バトルオブフラワーズ⑦〜世界の断面で愛を叫ぶ~
●妹の為なら歌える
「へい!アニィ!」
ザ・サウンドステージ。強い思いを歌に乗せる者こそが頂点に立つことができる、己の熱い思いが試されるステージ。
そのステージの王となり君臨する怪人は、妹への思いを語り、歌い、シャウトしている。
「ツンデレ妹照れ隠しィ!」
「世話焼き妹腹黒い!」
「どんな妹でも愛せ!俺たちみんな!おにぃちゃぁぁぁん!!!」
独特な歌詞は全ての人に理解を得られることはないだろう。しかしその熱い思いは、誰よりも本物だ――。
●システム・フラワーズに行く為に
「緊急の任務だ!すぐに動ける猟兵はいるか!」
清水谷・柳牙(軍人脳・f00466)が、近くにいる猟兵に呼び掛けている。バトルオブフラワーズ。新たな大きな戦いが、一刻と迫り.......いや、もう始まっている。
「皆にはザ・サウンドステージ。歌と音楽で怪人と戦って貰いたい」
システム・フラワーズに行く為に制圧しないといけない6つのステージ。その1つの名前が呼ばれる。
「今までの殴り合いとは少し違う、変則的な戦いになっているが。世界を取り戻す為に全力を尽くす。今までとなにも変わらないだろ?」
ニヤリと悪い笑みを浮かべる柳牙。どんな状況下、どんな場所でも目的を見失わないこと。いつも通りにやればいい。そんな思いを込めて言葉を続ける。
「このステージで勝つために必要なのは自分自身を奮い立たせる歌。上手いかどうかは関係ねぇ。歌に込められた気持ちの力がトリガーになるからな。怪人もかなり気合い入ってるみたいだから、全力で歌え?」
歌で戦う。今までに数の少ない戦いではあるが、世界を救うために覚悟を決めた猟兵たちが一歩前に出る。
「覚悟は......いや、そんなもん最初から決まってるよな。よし、世界を救いに......歌おうぜ!」
柳牙は笑顔で猟兵たちを送り出す。新しい戦いの1つ。想いと想いが交差する熱く激しいライブバドルが、今始まる――!
えんぷ茶
オープニングを読んで頂きましてありがとうございます。えんぷ茶(てぃ)です。ライブバトルはスペースシップワールドで1度シナリオをやらせて頂きましたが、戦争の終わりで生まれたライブバトルが新しい戦いへ――。何かを因果を感じますね。
さて。今回はバトルオブフラワーズの関連シナリオであるザ・サウンドステージとなります。当シナリオでは特殊ルール「パッショネイトソング」が適応されています。条件を満たさない限り、強制敗北となってしまう可能性がありますので、ご留意ください。
シナリオとしましては、怪人よりも熱い歌を披露することが出来れば勝利となります。猟兵皆様のうちに秘めた熱い想い。想いへのベクトルは一切問いません。それを歌と音楽にのせて猟兵様の熱いハートを見せてください!プレイング、お待ちしております!!
●パッショネイトソング
この戦場では、戦闘中、常に『自分自身を奮い立たせる歌』を歌い続けなければなりません。歌を歌わずに行った攻撃は、効果を発揮しません。
『秘密にしている事をカミングアウト』したり『恋人への告白を歌にして捧げる』など、強い思いを歌に乗せる事ができれば、より強力な攻撃を行う事が出来るでしょう。
第1章 ボス戦
『妹が大好きな怪人・マイホゥ』
|
POW : 妹の願いを叶えぬ兄などいない!お兄ちゃん頑張るぞ
【妄想の元気系妹の激励 】【妄想の清楚系妹の声援】【妄想のツンデレ系妹の罵倒(?)】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。
SPD : 妹の何が良いかだと?これを見れば良さがわかるぞ
レベル×5本の【妹 】属性の【動画を再生するモニター付ドローン】を放つ。
WIZ : どんな妹が好みだい?言わなくてもわかっているさ
【頭部のタブレットPC 】から【対象が考える理想の妹の幻影】を放ち、【実体化した幻の妹とのふれあい】により対象の動きを一時的に封じる。
イラスト:因果
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
|
種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「フィン・スターニス」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ミスツ・シューパリツェ
【POW】
歌だとぉ?自分を奮い立たせるぅ?
……何でもいいんだな?わかった、ならやってやる
俺も猟兵になったばかりだ、丁度いいぜ
これからに向けて、気合入れてやろうじゃあねえか!
