなり巨大ロボが猛毒の熱湯を頭からぶっかけてくるとは思いませんて。

 ……かくして。
 廃工場を黒く染め上げようとしていた怪人たちは、ロクに戦闘も無く自慢の筋肉を見せつけることも無く、ある意味怪人以上にフリーダムな猟兵たちに蹂躙されてしまったのでした。
 ちゃんちゃん。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年05月02日


挿絵イラスト