というわけで、演歌だ
……ああ図体はともかく、この顔で演歌って思うよな?
いいか!俺はな!少し前にこのバイオモンスターに喰われた、男なんだよ!!
だがこのまま死ねるか、こんな奴に喰われて死ねるかってぇあがきでこうやって頭ん中だけ残った生き汚ぇ男だ!
そんな奴でも、けじめは付ける!俺を食ったこの化け物を作ったオブリビオン!そいつを見つけ出し、必ず倒す!その為ならどんな姿でも生き抜いてやる!その想いを歌とUCに全乗せしてやらぁ!
「……何でもいいんだな?わかった、ならやってやる!」
ミスツ・シューパリツェ(バイオモンスターのバーバリアン・f17654)は、気迫の込められた顔で触手をピンと張り巡らせ、雄々しい雰囲気さえ漂わせながらステージへと上がる。
猟兵になったばかりのミスツにはその可憐な素顔からは想像もつかない過去がある。それは骸の海にまでは渡っていない、現在進行形の呪い。
そんなミスツがこれからに向けて、気合入れてる為に選択した歌は――、演歌だった。
静かながらも哀愁人情薫る、厳しさと切なさ。そして一点の光の如く刺さる優しさの香るメロディーと共にミスツはその身体を揺らす。
その歌はとても美しいという訳ではなかった。しかし、それを凌駕するほどの力強さがある。
突然の不幸を辛うじて乗り越えそれでも。その災いを一生背負っていく覚悟。どんな状況であっても這い上がって帰ってくる。そんな一人の人間としての生きざまが歌に乗る。
「妹の願いを叶えぬ兄などいない!お兄ちゃん頑張......うおっ、まぶし!」
負けじと妹への愛を叫ぼうとするマイホゥ。しかし、その歌は全身を黄金のオーラで覆い、己が意志を力へと変えたミスツに呑まれ、萎縮してしまう。
マイホゥを圧倒するミスツだったが、怪人など彼女の眼中には無かった。ミスツには絶対に倒さなければいけない敵がいる。
彼女を不幸の道へと叩き落としたオブリビオンがどこかに存在しているのだ。そいつを倒す為ならば、どんな姿でどんな不幸に逆境に見舞われようとも生き抜く。
どこまでも力強いミスツの想い。歌となったのはその想いのほんの一部に過ぎないのかもしれない。
しかし、その新たな門出を祝福するかのように、黄金のオーラは天まで届く柱のように、雄々しく逞しく。このフィールドを支配していた――。
大成功
🔵🔵🔵
神羅・アマミ
HEY!MEN!平面な顔に萌えキャラ映して
渦巻く妄想 起こすは抗争
YO!BRO!風呂に入ってるのかい
キツいぜ体臭 ウケなし大衆
満を持し登場 M.C.AMAMI
舐めてかかれば大火傷必至
今日も冴え渡る GANGSTA RAP
矜持引っ提げ 奏でるANTHEM
妹欲しけりゃ妾がなろうか?
ただしこいつで勝ったらな
かかってきやがれ RHYMEとLYRIC
格好つけろよ GEEKがBEEF
奇声を発して芸人気取りか?
御託を並べるオタクの十八番
素人丸出し LIKE A CHICKEN
勝負は非情さ SUCKなWACK
オブリに捧げる R.I.P
負ってるモノが違うぜ 猟兵
レペゼン キマイラ AMAMI
今 ここに 勝利宣言
『HEY!MEN!平面な顔に萌えキャラ映して
渦巻く妄想 起こすは抗争
YO!BRO!風呂に入ってるのかい
キツいぜ体臭 ウケなし大衆』
小気味いいリズムと共にステージに上がった神羅・アマミ(凡テ一太刀ニテ征ク・f00889)は、ラップで勝負を挑む。
自身にクリティカルな即席ディスり歌詞に、マイホゥも動きが一瞬止まるが、それでも挑発には乗るまいと妹への愛を語り続ける。
『満を持し登場 M.C.AMAMI
舐めてかかれば大火傷必至
今日も冴え渡る GANGSTA RAP
矜持引っ提げ 奏でるANTHEM』
そんな様子を見てか知らずか、アマミは更にラップを続けていく。人心を惑わせることには慣れているのだろうか、歌詞だけでなく、その舞いの仕草1つ1つが、マイホゥを刺激する。
『妹欲しけりゃ妾がなろうか?
ただしこいつで勝ったらな
かかってきやがれ RHYMEとLYRIC
格好つけろよ GEEKがBEEF』
アマミは挑発するだけでなく、そのヘイトを一身に集めていた。潜在的に仲間を守ろうとする意志が込められているのだろうか。
アマミは一度歌詞を止めてマイホゥの返しを待っている。マイホゥは怒る心を何とか沈め、ラップを考えようとするが、マイホゥはまだラップ系妹キャラにはで会っていなかった……。
「妹の何が良いかだと?これを見れば良さがわかるぞ!
い、いもうと知ればもう虜ォォォォォォ!」
ラップを介さないマイホゥは勢いを叫び声だけでゴリ押した。しかし、その愛の語りは単調で一点張り。それを聞いたアマミは張り合いの無さを感じつつもラップを続ける。
『奇声を発して芸人気取りか?
御託を並べるオタクの十八番
素人丸出し LIKE A CHICKEN
勝負は非情さ SUCKなWACK』
マイホゥはついに我慢ならないと、アマミに物理的に襲い掛かろうとするが、それも叶わない。
今のマイホゥは、怒りに感情を取られている。妹愛をも語れないほどの劣等感。強い思いとはとても思えないものだった。
『オブリに捧げる R.I.P
負ってるモノが違うぜ 猟兵
レペゼン キマイラ AMAMI
今 ここに 勝利宣言』
アマミはラップにより、マイホゥの強い思いを削ぐことによって、終始優勢をキープすることに成功したのであった――。
成功
🔵🔵🔴
星群・ヒカル
妹分はおれも好きだ、だがそれが全てではない
この超宇宙番長と歌唱対決だな!
それでは、即興歌謡「お姉さんも素敵だと思う」!
(ドンっと置かれたラジカセから昭和歌謡曲なメロディが流れ始める)
甘えられるのもいいけれど
毎日戦う男には
甘える相手が必要だ(ハァドッコイ)
何にとは言わないが埋もれたいし
膝枕とかも捨てがたい
あ〜、家にお姉さんがいてくれたらなぁ
お姉さんのためなら頑張れる(ソイヤッソイヤッ)
(こぶしを交えて熱唱するがお世辞にもうまくはない)
なに、音程が外れている?
気持ちを伝える……歌っていうのは本質的にそういうものだろう!
聞こえないか、アツい愛が!この、輝きがッ!
『超宇宙・真眼光波動』で消しとばすぞ!
「この超宇宙番長と歌唱対決だな!」
続いてステージに上がるのは、星群・ヒカル(超宇宙番長・f01648)は即興歌謡『お姉さんも素敵だと思う』を歌う。
歌詞には『妹分はおれも好きだ、だがそれが全てではない』というマイホゥの趣向を尊重しつつも、自分の意志を見せていこう。そんな熱いメッセージが込められていた。
キマイラフューチャーの製品と並べると明らかに異質にも見える、趣のあるレトロなラジカセがドンッ! と置かれ、昭和歌謡曲なメロディがゆっくりと奏でられていく――。
『甘えられるのもいいけれど
毎日戦う男には
甘える相手が必要だ』
ハァドッコイっと、マイホゥを誘うようなジェスチャーで踊りを加え、マイホゥに理解を求めるヒカル。
妹と関連してバブみにも理解が手厚かったのか、マイホゥは確かにな。と言わんばかり首を縦に振っていた。
『何にとは言わないが埋もれたいし
膝枕とかも捨てがたい
あ〜、家にお姉さんがいてくれたらなぁ』
妹と関連してロリ巨乳にも理解が手厚かったのか、マイホゥはわかるわかる。と過剰に首を振るオタク頷きを返していた。
『お姉さんのためなら頑張れる』
こぶしを交えて熱唱するヒカル。その歌はお世辞にも上手いとは言えないが、熱いメッセージと思いが込められたまっすぐな歌で、マイホゥは素直に拍手していた。
「上手さはともかく、熱い……」
「なに、音程が外れている? 気持ちを伝える……歌っていうのは本質的にそういうものだろう!」
語っていくうちに少しばかり恥ずかしくなってきたのだろうか、ヒカルは徐々に口を速めて、マイホゥに詰め寄る。
「聞こえないか、アツい愛が!この、輝きがッ!その目に焼き付けろ。これが……超宇宙番長の輝きだッ!」
「お、おい攻撃って……! うわぁぁぁあ!」
星写す魔眼から、光波動が物理法則を明らかに無視しているであろう渦を巻いて、マイホゥをぶっ飛ばす。
「お姉さんのためなら頑張れる! 分かったか!」
こうしてヒカルは、お姉さんの良さを素直に理解しないシケたオブリビオンにしっかりとオトシマエをつけたのであった――。
成功
🔵🔵🔴
紫・藍
藍ちゃんくんでっすよー!
わお! 妹への歌でっすかー。いえいえむしろ妹という概念に捧げる歌でっすかー!
中々の熱意、で・っす・っが!
藍ちゃんくんの藍ちゃんくんへの熱意は最強ですのでー!
歌いまっすよー、歌唱しまっすよー!
ステージの上にステージを落としつつ自分への応援と愛の歌!
自分大好き藍ちゃんくん! 常在可愛さEvolutionな藍ちゃんくんなのでっす!
やや、理想の妹でっすかー?
藍ちゃんくんなのでっす! 藍ちゃんくんの理想は藍ちゃんくんなのでっす!
藍ちゃんくんが妹なのでっす!
しかし妹ともなればそれは女の子な藍ちゃんくん。果たしてそれは藍ちゃんくんと言えるのでっしょかー!?
ロジックエラーなのでっす!
「わお! 妹への歌でっすかー。いえいえむしろ妹という概念に捧げる歌でっすかー!」
いつの間にか天に、空高く浮かび上がる大質量のステージと共に姿を現した紫・藍(覇戒へと至れ、愚か姫・f01052)はマイホゥの見せる中々の熱意に感心を示す。
「藍ちゃんくんの藍ちゃんくんへの熱意は最強ですのでー! 歌いまっすよー、歌唱しまっすよー!」
ステージの上にステージを降下させつつ、音源が流れ始める。大きな物体が落ちてくる、そんな危機感を感じてしまう音すら音楽と一部として藍ちゃんくんの歌の糧になる。
「自分大好き藍ちゃんくん! 常在可愛さEvolutionな藍ちゃんくんなのでっす!」
藍ちゃんくんが歌う熱意。それは自分自身への自己愛だった。しかし、それはただ単純に自分が好きというだけではない。
自分が自分を誇れるようになることがどれだけ難しいか。苦難の道があることか。そこには膨大なエネルギーが眠っているに違いない――!
「どんな妹が好みだい?」
「やや、理想の妹でっすかー?」
マイホゥも、負けじと妹への愛を歌い、頭部のタブレットPCから藍ちゃんくんが考える理想の妹の幻影……藍ちゃんくんと同じ姿の実体化したもう一人の藍ちゃんくんが現れる。
「しかし妹ともなればそれは女の子な藍ちゃんくん。果たしてそれは藍ちゃんくんと言えるのでっしょかー!?」
女の子となって現れた藍ちゃんくんは、藍ちゃんくんではないのではないか。それは積み重ねてきた過去のない張りぼてに過ぎないのではないか。
「ロジックエラーなのでっす!」
藍ちゃんくんにとって、その回答は自身の理想の妹としてそれは論理が破綻していた。最後の一言と共に、藍ちゃんくんは迷うことなく。自身のいるステージをマイホゥに墜落させるのであった――。
成功
🔵🔵🔴
浅桜・千結
あー、あ、あ。
ヒトカラの常連、ちゅいちゃん、エントリーします!
曲は、『ゲームラブ!』
怪人マイホゥ、正直アンタには感動したわ!
好きなものが好きでいい。痺れた!
だから私もこの思い、柄じゃないけど歌ってみる!
聞いてけ私のソング!(ここまで前奏)
◆戦闘
ちっさい頃からゲームが好きで、でもゲームって男の子が遊ぶものだって馬鹿にされて。
オタクはキモイだの、どこにも居場所なかったけど。
それでも! 好きなんだもん!
いいじゃんってつっぱねたら、大変なこともあるけど、
好きな物のためなら頑張れるし、力になって、立ち上がれるって思えた。
今はちゅいの、かけがえない戦う力。
大好きだよ!
っあーーー尊い! 物理で1発殴らせて!
「あー、あ、あ……。ヒトカラの常連、ちゅいちゃん、エントリーします!」
ステージに上がり、マイクテストに続けて参加宣言するのは浅桜・千結(✜原Kawaゲーマー✜・f05855)だ。
曲:『ゲームラブ!』の音が響く。どこまでも前向きさを感じさせる音楽に乗せて、千結は語る。
『怪人マイホゥ、正直アンタには感動したわ!
好きなものが好きでいい。痺れた!
だから私もこの思い、柄じゃないけど歌ってみる!
聞いてけ私のソング!』
その応援は、否定され、光を刺され、ステージを落とされ。すさんでいたマイホゥに強く響いた。
「お、俺を肯定してくれるのか……!」
『ちっさい頃からゲームが好きで、
でもゲームって男の子が遊ぶものだって馬鹿にされて。
オタクはキモイだの、どこにも居場所なかったけど。
それでも! 好きなんだもん!』
マイホゥの問いに千結は歌で答える。好きのベクトルが妹とゲームで差異はあるものの、どんなに周りから何かを言われようが、好きなものは好きだと貫く姿勢。
2人は紛れもなく同志だった――!
『いいじゃんってつっぱねたら、大変なこともあるけど、
好きな物のためなら頑張れるし、
力になって、立ち上がれるって思えた。
今はちゅいの、かけがえない戦う力。
大好きだよ!』
一見自分応援ソングのようにも聞こえるが、その歌はマイホゥにも狙い打たれたかのように響いていく。
好きが誰かを強くする。そこに生まれは関係ない。全ての好きを貫く者へのエールとも言えるその歌に、マイホゥは強く心を惹かれ、液晶から涙を流す。
「っあーーー尊い! 物理で1発殴らせて!」
「いよっしゃ、こいやぁぁぁぁ!!妹の願いを叶えぬ兄などいない!お兄ちゃん頑張るぞ!」
どこぞのビンタよろしく、もう一度自身に気合を入れ直す為にと、マイホゥは自ら千結の前に来て立ち止まる。
「っきゃー、尊いッ!」
その尊み溢れる拳は、可愛らしい容姿からは想像できない程の剛腕と共に躍動し、マイホゥのモニターを容赦なく貫いたのであった――。
成功
🔵🔵🔴
ミフェット・マザーグース
怪人さんが妹さんへの思いを歌うなら
ミフェットもだいじばひとへの思いを歌うね
さいしょの友達 だいじな友達のことを歌にするよ
UDC【嵐に挑んだ騎士の歌】
この「歌唱」で、みんなの気持ちを「鼓舞」して、応援するね
「FRIEND」
わたしがここにいる理由は 手を引いてくれたあなたの声
踏み出せずにいた いつもの暗がり
急に眩しく照らした笑顔
呆れるぐらいに前向きな言葉
背中を押す手に びっくりしたけど
駆け出しても 転んでも いつも横にいてくれるから
あなたとならどこまでだって行ける
みんなと協力して、状況に合わせて、アドリブもできるようにがんばるよ
アイドルは、アドリブもできないとダメって、本に書いてたもん
「ああ……見えない……妹が……見えない……!」
モニターが壊れた怪人マイホゥ。彼の画面には何も映らなかった。もう妹の姿も声も聞こえないという絶望に苛まれていた。
「怪人さんが妹さんへの思いを歌うなら、ミフェットもだいじばひとへの思いを歌うね」
そんな怪人元へ、ステージに最後に上がったミフェット・マザーグース(沼の歌声・f09867)は、さいしょの友達。だいじな友達のことを歌にする――。FRIEND、それが曲の名前だった。
『わたしがここにいる理由は 手を引いてくれたあなたの声
踏み出せずにいた いつもの暗がり
急に眩しく照らした笑顔』
状況に合わせて、アドリブもできるようにがんばる。そう心に決めていたミフェットは、失意に沈むマイホゥにその手を差し伸べる。
『呆れるぐらいに前向きな言葉
背中を押す手に びっくりしたけど』
怪人マイホゥは、消えた視界の中でその手の存在に気づいたのか、優しく手を握る。急に握られたミフェットは、少し驚くものの、笑顔で受け止め、歌を続ける。
『駆け出しても 転んでも いつも横にいてくれるから
あなたとならどこまでだって行ける』
アイドルは、アドリブもできないとダメだと知ったミフェットは、最後まで。優しい歌唱で、その場にいる者全てを鼓舞していく――。
「あぁ……そうだったのか……理想の'妹'はここに――」
尊みに溢れたマイホゥは、歌うのを止めた。猟兵たちの秘めた熱い想い、そして優しく今この場で優しく励ましてくれる存在に。その心は溶かされていく。
溶かされた心から、世界を憎む想いもを薄れていくマイホゥ。その身体を徐々に薄くしていく。戦意を失った怪人が辿る道は1つ。骸の海へと還るのみだ。
こうして猟兵たちは、無事に怪人との戦いに勝利したのであった――。
大成功
🔵🔵🔵